JPH0892273A - キシロシルフラクトシド結晶及びその製造方法 - Google Patents

キシロシルフラクトシド結晶及びその製造方法

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JPH0892273A
JPH0892273A JP25275394A JP25275394A JPH0892273A JP H0892273 A JPH0892273 A JP H0892273A JP 25275394 A JP25275394 A JP 25275394A JP 25275394 A JP25275394 A JP 25275394A JP H0892273 A JPH0892273 A JP H0892273A
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crystal
crystals
purity
temperature
xylosylfructoside
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JP25275394A
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English (en)
Inventor
正幸 ▲塚▼田
Masayuki Tsukada
Kazuyoshi Minoshima
和良 蓑島
Tokuo Maeda
徳雄 前田
Yoshiharu Ito
義春 伊藤
Yutaka Koga
裕 古賀
Yuji Sato
裕治 佐藤
Tetsuhiro Hidano
哲宏 飛彈野
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HOKUREN FEDERATION OF AGRICULT COOP
Original Assignee
HOKUREN FEDERATION OF AGRICULT COOP
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エタノールのような有機溶媒を用いずにキシ
ロシルフラクトシド(XF)の水溶液からXF結晶を製
造し、高純度の、平均の粒径が0.3mm以上のグラニ
ュー糖のように固結しない性状を持つXF結晶を提供す
る。 【構成】 純度75%以上のキシロシルフラクトシド
(XF)の有機溶媒を含まない水溶液を濃度90%以下
のできるだけ高い濃度に濃縮し、得られた濃縮液の初発
温度を60〜65℃に調整し、次いで、前記濃縮液の温
度を徐々に約30℃までに冷却しながら結晶を成長さ
せ、得られた白下から、成長したXF結晶を回収する。
このXF結晶の回収は、白下の粘度が低下するまで白下
を放置するか、或いは白下の温度を30℃よりも上昇さ
せて粘度を低下させてXF結晶を分離して行う。本発明
のXF結晶は、純度98%以上で、平均粒度が0.3m
m以上の、2分の1の結晶水を持ち、融点が112.1
〜112.3℃の結晶である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗う蝕性機能、ビフィ
ズス菌増殖効果の機能及びαーグルコシダーゼの阻害作
用のあるキシロシルフラクトシド結晶及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】キシロシルフラクトシド〔正式名:O-α
-D-Xylopyranosyl-(1 →2)- β-D-Fructofranoside〕
(略語:XF)は、S.Hestrin 等により、レバンシュー
クラーゼの酵素反応により、シュークロースとキシロー
スから製造され、彼らによりキシロシュークロースと名
付けられている(J.Am.Chem.Soc.77,6710(1955))。ま
た、XFは酵素β−フラクトフラノシダーゼの転移反応
でも生産されることが知られている。XFの工業的生産
法については、種々の微生物起源のこれらの酵素を利用
して生産する方法が提案されている(特公昭57−58
905号公報、特開平4−200386号公報、特開平
4−91795号公報、特開平3−27285号公報、
特公平5−70415号公報)。
【0003】XFは、前記特公昭57−58905号公
報に記載されているように抗う蝕性の機能があり、特開
昭62−207286号公報に記載されているようにビ
フィズス菌増殖効果の機能、さらに最近ではα−グルコ
シダーゼの阻害作用があることが発見され(特願平6−
190968号)、色々な機能を持った甘味料あるいは
食品素材として注目されている。
【0004】XFの結晶については、XF溶液にエタノ
ールを加え、緩やかに濃縮することにより得られたこと
が報告されている(Tooru Taga et al., Carbohydr. Re
s.,241(1944)63-69)が、結晶の性状や大きさ等について
は何も報告されていない。また、この結晶が、グラニュ
ー糖のように固結しないのかどうかについての報告につ
いては何もない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、XFを
利用しやすくするため、例えば、加工食品等に利用しや
すくするために、グラニュー糖のように固結しないXF
結晶を提供する課題に取り組んだ。
【0006】本発明者らの実験により得られた知見で
は、XFの水溶液は、通常の糖の結晶方法のように、純
度を高くし、且つXFの水溶液を単純に濃縮していって
も、結晶核は発生せず、このような方法ではXFの結晶
を得ることはできなかった。また、本発明者らは前記To
oru Taga et alの文献に記載の方法により、高純度(純
度95%)のXF溶液にエタノールを入れ、緩やかに濃
縮してみたところ、濃縮することにより微細な白色の沈
殿物を得ることができた。この沈澱物を顕微鏡観察した
