JPH09101259A - 分光光度計を用いた複数成分定量方法 - Google Patents

分光光度計を用いた複数成分定量方法

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JPH09101259A
JPH09101259A JP28789195A JP28789195A JPH09101259A JP H09101259 A JPH09101259 A JP H09101259A JP 28789195 A JP28789195 A JP 28789195A JP 28789195 A JP28789195 A JP 28789195A JP H09101259 A JPH09101259 A JP H09101259A
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spectrum
absorption
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spectrophotometer
measurement sample
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Ko Inoue
香 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学的性質が似ているなど個別の定量が不要
な化合物を、その吸収スペクトル形状の類似性の大小に
かかわらず、簡便に一括して定量することができる分光
光度計を用いた複数成分定量方法を提供すること。 【解決手段】 測定試料に含まれることが予想される複
数の化合物のうち、一部の複数の化合物については、仮
想的に単一成分のスペクトルであるとみなすことができ
る仮想スペクトル13を作成し、この仮想スペクトルを
濃度演算用の校正行列作成時の基準となる参照スペクト
ルとして用いることにより、一つの化合物群としてその
総量を一括して定量計算するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、測定試料に光を
照射し、そのとき得られる吸収スペクトル中の複数の指
定された波数ポイントにおける吸光度に基づいて測定試
料中に含まれる成分を定量分析する分光光度計を用いた
複数成分の定量方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記分光光度計の一つに、フーリエ変換
赤外分光光度計(FT−IR)がある。このFT−IR
は、例えば図1に示すように構成されている。すなわ
ち、この図において、1は分析部、2はこの分析部1の
出力であるインターフェログラムを処理するデータ処理
部である。分析部1は平行な赤外光を発するように構成
された赤外光源3と、ビームスプリッタ4,固定ミラー
5,図外の駆動機構によって例えばX−Y方向に平行移
動する可動ミラー6からなる干渉機構7と、測定試料な
どを収容し、干渉機構7を介して赤外光源3からの赤外
光が照射されるセル8と、半導体検出器9などから構成
されている。そして、データ処理部2は、例えばコンピ
ュータよりなり、インターフェログラムを加算平均し、
その加算平均出力を高速でフーリエ変換し、さらに、こ
のフーリエ変換出力に基づいて測定対象成分に関するス
ペクトル演算を行うように構成されている。
【0003】上述のように構成されたFT−IRにおい
ては、次のようにして複数の成分を定量分析することが
できる。すなわち、セル8に比較試料または測定試料を
それぞれ収容して赤外光源3からの赤外光をセル8に照
射し、比較試料または測定試料のインターフェログラム
を測定する。これらのインターフェログラムをデータ処
理部2において、それぞれフーリエ変換してパワースペ
クトルを得た後、比較試料のパワースペクトルに対する
測定試料のパワースペクトルの比を求め、これを吸光度
スケールに変換することにより吸収スペクトルを得た
後、この吸収スペクトル中の複数の波数ポイントにおけ
る吸光度に基づいて測定試料中に含まれる複数の成分を
定量分析するのである。
【0004】上記複数の成分を定量分析する方法とし
て、例えば、この出願の出願人に係る特許出願(特開平
4−60422号)があり、その概要は、吸収スペクト
ル中の複数の波数ポイントにおける局所的ピーク値と局
所的バレー値との差である相対吸光度の和を求め、この
和に基づいて複数の成分の濃度を各別に得るというもの
である。また、PLS(部分最小二乗)法、PCR(主
成分分析)法なども使用できる。これらの方法はいずれ
も、濃度既知の参照スペクトルに基づいて、予め濃度演
算用のデータ(校正行列)を作成しておき、濃度未知の
試料のスペクトルデータとの演算行列により、複数の成
分の濃度を各別に算出するのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、複数の
成分を同時に定量分析することができるFT−IRを用
いて、測定試料中のある成分を定量したい場合、その成
分の濃度計算に使用している波数領域に他にも吸収をも
つ化合物が存在するときは、濃度計算用の波数ポイント
を選ぶときにそのような化合物の吸収を避けるか、ある
いは、それらの化合物も測定対象成分としておく必要が
