JPH0910563A - 中空繊維膜を紡糸加工により製造するための方法及び装置 - Google Patents

中空繊維膜を紡糸加工により製造するための方法及び装置

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JPH0910563A JP8186966A JP18696696A JPH0910563A JP H0910563 A JPH0910563 A JP H0910563A JP 8186966 A JP8186966 A JP 8186966A JP 18696696 A JP18696696 A JP 18696696A JP H0910563 A JPH0910563 A JP H0910563A
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ジェイムズ・ティモシー・マケラス
Thomas Anthony Bolan
トマス・アントニー・ボーラーン
Benjamin Bikson
ベンジャミン・ビクソン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体分離用中空繊維膜を紡糸製造するための
方法及び装置、及びその方法によって製造された流体分
離用異方性中空繊維膜を提供すること。 【解決手段】 この方法は、紡糸ドープを大気圧未満の
圧力に維持された凝固チャンバー内へ突入させた紡糸口
金を通して押出し、発生期の中空繊維を、該減圧チャン
バー内に突入しており、順次に衝接して配列された少く
とも2種類の液体を収容したコラムを通して搬送するこ
とから成る。装置は、真空チャンバーと、紡糸口金と、
真空チャンバー内へ突入しており、少くとも2種類の互
いに衝接した凝固媒体を導入する入口と排出する出口を
備えたコラムとから成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスや液体混合物
等の流体混合物中の成分を分離するのに使用される中空
繊維膜を製造するための方法及び装置に関し、その方法
によって製造された流体分離用の異方性中空繊維膜に関
する。本明細書でいう「流体混合物」とは、液体の混合
物又はガスの混合物のことである。「中空繊維膜」と
は、中空繊維の壁を構成する半透過性即ち選択透過性の
膜、及び、中空繊維の壁を構成する多孔質の基材とそれ
に被覆された半透過性即ち選択透過性のコーチング層と
から成る膜の両方を意味する。後者、即ち、中空繊維の
多孔質の基材とそれに被覆された半透過性即ち選択透過
性のコーチング層から成るものを特に「複合膜」と称す
る。流体の分離は、中空繊維膜の全長に沿って供給流体
と透過流体の間に向流流れを維持した状態で行われる。
【0002】
【従来の技術】流体分離用の中空繊維膜(以下、単に
「膜」とも称する)を製造する方法としては、文献に多
くの例が記載されている。それらの膜は、異方性(大抵
の場合非対称性)であるか、等方性であり、ガス分離を
含むいろいろな流体分離に使用することができる。例え
ば、I.カバッソ著「中空繊維膜」には、多孔質のポリ
スルホン中空繊維を調製するための製造装置が記載され
ている。又、カーク オスマー編「化学技術百科事典」
12巻、第3版、492−519頁(1980年)及び
「ポリマーの科学とエンジニアリングの百科事典」9
巻、第2版、509−579頁(1987年)にも関連
の技術が記載されている。
【0003】非対称膜の製造に最も多く使用されている
方法の1つは、転相法である。ポリマー溶液から転相法
によって非対称(「スキン付き」)中空繊維膜を調製す
る方法は、通常、(1)ポリマー溶液即ち「ドープ」を
キャストする工程と、(2)キャストされた溶液を大気
に露呈することによって蒸発させる工程と、(3)その
ポリマー溶液を液体凝固媒体中に沈降させ、溶剤を浸出
させる工程と、随意選択として(4)得られた膜をアニ
ールする工程を伴う。上記蒸発工程を省いて直接凝固に
よって非対称膜を製造する方法も知られているが、大抵
の工業用製造工程には、この蒸発工程が含まれる。蒸発
工程の重要性は、当該技術において熟知されているが、
蒸発温度、蒸発工程の継続時間等の選択的パラメータが
特定のポリマー/溶剤キャスト組成物に関して実験的に
決定されるという点で、経験に依存する度合が高い。
【0004】非対称膜の製造は、膜の各セクションを最
適化するための形態学的要件(morphology)が必ずしも
同じでないという点で、困難な問題を提起する。例え
ば、膜の最適な表面多孔度を得るのに必要とされる液体
凝固媒体即ち液体凝固剤(以下、単に「凝固媒体」、
「凝固剤」又は「凝固液」とも称する)と、膜の最適な
表面下構造を形成するのに必要とされる凝固液とは、異
なる場合がある。このことは、単一の凝固剤を使用する
場合は、上記両要件の間の妥協によって決定された凝固
剤を使用するということであり、どちらの構造(多孔度
と表面下構造)も最適化されないことを意味する。さも
なくば、発生期の繊維を一連の液体凝固媒体の浴(以
下、単に「凝固浴」と称する)に通さなければならな
い。後者の方法の1例は、「膜科学ジャーナル」70
(1992年)17−30頁に掲載されたJ.A.バン
ホフ他の「高選択性の非対称ガス分離膜を2浴凝固法に
よって調製する方法」と題する論文に記載されている。
この方法では、2つの連続した非溶剤の浴が使用され、
第1浴は、膜の外層の形成を開始する機能を果たし、第
2浴は、膜の凝固工程を完成させる。しかしながら、そ
れに用いられる凝固浴は、周囲環境へ漏出するおそれの
ある高価な引火性及び、又は有毒な液体であるため、こ
の方法を実施するには最新の注意を払わなければならな
い。しかも、繊維は、まだ完全には凝固していないにも
拘らず、第1非溶剤浴と第2非溶剤浴の間のガス間隙
(ガスが存在する間隙)を通して搬送しなければならな
い。
【0005】米国特許第3,842,151号は、ポリ
マー溶液から大気圧未満の圧力下で繊維を調製する方法
を開示している。この方法によれば、ポリマー溶液
(「紡糸溶液」、「紡糸液」、「紡糸ドープ」又は単に
「ドープ」とも称する)を紡糸口金を通してチューブ又
はシャフト内へ押出す。その際、チューブ又はシャフト
の上端は紡糸口金に連結された蓋によってガス流に対し
て密封され、下端は大気に開放した凝固浴の液面より下
に置かれている。紡糸口金と凝固浴の液面との間のチュ
ーブ又はシャフト内の圧力は、チューブ又はシャフトの
外部の圧力より低い圧力に維持され、それによって、チ
ューブ又はシャフト内の凝固液の液面をチューブ又はシ
ャフト外の凝固浴の液面より高くする。紡糸工程におい
て、ポリマー溶液は、大気圧未満の圧力に維持されてい
るシャフト内の凝固浴の上のガス雰囲気内へ紡糸口金を
通して押出される。次いで、紡糸によって得られた繊維
は、凝固浴に入り、凝固浴を通った後収集される。凝固
浴の液面を所望の高さに維持するための真空手段が設け
られ、必要ならば、紡糸口金と凝固浴の頂部の間のシャ
フト領域にガス媒体を出し入れするための手段も設けら
れる。
【0006】米国特許第4,915,888号は、急冷
液を紡糸口金の出口に接触させるように急冷液の垂直中
を真空によって支持することを教示している。このタイ
プの装置は、微孔質のナイロン中空繊維を製造するのに