ところ、結晶面と異方性が確認できず、アモルファス状
の状態であった。また、この沈殿物を遠心分離で溶媒と
分離し、室温で放置したが、一昼夜で沈殿物は潮解して
しまった。
【0007】このことから、エタノールを用いた上記の
ような方法で結晶ができたとしても、このような結晶は
実用的には難がある。また、結晶工程においてエタノー
ルを使用することは、工業的規模で生産する場合、製造
コストがかかり、エタノールを回収使用しなければなら
ない付加的な要件を必要とし、また最終結晶品に異物と
してのエタノールが混入する恐れがある等の問題点があ
る。
【0008】そこで本発明は、平均の粒径が0.3mm
以上のグラニュー糖のように固結しないXF結晶を、エ
タノールのような有機溶媒を用いず製造することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明のXF結晶の製造方法は、(1)純度75%以
上のXFの有機溶媒を含まない水溶液を濃度90%以下
のできるだけ高い濃度に濃縮し、(2)得られた濃縮液
の初発温度を60〜65℃に調整し、(3)次いで、前
記濃縮液の温度を徐々に約30℃までに冷却しながら結
晶を成長させ、(4)得られた白下から、成長したXF
結晶を回収することを特徴とする前記本発明のXF結晶
の製造方法において、成長したXF結晶を回収する方法
は、白下の粘度が低下するまで白下を放置するか、ある
いは白下の温度を30℃よりも上昇させて白下の粘度を
低下させた後に結晶を分離して回収することができる。
【0010】前記本発明のXF結晶の製造方法におい
て、純度75%以上のXFの有機溶媒を含まない水溶液
はクロマト分離によって得ることができる。
【0011】また、本発明のXF結晶は、水溶液から得
られた、純度98%以上で、平均粒度0.3mm以上
の、2分の1の結晶水を持つ斜方晶系の結晶であって、
その融点が112.1〜112.3℃、比施光度が5
4.0〜54.2であることを特徴とする。
【0012】図1は、本発明のXF結晶の製造方法の1
例を示す全プロセスのフローチャートであり、このフロ
ーチャートには本発明の純度75%以上のXF水溶液か
らXF結晶を得るフローも含まれている。
【0013】(1)純度75%以上のXF水溶液を調製
する工程 本発明のXFの結晶化方法において、結晶化可能なXF
溶液の純度は75%以上である。その純度を75%以上
とした理由は、次の実験により明らかにされる。即ち、
純度98.5%のXF溶液からXF結晶を回収し、回収
後の糖蜜を用いて更に結晶を回収した。この操作をさら
に2回、合計4回繰り返した後の糖蜜の純度は75.5
%であった。この糖蜜を原料にして本発明の方法で結晶
化を行ったが、種結晶を投入した後、結晶は平均粒度1
00〜200μm程度に成長するものの、遠心分離によ
る結晶と糖蜜の分離ができなかった。このことから、本
発明での結晶化可能なXF溶液の純度は75%以上であ
ることが分かる。
【0014】本発明で出発原料とするXF水溶液は、次
のようにして製造される。XFの含有原料は、公知の方
法、例えば、レバンシュークラーゼやβ−フラクトフラ
ノシダーゼの転移反応によりXF含有水溶液を得ること
ができる(例えば、特公平5−70415号公報、特公
昭57−58905号公報、特開平4−200386号
公報、特開平4−91795号公報、特開平3−272
85号公報等による方法)。この方法は、上記酵素を用
いてもよいし、或いは上記酵素を有する菌体の培養液を
用いてもよい。
【0015】しかしながら、これら公知の方法により得
られたXF水溶液は、純度が50%以下である。本発明
の結晶化方法の原料である純度75%以上のXF水溶液
とするには、どのような精製手段を用いてもよいが、食
品素材として提供可能な量として生産量が一日当りトン
単位の工業的生産規模の大量の結晶を製造する目的に
は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属型のカチオンイ
オン交換樹脂を分離剤として用い、分離溶剤として水を
用いたクロマト分離方法が有利である。なお、特開平3
−83992号公報に記載のXFの分離精製法は、分離
剤として化学修飾シリカ担体を使用するクロマト分離法
であるが、シリカ担体は上記アルカリ金属又はアルカリ
土類金属型のカチオンイオン交換樹脂担体と比べてその
粒径が極めて小さいので(例えば、同公報のシリカ担体
は粒径15μmに対して本発明で使用されるカチオンイ
オン交換樹脂担体は、50〜500μm)、口径及び高
さが数m単位の大型カラムを有する工業的規模のイオン
交換樹脂塔に充填すると圧損が大きくなり、液を極めて
高圧力で通液しなければならず、設備的に工業的規模の
分離精製には適していない。
【0016】このクロマト分離法による分離装置には、
特に、生産規模の大きな工業的規模の装置として、疑似
移動床方式の設備及びその改良設備の連続式の分離設備
等の種々の装置(例えば、特公昭42−15681号公
報、特開昭63−158105号公報、特開平2−49
159号公報等に使用される装置)が好適に使用でき
る。しかしながら、本発明のXF結晶化方法には連続式
のみではなく、単塔式のバッチ運転による方法も適用で
きる。
【0017】(2)最初の種結晶を得る工程 上記(1)の精製工程で純度98%以上のXF水溶液を
得、この水溶液を凍結乾燥し放置する。凍結乾燥品は2
日後には吸湿し飴状になるので、これを、4℃前後の冷
蔵庫中に約3か月保管すると全体が固い飴状になってい
る中に、極微小の結晶核が発生する。一方、98%以上
のXF溶液を固形分濃度を約90%程度に濃縮し、これ
をガラス板上に取り、これに上記の結晶核を含んだ固い
飴状のものを極少量加え、スパーテルで激しく混合する
と、ガラス板上の透明なXF溶液は微細結晶で白く変色
し、きわめて微細なXFの結晶核が得られる。
