JPH0892231A - スピロビインダンジグリシジルエーテルおよびその製造方法 - Google Patents

スピロビインダンジグリシジルエーテルおよびその製造方法

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JPH0892231A
JPH0892231A JP22794894A JP22794894A JPH0892231A JP H0892231 A JPH0892231 A JP H0892231A JP 22794894 A JP22794894 A JP 22794894A JP 22794894 A JP22794894 A JP 22794894A JP H0892231 A JPH0892231 A JP H0892231A
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diglycidyl ether
spirobiindane
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epoxy resin
experimental example
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Tsutomu Ishida
努 石田
Akio Karasawa
昭夫 唐澤
Keisaburo Yamaguchi
桂三郎 山口
Teruhiro Yamaguchi
彰宏 山口
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(1)で表される融点が80℃〜140℃
の結晶性の6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テ
トラメチル−1,1'−スピロビインダンのジグリシジル
エーテルおよびその製造方法。 【効果】 このジグリシジルエーテルは、溶融流動性に
優れるばかりでなく、加水分解性塩素の含有量が低く、
電子材料分野での利用に適している。また、これを含有
するエポキシ樹脂組成物は、ブロッキングの発生もな
く、作業性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結晶性であり、80℃
〜140℃の融点を持つ6,6’−ジヒドロキシ−3,
3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビイ
ンダンのジグリシジルエーテルおよびその製造方法に関
するものである。本発明の化合物は、低溶融粘度の他、
耐熱性、耐湿性、接着性、機械的性質等に優れる硬化物
を与えることから、注型、積層、接着、成形、封止、複
合材等の用途に用いられるものである。また、加水分解
性塩素の含有量が少ないため、電子材料分野、特に、半
導体集積回路(IC)の封止用材料の分野における利用
が期待できるものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、プリント基盤等の基盤上に実装
される半導体素子、例えば、トランジスタ、IC、LS
I等は、それ自身及び導通用のワイヤー等を保護するた
めに、封止材料によって封止されている。これらを保護
する役割の封止材として、セラミックや金属など様々な
素材が提案されているが、現在、その物性やコスト、製
造時の作業性等から、エポキシ樹脂を粉末状にし、それ
をペレット状にしたものがよく知られており、この様な
ペレット状エポキシ樹脂及び硬化剤からなる数多くのエ
ポキシ樹脂組成物が用いられてきた。例えば、IC封止
材用として典型的なエポキシ樹脂としては、フェノール
ノボラックやo−クレゾールノボラックのエポキシ化物
が最も汎用的であり、また、高耐熱性エポキシ樹脂とし
ては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MDA)
から得られるエポキシ樹脂などがある。一方、硬化剤の
典型としては、ジエチレントリアミン、イソホロンジア
ミン、m−キシリレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等の脂肪族
または芳香族アミン化合物、無水フタル酸、無水トリメ
リット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸等の酸
無水物、フェノールノボラック等のフェノール樹脂、ポ
リアミド、変性ポリアミン類、イミダゾール類等があ
る。
【0003】これらのエポキシ樹脂および硬化剤は、各
用途に合わせて様々な組合せで、さらには無機充填剤を
加えて、樹脂組成物として利用されてきた。これらのエ
ポキシ樹脂に求められる性能としては、半田付けの際の
耐熱性、IC回路の発熱に耐え得る耐熱性、加熱状態で
樹脂中に含まれる水分が気化することにより発生するク
ラックを防ぐための低吸水性および機械的物性等が挙げ
られる。また、諸物性の向上と共に、電子材料分野で
