JPH0884985A - パーム油排液の濃縮方法 - Google Patents

パーム油排液の濃縮方法

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JPH0884985A
JPH0884985A JP6221903A JP22190394A JPH0884985A JP H0884985 A JPH0884985 A JP H0884985A JP 6221903 A JP6221903 A JP 6221903A JP 22190394 A JP22190394 A JP 22190394A JP H0884985 A JPH0884985 A JP H0884985A
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palm oil
palm
drainage
concentrating
oil
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JP6221903A
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English (en)
Inventor
Yoshio Tajima
島 義 夫 田
Seiji Asahi
誠 司 旭
Ah Ngan Ma
アー ンギャン マー
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PALM OIL RES INST OF MALAYSIA
Yokohama Rubber Co Ltd
Malaysian Palm Oil Board MPOB
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PALM OIL RES INST OF MALAYSIA
Yokohama Rubber Co Ltd
Malaysian Palm Oil Board MPOB
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Publication date
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】河川や大気の汚染等の公害の問題等がなく、運
搬や保管にかかるスペースやコストを大幅に低減するこ
とができるばかりか、従来は特別な用途のなかったパー
ム油排液の有効利用を可能することができるパーム油排
液の濃縮方法を提供する。 【構成】油ヤシの実からパーム油を製造する際に排出す
る排液を減圧下で加熱することによって濃縮、好ましく
は、99℃以下、陰圧600mmHg以上の条件で濃縮する
ことによって、前記目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油ヤシ(エライス グ
イネーンシス Elaeis guineensis )の実からパーム油
を製造する際に排出される排液(パーム油排液)を、含
有成分を分解を大幅におさえて濃縮する方法に関する。
詳しくは、パーム油の生産国において、パーム油排液に
よる環境汚染を防止すると共に、従来は廃棄されていた
パーム油排液の有効利用を可能とするパーム油排液の濃
縮方法に関する。
【0002】
【従来の技術】油ヤシの実(パーム実)から得られるパ
ーム油(palm oil)は、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等の各種の有効
成分を含み、セッケン、食用、ろうそく、化粧品等の各
種の用途に利用されている。
【0003】このようなパーム油の製造工程において排
出される排液(以下、パーム油排液とする)は、蛋白
質、糖質、アミノ酸等の有機化合物や、リン、カリウ
ム、マグネシウム、カルシウム等の無機成分が各種含ま
れていることが知られているが、従来は、パーム油排液
には特に用途がなく、大部分は廃棄されているのが現状
である。また、パーム油排液が油ヤシの肥料として有効
であることも知られているが、肥料成分が希薄であるこ
とから、広く用いられてはいない。
【0004】廃棄方法は、廃棄用の池にパーム油排液を