【0018】(3)XFの結晶化工程 上記(1)の精製工程で得られる純度75%以上のXF
の有機溶媒を含まない水溶液を用意し、このXF水溶液
を濃度90%以下に濃縮する。このXF濃縮液の初発温
度を60〜65℃に調整し、次いで、前記濃縮液の温度
を徐々に約30℃までに冷却しながら結晶を成長させ
る。
【0019】上記のような結晶を成長させる方法は一般
に助晶法と言われており、一定の純度以上の糖液を、そ
の糖の溶解度以上に濃縮し、これに結晶化しようとする
糖の微細結晶を添加し、その後ゆるやかに撹拌しながら
温度を除々に下げ、温度による糖の溶解度差を利用して
結晶を一定の大きさに成長させる方法であり、温度によ
る溶解度差が大きい性質を有する糖に対して有効な結晶
化方法である。
【0020】次に、上記のような助晶法による結晶化が
XFに有利であることを説明する。本発明者らはXFの
結晶の温度の変化による溶解度を測定し、その結果を図
2に示す。図2によれば、XFの溶解度は、20〜80
℃のどの温度領域においても比較例として示したシュー
クロースより高く、温度差による溶解度の変化の勾配が
極めて大きいことが明らかである。その温度差による溶
解度の変化の勾配は図2に比較例として示したニストー
スの場合とよく似ているが、ニストースと比較し溶解度
は極めて高レベルである。
【0021】また、XF結晶の成長速度は、シュークロ
ースや1−ケストースと比較すると、はるかに遅いこと
を本発明者らは確認している。例えば、純度が95%程
度の場合、シュークロースや1−ケストースの場合、微
細な種結晶を入れてから結晶の平均粒径を約0.5mm
程度に成長させるのに必要な時間は、一般的に約1〜3
時間程度とされているが、XFは少なくとも10時間以
上は必要であることが、本発明者らの実験により初めて
明らかになった。ニストースの場合は、特開平6−16
5700号公報に記載されているように、その純度が9
0%のとき結晶に必要な時間は7〜10時間であるか
ら、純度も合わせて考慮すると、ニストースよりもかな
り遅いことが理解される。
【0022】したがって、以上のように、XFは、水へ
の溶解度が他の糖に比べて極めて高いこと、温度による
溶解度差が他の糖に比べて大きいこと、及びXFの結晶
化速度が他の糖に比べてかなり遅いこと等のこれらの事
実から、有機溶媒を含まない水からのXFの結晶化方法
には、糖液を供給しつつ濃縮を継続して結晶を成長させ
る煎糖法は適さず、助晶法が適していることが分かる。
実際に、煎糖法で実施してみると、結晶の成長速度が極
めて遅いため、濃縮と糖液の供給速度の調整がきわめて
難しく、結晶化がうまくいかない。
【0023】次に、上記のXF水溶液を濃度90%以下
のできるだけ高い濃度に濃縮する理由を説明する。
【0024】XF水溶液からXF結晶を助晶法で析出さ
せる場合において、XFは通常の濃縮だけでは核発生が
ないので、濃縮により初発濃度を高くすることが必要で
あり、できるだけ初発濃度を高くすることは、XF結晶
の回収率を高める観点から好ましい。しかしながら、X
F水溶液を濃縮して固形分濃度が90%を越えると、液
粘度が急激に高まり飴状となり、種結晶の添加混合が困
難となることを本発明者は初めて確認した。したがっ
て、初発濃度は90%が限度であり、好ましくは濃度9
0%以下のできるだけ高い濃度、88%〜90%とす
る。なお、上記のXF結晶の回収率を高める観点を離れ
れば、初発濃度はこの範囲より低くてもよいことは勿論
である。
【0025】次に、上記のXF濃縮液の初発温度を60
〜65℃に調整する理由を説明する。
【0026】助晶法は、温度差により生ずる溶解度差を
利用し、結晶化を行う方法であるので、XFの結晶化方
法において、XF濃縮液の初発温度及び温度降下速度
は、大きい結晶を作るのに重要な要因である。まず初発
温度について、XFの溶解度から、60℃、70℃、8
0℃における飽和溶液の固形分濃度を求め、次いで固形
分濃度が80%、85%、88%、90%のXF濃縮液
の過飽和度を求めた。その結果を下記の表1に示す。
【0027】
【表1】 上記表1によれば、XF濃縮液の過飽和度から判断して
初発温度は60〜65℃のとき、過飽和度は1.1〜
1.2の範囲となるので、以下に説明する理由でこの温
度範囲が初発温度として好ましい。過飽和度が、このよ
うな1.1〜1.2の範囲のXF濃縮液に微細種結晶を
入れたとき、結晶は消失することなく成長する。しかし
ながら、XF濃縮液の初発温度が65℃を越えると、X
F濃縮液の過飽和度が1.1未満となり、結晶の成長速
度が遅くなってXF結晶の生産性が悪くなり、さらに、
過飽和度が1以下になると、XF結晶は生成されず、種
結晶までもが消失してしまう。他方、逆にXF濃縮液の
初発温度が60℃未満であれば、過飽和度は上がるが、
XF濃縮液の温度が低いので、結晶の成長速度が遅くな
ったり、また、XF濃縮液の粘度が高まり拡散速度が遅
くなることから、結果的に結晶の成長速度が遅くなる。
したがって、上記理由により、XF濃縮液の初発温度を
60〜65℃とする。
【0028】次に、前記XF濃縮液の温度を徐々に約3
0℃までに冷却しながら結晶を成長させる条件を説明す
る。60〜65℃の初発温度のXF濃縮液を緩やかに攪
拌しながら結晶の成長速度に合わせて液温を30℃まで
直線的に下げ、過飽和度を一定に保ちながら結晶を成長
させる。液温を低下させる速度は、本発明者らが試行錯
誤的に実験を繰り返した結果、下記の表2に示す条件
が、結晶の平均粒径を約0.5mm程度に成長させる最
適な条件である。
【0029】
【表2】 上記表2に示した、XF濃縮液を徐々に冷却できる冷却
時間で、液温を30℃まで冷却時間に対し直線的に冷却
すると、XF結晶の大きさは、平均粒径で、母液純度が
85%以上のときは、ほぼ0.5mm、母液純度が85
%以下のときは、0.3〜0.5mmに成長し、目的と
する結晶粒径のものが得られる。
