JPH0891933A - 黒鉛炭化硼素複合焼結体 - Google Patents

黒鉛炭化硼素複合焼結体

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JPH0891933A
JPH0891933A JP6224752A JP22475294A JPH0891933A JP H0891933 A JPH0891933 A JP H0891933A JP 6224752 A JP6224752 A JP 6224752A JP 22475294 A JP22475294 A JP 22475294A JP H0891933 A JPH0891933 A JP H0891933A
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Japan
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graphite
boron carbide
sintered body
boron
composite sintered
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JP6224752A
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English (en)
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Sumitaka Goto
純孝 後藤
Yasutaka Suzuki
康隆 鈴木
Akio Chiba
秋雄 千葉
Yukio Saito
幸雄 斎藤
Ryutaro Jinbo
龍太郎 神保
Tokuo Ogiwara
徳男 荻原
Masahiro Nishidou
雅博 西堂
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Hitachi Ltd
Japan Atomic Energy Agency
Original Assignee
Hitachi Ltd
Japan Atomic Energy Research Institute
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】プラズマからの定常、非定常熱負荷に対する表
面冷却特性に優れ、かつ炉心プラズマ粒子に対する化学
的損耗率が低く、水素粒子捕捉量が小さく、かつ不純物
酸素粒子に対する捕捉効果のある黒鉛炭化硼素複合焼結
体を実現する。 【構成】繊維軸方向に高熱伝導性を有する炭素繊維を、
対プラズマ特性に優れた炭化硼素マトリックス中に配向
させた複合構造とする。炭素繊維の熱伝導率に応じて、
体積含有率(50〜90%)を調整した。また焼結条件
の調整により焼結体中の炭素繊維中への硼素原子の固溶
量を低減し、焼結体の高熱伝導化を図った。 【効果】硼素濃度を低く抑えた黒鉛繊維が、焼結体の高
熱伝導性及び耐熱衝撃性の向上に、またマトリックスで
ある炭化硼素が対プラズマ特性の向上に、各々、効果が
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性,耐プラズマ性
に優れた黒鉛炭化硼素複合焼結体に係り、特に核融合炉
の第一壁等に好適な焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、世界的にエネルギー生産に伴う、
地球の環境汚染が大きな社会問題となってきており、ク
リーンなエネルギー源である重水素を用いた核融合炉の
研究開発が盛んに行われている。
【0003】現在、わが国では国家的規模で核融合炉の
研究開発が進められている。核融合炉装置の代表例とし
てトカマク型があり、その構成要素は材料を始め各分野
にわたっている。その第一壁に使用される材料は、超高
温高速中性子照射,高粒子束の水素プラズマ照射等に耐
え得る材料でなければならない。その他、種々の要求項
目があり、現在これら要求を満足する材料は開発されて
いない。しかし、核融合炉実用化のキーポイントである
ため各所で検討されている。特に具備しなければならな
い項目に、低原子番号であることがある。すなわち、高
温プラズマから高い熱負荷及び粒子負荷を受けた場合
に、スパッタリング,蒸発,昇華などを通じて炉壁材が
プラズマ中に不純物として混入する。この混入物の多少
