JPH09101263A - アミン類捕集剤、アミン類捕集装置及びアミン類の捕集・分析方法 - Google Patents

アミン類捕集剤、アミン類捕集装置及びアミン類の捕集・分析方法

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JPH09101263A
JPH09101263A JP8196562A JP19656296A JPH09101263A JP H09101263 A JPH09101263 A JP H09101263A JP 8196562 A JP8196562 A JP 8196562A JP 19656296 A JP19656296 A JP 19656296A JP H09101263 A JPH09101263 A JP H09101263A
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amine
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辰夫 野牧
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気中に含まれる第一級アミン、第二級アミ
ン、アンモニア等のアミン類を容易に捕集し、分析に供
し得る捕集剤およびこれを用いた捕集装置、さらには捕
集された該アミン類を迅速かつ高感度に分析できる方法
を提供する。 【解決手段】 アミン類捕集剤2を捕集管1に充填し、
吸引ポンプ4で大気を吸引する等により、大気を該アミ
ン類捕集剤2に接触させ、大気中のアミン類を捕集し、
その後蛍光検出する。蛍光検出を行うために、固体粒子
にアミン蛍光ラベル化剤をコーティングした捕集剤を用
い、気体中のアミン類を該ラベル化剤の誘導体として捕
集する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気等の気体中に
含まれる微量不純物ガスの分析法、特に大気中のアミン
類の捕集剤、アミン類の捕集装置及び該アミン類の捕集
・分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大気中に存在するアンモニア、アミン類
は代表的な異臭物質の一つであり、その臭いは鮮魚類の
腐敗臭として知られている。魚腸骨処理工場や化学工場
などから発生するアミン類の悪臭は深刻な問題であり、
環境大気の清浄化が望まれているが、そのためには大気
中のアンモニア・アミン類捕集法の確立が必要である。
【0003】一方、超LSI製造工程プロセスでは、ク
リーンルーム内の不純物ガスの管理分析技術確立が不可
欠となっている。無機イオンの分析には、インピンジャ
等で大気中のイオン成分を超純水中に捕集し、それをイ
オンクロマトグラフ法(IC)により検出する手法が用
いられている。
【0004】しかしながら、今までほとんど重要視され
ていなかった大気中の超微量の有機物による汚染も、半
導体装置の種々の欠陥や超LSI製造工程の歩留まりの
低下の原因となることが最近明らかになり、有機物の検
出に関しても無機物と同レベルの感度が求められるよう
になった。特に、有機イオン性化合物であるアンモニ
ア、アルカノールアミン、脂肪族アミン、芳香族アミン
等のアミン類は、反応性が高くリソグラフィー工程にお
けるレジスト硬化の障害となるなどの不具合の原因とな
ることが明らかになってきており、その分析法の開発が
特に重要となっている。
【0005】クリーンルーム中のアンモニアは外気,ウ
ェハ洗浄液やCVD原料ガス等に起因すると考えられ
る。また、アミン類はクリーンルームのボイラー水の添
加剤に含まれている成分や人体から発生する成分が考え
られる。これらのアンモニアやアミン類が微量ガスとし
て半導体製造プロセスの歩留り低下の一因となっている
ことが明らかになりつつある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、アンモニア・ア
ミン類の捕集法として、分析が目的のものとしては、イ
ンピンジャ純水捕集法もしくは硫酸をコーティングした
濾紙に空気を通過させる濾紙吸収法が用いられてきた。
しかし、両者とも瞬間サンプリングができないという問
題点があった。
【0007】また、インピンジャ法では捕集効率を高め
るために、超純水を100ml以上と大量に用いるた
め、濃縮が困難であった。また、濾紙吸収法も捕集後に
濾紙ホルダーから濾紙を取り外し、ビーカーに入れ、溶
媒に浸して抽出して分析装置にかけるため、操作中の空
気や容器からのコンタミネーションのため微量不純物ガ
スの高感度検出法としては問題があった。
【0008】従来、アミンの分析には、無機イオンと同
様にイオンクロマトグラフ法(IC法)やガスクロマト
グラフ−質量分析法(GC−MS法)が用いられてきた
が、IC法は炭素数が3以上のアミンは測定できないと
いう欠点がある。またアミンはカラムへの吸着特性が強
いためGC−MS法ではテーリング等の問題があり、望
ましくなかった。
【0009】なお、分析以外の目的のアンモニア・アミ
ン類の捕集法ではあるが、空気清浄のみを目的としたケ
ミカルフィルターが知られている。これはリン酸をコー
ティングした濾紙等に空気を通してアンモニア・アミン
類を捕集し、清浄な空気を得るというものである。しか
しケミカルフィルターを用いる捕集法は、捕集寿命が短
く、また、破過時間が不確定であり、ポンプ負荷が大き
いため、消費電力がかかる等の問題点があった。
【0010】本発明は、大気等の気体に含まれるアミン
類を容易に捕集、分析に供し得る捕集剤及びこれを用い
た捕集装置、さらにはこの捕集装置により該捕集剤に捕
集されたアミン類を迅速かつ高感度に分析する方法を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは鋭意研究を行った結果、シリカ、アル
ミナ等の固体状物質にアミン蛍光ラベル化剤をコーティ
ングしたアミン捕集剤およびこれを用いた捕集装置が高
効率でアミン類を捕集すること、及び該捕集剤に捕集さ
れたアミン類を蛍光検出することにより迅速にアミン類
が分析できることを見出した。
【0012】すなわち、本発明の第1の特徴は固体状物
質の少なくとも一部にアミン蛍光ラベル化剤をコーティ
ングしてなり、気体中に含まれる第一級アミン、第二級
アミン及びアンモニアの中から選ばれるアミン類を蛍光
ラベル化剤誘導体として捕集するアミン類捕集剤および
この捕集剤を用いた捕集装置であることである。なお、
本発明においては第1級アミン、第二級アミン及びアン
モニアを総称してアミン類と呼ぶこととする。
【0013】本発明の第1の特徴における捕集剤を調製
する際に用いられる固体状物質としては、蛍光ラベル化
剤及びアミン類との反応に不活性な無機物、有機物を用
いることができる。形状としては、表面積が広い、粒子
状若しくは繊維状、網目状、発泡体状、不織布状固体が
適している。繊維状又は不織布状固体としては、表面積
を広くするために、金属アルミニウムにシリカゲルを混
合して繊維としたものや、ペレット状ポリエステルにシ
リカゲルを混合し繊維としたものが考えられる。又、瀘
紙に用いられるセルロース、セルロース混合エステル、
ポリビニリデンジフロライド(親水性・疎水性)、ポリ
テトラフルオロエチレン(疎水性・親水性)、ガラス繊
維、ニッケルやステンレス繊維の表面積をエッチング操
作により広げたものでも良い。これらの繊維を網目状に
編んでもよい。
【0014】固体状物質へのアミン蛍光ラベル化剤のコ
ーティング法は、該ラベル化剤の弱アルカリ性バッファ
ー溶液に、該固体状物質を浸漬、または、該固体状物質
に該ラベル化剤のバッファー溶液を通液、または滴下し
た後、該固体状物質を乾燥して該溶媒を除去する方法が
一般的である。ここで弱アルカリ性バッファーを用いる
理由は、現在、大気中にSOx やNOx のような多くの
酸性物質が存在しているためである。一般に蛍光ラベル
化反応は、弱アルカリ性下で進むため、捕集剤が大気中
の酸性物質により酸性に変化するとラベル化反応が進ま
なくなり、捕集を行なうことができない。また、図12
に示すように、ラベル化反応の反応率は反応時のpHに
