JPH0892123A - 腎疾患用低リン含量の大豆蛋白質酵素分解物 - Google Patents

腎疾患用低リン含量の大豆蛋白質酵素分解物

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JPH0892123A
JPH0892123A JP6233422A JP23342294A JPH0892123A JP H0892123 A JPH0892123 A JP H0892123A JP 6233422 A JP6233422 A JP 6233422A JP 23342294 A JP23342294 A JP 23342294A JP H0892123 A JPH0892123 A JP H0892123A
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JP
Japan
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phosphorus content
soybean protein
less
degradation product
protein
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JP6233422A
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English (en)
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Minoru Kimoto
実 木本
Yoshimi Akasaka
好美 赤坂
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Fuji Oil Co Ltd (fka Fuji Oil Holdings Inc)
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Fuji Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】総リン含量が極めて低く、且つフィチン態リン
含量も極めて低い腎疾患に有用な大豆蛋白質酵素分解物
を目的とした。 【構成】総リン含量が0.1%以下で、且つフィチン酸
態リン含量が0.004%以下である腎疾患用大豆蛋白
質酵素分解物。 【効果】腎疾患に有用な大豆蛋白質酵素分解物が得られ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、腎疾患用低リン含量の
大豆蛋白質酵素分解物に関する。
【0002】
【従来の技術】大豆蛋白質は、アミノ酸バランスの良い
栄養学的に優れたものであるが、他の種子由来の蛋白質
と同様にフィチン酸態、リン脂質態、及び無機塩態で存
在するリン含量が多く、栄養学的価値を低下せしめてい
る。
【0003】フィチン酸は、カルシウムイオン、マグネ
シウムイオン、鉄イオン、亜鉛イオン等の主に2価の金
属イオンと反応して沈澱を生じることより、消化管での
人体に必要なミネラルの吸収に悪影響を及ぼし、またリ
ン自体、過剰摂取により副甲状腺ホルモンを刺激し、骨
形成に悪影響を及ぼしたり、腎機能の低下を起こすこと
が知られている。
【0004】通常、分離大豆蛋白質あるいはその分解物
では、総リン含量は約1%であり、フィチン酸態リン含
量としては約0.6%である。一方、腎不全患者ではリ
ンの摂取量を600mg/日以下に抑える必要がある。
実際、種々の食品を経てリンは摂取されるため、各々の
食品素材中のリン含量は出来るだけ少なくしておくこと
が望ましい。特定保健用食品である低リンミルクの場合
は、牛乳の1/5のリン含量(0.08%/ミルク)に
まで低下させている。
【0005】一方これまでに、大豆蛋白質よりフィチン
酸を除く方法は広く研究されており、例えば(a)pH1
1以上の高アルカリ域でフィチン酸のみ沈澱させ除去す
る方法、(b)UF膜やイオン交換樹脂を用いて分離除去
する方法、(c)中性ないし弱アルカリ下で食塩濃度を
8.5%以上にすることで沈澱除去させる方法、(5)フ
ィターゼにより分解除去する方法がある。
【0006】しかしながら、公知の蛋白質からフィチン
酸を分離する方法は、蛋白質が処理中に不溶化したり、
風味が劣化したりまた処理が高価であるなどして実用的
でなかった。
【0007】また特開昭63−267251号公報に
は、大豆をpH3.0〜6.5の2価および多価の陽イ
オンを除去した水溶液に浸漬し、大豆中のリンおよびカ
リウムを低減させる方法が記載されているが、処理後の