は核融合炉炉壁材の損傷、ひいては性能に大きな影響を
与える。これをできるだけ少なくするためには、低原子
番号の材料ほど優れていることは既に立証されている。
現状での検討及び研究結果等では比較的低原子番号で低
誘導放射化材料である炭素は、高速中性子による放射化
の影響が少ないことなどから有力候補材の一つとなって
いる。特に熱伝導率,熱衝撃性等の面で改良されつつあ
るC/Cコンポジットの方が、従来の炭素より数段優れ
ているとされている。特開平1−129188 号公報に見られ
るように、構造を含め数多く提出されている。しかし、
核融合炉壁材としては前述した長所もあるが、化学スパ
ッタリングや中性子照射により損傷やエロージョンを受
けやすい元素本来の欠点を克服することは非常に困難で
ある。また、一部、特開昭60−98385 号公報に開示され
ているように、炭素より低原子番号であるベリリウムも
有望視されている。しかし、ベリリウムが毒性を持つた
めあまり積極的には検討はされていない。
【0004】また、炭化珪素なども高温特性が良いので
検討されてはいるが、放熱を促進させるための冷却装置
材である金属との接合等の問題を含めて解決しなければ
ならない課題が多い。そのため、炭素より原子番号の小
さい金属硼素が着目されている。
【0005】炭素より低原子番号であり核融合炉壁材と
しての金属硼素は、このような炭素材の欠点を補う性質
を持ち、プラズマ混入による輻射損失の抑制効果があ
り、プラズマ温度の上昇を容易にする。また、従来より
大きな熱中性子吸収断面積を持つことが知られており、
原子炉の制御や遮蔽に用いられている。しかし、金属硼
素は炭化硼素を含めて熱伝導率が低く、熱衝撃に弱い。
そのため、金属硼素,炭化硼素の上記特性を保持したま
ま、熱伝導率の向上,耐熱衝撃の向上を図った発明とし
て特開平6−87672号公報が知られている。この発明は炭
化硼素と炭素繊維からなる核融合炉壁用複合焼結体に関
する発明であり、特に炭素繊維の向きを揃えることによ
り、熱伝導率の向上を目的とした発明である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記発明に開示されて
いる炭化硼素と炭素繊維からなる核融合炉壁用複合焼結
体は曲げ強さ,破壊靭性値等の機械的特性に優れ構造材
として適したものとなっているが、熱伝導率が炭素繊維
単体に比べると、まだ小さく、核融合炉壁材として更な
る熱伝導率の向上が望まれている。
【0007】本発明の目的は、上記の炭化硼素と炭素繊
維からなる核融合炉壁用複合焼結体の曲げ強さ,破壊靭
性値等の機械的特性を維持しながら、更に熱伝導率が高
い核融合炉壁用材料として好適な材料を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、炭素繊維と炭化硼素からなり、該
炭素繊維を構成する黒鉛格子中への硼素原子の固溶量が
炭素繊維と炭化硼素界面からの深さ1μmにおいて10
00ppm 以下である黒鉛炭化硼素複合焼結体が提供され
る。
【0009】また、炭素繊維と炭化硼素からなり、該炭
素繊維を構成する黒鉛の(110)面の平均面間隔が、
0.12317nm 以下である黒鉛炭化硼素複合焼結体が提供
される。
【0010】また、炭素繊維と炭化硼素からなり、該炭
素繊維を構成する黒鉛の(110)面の平均面間隔と天
然黒鉛の(110)面の平均面間隔との差が0.00012n
m 以下である黒鉛炭化硼素複合焼結体が提供される。
【0011】また、上記の黒鉛炭化硼素複合焼結体にお
いて、硼素の含有率が、8重量%〜40重量%であるこ
とが望ましい。
【0012】また、上記の黒鉛炭化硼素複合焼結体にお
いて、該焼結体の室温熱伝導率の最高値が110W/m
K以上であることが望ましい。
【0013】また、上記の黒鉛炭化硼素複合焼結体にお
いて、該焼結体中の炭素繊維を、熱伝導方向とのなす角
度が±30°以内になるように配向させることが好まし
い。また、上記の黒鉛炭化硼素複合焼結体において、前
記炭素繊維の体積含有率が50〜90%であることが好
ましい。
【0014】また、上記の黒鉛炭化硼素複合焼結体にお
いて、前記炭素繊維の黒鉛化度が80%以上であること
が好ましい。
【0015】また、核融合炉第一炉壁において、炭素繊
維と炭化硼素からなり、該炭素繊維を構成する黒鉛格子
中への硼素原子の固溶量が炭素繊維と炭化硼素界面から
の深さ1μmにおいて1000ppm 以下である黒鉛炭化
硼素複合焼結体を第一炉壁用部材として用いる核融合炉