用いられる発生期のドープ流のための長い凝固経路を設
定するのに便利である。
【0007】米国特許第5,181,940号は、優れ
た流体又はガス分離特性を有する非対称性の高い中空繊
維膜を製造するために真空紡糸装置を用いることを開示
している。この装置を用いる方法では、紡糸ドープは、
紡糸チャンバーの外部に比べて減圧された圧力に維持さ
れた帯域内へ押出され、キャストドープ(キャストされ
たドープ)は、大気圧未満の圧力下で制御された蒸発工
程にかけられた後、凝固媒体として機能する均質な液体
内へ導入される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた流体
分離用異方性中空繊維膜、及びそれを製造するための方
法及び装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課
題を解決するために、真空チャンバーを備えた装置内で
中空繊維を紡糸し、次いで、その発生期の中空繊維を途
中で周囲雰囲気に露呈させることなく異なる組成の複数
種類の急冷液に通すことによって発生期の中空繊維を沈
降させ、溶剤を浸出させること(多くの場合、非溶剤、
多孔形成剤及びその他の添加剤を浸出させることも含
む)から成る中空繊維膜製造方法が提供される。それに
よって、優れた流体又はガス分離特性を有する中空繊維
膜を製造することができる。
【0010】本発明は、又、真空チャンバー内へ突入し
た紡糸口金と、同じ真空チャンバー内へ突入しており、
多種類の凝固液を順次に衝接(突合せ)関係即ち直列関
係に収容した紡糸コラムを備えた多種凝固液式中空繊維
膜製造装置を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に従って異方性、特に「ス
キン付き」即ち非対称性の中空繊維膜を調製するための
方法は、ポリマー溶液即ちドープを紡糸する工程と、紡
糸された中空繊維膜を順次に衝接関係即ち直列関係に配
置された複数の凝固媒体(凝固剤)を通して処理する工
程の2つの工程を伴う。
【0012】以下の説明から分かるように、発生期の繊
維を凝固媒体に露呈させると、溶剤成分を浸出させ、場
合によっては非溶剤、多孔形成剤及びその他の添加剤を
浸出させる転相過程の結果として、凝固/沈降を含む幾
つかの現象が生じる。本発明の方法には、紡糸された中
空繊維膜をアニールする工程及び、又は凝固媒体に露呈
させる前に発生期の繊維から制御された量の溶液を蒸発
させる工程等の幾つかの随意選択の工程を含めることも
できる。
【0013】本発明の教示に従えば、乾式−湿式紡糸法
によっても、あるいは、湿式−湿式紡糸法によっても繊
維を製造することができる。後者の場合、得られる膜の
特性は、主として凝固媒体によって制御される。前者の
場合は、膜の特性は、蒸発工程によって影響される。
【0014】本発明によって異方性の多孔質中空繊維を
製造するに当っては、まず、繊維生成材料の溶液を調製
する。この溶液は、一般に、ゾル、紡糸ドープ、又は紡
糸溶液と称される。ドープに含有される繊維生成材料
は、通常、1種類のポリマー又は複数種類のポリマーの
混合物を1種類又は複数種類の成分から成るビヒクルと
混合することによって得られた、中空繊維の紡糸に適す
る粘性を有する混合物である。周知のように、ポリマー
を混合するビヒクルは、通常、ポリマーを例えば非溶剤
のような1種類又は複数種類の添加剤と共に溶解するこ
とができる少くとも1種類の溶剤を有する。中空繊維
は、初期ゲル化温度に近い、又はゲルの状態のポリマー
溶液即ちドープを減圧帯域を通して紡糸し、次いで、凝
固媒体内で凝固させることによって調製される。ドープ
は、1種類又は複数種類のポリマーを、非溶剤、多孔形
成剤又は界面活性剤のような少くとも1種類の添加剤を
含有した溶剤中に溶解させることによって調製するのが
有利である。
【0015】紡糸溶液は、乾式−湿式紡糸工程中、減圧
ギャップにおける溶剤の蒸発を促進するために高蒸気圧
の溶剤又は非溶剤成分を含有したものとすることができ
る。用例によっては、紡糸溶液の一部として高沸点の溶
剤と低沸点の溶剤の混合物を用いいることが有利な場合
がある。ただし、繊維の非対称性の度合を高めるには、
紡糸溶液に必ずしも低沸点の溶剤を導入する必要はな
く、高沸点の溶剤だけを含有した溶液を有効に利用する
こともできる。
【0016】本発明においては、中空繊維膜の形に紡糸
することができる任意のポリマー又は2種類以上のポリ
マーの組合せ(ポリマーブレンド)を用いることができ
る。そのようなポリマー及びポリマーブレンドの例は、
当該技術において多数知られている。同様に、紡糸溶液
の溶剤についても、ジメチルホルムアミド、N−メチル
ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の溶剤を含む斯界
において周知の溶剤又は2種類以上の溶剤の組合せを使
用することができる。
【0017】本発明によって中空繊維を生成するのに有
用なポリマーのタイプの代表的な例は、固体の天然又は
合成の繊維生成物質である。中空繊維を製造するための
素材の選択は、得られる中空繊維に求められる耐熱性、
耐溶剤性、及び、又は機械的強度、並びに、その中空繊
維が使用される分離工程のタイプ及び使用条件によって
要求されるその他の要素に鑑みてなされる。例えば、ガ
ス分離を実施するのに中空繊維を用いる場合は、その中
空繊維は有効な分離特性を有するものでなければならな
い。あるいは又、中空繊維を複合膜製造のための基材と
して使用する場合は、その基材(中空繊維)に被覆され
るガス分離用(選択透過性)のコーチング層がガス分離
を実施することになるので、それに鑑みて中空繊維の素
材を選択すればよい。
【0018】本発明が対象とする中空繊維は、可撓性の
ものである場合もあり、実質的に剛性のものである場合
もある。ポリマーの場合、多孔質の中空繊維を得るため
に任意の適当な態様で処理することができるものであれ
ば、付加ポリマー(付加重合体)であれ、縮合ポリマー
(縮合重合体)であれ、いずれでも用いることができ
る。代表的なポリマーは、ポリスルホン;ポリエーテル
ケトン;アクリルニトリル−スチレンコポリマーのよう
なスチレン含有コポリマー等を含むポリスチレン;ポリ
カーボネート;酢酸セルロース、プロピオン酸セルロー
ス、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロー
ス系ポリマー;ポリアミド及びポリイミド;ポリエーテ
ル;ポリフェニリンオキシド、ポリキシレンオキシド等
のポリアリレンオキシド;ポリウレタン;ポリエステル
(ポリアリーレートを含む);ポリアルキルメタクリレ
ート;ポリアルキルアクリレート;ポリサルファイド;
α−オレフィン不飽和モノマーから得られたポリマー;
及び、上記物質のコポリマー、グラフトポリマー及び上
記物質のいずれかを含有したブレンドから選択すること
ができる。上記ポリマーは、置換ポリマーであっても、
不置換ポリマーであってもよく、置換ポリマーを生成す
る代表的な置換基としては、弗素、塩素及び臭素等のハ
ロゲン;ヒドロキシル基;低級アルキル基;アルコキシ
ル基;モノ環状アリール;低級アシル基;スルホン酸基
等がある。
【0019】ドープを配合するのに用いられる非溶剤成
