JPH0893543A - 筒内圧センサの自己診断装置と内燃機関における筒内圧に基づく制御のフェールセーフ装置 - Google Patents

筒内圧センサの自己診断装置と内燃機関における筒内圧に基づく制御のフェールセーフ装置

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JPH0893543A
JPH0893543A JP22513594A JP22513594A JPH0893543A JP H0893543 A JPH0893543 A JP H0893543A JP 22513594 A JP22513594 A JP 22513594A JP 22513594 A JP22513594 A JP 22513594A JP H0893543 A JPH0893543 A JP H0893543A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】筒内圧センサの異常を簡単かつ高精度に診断す
る。 【構成】筒内圧Pの1燃焼行程のクランキング時の積分
値Pisと完爆後の積分値Piとの差が所定値ΔPi1未満
のとき (ステップ21〜28) 、また、燃料カット時の積分
値Pifと通常運転時の積分値Piとの差が所定値ΔPi2
未満のとき(ステップ29〜35) に夫々異常 (NG) と判
定し、筒内圧に基づく燃料性状の重軽質判別を強制的に
重質にし、失火診断をキャンセルする (ステップ36, 3
7) 。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の燃料性状検出
のためなどに使用される筒内圧センサの異常を自己診断
する装置及び該自己診断結果に基づくフェールセーフ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、燃料性状(使用燃料の重軽質によ
る気化率の違い)を判定して、かかる判定結果に応じ
て、冷機時における燃料供給量の増量補正量を最適化す
る装置が提案されている(特開平5−195840号公
報参照)。前記特開平5−195840号公報に開示さ
れる装置は、筒内圧に基づいて機関のサージトルクを検
出し、予め余裕を持って多めに設定されている水温に応
じた増量補正量を、許容レベルを越えるサージトルクが
検出されるまで徐々に減量補正することで、そのときの
使用燃料で要求される(燃料性状に応じた)最低限の増
量補正量が得られるようにしたものであり(図7参
照)、使用燃料の気化率が高ければそれだけ増量補正量
が低く修正されることになる。
【0003】上記のようにサージトルクを監視しつつ増
量補正量を徐々に減少させる構成であれば、許容限界を
越えるサージトルクの発生を確実に回避しつつ、増量補
正量を必要最小限に抑制できることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
に燃料性状を判定するため用いられる筒内圧センサが故
障すると、排気浄化性能が悪化してしまうため、該筒内
圧センサの異常を自己診断することが義務づけられてい
る。本発明は、上記課題を解決すべくなされたもので、
筒内圧センサの自己診断を精度良く、かつ、簡易に行え
るようにした筒内圧センサの自己診断装置を提供するこ
とを目的とする。
【0005】また、前記自己診断の結果筒内圧センサが
異常と判定されたときに筒内圧センサに基づく制御を安
全サイドに導くことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1の発
明に係る筒内圧センサの自己診断装置は、図1に示すよ
うに、内燃機関の筒内圧力を検出する筒内圧センサの異
常を自己診断する装置において、機関の非燃焼状態を検
出する非燃焼状態検出手段と、機関の非燃焼状態時に前
記筒内圧センサで検出された筒内圧と、燃焼時に検出さ
れた筒内圧とを比較し、燃焼時の筒内圧が非燃焼時の筒
内圧より所定割合以上大きいときは筒内圧センサが正
常、それ以外のときは筒内圧センサが異常であると診断
する診断手段と、を含んで構成されたことを特徴とす
る。
【0007】また、請求項2の発明に係る装置では、図
