JPH089725B2 - 低アルゴン含量の粉末の製法 - Google Patents

低アルゴン含量の粉末の製法

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JPH089725B2
JPH089725B2 JP2320113A JP32011390A JPH089725B2 JP H089725 B2 JPH089725 B2 JP H089725B2 JP 2320113 A JP2320113 A JP 2320113A JP 32011390 A JP32011390 A JP 32011390A JP H089725 B2 JPH089725 B2 JP H089725B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、アルゴンガスアトマイズ法においてアルゴ
ン含有量1.5ppm以下である粉末を製造する方法に関す
る。
さらに詳述すれば、本発明は、特に組織が清浄で高度
な特性を有する粉末冶金法によって製造した粉末成形品
に用いる粉末の製造方法に関するもので、より特定的に
は、アルゴンガスアトマイズ法によって製造された粉末
に内包されるアルゴンガスの最大値を規定した高性能な
粉末の製造方法に関する。
(従来の技術) 粉末冶金の技術分野において、粉末冶金成品の製造に
際しては、まず、金属または合金粉末をカプセルに充填
し、充填孔および/または端部の蓋をカプセル本体に溶
接等の手段によって封着して気密な構造の粉末カプセル
を組み立てて粉末ビレットとした後、当該粉末ビレット
に熱間押出加工あるいは熱間鍛造加工等の熱間加工を施
して成形し、管状および棒状の製品を製造している。
上記の金属粉末を製造するとき、噴霧媒体あるいは冷
却媒体あるいは噴霧ならびに冷却の媒体として、窒素ガ
ス、ヘリウムガス、アルゴンガス、あるいは空気が用い
られるが、窒素ガスは鋼種によっては特性を保つ上で窒
素含有量に限界があること、またヘリウムガスは非常に
高価であるため工業的使用には限界があることから、ア
ルゴンガスが使われる場合が多い。
したがって、アルゴンガスを使用して粉末を生成する
方法、より具体的には、アルゴンガスアトマイズ法ある
いはアルゴンガスを冷却媒体とする回転電極法によって
生成した金属粉末を用いることが一般に行われている。
なお、本明細書においてアルゴンガスを噴霧媒体ある
いは冷却媒体あるいは噴霧ならびに冷却の媒体として利
用するアトマイズ法を「アルゴンガス利用アトマイズ
法」と称する。
このとき熱間押出加工あるいは熱間鍛造加工を施した
粉末成形材に部分的に空孔が残留した組織を呈すること
があり、特性劣化には至らないものの商品価値を著しく
損なうことがあった。
また、管状に形成した粉末製品を円周溶接する場合、
溶接ブローホールも出現することがあった。
特に、今日のように高応力下で使用される例えば化学
工業用配管、油井配管等の用途においてはそのような製
品の欠陥の解消が求められている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、上記問題点を解消したアルゴンガス
利用アトマイズ法による粉末の製造方法を提供すること
である。
本発明の具体的目的は、アルゴンガス利用アトマイズ
法による粉末を熱間成形した粉末成形品に見られる溶接
ブローホールならびに金属組織中の空孔発生を消滅させ
る技術を開発することである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、これらの目的を達成すべく、上述のよう
な問題は粉末に含有されるアルゴンガスが比較的多い場
合であることに着目した。
そこで、そのような問題を回避できるために許容され
るアルゴン量を明確化すると共に、粉末成形品における
欠陥発生とアルゴン含有量との相関について検討し、本
発明を完成した。
なお、粉末には酸素、窒素も一部含有されるが、粉末
が十分高清浄であり、ブローホールが発生する酸素、窒
素含有量以下であるので欠陥発生との相関は認められな
い。
すなわち、熱間押出しあるいは熱間鍛造法によって加
工された粉末成形品は、清浄な表面を有する金属粉末を
用いた場合でも、その内部に金属組織に固溶しないアル
ゴンガスを含むときは、溶接工程で溶接金属部ないしは
熱影響部に空孔を生じる。空孔を発生しない限界は粉末
に含有されるアルゴンガスが1.7ppm以下の場合である。
また、粉末成形品の組織に空孔を生じ、さらに固溶化
等の目的で高温での熱処理を施した場合、金属組織内部
の空孔の寸法が増大して顕著になる。このような空孔を
発生しない限界は粉末内部に約5μm以上の空孔がない
