JPH089872A - 冷凍パン生地用改良剤及び冷凍パン生地の製造方法 - Google Patents
冷凍パン生地用改良剤及び冷凍パン生地の製造方法Info
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- JPH089872A JPH089872A JP6170137A JP17013794A JPH089872A JP H089872 A JPH089872 A JP H089872A JP 6170137 A JP6170137 A JP 6170137A JP 17013794 A JP17013794 A JP 17013794A JP H089872 A JPH089872 A JP H089872A
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- bread dough
- bread
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 パンの製造途中での冷凍及び解凍による品質
の低下を防止することができ、かつ、安価な冷凍パン生
地用改良剤、及びそれを用いた冷凍パン生地の製造方法
を提供する。 【構成】 デキストランを有効成分として含有する冷凍
パン生地用改良剤を得る。穀物粉と、副原料と、水とを
含有する原料を混捏してパン生地を調製する工程と、得
られたパン生地を冷凍する工程とを含む冷凍パン生地の
製造方法において、副原料の一部として上記冷凍パン生
地用改良剤を添加する。冷凍パン生地用改良剤の添加量
は、穀物粉100 重量部に対して、デキストランとして0.
01〜20重量部とするのが好ましい。
の低下を防止することができ、かつ、安価な冷凍パン生
地用改良剤、及びそれを用いた冷凍パン生地の製造方法
を提供する。 【構成】 デキストランを有効成分として含有する冷凍
パン生地用改良剤を得る。穀物粉と、副原料と、水とを
含有する原料を混捏してパン生地を調製する工程と、得
られたパン生地を冷凍する工程とを含む冷凍パン生地の
製造方法において、副原料の一部として上記冷凍パン生
地用改良剤を添加する。冷凍パン生地用改良剤の添加量
は、穀物粉100 重量部に対して、デキストランとして0.
01〜20重量部とするのが好ましい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍パン生地用改良
剤、及びそれを用いた冷凍パン生地の製造方法に関す
る。
剤、及びそれを用いた冷凍パン生地の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、スーパーマーケットや小売り店
で売られているパン類は、大手メーカーが製パン工場で
集中的に大量生産し、広範囲にわたって配送したもので
ある。しかし、これらのパン類は、消費者の手元に届く
までに時間がかかり、保存、配送の過程で品質が低下す
るという問題があった。
で売られているパン類は、大手メーカーが製パン工場で
集中的に大量生産し、広範囲にわたって配送したもので
ある。しかし、これらのパン類は、消費者の手元に届く
までに時間がかかり、保存、配送の過程で品質が低下す
るという問題があった。
【0003】このため、近年、消費者のグルメ嗜好が高
まるにつれて、焼き立てのパンを求める声が高まってき
た。冷凍パン生地は、こうした要望に応えて開発された
もので、工場で集中的に生産したパン生地を冷凍して配
送し、販売先で解凍し、焼成することにより、焼き立て
のパンを販売できるものである。
まるにつれて、焼き立てのパンを求める声が高まってき
た。冷凍パン生地は、こうした要望に応えて開発された
もので、工場で集中的に生産したパン生地を冷凍して配
送し、販売先で解凍し、焼成することにより、焼き立て
のパンを販売できるものである。
【0004】また、製造側の立場からは、発酵の工程が
あるパン作りは、早朝から行わなければならないなどの
時間的制約を有していたが、冷凍パン生地の開発によ
り、こうした時間的制約が低減され、生産面及び労働面
での省力化を図ることも可能になった。
あるパン作りは、早朝から行わなければならないなどの
時間的制約を有していたが、冷凍パン生地の開発によ