投入して嫌気的および好気的に分解した後に、河川等に
廃棄することで行われる。しかしながら、この廃棄方法
では、広大な土地が必要である上に、池での分解工程に
おける腐敗等のために悪臭が発生する、分解によってオ
ゾン層を破壊するメタンガスを発生する等、環境汚染の
問題がある。しかも、池で分解された排液であっても、
投棄可能な環境基準に満たないことが多く、河川の汚濁
等の原因となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような問題に対
し、特開昭55−51476号や特開平2−9875号
の各公報には、パーム油排液を処理する技術として、パ
ーム油排液を乾燥、焼却して飼料等に利用する技術や、
前処理を施すことによってトコフェロール、トコトリエ
ノール等を製造する技術が開示されている。ところが、
これらの方法では、乾燥中にパーム油排液の有効成分の
多くが分解してしまい、排液中に含まれる成分を効率よ
く有効利用しているとはいえず、また、処理にも手間が
かかる。
【0006】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決することにあり、河川や大気の汚染等の公害の問題
等がなく、運搬や保管にかかるスペースやコストを大幅
に低減することができるばかりか、従来は特別な用途の
なかったパーム油排液の有効利用を可能にできるパーム
油排液の濃縮方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決し、油ヤシからのパーム油の製造で排出される
パーム油排液の有効利用を可能とする方法について鋭意
検討を重ねた結果、下記のことを見出した。
【0008】従来、パーム油排液は、加熱濃縮を行うと
含まれる有効成分の多くが分解してしまい、成分の有効
利用が計れないばかりか、前述の廃棄手段のような公害
の原因にもなると考えられていた。
【0009】これに対し、本発明者らが検討を重ねた結
果、パーム油排液を減圧下で加熱して濃縮(減圧濃
縮)、好ましくは、99℃以下、陰圧600mmHg以上の
条件で濃縮を行うことにより、有効成分の分解が少なく
パーム油排液を濃縮することができることを見出した。
しかも、パーム油の製造工程で生じるパーム油排液は、
一般的に高温(通常、60〜100℃)である上に、濃
縮はパーム油の製造における余剰エネルギーを利用でき
るため、濃縮にかかるコストを非常に低く押さえること
ができる。また、濃縮液の量は原排液の1/3〜1/1
3とすることができ、従来のパーム油排液の処理に要し
ていた、スペースや運送コストを大幅に低減することが
できる。さらに、本発明者らの検討によれば、この濃縮
液を利用して肥料や飼料等を製造することが可能である
上に、パーム油排液の濃縮液は適当量の水分を有するた
め、通常の肥料の製造工程で造粒の際に添加する水を必
要とせず、パーム油排液の濃縮液に不足な成分を直接添
加・溶解して、造粒して肥料等を製造することが可能で
あり、極めて安価に有効利用を計ることができる。
【0010】本発明は、上記知見を得ることにより成さ
れたものであり、油ヤシの実からパーム油を製造する際
に排出する排液を減圧下で加熱することによって濃縮す
ることを特徴とするパーム油排液の濃縮方法を提供す
る。
【0011】また、前記排液が、油ヤシの実を蒸す工程
で排出される排液、蒸した油ヤシの実を圧搾して得られ
た搾汁を比重でパーム油と分離して得られる水画分であ
る排液、蒸した油ヤシの実を圧搾して得られた残渣から
パーム核を得る工程で排出される排液、前記排液を2種
以上混合してさらに油脂分を取り除いた後に得られる排
液、からなる群の1以上である請求項1に記載のパーム
油排液の濃縮方法が好ましい。
【0012】さらに、前記濃縮を99℃以下、陰圧60
0mmHg以上の条件で行う請求項1または2に記載のパー
ム油排液の濃縮方法が好ましい。
【0013】以下、本発明のパーム油排液の濃縮方法に
ついて詳細に説明する。本発明のパーム油排液の濃縮方
法(以下、濃縮方法とする)は、油ヤシの実(FFB=
フレッシュ フルーツ バンチ)を出発原料として、パ
ーム油を製造する工程において排出される排液(パーム
油排液)の一部または全てを対象とし、これを減圧濃縮