ある。何故なら、そうしなければ、濃度計算値に他の化
合物の干渉影響を受けやすくなるからである。なお、こ
の場合、測定試料中に殆ど存在しない化合物については
無視してよい。
【0006】ところで、一般に、化合物は、その化学結
合の形に応じて特有の波数領域に吸収を持っている。こ
れは、言い換えれば、化学構造のよく似た化合物は、よ
く似た波数領域に吸収を持つということであり、特に有
機化合物において顕著である。加えて、有機化合物にお
いては、分子量が大きくなるほど吸収がブロードになる
傾向があり、そのため、化学構造のよく似た化合物どう
しは、分子量がある程度大きくなれば吸収の領域だけで
なくその形状も似通ってくる。
【0007】このように、測定試料中に、化学構造のよ
く似た化合物、特に有機化合物が何種類も混在している
と、それらの化合物のうちの一つを定量するために、化
学構造の似た他の多くの化合物をも測定対象としなくて
はならないことが多い。しかし、前述のような吸収の帯
域および形状のよく似た化合物群では、それらの吸収ス
ペクトルを正確に分離して信頼性のある定量分析値を得
ることは困難である。また、干渉計としてきわめて高い
分解能およびS/Nを有する装置を用いれば分離しやす
くなるが、その場合でも、正確な定量分析値を得るには
測定対象成分として非常に多くの化合物を考慮すること
が必要である。これでは、濃度計算で扱うデータ量が多
くなり過ぎるため、データの処理速度が遅くなり、特に
連続分析時には不都合が生じる。
【0008】このような不都合を解消するものとして、
この出願の出願人に係る特開平4−265842号公報
に開示された複数成分定量方法がある。この複数成分定
量方法によれば、互いに類似した赤外吸収スペクトル
(例えば、炭素数3以上のアルカンの2800〜300
0cm-1付近の赤外吸収など)を持つ成分を定量する場
合、無理に分離定量しなくても、ある代表成分のスペク
トルを参照スペクトルとして校正行列を作成すること
で、おおよその総量を算出することができる。
【0009】しかしながら、上記出願に係る複数成分定
量方法においては、スペクトルの類似性が高いことを前
提としているため、類似性の低い成分をも一括して定量
したい場合、相対的な感度が非常に低くなり、満足でき
る結果が得られないことがあった。
【0010】この発明は、上述の事柄に留意してなされ
たもので、その目的は、化学的性質が似ているなど個別
の定量が不要な化合物を、その吸収スペクトル形状の類
似性の大小にかかわらず、簡便に一括して定量すること
ができる分光光度計を用いた複数成分定量方法(以下、
単に複数成分定量方法という)を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、測定試料に光を照射し、そのとき得ら
れる吸収スペクトル中の複数の指定された波数ポイント
における吸光度に基づいて測定試料中に含まれる成分を
定量分析する分光光度計を用いた複数成分定量方法にお
いて、測定試料に含まれることが予想される複数の化合
物のうち、一部の複数の化合物については、仮想的に単
一成分のスペクトルであるとみなすことができる仮想ス
ペクトルを作成し、この仮想スペクトルを濃度演算用の
校正行列作成時の基準となる参照スペクトルとして用い
ることにより、一つの化合物群としてその総量を一括し
て定量計算するようにしている。
【0012】この場合、校正行列作成時の基準となる仮
想スペクトルは、計算機上で各成分スペクトルから合成
したところの合成スペクトルを用いたり、また、数成分
を混合した試料の吸収スペクトルを用いることができ
る。
【0013】上記複数成分定量方法によれば、吸収スペ
クトル形状の類似性が低い化合物どうしであっても、そ
れらの総量を簡便にしかも従来よりも精度よく定量する
ことができ、したがって、信頼性のある定量分析結果を
得ることができる。そして、合成スペクトルは、濃度の
信頼できる混合ガスを実際に作成するのが難しい成分ど
うしの場合に好適に使用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の詳細を、図を参
照しながら説明する。
【0015】この発明の複数成分定量方法が従来のこの
種の複数成分定量方法と大きく異なる点は、測定試料に
含まれることが予想される複数の化合物のうち、一部の
複数の化合物については、仮想的に単一成分のスペクト
ルであるとみなすことができる仮想スペクトルを作成
し、この仮想スペクトルを校正行列作成時の基準となる
参照スペクトルとして用いることにより、一つの化合物
群としてその総量を一括して定量計算するようにした点
である。
【0016】第1の実施の形態として、例えば、同じカ
ルボン酸(R−COOH)に属する蟻酸(HCOOH)
と酢酸(CH3 COOH)とを、900〜1300cm
-1付近の赤外吸収に基づいて定量する場合について説明
する。
【0017】図2は、図1に示したFT−IRを用いて
測定したほぼ同一濃度〔仮に100(単位は任意)とす
る〕の蟻酸と酢酸の吸収スペクトルを示すもので、この
図2において、符号11で示す曲線は、蟻酸の吸収スペ
クトルであり、符号12で示す曲線は、酢酸の吸収スペ
クトルである。
【0018】上記蟻酸と酢酸は、ともにカルボキシル基
(COOH)を有し、よく似た化学構造をもつにもかか