より変化するためバッファを用いずに水酸化ナトリウム
のようなアルカリ物質を用いると、捕集後に定量が困難
になってしまうためである。よって、pH変化を最小限
に押さえることのできるバッファーの使用が望ましい。
【0015】上記のようにして、本発明の第1の特徴の
アミン類捕集剤を調製することができるが、該捕集剤に
より捕集可能なアミン類は、第一級アミン、第二級アミ
ン及びアンモニアである。該アミン類は、常温常圧で液
体や固体であるものでも、気体中で蒸気圧を持つ、或い
はミスト状のアミン類であっても良いことはもちろんで
ある。
【0016】本発明の第1の特徴のアミン類捕集剤は、
より具体的には図1に示すように捕集管(捕集部)1の
内部に充填し、この捕集管を吸引ポンプ、軸流ダクトフ
ァンやシロッコファン等の吸引手段4で吸引して、被測
定大気を捕集剤2に接触して通過するように構成し、ア
ミン類捕集装置とすることが好ましい。
【0017】あるいは、アミン類捕集剤を薄層状にして
もよい。例えば、粒子状捕集剤2をガラス製基板に薄層
にコーティングして捕集基板としてもよい。あるいは、
薄層クロマトグラフィー用プレートを用いる場合には、
図2に示すように、バッファーにより弱アルカリ性に調
整された蛍光ラベル化剤溶液をプレート5上に滴下し、
乾燥して溶媒を除去してアミン類捕集剤2としてもよ
い。この薄層の形状は特に図2に示す以外の形でも問題
ない。
【0018】あるいは、瀘紙を上記蛍光ラベル剤溶液に
浸漬し、基板上に広げ、乾燥して溶剤を除去してアミン
類捕集装置としても良い。
【0019】このような薄層状の捕集装置を被測定大気
中に放置しておくと、大気中のアミン類は自然気流によ
り捕集基板に接触し、捕集され、アミン蛍光ラベル化剤
の誘導体となる。
【0020】すなわち、本発明の第一の特徴のアミン類
捕集剤及びこれを用いた装置は、大気等のアミン類を容
易に前記蛍光ラベル化剤の誘導体として捕集することが
できる。
【0021】アンモニアやメチルアミン等は、水に溶解
するが、揮発性も高いため、従来のインピンジャで超純
水中で捕集できるとしても完全ではなかった。しかし、
本発明では、それらアミン類は、捕集剤上でラベル化剤
と直ちに反応し、分子量の大きな誘導体となるため、再
揮発する心配がなく、完全に捕集できる。また、本発明
に係るラベル化剤で誘導体化されたアミン類の蛍光は非
常に強く、高感度検出に適している。
【0022】この誘導体の分析方法としては、直接紫外
線を照射することにより、蛍光検出しても良いし、ある
いは、溶媒により抽出し、蛍光検出してもよい。アミン
誘導体を形成すると蛍光を発するようになるが、蛍光ラ
ベル化剤自身は蛍光を持たないため、全体の蛍光強度を
測定することで、アミン類全体の定量を行うことができ
る。各アミンによってモル蛍光強度は異なるが、大差な
いため、例えばメチルアミン等の代表的アミンの検量線
を元に「メチルアミン換算値」として計算すればよい。
ただし、試薬由来の分解物からなるバックグラウンドの
蛍光が見られることがあるので、非測定大気に触れさせ
ない同一の捕集装置を作り、ブランクとして用い、その
値を差し引いて定量する必要がある。
【0023】また、溶媒により抽出した後、高速液体ク
ロマトグラフィ(HPLC)により分離し、蛍光検出を
行なって分析しても良い。この方法を用いると、各アミ
ンの正確な定量を行うことができる。
【0024】あるいは、図2のような薄層クロマトグラ
フィー用プレートを用いる場合には、図3に示すよう
に、その底部に溶媒9が入った展開槽8に捕集基板5の
下部6を浸け、毛細管現象により誘導体を展開、濃縮
し、直接蛍光検出、あるいはその濃縮部を溶媒で抽出
し、蛍光検出してもよい。
【0025】これらの薄層状のアミン類捕集剤は、通常
厚さ0.01mm〜1mmである。これは、層が厚すぎ
ると過剰な蛍光ラベル化剤溶液を使用することになり、
試薬ブランク値が高くなってしまうためである。
【0026】これらの薄層状の捕集剤における基板とし
て使用し得る基板は、ガラス、アルミニウム等の金属、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック等であ
る。
【0027】また、本発明の第1の特徴のアミン類捕集
剤は、図4,図5,図6に示す捕集装置の捕集部に使用
しても良い。
【0028】また、上記第一の特徴で説明した捕集剤を
充填した捕集管に該アミノ類を含む気体を通過させて捕
集した後、XeランプやArレーザー光等の紫外線励起
光を照射し該捕集管の気体流入口からの蛍光検出幅を測
定することにより、気体中のアミン類濃度を測定するこ
ともできる。この場合、蛍光検出部分の管の材質として
は、紫外線透過無蛍光の材料、例えば石英ガラス、サフ
ァイヤや水晶が用いられていることが望ましい。
【0029】このように、本発明の第1の特徴のアミン
類捕集剤及びこれを用いたアミン類捕集装置は、大気等
の気体中の第一級アミン、第二級アミン及びアンモニア
を効率良く捕集して、容易に蛍光ラベル化剤誘導体とし
て捕集することができる。また、IC法では分析できな
かった炭素数3以上のアミン類も高感度に分析できる。
本発明の第一の特徴の分析法は、室内、室外、クリーム
ルーム等の環境管理に特に有効である。
【0030】本発明の第二の特徴は、被測定大気が収容
される若しくは通過する容器と、前記容器の一部に設け
られたアミン類捕集部とから少なくとも成り、前記容器
の内部がアミン類が吸着しない処理がされていることを
特徴とするアミン類捕集装置である。
【0031】このアミン類捕集部として、本発明の第一
の特徴である蛍光ラベル化剤をコーティングしたアミン
類捕集剤を用いても良いし、あるいは、揮発性の低い酸
をコーティングしたアミン類捕集剤を用いても良い。あ
るいは、アミン類と反応して常温で非揮発性の物質とさ
せるようなハロゲン化アルキン等の反応試薬、またはp
H指示薬のようにアミンと反応して呈色する指示薬等を
用いても良い。装置の形状としては、例えば、図4,図
5,図6に示すように被測定大気を収容若しくは通過す
る容器11,26,31と、この容器の一部に設けられ
たアミン類捕集部17,27,28,29,34とから
成るアミン類捕集装置とすることが好ましい。図4,図
5において容器11,26および内部の部品16,32
は、アルカリコーティング等の表面処理によってアミン
類が吸着しないように処理がされている。図4において
は被測定大気を収容後、撹拌子16等により内部の大気
を撹拌し、アミン類をアミン類捕集部17に捕集するも
のである。図5,図6においては、被測定大気がアミン
類捕集部27,28,29,34に直接衝突して、アミ
ン類捕集部27,28,29,34に捕集されるように
するものである。
【0032】捕集後はアミン類捕集部1,17,27,
28,29,34を取出し、溶媒等を加えることで溶出
し、IC、HPLC、GC等の分析装置に直接注入する
ことにより、容易に分析することができる。また、溶媒
溶出せずに、そのまま捕集部17,27,28,29,
34の呈色を確認したり、紫外線等の光を当て、蛍光や
UV吸収を測定することで定量を行っても良い。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態
に係る気体中のアミン類の捕集装置および捕集方法の一
例を示す。図1において、捕集管1には、捕集剤2が充
填されており、この入口、出口には、ポア径20μmの
ポリエチレン製フィルター3が設けられている。捕集管
1は直径0.5〜1.5cm、長さ0.5〜2cmの円
筒形状、又は一辺が0.5〜1.5cmの四角形の断面
形状を有し、長さが0.5〜2cmの直方体形状のもの
が好ましい。捕集剤2が10〜400mg程度納めら
れ、排気コンダクタンスが小さくなりすぎないものがよ
い。この捕集管1を吸引手段としての吸引ポンプ4に接
続し、吸引ポンプ4を駆動することにより、捕集剤2に
接触して大気が通過し気体中のアミン類が捕集管1中の
捕集剤2に捕集される。吸引手段としては吸引ポンプ以
外に軸流ダクトファンやシロッコファン等のファンを用
いてもよく、何らかの手法で圧力差を設けて吸引しても
よい。