することにより、パーム油排液から水分等を留出させ
て、パーム油排液の濃縮液(以下、濃縮液とする)を製
造するものである。先ず、本発明が濃縮するパーム油排
液について説明する。
【0014】図1に、FFBからパーム油(およびパー
ム核)を製造する製造工程の一例のフローチャートを示
す。図1に示されるように、油ヤシの木から採取された
FFB(油ヤシの実と花梗とを有する房)は、先ず蒸し
釜に投入され、水蒸気で150℃、40psi程度の条
件下で1時間30分程度蒸される。この際、凝縮液が発
生して排液となり、本発明の濃縮対象のパーム油排液と
なる。なお、この凝縮液は、100℃程度の温度で、通
常、4〜6重量%程度の固形分を有し、リン、硫黄、カ
リウム等の無機成分、アミノ酸、タンパク質、油脂、ビ
タミン等を含有するものである。
【0015】蒸されたFFBは、次いでストリッパー
(または脱殻機)によって油ヤシの実と花梗とに分離さ
れ、さらにダイジェスターで油ヤシの実から芯が取り除
かれ、圧搾機によってパーム油を含有する液体成分が絞
りとられる。搾汁はパーム油の製造工程に送られ、残渣
はパーム核(カーネル)の製造工程に送られる。
【0016】搾汁は、先ず振動スクリーンでスラッジが
取り除かれ、次いで、沈殿タンクに貯留されることによ
って、比重差によって軽質分と重質分、すなわち油分と
水画分とに分離される。油分(粗製オイル)は、精製機
によって、さらに水分が取り除かれて精製され、真空乾
燥機で乾燥されてパーム油とされる。
【0017】他方、水画分は砂取り機でスラッジが取り
除かれ、遠心分離機でさらに油分が採取され、残りは排
液とされる。この排液も、本発明の濃縮対象となるパー
ム油排液である。なお、この排液中にはパーム油漿液の
大部分が含まれるが、搾汁や沈殿タンク等の処理のた
め、一般に水が加えられる。このパーム油排液は、90
℃程度の温度で、通常、2〜6重量%程度の固形分を有
し、リン、硫黄、カリウム等の無機成分、アミノ酸、タ
ンパク質、油脂、ビタミン等を含有するものである。な
お、遠心分離機で採取された油分は、先の沈殿タンクに
戻され、同様の工程に供される。
【0018】一方、圧搾機で得られた残渣(固体分)
は、先ず、堅果繊維分離機で繊維分が取り除かれ、乾燥
機で乾燥後、破砕機で砕かれ、拭き分け塔において埃や
軽量果殻等の不純物が取り除かれる。次いでハイドロサ
イクロンによって殻とパーム核とに分離されると共に、
水洗される。従って、ハイドロサイクロンからも排液が
出るが、この排液も、本発明の濃縮対象となるパーム油
排液である。このパーム油排液は、90℃程度の温度
で、通常、0.5〜4重量%程度の固形分を有し、リ
ン、硫黄、カリウム等の無機成分、アミノ酸、タンパク
質等を含有するものである。
【0019】ハイドロサイクロンで得られたパーム核
は、カーネル乾燥機によって乾燥され、パーム核とされ
る。なお、このパーム核からは、パーム核油、パーム核
飼料が得られ、パーム核油は、さらにセッケン、マーガ
リン、菓子、アイスクリーム、化粧品の製造等に利用さ
れる。
【0020】本発明の濃縮方法においては、このような
製造工程で排出される排液を直接濃縮するものに限定さ
れず、上述の各排液から、さらに油分を取り除いた後に
排出される排液等、上述の各種の排液に、各種の処理を
施した後に排出される排液を対象としてもよい。図2
に、前述のパーム油製造の工程で排出される排液の処理
方法の一例を概念的に示す。
【0021】図2において、符号50は前述の蒸し釜、
符号52は遠心分離機、符号54はハイドロサイクロン
である。蒸し釜50および遠心分離機52から排出され
た排液は、共に共通のピット56に収集され、このピッ
ト56からデカンタタンク58に送られて、比重によっ
て軽質分と重質分とに分離され、軽質分すなわち油分は
回収され、重質分はスラッジピット60に送られる。一
方、ハイドロサイクロン54から排出された排液は、直
接スラッジピット60に送られる。
【0022】スラッジピット60では排液からさらに油
分が回収された後、排液はリカバリーピット62に送ら
れる。リカバリーピット62とは、比重差を利用して、
排液からさらに油分を回収する設備で、リカバリーピッ