第一炉壁が提供される。
【0016】また、水素プラズマの照射を受ける核融合
炉第一炉壁において、炭素繊維と炭化硼素からなり、該
炭素繊維を構成する黒鉛の(110)面の平均面間隔
が、0.12317nm 以下である黒鉛炭化硼素複合焼結体を
第一炉壁用部材として用いる核融合炉第一炉壁が提供さ
れる。
【0017】また、上記目的を達成するため、本発明に
よれば、炭素繊維と炭化硼素からなる黒鉛炭化硼素複合
焼結体の製造方法において、前記製造方法が、真空また
は不活性ガス中で2000℃以下の温度で焼結すること
を特徴とする黒鉛炭化硼素複合焼結体の製造方法が提供
される。
【0018】また、炭素繊維と炭化硼素からなる黒鉛炭
化硼素複合焼結体の製造方法において、前記製造方法
が、黒鉛繊維の束に、炭化硼素粉末を溶剤と混合したス
ラリーを含浸する工程と,前記黒鉛繊維の束を積層体と
する工程と,真空または不活性ガス中で2000℃以下
の温度で焼結する工程、からなることを特徴とする黒鉛
炭化硼素複合焼結体の製造方法が提供される。
【0019】
【作用】従来の炭素繊維−炭化硼素複合焼結体は、熱伝
導率の大きい炭素繊維の含有量を多くしても熱伝導率が
頭打ちとなり、複合焼結体の全体としての熱伝導率の向
上が充分図られていなかった。本発明者らは、この原因
について検討を重ねた結果、焼結中に炭化硼素中の硼素
が炭素繊維中の黒鉛に拡散し、固溶するためフォノンが
散乱され、熱伝導率が低下することを見い出した。すな
わち、硼素の固溶量を何らかの手段で低下することがで
きれば、炭素繊維中の黒鉛熱伝導率の低下を抑制でき、
複合焼結体の全体としての熱伝導率の向上がはかれるこ
とを見い出した。固溶量は極わずかでもフォノンを散乱
するため、できるだけ少ない方が良いが、固溶量が炭素
繊維と炭化硼素界面からの深さ1μmにおいて原子数比
で1000ppm 以下であることが望ましい。炭素繊維中
への硼素の固溶量低減の手段としては、焼結温度を、焼
結体の相対密度が低下しない範囲で、できるだけ低くす
ることによって硼素の拡散を抑える方法が有効である。
焼結温度と黒鉛中への硼素の拡散量をマイクロオージェ
分析結果及び拡散係数から計算し、各焼結温度における
炭素繊維半径と硼素濃度(at%)の関係として整理した
のが図1である。黒鉛中での硼素の濃度は炭素繊維と炭
化硼素の境界付近が最も大きく、炭素繊維内部に行くに
従い小さくなっている。また、焼結温度が低いほど硼素
の固溶量が少なくなることがわかる。この場合、炭素繊
維と炭化硼素の境界部では硼素の濃度は炭化硼素相の濃
度とほとんど変わらず、また、厳密な境界層を決定する
ことも困難である。従って、硼素の固溶量として、境界
部より約1μm炭素繊維内部側での硼素の濃度を基準と
し、この濃度が原子数比で1000ppm 以下であれば、
炭素繊維中の黒鉛の熱伝導率の低下を最小限にすること
ができると考えられる。また、図2に焼結温度と黒鉛炭
化硼素複合焼結体の室温での熱伝導率の関係を示す。黒
鉛中への硼素の固溶量と焼結温度の関係と同じく、焼結
温度が低くなるほど室温での熱伝導率が向上することが
わかる。従来の炭素繊維炭化硼素複合焼結体の焼結温度
であった2100℃より焼結温度を低下させれば、室温
での熱伝導率は向上する。図1及び図2から、黒鉛中へ
の硼素の固溶量は、炭素と炭化硼素の境界部より深さ1
μmの部分で、硼素の濃度が原子数比で2000ppm以
下、好ましくは1000ppm 以下とすることにより熱伝
導率の向上が達成できる。これは、焼結温度2000℃
以下、好ましくは1900℃以下が良い。ただし、焼結
温度が1700℃より低くなると、焼結体の相対密度が
低下し、曲げ強度,破壊靭性値等の機械的な性質が低下
するため、焼結温度は1700℃〜1900℃が好ましい。
【0020】黒鉛中への硼素の固溶量を測定する方法と
して、マイクロ・オージェ,XPS等の機器分析を用い
る方法,広角X線回折を用いる方法がある。マイクロ・
オージェ,XPSを用いる測定では、焼結体中の炭素繊
維を繊維長さ方向に並行に断面切断し、境界部から内部
に向かって点分析を行い、炭素繊維中の深さ方向の硼素
濃度を定量分析すれば良い。また、以下に広角X線回折
を用いた黒鉛中への硼素の固溶量の測定方法について説
明する。黒鉛格子中に硼素が固溶(侵入型固溶)すると、
黒鉛の格子が歪むため格子の面間隔が変化する。発明者
らは、黒鉛では硼素の固溶量に対して(110)面の平
均面間隔が比較的リニアに変化することを見い出した。