【0034】本発明の第1の実施の形態に用いる捕集剤
2を調製する際に用いられる固体状物質としては、蛍光
ラベル化剤及びアンモニア・アミン類との反応に不活性
な無機物、有機物を用いることができる。形状として
は、表面積が広い、粒子状若しくは繊維状、網目状、発
泡体状、不織布状固体が適している。繊維状又は不織布
状固体としては、表面積を広くするために、金属アルミ
ニウムにシリカゲルを混合して繊維としたものや、ペレ
ット状ポリエステルにシリカゲルを混合し繊維としたも
のが好ましい。又、瀘紙に用いられるセルロース、セル
ロース混合エステル、ポリビニリデンジフロライド(親
水性・疎水性)、ポリテトラフルオロエチレン(疎水性
・親水性)、ガラス繊維、活性炭繊維あるいは、ニッケ
ルやステンレス繊維の表面積をエッチング操作により広
げたものでも良い。さらにこれらの繊維を網目状に編ん
でもよい。発泡体状固体としてはニッケルやチタンにシ
リカゲルを混合し、発泡させたものが考えられる。
【0035】固体状物質に用いる粒子状無機物質として
は、例えばシリカ(SiO2 )、又はアルミナ(Al2
3 )を必須成分として含む粒子が使用可能である。又
粒子状有機物質としては、例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、スチ
レン−ジビニルベンゼン共重合体等のスチレン系樹脂又
はポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂の粒子
が粒子状捕集剤の固体状物質として使用可能である。シ
リカ又はアルミナを必須成分として含む固体としては、
シリカ、シリカゲル、ケイ酸マグネシウム(MgO・n
SiO2 )、アルミナ、シリカ・アルミナ等を使用する
ことができる。これらの中でも、それ単独で用いる場合
は、ケイ酸マグネシウムが特に望ましい。これら固体粒
子は、通常1〜500μmの粒子径を持ち、特に無機固
体粒子は孔径が3〜50nm、比表面積100〜100
0m2 /gの多孔質のものが好ましい。
【0036】又、シリカを基材とするものは、その表面
に置換シリル基が結合したものを使用することが好まし
い。置換シリル基結合固体粒子は、アミン類との反応を
促進するという特長を有するからである。置換シリル基
としては、シアノプロピルシリル[−Si(CH3 )(C
2 3 CN](CN)、オクタデシルシリル[−Si
(CH3 2 1837](ODS)、プロピルオキシプ
ロパンジオールシリル[−Si(CH2 3 OCH2
H(OH)CH2 OH](ジオール)、t−オクタデシ
ルシリル[−SiC1837]、オクチルシリル[−Si
(CH3 2 8 17](C8)、エチルシリル[−S
iC2 5 ]、フェニルシリル[−Si(CH3 2
6 5 ](フェニル)等が挙げられるが、これらの中で
もCN、ODS、フェニル、が、特にCNが望ましい。
しかしアミン吸着力の強い置換基のついた、ジオール
(OH)や表面処理をしていないシリカゲル粒子そのも
の等順相分配型はアミン吸着力が強すぎるので溶媒で抽
出して定量分析する際には回収率が低くなり、好ましく
ない。
【0037】アミン蛍光ラベル化剤には、ラベル化剤自
身に蛍光を持たないが、1級若しくは2級アミン又はア
ンモニアと反応することで強い蛍光を発するもの、例え
ば、4−クロロ−7−ニトロ−2,1,3−ベンゾキサ
ジアゾール(NBD−Cl)、4−フルオロ−7−ニト
ロ−2,1,3−ベンゾキサジアゾール(NBD−
F)、4−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)−7
−フルオロ−2,1,3−ベンゾキサジアゾール(DB
D−F)、4−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)
−7−クロロ−2,1,3−ベンゾキサジアゾール(D
BD−Cl)、o−フタルアルデヒド(OPA)、5−
ジメチルアミノナフタレン−1−スルホニルクロリド
(DNS−C1)、4−ブロモ−7−ニトロ−2,1,
3−ベンゾキサジアゾール(NBD−Br)、アンモニ
ウム−7−フルオロ−2,1,3−ベンゾキサジアゾー
ル−4−スルホネート(SBD−F)、4−(アミノス
ルホニル)−7−フルオロ−2,1,3−ベンゾキサジ
アゾール(ABD−F)、4−(クロロスルホニル)−
7−フルオロ−2,1,3−ベンゾキサジアゾール(C
BD−F)、4−(フルオロスルホニル)−7−フェノ
キシ−2,1,3−ベンゾキサジアゾール(PBD−S
2 F)、4−(フルオロスルホニル)−7−ベンゾロ
す一キシ−2,1,3−ベンゾキサジアゾール(BBD
−SO2 F)、2,3−ナフタレンジアルデヒド(ND
A)、3−(2−フロイル)キノリン−2−アルデヒ
ド、フルオレッサミン、9−フルオレニルメチルクロロ
ホルメート(FMOC−C1)、2−(1−ピレニル)
エチルクロロホルメート、3,4−ジヒドロ−6,7−
ジメトキシ−4−メチル−3−オキサキノキサリン−2
−カルボニルクロリド、6−メトキシ−2−メチルスル
ホニルキノリン−4−カルボニルクロリド、7−ジメチ
ルアミノクマリン−3−カルボニルクロリド等が使用で
きるが、中でも反応が速く、蛍光強度が非常に大きいN
BD−F及びNBD−Cl、特にNBD−Fが望まし
い。
【0038】本発明の第一の実施の形態において、蛍光
ラベル化剤と共に使用するpH7.5〜9.5のバッフ
ァーとしては、ホウ酸緩衝液等が考えられる。ホウ酸緩
衝液は、ホウ酸/メタノール溶液に水酸化カリウム/メ
タノール溶液を徐々に加えていく方法で作成することが
できる。その他の緩衝液としては、ホウ酸−水酸化ナト
リウム緩衝液、四ホウ酸ナトリウム−塩酸緩衝液、リン
酸二水素カリウム−水酸化ナトリウム緩衝液等が考えら
れる。この時に用いるホウ酸等の酸は、アミンを不純物
として含まない「アミノ酸分析用」以上のグレードの試
薬を用いると良い。
【0039】通常は濃度0.1M〜1.0Mのバッファ
ー溶液に0.5〜2.0(mg/ml)の濃度となるよ
う、アミン蛍光ラベル剤を調整する。また、溶液に、
0.1〜1.0%のグリセリンのような潤滑剤を加え、
蛍光ラベル化剤の固体状物質へのコーティング力を強め
ることも有効である。
【0040】こうして作成した溶液に、上記で説明した
固体状物質を侵漬、または固体状物質に溶液を通液、ま
たは、滴下し、固体状物質をデシケータ等に入れ、真空
ポンプで減圧し、溶媒を除去して乾燥する方法を取り、
アミン類捕集剤を作成する。
【0041】上記アミン蛍光ラベル化剤を固体状物質に
コーティングする際に用い得る溶媒としては、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノー
ル、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、
ジメチルスルホキシド、四塩化炭素、クロロホルム、ジ
クロロメタン、ジクロロエタン、水等が挙げられる。
【0042】又、本発明の第一の実施の形態において、
アミン類の定性、定量分析を行なうに、アミン類捕集剤
2を充填した管1に吸引ポンプ4を用いて被測定大気と
吸引し、アミン類を捕集した後、捕集剤に直接紫外線を
照射して蛍光を検出する方法及び、捕集剤に溶媒や超臨
界流体等を流し、アミン蛍光ラベル化誘導体を抽出し、
その溶液の蛍光強度を測定することで行うことができ
る。
【0043】直接紫外線を照射して蛍光を検出する場合
は、励起波長及び蛍光波長に対して光学的に透過性のあ
る石英ガラスやサファイヤ、水晶を管の一部に使用する
とよい。すなわち、捕集剤2は捕集管1の気体流入口付
近から気体流出口へ向かって徐々に蛍光ラベル化誘導体
に変化するが、この変化した部分の捕集剤は捕集管の外
からXeランプやArレーザ光で励起すれば蛍光を発す
る。そこで捕集管1の流入口からの蛍光の幅を測定する
ことでアミン類濃度を測定できる。
【0044】又、溶媒や超臨界流体で抽出する場合に
も、同様に溶液の蛍光を測定すればよいが、別の方法と
して、流体クロマトグラフィや超臨界流体クロマトグラ
フィを用いて分離した後に蛍光検出を行うこともでき
