JPH08930A - 内燃機関用オイルフィルタの濾材 - Google Patents

内燃機関用オイルフィルタの濾材

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JPH08930A
JPH08930A JP16606094A JP16606094A JPH08930A JP H08930 A JPH08930 A JP H08930A JP 16606094 A JP16606094 A JP 16606094A JP 16606094 A JP16606094 A JP 16606094A JP H08930 A JPH08930 A JP H08930A
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由利夫 野村
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正広 冨田
Yoshihiko Sugiura
佳彦 杉浦
Naoya Kato
直也 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】微細化されたカーボンスラッジを確実に捕捉
し、通気抵抗を増加させることなく、油中カーボンスラ
ッジの捕捉量を大幅に増大することのできる内燃機関用
オイルフィルタの濾材を提供する。 【構成】セルロース繊維4等の主繊維に、セルロース繊
維4の10分の1ないしそれ以下の繊維径の微細セルロ
ース繊維5を混抄して濾材を構成し、表面積を増加する
とともに濾目を縮小する。セルロース繊維4または微細
セルロース繊維5の少なくとも一部は、表面に正の電荷
を有するカチオン性繊維としてあり、電気的吸着によ
り、アニオンであるカーボンスラッジを吸着除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディーゼルエンジン等の
内燃機関用として使用されるオイルフィルタの濾材に関
する。
【0002】
【従来の技術】1997年に導入が予定されているディ
ーゼル排気規制に対応するため、エンジンにおける排気
ガス再循環システム(EGRシステム)の導入が進めら
れている。これは排気系から排気ガスの一部を取出し、
吸気系に再循環させるシステムであるが、EGR率(E
GR量/吸入空気量)等の増加により、潤滑油中に含有
される微小粒子であるカーボンスラッジが増加すること
が予想される。また、潤滑油の改良により分散性が向上
して潤滑油中のカーボンスラッジがより微細化される傾
向にあり、カーボンスラッジの捕捉技術の向上が望まれ
ている。
【0003】潤滑油中のカーボンスラッジは、通常、オ
イルフィルタに、メインの濾過エレメントより濾目の小
さいバイパスエレメントを設け、これを通過させること
により捕捉される。濾材には、従来より、パルプ繊維等
のセルロース繊維が用いられ、直径10〜30μm の繊
維を抄紙して2〜20μm の濾目を有するバイパスエレ
メントを構成し、衝突濾過、あるいは化学的吸着を利用
してカーボンスラッジを除去していた。
【0004】ところが、この方式では、油中カーボンス
ラッジの捕捉量に限界があり、予想されるカーボンスラ
ッジの増加に対応するには十分ではない。また、カーボ
ンスラッジの微細化に対応して濾目を細かくすると、目
詰まりが生じやすくなり、エレメントの寿命が低下す
る。このためエレメントの交換頻度を増す必要が生じ、
あるいは潤滑油の早期劣化をまねいて、エンジンへ悪影
響を及ぼすことが懸念される。
【0005】ところで、カーボンスラッジは、通常、負
に帯電しており、これを電気的に吸着して捕捉すること
が考えられる。電気的な吸着作用を利用した濾材とし
て、エレクトレット濾材が知られ、例えば特公昭55−
23649号公報には、加熱しながら強電界を作用させ
るなどにより分極方向を強制的に揃えたエレクトレット
をフィルター材に利用することが開示されている。エレ
クトレット濾材表面には、正の電荷と負の電荷が分離し
て出現しており、その電気的な作用により荷電粒子を吸
着除去することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エレク
トレット濾材は、高温により電離状態がくずれやすく、
表面電荷が消失して濾過性能が低下するという欠点があ
り、高温条件下で使用されるオイルフィルタの濾材とし
ては不適当である。一方、特公昭63−17486号公
報には、フィルター構成材をカチオン型樹脂で処理して