り、こうした時間的制約が低減され、生産面及び労働面
での省力化を図ることも可能になった。
【0005】このように冷凍パン生地は、長期保存や腐
敗防止などよりも、むしろ発酵の関係で連続的に行う必
要があった製パン工程を途中の段階で中断し、必要に応
じてそれから先の工程を再開できるようにすることを目
的としており、このため、中断の前後で品質が変化しな
いことが要求される。すなわち、解凍後の工程を冷凍前
の工程に引き続いて行うことができ、かつ、焼き上がり
の製品の品質に悪影響を与えないことが必要である。
敗防止などよりも、むしろ発酵の関係で連続的に行う必
要があった製パン工程を途中の段階で中断し、必要に応
じてそれから先の工程を再開できるようにすることを目
的としており、このため、中断の前後で品質が変化しな
いことが要求される。すなわち、解凍後の工程を冷凍前
の工程に引き続いて行うことができ、かつ、焼き上がり
の製品の品質に悪影響を与えないことが必要である。
【0006】しかしながら、実際には、パン生地を冷凍
保存すると、最終製品の品質に大きな影響を与えるとい
う問題があった。すなわち、凍結によって酵母の傷害や
グルテン膜の破壊が起こるため、解凍した生地の発酵力
が弱まり、生地の膨らみが悪く、香りや味に劣るパンが
できてしまう。また、冷凍前の発酵時間に制限が加えら
れる等、製造条件に制約があり、凍結障害以上の問題と
なっている。
保存すると、最終製品の品質に大きな影響を与えるとい
う問題があった。すなわち、凍結によって酵母の傷害や
グルテン膜の破壊が起こるため、解凍した生地の発酵力
が弱まり、生地の膨らみが悪く、香りや味に劣るパンが
できてしまう。また、冷凍前の発酵時間に制限が加えら
れる等、製造条件に制約があり、凍結障害以上の問題と
なっている。
【0007】この問題の対応策としては、パン生地へ
の水配合量を減量する、酵母やイーストフードを増量す
る、又は糖質や油脂の含量を高める(神田 芳文:食品
と化学、1982秋季増刊、27(1982))、冷却速度を調節
する(特開昭59-11134号)、重合度3〜5の還元性あ
るいは非還元性オリゴ糖を添加する(特開平 4-141041
号)、難消化性ポリサッカライドを添加する(特開平
5-252858 号)、トレハロースを添加する(特願平 5
-66097号)などの手段が報告されている。
の水配合量を減量する、酵母やイーストフードを増量す
る、又は糖質や油脂の含量を高める(神田 芳文:食品
と化学、1982秋季増刊、27(1982))、冷却速度を調節
する(特開昭59-11134号)、重合度3〜5の還元性あ
るいは非還元性オリゴ糖を添加する(特開平 4-141041
号)、難消化性ポリサッカライドを添加する(特開平
5-252858 号)、トレハロースを添加する(特願平 5
-66097号)などの手段が報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酵母や
イーストを増量するとイースト臭により品質が劣化して
しまう。また、糖類や油脂を増量する方法は、デニッシ
ュ・ペストリーやクロワッサンなど、元来糖質や油脂を
多量に含むリッチなパンには適用できるが、食パンやフ
ランスパンなどのように、糖質や油脂をあまり含まない
パンに適用することは難しかった。更に、重合度3〜5
の還元性あるいは非還元性オリゴ糖を添加する方法もパ
ン表面の梨肌の出現を防止するには十分ではなく、難消
化性ポリサッカライドを添加する方法も食感が低下する
などの問題点があった。また、トレハロースを添加する
方法は、現在のところ価格が高いことから、実用化には
至っていない。
イーストを増量するとイースト臭により品質が劣化して
しまう。また、糖類や油脂を増量する方法は、デニッシ
ュ・ペストリーやクロワッサンなど、元来糖質や油脂を
多量に含むリッチなパンには適用できるが、食パンやフ
ランスパンなどのように、糖質や油脂をあまり含まない
パンに適用することは難しかった。更に、重合度3〜5
の還元性あるいは非還元性オリゴ糖を添加する方法もパ
ン表面の梨肌の出現を防止するには十分ではなく、難消
化性ポリサッカライドを添加する方法も食感が低下する
などの問題点があった。また、トレハロースを添加する
方法は、現在のところ価格が高いことから、実用化には