る。分離を行うと、各アミンの定性及び正確な定量分析
を行うことができる。使用しうる液体クロマトグラフィ
は、カラムクロマトグラフィ、薄層クロマトグラフィ等
が挙げられるが、特に高速液体クロマトグラフィ(HP
LC)が高分離能であり、望ましい。
【0045】本発明の第1の実施の形態により捕集可能
なアミン類は、第一級アミン、第二級アミン及びアンモ
ニアである。該アミン類は、常温常圧で液体や固体であ
るものでも、気体中で蒸気圧を持つ、或いはミスト状の
アミン類であっても良い。第一級アミンとしては、メチ
ルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、プロピ
ルアミン、ブチルアミン、2−アミノエタノール等の飽
和脂肪族第一級アミン、アリルアミン等の不飽和脂肪族
第一級アミン、シクロプロピルアミン等の脂環式第一級
アミン、アニリン等の芳香族第一級アミンが、第二級ア
ミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイ
ソプロピルアミン等の飽和脂肪族第二級アミン、ジアリ
ルアミン等の不飽和脂肪族第二級アミン、メチルアニリ
ン等の芳香族第二級アミン等が、それぞれ挙げられる。
【0046】以上述べたように本発明第1の実施の形態
の捕集剤及び捕集装置は、気体中の第一級アミン、第二
級アミン及びアンモニアを効率よく捕集して、アミン蛍
光ラベル化剤の誘導体とすることができ、それらアミン
類を迅速かつ高感度で分析することができる。すなわ
ち、本発明の第1の実施の形態によれば炭素数によらず
大気中のサブppbレベルのアミン類の高感度検出がで
きる。
【0047】図2は、本発明の第二の実施の形態に係る
アミン類捕集装置の概略図を示し、薄層クロマトグラフ
ィ(TLC)を用いた場合の一例である。TLC用プレ
ートを用いる場合には、図2に示すように、バッファー
により弱アルカリ性に調整された蛍光ラベル化剤溶液を
プレート5上に滴下し、乾燥して溶媒を除去してアミン
類捕集剤2とするのが一般的である。この薄層の形状は
特に図2に示す以外の形でも問題ない。
【0048】捕集基板5の大きさは、例えば一辺が10
〜20cmとすればよい。また、符号7は蛍光ラベル化
剤の誘導体が濃縮される部分を示す。濃縮部7の寸法は
例えば1cm×1cmとすればよい。図2の符号6は、
アミン蛍光ラベル化剤がコーティングされていない部分
を示している。
【0049】市販されている薄層クロマトグラフィを用
いる際には、プレートを溶媒でよく洗浄した後、蛍光ラ
ベル化剤溶液に浸漬したり、蛍光ラベル化剤溶液を滴下
して、コーティングしてもよい。その後、デシケータ内
に入れ、真空ポンプで減圧乾燥することにより、溶媒を
除去して、捕集装置として使用する。
【0050】薄層クロマトグラフィを用いない場合に
は、粒子状捕集剤2を基板に薄層コーティングして捕集
基板としてもよい。あるいは、瀘紙を上記蛍光ラベル化
剤溶液に浸漬し、基板上に広げ、乾燥して溶媒を除去し
てアミン類捕集装置としても良い。
【0051】これらの薄層状のアミン類捕集剤は、通常
厚さ0.01mm〜1mmである。これは、層が厚すぎ
ると過剰な蛍光ラベル化剤溶液を使用することになり、
試薬ブランク値が高くなってしまうためである。これら
の薄層状の捕集剤における基板として使用し得る基板
は、ガラス、アルミニウム等の金属、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のプラスチック等である。
【0052】これらの捕集剤を調整する際に用いられる
固体状物質としては、第一の実施の形態と同様に蛍光ラ
ベル化剤及びアミン類との反応に不活性な無機物、有機
物を用いることが好ましい。形状としては、表面積が広
い、粒子状若しくは繊維状、網目状、発泡体状、不織布
状固体が適している。アミン蛍光ラベル化剤には、本発
明の第1の実施の形態と同様にラベル化剤自身に蛍光を
持たないが、1級若しくは2級アミン又はアンモニアと
反応することで強い蛍光を発するもの、例えば、NBD
−Cl、NBD−F、DBD−F、DBD−Cl、OP
A、DNS−C1、NBD−Br、SBD−F、ABD
−F、CBD−F、PBD−SO2 F、BBD−SO2
F、NDA、3−(2−フロイル)キノリン−2−アル
デヒド、フルオレッサミン、FMOC−C1、2−(1
−ピレニル)エチルクロロホルメート、3,4−ジヒド
ロ−6,7−ジメトキシ−4−メチル−3−オキサキノ
キサリン−2−カルボニルクロリド、6−メトキシ−2
−メチルスルホニルキノリン−4−カルボニルクロリ
ド、7−ジメチルアミノクマリン−3−カルボニルクロ
リド等が使用できるが、中でも反応が速く、蛍光強度が
非常に大きいNBD−F及びNBD−Cl、特にNBD
−Fが望ましい。上記アミン蛍光ラベル化剤を固体状物
質にコーティングする際に用い得る溶媒としては、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノ
ール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルスルホキシド、四塩化炭素、クロロホル
ム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等を用いればよ
い。
【0053】図2の捕集装置を被測定大気中に放置して
おくと、大気中のアミン類は自然気流により捕集基板に
接触し、捕集され、アミン蛍光ラベル化剤の誘導体とな
る。
【0054】この誘導体の分析方法としては、直接捕集
基板上に紫外線を照射することにより、蛍光検出しても
良いし、あるいは、溶剤により抽出し、蛍光検出しても
よい。アミン誘導体を形成すると蛍光を発するようにな
るが、蛍光ラベル剤自身は蛍光を持たないため、全体の
蛍光強度を測定することで、アミン類全体の定量を行う
ことができる。
【0055】また、図2のような薄層クロマトグラフィ
ー用プレートを用いる場合には、図3に示すように、そ
の底部に溶媒9が入った展開槽8に捕集基板5の下部6
を浸け、毛細管現象により誘導体を展開、濃縮し、直接
蛍光検出、あるいはその濃縮部を溶媒で抽出し、蛍光検
出してもよい。
【0056】また、溶媒により抽出した後、HPLCに
より分離し、蛍光検出を行って分析しても良い。この方
法を用いるとアミンの正確な定量を行うことができる。
【0057】該誘導体を溶出する際に用いられる溶媒と
しては、前記のアミン蛍光ラベル化剤を固体状物質にコ
ーティングする際に用いることができる溶媒の中から適
宜選択できる。又、超臨界流体により誘導体を溶出して
もよく、超臨界流体としては、二酸化炭素が適してお
り、モディファイヤとして上記溶媒を加えても良い。
【0058】本発明の第2の実施の形態によれば大気等
の気体中のアミン類を、容易に前記蛍光ラベル化剤の誘
導体として捕集することができる。アンモニアやメチル
アミン等は、水に溶解するが、揮発性も高いが、本発明
の第2の実施の形態においてはそれらアミン類は、捕集
剤粒子上でラベル化剤と直ちに反応し、分子量の大きな
誘導体となるため、再揮発する心配がなく、完全に捕集
できる。又、本発明の第2の実施の形態によればラベル
化剤でラベルされたアミン類の蛍光は非常に強く、炭素
数の多いアミン類の高感度検出に適している。炭素数の
多いアミン類としては、第一級アミン、第二級アミン及
びアンモニアである。第一級アミンとしては、メチルア
ミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、プロピルア
ミン、ブチルアミン、2−アミノエタノール等の飽和脂
肪族第一級アミン、アリルアミン等の不飽和脂肪族第一
級アミン、シクロプロピルアミン等の脂環式第一級アミ
ン、アニリン等の芳香族第一級アミンが、第二級アミン
としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプ
ロピルアミン等の飽和脂肪族第二級アミン、ジアリルア
ミン等の不飽和脂肪族第二級アミン、メチルアニリン等
の芳香族第二級アミン等が、それぞれ挙げられる。
【0059】本発明の第3の実施の形態に係るアミン類