図3に黒鉛炭化硼素複合焼結体の焼結温度を変えたとき
と、比較として炭素繊維そのもののX線回折角度(2
θ)と回折強度の関係を示す。焼結温度が1700℃の
ものでは(110)面のピーク位置は炭素繊維そのもの
とほとんど変わらないが、焼結温度2100℃ではかな
り低角度側にピーク位置がずれていることがわかる。こ
のように、黒鉛中への硼素の固溶量を測定する方法とし
ては広角X線回折を用いるのが最も簡便である。このよ
うに広角X線回折の回折角度から(110)面の平均面
間隔を算出し、平均面間隔と室温での熱伝導率の関係を
示したものが図4である。図中には炭素繊維含有量,焼
結温度も合わせて示している。これより、(110)面
の平均面間隔が0.12315nm以下で室温での熱伝導率の
低下が従来の焼結温度である2100℃で焼結したもの
の20%以上向上することがわかる。炭素繊維中の黒鉛
の(110)面の平均面間隔が0.12315nm 以下である
ことが望ましいことがこれよりわかる。また、これは天
然黒鉛の(110)面の平均面間隔との差が0.00012nm
以下であることと等価であるが、炭素繊維中の黒鉛によ
っては(110)面の面間隔が天然黒鉛の(110)面の平
均面間隔と異なる場合も想定され、その場合でも、炭素
繊維中の黒鉛の(110)面の平均面間隔との差が0.00
012nm 以下であれば、熱伝導率の低下は最小限に抑え
られると考えられる。
【0021】また、焼結に際して、硼素は炭素繊維間を
結合するバインダーの役割を有する。炭化硼素相の含有
量が10体積%以下であると、このバインダーとしての
働きが充分発揮されず、焼結が不十分となる。炭化硼素
相の含有量は多いほど対プラズマ特性は改善されるが、
逆に熱伝導率は低下する。特に50体積%では、従来の
標準的等方性黒鉛材の値である110W/mKまで低下
する。従って、炭化硼素含有量は10〜50体積%、す
なわち硼素の含有量では8〜40重量%が望ましい。上
記焼結体は室温熱伝導率の最高値が標準的等方性黒鉛材
の値である110W/mK以上であることが望ましい。
【0022】また、本発明の黒鉛炭化硼素複合焼結体に
おいては、該焼結体中の炭素繊維を、熱伝導方向とのな
す角度が±30°以内になるように配向させることが好
ましい。これは、高熱伝導性炭素繊維が、伝熱方向に配
向するように埋め込まれていると、高熱負荷の急激な流
入または遮断による熱衝撃に対して、表面層中に生ずる
温度勾配による熱応力が低く抑えられ、熱衝撃破壊に対
する安全率を高くできる。また、受熱材表面の特に熱伝
導性の低い炭化硼素マトリックス相の蒸発による損耗率
を低く抑えることができるためである。
【0023】また、本発明の黒鉛炭化硼素複合焼結体に
おいては、炭素繊維中の黒鉛が高熱伝導に寄与するた
め、炭素繊維の体積含有率が50〜90%であることが
好ましい。50%より少ないと熱伝導率が小さくなり、
90%を超えると、曲げ強度,破壊靭性値などの機械的
特性が劣化する。
【0024】また、炭素繊維中の黒鉛となっている部分
の割合を示すのが黒鉛化率である。炭素繊維中には黒鉛
の他に、非晶質の部分などがあるが、実際に熱伝導に寄
与するのは黒鉛の部分であり、非晶質の部分が多くても
全体の熱伝導率は向上しない。そこで、炭素繊維中の黒
鉛の割合を示す黒鉛化率が80%以上であることが好ま
しい。
【0025】炭素繊維には、黒鉛化度が高く繊維軸方向
の熱伝導率が高く、かつ複合焼成過程でのマトリックス
との反応性の低い、ピッチ系黒鉛繊維が好適である。こ
れらの炭素繊維は、複合材の熱伝導率及び靭性の向上を
目的として、炭化硼素マトリックス相中に連続繊維を、
一方向に配向させて埋め込まれる。本発明に係る黒鉛炭
化硼素複合焼結体では、炭素繊維の含有率(Vf)と配向
度を高め、かつ焼結条件の制御により、焼結過程での炭
素繊維中への硼素原子の拡散,固溶侵入量を低く抑え、
すなわち、固溶侵入量とともに増大する(110)面間
隔を小さく抑えることにより、熱伝導の媒体となるフォ
ノンの散乱を抑えて、炭素繊維の熱伝導特性の劣化を抑
制したものである。
【0026】また上記黒鉛炭化硼素複合焼結体は、水素
プラズマの照射を受ける核融合炉第一炉壁に用いること
が最も望ましい。
【0027】上記で説明したように本発明の炭素繊維と
炭化硼素からなる黒鉛炭化硼素複合焼結体の製造方法に
おいては、真空または不活性ガス中で2000℃以下の
温度で焼結することが硼素の黒鉛中への固溶を防ぐとい