2に示すように前記非燃焼状態検出手段によって検出さ
れる非燃焼状態が、クランキング状態を含んでいること
を特徴とする。また、請求項3の発明に係る装置では、
前記非燃焼状態検出手段によって検出される非燃焼状態
が、機関への燃料供給が停止される所定の運転状態を含
んでいることを特徴とする。
【0008】また、請求項4の発明に係る内燃機関にお
ける筒内圧に基づく制御のフェールセーフ装置では、図
2に示すように、前記筒内圧センサが異常であると診断
されたときに、該筒内圧に基づく制御を安全サイドへク
ランプするフェールセーフ手段を備えたことを特徴とす
る。
【0009】
【作用】請求項1の発明に係る筒内圧センサの自己診断
装置によると、燃焼時の爆発によって発生する筒内圧は
非燃焼時の空気圧縮のみによる筒内圧に比較して十分大
きいため、筒内圧センサが正常であれば、その検出値に
大きな差がついて正常であると診断され、筒内圧センサ
が異常であるときは両者の差があまり生じないこととな
るから、異常であると診断できる。
【0010】ここで、請求項2の発明にかかる装置で
は、クランキング時における着火前の状態を非燃焼状態
として検出することができ、特別強制的に非燃焼状態を
創らなくて済む。また、請求項3の発明に係る装置で
は、所謂燃料カット時を非燃焼状態として検出すること
ができ、同様に強制的に非燃焼状態を創らなくて済む。
【0011】また、請求4の発明に係るフェールセーフ
装置では、筒内圧センサに異常があると判定されたとき
は、筒内圧に基づく制御を安全サイドに導いて、排気浄
化性能の悪化等を抑制することができる。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。一実施例
を示す図2において、内燃機関1にはエアクリーナ2か
ら吸気ダクト3,スロットル弁4及び吸気マニホールド
5を介して空気が吸入される。吸気マニホールド5の各
ブランチ部には、各気筒別に燃料噴射弁6が設けられて
いる。
【0013】この燃料噴射弁6は、ソレノイドに通電さ
れて開弁し、通電停止されて閉弁する電磁式燃料噴射弁
であって、後述するコントロールユニット12からの駆動
パルス信号により通電制御されて開弁し、図示しない燃
料ポンプから圧送されてプレッシャレギュレータにより
所定の圧力に調整された燃料を、機関1に間欠的に噴射
供給する。
【0014】機関1の各燃焼室には点火栓7が設けられ
ていて、これにより火花点火してシリンダ内の混合気を
着火燃焼させる。そして、機関1からは、排気マニホー
ルド8,排気ダクト9,触媒10及びマフラー11を介して
排気が排出される。機関への燃料供給を電子制御するた
めに設けられたコントロールユニット12は、CPU,R
OM,RAM,A/D変換器及び入出力インタフェイス
等を含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各
種のセンサからの入力信号を受け、後述の如く演算処理
して、燃料噴射弁6の作動を制御する。
【0015】前記各種のセンサとしては、吸気ダクト3
中にエアフローメータ13が設けられていて、機関1の吸
入空気流量Qに応じた信号を出力する。また、クランク
角センサ14が設けられていて、基準角度位置毎(例えば
TDC毎)の基準角度信号REFと、1°又は2°毎の
単位角度信号POSとを出力する。ここで、前記基準角
度信号REFの周期、或いは、所定時間内における前記
単位角度信号POSの発生数を計測することにより、機
関回転速度Neを算出できる。
【0016】また、機関1のウォータジャケットの冷却
水温度Tw(機関温度を代表するパラメータ)を検出す
る温度条件検出手段としての水温センサ15が設けられて
いる。更に、前記各点火栓7には、実開昭63−174
32号公報に開示されるような点火栓7の座金として装
着されるタイプの筒内圧センサ16が設けられており、各
気筒別に筒内圧を検出できるようになっている。前記筒
内圧センサ16は、リング状に形成される圧電素子及び電
極を含んで構成され、点火栓7とシリンダヘッドとの間
に挟み込まれるものである。
【0017】尚、前記筒内圧センサ16は、上記のように
点火栓7の座金として装着されるタイプの他、センサ部