捕集装置を図4に示す。図4において容器11は下部が
平らな球状の容器であり、上部に真空ポンプに接続する
ためのコック12と先端にアンモニア・アミン捕集剤か
ら成るアミン類捕集部17をつけた口13を設けてあ
る。容器11の内壁はアンモニア・アミン類を吸着させ
ないようにアルカリコーティングがされている。そし
て、内部に風が上向きに流れるようアルカリコーティン
グした攪拌子16をいれておく。上部のコック12から
真空ポンプを用いて中の空気を排出し、減圧状態とし、
コック12を閉じる。その後、サンプリングしたい場所
でコック12を開口することにより、被測定大気を容器
11内に入れ、コック12を再び閉じ、密閉する。その
後、外部からマグネチックスターラー15を用いて攪拌
子16を回転させると、内部の気体は上下に激しく動
く。アルカリコーティングされた容器・部品に衝突して
もアンモニア・アミン類は弱アルカリ性であるため、吸
着する恐れはまったくない。蓋の内側にあるアンモニア
・アミン捕集剤に被測定大気中のアンモニア・アミンは
すべて捕集される。その後、アミン類捕集部17を先端
につけた口13を開け、捕集剤を回収し、捕集剤に捕集
されたアンモニア・アミンに溶媒等を加えることで溶出
し、イオンクロマトグラフィ(IC)、高速液体クロマ
トグラフィ(HPLC)、ガスクロマトグラフィ(G
C)等の分析装置に直接注入し、容易に分析することが
できる。
【0060】本発明第3の実施の形態の容器11の材料
としては、アミン類との反応に不活性であり、気体・液
体が通過せず、空圧に負けない、SUS、銅、アルミニ
ウム等の金属、ガラス等の無機物、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、
ポリアクリル酸系エステルあるいはポリテトラフルオロ
エチレン系のフッ素系樹脂等を用いることができる。被
測定大気に接触する部分にクロムニッケル酸化皮膜を作
る等の処理を行い、不活性化処理を行っても良い。撥水
性が高いポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフ
ルオロエチレン等の場合は、被測定大気に接触する部分
を前記アミン捕集部のように表面積の大きな粒子状、繊
維状、または不織布状、網目状、発泡体状に処理しても
よい。
【0061】容器11の内壁にアンモニア・アミン類を
吸着させないようにする処理としては、アルカリコーテ
ィング以外に容器11の加熱をしてもよい。加熱は、ガ
ラスのようなアミン吸着力の強いものや熱伝導度の悪い
樹脂のような場合には効果が薄いが、アルミニウム、
銅、SUSなどの金属の容器・部品を用いた場合は効果
的である。水分と共にアンモニア・アミンの脱離を行う
ことができるから、加熱温度は100度〜200度がよ
い。これ以上にすると、アミン分解の恐れがでてくる。
【0062】容器11の内壁をコーティングするアルカ
リとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化
マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭素
マグネシウムのような強アルカリが適している。強アル
カリが存在すると、アンモニア・アミン類は弱アルカリ
性であるため、吸着することが一切なく、容器吸着の恐
れがなくなる。アルカリのコーティング法は、アルカリ
溶液を通過部表面に通過、若しくは溶液に浸漬、若しく
は溶液を滴下、若しくは溶液を吹き付け、その後乾燥し
て該溶媒を除去する方法が一般的である。
【0063】上記アルカリを容器11の内壁にコーティ
ングする際に用い得る溶媒としては、メタノール、エタ
ノール、水等が挙げられる。水酸化カリウムの場合は、
沸点の低さから、メタノールが最適である。そのほかの
アルカリの場合は、溶解度の高い水が適している。ま
た、この溶液にグリセリンのような潤滑剤または水ガラ
スのような粘性の高い物質を添加すると、表面の撥水性
を防ぐことができる。
【0064】本発明の第3の実施の形態のアミン類捕集
部17に用いるアンモニア・アミン類捕集剤としては第
1の実施の形態で述べたような固体状物質にアミン蛍光
ラベル化剤としてアミン又はアンモニアと反応すること
で強い蛍光を発するものをコーティングしたアミン類捕
集剤を用いてもよい。例えば、NBD−Cl、NBD−
F、DBD−F、DBD−Cl、OPA、DNS−C
l、NBD−Br、SBD−F、ABD−F、CBD−
F、PBD−SO2 F、BBD−SO2 F、NDA、フ
ルオレッサミン、FMOC−Cl等を固体状物質にコー
ティングすればよい。中でも蛍光強度が強く、反応の早
いNBD−Fが特に望ましい。蛍光ラベル化剤をコーテ
ィングすれば、その後HPLC等で容易に蛍光分析する
ことが可能となる。
【0065】蛍光ラベル化剤のNBD−Fを固体状物質
へコーティングする方法としては、ホウ酸バッファー
(pH8.5)とNBD−Fを含むメタノール溶液を固
体状物質に通過、若しくは溶液に固体状物質を浸漬、若
しくは溶液を固体状物質に滴下、若しくは溶液を固体状
物質に吹き付け、その後乾燥して該溶媒を除去する方法
が一般的である。これらにより捕集可能なアミン類は、
1〜2級アミン及びアンモニアである。
【0066】捕集剤の基材となる固体状物質としては、
アンモニア・アミン類若しくは捕集試薬との反応に不活
性であり、それ自体はアンモニア・アミン吸着力が弱
く、表面積の大きな粒子状、繊維状、不織布状、網目
状、発泡体状の無機物、有機物を用いることができるこ
とは第1の実施の形態と同様である。
【0067】本発明の第3の実施の形態においては、ア
ンモニア・アミン類捕集剤17として、第一の実施の形
態で述べたような蛍光ラベル試薬ではなく、揮発性の低
い酸をコーティングしたアミン類捕集剤を用いても良
い。この捕集剤を用いると、捕集後に、蛍光ラベル化を
行ってもよいし、IC法やGC−MS法等のその他の方
法でも分析可能である。
【0068】固体状物質にコーティングする酸として
は、ホスホン酸、リン酸、2リン酸、ホウ酸、硫酸、過
塩素酸、アジピン酸、キナルジン酸、クエン酸、ケイ皮
酸、コハク酸、シュウ酸、酒石酸、フマル酸、マレイン
酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸等の無機酸・有機
酸が考えられる。融点の低い酢酸、ギ酸、塩酸等は、捕
集剤の寿命時間が短くなってしまい、また、空気中に揮
散することによる空気汚染が考えられることからふさわ
しくない。固体状物質への酸のコーティング法は、酸の
溶液を固体状物質に通過、若しくは溶液に固体状物質を
浸漬、若しくは溶液を固体状物質に滴下、若しくは溶液
を固体状物質に吹き付け、その後乾燥して該溶媒を除去
する方法が一般的である。上記酸を捕集部にコーティン
グする際に用い得る溶媒としては、水、メタノール、エ
タノール、プロパノール、イソプロパノール、アセト
ン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、クロロホル
ム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等が挙げられる
が、酸の溶解性と沸点の低さから、メタノールまたはア
セトンが最適である。酸により捕集可能なアミン類は、
第1級〜4級アミン及びアンモニアである。
【0069】また、GC−MS法で分析する際には、ベ
ンゼンスルホニルクロリド(BSC)、無水ペンタフロ
ロプロピオン酸(アシル化剤)等を用いて捕集を行って
も良い。反応後に、溶媒溶出することで、直接GC−M
S法に用いることができる。
【0070】本発明の第3の実施の形態によれば、サン
プリング現場にポンプや積算流量計等を運ぶ必要がな
く、瞬間サンプリングを行うことができるという利点が
ある。また、溶媒抽出せずに、そのままアミン類捕集部
17に外部から紫外光等の光を当て、蛍光やUV吸収を
測定することで定量を行っても良い。
【0071】本発明の第4の実施の形態のアミン類捕集
装置は図5に示すように折れ曲がった筒状の容器26の
端部に、空気が通過しないようカバーがついたアミン類
捕集部27,28,29を設置し、筒の一方から被測定