至っていない。
【0009】したがって、本発明の目的は、冷凍・解凍
による品質の低下を防止することができる安価な冷凍パ
ン生地用改良剤、及びそれを用いた冷凍パン生地の製造
方法を提供することにある。
による品質の低下を防止することができる安価な冷凍パ
ン生地用改良剤、及びそれを用いた冷凍パン生地の製造
方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の問
題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、デキスト
ランを冷凍パン生地に添加混合することにより、リッチ
な配合の冷凍パン生地だけでなく、リーンな配合の冷凍
パン生地においても、軟らかなパンにすることができ、
冷凍パン生地の醗酵の低下、パン体積の減少、生地のだ
れ、パン表面の梨肌の出現、内相の劣化等の冷凍障害を
防止できることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、デキスト
ランを冷凍パン生地に添加混合することにより、リッチ
な配合の冷凍パン生地だけでなく、リーンな配合の冷凍
パン生地においても、軟らかなパンにすることができ、
冷凍パン生地の醗酵の低下、パン体積の減少、生地のだ
れ、パン表面の梨肌の出現、内相の劣化等の冷凍障害を
防止できることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
【0011】すなわち、本発明の冷凍パン生地用改良剤
は、デキストランを有効成分とすることを特徴とする。
は、デキストランを有効成分とすることを特徴とする。
【0012】また、本発明の冷凍パン生地の製造方法
は、穀物粉と、副原料と、水とを含有する原料を混捏し
てパン生地を調製する工程と、得られたパン生地を冷凍
する工程とを含む冷凍パン生地の製造方法において、前
記副原料の一部としてデキストランを有効成分とする冷
凍パン生地用改良剤を添加することを特徴とする。
は、穀物粉と、副原料と、水とを含有する原料を混捏し
てパン生地を調製する工程と、得られたパン生地を冷凍
する工程とを含む冷凍パン生地の製造方法において、前
記副原料の一部としてデキストランを有効成分とする冷
凍パン生地用改良剤を添加することを特徴とする。
【0013】以下、本発明を好ましい態様を挙げて詳細
に説明する。
に説明する。
【0014】本発明において、デキストランとは、蔗糖
や澱粉部分加水分解物を炭素源として、微生物培養する
ことにより得られるα−1,6−グルコシド結合を含む
多糖類であって、その分子量は特に限定されない。
や澱粉部分加水分解物を炭素源として、微生物培養する
ことにより得られるα−1,6−グルコシド結合を含む
多糖類であって、その分子量は特に限定されない。
【0015】一般的にデキストランは、蔗糖を含む培養
液にデキストラン産生菌を培養するか、あるいは培養液
から得た酵素を蔗糖溶液に作用させることにより得られ
る。デキストラン産生菌としては、ロイコノストック属
や、ストレプトコッカス属などに属する細菌が好ましく
用いられ、これらの細菌が生成するデキストランスクラ
ーゼによってデキストランを生産することができる。ま
た、澱粉部分分解物を炭素源として、グルコノバクター
属に属する細菌を培養し、この細菌が生産するデキスト
リンデキストラナーゼの作用により、デキストランを得
ることもできる(E.J.Hehre and D.M.Hamilton : Proc.
Soc. Exp. Biol. and Med., 71, 336-339 (1949) )。
液にデキストラン産生菌を培養するか、あるいは培養液
から得た酵素を蔗糖溶液に作用させることにより得られ
る。デキストラン産生菌としては、ロイコノストック属
や、ストレプトコッカス属などに属する細菌が好ましく
用いられ、これらの細菌が生成するデキストランスクラ
ーゼによってデキストランを生産することができる。ま
た、澱粉部分分解物を炭素源として、グルコノバクター
属に属する細菌を培養し、この細菌が生産するデキスト
リンデキストラナーゼの作用により、デキストランを得
ることもできる(E.J.Hehre and D.M.Hamilton : Proc.