【0030】(4)XF結晶回収工程 前記冷却工程終了直後では、蜜の過飽和度がまだ1以上
であり、白下(結晶と蜜の混合物)は粘度が高く、いわ
ゆるネバリがあるため分蜜が悪く、この状態で遠心分離
をしても蜜抜けが悪い。このため、冷却工程終了後に上
記表2に示した放置時間を置き、この期間、緩やかに攪
拌しながら放置する必要がある。また分蜜性を良くする
別の方法として、放置時間を取らないで、分蜜前に白下
の温度を上げる方法、例えば、35℃程度に上げ分蜜す
る方法では、分蜜性はよくなるが、回収率は若干下がる
という不都合がある(なお、溶解度からの計算では下が
る回収率は約5%以下である)。このように放置時間を
置いて分蜜を行うか、温度を上げて分蜜を行うかは、結
晶回収装置の設備コストを考慮して決定すればよい。
【0031】XF結晶の回収装置には、遠心分離機を用
いることができ、シュークロース(グラニュー糖)の分
蜜作業と同じ方法で、XF結晶と糖蜜に分離できる。分
蜜された結晶は90℃以下、好ましくは80℃以下の温
度で乾燥する。このような乾燥温度とする理由は、XF
結晶は結晶水として1/2モルの結晶水を持つが、この
結晶水は100℃を越えると、急激にXF結晶より離脱
し、結晶水の約半分が離脱した段階で結晶構造が崩れ、
水飴状となるためである。
【0032】本発明の方法で得られたXFの結晶は、常
温で安定な物質であり、通常の保管方法では固結しにく
い物質であり、取扱性に優れている。したがって、本発
明のXF結晶はグラニュー糖と同じ感覚で使用でき、あ
らゆる食品素材として利用可能である。
【0033】(5)XF水溶液からのXF結晶化方法
と、XFエタノール溶液からのXF結晶化方法との比較 本発明のXF水溶液からのXF結晶化方法が、XFエタ
ノール溶液からのXF結晶化方法と比較して優れている
ことを示す実験例を次に、実験例1として示す。
【0034】〔実験例1〕純度92.4%で固形分が8
8%のXF溶液1.36kgを用意した。この溶液の中
には固形分が1.2kgで、そのうちXFが1.11k
g含まれる。この溶液をロータリーエバポレーターでさ
らに濃縮し、固形分濃度を約90%とした。これに15
0mlのエタノールを入れ、よく混合後、液温を60℃
に合わせた後XFの微細結晶液1mlを入れ、緩やかに
回転させながら液温を10時間かけ直線的に30℃まで
下げた。その後、室温で緩やかに回転させながら放置し
た。XFの微細結晶を投入してから24時間、36時間
及び48時間後に内容物を取り出し、結晶の粒度及び結
晶の割合(結晶化率あるいは、回収率)を求めた。結晶
の粒度は顕微鏡観察で求めた。結晶化率は、24時間及
び36時間後については、蜜の純度を測定し計算によっ
て求め、48時間後のものについては、バケット型遠心
分離機で蜜と分離結晶の重量から求めた。なお、24時
間及び36時間後の蜜とXF結晶の分離は、アドバンテ
ィック(株)製のNo.2の濾紙で上下に仕切った特別
な遠沈管の濾紙上にXF結晶と蜜の混合物を載せ、10
00Gで遠心分離をした。蜜は、前記濾紙を通過し下部
に集まるので、この蜜の純度を高速液体クロマトグラム
(HPLC)で分析した。
【0035】対照として、同じ純度92.4%で固形分
が88%のXF溶液1.36kgを用意し、液温を60
℃にし、これにXFの微細結晶液1mlをいれ、緩やか
に回転させながら液温を10時間かけ直線的に30℃ま
で下げ、その後、室温で緩やかに回転させながら14時
間放置し、バケット型遠心分離機で蜜と結晶を分離し
た。回収率は、XF結晶を分離した後、XF結晶の重量
から求め、また顕微鏡観察により平均粒度を求めた。こ
の方法は、本発明に準じた方法である。得られた実験結
果を下記の表3に示す。尚、表3の結果は、エタノール
を添加及び対照の水溶液ともに3回の平均値である。
【0036】
【表3】 上記表3によれば、エタノールを添加して結晶させた方
が水から結晶させるよりも結晶の成長速度がはるかに遅
く、少なくとも3倍の時間を要することが分かる。回収
率については、エタノールを添加した場合の値が水溶液
の場合より上回った例は3例中1例もなかった。
【0037】糖類を結晶化させる過程でエタノールやメ
タノールのようなアルコールを用いることは、実験室規
模の試験でよく用いられる手法である。一般的に、エタ
ノールやメタノール等のアルコールは、糖類よりも水と
の親和力が強いため、水と糖との親和力を奪い、糖の結
晶を析出しやすくする目的で使用され、したがって、糖
類濃縮液にアルコールを添加することにより、液粘度を
下げ拡散速度を増し、糖の結晶の成長速度を上げ、結晶
化したあとの糖の結晶と蜜の分離をしやすくすることが
一般に行われている。
【0038】しかしながら、この実験例1の上記表3に
よれば、XF濃縮液にエタノールを添加した方が、液過
飽和度が高い(その他の条件は本発明の条件)にもかか
わらず、結晶の成長速度がはるかに遅くなって、上記の
一般的に行われているアルコールの添加の効果とは異な
っていることが分かる。このことは、結果的にはエタノ
ールはXFの結晶の成長を阻害する要因ともいえる。こ
のように、エタノールを用いることは、XFの結晶を効
率よく作ることには意味を持たず、本発明の有機溶媒を
含まないXF水溶液からの結晶化方法が優位性が高いこ
とは実験例1より明らかである。
【0039】(6)XF結晶の性状結晶の形 図3に水溶液から得られた本発明のXF結晶の写真を示
す。この結晶は斜方晶系である。
【0040】物質の特定 本発明のXF結晶の13C−NMRを図4に示す。この
13C−NMRから、この結晶はキシロシルフラクトシド
であることが分かる。また、マススペクトル分析の結果
分子量は312である。
【0041】元素分析値 C=41.05%、H=6.41%、O=52.54%
であった。
【0042】XFの無水物、結晶水1/2モル、結晶水
1モルのそれぞれの元素分析値の理論値は、 無水物 : C=42.31%、H=6.46