を直接燃焼室内に臨ませて筒内圧を絶対圧として検出す
るタイプのものであっても良い。また、コントロールユ
ニット12には、機関のスタータスイッチ17のON・OF
F信号の他、図示しないエアコンスイッチやパワステス
イッチや各種電気負荷スイッチ(リヤデフォッガースイ
ッチ等)などのON・OFF信号が、前記各種補機によ
る機関の負荷状態を示す信号として入力されるようにな
っている。
【0018】ここにおいて、コントロールユニット12に
内蔵されたマイクロコンピュータのCPUは、ROM上
のプログラムに従って演算処理を行い、機関1への燃料
噴射量(噴射パルス幅)Tiを演算し、所定の噴射タイ
ミングにおいて前記燃料噴射量Ti(燃料供給量)相当
のパルス幅の駆動パルス信号を燃料噴射弁6に出力す
る。
【0019】前記燃料噴射量Tiは、 燃料噴射量Ti=基本噴射量Tp×各種補正係数Co+
電圧補正分Ts として算出される。前記基本噴射量Tpは、吸入空気流
量Qと機関回転速度Neとに基づいて決定される基本的
な噴射量であり、電圧補正分Tsは、バッテリ電圧の低
下による無効噴射量の増加に対応するための補正分であ
る。
【0020】また、前記各種補正係数Coは、Co=
{1+空燃比補正係数KMR+水温増量補正係数KTW+始
動後増量補正係数KAS+加速増量補正係数KACC +減速
減量補正係数KDC+・・・}として算出される。前記空
燃比補正係数KMRは、機関回転速度Neと基本噴射量T
p(機関負荷)に対して最適な空燃比となるように基本
噴射量Tpを補正するための係数であり、水温増量補正
係数KTWは冷却水温度Twが低いときほど噴射量を増大
補正する。また、前記始動後増量補正係数KAS(始動後
増量補正手段)は、始動直後に冷却水温度Twが低いほ
ど噴射量を増量補正するものであり、所定の割合で徐々
にその増量補正量を減じて最終的には0になる。更に、
加速増量補正係数KACC 及び減速減量補正係数KDCは、
機関の加減速時の空燃比の変動を回避すべく噴射量を増
減補正するものである。
【0021】ここで、前記各種補正係数Coによる噴射
量の補正要求は、使用燃料の性状、特に燃料の重軽質
(気化率)によって変化し、気化率の低い重質燃料を使
用しているときには、前記水温増量補正係数KTWや加速
増量補正係数KACC による増量要求は、気化率の高い軽
質燃料を使用しているときに比べて大きくなる。従っ
て、増量補正要求に対して実際の増量補正レベルが不足
して、これにより空燃比がリーン化して機関運転の安定
性を損なうことがないようにするために、前記水温増量
補正係数KTWや加速増量補正係数KACC の初期値は、増
量要求レベルが最も高い重質燃料に適合されている。
【0022】しかしながら、実際の使用燃料が軽質燃料
であると、前記初期値では増量補正量が過剰になって、
排気性状の悪化(HC濃度の増大)を招くことになって
しまう。そこで、コントロールユニット12が、燃料の重
軽質(気化率)を間接的に検出し、該検出結果に応じて
前記水温増量補正係数KTWや加速増量補正係数K
ACCを、実際の使用燃料に適合する値に修正するように
してある。
【0023】図4のフローチャートは、コントロールユ
ニット12による燃料性状 (重軽質)の検出及び該検出結
果に基づく各種補正係数の修正制御の一例を示す。図4
のフローチャートにおいて、ステップ (図ではSと記
す。以下同様) 1では、冷却水温度Twが所定温度Tw
s以下であるか否かを判別する。これは、高温始動時に
は、使用燃料の気化率の違いが明確に表れないためであ
り、冷却水温度Twが所定温度Twsを越えている場合
には、燃料性状の誤検出を回避すべく、そのまま本プロ
グラムを終了させる。
【0024】ここで、機関運転の温度条件として、本実
施例では冷却水温度Twを判別させたが、外気温度や燃
料温度やシリンダヘッド或いはシリンダブロック等の機
関本体の温度を判別させる構成としても良い。冷却水温
度Twが所定温度Tws以下であると判別されると、ス
テップ2へ進み、後述する時間計測中に前記エアコンや
パワステや各種電気負荷などの機関の補機負荷(外部負
荷)に変動(補機負荷のON・OFF切り換え)が発生
したか否かを判別する。
【0025】本制御では、後述するように、燃料量の強