Soc. Exp. Biol. and Med., 71, 336-339 (1949) )。
【0016】このようにして得られるデキストランの化
学構造は、菌株ごとに違い(A. Jeanes, W. C. Haynes,
J. C. Rankin, E. H. Melvin, M. J. Austin, J. E. C
luskey, B. E. Fisher, H. M. Tsuchiya and C. E. Ris
t J. Amer. Chem. Soc., 76,5041- 5052(1954))、それ
ぞれのデキストランについてグルコースの結合様式の含
有比が明らかにされているが、本発明では、これらの化
学構造の差に関係なく、いずれのデキストランでも用い
ることができる。
学構造は、菌株ごとに違い(A. Jeanes, W. C. Haynes,
J. C. Rankin, E. H. Melvin, M. J. Austin, J. E. C
luskey, B. E. Fisher, H. M. Tsuchiya and C. E. Ris
t J. Amer. Chem. Soc., 76,5041- 5052(1954))、それ
ぞれのデキストランについてグルコースの結合様式の含
有比が明らかにされているが、本発明では、これらの化
学構造の差に関係なく、いずれのデキストランでも用い
ることができる。
【0017】本発明の冷凍パン生地用改良剤は、冷凍パ
ン生地に単独で配合しても、冷凍変性を防止することが
できるが、これまでに知られている油脂類やオリゴ糖類
などの冷凍パン生地用改良剤との併用も可能であり、こ
れらの効果を妨げるものではない。
ン生地に単独で配合しても、冷凍変性を防止することが
できるが、これまでに知られている油脂類やオリゴ糖類
などの冷凍パン生地用改良剤との併用も可能であり、こ
れらの効果を妨げるものではない。
【0018】本発明の冷凍パン生地の製造方法は、穀物
粉と、副原料と、水とを含有する原料を混捏してパン生
地を調製する工程と、得られたパン生地を冷凍する工程
とを含む冷凍パン生地の製造方法において、副原料の一
部としてデキストランを有効成分とする本発明の冷凍パ
ン生地用改良剤を添加する。
粉と、副原料と、水とを含有する原料を混捏してパン生
地を調製する工程と、得られたパン生地を冷凍する工程
とを含む冷凍パン生地の製造方法において、副原料の一
部としてデキストランを有効成分とする本発明の冷凍パ
ン生地用改良剤を添加する。
【0019】冷凍パン生地の原料となる穀物粉として
は、例えば小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、トウモロコシ粉
等が用いられるが、その種類や混合割合は、製造しよう
とするパンの種類に応じて選択される。また、本発明
は、食パンやフランスパンのようなリーンな配合のパン
生地から、ロール類(テーブルロール、バンズ、バター
ロール等)、特殊パン(マフィン、ラスク等)、蒸しパ
ン(肉まん、餡まん等)、菓子パン、クロワッサン、デ
ニッシュペストリーなどのリッチな配合のパン生地、更
にはピザクラフト、餃子や焼売の皮等にまで利用するこ
とができる。
は、例えば小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、トウモロコシ粉
等が用いられるが、その種類や混合割合は、製造しよう
とするパンの種類に応じて選択される。また、本発明
は、食パンやフランスパンのようなリーンな配合のパン
生地から、ロール類(テーブルロール、バンズ、バター
ロール等)、特殊パン(マフィン、ラスク等)、蒸しパ
ン(肉まん、餡まん等)、菓子パン、クロワッサン、デ
ニッシュペストリーなどのリッチな配合のパン生地、更
にはピザクラフト、餃子や焼売の皮等にまで利用するこ
とができる。
【0020】本発明の冷凍パン生地の製造方法におい
て、冷凍パン生地用改良剤の添加量は、デキストランと
して、穀物粉に対して0.01〜20重量%が好ましく、1〜
10重量%がより好ましい。デキストランの添加量が、0.
01重量%未満では、冷凍障害の防止効果が期待できず、
20重量%を超えると、パンの風味が損なわれるので好ま
しくない。
て、冷凍パン生地用改良剤の添加量は、デキストランと
して、穀物粉に対して0.01〜20重量%が好ましく、1〜
10重量%がより好ましい。デキストランの添加量が、0.