%、O=51.23% 結晶水1/2モル: C=41.12%、H=6.59
%、O=52.29% 結晶水1モル : C=40.00%、H=6.71
%、O=53.29% であるので、上記の測定結果から、得られたXF結晶の
元素分析値は、結晶水が1/2モルの理論値のものと一
番近い。
【0043】カールフィッシャー法による水分測定値 この方法によるXF結晶の水分は2.90%であった。
XF結晶の結晶水が1/2モルである場合、その理論的
値は2.80%である。したがって、上記の元素分析
の結果とこの水分測定値の結果から、本発明のXF結晶
の結晶水は1/2モルと決定した。
【0044】物性 融点 112.1〜112.3℃ 但し、この値は以下の方法で測定した結果であり、昇温
速度により変化すると考えられる。融点の測定方法は、
メトラー社の融点測定装置EP−5K型で測定した。X
F結晶約1mgを専用のガラスキャピラリーに充填し、
常温から80℃まで1℃/分、80℃から100℃まで
0.5℃/分、100℃からは0.2℃/分の速度で昇
温した。3点測定したが、全て同じ結果であった。
【0045】比施光度 含水結晶として 〔α〕20 D =54.0〜54.2°
(C=13,水) 無水物換算 〔α〕20 D =55.5〜55.8° (7)測定方法によりXFの融点が変化すると考えられ
る理由、及びXF結晶の乾燥温度が80℃以下が望まし
い理由 これらの理由を以下、実験例2及び実験例3に説明す
る。
【0046】〔実験例2〕アルミ製秤量缶に約10gの
純度99.9%以上のXF結晶を精秤し、70℃、−7
00mmHg以下の圧力で、20時間乾燥し、デシケー
タ中で3時間冷却後、その減量を測定した。その結果、
減量は0.05%であり、砂糖のグラニュー糖並の乾燥
減量であった。次に、温度を100℃として同じ減圧条
件で1日1回その乾燥減量を15日間継続して測定し
た。経過日数に対する乾燥減量の状況を図5に示す。そ
の結果、秤量缶内のXF結晶は7日目まで結晶構造を保
っていたが、8日目(乾燥減量が1.5%を越した段
階)で結晶は飴上に溶けていた。但し、水飴状で着色は
していなかった。
【0047】〔実験例3〕熱天秤を用い、XF結晶の乾
燥減量状況と、XF結晶の熱変化を観察した。温度は常
温から1時間に17℃の割合で125℃まで昇温させ
た。温度が80℃付近から、重量の減量が大きくなり、
125℃まではほぼ直線的に減量した。最終温度の12
5℃での減量割合は2.5%であった。
【0048】また、塩化マグネシウムを基準物質として
XF結晶の示差熱(DTA)を測定した。その結果をX
F結晶の熱分析経過を表すグラフとして図6に示す。図
6に示すように、100〜106.5℃に吸熱反応があ
り、XF結晶の状態変化が示されている。この間のXF
結晶の重量減量割合は1.5〜1.7%であった。
【0049】上記実験例2及び上記実験例3から判断
し、XF結晶の結晶水は、温度が80℃付近から抜け出
し、結晶水の約半分が抜け出すと結晶構造に変化を起こ
し、結晶構造が崩壊し溶けだすと考えられる。このこと
から、結晶の乾燥温度は80℃以下が望ましく、結晶の
融点はその測定方法により変化することが推察される。
【0050】
【実施例】
〔実施例1〕培養によるXFの製造とその粗精製 プロセス1:ポテトデキストロース寒天培地のペトリー
皿に、スコプラリオプシス エスピーHS−0002
Scopurariopsis sp. HS-0002,FERM BP-3622)を接種
し、30℃で1週間培養した。
【0051】プロセス2:下記組成の培地100mlを
それぞれ2本の500ml容積の三角フラスコに入れ、
オートクレーブで121℃で30分間滅菌後、ペトリー
皿で培養したスコプラリオプシス エスピーHS−00
02を無菌的に入れ30℃で24時間培養した。さら
に、10リットル容積のジャーファメンタを用意しこれ
に下記組成の培地を6リットル入れ、121℃で60分
間滅菌し、次いで30℃に冷却後、上記の500ml容
積の三角フラスコで培養した2本の培養液を無菌的に入
れ、30℃、300rpmの撹拌で、1VVmの通気量
で24時間培養し、種菌を作った。
【0052】 培地組成;単位については液容積当たりの重量比 シュークロース 15% 消泡油(アデカノールLG109) 500ppm コーンステープリカー 4% リン酸2水素カリウム 0.5% 硫酸マグネシウム 0.03% 尿素 0.04% CaCO3 粉末 0.1% プロセス3:300リットル容積のジャーファメンタに
シュークロース20kg、消泡油(アデカノールLG1
09)70ml、コーンステープリカー6kg、リン酸
2水素カリウム1kg、硫酸マグネシウム60g、Ca
CO3 粉末200gを入れ(上記培地組成の各単位は、
液容積当りの重量比である)、水で溶解し容積を140
リットルとし、121℃で15分間の条件で滅菌した。
次に、20kgのキシロースを水で溶解して容積を60
リットルとし、121℃で15分間の条件で滅菌後、上
記の300リットル容積のジャーファメンタに無菌的に
入れた。ジャーファメンタ内の溶液温度を30℃に調整
し、これに上記のプロセス2で得られた6リットルの種
菌を無菌的に入れた後、液温度30℃、攪拌機の回転数
300rpm、通気量1/2VVmで80時間培養し
た。
【0053】プロセス4:培養完了後、ジャーファメン
タ内の溶液温度を80℃に5分間保持することにより殺
菌後、60℃に冷却し、濾過面積1m2 のフィルタープ
レスを用いて菌体と培養液に分離した。得られた培養液
に、粉末の酸化カルシウムを加えpHを7〜8に調整
し、これに0.25%になるように塩化カルシウムを加
え、85℃で30分間緩やかに攪拌しながら除蛋白を行
った。生じた沈殿物を濾紙を濾材とした濾過機で濾過し
た後、C1型の強塩基性アニオン樹脂(三菱ダイヤイオ
ンPA308:商品名)を20リットル充填したカラム