う意味で望ましい。
【0028】更に、上記製造方法は、黒鉛繊維の束に、
炭化硼素粉末を溶剤と混合したスラリーを含浸する工程
と,前記黒鉛繊維の束を積層体とする工程と,真空また
は不活性ガス中で2000℃以下の温度で焼結する工
程、からなることが好ましい。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0030】<実施例1>平均粒径1.5 ミクロンの炭
化硼素粉末とフェノール樹脂バインダーの混合粉末を、
有機溶剤を用いてスラリーとし、これを適当な長さに切
断した、軸方向熱伝導率600W/mKのピッチ系炭素
繊維2000本の束に、炭素繊維の含有率65体積%と
なる比率で含浸させ、室温乾燥した。これを一方向に積
層し、40mm×40mm×30mmの成形体に成形した後、
黒鉛製焼結治具中において、加圧力30MPa,170
0℃,1時間保持し、真空中加圧焼結した。得られた焼
結体の理論密度に対する相対密度は83%であった。レ
ーザーフラッシュ法による繊維配向方向の室温熱伝導率
の測定値は、240W/mKであった。また、X線回折
による焼結体中の黒鉛相の(110)面間隔の平均値を
測定したところ、使用した炭素繊維を粉末にして測定し
た値0.12305nmより0.00005nm大きい、0.12310nm
であった。また基準試料として測定した天然黒鉛粉末の
測定値は、0.12305nm であった。
【0031】<実施例2>実施例1と同様にして、焼結
温度のみを1800℃に変えて、焼成したところ、相対
密度89%,室温熱伝導率170W/mKの焼結体を得
た。焼結体中の黒鉛(110)面の面間隔測定値は、使
用した原料炭素繊維を粉末状にして測定した値0.12305
nmより0.00008nm大きい、0.12313nm であった。
【0032】<比較例3>実施例1と同様の方法で、焼
結温度2000℃で焼結した焼結体の相対密度は96
%、熱伝導率は150W/mKであった。また、焼結体
中の黒鉛(110)面間隔は、使用した原料炭素繊維を
粉末状にして測定した値0.12305nm より0.00014nm
大きい、0.12319nmであった。
【0033】
【表1】
【0034】このように、本発明による黒鉛炭化硼素複
合焼結体では、複合焼結過程での硼素原子の炭素繊維中
への固溶による(110)面の平均面間隔の増大率が小
さくでき、つまり硼素の固溶による熱伝導率の低下率を
小さく抑えられたことを示す。
【0035】図4は、複合焼結体中の炭素繊維の(11
0)面の平均面間隔と熱伝導率の関係を示す。図5は、
本発明に係る黒鉛炭化硼素複合焼結体中の繊維配向方向
の室温熱伝導率の焼結温度依存性を示す。平均面間隔を
0.12315nm 以下に抑えることにより、従来の黒鉛炭化
硼素複合焼結体の炉壁材に比して熱伝導特性の大幅な向
上を実現した。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
受熱時の受熱面の温度上昇率が低く抑えられ、従って耐
熱衝撃性に優れ、かつ対プラズマ特性にも優れた、核融
合炉壁用高熱伝導性の黒鉛炭化硼素複合焼結体を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼結温度と黒鉛中への硼素の固溶量の
関係を示す図。
【図2】本発明の焼結温度と室温での熱伝導率の関係を
示す図。
【図3】本発明の焼結温度と広角X線回折による回折強
度の関係を示す図。
【図4】本発明の室温熱伝導率と、焼結体中の黒鉛の
(110)面の平均面間隔の関係を示す図。
【図5】本発明の焼結体の室温熱伝導率と炭素繊維含有
率,焼結温度の関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 41/87 S G21B 1/00 A C04B 35/80 B (72)発明者 千葉 秋雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 斎藤 幸雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 神保 龍太郎 茨城県那珂郡那珂町大字向山801番地の1 日本原子力研究所 那珂研究所内 (72)発明者 荻原 徳男 茨城県那珂郡那珂町大字向山801番地の1 日本原子力研究所 那珂研究所内 (72)発明者 西堂 雅博 茨城県那珂郡那珂町大字向山801番地の1 日本原子力研究所 那珂研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素繊維と炭化硼素からなり、該炭素繊維