濾過材表面に正のゼータ電位を与えることが記載されて
いるが、従来のバイパスエレメントの濾材をカチオン型
樹脂で処理しただけでは、濾目が大きいためカーボンス
ラッジの粒子が濾目を通過してしまい、表面処理による
十分な効果が得られない。上記従来のフィルターでは、
これを補うためケイソウ土など微細粒状物質を添加して
フィルターの多孔度、孔径を調整しているが、このよう
な方法で濾目を小さくすると、濾材の空隙率が低下し、
潤滑油の流通を妨げて、目詰まりが生じやすくなるとい
う問題があった。
【0007】しかして、本発明は、より微細化されたカ
ーボンスラッジをも十分捕捉可能であり、通気抵抗を増
加させることなく、油中カーボンスラッジの捕捉量を増
大して捕捉効率を大幅に向上することのできる内燃機関
用オイルフィルタの濾材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記実情
に鑑み鋭意検討を行なった結果、微細繊維を混抄するこ
とで吸着面積を増加する一方、繊維表面に正の電荷を付
与することにより、負の電荷を有する油中カーボンスラ
ッジの捕捉量を増大可能なことを見出した。すなわち、
本発明の要旨は、濾材骨格を構成する主繊維と、主繊維
の10分の1ないしそれ以下の繊維径を有する微細繊維
を混抄してなり、上記主繊維または微細繊維の少なくと
も一部を、表面に正の電荷を有するカチオン性繊維とし
たことを特徴とする内燃機関用オイルフィルタの濾材に
存する(請求項1)。
【0009】上記主繊維としては、セルロース繊維が好
適に使用できる(請求項2)。また、主繊維には、繊維
直径10〜30μm の繊維を用いることが好ましい(請
求項7)。上記カチオン性繊維としては、繊維表面にカ
チオン性樹脂を塗布するか、あるいは末端基をカチオン
性の官能基で置換することにより表面に正の電荷を付与
した繊維が使用できる(請求項3)。あるいは、組成中
にカチオン性の官能基を有する繊維(請求項4)、具体
的にはアクリル系繊維を用いてもよい(請求項5)。上
記主繊維に対し微細繊維は12:1から4:1の重量割
合で混抄することが望ましい(請求項6)。
【0010】
【作用】潤滑油中のカーボンスラッジは粒径0.1〜1
μm の極めて微小な粒子であり、このカーボンスラッジ
の物理的な捕捉量を増加するには、濾過孔径はできるだ
け小さいことが望ましい。また、吸着面積を広くするた
めには繊維表面積をできるだけ大きくすることが望まし
い。本発明では、骨格を構成する主繊維に、これより繊
維径の小さい微細繊維を混抄したことにより、空隙を維
持しつつ単位容積中の繊維表面積を大幅に増加し、濾目
を縮小することが可能となる。しかも、実質的に濾目を
構成する微細繊維は、主繊維に比べ繊維径が十分小さい
ので、潤滑油の流通を妨げず、目詰まりしにくい。
【0011】そして、構成繊維の少なくとも一部が、表
面に正の電荷を有するカチオン性繊維であるので、アニ
オンである油中カーボンスラッジは、カチオン性繊維の
表面に引きつけられ、電気的に吸着される。従って、濾
目を通過するような、より微細化されたカーボンスラッ
ジであっても電気的吸着により確実に捕捉することが可
能であり、濾材への衝突等による物理的吸着との複合効
果により、捕捉能力を著しく向上することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。図1はディーゼルエンジン用のオイルフィルタの全
体断面図であり、本発明材はバイパスエレメントの濾材
として使用されている。図において、容器1内には、円
筒状に成形されたフルフローエレメント2とバイパスエ
レメント3とが上下に配置してある。上記容器1の底面
外周部には、潤滑油の導入口11が形成してあり、潤滑
油は該導入口11より上記容器1の内周壁に沿う導入路
12を経てフルフローエレメント2の外周壁より内部に
入る。また潤滑油の一部は直接バイパスエレメント3内
に導入される。フルフローエレメント2にて比較的粒径
の大きい不純物を濾過された潤滑油は、フルフローエレ
メント2内周壁より容器1中心部の導出路13に入り、
容器底面中央の導出口14より導出される。バイパスエ
レメント3を通過した潤滑油はバイパスエレメント3の
底面よりバイパス流路15を経てエンジンへ戻る。
【0013】バイパスエレメント3は、フルフローエレ
メント2にて濾過の不可能なカーボンスラッジ等の微小
粒子を濾過する目的で設置される。このバイパスエレメ
ント3は、骨格を構成する主繊維と、主繊維の10分の
1ないしそれ以下の繊維径を有する微細繊維を混抄して