01重量%未満では、冷凍障害の防止効果が期待できず、
20重量%を超えると、パンの風味が損なわれるので好ま
しくない。
【0021】本発明の冷凍パン生地用改良剤の他に用い
られる副原料は、従来のパン生地に用いるものと同様で
よく、例えば、糖類、糖アルコール類、多糖類、非糖質
系甘味剤、油脂、乳化剤、酸化剤、還元剤、有機酸もし
くはその塩、無機塩、酵素、イーストフード等を適宜配
合して用いることができる。
られる副原料は、従来のパン生地に用いるものと同様で
よく、例えば、糖類、糖アルコール類、多糖類、非糖質
系甘味剤、油脂、乳化剤、酸化剤、還元剤、有機酸もし
くはその塩、無機塩、酵素、イーストフード等を適宜配
合して用いることができる。
【0022】本発明は、直捏法、中種法などのいずれの
製パン方法にも適用可能であり、また、従来からパン生
地の冷凍に用いられている、生地冷凍法、分割生地冷凍
法、成形生地冷凍法、ホイロ冷凍法など、いずれの方法
にも適用できる。冷凍方法についても液体窒素トンネル
フリージング、エアブラストフリージング、あるいは冷
凍庫内静置による冷凍など、いずれの方法も適用可能で
あるが、急速冷凍が好ましい。
製パン方法にも適用可能であり、また、従来からパン生
地の冷凍に用いられている、生地冷凍法、分割生地冷凍
法、成形生地冷凍法、ホイロ冷凍法など、いずれの方法
にも適用できる。冷凍方法についても液体窒素トンネル
フリージング、エアブラストフリージング、あるいは冷
凍庫内静置による冷凍など、いずれの方法も適用可能で
あるが、急速冷凍が好ましい。
【0023】本発明の方法により冷凍貯蔵された冷凍パ
ン生地は、所望の時に解凍して、必要に応じて寝かし、
発酵、ホイロ工程を経て焼成等を行って製品化すること
ができる。
ン生地は、所望の時に解凍して、必要に応じて寝かし、
発酵、ホイロ工程を経て焼成等を行って製品化すること
ができる。
【0024】
【作用】本発明の冷凍パン生地用改良剤を添加混合した
冷凍パン生地は、デキストランにより、冷凍貯蔵下での
氷結晶成長に起因する酵母の冷凍障害や小麦タンパク質
の変性及びグルテンネットワーク構造の破壊によってお
こると推定されている、解凍後の醗酵の低下、パン体積
の減少、生地のだれ、パン表面の梨肌の出現、内相の劣
化等を防止できる。
冷凍パン生地は、デキストランにより、冷凍貯蔵下での
氷結晶成長に起因する酵母の冷凍障害や小麦タンパク質
の変性及びグルテンネットワーク構造の破壊によってお
こると推定されている、解凍後の醗酵の低下、パン体積
の減少、生地のだれ、パン表面の梨肌の出現、内相の劣
化等を防止できる。
【0025】
製造例(デキストランの調製) (1) デキストランAの製造 ロイコノストック メセンテロイデス NRRL B−
512F株を、Jeanesらの方法(Methods in Car
bohydrate Chemistry Vol.V, 118-127 Academic Press
(1965))に従って培養した。
512F株を、Jeanesらの方法(Methods in Car
bohydrate Chemistry Vol.V, 118-127 Academic Press
(1965))に従って培養した。
【0026】まず、蔗糖100g、酵母エキス2.5g、硫酸マ
グネシウム0.2gを脱イオン水900mlに溶解した溶液と、
リン酸水素二カリウム5g を脱イオン水100ml に溶解し
た溶液とを調製した。次いで、それぞれの溶液を、オー
トクレーブを用いて122 ℃で、20分間滅菌した後、常温
になるまで水冷し、両者を混合した。得られた溶液に、
ロイコノストック メセンテロイデス NRRL B−
512F株を3白金耳植菌し、25℃で、20時間静置培養
した。
グネシウム0.2gを脱イオン水900mlに溶解した溶液と、
リン酸水素二カリウム5g を脱イオン水100ml に溶解し
た溶液とを調製した。次いで、それぞれの溶液を、オー
トクレーブを用いて122 ℃で、20分間滅菌した後、常温
になるまで水冷し、両者を混合した。得られた溶液に、
ロイコノストック メセンテロイデス NRRL B−
512F株を3白金耳植菌し、25℃で、20時間静置培養
した。
【0027】培養終了後、この培養液と等量の脱イオン
水を添加し、さらに、エタノールを35%濃度になるよう
に添加して、遠心分離により菌体を除去した。次いで、
遠心した上清にさらにエタノールを45%濃度になるよう
に添加し、デキストランを沈殿させ、遠心分離によりこ
の沈殿を集めた。
水を添加し、さらに、エタノールを35%濃度になるよう