は、高品質化、即ち、全塩素含有量の低減が強く望まれ
ている。一方、樹脂の骨格により求められる性能の向上
とともに、近年重要視されていることとして、エポキシ
樹脂組成物中のフィラー成分の含有率の向上により吸水
率および機械的物性の向上を図ることがある。すなわ
ち、基本的に吸水率に関与しない無機フィラーの含有率
を向上させることにより、エポキシ樹脂組成物全体とし
ての吸水率を低減させ、また、弾性率などの機械的物性
の向上を図ることである。また、フィラー成分の充填率
を向上させることは、トータル的なコストの低減に寄与
するものでもある。フィラーの充填率を上げるには、よ
り高充填率の組成物の均一な混練を可能にするため、ま
た、実装する際の充填不足やボンディングワイヤーの変
形、切断等を防ぐため、樹脂成分の溶融粘度を低下させ
ることが重要となる。近年、このような目的で、低溶融
粘度化を目的としたエポキシ樹脂が、いくつか提案され
ている。例えば、式(2)(化2)で表されるビフェニ
ルタイプのエポキシ化物(特開平2−101761号公
報)、式(3)(化2)で表されるジヒドロキシナフタ
レンのエポキシ化物(特開昭61−73719号公報)
等である。
【0004】
【化2】 (上式中、Gはグリシジル基を表す)
【0005】しかしながら、これらのエポキシ化物は、
溶融粘度は低下しているものの、2官能エポキシ化合物
であるために、硬化物の架橋密度が低下し、耐熱性の低
下が大きすぎることや、価格面において高価であるとい
う欠点を有している。また、同じ2官能エポキシ化合物
として、6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テト
ラメチル−1,1'−スピロビインダンのジグリシジルエ
ーテルが知られており(特開昭63−150270号公
報)、軟化点約50℃のアモルファスとして得られてい
る。このものは、低溶融粘度、耐熱性等の性能は満足し
ているものの、その軟化点の低さから、目的の粉体エポ
キシ樹脂組成物がブロッキングを生じ易く、作業性に劣
るという欠点を有している。また、該樹脂は不純物とし
て加水分解性塩素を含有するため、半導体素子上のアル
ミニウム配線を腐食してしまう欠点も有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、耐湿
性、耐熱性、接着性、機械的強度等の性能のバランスの
優れているエポキシ化合物に、上記の物性低下を極力押
えながら、近年求められている低溶融粘度、低加水分解
性塩素量という特性を付与することであり、そのことに
より、電子材料分野での利用において有用なエポキシ化
合物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至
ったものである。即ち、本発明は、式(1)(化3)で
表される融点が80℃から140℃である結晶性のスピ
ロビインダンジグリシジルエーテルに関するものであ
る。また、本発明は、6,6’−ジヒドロキシ−3,
3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビイ
ンダンとエピクロルヒドリンとを反応させて得られるア
モルファス状のエポキシ化物から、アルコール系溶剤を
用いて晶析し、単離する前記の結晶性のスピロビインダ
ンジグリシジルエーテルの製造方法に関するものであ
る。
【0008】
【化3】
【0009】本発明のスピロビインダンジグリシジルエ
ーテルは、特定の融点を持ち、その融点以上において極
めて低い溶融粘度を示すことを特徴とする結晶性の6,
6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチ
ル−1,1’−スピロビインダンのジグリシジルエーテ
ル(以下、SPIDGと略記する)である。このSPI
DGは、融解時の溶融粘度が極めて小さい、加水分
解性塩素が少ない、エポキシ樹脂組成物のブロッキン
グがない、等が特徴として挙げられ、従って、通常知ら
れている硬化剤やフィラー成分と溶融混練する際、容易
に硬化性組成物が得られること、耐腐食性に優れるこ
と、作業性に優れることが特徴である。
【0010】本発明は、例えば、2,2'−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンを強酸の存在下に加熱処理
する等の方法により得られる6,6’−ジヒドロキシ−
3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロ
ビインダンに、エピクロルヒドリンを反応させて得られ
るアモルファス状のスピロビインダンのエポキシ化物
(以下、SPIエポキシ化物と略記する)を原料とす
る。本発明の方法は、このアモルファス状のSPIエポ
キシ化物を、アルコール系溶媒から晶析することによ
り、加水分解性塩素を含有する副生物を除去し、加水分
解性塩素含有量が1000ppm 以下、電子材料分野での利用
を考えれば、好ましくは、500ppm以下で、融点が80〜14