わらず、図2に示すような波数領域では、スペクトルは
ほとんど重なることはない。そのため、PLS法やPC
R法などを用いて、これらの成分を総量として定量しよ
うとしても、蟻酸を参照スペクトルとして作成した校正
行列では酢酸に対してほとんど感度が得られず、また、
酢酸を参照スペクトルとした場合は蟻酸に対してほとん
ど感度が得られない。
【0019】そこで、前記両吸収スペクトル11,12
を計算機上で合成し、図3に示すような合成スペクトル
13を仮想的に得る。図4は、その濃度を0,20,4
0,60,80,100の6段階に変化させた場合を示
し、図中の符号〜の曲線が0〜100にそれぞれ対
応している。
【0020】前記図4に示すスペクトルを参照スペクト
ルとして作成した校正行列によれば、蟻酸と酢酸との総
量を定量することができる。この場合、感度は、例え
ば、蟻酸に対して感度比が約2/3(蟻酸100に対し
て67程度)、酢酸に対して感度比が約1/3(酢酸1
00に対して33程度)というように、やや低くなる。
【0021】そこで、校正行列を作成する際に、合成ス
ペクトルの濃度の情報を、例えば、0,30,60,9
0,120,150というように1.5倍しておけば、
蟻酸に対しては、約1/1倍(=2/3×3/2)、酢
酸に対しては約1/2(=1/3×3/2)の感度が得
られる。
【0022】あるいは、校正行列作成時の濃度情報は、
0〜100のままで、未知スペクトルからの濃度演算結
果に係数を乗ずるようにしてもよい(係数を1.5とす
ると上述した例と同じ結果が得られる)。
【0023】次に、第2の実施の形態として、アルカン
(メタン・エタン・プロパン・n−ブタン・i−ブタ
ン、……)を2800〜3000cm-1の赤外吸収から
一括定量する場合について説明する。
【0024】前記アルカンのうち、プロパンより炭素数
の多いもの(n−ブタン・i−ブタン・……)について
は、プロパンとよく似た吸収をもつため、プロパンを参
照スペクトルとする校正行列で、おおよその総量として
の定量が可能である。そこで、この場合、残りのメタン
・エタンとプロパンとの合成スペクトルとの合成スペク
トルを参照スペクトルとし、校正行列を作成すればよ
い。
【0025】上述の実施の形態は、いずれも計算機上で
各成分スペクトルを合成して仮想的なスペクトルでを求
め、この仮想スペクトルを濃度演算用の校正行列作成時
の基準となる参照スペクトルとして用いることにより、
一つの化合物群としてその総量を一括して定量計算する
ようにしていたが、これに代えて、一括定量すべき複数
の成分を混合して混合標準ガスとし、これをFT−IR
で測定してスペクトル(仮想スペクトル)を得、この仮
想スペクトルを濃度演算用の校正行列作成時の基準とな
る参照スペクトルとして用いるようにしてもよい。
【0026】この発明は、FT−IRによる複数成分の
定量のみならず、広く分光光度計による複数成分の定量
方法に適用することができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、吸収スペクトル形状の類似性が低い化合物どうしで
あっても、それらの総量を簡便にしかも従来よりも精度
よく定量することができ、したがって、信頼性のある定
量分析結果を得ることができる。
【0028】そして、請求項2に記載の発明によれば、
濃度の信頼できる混合ガスを実際に作成するのが難しい
成分どうしの場合にも簡単に定量することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明方法を実施するための装置の一例を概
略的に示す図である。
【図2】代表的なカルボン酸の吸収スペクトルを示す図
である。
【図3】合成スペクトルの一例を示す図である。
【図4】図3に示した合成スペクトルの濃度を0,2
0,40,60,80,100の6段階に変化させて示
す図である。
【符号の説明】
13…仮想スペクトル。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定試料に光を照射し、そのとき得られ
    る吸収スペクトル中の複数の指定された波数ポイントに
    おける吸光度に基づいて測定試料中に含まれる成分を定
    量分析する分光光度計を用いた複数成分定量方法におい
    て、測定試料に含まれることが予想される複数の化合物
    のうち、一部の複数の化合物については、仮想的に単一
    成分のスペクトルであるとみなすことができる仮想スペ
    クトルを作成し、この仮想スペクトルを濃度演算用の校
    正行列作成時の基準となる参照スペクトルとして用いる
    ことにより、一つの化合物群としてその総量を一括して
    定量計算するようにしたことを特徴とする分光光度計を
    用いた複数成分定量方法。
  2. 【請求項2】 仮想スペクトルが計算機上で各成分スペ
    クトルから合成したところの合成スペクトルである請求
    項1に記載の分光光度計を用いた複数成分定量方法。
  3. 【請求項3】 仮想スペクトルが数成分を混合した試料
    の吸収スペクトルである請求項1に記載の分光光度計を
    用いた複数成分定量方法。
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