に添加して、遠心分離により菌体を除去した。次いで、
遠心した上清にさらにエタノールを45%濃度になるよう
に添加し、デキストランを沈殿させ、遠心分離によりこ
の沈殿を集めた。
【0028】この沈殿を脱イオン水1000mlに溶解し、再
度エタノールを45%濃度になるように添加してデキスト
ランを沈殿させ、遠心分離によりこの沈殿を集めた。
度エタノールを45%濃度になるように添加してデキスト
ランを沈殿させ、遠心分離によりこの沈殿を集めた。
【0029】この操作をさらに2回繰り返して得られた
沈殿を、500ml の脱イオン水に溶解し、凍結乾燥して、
23g の白色粉末のデキストランAを得た。
沈殿を、500ml の脱イオン水に溶解し、凍結乾燥して、
23g の白色粉末のデキストランAを得た。
【0030】(2) デキストランBの製造 グルコノバクター オキシダンス ATCC 1189
4株を、Hehreらの方法(J. Biol. Chem., 192, 1
61-174(1951))に従って培養した。
4株を、Hehreらの方法(J. Biol. Chem., 192, 1
61-174(1951))に従って培養した。
【0031】まず、澱粉部分加水分解物である「パイン
デックス#3」(商品名、松谷化学株式会社製)50g 、
酵母エキス5g を脱イオン水1000mlに溶解し、オートク
レーブを用いて122 ℃で、20分間滅菌した後、常温にな
るまで水冷した。
デックス#3」(商品名、松谷化学株式会社製)50g 、
酵母エキス5g を脱イオン水1000mlに溶解し、オートク
レーブを用いて122 ℃で、20分間滅菌した後、常温にな
るまで水冷した。
【0032】得られた溶液に、グルコノバクターオキシ
ダンス ATCC 11894株を3白金耳植菌し、25
℃で、10日間培養した。
ダンス ATCC 11894株を3白金耳植菌し、25
℃で、10日間培養した。
【0033】培養終了後、この培養液に、0.8 倍量のエ
タノールを添加し、遠心分離により沈殿物を集めた。こ
の沈殿物を脱イオン水2000mlに溶解し、遠心分離により
菌体を除去した。遠心した上清に0.4 倍量のエタノール
を添加し、不溶物を遠心分離により取り除き、上清に、
さらに0.2 倍量のエタノールを添加してデキストランを
沈殿させ、遠心分離によりこの沈殿を集めた。
タノールを添加し、遠心分離により沈殿物を集めた。こ
の沈殿物を脱イオン水2000mlに溶解し、遠心分離により
菌体を除去した。遠心した上清に0.4 倍量のエタノール
を添加し、不溶物を遠心分離により取り除き、上清に、
さらに0.2 倍量のエタノールを添加してデキストランを
沈殿させ、遠心分離によりこの沈殿を集めた。
【0034】この沈殿を、脱イオン水1000mlに溶解し、
再度0.6 倍量のエタノールを添加してデキストランを沈
殿させ、遠心分離によりこの沈殿を集めた。
再度0.6 倍量のエタノールを添加してデキストランを沈
殿させ、遠心分離によりこの沈殿を集めた。
【0035】この操作をさらに2回繰り返して得られた
沈殿を、500ml の脱イオン水に溶解し、凍結乾燥して、
10g の白色粉末のデキストランBを得た。
沈殿を、500ml の脱イオン水に溶解し、凍結乾燥して、
10g の白色粉末のデキストランBを得た。
【0036】(3) デキストランCの製造 市販デキストラン「デキストラン名糖70」(商品名、名
糖産業株式会社製)50g を、2500mlの脱イオン水に溶解
し、等量のエタノールを添加した後、4℃で、一晩放置
してデキストランを沈殿させ、これらを遠心分離により
回収し、乾燥させてデキストランCを得た。
糖産業株式会社製)50g を、2500mlの脱イオン水に溶解
し、等量のエタノールを添加した後、4℃で、一晩放置
してデキストランを沈殿させ、これらを遠心分離により
回収し、乾燥させてデキストランCを得た。
【0037】実施例1〜3、及び比較例1 小麦粉として強力粉である「カメリア」(商品名、日清
製粉株式会社製)、イーストとして「FD−1」(商品
名、オリエンタル酵母株式会社製)を用い、また、イー
ストフードはオリエンタル酵母株式会社製、食塩は和光
純薬株式会社製、砂糖は富士製糖株式会社製、油脂とし
てのショートニングは雪印乳業株式会社製、脱脂粉乳は
明治乳業株式会社製のものを用いて、デキストランA、
デキストランB、デキストランCをそれぞれ表1に示す
割合で配合した。
製粉株式会社製)、イーストとして「FD−1」(商品
名、オリエンタル酵母株式会社製)を用い、また、イー
ストフードはオリエンタル酵母株式会社製、食塩は和光