制的な補正から筒内圧積分値Piの変動が発生するまで
の時間に基づいて燃料性状を検出する構成であるから、
前述のような補機負荷の変動が発生すると、これが外乱
となって燃料性状の検出精度を悪化させることになって
しまう。そこで、燃料性状の検出途中(時間計測途中)
に、前述のような補機負荷の変動が検出されると、その
まま本プログラムを終了させて、燃料性状の誤検出を回
避する。
【0026】冷却水温度Twが所定温度Tws以下で、
かつ、補機負荷の変動がないときには、ステップ3へ進
む。ステップ3では、スタータがOFFされてからの経
過時間が、所定時間に達していない状態であるか、前記
所定時間の経過時点であるか、更には、前記所定時間以
上に経過しているかを判別する。
【0027】尚、前記所定時間は、スタータがOFFさ
れてから機関回転速度Neが略安定するまでの時間とす
ることが好ましい。スタータがOFFされてから所定時
間が経過していない場合には、そのまま本プログラムを
終了させ、前記所定時間の経過時点でステップ4へ進
む。ステップ4では、前記始動後増量補正係数KASによ
る増量補正が施されている状態であるか否かを判別す
る。
【0028】前記始動後増量補正係数KASによる増量補
正は、前述のように、スタータがOFFされたときに増
量補正の初期レベルが冷却水温度Twに応じて設定され
て、その後徐々に補正レベルが減じられて最終的に増量
補正レベルが0になるものであり(図4参照)、この始
動後増量補正係数KASによって前記水温増量補正係数K
TWによる増量補正レベルよりも更に増量補正して、始動
動作終了直後における機関運転の安定化を図るようにし
てある。
【0029】ステップ4で始動後増量補正係数KASによ
る増量補正中でないと判別されたときには、そのまま本
プログラムを終了させ、前記始動後増量補正係数KAS
よる増量補正中であるときには、ステップ5へ進む。ス
テップ5では、予め設定した特定の1気筒を判別し、ス
テップ6では、当該特定気筒における燃料噴射量を所定
時間だけ一時的に強制的に増大補正(又は減少補正)す
る(図5参照)。
【0030】尚、前記増量・減量補正は、燃料噴射量T
i(噴射パルス幅)の増量・減量補正演算であっても良
いし、増量補正の場合には、燃料噴射量Tiに基づく噴
射パルスの他に増量補正用の追加の噴射パルスを発生さ
せる構成であっも良く、また、噴射圧力の調整などであ
って良く、結果的に噴射供給量を強制的かつステップ的
に増減させることができる方法であれば良い。
【0031】ここで、前記ステップ6における一時的な
噴射量の増減補正は、後述するように、燃料性状の検出
するために強制的に行わせるものであり、増量補正を行
わせる場合には空燃比のリッチ化を、また、減量補正を
行わせる場合には空燃比のリーン化を招くことになる
が、かかる増減補正を1つの気筒のみで行わせるから、
運転性への影響を最小限に抑制できることになる。
【0032】また、次のステップ7では、前記特定気筒
における噴射量の増量・減量補正を開始させたタイミン
グ、即ち、前記特定気筒の吸気系に噴射供給される燃料
量がステップ的に増大又は減少変化したタイミングでタ
イマー(t)を起動させる。一方、ステップ3で、スタ
ータがOFFされてからの経過時間が所定時間以上にな
っていると判別されると、ステップ8へ進み、前記噴射
量の強制的な補正を行った特定気筒を判別し、次のステ
ップ9では、前記特定気筒における筒内圧の積分値Pi
に変動が発生したか否かを判別する。
【0033】前記積分値Piは、前記特定気筒に設けら
れる筒内圧センサ16で検出される筒内圧Pを少なくとも
爆発行程を含む所定積分区間で積分した値である。そし
て、強制的な燃料増量補正を行った場合には、前記ステ
ップ9では前記積分値Piが所定以上に増大変化した時
点を検知し、強制的な燃料減少補正を行った場合には、
前記ステップ9では前記積分値Piが所定以上に減少変
化した時点を検知させる。
【0034】ステップ9で積分値Piの変動が検知され
ると、ステップ10へ進み、その時点におけるタイマー
(t)の計測時間(ステップ的な噴射量補正からの経過
時間)を、燃料の重軽質(気化率)を示すパラメータと