リン含量が数百mg/100gであり満足の行くもので
ない。
【0008】また、特開平4−51872号公報におい
て、大豆蛋白質を酵素分解した後に2価の金属イオンに
解離する物質を加え、加熱処理しフィチン酸を沈澱除去
する方法が記載されているが、本発明で得られる低リン
レベルにまで除去することは出来ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上の如く、フィチン
酸含量が極めて少なく、同時に総リン含量も極めて少な
い腎疾患用の大豆蛋白質酵素分解物を得ることが課題で
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点に
鑑み研究を行った結果、大豆蛋白質を酵素にて分解し流
動性を良くした後、特定の陰イオン交換樹脂にて処理を
施すことにより、フィチン酸含量が少なく且つリン含量
の極めて少ない腎疾患に有効な大豆蛋白質酵素分解物が
得られる知見を得て本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は、総リン含量が0.1%以
下(好ましくは0.05%以下、より好ましくは0.0
25%以下)で、且つフィチン酸態リン含量が0.00
4%以下(好ましくは0.002%以下、より好ましく
は0.001%以下)である腎疾患用大豆蛋白質酵素分
解物である。
【0012】大豆蛋白質酵素分解物中の蛋白質1g当り
の構成必須アミノ酸は、L−スレオニン:30〜46m
g、L−チロシン:28〜42mg、L−フェニルアラ
ニン:42〜62m g、L−シスチン:10〜16m
g、L−メチオニン:10〜14mg、L−バリン:3
7〜55mg、L−イソロイシン:37〜55mg、L
−ロイシン:62〜94mg 、 L−リジン:50〜
74mg、L−トリプトファン:11〜17mg、L−
ヒスチジン :19〜29mgの範囲とすることがで
きる。
【0013】本発明の腎疾患用大豆蛋白質酵素分解物の
総リン含量は、0.1%以下(好ましくは0.05%以
下、より好ましくは0.025%)が適当である。 リ
ンの摂取量が過剰であると、カルシウム出納の不平衡や
副甲状腺機能の高進をきたし健康上弊害を生じる。特に
腎臓病患者では、血中のリン含量が慢性的に高値であ
り、リンの過剰による弊害は重篤である。腎不全患者で
はリンの摂取量を600mg/日以下に抑える必要があ
る。実際、種々の食品を経てリンは摂取されるため、各
々の食品素材中のリン含量は出来るだけ少なくしておく
ことが望ましい。特定保健用食品である腎疾患用の低リ
ンミルクの場合は、牛乳の1/5のリン含量(0.08
%/ミルク)にまで低下させている。
【0014】本発明の腎疾患用大豆蛋白質酵素分解物
は、総リン含量が0.1%以下(好ましくは0.05%
以下、より好ましくは0.025%以下)と極めて低
く、効果的に且つ安心して腎疾患用の蛋白栄養源として
使うことが出来る。
【0015】また、本発明の腎疾患用大豆蛋白質酵素分
解物のフィチン酸態リン含量は、0.004%以下(好
ましくは0.002%以下、より好ましくは0.001
%以下)が適当である。フィチン酸は、カルシウムやマ
グネシウムなどのミネラルと結合し、体内での吸収を阻
害するとされているが、本発明の如くフィチン酸態リン
含量が0.004%以下(好ましくは0.002%以
下、より好ましくは0.001%以下)と極めて低い蛋
白質分解物であれば、ミネラル吸収が阻害されることな
く効果的吸収され、総合的に腎疾患用に有効である。
【0016】又、本発明の腎疾患用低リン含量の大豆蛋
白質酵素分解物は、例えば以下の方法で得ることができ
る。
【0017】蛋白質を水系下にて酵素で分解し、アクリ
ル系弱塩基性陰イオン交換樹脂にて処理することで得ら
れる。
【0018】本発明において使用する蛋白質は、植物性
蛋白、特に大豆蛋白が適当であり、例えば等電点沈澱、
アルコール沈澱、UF膜分離等で回収された蛋白質が用
いることが出来る。
【0019】また本発明に用いる酵素は、食品あるいは
医薬品製造に用いることの可能な酵素であれば、いずれ
でも良い。酵素分解は、酵素が作用する温度及びpHで
あれば可能である。分解する蛋白質の濃度は、酵素が作
用する濃度であればいずれでもよいが、通常5%から1
5%の範囲が好ましい。
【0020】また、酵素分解により生じた不溶物は、除
去してもあるいは除去しなくてもいずれでも構わない。
【0021】不溶物を除去した場合には、後述の樹脂処
理にはバッチ法あるいはカラム法のいずれでも適応でき
るが、不溶物を含む場合では、バッチ法あるいは通液を
上昇でおこなうカラム法が望ましい。
【0022】本発明において重要なことは、(a)特定の