分は、固体であっても、液体であってもよい。非溶剤成
分は、紡糸ドープの粘度、並びに、得られる中空繊維の
多孔度及びその他の特性を制御するのに有用である。紡
糸ドープを配合するのに有用であることが知られている
代表的な液体非溶剤としては、脂肪族アルコール、特に
エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、
ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシド、ア
ルキルアリールポリエーテルアルコール、スルホン酸ア
ルキルアリール、アルキルスルフェート等の界面活性
剤、燐酸トリエチル、ホルムアミド、及び、酢酸又はプ
ロピオン酸のような脂肪酸、等がある。固体の非溶剤成
分の例としては、ポリビニルピロリドン、クエン酸、及
び、塩化亜鉛、塩化リチウムのような塩、等がある。
【0020】紡糸ドープは、紡糸口金から押出される中
空繊維先駆体に適正な強度を付与するのに十分に高い粘
度を有するものとすべきである。そのためには、押出温
度でのドープの粘度は、約1,000〜10,000,
000センチポアズ、好ましくは約10,000〜1,
000,000センチポアズとすべきである。
【0021】紡糸ドープは、まず、ビヒクルの溶剤成分
を適当な混合容器内に導入し、次いで非溶剤成分を添加
して均質な混合物が得られるまで攪拌し、その混合物即
ちビヒクルに繊維生成ポリマーを添加してポリマーがビ
ヒクルに完全に溶解されるのに十分な時間混合すること
によって調製することができる。得られた粘性の混合物
を混合することができる機械的攪拌機を用いるのが有利
である。代表的な紡糸ドープの混合は、234時間未
満、通常約8時間で行うことができる。
【0022】この混合工程が完了した後、紡糸ドープを
脱気しなければならない。即ち、紡糸ドープを紡糸して
中空繊維膜とする前に、混合サイクル中にドープ内に取
込まれた気泡を除去しておかなければならない。この脱
気工程は、気泡によって中空繊維に大きな瑕疵が生じ、
中空繊維の押出工程に乱れを生じさせる原因となるのを
防止するために行われる。脱気は、紡糸ドープを適当な
容器内で真空に露呈することによって、あるいは、他の
周知の方法で実施することができる。
【0023】紡糸ドープを紡糸口金へ送給する前に1回
又はそれ以上の濾過工程にかけることが好ましい。紡糸
口金内でドープの流れに乱れや断絶が生じるのを防止す
るとともに、得られる多孔質の中空繊維に大きな瑕疵が
生じるのを防止するために、紡糸ドープから汚染物を除
去しておくことが好ましい。中空繊維に大きな瑕疵が存
在すると、中空繊維の機械的特性を低下させたり、分離
効率を低下させることになるからである。この濾過目的
には、約100μの公称気孔サイズ定格を有するフィル
タが有用であるが、ある種の用例においては、約20μ
又は約10μ程度の公称気孔サイズ定格を有するフィル
タが好ましい場合もある。
【0024】本発明に使用するための紡糸口金は、一般
に、チューブ・イン・オリフィス型(オリフィスの中心
部にコアチューブを備えたタイプ)であり、得られる中
空繊維の内孔を形成するために液体又はガス等のコア流
体(芯流体)をチューブを通して噴出させるようになさ
れている。1度に多数の中空繊維を製造するために、マ
ルチオリフィス型紡糸口金のような他の構造の紡糸口金
を用いるのが有利な場合もある。本発明に使用される紡
糸口金の直径は、約0.0254cm〜0.51cm、
好ましくは約0.05cm〜0.25cmの範囲とする
ことができる。周知のように、紡糸口金のサイズは、主
として、得るべき中空繊維の寸法に応じて決められる。
【0025】紡糸口金内のコアチューブ(「紡糸口金チ
ューブ」又は単に「チューブ」とも称する)は、得られ
る中空繊維の同心性を維持するために紡糸口金の中心に
位置づけすべきである。又、この紡糸口金チューブの孔
は、所要のサイズの中空繊維を形成するのに十分なコア
流体の流れを通すのに十分な大きさにすべきである。紡
糸口金チューブの外径は、約0.005cm〜約0.2
5cm、好ましくは約0.013cm〜0.2cmの範
囲とすべきである。
【0026】紡糸ドープは、その供給源から所望の流量
で一定の流れを供給する任意周知の手段によって紡糸口
金へ送給することができる。紡糸ドープの送給方法の代
表的なものは、ドープの流れを適当な調整弁とロータメ
ータで計量しながらガス圧力によって供給容器から紡糸
口金へ圧送する方法である。別法として、ポンプを用い
てドープを計量し紡糸口金へ送給することもできる。更
に別の方法は、圧力容器とポンプを併用する方法であ
る。本発明の実施において紡糸口金へ送給すべき紡糸ド
ープの典型的な流量は、0.5cc/分〜20cc/
分、好ましくは、1cc/分〜10cc/分の範囲であ
る。ただし、それは、紡糸口金のサイズと、そのオリフ
ィスの数及びサイズによって異なる。
【0027】紡糸延伸係数としては、約1以下の低い値
から30以上の高い値まで用いることができる。紡糸延
伸係数(SSF)とは、凝固浴から出てくるときの中空
繊維の速度対ジェット速度の比率である。ジェット速度
とは、単位時間当りに紡糸口金の1つのオリフィスを通
るドープの容量と、そのオリフィスの断面積から算出さ
れた、紡糸口金毛管内を通るドープの平均速度のことで
ある。
【0028】紡糸ドープは、紡糸口金から押出す前に加
熱しておくことが有利な場合が多い。それは、例えば、
紡糸ドープの取扱い(搬送)を容易にするために紡糸ド
ープの粘度を低下させておくという観点から有利な場合
がある。又、紡糸ドープを高められた温度で送給するこ
とによって、より有益な特性を備えた非対称の多孔質中
空繊維が得られる場合もある。紡糸口金のところでのド
ープの温度は、多くの場合、約20°C〜200°C、
好ましくは約30°C〜150°Cの範囲である。
【0029】押出される紡糸ドープの流れ内に開放内孔
を維持するために、上述したように紡糸口金内のチュー
ブを通してコア流体が送給される。このコア流体は、液
体であっても、ガスであってもよく、単一成分から成る
ものであっても、複数成分の混合物から成るものであっ
てもよい。コア流体は、所望のサイズの繊維を生成する
ように制御された流量で紡糸口金チューブへ送給され
る。紡糸口金へ計り出される液体のコア流体は、流量計
のような周知の適当な計器によって測定することができ
る。あるいは、液体のコア流体は、計量ポンプによって
紡糸口金へ送給してもよく、容器からガス圧力によって
圧送してもよい。ガスのコア流体は、計量された圧縮ガ
スを用いて送給することができる。あるいは、乾式−湿
式法を用いる場合は、紡糸口金チューブの孔内の圧力
と、紡糸口金を囲包するチャンバー内の大気圧未満の圧
力との圧力差を利用してコア流体を紡糸口金内へ吸引す
るようにすることができる。
【0030】特定の非対称中空繊維特性を得るためにコ
ア流体の温度を制御することが望ましい場合が多々あ
る。コア流体の温度は、一般的に約0°C〜200°C
であり、より一般的には約20°C〜100°Cであ
る。
【0031】中空繊維の壁は、それを取扱う(搬送す
る)のに特別な装置を必要としないほど十分な厚さを有
するものであるのが有利である。多くの場合、中空繊維
は、約20〜1,000μの範囲で、約50〜1,00
