JPH09101707A - 電子写真装置用剥離部材 - Google Patents

電子写真装置用剥離部材

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JPH09101707A
JPH09101707A JP13887496A JP13887496A JPH09101707A JP H09101707 A JPH09101707 A JP H09101707A JP 13887496 A JP13887496 A JP 13887496A JP 13887496 A JP13887496 A JP 13887496A JP H09101707 A JPH09101707 A JP H09101707A
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peeling member
resistant resin
heat
peeling
resin
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JP13887496A
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English (en)
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Noboru Umemoto
昇 梅本
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 5万回程度の剥離動作でも定着部ローラから
紙面を確実に分離でき、定着後の紙面に爪痕を形成せず
に爪先端表面の非粘着性および潤滑性に使用耐久性が充
分な分離爪などの剥離部材とすることである。 【解決手段】 トナー像を定着したシート部材を定着部
ローラから剥離する電子写真装置用分離爪などの耐熱性
樹脂製剥離部材において、この剥離部材の少なくとも先
端部分を含む表面に、フッ化黒鉛を含有し、イミド基を
含有する重合体またはポリアミドイミド系樹脂の10〜
70重量%をバインダーとする耐熱性樹脂被膜を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機やプリン
ターなどの電子写真装置におけるトナー像を載せたシー
ト部材を、定着部ローラその他の搬送部品から剥離する
電子写真装置用剥離部材、電子写真装置用分離爪および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、乾式複写機などの電子写真装置
においては、感光ドラムの表面に形成された静電荷潜像
に粉体であるトナーを付着させ、このトナー像を紙面に
転写し、この紙面を加熱してトナーを融着する定着装置
が設けられている。
【0003】図1を利用して説明すると、この定着装置
は、加熱ヒータHを備えた定着部ローラ2に加圧ローラ
1を圧接させ、これらのローラの間に未定着のトナー像
を載せた紙等のシート部材3を通過させ、画像を定着し
た後にシート部材3を定着部ローラ2や加圧ローラ1か
ら剥離する分離爪Aおよび摺動ガイドBからなる剥離部
材を有している。
【0004】分離爪Aは、爪先端部分を30°程度の鋭
角に形成した厚さ(すなわち、ローラ表面に摺接する
幅)2〜5mm程度の薄肉の部品であって、その爪先端
部分を鋭角に形成している。すなわち、分離爪Aは、先
端部の鋭角を形成する図中の2辺のうち、片方の辺を定
着部ローラ2の表面に所要の角度で圧接させ、他方の辺
で紙面をすくい上げると共に、シート部材3を爪の後方
に案内し、これを円滑に剥離する。そして、分離爪には
そのような剥離機能を確実に発揮させるために、爪先端
部分の曲率半径(R)を0.1mm以下、好ましくは
0.05mm以下という極めて鋭い鋭角状の曲面に形成
している。
【0005】また、このような分離爪Aは、ヒータHの
熱が定着部ローラ2を介して伝わり、または定着部ロー
ラ2および加圧ローラ1を介して伝わるので、分離爪本
体および爪先端部分には170〜270℃の高温で変形
または変質しない耐熱性が必要であり、耐熱性樹脂がそ
の成形材料として採用されている。
【0006】分離爪に要求される他の特性としては、少
なくとも爪先端部分にトナーが付着しないように非粘着
性が要求される。なぜなら、トナーが爪先端に融着して
固まりを形成すると、曲率半径が変化してシート部材を
分離不良になったり、シート面に接触する面が粗くなっ
て、シート部材に融着したトナーを掻き取り易くなり、
画像定着後の紙面に白い筋(爪痕)を付けるという問題
を発生させるからである。
【0007】また、爪先端ですくい上げた紙などのシー
ト部材を円滑に剥離して紙詰まりを起こないようにする
ためには、低摩擦係数である特性(自己潤滑性または固
体潤滑剤による潤滑性)も要求される。
【0008】従来、非粘着性と低摩擦特性がある程度具
備された耐熱性樹脂からなる分離爪としては、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド、ポリアリーレンサルファイド、