ト62で油分が回収された排液が、最終排液として排出
され、本発明の濃縮方法を利用して濃縮される。この最
終排液は、65℃程度の温度で、通常、4〜5重量%程
度の固形分を有し、リン、硫黄、カリウム等の無機成
分、アミノ酸、タンパク質、油脂、ビタミン等を含有す
るものである。
【0023】なお、本発明においては、これ以外の処理
方法によって排出された最終排液を濃縮してもよく、あ
るいは、処理の途中で排出される排液を濃縮してもよ
い。すなわち、本発明の濃縮方法は、パーム油の製造工
程に関連し、FFBに含まれる成分の含有が予測される
すべての排液を濃縮することができる。
【0024】本発明のパーム油排液の濃縮方法は、この
ようなパーム油の製造に関連して排出される排液を減圧
下で加熱して、水分等を留出させて濃縮するものであ
る。前述のように、従来はパーム油排液を加熱濃縮する
と有効成分が分解してしまい、有効利用はおろか、さら
なる環境汚染の原因となる可能性すらあると考えられて
いた。これに対し、本発明の濃縮方法は、パーム油排液
を減圧濃縮することにより、有効成分を分解することな
く、上述の各種のパーム油排液を濃縮することを可能と
したものである。
【0025】濃縮は、温度99℃以下、陰圧600mmHg
以上の減圧条件で行うのが好ましい。濃縮を上記の条件
で行うことにより、有効成分の分解防止、エネルギー効
率、減圧装置の耐久性、減圧発生装置の能力、時間効率
等の点で好ましい結果を得る。
【0026】より好ましくは、温度80〜95℃、陰圧
610〜750mmHg、さらに好ましくは、温度84〜9
5℃、陰圧610〜750mmHgの条件で濃縮を行うこと
により、有効成分の分解防止、エネルギー効率、減圧装
置の能力、減圧装置の耐久性、時間効率等の点で、より
好ましい結果を得る。
【0027】なお、前述のように、パーム油排液は一般
的に高温(通常、60〜100℃)である上に、濃縮は
パーム油の製造における余剰エネルギーを利用できる。
そのため、濃縮のために必要なエネルギーは、極めて少
量ですみ、低コストで濃縮を行うことができる。利用可
能なパーム油の製造における余剰エネルギーとしては、
パーム油工場内で油ヤシの果穀等を燃焼させて発生させ
る蒸気エネルギー、その蒸気を利用して発電される電気
エネルギー、現在は未利用であるが、パンチを燃焼させ
る際発生する熱エネルギー等が例示される。
【0028】本発明の濃縮方法において、主たる排液を
遠心分離機やハイドロサイクロンより排出される排液を
用いる場合、パーム油排液の濃縮は濃縮液の固形分が1
5〜25重量%程度となるまで行うのが好ましい。濃縮
を固形分15重量%以上となるまで行うことにより、濃
縮液の量を原排液の1/3〜1/6程度としてスペース
や運搬費用等のコストを大きく低減でき、さらには、濃
縮液の利用性等、濃縮によって得られるメリットを十分
に発揮することができる。また、濃縮が進むにつれて濃
縮液のチクソトロピシティーが高くなり流動性が低下す
るが、濃縮液の濃縮液の固形分を25重量%以下とする
ことにより、加工性等に大きな問題を生じることはな
い。より好ましくは、濃縮液の固形分は20〜23重量
%である。主たる排液として蒸し釜排液(凝縮水)を用
いることで、必要に応じて任意の高濃度の濃縮液が得ら
れ、濃縮液の量も1/3〜1/13程度とできる。
【0029】このような、本発明の濃縮方法で得られた
濃縮液を利用して、肥料や飼料等を製造することが可能
である。しかも、肥料等とする際に余剰な水分を除去で
きる上に、パーム油排液の濃縮液は適当量の水分を有す
るため、通常の肥料の製造工程で造粒の際に添加する水
を必要とせず、パーム油排液の濃縮液に不足な成分(例
えば窒素、リン酸、カリウム、マグネシウム等の化学成
分等)を直接添加・溶解して、造粒して肥料等を製造す
ることが可能であり、極めて安価かつ容易に有効利用を
計ることができる。
【0030】本発明の濃縮方法に利用可能な濃縮装置
(設備)としては、減圧加熱が可能な設備であればすべ
て利用可能であり、真空蒸発缶等の公知の濃縮装置(エ
バポレータ)や、蒸留塔等の蒸留装置等、公知の濃縮装
置がすべて利用可能である。
【0031】図3に本発明の濃縮方法を実施する濃縮装
置の一例の概略図が示される。図示例の濃縮装置におい