してデータ〔t〕にセットする。即ち、燃料を機関吸気
系に供給しても、それが全てそのままシリンダ内に吸引
されるのではなく、燃料の気化率に応じて吸気通路内壁
や吸気バルブなどに付着する燃料が発生する。例えば燃
料が重質で気化率が低いと、供給された燃料のうち前記
付着燃料となる割合(付着率)が高くなり、燃料供給量
をステップ的に変化させてもかかるステップ変化に対応
してシリンダ吸入混合気の空燃比が変化するまでに大き
な応答遅れを生じる。逆に、燃料性状が軽質で気化率が
高い場合には、付着率が低くなり、燃料供給量のステッ
プ的な変化に対して応答良くシリンダ吸入混合気の空燃
比変化が生じることになる。
【0035】従って、燃料供給量をステップ的に変化さ
せたときに、かかるステップ変化に対応する空燃比変動
が検出されるまでの時間がそのときの使用燃料の重軽質
に相関することになる。ここで、シリンダに吸入される
混合気の空燃比が変化すると燃焼圧(筒内圧)が変化す
ることになるので、シリンダ内の空燃比を直接的に検出
する代わりに、シリンダ内に吸引された混合気の空燃比
に相関する運転状態パラメータとして筒内圧を検出させ
る構成とした。
【0036】ステップ10で燃料噴射量のステップ的変化
に対する燃焼圧(空燃比)変化の応答遅れ時間〔t〕を
サンプリングすると、ステップ11では、前記応答遅れ時
間〔t〕を燃料性状(重軽質)を示すパラメータに変換
する。そして、ステップ12では、前記燃料の重軽質を示
すパラメータに基づいて前記水温増量補正係数KTWや加
速増量補正係数KACC の初期値(重質燃料に適合されて
いる値)を修正する処理を行い、燃料性状が検出された
後は、使用燃料で要求される必要最小限の増量補正が実
行されるようにする。
【0037】上記のように、本実施例によると、使用燃
料の性状(重軽質)検出が、一時的な燃料噴射量の増大
補正又は減少補正と、該補正結果がシリンダ内の空燃比
状態の変化として検知されるまでの時間計測とによって
行われるから、早期に燃料性状を特定することが可能で
ある。また、燃料性状が早期に検出されて水温増量補正
係数KTWや加速増量補正係数KACC がそのときの使用燃
料に適合するように早期に修正されれば、該修正によっ
て得られる排気性状の改善効果を増大させることが可能
となる。
【0038】また、前記強制的な噴射量の補正を、空燃
比が大幅にリッチ側に設定される始動後増量補正中に行
わせるから、たとえ減少補正を実行させても当該気筒の
燃焼性が大幅に悪化することを回避できる。更に、スタ
ータのOFFから所定時間以上経過していることを噴射
量の強制補正を行う条件とするから、始動動作終了直後
の不安定状態で噴射量の補正がなされてしまうことも回
避できる。
【0039】また、噴射量の強制的な補正を一部の気筒
のみで然も短時間で終了させることができるから、増量
補正を行わせる場合であっても、排気性状への影響を充
分に小さくできる。また、燃料噴射量をステップ的に変
化させて、かかる噴射量のステップ的変化に対応する燃
焼圧(空燃比)変化が発生するまでの時間を計測させる
構成であり、前記燃焼圧の変化の有無は比較的容易に検
出できることから、運転条件に左右されることが少な
く、また、外乱があっても比較的安定して燃料性状を検
出することが可能であり、特に、本実施例のように筒内
圧積分値Piに基づいて空燃比変化を捉える構成であれ
ば、明確かつ容易に空燃比変化を検出できる。
【0040】尚、前記ステップ11において検出された燃
料性状(重軽質)のデータは、イグニッションスイッチ
のOFFによって消滅させても良いが、機関の停止中に
給油が行われなかった場合には、燃料性状に変化はない
もののと見做して前回の運転時に検出した燃料性状デー
タをそのまま継続的に使用させるようにしても良い。と
ころで、上記実施例では、通常の噴射量の強制的な増大
又は減少補正を開始したタイミングから、該補正に対応
する空燃比変動(燃焼圧変化)が生じるまでの時間を計
測させたが、強制的に発生させる噴射量のステップ的変
化は、上記のように通常噴射量からの増大又は減少変化
に限定されるものではなく、強制的に補正された噴射量
から通常の噴射量にステップ的に戻すタイミングで時間
計測を起動させ、前記通常噴射量に戻したことに対応す