に通液して脱色した。この脱色液を4℃以下に冷却し、
これをH型の強酸性カチオン樹脂(三菱ダイヤイオンP
K220)を35リットル充填したカラムに、ついでO
H型の弱塩基性アニオン樹脂(三菱ダイヤイオンWA3
0:商品名)を35リットル充填したカラムに通液し脱
塩した。
【0054】プロセス5:前記プロセス4で得られた脱
塩液を、−700mmHg(液温度40〜50℃)の減
圧下で固形分濃度が約70%にまで濃縮し、下記の表4
の組成のXFを含んだ糖液を得た。なお、下記の表4の
値は本実施例1の方法で5回繰り返して得られた糖液の
平均値である。
【0055】
【表4】 〔実施例2〕クロマト分離法を用いた精製による単糖類除去 1本の容量が1リットルのステンレス製カラム10本で
構成された疑似移動床方式のクロマト分離装置に、Na
型の強酸性カチオン樹脂(ダウェックス社製、XFS−
43279:商品名、粒径350μm)充填した。前記
実施例1で得られた粗精製糖液をこのクロマト分離装置
に通すことにより、クロマト分離法で単糖類を多く含ん
だ区分とXFを含んだ区分に分離した。その分離条件
は、下記表5の各糖液を固形分濃度60%に水で希釈し
たものを原液とし、通液温度80℃、原液流量2ml/
分、溶離水流量ml/分、1ステップ(カラムから次の
カラムに移動するまでの時間)200秒、1サイクル
(10ステップ)33分20秒で運転した。分離された
単糖類区分とXF区分は、−700mmHg(液温度4
0〜50℃)の減圧下で固形分濃度を約70%にまで濃
縮した。濃縮されたXF区分の糖組成を下記の表5に示
す。
【0056】
【表5】 表5によれば、本実施例2の精製処理により、XF水溶
液中の単糖類がほぼ除去されたことが分かる。
【0057】〔実施例3〕クロマト分離法を用いた精製による純度75%以上のX
Fの調製 直径150mmのガラス製カラムにNa型の強酸性カチ
オン樹脂である三菱MCI GEL CK08P(粒径
112.5±37.5μm)7リットルを水で充填し
た。これに、前記実施例2で得られた単糖類の除去され
たXF液を固形分濃度35%に希釈した溶液をXF原液
とし、上記カラムを用いて以下に述べる処理でクロマト
分離を行い、結晶化に用いる高純度のXF溶液を得た。
【0058】すなわち、上記カラム内の温度を60℃に
調整し、樹脂上に60℃に温度調整した上記XF原液を
6分間で140mlフィードし、次いで60℃に温度調
整した水を溶離水としてSV=0.2/Hrの流量で流
しクロマト分離をした。このクロマト分離はXF原液の
フィード開始から53分で1サイクル分の全ての分離が
完了する。このクロマト分離パターンを横軸に時間
(分)、縦軸に濃度(重量%)をとり、図7に示した。
XF原液のフィード開始から53分後、新たなXF原液
をフィードし以後同じ操作でクロマト分離を繰り返し
て、高純度のXF液を得た。
【0059】図7のW1 区分は、1−ケストース、XF
2 (キシロシルフラクトシルフラクトシド)及びシュー
クロースを含んだ区分であり、この区分はビフィズス菌
増殖効果のある甘味料に利用できる。R区分(リサイク
ル区分)はXFとシュークロースを含んだ区分であり、
この区分のXF純度は60〜70%となるのでXF原液
に混合(リサイクル)し、再びクロマト分離を行った。
P区分(プロダクト区分)は高純度XFを含む区分であ
り、この区分を濃縮し、XF結晶を回収する供試液とし
た。
【0060】供試液のXF純度はR区分とP区分の境界
の時間を変更することにより変わる。例えば、XF原液
フィード開始より32分後から39分後をR区分、39
分後から48分後をP区分とするとXF純度は98%以
上となる。また、P区分を37分後から48分後とする
と純度は94〜95%となり、34〜35分後から48
分後とすると、純度は約90%となった。また図7のW
2 区分はキシロース、フラクトース及びグルコース等の
単糖類を含んだ区分である。
【0061】XF原液や水の供給及び各フラクションの
分画操作はシーケンサーによる自動制御で実施した。R
区分を32分後から39分後とし、P区分を39分後か
ら48分後として30日間連続運転した結果を下記の表
6に示す。表6は1日24時間当たりの平均値で示し
た。
【0062】
【表6】 上記表6によれば、上記方法により高純度のXF溶液を
効率よく得られることが分かる。この装置運転の間、カ
ラムの圧力損失はほとんどなかったので、分離剤として
この樹脂を用い、疑似移動床方式のようなクロマト分離
装置にも適用できると理解される。
【0063】次に、R区分とP区分の分画時間を変えて
実施した結果を下記の表7に示す。表7は、表6の結果
をも合わせて記載しているが、R区分とP区分の分画開
始時間を早めることにより、回収されたXF溶液の純度
は低下するが、R区分のリサイクル量が減少することと
W1区分から排出されるXFが減少するので、回収率は
高まり、かつXF原液の処理量が増加した。
【0064】
【表7】 〔実施例4〕XF結晶化 前記実施例3で得られた純度98.5%のXF溶液を用
いてXFの結晶を以下に述べる処理で回収した。
【0065】すなわち、固形分量として1100gを含
んだXF溶液を減圧下でロータリーエバポレータ(1リ
ットル容積のナス型フラスコ使用)を用い固形分濃度が
88〜90重量%になるように濃縮した。ロータリーエ
バポレータの圧力を常圧とし、加熱源のウォターバスの
温度を60℃としてフラスコ内の糖液温度を60℃まで
上昇させた。これにXFの微細結晶を0.9mlを加え
た。XFの微細結晶液は、XF結晶10gに50mlの
エタノールを加えこれに直径5mmのガラス玉を適量加
え、結晶の粒径が0.005〜0.01mmになる迄よ
く振とうして作製したものを使用した。
【0066】次に、ロータリーエバポレータを緩やかに
回転させながら、ウォターバスの温度を60℃から30
℃まで10時間かけ直線的に下げていった。その後ウォ