なり、上記主繊維または微細繊維の少なくとも一部を、
表面に正の電荷を有するカチオン性繊維とした本発明の
濾材にて構成してある。
【0014】主たる構成繊維である主繊維には、リンタ
ーパルプまたはウッドパルプ等の、直径10〜30μm
程度のセルロース繊維が好適に使用される。この主繊維
を抄紙して濾材を構成するが、この時、セルロース繊維
に、その10分の1ないしそれ以下の繊維径を有する微
細繊維を混抄させると、濾材の通気抵抗を上昇させるこ
となく繊維表面積を増加し、濾過孔径を縮小することが
できる。
【0015】微細繊維としては、主繊維であるセルロー
ス繊維を、叩解、剪断、引裂き、または化学処理を行な
うことにより、10分の1ないしそれ以下に微細化した
もの、あるいは、例えばアクリル繊維等の合成繊維を上
記繊維径となるように作製したもの等が使用される。ア
クリル繊維とセルロース繊維の両方を、微細繊維として
主繊維に混抄することもできる。微細繊維は繊維径が小
さいほど混抄量を増加でき、表面積を増加させることが
できるが、製造が容易でないこと、コスト高になること
から、好ましくは10分の1ないし300分の1の範囲
とするのがよい。微細繊維としてアクリル繊維を用いた
場合には、アクリル繊維がカチオン性のシアノ基を官能
基として有するので、後述するカチオン化処理を省略す
ることができる。
【0016】本発明の濾材は、構成繊維の少なくとも一
部を、表面に正の電荷を有するカチオン性繊維としてあ
り、これにより、表面に負の電荷を有するカーボンスラ
ッジの吸着除去を容易にすることができる。カチオン性
繊維は、繊維表面をカチオン化処理することによってカ
チオン性をもたせたもの、または繊維自身が表面に正の
電荷を有するもののいずれを用いてもよい。
【0017】繊維表面をカチオン化する方法としては、
例えば、繊維表面にポリアミドエピクロロヒドリン等の
カチオン性樹脂を塗布することによって、表面に正の電
荷を与えることができる。または、セルロースの末端基
である水酸基を、カチオン性の官能基で置換することに
より繊維表面のカチオン化を行なってもよい。具体的に
は、下記の化学式に示すように、セルロースの水酸基
に、末端にカチオン性の高いナトリウム原子を有するカ
ルボキシメチル基(ナトリウム塩)をエーテル結合させ
たもの等が挙げられる。
【0018】
【化1】
【0019】そして、上記主繊維または微細繊維のいず
れか一方、あるいは両方に上記カチオン化処理を行なっ
てカチオン性繊維とする。またこれらの一部のみをカチ
オン化処理を施したカチオン性繊維としてもよい。な
お、アクリル系繊維のように、正の電荷をもつ官能基を
構造中に有し、繊維自身が表面に正の電荷を有する繊維
を用いれば、上述のカチオン化処理を施す必要はない。
【0020】カチオン性繊維の混合量は、潤滑油の種類
や油中カーボンスラッジの性状によって異なり、所望の
吸着性能を得るように適宜調整される。例えば油中の微
細カーボンスラッジの含有量が増加するにしたがって、
電気的吸着に寄与するカチオン性繊維の割合を増加させ
るのがよい。
【0021】これら主繊維および微細繊維を所定の割合
で混合し、主繊維により構成される濾材骨格の濾目が2
〜20μm となるように抄紙して本発明の濾材とする。
微細繊維の混抄量は、繊維径によっても異なるが、主繊
維に対し微細繊維が12:1から4:1の重量割合とな
るように混抄することが望ましい。具体的には、例えば
主繊維の200分の1の径の微細繊維を、主繊維と微細
繊維が12:1〜4:1程度の重量割合となるように混
抄するのがよい。混抄量が上記範囲未満であると、混抄
による十分な効果が得られず、上記範囲を越えると濾目
が小さくなって通気抵抗が増加するので好ましくない。
微細繊維は繊維径が小さくなるほど、混抄量を増加させ
ることができ、所望の繊維表面積および濾過孔径が得ら
れるよう、繊維径および混抄量を調整すればよい。
【0022】次に、以下のようにして本発明の濾材を作
製した。主繊維としてセルロース繊維(繊維径20μm
)を、微細繊維として繊維径0.1μm となるように
加工した上、カチオン化処理を行なった微細セルロース
繊維を用いた。両繊維の比はセルロース繊維:微細セル
ロース繊維=12:1(重量比)とし、セルロース繊維
よりなる濾材骨格の濾目が2〜20μm となるように混
抄して濾材とした。得られた本発明濾材の微細構造を図
2に示すと、セルロース繊維4により構成される濾目の
表面を微細セルロース繊維5が網目をつくるように交差
しており、セルロース繊維4のみで構成される従来濾材