て、パーム油排液は、ラインFから濃縮装置に導入さ
れ、ポンプ70、ヒートエクスチェンジャー(熱交換
機)72およびセパレータ(気液分離機)74からなる
循環経路を、ポンプ70によって循環される。ヒートエ
クスチェンジャー72は、蒸気加熱されている温水タン
ク76の温水を、ポンプ78で循環することによって所
定温度に加熱されている。一方、セパレータ74にはミ
ストセパレータ80を介してアスピレータ82が接続さ
れ、セパレータ74内(循環経路)が減圧されている。
なお、符号84はアスピレータ82用の循環ポンプ、符
号86は循環水およびパーム油排液から留出した水を貯
留するためのタンクである。
【0032】図3に示される装置においては、系内に導
入されたパーム油排液は、循環されつつヒートエクスチ
ェンジャー72において所定温度に加熱され、パーム油
排液に含まれる水分の一部がセパレータ74内で蒸発し
て、蒸気として捕集(アスピレータ82に吸引)される
ことにより、パーム油排液が濃縮される。蒸気と共に捕
集された固形分を含む水滴(ミスト)は、ミストセパレ
ータ80によって分離(凝縮)され、循環系内に戻すよ
う構成される。パーム油排液の濃縮が終了すると、濃縮
液はラインCより回収される。なお、ラインFからのパ
ーム油排液の供給は、循環系の内容量に応じて連続的に
行っても回分的に行ってもよく、あるいはバッチ式の処
理であってもよい。
【0033】図4に本発明の濃縮方法を実施する濃縮装
置の別の例の概略図が示される。なお、図4に示される
装置は、セパレータ74の減圧方法(循環経路)が異な
る以外は、前述の図3に示される濃縮装置と同様の構成
を有するので、同じ部材には同じ符号を付し、説明は異
なる部分を主に行う。
【0034】図4に示される濃縮装置において、パーム
油排液は図3に示される装置と同様、ポンプ70、ヒー
トエクスチェンジャー72およびセパレータ74からな
る循環経路を循環されつつ、ヒートエクスチェンジャー
72によって加熱される。ここで、図3に示される例に
おいては、セパレータ74をアスピレータ82で吸引す
ることによって減圧を行っていたが、図4に示される装
置では、真空ポンプ90によってセパレータ74を減圧
し、循環されるパーム油排液の水分の一部を蒸発して、
蒸気を捕集して濃縮を行う。真空ポンプ90からセパー
レタ74に至る減圧経路の途中には、凝縮器92が配置
されており、この凝縮器92は冷却器96によって冷却
され、ポンプ94によって循環される冷媒によって冷却
されている。従って、セパレータ74で蒸発した蒸気
は、凝縮器92において冷却されて凝縮して、凝縮水W
として排出される。
【0035】図5に本発明の濃縮方法を実施する濃縮装
置の別の例の概略図が示される。なお、図5において
は、実線でパーム油排液および(粗)濃縮液の流れが、
破線で加熱用蒸気およびドレーンの流れが、さらに一点
鎖線でバルブおよびポンプ等の制御系統(電気系)が示
される。図5に示される濃縮装置10は、原液貯蔵槽1
2と、第1蒸発缶14と、第2蒸発缶16と、第3蒸発
缶18と、濃縮加熱源である蒸気を発生する蒸気発生器
22と、加熱用蒸気および蒸発蒸気とミストや凝縮液等
とを分離する気液分離器20、30および36と、さら
に真空ポンプVPを有する減圧装置とを有し、第1蒸発
缶14、第2蒸発缶16、第3蒸発缶18、気液分離器
20、30および36は、減圧装置によって所定値に減
圧されて保たれている。
【0036】濃縮装置10において、パーム油排液は、
原液貯蔵槽12に貯蔵される。この原液貯蔵槽12のジ
ャケット12aには各蒸発缶を加熱した廃蒸気が供給さ
れ、パーム油排液を予熱している。パーム油排液は、次
いで原液供給槽24に送られ、ここからポンプ13によ
って第1蒸発缶14に供給される。ここで、パーム油排
液は、第1蒸発缶14に供給されるまでの経路におい
て、その輸送管が第3蒸発缶18、第2蒸発缶16およ
び第1蒸発缶14内を通過することにより加熱されて、
塔頂より第1蒸発缶14に供給される。
【0037】第1蒸発缶14は、その缶内に多数の小径
のパイプが垂直に配置されてなるもので、缶内は蒸気発
生器22において発生してスチームブースタ26より供