陰イオン交換樹脂にてリン含有化合物を除去すること、
(b)特定の陰イオン交換樹脂処理に先だって大豆蛋白質
を酵素にて分解し、大豆蛋白質の栄養学的価値を損なう
事なく、溶液状態での粘性を下げ流動性を向上させるこ
と、以上の組み合わせによりリン含量を低下させること
にある。
【0023】大豆蛋白質を水溶液下でイオン交換樹脂処
理をしようとした場合、周知のように高分子のため不溶
化し、目詰まりを生じたり、また粘度が高いためにかな
り希薄溶液にしなければならず、工業的に困難をきた
す。
【0024】酵素分解後のリン含有化合物の除去に用い
る吸着樹脂としては、アクリル系の弱塩基性陰イオン交
換樹脂が適当である。その他の陰イオン交換樹脂では本
発明ほどリン含量を低下させることが出来ない。
【0025】大豆蛋白質中に存在するリン含有化合物の
主たるものは、フィチン酸態、リン脂質態、リン酸態で
あり、いずれもアクリル系陰イオン交換樹脂により吸着
除去することが出来る。
【0026】アクリル系陰イオン交換樹脂の使用に際し
ては、樹脂の官能基が正に荷電していることが必須であ
るため、pHは9以下好ましくは7以下で行うのが適当
である。この場合、バッチ法、カラム法のいずれでも実
施可能である。
【0027】上記で得られるアクリル系陰イオン交換樹
脂処理を行った酵素分解液は、固形分換算で総リン含量
が0.1%以下(好ましくは0.05%以下、より好ま
しくは0.025%以下)でかつフィチン酸態リン含量
が0.004%以下(好ましくは0.002%以下、よ
り好ましくは0.001%以下)とすることが出来、人
体に必要なミネラルの吸収に悪影響を及ぼす事なく、腎
疾患患者の蛋白質源として極めて有用である。通常、殺
菌後溶液状態のまま、腎疾患用として食品、医薬品等の
原料として利用することができ、また常法に従い濃縮し
て濃縮液の形態で或は噴霧乾燥等を行って粉末形態にし
て、腎疾患用として食品、医薬品等の原料として利用で
きる。
【0028】
【実施例】以下の実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころを一層明かにする。 実施例1 分離大豆蛋白質(出願人会社製「ニューフジプロ−
R」)100重量部を水900部に溶かし、これに蛋白
質分解酵素(大和化成株式会社製「プロチン」)を2部
加え、50℃で5時間インキュベートした後、遠心分離
(5000rpm×30分)にて不溶物を除去し、更に
80℃で30分加熱して酵素失活と殺菌を行い、凍結乾
燥して酵素分解物(SH)を得た。
【0029】アクリル系弱塩基性陰イオン交換樹脂(住
友化学工業株式会社製「KA890」)を直径1.4c
mのカラムに高さ15cmまで充填(樹脂容積23cm
2)し、5%カセイソーダ液50ml及びイオン交換水
500mlを通液し洗浄を行った。
【0030】一方、上述の酵素分解物(SH)をイオン
交換水で溶解し、10%塩酸にてpHを4.5に調整
し、最終蛋白濃度が10%になるようにイオン交換水に
て調整した。
【0031】上調製液をKA890を充填し洗浄してお
いたカラムの上部より51ml/hにて通液し、カラム
下部より溶出される処理液を分取し、モハメッドらの方
法(Cereal Chem.63. 475.1986)にてフィチン酸含量を
順次測定した。その結果は図1に示す。
【0032】図1に示すように、酵素分解液を通液し、
その量が1219ml(蛋白量として121.9g、樹
脂1ml当り5.3g)以上になると、酵素分解液中の
フィチン酸が完全に樹脂に吸着されなくなり、漏洩して
くる。
【0033】フィチン酸が完全に樹脂に吸着除去されて
いる溶出液を集め、凍結乾燥し、低リン含量の酵素分解
物(SHR)を得た。表1にSH、SHRの分析結果を
示す。
【0034】
【表1】
【0035】 --------------------------------------------------------------- SH SHR --------------------------------------------------------------- 総リン含量(mg/100g蛋白) 840 24 フィチン酸態リン含量(同上) 710 0 リン脂質態リン含量(同上) 0 0 --------------------------------------------------------------- (アミノ酸組成(mg/g蛋白) L−スレオニン 37 37 L−チロシン 34 34 L−フェニルアラニン 49 49 L−シスチン 13 13 L−メチオニン 12 12 L−バリン 44 44 L−イソロイシン 44 44 L−ロイシン 71 71 L−リジン 63 63 L−トリプトファン 12 12 L−ヒスチジン 23 23 L−アスパラギン酸 119 119 L−セリン 52 52 L−グルタミン酸 207 207 L−プロリン 53 53 グリシン 40 40 L−アラニン 38 38 L−アルギニン 77 77 --------------------------------------------------------------- 表1に示すように、大豆蛋白質酵素分解物を陰イオン交