芳香族ポリエーテルケトン、芳香族ポリサルホン、芳香
族ポリエーテルイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリ
エステルなどの耐熱性樹脂を主要成形材料とし、四フッ
化エチレン樹脂、またはグラファイトその他の固体潤滑
剤を混入した組成物からなるものがある。
【0009】また、所定のポリイミド樹脂を成形した分
離爪の表面にフッ素含有重合体を被覆して、非粘着性を
改善した技術が、特開平1−257884号公報に、ま
たは液晶ポリエステル樹脂を主成分とする組成物を成形
した分離爪の表面をテトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体で被覆した分離爪
が特開平5−142965号公報に開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、耐熱性樹脂製
の分離爪の表面にフッ素含有重合体を被覆した従来の分
離爪などの剥離部材では、長時間使用すると、先端部分
(分離爪では爪先端部分)の非粘着性および潤滑性が低
下し、例えば定着装置に3万回以上の通紙試験(被加熱
条件での剥離動作)を行なうと、先端部分の潤滑性が不
良となって紙面等のシート面に融着したトナーを掻き取
り易くなって、白い筋(爪痕)を形成したり、または、
爪先端に融着したトナーが堆積して紙詰まりが発生し易
くなるという問題点がある。
【0011】そこで、この発明の課題は上記した問題点
を解決して、3万回を越える通紙試験(被加熱条件での
剥離動作)でも定着部ローラから紙等のシート部材を確
実に分離でき、しかも定着後の紙面等のシート面に爪痕
を形成しないように、爪先端表面などの剥離部材の表面
に、非粘着性、潤滑性および使用耐久性が充分な電子写
真装置用分離爪とし、または同様に非粘着性、潤滑性お
よび使用耐久性が良好な電子写真装置用剥離部材を提供
することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、トナー像を定着したシート部
材を定着部ローラから剥離する電子写真装置用の耐熱性
樹脂製剥離部材において、この剥離部材の少なくとも先
端部分を含む表面に、フッ化黒鉛を含有し耐熱性樹脂を
バインダーとする耐熱性樹脂被膜を形成した電子写真装
置用剥離部材としたのである。
【0013】または、粉体画像を融着した紙面を定着部
ローラから剥離する耐熱性樹脂製の電子写真装置用分離
爪において、少なくとも爪先端部分を含む表面にフッ化
黒鉛を含有する耐熱性樹脂被膜を形成したのである。
【0014】このような電子写真装置用分離爪などの剥
離部材は、トナー像を融着したシート部材を定着部ロー
ラから剥離する電子写真装置用剥離部材の基材を耐熱性
樹脂で形成し、この基材の表面にフッ化黒鉛とその溶剤
の混合液を塗布し、次いで塗膜を熱処理することで製造
することができる。
【0015】この発明の分離爪などの電子写真装置用剥
離部材は、樹脂被膜中に存在するフッ化黒鉛が、バイン
ダーとなる樹脂に保持されて爪などの先端部分またはそ
の他の表面を固体潤滑する。その際にフッ化黒鉛は、バ
インダーとなる樹脂の分離爪等の剥離部材の表面に対す
る密着性を阻害しないので、長時間の使用に耐える非粘
着性および潤滑性を発揮する。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明に用いる耐熱性樹脂は、
150℃以上の高温雰囲気で、機械的強度が定着紙分離
爪材として連続使用可能であるような周知の耐熱性樹脂
を採用できる。そのような耐熱性樹脂(製造会社:代表
的な登録商標)を列挙すれば以下の通りである。
【0017】芳香族ポリアミドイミド(米国アモコ社
製:TORLON) ポリイミド樹脂(米国デュポン社製:VESPEL−S
P) ポリイミド樹脂(三井東圧化学社製:オーラム) ポリフェニレンサルファイド樹脂(東ソーサスティール
社製:サスティールPPS) ポリエーテルケトン樹脂(BASF社製:ULTRAP
EK) ポリエーテルエーテルケトン樹脂(英国アイ・シー・ア
イ社製:ビクトレックス−PEEK) ポリエーテルサルホン樹脂(英国アイ・シー・アイ社
製:ビクトレックス−PES) ポリエーテルイミド樹脂(米国ゼネラル・エレクトリッ
ク社製:ULTEM) 芳香族ポリエステル樹脂(米国カーボランダム社製:E
KONOL)。
【0018】次に、この発明に用いるフッ化黒鉛は、C
−C結合またはC−F結合を有するものであればよく、
好ましくはC−C結合およびC−F結合のみで構成され
た平面状の高分子が層状構造を呈する化合物であり、市
販品としてはセントラル硝子社製:セフボン、または米
国アライドケミカル社製:ACCUFLUORを使用で
きる。
【0019】これらは、ポリカーボンモノフルオライド
とも称され、(CF)n の組成からなるものであって、
代表的なものとしては六方晶系の6角板状の構造のもの
が挙げられるが、三方晶系等の多形の構造体であっても
よい。このような分子構造からなるフッ化黒鉛は、例え
ばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)における
(−CF2 −CF2 −)n のような略直線状または直線
構造の重合体とは以下のように、物性が異なると考えら
れている。
【0020】すなわち、フッ化黒鉛は、極端な低表面エ
ネルギー化合物で、PTFEよりも撥水性や撥油性が大
きく、また潤滑性も優れている。
【0021】分離爪のように、トナーなどの粘着性物質
の付着によってコピー用紙を少しでも汚さないようにす
るためには、これらのような非粘着特性に優れたもので
爪を覆うと、用紙の汚れや分離不良を極力防ぐことがで
きると考えられる。
【0022】グラファイトは、層間のπ電子による電気
伝導性を有するが、フッ化黒鉛は、フッ素が炭素の周囲
と全部反応して共有結合をつくると導電性が失われる。
この特性は、絶縁性を必要とする分離爪には有利であ
る。
【0023】一方、フッ素結合量を反応条件によって例
えば半分に調節したり、炭素の層間にフッ素を封じ込め
たり、または(CF)n の表面処理によって、電気伝導
性を与えることもできる。この場合は、導電性を必要と
する分離爪に有用である。通電によって、ローラと用紙
との静電吸着力を除去し、分離不良を略防止できる。
【0024】また、フッ化黒鉛は、耐酸化性、耐薬品性
などにも優れており、酸、アルカリなどの溶剤に対して
も安定しており、加熱しても融解することがないため、
特に、複写機の加熱定着部分のように、熱や化学薬品な
どに接する厳しい使用環境にある部品、なかでもヒータ
ーなどの加熱手段を有する加熱定着部ローラ用の分離爪
に有用である。
【0025】このようなフッ化黒鉛を含有させて耐熱性
樹脂被膜を形成する場合に使用するバインダーとして
は、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポ
キシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエーテルサルフォ
ン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等のポリ
アリーレンサルファイド樹脂、その他の耐熱性樹脂が挙
げられる。このなかでも架橋特性を有する材料であれ
ば、密着強度が高く好ましい。
【0026】以下に、バインダー樹脂の一例であるイミ
ド基を含有する重合体の具体例を説明する。
【0027】すなわち、この発明に用いるイミド基を含
有する重合体としては、ポリイミド樹脂や、アミド結合
を有し結着性や密着性に優れたポリアミドイミド樹脂が
挙げられる。ポリイミド樹脂の具体例を下記の化1の式
で示した。
【0028】
【化1】
【0029】これらのポリイミド樹脂の市販品として
は、下記の化2の式で表わされるデュポン社製:RYR
E−ML、PYRALINなどが挙げられる。
【0030】
【化2】
【0031】また、ポリアミドイミド樹脂は、イミド基
とアミド基を併有する重合体からなる樹脂であり、具体
的な化学構造は下記の化3に示すものが代表例として挙
げられる。
【0032】
【化3】
【0033】(式中、nは整数を表わし、R7 は水素原
子、メチル基、またはフェニル基を表わし、R5 は少な
くとも1つのベンゼン環を含む3価の芳香族基を表わ
し、R6 は2価の有機基を表わす。) なお、化3式中のR5 の具体例を下記の化4に示した。
【0034】
【化4】
【0035】また、前記した化3中のR6 の具体例は、
−(CH2 m − (式中、mは4〜12の整数を表わ
す。)で示す飽和脂肪族炭化水素基や下記の化5の式に
示したアリール基が挙げられる。
【0036】
【化5】
【0037】以上説明したようなポリアミドイミド樹脂
の具体例としては、下記の化6〜8に示す樹脂または下
記の化9に示す米国アモコ社製:AIなどを挙げること
ができる。
【0038】
【化6】
【0039】
【化7】
【0040】
【化8】
【0041】
【化9】
【0042】上記したポリイミド系樹脂やポリアミドイ
ミドは、その製造方法としては、例えばH2 N−R−N
2 (Rは化1式におけるRに同じ)で表わされるジア
ミンやジイソシアネート等の上記ジアミンの誘導体と、
ピロメリット酸二無水物などのテトラカルボン酸無水
物、トリカルボン酸無水物またはその誘導体とを反応さ
せることによって、ポリアミド酸を生成し、これを脱水
環化して得ることができる。
【0043】ここで、前記のイミド基を含有する重合体
は、塗布・焼成前の段階ではイミド基の部分がポリアミ
ド酸の状態となっていてもよい。これらは焼成すること
によって分離爪の基材と密着強度の高い樹脂被膜になり
得ると考えられる。これらのイミド基または芳香族環を
有する重合体は、耐熱性に優れているので、高温となる
定着部周辺の剥離部材には好適である。
【0044】フッ化黒鉛の含有量は、バインダー樹脂に
対し、10〜70重量%、好ましくは20〜60重量
%、より好ましくは30〜50重量%である。なぜな
ら、フッ化黒鉛の含有量が所定範囲未満では、非粘着
性、潤滑性などの効果がなく、所定量を越える多量で
は、被膜の結着材としての役割を担うバインダー樹脂が