純薬株式会社製、砂糖は富士製糖株式会社製、油脂とし
てのショートニングは雪印乳業株式会社製、脱脂粉乳は
明治乳業株式会社製のものを用いて、デキストランA、
デキストランB、デキストランCをそれぞれ表1に示す
割合で配合した。
【0038】通常のパン原料にデキストランAを配合し
たものを実施例1、デキストランBを配合したものを実
施例2、デキストランCを配合したものを実施例3、通
常のパン原料だけのものを比較例1とする。
たものを実施例1、デキストランBを配合したものを実
施例2、デキストランCを配合したものを実施例3、通
常のパン原料だけのものを比較例1とする。
【0039】
【表1】
【0040】表1に示す割合(重量比)で配合した原料
を、ミキサー(関東混合機株式会社製)を用いて、低速
で8 分間、中速で5 分間、高速で3 分間混捏した後、手
早く冷凍できるように分割し、丸めてパン生地を製造し
た。
を、ミキサー(関東混合機株式会社製)を用いて、低速
で8 分間、中速で5 分間、高速で3 分間混捏した後、手
早く冷凍できるように分割し、丸めてパン生地を製造し
た。
【0041】得られたパン生地を、−30℃の冷凍庫に一
晩入れて凍結させた後、−15℃で30日間保存した。
晩入れて凍結させた後、−15℃で30日間保存した。
【0042】30日間経過後、ドウコンディショナー(フ
ジサワ工業株式会社製)を用いて、温度5 ℃、湿度50%
の条件下に、60分間解凍した。続いて、温度38℃、湿度
85%のホイロに入れて60分間発酵させた後、焼成してパ
ンを得た。
ジサワ工業株式会社製)を用いて、温度5 ℃、湿度50%
の条件下に、60分間解凍した。続いて、温度38℃、湿度
85%のホイロに入れて60分間発酵させた後、焼成してパ
ンを得た。
【0043】これらのパンを一昼夜冷所に保存した後、
比容積(体積/重量)の測定、パン表面の梨肌の防止効
果及び内相のきめ細かさの評価を行った。なお、比容積
の測定は、菜種法によるパンの体積と重量の測定値から
算出し、梨肌の防止効果及び内相のきめ細かさ、食感、
風味の評価は、6 人の経験豊かなパネラーによる官能試
験により行った。
比容積(体積/重量)の測定、パン表面の梨肌の防止効
果及び内相のきめ細かさの評価を行った。なお、比容積
の測定は、菜種法によるパンの体積と重量の測定値から
算出し、梨肌の防止効果及び内相のきめ細かさ、食感、
風味の評価は、6 人の経験豊かなパネラーによる官能試
験により行った。
【0044】これらの結果を表2に示す。表2におい
て、◎は非常によい、○はよい、×は悪いを表す。
て、◎は非常によい、○はよい、×は悪いを表す。
【0045】
【表2】
【0046】表2の結果から、実施例1〜3の通常のパ
ンの原料にデキストランを配合して製造した冷凍パン
は、比較例1の通常のパンの原料だけで製造した冷凍パ
ンより、焼成後の比容積が大きく、梨肌の防止効果、内
相のきめ細かさ、食感、風味の点で優れていることがわ
かる。
ンの原料にデキストランを配合して製造した冷凍パン
は、比較例1の通常のパンの原料だけで製造した冷凍パ
ンより、焼成後の比容積が大きく、梨肌の防止効果、内
相のきめ細かさ、食感、風味の点で優れていることがわ
かる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
デキストランを有効成分として含有する冷凍パン生地用
改良剤を配合して冷凍パン生地を製造するので、パン生
地の冷凍障害が防止され、焼成後のパンの体積が大き
く、ソフト感に優れ、かつ、パン表面の梨肌の出現が防
止され、内相がきめ細かなパンを製造することができ
る。そのため、これまでは困難であったリーンな配合の
冷凍パン生地の改良にも有効であり、原料の配合や製造
条件や品種に制約されることなく、幅広いパン生地への
利用が可能である。また、デキストランは安価であるの
で、経済的にも有利である。
デキストランを有効成分として含有する冷凍パン生地用
改良剤を配合して冷凍パン生地を製造するので、パン生
地の冷凍障害が防止され、焼成後のパンの体積が大き
く、ソフト感に優れ、かつ、パン表面の梨肌の出現が防
止され、内相がきめ細かなパンを製造することができ
る。そのため、これまでは困難であったリーンな配合の
冷凍パン生地の改良にも有効であり、原料の配合や製造
条件や品種に制約されることなく、幅広いパン生地への
利用が可能である。また、デキストランは安価であるの
で、経済的にも有利である。
Claims (3)
- 【請求項1】 デキストランを有効成分とする冷凍パン