給された蒸気によって所定の温度に加熱されている。第
1蒸発缶14の塔頂より供給されたパーム油排液は、内
部のパイプの壁に沿って流下し、その間に減圧濃縮され
て缶底にたまる。缶底に溜った粗濃縮液は、ポンプ28
によって缶底から塔頂への循環されている。ここで、第
1蒸発缶14の缶底にはバルブ28aと連動するレベル
計14Lが配置されており、第1蒸発缶14の缶底に所
定量の粗濃縮液が溜ったことがレベル計14Lに検出さ
れると、バルブ28aが開放して、粗濃縮液がポンプ2
8によって第2蒸発缶16に送られる。
【0038】一方、第1蒸発缶14にスチームブースタ
26から供給された加熱源としての蒸気は、パーム油排
液から発生した蒸気と共に気液分離器30に入り、純蒸
気のみ加熱源として第2蒸発缶16に供給される。な
お、気液分離器30において分離された凝縮液、パーム
油排液のミスト等は、濃縮液と共にポンプ28によって
第2蒸発缶16に送られる。
【0039】第2蒸発缶16は、第1蒸発缶14と同様
の構成を有するものであり、缶内は気液分離器30から
供給された蒸気によって加熱されている。ポンプ28に
よって塔頂より第2蒸発缶16に供給された粗濃縮液
は、第1蒸発缶14と同様にして、さらに減圧濃縮され
て缶底に溜り、ポンプ32によって循環される。第2蒸
発缶16にもバルブ32aと連動するレベル計16Lが
配置されており、所定量の粗濃縮液が缶底に溜ったこと
が検出されると、バルブ32aが開放され、ポンプ32
によって、第3蒸発缶18と気液分離器20とを含む循
環経路34内に粗濃縮液が送られる。
【0040】一方、第2蒸発缶16に供給された蒸気
は、第1蒸発缶14と同様に濃縮液から発生した蒸気と
共に気液分離器36に送られ、純蒸気のみが第3蒸発缶
18に供給される。なお、図示例においては第3蒸発缶
18の加熱には余分な蒸気は、スチームブースタ26に
戻るように構成される。また、気液分離器36において
分離された凝縮液、濃縮液のミスト等は、ポンプ32で
循環経路34に送られる。
【0041】循環経路34に送られた粗濃縮液は、ポン
プ37aによって第3蒸発缶18と気液分離器20との
間を循環させられつつ、気液分離器36から送られた蒸
気によって加熱された第3蒸発缶18で加熱され、所定
濃度の濃縮液なるまで減圧濃縮される。なお、循環経路
34には、スチームブースター26直前に配置されるバ
ルブ26aと連動する濃度計38が設けられており、循
環経路34を循環する濃縮液の濃度に応じて供給蒸気量
をコントロールするように構成される。
【0042】気液分離器20には、製品貯蔵槽40への
輸送用のポンプ37bおよびバルブ37cと連動してい
るレベル計20Lが設けられており、所定濃度の濃縮液
が所定量気液分離器20に溜ったことが検出されると、
バルブ37cが開放してポンプ37bが駆動し、濃縮液
を製品貯蔵槽40に輸送する。
【0043】第3蒸発缶18を加熱した蒸気(凝縮水)
は、ポンプ41によってドレーン槽42に送られる。こ
こで、図示例の濃縮装置10においては、ドレーン槽4
2に入った廃蒸気の一部は、前述のように原液貯蔵槽1
2のジャケット12aに供給され、パーム油排液を予熱
する。
【0044】以上、本発明のパーム油排液の濃縮方法に
ついて詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はさ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の
改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0045】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をより詳細に説明する。 [実施例1]図1に示されるパーム油の製造工程におい
て、沈殿タンクで分離された水画分を遠心分離して得ら
れた、固形分4.7重量%のパーム油排液(温度77
℃)を、図3に示される濃縮装置を用いて濃縮した。温
水タンクの水温を85℃とすることにより、ポンプ70
によって循環されるパーム油排液を約85℃に加熱し
た。また、アスピレータ82によって、セパレータを陰
圧610mmHg以上に減圧した。その結果、固形分22.