ターバスの加熱電源を切り、室温で5時間緩やかに回転
させながら放置した。次に、バケット型の遠心分離機を
用いて成長した結晶と振り蜜に分離した後、得られた結
晶を60℃で乾燥した。この操作を14回繰り返して、
平均XF結晶純度99.9%(範囲99.9〜100
%)、平均XF回収率58.9%(範囲57.4〜6
0.2%)、平均結晶粒径450〜550μmのXF結
晶が得られた。なお、得られた振り密純度は96.3%
(範囲95.5〜96.8%)であった。その結果を下
記の表8に示す。
【0067】
【表8】 〔実施例5〕振り密からのXF結晶の回収例1 前記実施例4で得られた平均純度96.3%の振り蜜を
用いて、XF結晶を以下の条件で回収した。すなわち、
前記実施例4の方法に準じてXF結晶の回収を実施した
が、実施回数は6回であり、そのうち5回については結
晶化に供した振り蜜の処理固形分重量を1回当たり10
00gで実施し、残りの1回は500gで実施した。X
Fの微細結晶の使用量は1000gにつき0.8ml強
とし、放置時間は7時間から10時間で実施した。この
操作により得られたXF結晶については、平均XF結晶
純度99.8%(範囲99.8〜99.9%)、平均X
F回収率56.7%(範囲55.5〜58.0%)、平
均結晶粒径450〜550μmであった。なお、得られ
た振り密純度は92.2%(範囲91.4〜92.9
%)であった。その結果を下記の表9に示す。
【0068】
【表9】 〔実施例6〕振り密からのXF結晶の回収例2 前記実施例5で得られた平均純度92.2%の振り蜜を
用いて、XF結晶を以下の条件で回収した。すなわち、
前記実施例4に準じてXF結晶の回収を実施したが、実
施回数は2回であり、結晶化に供した振り蜜の処理固形
分重量を1回当たり1300gで実施した。XFの微細
結晶の使用量は1.2mlとし、冷却時間は16時間と
20時間で実施し、放置時間は18時間と14時間とし
合計34時間で実施した。この操作により得られたXF
結晶については、平均XF結晶純度99.4%(範囲9
9.3〜99.5%)、平均XF回収率53.8%(範
囲53.6〜54.0%)、平均結晶粒径400〜50
0μmであった。なお、得られた振り密純度は84.0
%(範囲83.6〜84.3%)であった。その結果を
下記の表10に示す。
【0069】
【表10】 〔実施例7〕振り蜜からのXF結晶の回収例 3 前記実施例6で得られた平均純度84.0%の振り蜜を
用いて、XF結晶を以下の条件で回収した。すなわち、
前記実施例4に準じてXF結晶の回収を実施したが、実
施回数は1回であり、結晶化に供した振り蜜の処理固形
分重量を1回当たり1100gで実施した。XFの微細
結晶の使用量は1.0mlとし、初発温度を65℃と
し、冷却時間は72時間で実施した。72時間後遠心分
離でXF結晶と振り蜜を分離し、XF結晶を得た。得ら
れたXF結晶については、平均XF結晶純度98.8
%、平均XF回収率43.5%、平均結晶粒径350〜
450μmであった。なお、得られた振り密純度は7
5.5%であった。その結果を下記の表11に示す。
【0070】
【表11】 〔実施例8〕振り蜜のクロマト分離による精製 固形分量として600gを含んだ前記実施例7で得られ
た純度75.5%の振り蜜を減圧下でロータリーエバポ
レータ(1リットル容積のナス型フラスコ使用)を用い
固形分濃度が約90%になるように濃縮した。ロータリ
ーエバポレータの圧力を常圧とし、加熱源のウォターバ
スの温度を65℃としてフラスコ内の糖液温度を75℃
まで上昇させた。これにXFの微細結晶を0.8ml加
えた。次に、ロータリーエバポレータを緩やかに回転さ
せながら、ウォターバスの温度を65℃から30℃まで
72時間かけ直線的に下げていった。その後ウォターバ
スの加熱電源を切り、室温で24時間緩やかに回転させ
ながら24時間放置した。析出したXF結晶について、
顕微鏡を用いてその粒度を測定した結果、粒径が約10
0〜200μmに成長していることを確認した。このX
F結晶を分離するためにバケット型の遠心分離機を用い
て、約1000Gの遠心力で30分間分離したが、XF
結晶と蜜を分離することができなかった。
【0071】したがって、このXF結晶と蜜の混合物を
温水で溶解し、固形分濃度を35%にして、前記実施例
3のクロマト分離法で精製した。得られた精製液の純度
は95.3%で、回収液の固形分量は380gであっ
た。この全量を固形分濃度が88〜90%になるように
濃縮した。以下前記実施例5の方法でXF結晶を回収し
た。得られたXF結晶の純度は99.9%、粒度は45
0〜550μmで、回収率は57.2%であった。
【0072】本実施例8の結果から、結晶回収可能なX
F溶液の純度の範囲は75%以上であることが分かる。
また、本実施例8の方法により、結晶化法で回収困難に
なった振り蜜をクロマト分離法で再精製することによ
り、結晶回収可能なXF溶液とすることができる。
【0073】
【発明の効果】本発明のXF結晶の製造方法は、エタノ
ールのような有機溶媒を用いずにXFの水溶液から製造
することができる。したがって、工業的規模で生産する
場合、製造コストが低廉となり、また最終結晶品に異物
としてのエタノールが混入するという心配がない。
【0074】本発明の製造方法により得られたXF結晶
は、高純度であり、平均の粒径が0.3mm以上のグラ
ニュー糖のように固結しない性状を持つ。
【0075】本発明のエタノール等の有機溶媒を添加し
ない水からXFを結晶させる方が、エタノール等の有機
溶媒を添加して結晶させるよりも、結晶の成長速度がは
るかに速い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のXF結晶の製造方法の1例を示す全プ
ロセスのフローチャートである。
【図2】本発明のXF結晶の温度の変化による溶解度の
変化を示すグラフである。