0μ、例えば約250〜1,000μの外径を有し、少
くとも約5μの壁圧を有するが、中には、約200又は
300μもの壁圧を有する中空繊維もある。中空繊維の
壁を透過するフラックス(例えば酸素のような分離すべ
き成分が中空繊維の壁を単位時間当り単位面積当りに透
過する透過量)を所望の値にするために、中空繊維は相
当大きな空隙容積を有するものとすることができ、中空
繊維の密度をその中空繊維のばら素材の密度より小さい
値とすることができる。「空隙」とは、中空繊維の壁内
の繊維材料のない空隙をいう。従って、空隙が存在する
中空繊維の場合、その中空繊維密度は、その中空繊維の
未加工時の材料の密度より小さい。多くの場合、中空繊
維の空隙容積は、その中空繊維の壁容積即ち見掛け容積
(中空繊維の総容積から中空内孔の容積を差引いた容
積、即ち、中空繊維の外輪郭内に囲われた容積)を基準
として、最高約90%、一般には約10〜80%、場合
によっては約20%又は30から70%の範囲である。
通常、多孔質中空繊維の気孔は、約20,000Å未
満、の平均断面直径を有しており、ある種の中空繊維に
おいては気孔の直径は約1,000Å又は5,000Å
未満である。
【0032】本発明の中空繊維は、その壁の厚み内にそ
の壁を透過する流体流に対してバリヤーをなす(透過を
阻止する)少くとも1つの緻密領域(密度の高い領域)
を有することを特徴とする、即ち、異方性又は非対称繊
維である。この緻密領域は、通常、中空繊維の外表面に
形成するが、内部、特に表面に近接した内部区域に設け
ることもできる。
【0033】図1は、乾式−湿式紡糸法によって中空繊
維を生成するための本発明の装置の一実施形態を示す。
この装置は、幾つかの異なる凝固液を用いる多種凝固液
式中空繊維製造装置であり、ポート2を介して真空ポン
プ(図示せず)のような真空創出装置に接続される真空
チャンバー1を備えている。頂部から真空チャンバー1
内へ垂直に紡糸口金3が突入している。紡糸口金3は、
真空チャンバー1内に一部分だけ突入させてもよく、全
体を真空チャンバー1内に設置してもよい。随意選択と
して、真空チャンバー1には、随意選択として、例えば
不活性パージガスのようなガス又は蒸気を断続的に又は
連続的に循環させるのに用いることができる入口ポート
4及び出口ポート5を設けることができる。そのような
ガス循環系統は、米国特許第3,842,151号に記
載されている。
【0034】本発明の乾式−湿式紡糸方法においては、
紡糸ドープとコア流体が、紡糸口金3から押出されて発
生期の中空繊維20を形成する。紡糸ドープ送給系統及
びコア流体送給系統は、図示されていない。発生期の中
空繊維20は、紡糸口金3を凝固液を収容した凝固コラ
ム又は紡糸コラム(以下、単に「コラム」とも称する)
7の上端より所定距離だけ上方に位置づけすることによ
って設定されたガス間隙(ガスが存在する間隙)6を通
して搬送される。コラム7の上端は、真空チャンバー1
に対して密封されており、下端は、大気に開放されてい
る凝固液貯留器17内の凝固浴の液面より下に位置づけ
されている。
【0035】発生期の中空繊維20は、凝固液に接触す
る前に所定時間の間真空チャンバー1内の減圧下のガス
雰囲気に露呈される。中空繊維20をガス間隙6におい
て大気圧未満の圧力下のガス雰囲気に露呈させることに
より、他の条件が同じであるが、大気圧下で紡糸された
中空繊維に比べて優れた特性の中空繊維が得られる。間
隙6の長さは、約0.25cm未満から約2m以上とす
ることができるが、一般には、約0.5cm〜約30c
mとする。真空チャンバー1内の真空度は、約1cm〜
約75cm Hg(水銀柱)の範囲とし、多くの場合、
約10cm〜約36cm Hgとする。真空チャンバー
内の真空は、そのチャンバー内を通る中空繊維を破裂さ
せるほど、あるいは、凝固液の過度の蒸発を起すほど高
いレベルに維持してはならない。
【0036】コラム7は、一般に約1〜30cmの内径
を有し、約25〜900cmの長さを有する細長いチュ
ーブであり、その中に、それぞれ帯域8と9の形に互い
に衝接(直列)関係に直列に配置された2種類の凝固液
が収容されている。これらの互いに衝接した(突合せ関
係に接触した)2種類の凝固液帯域8と9の間の界面に
は、それらの液体の混和性又は相溶性の度合に応じて異
なるが、若干の混合が生じる。ここでは、説明の便宜
上、発生期の中空繊維20が接触する最初の凝固液を第
1凝固液又は一次凝固液と称し、凝固液帯域8を一次凝
固液帯域又は初期凝固液帯域と称することとする。本発
明の利点の1つは、有毒なは引火性の一次凝固液の使用
を可能にすることである。真空チャンバー1内のヘッド
スペースは密閉されて減圧下に維持されているので、コ
ラム7内に凝固液を導入する前に、及び、又は、紡糸工
程中終始連続的にチャンバー1を不活性ガスでパージす
ることによって酸素の大部分を容易に除去することがで
きる。真空チャンバー1内の酸素欠乏雰囲気は、燃焼を
維持することがないので、引火性の凝固液であっても安
全に動作させることができる。本発明のもう1つの利点
は、一次凝固液の容積がコラム7内の総凝固液容積の少
割合(%)を占めるように構成することができ、それに
よって、高価な一次凝固液を利用する経済的な手段を提
供することである。
【0037】コラム7は、真空チャンバー1の底部を貫
通して延長し、好ましい実施形態では、紡糸口金3に垂
直方向に整列するように配置されている。コラム7は、
チャンバー1内に密封されているが、コラム7の上端は
開放しており、一次凝固液が真空チャンバー1の底部1
0へオーバーフローすることができるようになされてい
る。随意選択として、底部10は、一次凝固液のための
溜めとして機能するようにすることができ、使用済み一
次凝固液を抽出するための出口ポート11と、新鮮な一
次凝固液を注入するための注入ポート12を備えたもの
とすることができる。従って、底部10は、「溜め」と
も称される。溜め10内の一次凝固液の液面より下の位
置に出口13が設けられ、コラム7の上端部分に入口1
4が設けられている。出口13と入口14とは導管15
によって連結され、導管15には、一次凝固液を循環さ
せるためのインラインポンプ16が配設されている。所
望ならば、導管15にフィルタを設けることができる。
【0038】コラム7の下部9は、第2凝固液即ち二次
凝固液によって満たされる。コラム7の下端は、二次凝
固液のための貯留器として機能する容器17内に突入し
ている。容器17は、所望ならば、繊維の、二次凝固液
との接触時間を延長させるための手段として機能させる
こともできる。使用済み二次凝固液は、出口ポート18
を通して所定の流量で抽出することができ、新鮮な二次
凝固液は、導管19を通して補給することができる。別
法として、二次凝固液は、適当な循環手段を用いること
によってコラム7の下部を通して所望の流量で循環させ
てもよい。そのような循環手段の例は、米国特許第3,
842,151号に記載されている。図示の例では、凝
固液は、紡糸された中空繊維20の移動方向に対して向
流関係をなすようにコラム7を通して循環されるが、場
合によっては、凝固液を中空繊維に対して並流関係に循
環させてもよく、向流と並流を組み合わせてもよい。
【0039】紡糸口金3を出た後、発生期の中空繊維2