る空燃比変化がシリンダ内で生じるまでの時間を計測さ
せる構成であっても良い (詳細は特願平6−29312
号参照) 。
【0041】また、コントロールユニット12は、筒内圧
に基づいて失火の有無も診断するようになっている。こ
のような筒内圧に基づいて燃料性状を判定して燃料増量
の補正を行ったり、失火診断を行ったりするシステムに
おいて、コントロールユニット12は筒内圧センサ16の異
常の有無を自己診断する。
【0042】図3のフローチャートは、該コントロール
ユニット12による筒内圧センサの自己診断及び診断結果
に応じたフェールセーフ制御を示す。尚、本実施例にお
いて、非燃焼状態検出手段,診断手段,フェールセーフ
手段としての機能は、前記図6のフローチャートに示す
ようにコントロールユニット12がソフトウェア的に備え
ている。
【0043】図6のフローチャートにおいて、まず、ス
テップ21では、筒内圧センサ16の出力をA/D変換して
筒内圧Pを読み込む。ステップ22では、1気筒の1燃焼
サイクル間に読み込まれたn個の筒内圧Pを積分し、平
均有効圧Piとして算出する。ステップ23では、クラン
キング中か否かをスタータスイッチ17がONであるか否
かによって判定する。クランキング中と判定された場合
は、ステップ24へ進み前記ステップ22で算出された平均
有効圧Piをクランキング中の平均有効圧Pisとしてセ
ットする。
【0044】ステップ23でクランキング中ではないと判
定された場合は、ステップ25へ進み完爆状態となったか
否かを判定する。そして、完爆状態となったと判定され
るとステップ26へ進む。ステップ26では、前記完爆後の
平均有効圧Piから前記クランキング中の平均有効圧P
isを差し引いた値を、所定値ΔPi1と比較する。
【0045】そして、 (Pi−Pis) ≧ΔPi1と判定さ
れたときは、完爆後の爆発によって発生する筒内圧がク
ランキング中の非燃焼状態での空気圧縮により発生する
筒内圧に比較して十分大きいことが筒内圧センサ16によ
って正常に検出されていると判断し、ステップ27にて筒
内圧センサ16は正常であると診断する。一方、 (Pik−
Pis) <ΔPiと判定されたときは、筒内圧センサ16が
前記完爆後の筒内圧とクランキング中の筒内圧との大き
な偏差を捉えていないため、ステップ28にて筒内圧セン
サ16に異常を生じていると診断する。
【0046】以上の診断が請求項2に係る発明の診断に
相当する。このようにして始動を経た後ステップ29へ進
み、所定の減速運転時に行われる燃料供給停止 (燃料カ
ット) 中か否かを判定する。そして、燃料カット中であ
ると判定された場合はステップ30へ進み、ステップ22で
算出された平均有効圧Piを燃料カット中の平均有効圧
Pifとしてセットする。
【0047】また、燃料カット中ではなく燃料供給が行
われる通常運転中ととてされた場合はステップ31へ進
み、クランク角センサ14によって検出される機関回転速
度Neと機関の負荷を表す基本燃料噴射量TP とを読み
込む。ステップ32では前記機関回転速度Neと基本燃料
噴射量TP とで定まる運転状態が所定の領域 (Ne, T
P ) に属しているか否かを判定する。
【0048】そして、属していると判定された場合には
ステップ33〜35へ進み、前記ステップ26〜28と同様に通
常運転中の平均有効圧Pi と燃料カット中の平均有効圧
Pifとを比較して、前者が後者より所定値ΔPi2以上大
きければ、筒内圧センサ16は正常と診断し、所定値ΔP
i2未満であれば筒内圧センサ16は異常であると診断す
る。
【0049】以上の診断が請求項3に係る発明の診断に
相当する。尚、ステップ27, 28における診断結果の後に
ステップ34, 35の診断結果が出るので、後者の診断結果
が優先されることは勿論であり、ステップ27, 28におけ
る診断結果は、ステップ27, 28の診断結果が出るまでの
間活かされることとなる。このようにして筒内圧センサ
16の診断結果が得られた後、ステップ36へ進んで診断結
果の判別を行い、正常である場合は、このルーチンを終
了するが、異常であるときは、ステップ37へ進み、筒内
圧に基づく燃料の重軽質の判定を停止して強制的に重質