9重量%の濃縮液、すなわち、約5倍の濃縮液を得るこ
とができた。パーム油排液、濃縮液、および蒸発水の凝
縮液の特性を下記表1に示す。なお、ブランクの部分
は、未測定である。
【0046】
【0047】[実施例2]図1に示されるパーム油の製
造工程において、蒸し釜で得られた固形分6.2重量%
のパーム油排液(=凝縮液、温度80℃)を、図3に示
される濃縮装置を用いて濃縮した。温水タンクの水温を
85℃とすることにより、ポンプ70によって循環され
るパーム油排液を約85℃に加熱した。また、アスピレ
ータ82によって、セパレータを陰圧610mmHg以上に
減圧した。その結果、固形分64.0重量%の濃縮液、
すなわち、約12倍の濃縮液を得ることができた。パー
ム油排液、濃縮液、および蒸発水の凝縮液の特性を下記
表2に示す。なお、ブランクの部分は、未測定である。
【0048】
【0049】[実施例3]図2に示されるパーム油排液
の処理工程において得られた、固形分4.50重量%の
最終排液(温度56℃)を、図3に示される濃縮装置を
用いて濃縮した。温水タンクの水温を85℃とすること
により、ポンプ70によって循環されるパーム油排液を
約85℃に加熱した。また、アスピレータ82によっ
て、セパレータを陰圧610mmHg以上に減圧した。その
結果、固形分22.7重量%の濃縮液、すなわち、約4
倍の濃縮液を得ることができた。パーム油排液、濃縮
液、および蒸発水の凝縮液の特性を下記表3に示す。な
お、ブランクの部分は、未測定である。
【0050】
【0051】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
パーム油排液の濃縮方法によれば、有効成分の分解を起
こすこと無くパーム油排液を濃縮することができ、従来
に比して、パーム油排液の処理にかかるスペースや輸送
費等のコストを大幅に低減できると共に、従来有効利用
されていなかったパーム油排液を、肥料や飼料等に好適
に利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パーム油の製造工程の一例を示すフローチャー
トである。
【図2】図1に示されるパーム油の製造工程で排出する
排液の処理方法の一例を概念的に示す図である。
【図3】本発明のパーム油排液の濃縮方法を実施する濃
縮装置の一例を概念的に示す図である。
【図4】本発明のパーム油排液の濃縮方法を実施する濃
縮装置の別の例を概念的に示す図である。
【図5】本発明のパーム油排液の濃縮方法を実施する濃
縮装置の別の例を概念的に示す図である。
【符号の説明】
10 濃縮装置 12 原液貯蔵槽 14 第1蒸発缶 16 第2蒸発缶 18 第3蒸発缶 22 蒸気発生器 24 原液供給槽 26 スチームヘッダ 28,32,36,70,78,90,94 ポンプ 28,32a,40a バルブ 20,30,36 気液分離器 34 循環経路 38 濃度計 50 蒸し釜 52 遠心分離機 54 ハイドロサイクロン 56 ピット 58 デカンタタンク 60 スラッジピット 62 リカバリーピット 72 ヒートエクスチェンジャー 74 セパレータ 76 温水タンク 80 ミストセパレータ 82 アスピレータ 84 循環ポンプ 86 タンク 92 凝縮機 96 冷却機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田 島 義 夫 東京都港区新橋五丁目36番11号 横浜ゴム 株式会社内 (72)発明者 旭 誠 司 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 (72)発明者 マー アー ンギャン マレイシア国 セランゴール州 ダル エ サン カチャン43000 タマン ブキット チャンティック ジャラン3 39番地

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油ヤシの実からパーム油を製造する際に排
    出する排液を減圧下で加熱することによって濃縮するこ
    とを特徴とするパーム油排液の濃縮方法。
  2. 【請求項2】前記排液が、油ヤシの実を蒸す工程で排出
    される排液、蒸した油ヤシの実を圧搾して得られた搾汁
    を比重でパーム油と分離して得られる水画分である排
    液、蒸した油ヤシの実を圧搾して得られた残渣からパー
    ム核を得る工程で排出される排液、前記排液を2種以上
    混合してさらに油脂分を取り除いた後に得られる排液、
    からなる群の1以上である請求項1に記載のパーム油排
    液の濃縮方法。
  3. 【請求項3】前記濃縮を99℃以下、陰圧600mmHg以
    上の条件で行う請求項1または2に記載のパーム油排液
    の濃縮方法。
JP6221903A 1994-09-16 1994-09-16 パーム油排液の濃縮方法 Withdrawn JPH0884985A (ja)

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