ことであり、このことは鋼種によって異なるが概ね粉末
に含有されるアルゴンガス含有量が1.5ppm以下であるこ
とに対応する。
上記のアルゴン含有量が規定値以下の粉末を、アルゴ
ンガス利用アトマイズ法にて生成するためには、アトマ
イズノズル供給時の溶湯の温度をその液相線温度との差
すなわち過熱度を50℃以内とし、かつ溶湯流から粉末に
分裂する領域での噴射ガス流速を150m/sec以下とするこ
とで実現できる。好ましくはこのときのガス流速は、14
0〜100m/secである。
なお、本発明が対象とする金属または合金は、特に制
限されないが、一般には高い耐食性を有する高Ni合金な
らびにCo基合金が主な対象となる。
(作用) 次に、本発明においてアルゴン含有量さらに製造時の
噴霧条件を上述のように限定した理由を詳述する。
すでに繰り返し述べたように、熱間押出しあるいは熱
間鍛造法によって加工された粉末成形品は、その内部に
金属組織に固溶しないアルゴンガスを含む場合、溶接工
程で溶接金属部ないしは熱影響部に空孔を生じる。粉末
に含有されるアルゴンガスが1.5ppm以下で上述の空孔は
発生しない。
また、前記と同様に、熱間押出しあるいは熱間鍛造法
によって加工された粉末成形体の内部に、金属組織に固
溶しないアルゴンガスを含む場合、成形体の組織に空孔
を生じ、さらに固溶化等の目的で高温での熱処理を施し
た場合、金属組織内部の空孔の寸法が増大して目立つよ
うになる。
この組織の空孔はブローホールと同様に粉末表面が著
しく汚染されている場合にも生じるが、清浄な表面を有
する金属粉末の場合、粉末内部に5μm以上の空孔がな
いときには前述のような空孔は発生しない。このことは
鋼種によって異なるが、概ね粉末に含有されるアルゴン
ガスが1.5ppm以下の場合に空孔は発生しないことを意味
する。
上記のアルゴン含有量が規定値以下の粉末を、アルゴ
ンガスアトマイズ法にて高い生産性を確保しつつ生成す
るためには、溶湯の温度をその液相線温度との差すなわ
ち過熱度を50℃以内として、比較的低温に保つことと、
溶湯流から粉末に分裂する領域での噴射ガス流速が約15
0m/sec以下と比較的低速に保つことで実現できる。この
過熱度が50℃を超えると、アルゴンガスの巻き込みが多
くなり、一方噴射ガス流速が150m/sec超となることで、
同じくアルゴンガスの巻込みが多くなる。
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明す
る。
実施例1 本例はアルゴンガスアトマイズ法による粉末の製造例
とそれを使用して成形例である。
第1図は、ガスアトマイズ法による粉末製造装置の概
略図である。図中、真空チャンバー1内に設けられた溶
湯タンディッシュ2には溶湯3が収容されている。溶湯
3は下部に設けた溶湯管4を経てアトマイズノズル5に
至り、ここで高圧ガス配管に接続した上記アトマイズノ
ズル5からの高圧アルゴンガスによって噴霧される。7
は粉末回収タンクである。粉末となって粉末回収タンク
7に集められた粉末は、下方から回収されるが、ガスに
同伴した粉末は次いでサイクロン分離器8でアルゴンガ
スから分離されて回収される。
第1図の装置によって第1表に示す組成の粉末を製造
した。得られた粉末の粒径は平均63ミクロンメータであ
った。
次いで、上記のような方法で製造した粉末を第2図に
示す軟鋼製の二重円筒容器11に振動充填した後、その粉
末充填部分12に対応する位置に脱気管13を有する蓋14を
溶接にて取り付けた。脱気管13を適宜真空装置に接続し
て運転した後、軟鋼製の前記円筒容器11を500℃に保持
されている電気炉(図示せず)に2時間挿入してから取
り出し脱気管13を熱間で鍛接したのち常温まで空冷し
た。
上記の粉末ビレットを電気炉(図示せず)にて1200℃
に加熱し、押出比10.5にて熱間押出加工した。
第3図は、このようにして得た粉末のアルゴン含有量と
ブローホールの検出可否との関係を示すグラフである。
試験に供した粉末は、アルゴンガスアトマイズ法にて
溶湯温度を変化させることによってアルゴン含有量が異
なる粉末を生成したものである。
押出成形材のアルゴン含有量と金属組織中に発生する
空孔状の欠陥発生の有無、ならびにTIGなめづけによる
溶接ブローホール発生の有無との関係を調べた。
第2図は、粉末のアルゴン含有量と金属組織中の空孔
有無との関係を示すグラフである。
なお、本試験に供した粉末も、前記と同様に溶湯温度
を変化させることによって生成したものであった。
第2表には粉末押出成形材のガス含有量と空孔、ブロ
ーホールの関係をまとめて示す。
なお、円周溶接でのブローホール発生とTIGなめづけ
による溶接ブローホール発生とは良好な相関の有ること