であると判定すると共に、同じく筒内圧に基づく失火診
断を停止する。即ち、筒内圧センサ16が異常と診断され
たときは、筒内圧の検出結果に信頼性が無いため、重軽
質判定を停止して重質と強制判定することにより少なく
とも燃料増量の不足を防止して加速性能等を確保すると
共に、失火診断による誤制御を防止するものである。
【0050】このようなフェールセーフ機能が請求項4
に係る発明に相当する。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に係る発明
の自己診断装置によれば、燃焼時の筒内圧と非燃焼時の
筒内圧とを較することにより、筒内圧センサの異常の有
無を容易に診断することができる。また、クランキング
時における着火前の状態や燃料カット時を非燃焼状態と
して検出すれば強制的に非燃焼状態を創らなくて済む。
【0052】また、請求4の発明に係るフェールセーフ
装置では、筒内圧センサに異常があると判定されたとき
は、筒内圧に基づく制御を安全サイドに導いて、排気浄
化性能の悪化等を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明の構成を示すブロック図。
【図2】請求項4に係る発明のブロック図。
【図3】請求項1及び請求項4に係る発明の一実施例を
示すシステム概略図。
【図4】燃料性状検出制御を示すフローチャート。
【図5】前記燃料性状検出制御における制御特性を示す
タイムチャート。
【図6】請求項1〜請求項4に係る発明の一実施例の制
御を示すフローチャート。
【図7】従来の燃料性状検出制御の様子を示すタイムチ
ャート。
【符号の説明】
1 機関 6 燃料噴射弁 12 コントロールユニット 16 筒内圧センサ 17 スタータスイッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の筒内圧力を検出する筒内圧セン
    サの異常を自己診断する装置において、 機関の非燃焼状態を検出する非燃焼状態検出手段と、 機関の非燃焼状態時に前記筒内圧センサで検出された筒
    内圧と、燃焼時に検出された筒内圧とを比較し、燃焼時
    の筒内圧が非燃焼時の筒内圧より所定割合以上大きいと
    きは筒内圧センサが正常、それ以外のときは筒内圧セン
    サが異常であると診断する診断手段と、 を含んで構成されたことを特徴とする筒内圧センサの自
    己診断装置。
  2. 【請求項2】前記非燃焼状態検出手段によって検出され
    る非燃焼状態が、クランキング状態を含んでいることを
    特徴とする請求項1に記載の筒内圧センサの自己診断装
    置。
  3. 【請求項3】前記非燃焼状態検出手段によって検出され
    る非燃焼状態が、機関への燃料供給が停止される所定の
    運転状態を含んでいることを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載の筒内圧センサの自己診断装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載
    された装置によって筒内圧センサが異常であると診断さ
    れたときに、該筒内圧に基づく制御を安全サイドへクラ
    ンプするフェールセーフ手段を備えたことを特徴とする
    内燃機関における筒内圧に基づく制御のフェールセーフ
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008050960A (ja) * 2006-08-23 2008-03-06 Denso Corp 燃料噴射制御装置
JP2008267352A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Toyota Motor Corp クランク角補正装置及びクランク角補正方法
JP2012007620A (ja) * 2011-09-05 2012-01-12 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

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