少なくなるため、被膜の爪母材への密着強度が低下して
好ましくないからである。
【0045】このようなバインダーは、例えばベンゼン
含有溶剤の一例のエチルベンゼン、キシレン、N−メチ
ルピロリドン、メチルエチルケトン、トルエンその他、
いわゆるシンナーと呼ばれる有機溶剤で希釈し、これに
前記したフッ化黒鉛を混合する。このようにすると、分
離爪の表面に、フッ化黒鉛を含有する耐熱性樹脂被膜を
形成する塗装が簡単に行え、すなわち被膜の形成方法と
して噴霧(スプレー)、浸漬(ディッピング)などの塗
装方法を採用することができる。
【0046】フッ化黒鉛と、イミド基を含有する重合体
等のバインダーと、溶剤とを混合した塗布液は、分離爪
などの剥離部材を形成する基材に対して優れた密着性を
示すが、そのような密着作用は、バインダーとフッ化黒
鉛との凝集エネルギー密度の差によるのではないかと考
えられる。
【0047】このような塗布液を用いた塗膜の膜厚を可
及的に均一に、特に分離爪の先端部分周辺にも安定した
精度の膜厚で塗膜を形成するには、噴霧(スプレー)に
よる塗布方法を採用することが好ましい。塗布液の歩留
りを上げ、塗布液を効率よく使用するには浸漬(ディッ
ピング)による塗布方法を採用することが好ましい。
【0048】なお、前記使用する有機溶剤は、例えば次
のように分類できる。 ・アセトン、メチルケトン等のエトン類 ・酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類 ・キシレン類、トルエン類の芳香族炭化水素類 ・メチルクロロホルム、トリクロロエチレン、トリクロ
ロトリフルオロエタン等の有機ハロゲン物 ・N−メチル−ピロリドン(NMP)、メチル−イソ−
ピロリドン(MIP)の単独又はこれらの混合物(例え
ば、NMPを40〜50重量部、NIPを20〜30重
量部)、またこれらにキシレンを5〜15重量部加えて
も良く、周囲の温度や湿度等の環境に応じて、これらの
輝発性溶剤を適宜配合してもよい。
【0049】また、上記コーティング液のフッ化黒鉛と
バインダー樹脂との混合物は、5〜60重量%(溶剤9
5〜40重量%)、好ましくは10〜50重量%(溶剤
90〜50重量%)、より好ましくは20〜35重量%
(溶剤80〜65重量%)とする。コーティング液の混
合樹脂が5重量%未満であると分離爪等の剥離剤の表面
に充分な樹脂が付着せず、溶剤も無駄になりやすい。6
0重量%を越えると、固形分量が多すぎるので、スプレ
ーガンなどの霧化手段のノズルの液づまりの原因となり
やすい。
【0050】このようなコーティング液の粘度は、フォ
ードカップ#4を用いた液粘度の測定試験において20
〜70秒である。上記測定試験で所定の時間未満の粘度
では、溶剤が過剰で塗布面に液垂れが起こり、所定の時
間を越える粘度では、前述のようにスプレーガンのノズ
ルが詰まる原因になる。このような傾向から前記の測定
方法でのより好ましい粘度は、20〜60秒であり、よ
り好ましくは20〜40秒である。
【0051】また、この発明で使用するコーティング装
置のスプレーガンのノズル口径は、0.8〜1.6mm
程度であればよく、好ましくは1.0〜1.2mmであ
る。
【0052】ノズル口径が1.0mm未満では添加した
固形物や液粘度が高い場合にノズルが詰まりやすい、特
に0.8mm未満ではこのような傾向が高まる。
【0053】ノズル口径が1.2mmを越えると噴霧時
の塗布液の粒子が粗くなり、均一な厚さの塗膜を形成し
難い。このような傾向は、ノズル口径が1.6mmを越
えた場合に顕著である。
【0054】塗装作業を速やかに行なうためには、加熱
して乾燥することが好ましく、また密着性を高めるため
には焼付け塗装することが好ましい。加熱温度は、バイ
ンダー樹脂の種類にもよるが、180〜380℃、好ま
しくは180〜330℃であれば密着性をよく改善する
ことができる。
【0055】例えばバインダー樹脂(結着性樹脂)がポ
リアミドイミド樹脂である場合には、被膜の加熱温度は
180〜280℃が適当である。結着性樹脂の架橋温度
未満(例えば180℃未満)であると結着性樹脂の架橋
が進行せず、混合樹脂被膜の分離爪に対する密着性が期
待できない。また、加熱温度が380℃を越え(ポリア
ミドイミド樹脂では280℃を越え)、特にバインダー
樹脂の分解開始温度(なかでも微分熱分解開始温度)を
越えると、バインダー樹脂の分解が進み始めるので好ま
しくない。
【0056】ここでいう熱分解温度は、重量分析等で測
定できる。詳しくは、熱分析(DSC、DTA、TGA
など)により、熱天秤法のような熱天秤減量曲線(T
G)と、示差熱分析曲線(DTA)で求めることができ
る。例えば15mgの試料片を昇温速度10℃/分で空
気中または窒素ガス中で加熱し、試料片に5%の重量減
少が生じる温度、または5mgの重量減が生じた温度、
または各温度別の重量減少%を調べ、これから50重量
%に対応する温度を求めて、これを熱分解による50重
量%減量温度として求めることができ、また微分熱分解
開始温度として評価する。
【0057】焼成時は、所定の温度に達する前に、例え