換樹脂処理することで、リン含量は極めて減少する。 比較例1 実施例1で調製した酵素分解物(SH)を蛋白量で10
0部をイオン交換水にて溶解し、10%カセイソーダ液
にてpHを7.0に調整し最終蛋白濃度が10%になる
ようにイオン交換水にて調整した。
【0036】上記調製液に塩化カルシウム3部あるいは
6部を添加し溶解する。次に湯浴中にてこの液を70℃
で30分間加熱した後、流水下で冷却する。生じた沈澱
物を遠心分離(5000rpm×30分)して除き、上
澄液を凍結乾燥した(SHC)。表2にその分析結果を
SHRと比較して示す。
【0037】
【表2】 ------------------------------------------------------------------- SHR SHC CaCl2 3部 CaCl2 6部 ------------------------------------------------------------------- 総リン含量(mg/100g蛋白) 24 210 170 フィチン酸態リン含量(同上) 0 0 0 リン脂質態リン含量(同上) 0 0 0 ------------------------------------------------------------------- 表2に示すように、2価の金属イオンを添加しフィチン
酸との結合で不溶化させ生じた沈澱物を除く方法では、
フィチン酸態リンは除けるものの、総リン含量は本発明
で得られる低レベルまでには到達し得ない。 比較例2 実施例1で調製した酵素分解物(SH)をイオン交換水
にて溶解し、10%塩酸にてpHを4.5に調整し、最
終蛋白濃度を10%になるようにイオン交換水にて調整
した。
【0038】ポリスルホン系弱塩基性陰イオン交換樹脂
(三菱化成株式会社製「WA20」)を実施例1と同様
にカラムに充填し洗浄した。
【0039】同カラムに上記調製した酵素分解液を実施
例1と同条件で通液し、溶出液を分取し、フィチン酸含
量を測定した。
【0040】WA20を用いた場合、カラム溶出初液よ
りフィチン酸が吸着除去されることなく漏洩し、本目的
には不適当であった。
【0041】
【効果】本発明により、総リン含量が極めて低く、且つ
フィチン態リン含量も極めて低いことより、腎疾患に有
用な大豆蛋白質酵素分解物が得られたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】」は、実施例1で得られた陰イオン交換樹脂処
理における酵素分解物の処理量と交換樹脂への吸着度合
いを表す図面である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】総リン含量が0.1%以下で、且つフィチ
    ン酸態リン含量が0.004%以下である腎疾患用大豆
    蛋白質酵素分解物。
  2. 【請求項2】大豆蛋白質酵素分解物中の蛋白質1g当り
    の構成必須アミノ酸が、L−スレオニン:3 0〜46
    mg、L−チロシン:28〜42mg、L−フェニルア
    ラニン:42〜62m g、L−シスチン:10〜16
    mg、L−メチオニン:10〜14mg、L−バリン:
    37〜55mg、L−イソロイシン:37〜55mg、
    L−ロイシン:62〜94mg 、 L−リジン:50
    〜74mg、L−トリプトファン:11〜17mg、L
    −ヒスチジン :19〜29mgの範囲にある請求項
    1の腎疾患用大豆蛋白質酵素分解物。
JP6233422A 1994-09-28 1994-09-28 腎疾患用低リン含量の大豆蛋白質酵素分解物 Pending JPH0892123A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004017751A1 (ja) * 2002-07-24 2004-03-04 Fuji Oil Company, Limited 仔稚魚用飼料及びこれに用いる低フィチン植物蛋白加水分解物の製造法
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