大気を通過させる構造である。アミン類捕集部27,2
8,29は第1の実施の形態と同様なアンモニア・アミ
ン類捕集剤を所定の容器に充填もしくは、所定の基板に
薄層に保持して形成されている。第4の実施の形態によ
れば捕集後にアンモニア・アミンを少量の溶媒量で抽出
でき、またカバーを取り外して捕集剤に直接溶剤と試薬
を加えることができるため、操作の手間がかからず、コ
ンタミネーションを防ぐことができるという利点があ
る。
【0072】図5において筒の直線部26はアルカリコ
ーティングもしくは加熱しているため、アンモニア・ア
ミン類が吸着する恐れはまったくない。筒の中に被測定
大気を通過させる吸引手段としては、ポンプを用いて所
定の流速となるように吸引すればよい。あるいは被測定
大気よりも圧の低い容器をつけ、圧差により移動させて
もよい。筒の折れ曲がったところである端部27,2
8,29は気体の衝突確率が高く、対流を起こしやすい
のでここにアミン類捕集部を設定するのが好ましい。ア
ミン類捕集部27,28,29は流速と、捕集剤の効果
によって、その数を選べばよく、図5に示すように3つ
に限られるものではない。
【0073】図5に示すように配管の折り曲り部にアミ
ン類捕集部27,28,29を設置することにより容易
に被測定大気中のアンモニア・アミン類を捕集すること
ができる。仮に捕集部27で全アンモニア・アミンが捕
集されなかったとしても、次に捕集部28若しくは29
で完全に捕集できる。流速と管の太さによっては、27
で完全に捕集できるため、28,29を設置する必要は
ないが、分析用ブランクとしてこれらを設置しても良
い。被測定大気を筒内に通過させるためには、図5に示
すように吸引ポンプ4を用いて吸引することが一般的か
つ容易な方法であるがポンプ4からのコンタミネーショ
ンを考え、この場合には必ず捕集部の後ろ側に設置しな
ければならない。吸引ポンプのかわりに、真空ポンプ等
で減圧しておいた容器をつけ、開封するようにしてもよ
い。
【0074】本発明の第4の実施の形態のアミン類捕集
部27,28,29,…に用いるアンモニア・アミン類
捕集部としては、第3の実施の形態と同様に固体状物質
に捕集試薬をコーティングした捕集剤がよい。捕集試薬
としては、大別して2種類ある。一つは酸であり、他方
はアンモニアまたはアミンと反応してアンモニアまたは
アミンを非揮発性固体とする反応試薬である。たとえば
酸としては、ホスホン酸、リン酸、2リン酸、ホウ酸、
硫酸、過塩素酸、アジピン酸、キナルジン酸、クエン
酸、ケイ皮酸、コハク酸、シュウ酸、酒石酸、フマル
酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸等の
無機酸・有機酸が考えられる。固体状物質への酸のコー
ティング法は、第3の実施の形態と同様に酸の溶媒溶液
を固体状物質に通過、若しくは溶液に固体状物質を浸
漬、若しくは溶液を固体状物質に滴下、若しくは溶液を
固体状物質に吹き付け、その後乾燥して該溶媒を除去す
る方法が一般的である。上記酸を捕集部27,28,2
9にコーティングする際に用い得る溶媒としては、水、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラ
ン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等
が挙げられるが、酸の溶解性と沸点の低さから、メタノ
ールまたはアセトンが最適である。酸により捕集可能な
アミン類は、第1級〜4級アミン及びアンモニアであ
る。
【0075】反応試薬としてはハロゲン化アルキル等が
考えられるが、高感度検出を目的とする場合は置換基が
UV吸収や蛍光を発するUV・蛍光ラベル化試薬をコー
ティングすることが好ましい。蛍光ラベル化試薬のコー
ティングによりHPLC法を用いて高感度な蛍光検出が
可能となる。アミン蛍光ラベル化剤には、第1〜第3の
実施の形態と同様に、NBD−Cl、NBD−F、DB
D−F、DBD−Cl、OPA、DNS−Cl、NBD
−Br、SBD−F、ABD−F、CBD−F、PBD
−SO2 F、BBD−SO2 F、NDA、フルオレッサ
ミン、FMOC−Cl等が考えられるが、中でも蛍光強
度が強く、反応の早いNBD−Fが特に望ましい。
【0076】図5に示す装置によりアンモニア・アミン
類を捕集後は捕集部27,28,29を取り外し、溶媒
等を加えることで溶出し、HPLC、GC−MS、IC
等の分析装置に直接注入すれば容易に分析することがで
きる。また溶媒抽出せずに、そのまま捕集部に紫外光等
の光を当て、蛍光やUV吸収を測定することで定量を行
っても良い。
【0077】従来の瀘紙吸収法では、捕集後に濾紙ホル
ダーから濾紙を外し、ビーカーに入れて、溶媒に浸して
抽出して分析しなければならなかったため、操作中の空
気中もしくは容器等からのコンタミネーション問題があ
り、また手間がかかっていたが、本発明の第4の実施の
形態の方法を用いると、捕集部27,28,29にその
まま微量の溶媒と試薬を加えるだけでよい。例えば、酸
捕集した後にNBD−F蛍光ラベル化を行うには、カッ
プにバッファーとNBD−F、内部に標準物質を加え、
蓋をして70度で15分間加熱し、その後、高速液体ク
ロマトグラフィ(HPLC)に直接注入し、蛍光検出す
ればよい。
【0078】図6は本発明の第4実施の形態の変形例に
係る他のアンモニア・アミン類捕集装置の概略を示す模
式図である。この装置は、図6に示すように被測定大気
を収容、通過するためのサンプル瓶等の容器31と、容
器31の底部に設けられたアミン類捕集部34と、この
アミン類捕集部34に被測定大気を導入する被測定大気
導入パイプ32と、容器31から被測定大気を排気する
被測定大気排気パイプ33とから構成されている。アミ
ン類捕集部34はたとえば酸を含有した瀘紙を敷いてお
けばよい。図示を省略しているが、被測定大気排気パイ
プ33は吸引ポンプに接続され、被測定大気は、アミン
類捕集部34に衝突後、被測定大気排気パイプ33を介
して排気されアンモニア・アミン類が捕集部34に捕集
される。したがって被測定大気導入パイプ31はアミン
類捕集部34の主表面にほぼ垂直となるように配置さ
れ、捕集部34の近傍にまで容器の外部から差し込まれ
ている。
【0079】このパイプ32の先端をラッパ上に広げる
と、被測定大気がアミン捕集部と直接衝突する面積が増
え、アミン捕集容量を増やすことができるため、長時間
捕集等に有効である。また、一方、このパイプ32の先
端をすぼめ、狭くすると、非測定大気がアミン捕集部と
直接衝突する面積が小さくなるため、捕集剤量が少なく
すみ、短時間捕集等に有効である。
【0080】図6に示す本発明の第4の実施の形態の他
の例において、被測定大気導入パイプ32の内壁はアル
カリコーティングされている。アルカリコーティング
は、例えば1%水酸化カリウムメタノール(グリセリン
50%)溶液をパイプ32内に通液させた後、真空ポン
プを用いて溶媒を除去すればよい。また、パイプをアル
カリコーティングしない場合には、捕集後にパイプ32
を溶媒等で洗い流しながら、容器31に洗い入れるとよ
い。アミン類捕集部34は前述の第1〜第4の実施の形
態で説明したアンモニア・アミン類捕集剤を用いればよ
い。容器31、パイプ32,33はガラス製でも、SU
S等の金属性でもテフロン等の樹脂でもかまわない。容
器31をIC、HPLC、GC等のサンプル瓶としてお
けば、捕集後はこのサンプル瓶に溶媒・試薬等を加える
ことで溶出し、IC、HPLC、GC等の分析装置に直
接注入し、容易に分析することができる。また容器のカ
バー35を取り外して捕集部34に直接溶剤と試薬を加
えることができるため、操作の手間がかからず、コンタ
ミネーションを防ぐことができるという利点がある。ま
た、容器31をガラス製等の紫外線に対して透明な材料
としておけば溶媒抽出せずに、そのまま捕集部34に紫
外光等の光を当て、蛍光やUV吸収を測定することで定
量を行っても良い。
【0081】本発明の第4の実施の形態の捕集装置は、
大気中のアンモニア・アミン類を容易に捕集し、高濃度
に濃縮できるため、アミン類の分析・捕集装置として最