ば常温〜80℃〜130℃〜180℃〜230℃〜28
0℃というように数段階に分け、15分〜180分の範
囲内で15分〜60分ごとに徐々に昇温させることによ
り、結着性樹脂のキュアが徐々に確実に進行し、均一な
密着強度を有する被膜を形成することができる。また、
被膜にちぢみ、しわ、わき、われ等の発生を防ぐことも
できる。
【0058】焼成時の最高温度の保持時間は、15〜6
0分、好ましくは30〜45分の範囲であればよい。最
高温度の保持時間が15分未満の短時間では結着性樹脂
のキュアが不安定で、60分を越える長時間では耐熱性
樹脂からなる分離爪への熱的影響(例えば、熱変形の発
生等)が心配され、また電気炉の消費電力量も多くな
る。更に製造工程の時間も長くなり、コスト低減につな
がらない。
【0059】また、昇温時には100〜120℃で15
〜60分間昇温を一時停止し一定温度に保持させるよう
にしてもよい。これは、予備乾燥後の樹脂被膜内に極く
わずかの水分等の溶剤が含まれていた場合、その溶剤を
被膜から完全に乾燥させて、その後に焼成に移るように
するためである。
【0060】短時間で急激に加熱して被膜を焼成しよう
とすると前記の水分等の溶剤が沸点を越えて気化し、蒸
発しようとする時に体積が膨張し、被膜に泡状の膨れや
穴等のいわゆる「はじき」「へこみ」「わき」「われ」
「ふくれ」等の不具合が発生するが、前述のように、徐
々に一定時間の間で一定温度に保持しその後に焼成工程
に移るようにすることにより、このような不具合の発生
を防ぐことができる。
【0061】焼成工程後の冷却は、前記上昇時と逆の段
階を経て冷却してもよく、また60〜180分程度の時
間をかけて連続的に徐冷してもよい。このように徐冷す
ることにより被膜と被覆物とが互いに均一に精度よく収
縮し、精度の高い分離爪を提供することができる。
【0062】なお、分離爪基材に対する高温の熱処理
は、電子写真装置用剥離部材の耐熱性の向上および機械
的強度の向上のために必要である場合が多い。具体的な
熱処理としては、ポリフェニレンサルファイド樹脂やポ
リイミド樹脂等を基材とした場合のアニール熱処理(ア
ニーリング)、ポリアミドイミド樹脂等を採用した場合
のポストキュア処理などが挙げられる。
【0063】このような分離爪基材に対する熱処理は、
前述の焼成温度と同程度の高温にまで加熱することが多
く、通常は被膜の焼成工程の前に基材の熱処理を施せば
よい。また、分離爪基材と被膜材料との組合わせにもよ
るが、製造工程のエネルギー消費効率を改善するには、
被膜の焼成工程と分離爪基材の熱処理工程を同時に行な
うことも好ましい。
【0064】フッ化黒鉛を含有する耐熱性樹脂被膜は、
分離爪の先端部分、すなわち、定着部ローラに接し、か
つその形状が紙面の剥離性の良否に関係する部分につい
て、少なくとも被覆した状態で密着固定させる。この被
膜の厚さは、5〜40μm、好ましくは5〜30μm、
より好ましくは5〜20μmである。なぜなら、前記所
定範囲未満の薄膜では、連続した被膜の形成が困難であ
り、所定範囲を越える厚膜では先端R形状が適当でなく
なり、安定した剥離性がなくなるからである。
【0065】また、この発明における図1に示した分離
爪などの剥離部材の成形体(基材)の先端部の角度は、
特に限定されるものではなく、この発明の剥離部材の角
状の端部(角端部)の具体的な角度を例示すれば、90
°以下、好ましくは60°以下、より好ましくは45°
以下、さらに好ましくは30°以下であり、また下限が
5〜10°以上の鋭利な角度である。
【0066】前記角度が所定範囲を越える鈍い角度で
は、剥離部材に最も必要な機能である用紙等のシート部
材をローラから剥離する機能が損なわれる。前記角度が
所定範囲未満の鋭角では、剥離部材の角端部周辺の肉厚
が薄くなり過ぎて用紙が剥離部材の先端に引っ掛かるよ
うになり、紙詰まりが発生したり、角端部周辺に強度を
越える過剰な力が作用するなどの弊害が発生する。
【0067】そして、このような角端部に所定の被膜4
を形成した際の先端部曲率半径Rは、剥離するシート部
材3の厚み以下の先端Rとなるように、R0.005〜
0.1mm、好ましくはR0.01〜0.06mm、さ
らに好ましくは0.02〜0.05mmであればよい。
【0068】上記角端部の先端Rが、用紙等のシート部
材よりも大きい場合にはシート部材を良好に剥離し難く
なり、紙詰まり(ジャム)の原因になる。また、前記先
端Rが所定範囲より小さければ、剥離部材の取扱い時に
角端部の先端部分の欠損発生の原因になる場合があると
共に、そのような先端Rとするためには製造工程で精密
切削加工等の加工が必要になって効率的に製造できなく
なり、さらには精密な先端R形状の精度を管理する(品
質維持の)ために多大な時間を要し、製造コストの低減
を図り得なくなる。
【0069】なお、このように適度な精度の角端部の先
端R形状を維持しつつ、角端部の強度を向上させる手段
としては、剥離部材の基材となる耐熱性樹脂材中に、ガ
ラス繊維、炭素繊維、ウィスカ類などの短繊維その他の
繊維状強化材を均一に混合する手段がある。
【0070】上記ウィスカ類としては、例えばK2 O・