0は、矢印で示される経路を辿って移動する。即ち、中
空繊維20は、紡糸口金3とコラム7の上端との間の間
隙6を横切り、直列関係に連続した2種類の凝固液に順
次に接触する。その後、中空繊維は、ガイドローラ2
1,22又はそれに類する部材を経て巻取装置又は洗滌
装置へ搬送される。容器17を、凝固した中空繊維20
を洗滌する機能をも果たすように改変することもでき
る。
【0040】一次及び二次凝固液は、紡糸口金3からの
押出物即ち中空繊維20を凝固させる働きをする。この
凝固過程においては、溶剤と非溶剤との相互交換が起っ
て、最終的に転相が生じ、ポリマー豊富相が固形部を形
成し、ポリマー希薄相が気孔を形成する。中空繊維が二
次凝固液に接触したときに始めて転相過程が起るように
紡糸溶液が配合される場合もあり、あるいは又、二次液
が洗滌目的にのみ使用されるような紡糸溶液の配合が用
いられる場合もある。
【0041】各凝固液又は急冷液は、紡糸ドープの溶剤
成分に対して混和性又は相容性を有する1つ又は2つ以
上の成分を含有したものとすることができ、各凝固液
は、ドープを好便に凝固又は沈降させる単一の液体であ
ってもよく、あるいは、数種類の成分の混合物であって
もよい。凝固液の代表的な例としては、水、アルコール
類、アルコール類と水との混合物、塩水溶液等がある。
各凝固浴内での中空繊維の滞留接触時間は、繊維からの
溶剤成分の所望の度合の拡散を可能にし、二次凝固液の
浴を出るときまでに繊維に構造的一体性を与えるのに十
分な、繊維内への凝固液の拡散を可能にするのに十分な
時間とする。二次凝固液の浴を出た中空繊維を巻取装置
(図示せず)又は他の適当な収集手段によって収集し搬
送する。
【0042】凝固液は、所望の中空繊維膜特性が得られ
るように最適化することができる。例えば、ガス分離用
の非対称中空繊維膜を製造する場合は、発生期の繊維フ
ィラメントを迅速に固定(セット)し、紡糸ドープの溶
剤を効率的に除去する強い非溶剤特性を有する一次凝固
液を使用することが望ましい場合がある。このような強
い凝固液を用いた場合は、中空繊維膜に薄い非多孔質ス
キン即ち表面層を形成することができる。反対に、微小
濾過又は超濾過用の高表面多孔度中空繊維膜を紡糸製造
する場合は、紡糸ドープ中の膜生成ポリマーのための溶
剤成分が豊富な一次凝固液を使用することが望ましい場
合がある。このタイプの繊維膜に一般に必要とされる大
きい気孔と高多孔度の表面は、比較的ゆっくり進行する
凝固工程によって形成することができる。
【0043】本発明に従って中空繊維膜を調製すること
の利点の1つは、最初の(一次)凝固液を、膜のスキン
の最適特性及び最適形態(morphology)を創生するよう
に配合することができ、爾後の(二次)凝固液/洗滌流
体として、膜から残留溶剤を洗い落とし、及び、又は中
空繊維の内壁の形態(morphology)を最適化することが
できる凝固液/洗滌流体を選択することができることで
ある。
【0044】本発明は、それに使用される凝固液の化学
的組成及び種類数を制限しない。ガス分離用の非対称中
空繊維膜を製造するには、最初の凝固液(一次凝固液)
中にアルコール及びアルコール−水溶液を使用し、最終
凝固液として水を使用することができることが分かっ
た。微小濾過又は超濾過用の微孔質中空繊維膜の製造に
おいては、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
ン又はジメチルスルホキシド等の溶剤の水溶液を一次凝
固液として使用し、二次凝固液として水を使用すること
ができる。
【0045】紡糸コラム7の頂部に充填される一次凝固
液の化学的組成は、コラム7の下部の二次凝固液の化学
的組成とは異なるものとする。詳述すれば、本発明の方
法に使用される装置のそれぞれ異なる凝固帯域8と9内
に注入される凝固液の少くとも1つの成分の濃度が少く
とも1%、好ましくは5%以上異なるものとすべきであ
る。この濃度差が、凝固液を区別する最少限の要件であ
ろう。
【0046】各凝固液内に滞留する中空繊維の滞留時間
の長さは、厳密には制限されない。初期(一次)凝固液
帯域8の高さは、約0.5cm〜500cm、好ましく
は1cm〜60cm、最も好ましくは205cm〜45
cmの範囲とする。この距離(高さ)は、初期凝固液が
中空繊維膜に所望の特性を付与するのに十分な滞留時間
を提供する。互いに混和性の複数種類の凝固液が用いら
れる場合は、それらの凝固液層間に遷移帯域が存在する
ようにしてもよい。即ち、2種類の凝固液間の界面は必
ずしも画然としたものでなくともよく、濃度勾配が存在
してもよい。
【0047】各凝固液の密度は、両凝固液の混淆があっ
ては望ましくない系内のどの部位においても、低密度凝
固液の方が常に高密度凝固液の上に保持されるように選
択すべきである。従って、最も低い密度の凝固液が常に
コラム7の頂部に存在する。追加の凝固液は、コラム7
に沿って貯留器17の方に下降するにつれて漸次高い密
度のものとし、貯留器17内に最も高い密度の凝固液が
存在するようにする。凝固液をそのような順序に選択す
ることにより、系内での凝固液の混淆を最少限にするこ
とができる。本発明の方法を実施するための装置は、凝
固液の混淆を更に防止するために互いに衝接した凝固液
体間の界面に配置された邪魔板又はその他の部材を備え
たものとすることができる。
【0048】凝固コラム7の断面形状は、例えば円形、
正方形又は楕円形等の任意の適当な形状とすることがで
きるが、円形とすることが好ましい。コラム7は、それ
ぞれ異なる温度に維持される幾つかの帯域に分割するこ
とができる。それらの温度帯域の温度は、それぞれの凝
固液体に対応するように調節することが好ましい。コラ
ム7には、更に、各帯域の温度を制御するための冷却又
は加熱ジャケットを設けることができる。所望の中空繊
維形態を得るために凝固媒体の温度を制御することが有
利な場合が多い。各凝固液の温度は、同じであっても、
異なるものであってもよく、通常、約0°C〜100°
C、より一般的には約10°C〜60°Cの範囲とす
る。場合によっては、コラムの頂部と底部の間に温度勾
配を設けてもよい。
【0049】中空繊維の収集(巻取)速度は、通常、毎
分約15m〜毎分約300m以上であり、より一般的に
は、毎分約20m〜毎分約150mの範囲である。紡糸
された中空繊維は、残留溶剤又は非溶剤成分を除去する
ために1つ以上の洗滌工程にかけることができる。その
目的に適する洗滌液は、抽出すべき溶剤又は非溶剤成分
に対して相容性を有し、かつ、生成された異方性の多孔
質中空繊維の構造に対して有害でないものであれば、ど
んな物質を含有するものであってもよい。
【0050】本発明の方法は、中空繊維膜自体によって
実質的にガスの分離を達成するタイプのガス分離のため
の高い非対称性を有する一体のスキンを備えた中空繊維
膜を製造するのに極めて有用である。この膜は、その膜
構造体中の通常は膜の表面に、非孔質の緻密領域を有し
ている。そのような緻密領域即ち表面層(スキン)は、
好ましくは非孔質であり、通常10-5以下、好ましくは
10-6以下の極めて低い多孔度を有する。表面多孔度と
は、その中空繊維膜の総表面積に対して気孔が占める表
面積の比率のことである。中空繊維膜自体によってガス