適と言える。従って、本発明の第4の実施の形態に係る
捕集方法は、室内、室外、クリーンルーム等の環境管理
に有効である。
【0082】図7は本発明の第5の実施の形態に係る空
気清浄装置の概略を示す模式図である。すなわち本発明
のアンモニア・アミン類捕集剤は図7のような形にする
ことで、長寿命ケミカルフィルター、または脱臭装置と
して用いることができる。図7において筒状の回転体4
1の表面に、アンモニア・アミン類捕集剤の基材42の
薄層をコーティングする。この捕集剤の基材としては、
水やアルコールのような溶媒に不溶な、例えば、ガラス
繊維や、石英繊維等を用いればよい。あるいはニッケル
やステンレス繊維の表面積をエッチング操作により広げ
たものでもよい。繊維を網目状に編んでもよい。発泡体
固体としてはニッケルやチタンにシリカゲルを混合し、
発泡させたものが好ましい。特に空気清浄を目的とする
場合には、固体状物質そのものに、アンモニア・アミン
類の吸着が強いものを用いることが好ましい。例えば、
シリカゲルや活性炭、グラファイトカーボン等がよい。
ただし、これらは吸着力が強すぎるため、その後の回収
率が低く分析の目的には用いることができず、またアン
モニア・アミン類以外の化合物も捕集するため、選択的
捕集が不可能である点に注意が必要である。この回転体
41の一部を揮発性の低い酸の水溶液若しくはアルコー
ル溶液43等に浸け、ゆっくりと回転体を回転させる。
酸の溶液に浸された捕集剤の基材42は乾燥機44で溶
媒分を飛ばされ、基材42の表面には酸のみがコーティ
ングされることになる。酸としては、第3、第4の実施
の形態と同様にホスホン酸、リン酸、2リン酸、ホウ
酸、硫酸、過塩素酸、アジピン酸、キナルジン酸、クエ
ン酸、ケイ皮酸、コハク酸、シュウ酸、酒石酸、フマル
酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸等の
無機酸・有機酸等を用いることが好ましい。
【0083】酸の溶液として用いるアルコールとしては
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ールが好ましく、アルコール以外のアセトン、アセトニ
トリル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロ
メタン、ジクロロエタン等を用いてもよい。しかしなが
ら、回転体41の一部を浸ける酸の溶液としては酸の溶
解性と沸点の低さから、メタノールまたはアセトンが最
適である。またリン酸のような液状の酸は原液のまま使
用してもよい。酸により捕集可能なアミン類は、第1級
〜第4級アミン及びアンモニアである。
【0084】図7に示す本発明の第5の実施の形態の乾
燥機としては、気体パージ(窒素、空気)、加熱等が好
ましい。リン酸を原液で使用した場合は乾燥の必要がな
い。この表面が酸で覆われた基材42は、シロッコファ
ン、軸流ダクトファン、あるいは吸引ポンプ45等によ
り筒状容器46内部を一定方向に被測定大気を流し、こ
の被測定大気と表面が酸で覆われた基材42とを接触さ
せることにより被測定大気中のアンモニア・アミン類を
捕集し、清浄な空気を送り出すことができる。一度の接
触で完全に捕集できない場合には、2〜3回接触するよ
う筒状容器をジクザク構造にしてもよい。一定時間後、
アンモニア・アミン類を捕集した基材42の表面の捕集
剤は、回転し、再び酸の溶液に浸され、アンモニア・ア
ミン類を溶液中に溶解し、再び、酸性に戻ることができ
る。
【0085】この溶液のpHをpHメーター47で常に
モニターしておくことで、寿命を調べることができる。
酸性が弱まったら、新しい酸溶液にすることで、このア
ンモニア・アミン類捕集剤は半永久的に捕集を行えるこ
とになる。本法を用いると、従来の空気通過型ケミカル
フィルターに比べ、寿命が長く、フィルター交換の手間
がかからず、また、ポンプ負荷が小さいため通過型に比
べて低いため、低消費電力であり、安価な装置であると
いう利点がある。
【0086】また、溶液43を酸ではなく、蛍光ラベル
化剤としておけば、捕集後に、捕集剤の表面に紫外線を
当て、蛍光量を測定することで定量分析を行うことも可
能である。アミン蛍光ラベル化剤には、第1〜第4の実
施の形態と同様に、NBD−Cl、NBD−F、DBD
−F、DBD−Cl、OPA、DNS−Cl、NBD−
Br、SBD−F、ABD−F、CBD−F、PBD−
SO2 F、BBD−SO2 F、NDA、フルオレッサミ
ン、FMOC−Cl等特にNBD−Fが好ましい。
【0087】以上のように本発明の第5の実施の形態に
係る空気清浄装置によれば、大気中のアンモニア・アミ
ン類を高効率、かつ簡便に捕集することができ、そのメ
ンテナンスも容易である。
【0088】
【実施例】上述した本発明の第1,第3,第4の実施の
形態のそれぞれの実施例を以下に説明する。
【0089】なお、以下の実施例の説明における分析は
下記の機器等を用いて行った。
【0090】高速液体クロマトグラフィー(HPL
C):ウォーターズ(Waters)社製、HPLC6
10Eシステム カラム:(財)化学品検査協会製(商品名L−カラムO
DS) (4.6mmφ×250mm) (カラム温度;40℃、流速;1.0ml/分、移動相
溶媒;アセトニトリル/水=45/55、注入量;20
μl/1回) 検出器:ウォーターズ社製、474スキャニング蛍光検
出器 (励起波長;450nm、蛍光波長;530nm) (第1の実施の形態の実施例)本発明の第1の実施の形
態の捕集管1として表1に示すプラスチック製固相抽出
用カートリッジ(ウォーターズ社製、商品名セップパッ
ク(Sep−PAK)プラスカートリッジ)を用意し、
10〜20mlのメタノールを流して洗浄した後、NB
D−F−ホウ酸バッファー(1.0mg/ml)溶液を
1ml又は2ml通した。ホウ酸バッファーには1mo
l/lのホウ酸バッファー(PH8.35)を用いた。
【0091】この固相抽出用カートリッジ1をデシケー
ターに入れ、真空ポンプで1時間減圧し、メタノールを
除去して、本発明の捕集剤2が充填された捕集管1を作
製した。
【0092】次に、この捕集管1に、石英ウール0.1
mgに標準アミン−メタノール溶液(メチルアミン40
0ng、エチルアミン700ng、プロピルアミン70
0ng)を含浸させた石英ウールを入れた管を接続し、
窒素ガスを500ml/分の速度で流して、アミン全量
を気化させ該捕集管に送り込んだ。
【0093】このアミンを送り込んだ捕集管1に、メタ
ノールを1ml又は1.5mlを通過させ、NBD−F
のメタノール溶液を回収し、更にメタノールを加えて5
mlに秤量した。
【0094】このメタノール溶液20μlを前記ウォー
ターズ社製HPLC装置を用いて蛍光分析し、図8に示
す標準チャートを得た。又、その時のメチルアミンの蛍
光強度を測定し、その結果を表1に示した。
【0095】なお、ODSが結合したシリカゲルを固体
粒子として用いた場合は、ブランクピークとピークが重
なって、定量は困難であったため表1には掲載していな
い。又、標準溶液として、上記標準アミン−メタノール
溶液にメタノールを加えて5mlに秤量した溶液を用い
て分析した結果を表1に示した(表中参照と表示)。
【0096】表1の結果から明かなように、表面にシア
ノメチルプロピルシリル基(CN)が結合したシリカゲ
ル粒子にアミン蛍光ラベル化剤(NBD−F)をコーテ
ィングした捕集剤が、アミンの捕集率が最も高く、室温
で瞬時に蛍光ラベル化誘導体形成の反応が終了している
ことが判る。又、ケイ酸マグネシウムも室温では、蛍光
ラベル化誘導体形成に長時間を要するが、捕集後に70
℃に加熱することによって、10分間でCNと同程度の
強度が得られることが判明した。
【0097】
【表1】 更に、大気中のアミン類の分析例として、CNを結合さ
せたシリカゲルを固体粒子として用いて作製した捕集管
1を用いて、図1に示す本発明の第1の実施の形態の方
法により、喫煙室の空気を500ml/分の速度で20
分間吸引し、タバコの煙に含まれるアミン類をHPLC
装置を用いて蛍光分析した。その結果を図9に示す。図
9において、アミン類の含有量は、メチルアミン34.