が予め確かめられている。
第2表に示す結果から、熱間押出し法によって加工さ
れた粉末成型体は、その内部に粉末に含有するアルゴン
が約1.7ppm以下の場合、ブローホールは検出されないこ
とが分かった。酸素(O)、窒素(N)ガス含有量と欠
陥との間には一定の相関は認められない。
また金属組織内部に空孔を発生しない限界はアルゴン
が約1.5ppm以下の場合であることが分かった。
次に、上記のアルゴン含有量が規定値以下の粉末を、
アトマイズ法によって高い生産性を確保しつつ生成すべ
く、Ar含有量と溶湯温度並びに噴射ガス流速との相関を
調べた。
すなわち、第1表の組成を有する粉末を使って第5図
にアトマイズノズルに供給する溶融温度と粉末のアルゴ
ン含有量との関係を示すが、これからも判るように、粉
末のアルゴン含有量は溶湯温度が高いほど増加する傾向
を示す。前述のような金属組織の欠陥発生を抑制できる
よう、粉末のアルゴン含有量を1.5ppm以下にするために
は、溶湯の温度をその液相線温度との差すなわち過熱度
が50℃以内とすることが必要である。
また、第6図に溶湯の仮想的粉化点すなわちアトマイ
ズノズルの幾何学的焦点でのガス流速と粉末のアルゴン
含有量との関係を示す。粉末のアルゴン含有量はガス流
速が高いほど増加する傾向を示す。前述のような金属組
織の欠点発生を抑制出来るよう、粉末アルゴン含有量を
1.5ppm以下にするためには、溶湯流から粉末に分裂する
領域での噴射ガス流速が約150m/sec以下と比較的低速に
保つことが必要である。なお、ガス流速は噴霧化には少
なくとも50m/secとするのがよい。
実施例2 また、別の実施例として第3表に主要化学成分を示す
粉末を実施例1に準じてアルゴンガスアトマイズ法によ
って製造した。
このときアトマイズノズルに供給する溶湯温度と粉末
のアルゴン含有量との関係を第7図に、またガス流速と
粉末のアルゴン含有量との関係を第8図に示す。
第7図ならびに第8図からも、粉末のアルゴン含有量
を1.5ppm以下にするためには、溶湯の温度をその液相線
温度との差すなわち過熱度が50℃以内とすることが必要
であること、溶湯流から粉末に分裂する領域での噴射ガ
ス流速が約150m/sec以下と比較的低速に保つことが必要
であることが判明した。
(発明の効果) 本発明方法によれば、アルゴンガスを噴霧媒体あるい
は冷却媒体あるいは噴霧ならびに冷却の媒体として使用
する粉末製造方法あっても、許容値以下のアルゴンを含
有する金属粉末をアトマイズ法によって高い生産性を保
って生成することが可能であり、その結果、得られた金
属ならびに合金粉末から製造した成型材に部分的に空孔
が残留した組織を呈しないようにすること並びに管状に
成形した粉末製品の円周溶接において溶接ブローホール
が発生しないようにできることが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法による微細粉末製造装置の概略構
成図; 第2図は、粉末ビレットの構造を表わす略式説明図; 第3図は、粉末のアルゴン含有量とブローホールの検出
可否との関係を示すグラフ; 第4図は、粉末のアルゴン含有量と金属組織中の空孔有
無との関係を示すグラフ; 第5図は、アトマイズノズルに供給する溶湯温度と粉末
のアルゴン含有量との関係(第1表に示す成分の場合)
を示すグラフ; 第6図は、アトマイズノズルの幾何学的焦点でのガス流
速と粉末のアルゴン含有量との関係(第1表に示す成分
の場合)を示すグラフ; 第7図は、アトマイズノズルに供給する溶湯温度と粉末
のアルゴン含有量との関係(第2表に示す成分の場合)
を示すグラフ;および 第8図は、アトマイズノズルの幾何学的焦点でのガス流
速と粉末のアルゴン含有量との関係(第2表に示す成分
の場合)を示すグラフである。 1:真空チャンバー、2:溶融タンディッシュ 3:溶湯、4:溶湯管 5:アトマイズノズル、6:高圧ガス配管 7:アトマイズタンク(粉末回収タンク) 8:サイクロン分離器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルゴンガス利用アトマイズ法によって金
    属あるいは合金の粉末を製造する方法において、粉末の
    原材料となる溶湯をアトマイズノズルに供給するときの
    溶湯温度と当該溶湯の液相線温度との差を50℃以内と
    し、かつ溶湯に噴射するガス流速が溶湯との衝突直前に
    おいて150m/sec以下とすることを特徴とするアルゴン含
    有量が1.5ppm以下である粉末を製造する方法。
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