分離の大部分を達成するタイプのガス分離に使用される
非対称性の中空繊維の場合は、分離を行う緻密領域は、
必ずしも中空繊維の外表面に位置しておらず、多孔質の
非分別領域(分離能力のない領域)の間に挟まれるよう
に表面から内方へ多少離れた部位に位置していることも
ある。従って、ここでいう「非対称」とは、薄い緻密な
分別領域(分離能力を有する領域)と、ガス流に対して
ほとんど抵抗を示さない1つ以上の多孔質層(非分別領
域)とから成る膜のことをいう。
【0051】本発明の方法は、又、複合膜のための多孔
質の中空繊維基材を製造するのにも適用することができ
る。複合膜は、通常、適当な多孔質中空繊維基材上に薄
膜層を重ねることによって調製され、重ねられた薄膜層
がガス分離媒体を構成し、実質的に非対称である多孔質
中空繊維基材が主として支持層を構成する。通常、複合
膜の製造に有用な多孔質中空繊維基材の表面多孔度は、
高く、数%以上である場合がある。複合膜製造のための
多孔質中空繊維基材(以下、「多孔質基材」、「中空繊
維基材」又は単に「基材」とも称する)は、本発明の方
法によって製造された場合、従来技術の方法によって製
造されたものより均一な画然とした気孔サイズの分布を
示す。更に、本発明の方法によって製造された基材の表
面は、非常に平滑で、瑕疵がないので、その基材の上に
より薄い、瑕疵のないガス分離バリヤー層を被着するこ
とを可能にする。
【0052】本発明の方法によって得られた中空繊維基
材の表面層領域の厚さは、従来技術の膜の表面層領域に
比べてはるかに薄い。従って、その中空繊維基材の表面
層が最終複合膜のガス分離特性を阻害するのを最少限に
する。本発明の基材の表面層領域の厚さは、通常、1,
000Å、代表的な例では500Å以下、好ましく例で
は400Å以下、最も有利な例では300Å以下であ
る。従って、本発明の基材からは、優れたガス分離/透
過特性を示す複合膜を調製することができる。
【0053】複合膜を製造するために本発明の高度に非
対称の多孔質中空繊維膜に適用される膜生成材料は、企
図する特定のガス分離工程の条件に応じて選択される。
本発明に使用することができる代表的な膜生成材料とし
ては、合成ゴム、天然ゴム、分子量及び、又は沸点が比
較的高い液体;有機プレポリマー;ポリシロキサン(シ
リコンポリマー);ポリウレタン;ポリアミン;ポリイ
ミド;ポリアミド;アクリルニトリル含有コポリマー;
ポリエステル;ポリカーボネート;エチルセルロース、
酢酸セルロースのようなセルロース系ポリマー;酢酸セ
ルロース/ポリメチルメタクリレートブレンドのような
セルロース系ポリマーのブレンド;ポリスルホン、特に
スルホン化ポリスルホンのような改変ポリスルホン;ポ
リエチレン、ポリプロピレングリコール等のポリアルキ
レングリコール;ポリオレフィン、例えばポリ4−メチ
ルペンテン、ポリスチレンコポリマーを含むポリスチレ
ン、ポリビニル等の−オレフィン不飽和モノマーから得
られたポリマー;ポリアリレンオキシド、例えばポリキ
シレンオキシド;ハロゲン化又はスルホン化によって改
変されたポリアリレンオキシド;ポリカーボネート;等
が挙げられる。これらのポリマーは、置換ポリマーであ
っても、あるいは不置換ポリマーであってもよい。
【0054】先に述べたように、膜生成材料は、多くの
場合、溶液の形で多孔質中空繊維基材の表面に塗布され
る。その塗布は、一般に、中空繊維基材の表面を膜生成
材料の溶液(単に「膜生成溶液」又は「フィルム生成溶
液」とも称する)に通すことによって行われる。膜生成
材料には、任意の適当な溶剤又は溶剤の混合物を用いる
ことができ、特定の膜生成材料と中空繊維基材の組合せ
に対してどのような組成の溶剤が適しているかは、当業
者であれば容易に知ることができる。この溶剤は、膜生
成材料を溶解させるものであり、有機であれ、無機であ
れ、均質又は均一な溶液を生成することができるもので
あればよい。又、この膜生成材料の溶液を調製するのに
用いられる溶剤は、膜生成材料を溶解させる1種類又は
それ以上の溶剤と、膜生成材料にとっての1種類又はそ
れ以上の非溶剤との混合物であってもよい。
【0055】この膜生成溶液は、多孔質中空繊維基材の
表面を濡らす性質のものとすべきであり、均一なコーチ
ングとして容易に塗布されるようにに十分に低い粘度の
ものとすべきである。膜生成溶液の塗布温度での粘度
は、約50センチポアズ未満とし、一般に約0.5から
約10〜20センチポアズの範囲とする。膜生成溶液中
の膜生成材料の濃度は、その溶液の約0.25〜約10
重量%の範囲とすることができる。
【0056】膜生成溶液を調製するのに使用することが
できる溶剤の例としては、液体脂肪族炭化水素及び芳香
族炭化水素、例えば、トルエン、ペンタン、ヘキサン、
2−エチルヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペ
ンタン、シクロヘキサン等;アルカノール、例えばメタ
ノール、エタノール、プロパノール、シクロヘキサノー
ル等;ケトン、アセトン、メチルエチルケトン等;酸、
例えば酢酸、プロピオン酸等;水;エステル、例えば酢
酸エチル等;ハロゲン化アルカン及びジアルキルエーテ
ル;等があり、それらの混合物を用いることもできる。
場合によっては、その混合物中の膜生成材料の1成分が
膜生成材料にとっての溶剤であり、膜生成材料の他の1
成分が膜生成材料にとっての非溶剤であってもよい。あ
るいは、膜生成材料の2つの成分が、いずれも、膜生成
材料にとっての溶剤であってもよい。
【0057】本発明の真空紡糸法によって生成された非
対称の多孔質中空繊維基材の表面に塗布する薄い膜コー
チングの厚さは、約500Å以下から約7,000Åの
範囲とし、好ましくは約500Å以下から約2,000
Åの範囲とすることができるが、これは、本発明の重要
な要素ではない。
【0058】図2は、乾式−湿式紡糸法により3種類以
上の凝固液を用いて中空繊維を生成するための本発明の
装置の別の実施形態を示す。図2において、図1に示さ
れた装置と共通の部品及び部分は、同じ参照番号で示さ
れている。図2の実施形態においては、紡糸口金3と第
1即ち一次凝固液との間のガス間隙6は省除されて、紡
糸口金3が凝固コラム又は紡糸コラム7内の液面より下
に突入してており、発生期の中空繊維膜が紡糸口金3を
でると直ぐに一次凝固液に接触するようになされてい
る。真空チャンバー1は、紡糸工程中常時排気する必要
はない。通常、紡糸工程の開始時に出口ポート2を通し
て真空チャンバー1内に真空を創生し、コラム7に凝固
液を充填する。コラム7には、3種類の凝固液を充填す
る。即ち、コラム7の最上帯域に収容される一次凝固液
に続いて、帯域9及び10に異なる凝固液が収容され
る。これらの凝固液は、図示のように、それぞれポート
11,12,13を通して導入され、ポート14,1
5,16を通して抽出される。それらの凝固液の過度の
混淆を紡糸するためには、最も低い密度の凝固液をコラ
ム7の頂部の帯域8内に配置し、最も高い密度の凝固液
をコラム7の底部帯域10及び容器17内に収容するこ
とが望ましい。
【0059】紡糸口金3を出た後、発生期の中空繊維2
0は、矢印で示される経路を辿って移動する。即ち、中
空繊維20は、直列関係に連続した3種類の凝固液にそ
れぞれ帯域8,9,10内で順次に接触する。その後、