0 ℃、好ましくは、100 〜130 ℃の結晶性のSPIDG
を得ることに特徴がある。なお、「加水分解性塩素」と
は、エポキシ樹脂をアセトンに溶解し、水酸化ナトリウ
ム水溶液を加え、還流状態で60分間加熱した時に脱離
する塩素イオンを硝酸銀溶液で滴定して定量し、該化合
物中の塩素原子を重量 ppmで表したものをいう。
【0011】本発明の製造方法において使用するアルコ
ール系溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プ
ロパノール等の脂肪族アルコール類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等の
グリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノイソプロピルエーテル等のセロソルブ類
等が挙げられる。好ましくは、脂肪族アルコール類、更
に好ましくは、メタノールである。アルコール類の使用
量は、SPIエポキシ化物を溶解するのに必要な量あれ
ば十分であり、好ましくは、SPIエポキシ化物100
部に対して100〜1000部、更に好ましくは、30
0〜500部である。
【0012】また、SPIDGの収量を上げるために、
晶析の際、アルコール系溶剤を水で希釈することが好ま
しい。希釈する際の水の使用量は、溶剤として使用する
アルコール類100部に対して、5〜100部、好まし
くは、10〜50部である。さらに、晶析の際、界面活
性剤を使用すると、より粒のそろった粒状物として、S
PIDGを得ることができる。使用する界面活性剤とし
ては、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩等の陰イ
オン活性剤、高級アミンハロゲン酸塩、第四アンモニウ
ム塩等の陽イオン活性剤、ポリエチレングリコールアル
キルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル
等の非イオン活性剤、ポリビニルアルコール、ポリアク
リルアミド等の高分子活性剤が挙げられる。好ましく
は、高分子活性剤、更に好ましくは、ポリビニルアルコ
ールである。界面活性剤の使用量は、SPIエポキシ化
物100部に対して、0.01〜10部であり、好まし
くは、0.1〜5部である。
【0013】この様にして得られた純粋な結晶性のSP
IDGは、150℃におけるICI溶融粘度が0.25
ポイズ程度で、現在、IC封止材として最も汎用的なエ
ポキシ樹脂であるo−クレゾール型エポキシ樹脂の15
0℃におけるICI溶融粘度(6〜7ポイズ)と比較し
て、非常に低粘度化されており、エポキシ樹脂組成物と
してフィラーの充填率を高めるために非常に有利であ
る。例えば、フェノールノボラックを硬化剤として、前
述のように封止材用途に用いる場合、o−クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂を用いたときのフィラー充填率
は80%程度が限界であるのに対し、本発明の結晶性の
SPIDGをエポキシ成分とした場合、92%まで高め
ることが可能となる。従って、樹脂成分に由来する吸水
率を大きく低減させることが可能で、また、フィラーに
より機械的物性の大幅な上昇が可能となる。
【0014】また、先に述べたように、一般的に2官能
エポキシ化合物から得られる硬化物は、架橋密度が低く
なるため、耐熱性が大きく低減するのに対し、本発明の
結晶性のSPIDGは、その分子骨格内に脂環式構造
(スピロ環骨格)を有し、剛直であるために、耐熱性は
他の2官能エポキシ化合物と比較して高いという特徴を
有する。さらにまた、本発明の結晶性のSPIDGは、
溶剤晶析により単離するため、加水分解性塩素の含有量
を大幅に低減することができる。このため、電子材料分
野の樹脂原料に使用した場合、使用時の熱による膨れも
なく、腐食による回路切断を起こすこともない。また、
本発明の結晶性のSPIDGを含有してなるエポキシ樹
脂組成物は、ブロッキングの発生もなく、作業性に優れ
ている。これらのことから、本発明の結晶性のSPID
Gは、次世代半導体封止材料として有望であり、また、
同様に低溶融粘度を特徴とするビフェニルタイプのエポ
キシ化物と比較しても優れているものである。
【0015】
【実施例】以下、本発明の方法を実施例により詳細に説
明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものでは
ない。 実験例1 撹拌機、温度計、還流冷却器を装着した反応容器に、
6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル
−1,1'−スピロビインダン50g(0.162モ
ル)、エピクロロヒドリン150g(1.62モル)お
よびテトラメチルアンモニウムクロライド0.18g
(0.00162モル)を装入し、撹拌下、115℃ま
で昇温し、同温度で5時間反応を行った。その後、反応