9ppb、ジメチルアミン3.2ppb、エチルアミン
6.5ppbであった。
【0098】(第3の実施の形態の実施例)以下、本発
明の第3の実施の形態の実施例を詳細に説明する。この
実施例においては、前述した第1の実施の形態の実施例
と同じWaters社製HPLC610Eシステムを用
い、該実施例と同じカラムおよび検出器を用いた。
【0099】まず図4に示すアミン類捕集部17を構成
するために親水性PTFE(テフロン)タイプメンブラ
ンフィルター(東洋瀘紙株式会社、孔径0.2μm、直
径25mm、厚さ35μm)を用意した。このディスク
をメタノールで洗浄した後、アルミホイルシートに張り
付け、その後、0.3%酒石酸メタノール溶液0.1m
lをまんべんなくディスク上に滴下し、デシケータ内に
入れ、真空ポンプで減圧乾燥してアンモニア・アミン類
捕集部17とした。減圧の解放時には、高純度窒素で置
換した。
【0100】次に図4に示す本発明の第3の実施の形態
の容器11としてステンレス製真空デシケータ(SUS
304製、内容積3L)を用意した。容器11の上部に
は真空排気用コック12とアミン類捕集部を取り付ける
口13が設けられている。この容器11の内部に上向き
に流れを作る攪拌子を入れ、ピペットを用いて、1%水
酸化カリウムメタノール溶液(50%グリセリン含有)
で内壁全体を覆うように塗る。そしてアミン類捕集部1
7を取り付けた口13を容器11に組み込んだ。真空ポ
ンプを用いて減圧乾燥することにより、メタノールのみ
を除去することができ、容器11の内壁を均一にアルカ
リコーティングした。
【0101】次に、真空排気用コックを用いて減圧状態
にした容器を工場内においてコック12を解放し、工場
内の空気を容器11中にサンプリングした。すなわち容
器11を大気圧まで戻した後、再びコック12を閉じ密
封した。
【0102】そして容器全体を100℃で1時間加熱し
つつ、マグネティックスターラー15を用いて空気攪拌
を行い(60回転/分)、容器11中のアミン類をアン
モニア・アミン類捕集剤に捕集した。その後容器11を
室温まで戻した後、蓋をはずしてすぐにホウ酸バッファ
ー(pH8.5)/メタノールを0.5ml加え、2m
g/mlNBD−Fメタノール溶液0.5ml、内部標
準用n−ブチルアミン/メタノールを加え、密栓し、7
0℃で15分間反応させた。その後、前述したHPLC
条件で蛍光検出を行った結果を、図10に示す。
【0103】本発明の第3の実施の形態によれば、図1
0に示すように大気中のアンモニア・アミン類を容器に
捕集し、高濃度に濃縮できる。したがって本実施例は炭
素数の多いアミン類の分析用捕集方法として最適と言え
る。したがって、本発明の第3の実施の形態に係る捕集
装置は、室内、室外、クリーンルーム等の環境管理に有
効である。
【0104】(第4の実施の形態の実施例)内径0.5
cm、長さ50cmのガラス管を図5に示すように折り
曲げ筒状容器26とし、その端部に穴を開けアミン類捕
集部27,28,29が取り付けられるように加工し
た。1%水酸化カリウムメタノール溶液(50%グリセ
リン含有)を筒状容器26内部にピペットを用いて塗
る。その後、真空ポンプで乾燥し、ガラス管26の内壁
をアルカリコーティングした。アミン類捕集部27,2
8,29は、直径1.5cmの円形アルミホイルカップ
に前述の第3の実施の形態の実施例と同様の充填剤を切
り取って入れ、縁を押さえ、しっかりと筒状容器26の
端部に固定した。
【0105】2L/分で10分間工場空気を筒状容器2
6内に吸引し被測定大気をサンプリングした後、捕集部
27,28,29を外し、捕集部を構成している各カッ
プにホウ酸バッファー(pH8.5)/メタノールを
0.5ml加え、1mg/mlNBD−Fメタノール溶
液0.5ml、内部標準用n−ブチルアミン/メタノー
ルを加え、密栓し、70℃で15分間反応させた。その
後、上記HPLC条件で蛍光検出を行った結果を、図1
1に示す。
【0106】
【発明の効果】本発明の捕集剤は、気体中の第一級アミ
ン、第二級アミン等の炭素数の多いアミン類及びアンモ
ニアを効率よく捕集して、アミン蛍光ラベル化剤の誘導
体とすることができるため、それらアミン類を迅速かつ
高感度で分析することができる。
【0107】また、本発明の捕集装置を用いて捕集を行
うと、容易に、高濃度に気中のアミノ類を捕集できるた
め、気中の微量アミン類の高感度分析に適している。
【0108】また、本発明の捕集装置を用いて空気清浄
を行うと、従来のケミカルフィルター法と比べ、低消費
電力であり、かつ長寿命である。
【0109】従って、本発明の捕集剤、捕集装置及びそ
れを用いたアミン類分析法は、室内、室外、クリーンル
ーム等の環境管理等に有効である。特にクリーンルーム
内におけるアミン類の環境管理が良好となるため、レジ
スト処理等の半導体製造工程の歩留りが向上し、高品位
の半導体装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る捕集管を用い
たアミン類の捕集装置を示す一具体例である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る薄層クロマト
グラフィーを用いた捕集装置を示す一具体例である。
【図3】図2で示した基板から、捕集されたアミン蛍光
ラベル化剤誘導体を展開、濃縮する場合の一具体例を示
す説明図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係るアミン類捕集
装置の概略図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係るアミン類捕集
装置の概略図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態の変形例に係る他の
アミン類捕集装置の概略図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係る空気清浄装置
の概略図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態の方法で分離、分析
された標準アミン類のクロマトグラムである。
【図9】本発明の第1の実施の形態の方法で分離、分析
した喫煙室の大気中のアミン類のクロマトグラムであ
る。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る捕集装置で
捕集後に、分析した工場空気中のアンモニア・アミン類
のクロマトグラムである。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係るアミン類捕
集装置で捕集した工場の空気のアンモニア・アミン類の
蛍光強度を示す表である。
【図12】pHと蛍光強度の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 捕集管 2 捕集剤 3 フィルター 4、45 吸引ポンプ 5 捕集基板 6 ラベル化剤未添加層 7 濃縮部 8 展開槽 9 溶媒 11 容器 12 コック 13 口 15 マグネテックスターラー 16 攪拌子 17、27、28、29、34 アミン類捕集部 26、46 筒状容器 31 容器(サンプル瓶) 32 被測定大気導入パイプ 33 被測定大気排気パイプ 35 容器のカバー 41 回転体 42 基材 43 酸の水溶液(又は酸のアルコール溶液) 44 乾燥機 47 PHメーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 秀幸 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体状物質の少なくとも一部にアミン蛍
    光ラベル化剤をコーティングしてなり、気体中に含まれ
    る第一級アミン、第二級アミン及びアンモニアの中から
    選ばれるアミン類を蛍光ラベル化剤誘導体として捕集す
    ることを特徴とするアミン類捕集剤。
  2. 【請求項2】 出口側にフィルターを設置した筒型形状
    の捕集管と、前記捕集管に充填された前記アミン類捕集
    剤と、被測定大気を前記捕集管を通過して吸引するため
    の前記捕集管に結合された吸引手段とから少なくとも成
    ることを特徴とする請求項1記載のアミン類捕集剤を用
    いたアミン類捕集装置。
  3. 【請求項3】 前記アミン類捕集剤を所定の基板の表面
    にコーティングしたことを特徴とする請求項1記載のア
    ミン類捕集剤を用いたアミン類捕集装置。
  4. 【請求項4】 被測定大気が収容されるもしくは通過す
    る容器と、前記容器の一部に設けられたアミン類捕集部
    とから少なくとも成り、 前記容器の内部がアミン類が吸着しない処理がされてい
    ることを特徴とするアミン類捕集装置。
  5. 【請求項5】 前記アミン類が吸着しない処理は、前記
    容器の内壁へのアルカリ・コーティングであることを特
    徴とする請求項4記載のアミン類捕集装置。
  6. 【請求項6】 前記アミン類が吸着しない処理は、前記
    容器の内壁を100〜200℃に加熱することであるこ
    とを特徴とする請求項4記載のアミン類捕集装置。
  7. 【請求項7】 前記容器は内部を真空に排気するための
    コックを具備し、さらに前記容器の内部に容器内に導入
    された大気を攪拌するための部品を設置し、該部品の表
    面はアミン類が吸着しないように処理されていることを
    特徴とする請求項4記載のアミン類捕集装置。
  8. 【請求項8】 前記容器の内部を被測定大気が通過する
    ように吸引するための吸引手段をさらに具備し、前記容
    器は少なくとも一つ以上の折れ曲がり部を有し、該折れ
    曲がり部に前記アミン類捕集部を設置していることを特
    徴とする請求項4記載のアミン類捕集装置。
  9. 【請求項9】 前記容器はさらにアミン類が吸着しない
    処理がされた被測定大気導入パイプと、被測定大気排気
    パイプとを具備し、前記アミン類捕集部は前記容器の奥
    部に設けられ、前記被測定大気導入パイプは、前記容器
    の外部から、前記アミン類捕集部の近傍にまで達してい
    ることを特徴とする請求項4記載のアミン類捕集装置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の捕集剤に、該アミン類
    を含む気体を接触させて捕集した後、該捕集剤に捕集さ
    れたアミン類を蛍光検出することを特徴とするアミン類
    の捕集・分析方法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の捕集剤を充填した捕集
    管に、該アミン類を含む気体を通過させて捕集した後、
    該捕集管の気体流入口からの蛍光検出幅を測定すること
    により、気体中のアミン類濃度を測定することを特徴と
    するアミン類の捕集・分析方法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の捕集剤に、該アミン類
    を含む気体を接触させて捕集した後、該捕集剤を抽出し
    て得られる該蛍光ラベル化剤誘導体を蛍光検出すること
    を特徴とするアミン類の捕集・分析方法。
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