中空繊維は、ガイドローラ21,22又はそれに類する
部材を経て巻取装置又は洗滌装置へ搬送される。ある種
の実施例では、一次凝固液と二次凝固液とが高い混和性
を有する場合があり、その場合には両帯域の間に画然と
した界面を維持することが困難である。その場合、一次
凝固液と二次凝固液との混淆を最少限にするために、一
次凝固液と二次凝固液をそれぞれ帯域8と10に収容
し、その一次凝固液と二次凝固液の間に画然とした界面
を維持するように帯域8及び10内の一次及び二次凝固
液に対する溶解性が低い第3の凝固液を中間帯域9内に
収容することができる。更に、実質的に不活性で凝固作
用を行わないが、帯域8と10内の互いに混和性の一次
凝固液と二次凝固液を分離する働きをする液体を中間帯
域9内に収容することも可能である。
【0060】別の実施例として、コラム7の全長に亙っ
て凝固液の連続した濃度勾配を設定することが望ましい
か、あるいは許容される場合がある。そのような実施例
では、コラム7内の凝固液の組成の相違が、コラム内に
密度勾配を設定する。
【0061】凝固液は、循環手段(図示せず)によって
コラム7の各帯域を通して連続的に循環させることが好
ましい。特に、使用済み凝固液の一部を連続的に抽出し
て新鮮な凝固液を注入することによって凝固液の一部が
新鮮な凝固液に置換されるようにして循環させることが
好ましい。ある種の実施例では、1つの帯域、特に中間
帯域9内の凝固液を実質的に停滞させる場合がある。例
えば、中間帯域9内の凝固液は、帯域8凝固液と帯域1
0内の凝固液が混ざり合うのを防止することが主な役割
である場合は、帯域9内に実質的に停滞させておいても
よい。
【0062】各凝固帯域の長さ(高さ)及び各凝固液の
化学的組成は、中空繊維の所望の特性が得られるように
最適化される。必要ならば、更に追加の凝固帯域又はル
ープを設けることができる。
【0063】
【実施例】本発明を更に具体的に例示するために、以下
に実施例を説明する。例1 38.5部のポリスルホン(UdelTm3500)と、
6部の無水マレイン酸と、55.5部のジメチルホルム
アミドを混合して均質な溶液とすることによって紡糸ド
ープを調製した。この溶液を脱気し、図1に示される装
置内で中空繊維フィラメントの形に紡糸した。詳述すれ
ば、この装置の真空チャンバー内に密閉されたチューブ
・イン・オリフィス型紡糸口金の中心チューブに一定量
の空気を吹き込みながら上記紡糸ドープを該紡糸口金か
ら3.4cc/分の流量、71°Cの温度で押出した。
【0064】得られた中空繊維フィラメントの流れを約
14cm Hgの真空度に維持された真空チャンバー内
の10.2cmのガス間隙を通した後、コラム内の凝固
液中へ導入した。中空繊維が最初に接触する一次凝固液
は、メタノールを主成分とする凝固液とした。メタノー
ルは、コラムの上端より2.5cm下のところに約20
0cc/分の流量で連続的に注入した。中空繊維をコラ
ムを通して引き続き処理し、コラム内で水を主成分とす
る二次凝固液に接触させた。次いでその中空繊維を水か
ら成る凝固浴を通して搬送し、38m/分の速度でスプ
ールに巻取った。かくして紡糸された中空繊維を十分に
洗滌し、乾燥させ、その中空繊維にシクロヘキサン中ポ
リジメチルシロキサン(Sylgard 184(登録
商標))の6%溶液を塗布した。この被覆済み中空繊維
膜を加熱して溶剤を除去し、次いで、その中空繊維を複
数のモジュールの形に加工した。それらのモジュールを
使用して、7.03Kg/cm2 の圧力に圧縮された供
給空気を約23°Cの温度下でゼロに近い段階カットで
分離することによってモジュールの空気分離性能をテス
トした。その結果は、以下の表1にまとめられている。
【0065】比較例1 例1に用いたのと同じ組成の紡糸ドープから中空繊維を
紡糸した。中空繊維を、主として水から成る1種類の凝
固液中へ紡糸させる点を除いて、紡糸、凝固処理及び塗
布条件は、例1の場合と同じにした。このようにして得
られた被覆(コーチング付き)中空繊維即ち中空繊維膜
の空気分離特性を例1の条件と同じテスト条件でテスト
した。その結果は、以下の表1にまとめられている。
【0066】
【表1】 * P/t O2 =cm3 (STP)/cm2 ・cm Hg・秒・10-5 STPは、標準温度及び圧力の略語
【0067】表1の結果から分かるように、本発明の教
示に従って調製された中空繊維膜は、従来技術によって
調製された中空繊維膜に比べて、優れた酸素透過率(O
2 P/t)並びに優れた酸素窒素(O2 /N2 )分離係
数を示す。
【0068】例2 38.5部のポリエーテルイミド樹脂(Ultem 1
000(ジェネラルエレクトリック社の登録商標))
と、15.0部の非イオン界面活性剤(Triton
X100(登録商標))と、46.5部のN−メチルピ
ロリドンを均質な溶液が得られるまで混合することによ
って紡糸ドープを調製した。この溶液を脱気し、図1に
示される装置内で中空繊維フィラメントの形に紡糸し
た。詳述すれば、この装置の真空チャンバー内に密閉さ
れたチューブ・イン・オリフィス型紡糸口金の中心チュ
ーブにγブチロラクトンを1.2cc/分の流量で吹き
込みながら上記紡糸ドープを71°Cの温度に予備加熱
して該紡糸口金から3.0cc/分の流量で押出した。
真空チャンバー内の真空度は、約14cm Hgに維持
した。
【0069】得られた中空繊維フィラメントの流れを真
空チャンバー内の2.5cmのガス間隙を通した後、コ
ラム内の凝固液中へ導入した。中空繊維が最初に接触す
る一次凝固液は、50/50容積比のメタノール/水混
合物から成る凝固液とした。一次凝固液は、コラムの上
端より2.5cm下のところに約200cc/分の流量
で連続的に注入した。中空繊維をコラムを通して引き続
き処理し、コラム内で水中Triton X100(登
録商標)の0.05%溶液から成る二次凝固液に接触さ
せた。次いで、その中空繊維を該二次凝固液から成る凝
固浴を通して搬送し、32m/分の速度でスプールに巻
取った。例1の場合と同様に、かくして紡糸された中空
繊維を洗滌し、乾燥させ、その中空繊維にコーチング剤
を塗布し、その被覆済み中空繊維膜をテストした。その
結果は、以下の表2にまとめられている。
【0070】比較例2 例2に用いたのと同じ組成の紡糸ドープから中空繊維を
紡糸した。中空繊維を本発明のダブル凝固処理(2種類
の凝固液に通して行う凝固処理)の利点を用いることな
く、水中Triton X100(登録商標)の0.0
5%溶液から成る1種類の凝固液で凝固させる点を除い
て、紡糸、凝固処理及び塗布条件は、例2の場合と同じ
にした。このようにして得られた被覆(コーチング付
き)中空繊維即ち中空繊維膜の空気分離特性を例2の条
件と同じテスト条件でテストした。その結果は、以下の
表2にまとめられている。
【0071】例3 紡糸ドープの押出温度を82°Cに維持した点を除い
て、上記例2の場合と同じ態様で紡糸し、凝固処理し、
コーチング剤を塗布した。得られた被覆済み中空繊維膜
を例1の場合と同じ態様でモジュールの形に加工し、そ
の空気分離性能をテストした。その結果は、以下の表2
にまとめられている。
【0072】比較例3 紡糸ドープの押出温度を上記例3と同様に82°Cに維
持した点を除いて、比較例2に用いたのと同じ条件で被