液よりエピクロロヒドリンを減圧蒸留によって留去し
た。次いで、残査をトルエン50gに溶解し、30%水
酸化ナトリウム水溶液65gを装入し95℃において5
時間閉環反応を行った。水層を分液により除去した後、
有機層を、残存塩化物及び水酸化ナトリウムが無くなる
まで、水で繰り返し洗浄した。この時、内温は、70〜
75℃に保った。有機層より溶剤を減圧蒸留によって留
去し、64gの褐色の樹脂を得た。軟化点〔環球法軟化
点測定装置( JIS-K-2548 )による〕は65℃で、加水
分解性塩素は1400ppmであった。
【0016】実験例2 撹拌機、温度計、還流冷却器を装着した反応容器に、実
験例1で得られた樹脂10gとメタノール30gを装入
し、撹拌下に60℃まで昇温し、溶解した。その後、室
温まで冷却し、8時間室温で晶析を行った。析出した結
晶を濾別し、さらにメタノールにより洗浄し、目的の
6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル
−1,1'−スピロビインダンのジグリシジルエーテル
(SPIDG)8.5gを得た。融点は114〜130
℃、加水分解性塩素は400ppmであった。
【0017】実験例3 撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロートを装着した反
応容器に、実験例1で得られた樹脂10gとメタノール
30gを装入し、撹拌下に60℃まで昇温し、溶解し
た。その後、室温まで冷却し、8時間室温で晶析を行っ
た。その後、室温にて、ゴーセラン3266(ポリビニ
ルアルコール系界面活性剤、日本合成化学工業社製)1
%水溶液を10g滴下し、2時間撹拌を行った。析出し
た結晶を濾別し、さらに75%メタノール水溶液により
洗浄し、目的物9.6gを得た。融点は111〜129
℃、加水分解性塩素は450ppmであった。
【0018】実験例4 実験例2で得られたSPIDGを用い、硬化剤としてフ
ェノール樹脂〔商品名BRG#558、(株)昭和高分
子製〕、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン、さ
らに、無機充填剤として球形シリカ〔ハリミックS−C
O、(株)龍森製〕と不定型溶融シリカ〔ヒューズレッ
クスRD−8、(株)龍森製〕の重量比1:1の混合
物、その他の添加剤としてシランカップリング剤〔SZ
−6083、東レダウコーニングシリコーン(株)
製〕、カルナバワックス、カーボンブラック、酸化アン
チモン等を表−1(表1)に示す割合で配合(樹脂成分
/無機充填剤=8/92)し、100℃において3分間
ロール混練してエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキ
シ樹脂組成物を注型加工して得られた硬化物の物性を測
定し、表−1に結果を示した。尚、物性測定用の試験片
は、エポキシ樹脂組成物をトランスファー成形(180
℃、30kg/cm2 、3min.)して得た。
【0019】実験例5 実験例4におけるエポキシ樹脂をo−クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂(商品名EOCN102S、日本化
薬製)を用い、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂
(BRG#558)を用い、表−1に示す割合で配合
(樹脂成分/無機充填剤=8/92)し、100℃にお
いて、3分間ロール混練を行ったが、樹脂成分の溶融流
動性が低いため、均一な樹脂組成物を得ることが出来な
かった。
【0020】実験例6 実験例5における無機充填剤を表−1に示す割合で配合
し(樹脂成分/無機充填剤=20/80)、実験例4と
同様にして得られた硬化物の物性を測定し、表−1に結
果を示した。 実験例7 実験例4における無機充填剤を表−1に示す割合で配合
し(樹脂成分/無機充填剤=20/80)、実験例4と
同様にして得られた硬化物の物性を測定し、表−1に結
果を示した。
【0021】
【表1】
【0022】以上、本発明を実験例により説明してきた
が、この結果から、本発明のSPIDGは、溶融流動性
が高いためフェノール樹脂および無機充填剤との組成物
を得るにあたり、より多くの充填剤を導入することが可
能となることがわかる。即ち、実験例4の結果で明らか
な様に、本発明のSPIDGとフェノールノボラックを
用いたエポキシ樹脂組成物の場合、充填剤成分が92%
含まれているにもかかわらず、ロール混練が可能であ
り、スパイラルフローも75cmであった。また、実際
に試験用半導体装置を成形した時のボンディングワイヤ
ー変形数は、0/20であることから封止剤として用い
ることが可能であることが判る。一方、実験例5におい
て、一般的なエポキシ樹脂であるo−クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂(EOCN)を用い、実験例4と同