に比べ濾目の実質的な孔径が大きく縮小している。
【0023】そして、微細セルロース繊維5が表面に正
の電荷を有するので(図4(b))、表面に負の電荷を
有するカーボンスラッジ6(図4(a))は、濾材を通
過する時に、微細セルロース繊維5に電気的に吸着さ
れ、除去される。このように、電気的な吸着であるた
め、微細なカーボンスラッジも捕捉することが可能で、
しかも濾目を構成する微細セルロース繊維5にカチオン
化処理を施したので、捕捉量を大きく向上させることが
できる。
【0024】上記のようにして得られた本発明の濾材
は、図3に示す従来の濾材に比べ単位容積中の繊維表面
積が約10倍に増加しており、一方、濾過孔径は約3分
の1に縮小した。その結果、従来の濾材と比較して、単
位容積あたり約2倍のカーボンスラッジを捕捉すること
ができた。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、微細繊
維を混抄することにより、吸着面積を大幅に増加し、か
つ濾目を縮小することができる。しかも本発明では、衝
突等の物理的吸着に加え、カチオン性繊維による電気的
吸着を利用してカーボンスラッジを捕捉しているので、
微細なカーボンスラッジも十分捕捉可能であり、捕捉量
を著しく高めることができる。また、濾目を微細繊維に
て構成しているので、濾目が縮小しても通気抵抗を増加
させることがなく、目詰まり等をおこしにくい。従っ
て、内燃機関用オイルフィルタの濾材として極めて有用
であり、寿命を低下させることなく、捕捉効率を大幅に
向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の濾材をバイパスエレメント材として使
用した内燃機関用オイルフィルタの全体断面図である。
【図2】本発明の濾材の微細構造を示す図である。
【図3】従来の濾材の微細構造を示す図である。
【図4】図4(a)はカーボンスラッジ粒子の摸式図、
図4(b)はカーボンスラッジ粒子の捕捉状態を示す摸
式図である。
【符号の説明】
1 容器 2 フルフローエレメント 3 バイパスエレメント 4 セルロース繊維(主繊維) 5 微細セルロース繊維(微細繊維) 6 カーボンスラッジ粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 正広 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 杉浦 佳彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 加藤 直也 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濾材骨格を構成する主繊維と、主繊維の
    10分の1ないしそれ以下の繊維径を有する微細繊維を
    混抄してなり、上記主繊維または微細繊維の少なくとも
    一部を、表面に正の電荷を有するカチオン性繊維とした
    ことを特徴とする内燃機関用オイルフィルタの濾材。
  2. 【請求項2】 上記主繊維が主としてセルロース繊維か
    らなる請求項1記載の内燃機関用オイルフィルタの濾
    材。
  3. 【請求項3】 上記カチオン性繊維が、繊維表面にカチ
    オン性樹脂を塗布するか、あるいは末端基をカチオン性
    の官能基で置換することにより表面に正の電荷を付与し
    た繊維であることを特徴とする請求項1または2記載の
    内燃機関用オイルフィルタの濾材。
  4. 【請求項4】 上記カチオン性繊維が、組成中にカチオ
    ン性の官能基を有する繊維であることを特徴とする請求
    項1または2記載の内燃機関用オイルフィルタの濾材。
  5. 【請求項5】 上記カチオン性繊維が、アクリル系繊維
    である請求項1または2記載の内燃機関用オイルフィル
    タの濾材。
  6. 【請求項6】 上記主繊維に対し微細繊維を12:1か
    ら4:1の重量割合で混抄することを特徴とする請求項
    1ないし5記載の内燃機関用オイルフィルタの濾材。
  7. 【請求項7】 上記主繊維が、繊維直径10〜30μm
    の繊維であることを特徴とする請求項1ないし6記載の
    内燃機関用オイルフィルタの濾材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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