覆中空繊維膜を製造した。得られた被覆済み中空繊維膜
を例1の場合と同じ方法でモジュールの形に加工し、空
気分離性能をテストした。その結果は、以下の表2にま
とめられている。
【0073】
【表2】 * P/t O2 =cm3 (STP)/cm2 ・cm Hg・秒・10-5
【0074】表2の結果から分かるように、本発明の教
示に従って調製された中空繊維膜は、従来技術によって
調製された中空繊維膜と同じ酸素窒素(O2 /N2 )分
離係数を維持し、優れた酸素透過率(O2 P/t)を示
す。
【0075】以上、本発明を実施例に関連して説明した
が、本発明は、ここに例示した実施例の構造及び形態に
限定されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸
脱することなく、いろいろな実施形態が可能であり、い
ろいろな変更及び改変を加えることができることを理解
されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、幾つかの異なる凝固液を用いる本発明
の装置の一実施形態の概略断面図である。
【図2】図2は、幾つかの異なる凝固液を用いる本発明
の装置の別の実施形態の概略断面図である。
【符号の説明】 1 真空チャンバー 3 紡糸口金 4 入口ポート 5 出口ポート 6 ガス間隙 7 コラム 8,9,10 凝固帯域 10 底部 11 出口ポート 13 出口 14 入口 15 導管 16 インラインポンプ 17 貯留器又は容器 18 出口 20 発生期の中空繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ベンジャミン・ビクソン アメリカ合衆国マサチューセッツ州ブルッ クライン、ギブス・ストリート18、アパー トメント3

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 少くとも1種類の繊維生成ポリマー
    と少くとも1種類の溶剤とのポリマー−溶剤混合物を調
    製し、 (b) 該ポリマー−溶剤混合物を発生期の中空繊維として
    大気圧未満の圧力に維持されたガス雰囲気中へ押出し、 (c) 該発生期の中空繊維を第1液体凝固媒体を通して搬
    送し、 (d) 該発生期の中空繊維を、前記第1液体凝固媒体とは
    異なる化学的組成を有し、第1液体凝固媒体に衝接した
    少くとも1つの追加の液体凝固媒体を通して搬送し、 (e) 前記凝固した中空繊維を洗滌し、 (f) 該洗滌された凝固中空繊維を異方性の高い中空繊維
    膜として回収することから成る方法によって製造された
    流体分離用異方性中空繊維膜。
  2. 【請求項2】 前記工程(d) の前に、前記第1液体凝固
    媒体と前記追加の液体凝固媒体とが混淆するのを防止す
    るために第1液体凝固媒体と前記追加の液体凝固媒体と
    の間に中間液体凝固媒体を設けることを特徴とする請求
    項1に記載の流体分離用異方性中空繊維膜。
  3. 【請求項3】 約1,000Å未満の厚さのガス分離バ
    リヤー層を有する非対称性の高い中空繊維膜であること
    を特徴とする請求項1に記載の流体分離用異方性中空繊
    維膜。
  4. 【請求項4】 該流体分離用異方性中空繊維膜は、前記
    ガス分離材のコーチングを被覆されて複合膜とされてお
    り、該複合膜のガス分離特性が該ガス分離材によって実
    質的に決定されていることを特徴とする請求項1に記載
    の流体分離用異方性中空繊維膜。
  5. 【請求項5】 (a) 少くとも1種類の繊維生成ポリマー
    と少くとも1種類の溶剤とのポリマー−溶剤混合物を調
    製し、 (b) 該ポリマー−溶剤混合物を押出して発生期の中空繊
    維を生成し、 (c) 該発生期の中空繊維を第1液体凝固媒体を通して搬
    送し、 (d) 該発生期の中空繊維を、前記第1液体凝固媒体とは
    異なる化学的組成を有し、第1液体凝固媒体に衝接した
    少くとも1つの追加の液体凝固媒体を通して搬送し、 (e) 前記凝固した中空繊維を洗滌し、 (f) 該洗滌された凝固中空繊維を異方性の高い中空繊維
    膜として回収することから成る方法によって製造された
    流体分離用異方性中空繊維膜。
  6. 【請求項6】 前記工程(d) の前に、前記第1液体凝固
    媒体と前記追加の液体凝固媒体とが混淆するのを防止す
    るために第1液体凝固媒体と前記追加の液体凝固媒体と
    の間に中間液体凝固媒体を設けることを特徴とする請求
    項5に記載の流体分離用異方性中空繊維膜。
  7. 【請求項7】 (a) 真空を創生するための出口手段を有
    する真空チャンバーと、(b) 該真空チャンバー内に突入
    した先端面を有する紡糸口金と、(c) 前記真空チャンバ
    ー内に突入するように配置され、少くとも2種類の異な
    る互いに隣接した液体又は液体混合物を収容するように
    なされており、該液体又は液体混合物を導入するための
    入口と、該液体又は液体混合物を排出するための出口を
    有するコラムとから成る中空繊維膜製造装置。
  8. 【請求項8】 前記紡糸口金は、前記真空チャンバー内
    に突入し、更に、前記コラム内の第1液体又は液体混合
    物の液面より下に突入した先端面を有することを特徴と
    する請求項7に記載の中空繊維膜製造装置。
  9. 【請求項9】 前記紡糸口金の先端面と前記コラムとは
    ガス間隙によって分離されていることを特徴とする請求
    項7に記載の中空繊維膜製造装置。
  10. 【請求項10】 前記第1液体又は液体混合物の少くと
    も一部分を前記コラムの該第1液体又は液体混合物のた
    めの第1入口と第1出口の間に接続された第1導管を通
    して循環させるためのポンプを有することを特徴とする
    請求項7に記載の中空繊維膜製造装置。
  11. 【請求項11】 前記コラムは、前記第1入口及び第1
    出口より下に配置された第2入口及び第2出口を有し、
    前記第2液体又は液体混合物の少くとも一部分を循環さ
    せるために該第2入口と第2出口の間に接続された第2
    導管を有することを特徴とする請求項10に記載の中空
    繊維膜製造装置。
  12. 【請求項12】 前記ガス間隙は、約0.25cmから
    約2mの範囲であることを特徴とする請求項9に記載の
    中空繊維膜製造装置。
  13. 【請求項13】 前記真空チャンバーは、該真空チャン
    バー内へガス又は蒸気を導入するための入口を有してい
    ることを特徴とする請求項9に記載の中空繊維膜製造装
    置。
  14. 【請求項14】 前記コラムの頂部から底部まで凝固液
    の組成に連続した濃度勾配が存在していることを特徴と
    する請求項8に記載の中空繊維膜製造装置。
  15. 【請求項15】 前記コラムの頂部から底部まで凝固液
    の組成に連続した濃度勾配が存在していることを特徴と
    する請求項9に記載の中空繊維膜製造装置。
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