生地用改良剤。 - 【請求項2】 穀物粉と、副原料と、水とを含有する原
料を混捏してパン生地を調製する工程と、得られたパン
生地を冷凍する工程とを含む冷凍パン生地の製造方法に
おいて、前記副原料の一部としてデキストランを有効成
分とする冷凍パン生地用改良剤を添加することを特徴と
する冷凍パン生地の製造方法。 - 【請求項3】 前記穀物粉100 重量部に対して、前記冷
凍パン生地用改良剤をデキストランとして0.01〜20重量
部添加する請求項2記載の冷凍パン生地の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6170137A JPH089872A (ja) | 1994-06-29 | 1994-06-29 | 冷凍パン生地用改良剤及び冷凍パン生地の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6170137A JPH089872A (ja) | 1994-06-29 | 1994-06-29 | 冷凍パン生地用改良剤及び冷凍パン生地の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH089872A true JPH089872A (ja) | 1996-01-16 |
Family
ID=15899355
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6170137A Pending JPH089872A (ja) | 1994-06-29 | 1994-06-29 | 冷凍パン生地用改良剤及び冷凍パン生地の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH089872A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007082435A (ja) * | 2005-09-20 | 2007-04-05 | Showa Sangyo Co Ltd | パン品質改良方法、冷凍パン生地の製造方法、並びに糖質とその使用 |
| WO2014010548A1 (ja) | 2012-07-09 | 2014-01-16 | キリン協和フーズ株式会社 | 食品物性改良剤 |
| JP2015144592A (ja) * | 2014-02-04 | 2015-08-13 | 株式会社Adeka | 製パン改良材 |
| JP2017029049A (ja) * | 2015-07-31 | 2017-02-09 | 株式会社Adeka | シューパフ改良材及びシュー生地 |
| JP2017029048A (ja) * | 2015-07-31 | 2017-02-09 | 株式会社Adeka | 蒸しケーキ改良材及び蒸しケーキ生地 |
| JP2021019555A (ja) * | 2019-07-30 | 2021-02-18 | 昭和産業株式会社 | 発酵種、及びそれを用いたベーカリー製品生地、及びベーカリー製品の製造方法 |
| JP2023102339A (ja) * | 2022-01-12 | 2023-07-25 | 学校法人渡辺学園 | 減塩パンの製造方法 |
| EP4136983A4 (en) * | 2020-04-16 | 2024-01-24 | Mitsubishi Corporation Life Sciences Limited | Food property improver containing dextran-coated composition |
-
1994
- 1994-06-29 JP JP6170137A patent/JPH089872A/ja active Pending
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| KR20150036377A (ko) * | 2012-07-09 | 2015-04-07 | 엠씨 푸드 스페셜티즈 가부시키가이샤 | 식품 물성 개량제 |
| JPWO2014010548A1 (ja) * | 2012-07-09 | 2016-06-23 | Mcフードスペシャリティーズ株式会社 | 食品物性改良剤 |
| CN108967469A (zh) * | 2012-07-09 | 2018-12-11 | Mc食品科技株式会社 | 食品物性改良剂 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030218 |