    を構成する黒鉛格子中への硼素原子の固溶量が炭素繊維
    と炭化硼素界面からの深さ1μmにおいて原子数比で10
    00ppm 以下であることを特徴とする黒鉛炭化硼素複合焼
    結体。
  2. 【請求項2】炭素繊維と炭化硼素からなり、該炭素繊維
    を構成する黒鉛の(110)面の平均面間隔が、0.1231
    7nm 以下であることを特徴とする黒鉛炭化硼素複合焼
    結体。
  3. 【請求項3】炭素繊維と炭化硼素からなり、該炭素繊維
    を構成する黒鉛の(110)面の平均面間隔と天然黒鉛
    の(110)面の平均面間隔との差が0.00012nm 以下
    であることを特徴とする黒鉛炭化硼素複合焼結体。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の黒鉛炭化
    硼素複合焼結体において、 硼素の含有率が、8重量%〜40重量%であることを特
    徴とする黒鉛炭化硼素複合焼結体。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の黒鉛炭化
    硼素複合焼結体において、 該焼結体の室温熱伝導率の最高値が110W/mK以上
    であることを特徴とする黒鉛炭化硼素複合焼結体。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の黒鉛炭化
    硼素複合焼結体において、 該焼結体中の炭素繊維を、熱伝導方向とのなす角度が±
    30°以内になるように配向させたことを特徴とする黒
    鉛炭化硼素複合焼結体。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の黒鉛炭化
    硼素複合焼結体において、 前記炭素繊維の体積含有率が50〜90%であることを
    特徴とする黒鉛炭化硼素複合焼結体。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の黒鉛炭化
    硼素複合焼結体において、 前記炭素繊維の黒鉛化度が80%以上であることを特徴
    とする黒鉛炭化硼素複合焼結体。
  9. 【請求項9】水素プラズマの照射を受ける核融合炉第一
    炉壁において、 炭素繊維と炭化硼素からなり、該炭素繊維を構成する黒
    鉛格子中への硼素原子の固溶量が炭素繊維と炭化硼素界
    面からの深さ1μmにおいて原子数比で1000ppm 以下で
    ある黒鉛炭化硼素複合焼結体を第一炉壁用部材として用
    いることを特徴とする核融合炉第一炉壁。
  10. 【請求項10】水素プラズマの照射を受ける核融合炉第
    一炉壁において、 炭素繊維と炭化硼素からなり、該炭素繊維を構成する黒
    鉛の(110)面の平均面間隔が、0.12317nm 以下で
    ある黒鉛炭化硼素複合焼結体を第一炉壁用部材として用
    いることを特徴とする核融合炉第一炉壁。
  11. 【請求項11】炭素繊維と炭化硼素からなる黒鉛炭化硼
    素複合焼結体の製造方法において、 前記製造方法が、真空または不活性ガス中で2000℃
    以下の温度で焼結することを特徴とする黒鉛炭化硼素複
    合焼結体の製造方法。
  12. 【請求項12】炭素繊維と炭化硼素からなる黒鉛炭化硼
    素複合焼結体の製造方法において、 前記製造方法が、黒鉛繊維の束に、炭化硼素粉末を溶剤
    と混合したスラリーを含浸する工程と,前記黒鉛繊維の
    束を積層体とする工程と,真空または不活性ガス中で2
    000℃以下の温度で焼結する工程、からなることを特
    徴とする黒鉛炭化硼素複合焼結体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109306440A (zh) * 2018-12-08 2019-02-05 马鞍山市雷狮轨道交通装备有限公司 一种c-c-b4c结合踏面清扫器研磨子及其制备方法
CN115210197A (zh) * 2020-02-12 2022-10-18 Skc索密思株式会社 陶瓷部件及包括该陶瓷部件的等离子体蚀刻装置

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