6TiO2 、K2 O・6TiO2 ・1/2H2 Oや、K
2 Ti2 5 、K2 Ti4 9 、K2 Ti6 13、K2
Ti8 17などのように一般式K2 O・nTiO2 (n
は1以上の整数または2以上の偶数)で表わされるチタ
ン酸カリウムウィスカが挙げられる。
【0071】また、前記したウィスカ以外には、一般式
9Al2 3 ・2B2 3 、2Al2 3 ・B2 3
で示される白色針状結晶体のようなホウ酸アルミニウム
ウィスカを採用することもでき、これらにS(イオウ)
を添加して白色化したものや、Pb、Cdなどの不純物
を含んで黄色や灰色のテトラポット状、またはこれらが
折れて円錐状、テーパ状となったような一般式ZnOで
示される酸化亜鉛ウィスカ、ルチル型白色針状結晶体の
ような一般式TiO2 で示される酸化チタンウィスカな
どもこの発明に使用できる。
【0072】前述のウィスカ類は、針状(髭状)の単結
晶体または多結晶体であり、結晶体の大きさは平均直径
0.01〜10μmである(種類によっては平均直径
0.1〜1μm)。
【0073】因みに、一般的なウィスカ類の平均長さは
1μm以上で50〜60mmまで達するものもあるが、
平均長さは1〜300μmである。そしてウィスカの種
類に応じて、その平均長さは1〜50μmの場合があ
り、これらのアスペクト比は1〜200、一般的には1
0〜100である。すなわち、この発明において、ウィ
スカ類の平均直径、平均長さ、アスペクト比は、特に限
定されるものではない。
【0074】ところで、上述のウィスカ類は、所定の範
囲内で非常に小径であり、かつ短繊維であるため、これ
らを含む耐熱性樹脂材を射出成形し、また切削成形する
ことによって、寸法精度がよく、かつ補強された角端部
の先端R形状を有する剥離部材を製造できる。しかし、
前述のウィスカ類の平均直径や平均長さが所定の範囲よ
り小さいものでは補強効果がなく、平均直径や平均長さ
が所定範囲を越えて大きいものでは剥離部材の角端部を
精度よくR形状に形成することが困難である。
【0075】上記ウィスカのような繊維状強化材の配合
割合は、耐熱性樹脂材中に1〜50重量%であることが
好ましい。なぜなら、前記の所定量未満の配合割合で
は、適当な補強効果がなく、所定割合を越えて配合する
と、射出成形による成形性が悪くなり、またバインダー
としての耐熱性樹脂の組成物中の割合が低くなるからで
ある。また、その他の要因として、射出成形のショート
ショットなどの不具合の発生原因になり、剥離部材の角
端部のR形状を精度よく形成することが困難になること
も挙げられる。このような傾向から、より好ましい繊維
状強化材の配合割合は、10〜40重量%、さらに好ま
しくは20〜30重量%である。
【0076】なお、剥離部材が分離爪である場合の爪の
幅は、0.5〜5mm、好ましくは1〜3mmであれ
ば、爪先端の実用強度を保有し、しかも対接する相手ロ
ーラ表面の損傷を最低限に抑えられると考えられる。
【0077】この発明における耐熱性樹脂被膜の表面形
状・表面粗さは、Rmax (最大粗さ)、Ra(算術平均
粗さ)、Rz(十点平均粗さ)などのJIS規定の測定
法によって評価できる。
【0078】この発明における耐熱性樹脂被膜は、Rma
x で0.1〜40μmの範囲に形成することが好まし
い。なぜなら、0.1μm未満のRmax に形成するに
は、被覆膜の表層に精密な切削加工を施す必要が生じ、
製造効率を低下させるので、好ましくなく、40μmを
越えるRmax では、被膜の表面にトナーなどの粘着性物
質が付着し易くかつ除去し難くなって、分離爪の剥離性
能が低下し、また紙詰まりの原因になるからである。こ
のような傾向から、より好ましいRmax は、0.1〜2
5μm、1〜10μmまたは1〜3.2μmである。
【0079】なお、分離爪の仕様やその使用条件によ
り、分離爪先端部周辺や通紙面に粘着性物質が付着し難
い場合には、前記した表面粗さのRmax を3〜8μm程
度の範囲に設定してもよい。
【0080】このような樹脂被膜の表面は、水、酢酸の
水滴の接触角を測定することにより、表面の非粘着性を
判断することができる。例えば水滴の接触角は、80〜
120°であれば、この発明において充分な非粘着性を
有する樹脂被膜の表面状態であるとみなされ、より好ま
しい接触角は90〜120°、特に通紙試験前では10
0〜120°である。
【0081】酢酸の液滴の接触角は、20〜50°であ
れば、この発明において充分な非粘着性を有する樹脂被
膜の表面状態であるとみなされ、より好ましい接触角は
30〜50°、特に通紙試験前では35〜50°であ
る。
【0082】因みに、接触角の測定方法は、エルマ光学
社製のゴニオメーター式接触角試験機を用い、常温、常
圧で0.01〜0.1ミリリットルの液滴、好ましくは
0.05ミリリットルの水滴を試験片の表面に滴下し、
滴下直後から1分間(30秒後および1分後)の接触角
を測定する方法が代表的であるが、このような測定方法
に限定されるものではない。
【0083】なお、この発明における複写機用分離爪
は、外部から与えられた電気信号によって記録パターン
を感光体等の媒体上に形成し、この媒体上に形成された