様、多量の充填剤を用いて組成物を得ようとしたが、ロ
ール混練を行う際に、流動性が殆どなく、均一な混練物
を得ることが不可能であった。このことより、本発明の
SPIDGはその硬化物を得るに際し、より多くの充填
剤を含むことが可能であることが判る。
【0023】o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
は、フェノールノボラックを硬化剤とした時、充填率8
0%で、実験例4と同程度のスパイラルフローを示すこ
とが実験例6の結果から明らかである。しかし、この時
得られる硬化物の物性は、曲げ弾性率、吸水率等におい
て、実験例4に比べ劣っていることが判った。この差は
樹脂の本質的な差に加え、充填剤の含有量の影響も大き
く受けていると考えることができる。このことは、実験
例7の結果からも明らかである。実験例7は、実験例4
と同じ本発明のSPIDGとノボラックの組み合わせに
おいて、充填剤の量を実験例6と同じ80%としたもの
である。この結果から、樹脂成分が同じであっても、充
填剤が少ないと、スパイラルフローで示される全体とし
ての流動性は優れるものの、その硬化物性は低下するこ
とが判る。このことから、エポキシ樹脂組成物より得ら
れる硬化物の物性は、樹脂の特性やフィラー充填率
により左右されるといえ、よりフィラーの充填率を高め
ることを硬化物物性を向上させるポイントの1つに挙げ
ることができる。この点で本発明のSPIDGは非常に
優れているということができる。また、実験例6および
7はフィラー充填量および硬化剤が等しいため、本発明
のSPIDGと代表的なエポキシ樹脂であるo−クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂の比較が可能であり、こ
の両者の比較から、本発明のSPIDGは耐熱性におい
て若干劣っているものの、その水準は封止剤として十分
なものと判断される範囲にあり、一方、吸水性では大き
く優れていることが判る。以上のことを総合的に勘案す
ると、本発明のSPIDGは、樹脂の特性として吸水性
が低く、また、溶融粘度が非常に低いために、エポキシ
樹脂組成物としてフィラーを従来の一般的なものより多
く含むことが可能であることから、得られる硬化物の物
性は非常に低吸水性であり、また、機械的物性も優れて
いると判断することができる。従って、特に封止剤の分
野において有用なものといえるものである。
【0024】
【発明の効果】本発明は、6,6'−ジヒドロキシ−3,
3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダン
とエピクロルヒドリンとから得られるアモルファス状の
エポキシ化物から、アルコール系溶剤を用いて晶析単離
することにより、結晶性の6,6'−ジヒドロキシ−3,
3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダン
ジグリシジルエーテルを得る方法を提供するものであ
る。本発明のジグリシジルエーテル化合物は、溶融流動
性に優れるばかりでなく、加水分解性塩素の含有量を低
減することができるため、電子材料分野に使用した際
に、熱による膨れや、腐食による回路切断を起こすこと
がない。また、本発明のジグリシジルエーテル化合物を
含有してなるエポキシ樹脂組成物は、ブロッキングの発
生もなく、作業性にも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)(化1)で表される融点が80
    ℃から140℃である結晶性のスピロビインダンジグリ
    シジルエーテル。 【化1】
  2. 【請求項2】 6,6’−ジヒドロキシ−3,3,
    3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダ
    ンとエピクロルヒドリンとを反応させて得られるアモル
    ファス状のエポキシ化物から、アルコール系溶剤を用い
    て晶析し、単離することを特徴とする請求項1記載のス
    ピロビインダンジグリシジルエーテルの製造方法。
  3. 【請求項3】 アルコール系溶剤がメタノールである請
    求項2記載のスピロビインダンジグリシジルエーテルの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 晶析の際に、水で希釈することを特徴と
    する請求項3記載のスピロビインダンジグリシジルエー
    テルの製造方法。
  5. 【請求項5】 晶析の際に、界面活性剤を用いることを
    特徴とする請求項3または4記載のスピロビインダンジ
    グリシジルエーテルの製造方法。
JP22794894A 1994-09-22 1994-09-22 スピロビインダンジグリシジルエーテルおよびその製造方法 Pending JPH0892231A (ja)

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