【図3】本発明のXF結晶の結晶構造を示す顕微鏡写真
である。
【図4】本発明のXF結晶の13C−NMRを示す。
【図5】温度を100℃としてデシケータ中での減圧条
件で乾燥減量を15日間継続して測定した状況のグラフ
を示す。
【図6】XF結晶の熱分析経過を表すグラフである。
【図7】XFのクロマト分離パターンを示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】XFの結晶については、XF溶液にエタノ
ールを加え、緩やかに濃縮することにより斜方晶形の結
晶が得られたことが報告されている(Tooru Ta
gaet al.,Carbohydr.Res.,2
41(1992)63−69)が、結晶の性状や大きさ
等については何も報告されていない。また、この結晶
が、グラニュー糖のように固結しないのかどうかについ
ての報告については何もない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】また、本発明のXF結晶は、水溶液から得
られた、純度98%以上で、平均粒度0.3mm以上
の、2分の1の結晶水を持つ結晶であって、その融点が
112.1〜112.3℃、比施光度が54.0〜5
4.2であることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】〔実験例1〕純度92.4%で固形分が8
8%のXF溶液1.36kgを用意した。この溶液の中
には固形分が1.2kgで、そのうちXFが1.11k
g含まれる。この溶液をロータリーエバポレーターでさ
らに濃縮し、固形分濃度を約90%とした。これに15
0mlのエタノールを入れ、よく混合後、液温を60℃
に合わせた後XFの微細結晶液1mlを入れ、緩やかに
回転させながら液温を10時間かけ直線的に30℃まで
下げた。その後、室温で緩やかに回転させながら放置し
た。XFの微細結晶を投入してから24時間、48時間
及び72時間後に内容物を取り出し、結晶の粒度及び結
晶の割合(結晶化率あるいは、回収率)を求めた。結晶
の粒度は顕微鏡観察で求めた。結晶化率は、24時間及
48時間後については、蜜の純度を測定し計算によっ
て求め、72時間後のものについては、バケット型遠心
分離機で蜜と分離結晶の重量から求めた。なお、48
間及び72時間後の蜜とXF結晶の分離は、アドバンテ
ィック東洋(株)製のNo.2の濾紙で上下に仕切った
特別な遠沈管の濾紙上にXF結晶と蜜の混合物を載せ、
1000Gで遠心分離をした。蜜は、前記濾紙を通過し
下部に集まるので、この蜜の純度を高速液体クロマトグ
ラム(HPLC)で分析した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】(6)XF結晶の性状結晶の形 図3に水溶液から得られた本発明のXF結晶の写真を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 義春 北海道札幌市中央区北4条西1丁目3番地 ホクレン農業協同組合連合会内 (72)発明者 古賀 裕 北海道札幌市中央区北4条西1丁目3番地 ホクレン農業協同組合連合会内 (72)発明者 佐藤 裕治 北海道札幌市中央区北4条西1丁目3番地 ホクレン農業協同組合連合会内 (72)発明者 飛彈野 哲宏 北海道上川郡東川町西8北2

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)純度75%以上のキシロシルフラ
    クトシドの有機溶媒を含まない水溶液を濃度90%以下
    のできるだけ高い濃度に濃縮し、 (2)得られた濃縮液の初発温度を60〜65℃に調整
    し、 (3)次いで、前記濃縮液の温度を徐々に約30℃まで
    に冷却しながら結晶を成長させ、 (4)得られた白下から、成長したキシロシルフラクト
    シド結晶を回収することを特徴とするキシロシルフラク
    トシド結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記成長したキシロシルフラクトシド結
    晶を回収する方法は、白下の粘度が低下するまで白下を
    放置するか、あるいは白下の温度を30℃よりも上昇さ
    せて白下の粘度を低下させた後に結晶を分離して回収す
    るものである請求項1記載のキシロシルフラクトシド結
    晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記純度75%以上のキシロシルフラク
    トシドの有機溶媒を含まない水溶液はクロマト分離によ
    って得られたものであることを特徴とする請求項1又は
    請求項2記載のキシロシルフラクトシド結晶の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 水溶液から得られた、純度98%以上
    で、平均粒度0.3mm以上の、2分の1の結晶水を持
    つ斜方晶系の結晶であって、その融点が112.1〜1
    12.3℃、比施光度が54.0〜54.2であるキシ
    ロシルフラクトシド結晶。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002012257A1 (en) * 2000-08-08 2002-02-14 Nihon Shokuhin Kako Co., Ltd. Process for producing crystalline tagatose
JP2005526767A (ja) * 2002-03-08 2005-09-08 テート アンド ライル パブリック リミテッド カンパニー スクラロースの純度および収率を改善するためのプロセス

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