電気量のパターンを可視的なパターンに変換する種々の
方式を採用したプリンタにも適用できることは勿論であ
る。
【0084】そのようなプリンタの方式としては、電子
写真方式、インクジェット方式、感熱方式、光プリンタ
方式、電子記録方式などが挙げられる。前記した電子写
真方式の種類としては、カールソン法、光・電荷注入
法、光分極法、光起電力法、電荷移動法、電解電子写真
法、静電潜像写真法、光電気泳動法、サーモプラスチッ
ク法が挙げられる。また、前記した光プリンタとして
は、レーザプリンタ、LED(発光ダイオード)プリン
タ、液晶シャッタプリンタ、CRTプリンタが挙げられ
る。また、電子記録方式としては、静電記録方式、通電
記録方式、電解記録方式、放電記録方式が挙げられる。
【0085】具体的には、トナー像転写式の乾式静電複
写機や湿式静電複写機、レーザービームプリンタ(LB
P)、液晶シャッタ(LCD)プリンタ、ファクシミリ
用プリンタなど、PPC、発光ダイオード(LED)、
銀塩写真方式によるプリンタ(CRT)などのプリンタ
や印刷機といった画像形成装置の全般を指す概念であ
る。
【0086】また、この発明の複写機用分離爪は、給紙
部、感光部、定着部、排紙部その他の用途に限定使用さ
れるものではなく、優れた耐熱性樹脂を選択的に採用す
れば、定着ローラや加圧ローラを含む定着部ローラに有
効である。なかでもこの発明の複写機用分離爪は、熱的
条件の厳しい定着ローラに対して適しており、さらにま
た定着部の加圧ローラよりも高温状態で使用され、オイ
ル塗布によりトナーの付着を防止するような湿式静電複
写機よりもさらに厳しいトナーの非粘着性が要求される
乾式静電複写機の定着装置の定着部ローラの排紙側周辺
にも適用できるものである。
【0087】
【実施例】実施例に用いた成形用の耐熱性樹脂などの材
料を一括して以下に示す。 (1)ポリフェニレンサルファイド樹脂(旭硝子社製:
RE101JA、融点280〜290℃) (2)ポリアミドイミド樹脂(アモコ社製:トーロン4
203、融点280〜290℃) (3)ポリイミド樹脂(三井東圧化学社製:オーラム4
50、融点380〜390℃) (4)ポリエーテルエーテルケトン樹脂(アイ・シー・
アイ社製:PEEK−150P、融点330〜340
℃) (5)ポリエーテルケトン樹脂(BASF社製:ULT
RAPEK−A2000、融点370〜385℃) (6)フッ化黒鉛(セントラルガラス社製:セフボン−
CMA) 〔実施例1〜5〕表1に示す成形材料で分離爪(厚さ幅
3mm、先端部曲率半径R=0.04mm、乾式静電複
写機の定着装置の分離爪と同一形状のものを射出成形し
た。次に、被膜の物性に悪影響を及ぼす塵やゴミ、油な
どを基材表面から取り除くため、分離爪基材を有機溶剤
に浸漬する表面洗浄処理を施した。
【0088】そして、ポリアミドイミド樹脂(熱分解温
度360〜480℃)60重量%と、表1に示したフッ
化黒鉛40重量%とを、固形分濃度25%となるように
エチルベンゼンからなる有機溶剤に分散させたコーティ
ング液をフォードカップ#4を用いて25〜35秒の間
に調製し、これをスプレー法にて分離爪の先端部分に塗
装した。
【0089】この時、ノズル口径1mmのスプレーガン
を用い、分離爪の通紙面と先端Rに向かって往復して移
動させながら分離爪に所定のコーティング液を塗布し
た。移動速度は、1秒以上の連続移動時の速度むらが±
10%以内となるようにし、50〜300mm/秒に設
定した。50mm/秒未満の低速では塗布液が垂れ易
く、300mm/秒を越える高速では濡れ面が形成され
難いからである。また、スプレーガンの霧化吐出圧を3
〜6kgf/cm2 に設定した。3kgf/cm2未満
の低圧では霧状塗布液の粒子が粗くなり、6kgf/c
2 を越える高圧では塗布液が無駄に飛散するからであ
る。
【0090】また、吹付け距離は、被塗装面とノズル先
端との距離が150〜250mmに設定した。150m
m未満の近距離では塗装液が被塗装面に溜まって塗装む
らが生じやすくなり、250mmを越える遠距離では被
塗装面に塗装液が充分に付着する前に霧状の塗装液粒子
が乾燥し、塗装面の表面粗さが増すからである。
【0091】250℃、1時間、加熱焼成して分離爪の
先端部分に厚さ15μmの被膜を形成した。膜厚の測定
には、表面粗さ計を用いて分離爪の基準面の1箇所にマ
スキングを施し、基準面と被覆面との段差を表面粗さ計
で測定し、その値を膜厚とした。
【0092】なお、実施例に使用した分離爪基材の成形
材料は、いずれも軟化点が180〜400℃であり、そ
の融点は280〜480℃の熱可塑性を示す芳香族系の
耐熱性重合体であり、これらの耐熱性重合体は、芳香族
環を有するために耐熱性が優れており、定着部まわりの
剥離部材として使用するには好適なものである。特に実
施例3、4、5は、成形樹脂としてそれぞれポリイミド
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテル
ケトン樹脂を採用し、各々にチタン酸カリウムウィスカ
(大塚化学社製:ティスモN、平均繊維径0.2〜0.
5μm、平均繊維長1〜30μm)を25重量%溶融混
合したものを用いた。
【0093】得られた分離爪について、以下の試験方法
にて、分離爪としての機能耐久性および非粘着性(ぬれ
性:°)を調べ、結果を表1中に併記した。
【0094】(a)分離爪としての機能耐久性 乾式静電複写機の定着装置を用い、同型の分離爪と同一
形状の試験片を加熱ヒータを有する定着ローラに分離爪
先端部が3〜30grfの押付力によって接触するよう
に調整して定位置に取り付け、A4版の複写用紙5万枚
を連続して通紙し、5万回の複写を繰り返し、定着部
ローラからの紙の分離不良(紙詰まり)発生時の複写枚
数、爪跡によるトナー画像汚染発生の有無、分離爪
へのトナーの付着量を調べた。
【0095】トナーの付着量については、付着していな
いか、または微量付着している(◎印)、比較的少量付
着している(○印)、少量付着している(△印)、多量
に付着している(×印)の4段階に評価し、表中に記号
で示した。
【0096】(b)非粘着性 分離爪を試験片として、エルマ光学社製のゴニオメータ
ー式接触角試験機を用いて、水と酢酸に対する接触角
(°)を求め、結果を表中に併記した。
【0097】
【表1】
【0098】〔比較例1〕実施例1において、成形体の
表面にフッ化黒鉛を含有する樹脂被膜を形成しなかった
こと以外は、実施例1と全く同様にして分離爪を製造
し、前記した性能試験(a)および(b)を行ない、そ
の結果を表2中に併記した。
【0099】〔比較例2および3〕表2に示す成形材料
で実施例1、2と全く同じようにして分離爪を形成し、
その表面に四フッ化エチレン樹脂含有のエナメル(ダイ
キン工業社製:ポリフロンタフコートエナメル、TC7
109BK)をスプレー法にて塗装し、250℃、1時
間で焼付け加工して被膜を形成した。この分離爪につい
て、前記した性能試験(a)および(b)を行ない、そ
の結果を表2中に併記した。
【0100】
【表2】
【0101】表1および表2の結果からも明らかなよう
に、分離爪の先端部分に所定の被膜が形成されていない
比較例1は、1900枚の通紙で分離不良となり、紙面
に爪痕が形成され、分離爪にトナーが付着した。また、
分離爪の表面にフッ素含有重合体を被覆した比較例2ま
たは比較例3についても、分離良好な通紙量の限界は、
約30000枚であった。
【0102】これに対して全ての条件を備えた実施例1
〜5は、フッ素含有重合体と略同等の非粘着性(接触
角)を有すると共に、50000枚の通紙試験において
紙と定着部ローラを確実に分離でき、紙面に爪痕がな
く、分離爪にはトナーが殆ど付着しないものであり、分
離爪としての機能耐久性が優れていることが判明した。
【0103】なお、実施例3〜5では、平均繊維径と平
均繊維長と強度、価格等の点において総合的に優れたチ
タン酸カリウムウィスカを採用し、これを前記耐熱性樹
脂に混合したから、分離爪先端の精密なR形状を保ちつ
つ強度を向上でき、しかも製造コストも低減できるもの
となった。
【0104】
【効果】この発明は、以上説明したように、耐熱性樹脂
を成形した分離爪などの剥離部材の爪先端部分を含む表
面にフッ化黒鉛を含有する樹脂被膜を形成したので、非
粘着性および潤滑性に使用耐久性が充分な電子写真装置
用剥離部材となり、分離爪に係る発明では、5万回程度
の通紙試験(被加熱条件での剥離動作)でも紙面の分離
不良、爪痕の形成、トナーの付着が起こらない分離爪と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)分離爪の側面図 (b)分離爪の使用状態を説明する定着装置の概略側面
【符号の説明】
1 加圧ローラ 2 定着ローラ 3 シート部材 4 被膜 A 分離爪 B 摺動ガイド H 加熱ヒータ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー像を定着したシート部材を定着部
    ローラから剥離する電子写真装置用の耐熱性樹脂製剥離
    部材において、この剥離部材の少なくとも先端部分を含
    む表面に、フッ化黒鉛を含有し耐熱性樹脂をバインダー
    とする耐熱性樹脂被膜を形成したことを特徴とする電子
    写真装置用剥離部材。
  2. 【請求項2】 耐熱性樹脂被膜のバインダーが、イミド
    基もしくは芳香族環または両者を含有する重合体である
    請求項1記載の電子写真装置用剥離部材。
  3. 【請求項3】 耐熱性樹脂被膜のバインダーが、ポリア
    ミドイミド系樹脂である請求項1記載の電子写真装置用
    剥離部材。
  4. 【請求項4】 耐熱性樹脂被膜のバインダーの含有量
    が、10〜70重量%である請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の電子写真装置用剥離部材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電
    子写真装置用剥離部材からなる電子写真装置用分離爪。
  6. 【請求項6】 トナー像を融着したシート部材を定着部
    ローラから剥離する電子写真装置用剥離部材の基材を耐
    熱性樹脂で形成し、この基材の表面にフッ化黒鉛とその
    溶剤の混合液を塗布し、次いで塗膜を熱処理することか
    らなる電子写真装置用剥離部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 熱処理温度が、180〜380℃である
    請求項6記載の電子写真装置用剥離部材の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10333465A (ja) * 1997-05-27 1998-12-18 Canon Inc 画像形成装置
JP2017058675A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 Ntn株式会社 剥離部材およびその製造方法
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