JPH09110686A - マクロファージ一酸化窒素産生亢進剤 - Google Patents

マクロファージ一酸化窒素産生亢進剤

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JPH09110686A
JPH09110686A JP7296261A JP29626195A JPH09110686A JP H09110686 A JPH09110686 A JP H09110686A JP 7296261 A JP7296261 A JP 7296261A JP 29626195 A JP29626195 A JP 29626195A JP H09110686 A JPH09110686 A JP H09110686A
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amino acid
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Hiroshi Fukazawa
洋 深澤
Minoru Kuribayashi
稔 栗林
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 副作用を伴なうことなく、術後の侵襲期、免
疫不全症などに伴って発生する感染症の予防及び治療に
有用な組成物の提供。 【解決手段】 アルギニンを全アミノ酸に対して10〜30
重量%配合したアミノ酸組成物を有効成分とする、マク
ロファージの一酸化窒素産生亢進剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルギニンを全ア
ミノ酸に対し10〜30重量%配合したアミノ酸組成物
を有効成分として含有する、マクロファージの一酸化窒
素産生亢進剤に関する。本発明の一酸化窒素産生亢進剤
は、これを投与することによりマクロファージの一酸化
窒素産生が亢進され、免疫機能が高まり、副作用を生ず
ることなく、術後等の侵襲期、或いは免疫不全症、放射
線療法、抗癌剤投与、後天性免疫不全症等に伴って発生
する感染症の予防及び治療に有用なものとなる。
【0002】
【従来の技術】従来、ヒトのアミノ酸の摂取必要量の決
定に際しては、バランスのとれた必須アミノ酸の摂取に
重点が置かれており、非必須アミノ酸(可欠アミノ酸)
の摂取は、Roseによる動物の成長速度や窒素平衡保持を
指標とした実験(Physiol. Rev., vol.18, pp.109-136
(1938)) により、特に必要ではないとされてきた。しか
し近年、生体が生理的に最適な反応を示すために必要な
アミノ酸の種類と量は、窒素平衡等で推定されたものよ
り多いことが指摘されている。特に、各種病態下におい
ては、例えば、侵襲期における分枝鎖アミノ酸(ロイシ
ン、イソロイシン、バリン)(以下、特に指定していな
いアミノ酸については、グリシンを除きすべてL型アミ
ノ酸である)やグルタミン要求量の増大が挙げられる。
そして、 Seifterらは、アルギニンの摂取により創傷治
癒日数が短縮されることを明らかにしており、これは、
アルギニンが肉芽形成に必要なコラーゲンの構成成分で
あるプロリンに変換され供給されると共に、創傷治癒に
効果を及ぼすインスリン、グルカゴン等のホルモン分泌
を刺激する作用を有するためであると報告している(Sur
gery, vol.84, pp.224-230 (1978))。又、Barbulらは、
正常人に 30gのアルギニンを投与することにより免疫機
能の亢進を認め(Surgery, vol.90, pp.244-251 (198
1)) 、さらに、Reynoldsらも、アルギニンが細胞傷害性
Tリンパ球の分化促進等の免疫への作用を有しているこ
とを報告している(Surgery, vol.104, pp.142-151 (19
88))。これらのことは、アルギニンは単に体蛋白の構成
成分であるばかりでなく、生理的機能の保持に必要であ
ることを示唆している。そのため、アルギニンの生体維
持に必要な量は、Roseの古典的な基準では的確でなく、
さらに高いものと考えられる(若林保良ら,外科と代謝
・栄養,vol.25, 8.398-404(1991))。従って、アルギニ
ンの体内合成量が疾病等により低下したり、疾病期の栄
養管理において供給されるアルギニン量が必要量より少
なかったりすると、疾病に対する治癒回復の遅延や症状
の増悪、合併症の併発等が危惧される。
【0003】又、正常動物においては、全ての細胞で一
様に十分量のアルギニンは合成されず、基本的にグルタ
ミン酸から小腸と腎臓の主要臓器の分担のもと7種類の
酵素により合成されて体内各部に送られ、蛋白合成や尿
素回路、その他に消費されると言われている(若林保良
ら,外科と代謝・栄養,vol.25, pp.398-404 (1991))。
そのため、小腸の大量切除術や短腸症候群等の腸管障害
を有する患者、外傷や熱傷等の高度侵襲を受け蛋白代謝
が異常に亢進した患者、或いは抗癌剤投与時の副作用と
して見られる腸管障害や腸管萎縮を有する患者等では、
アルギニンの合成臓器機能が著しく低下しており、アル
ギニンが必須となる可能性は極めて高く、通常の栄養組
成物での栄養管理においてもアルギニン不足の状態を呈
し、症状の憎悪や回復の遅延、さらには感染症の発生が
危惧される。
【0004】病態下におけるアルギニンの作用として
は、創傷治癒効果や免疫賦活効果以外にも、窒素節約効
果、アンモニア解毒、内分泌系刺激、クレアチン・ポリ
アミン合成等が知られている。そして、これらの効果を
利用するものとして、例えば、アンモニア解毒作用を利
用した肝不全患者用アミノ酸製剤(特開平 1-83017号公
報)、免疫賦活作用を利用した免疫刺激性組成物(特開
平2-191213号公報)、免疫刺激剤(特表平5-502881号公
報)、癌用アミノ酸製剤(特公平 5-79049号公報、特開
平 3-68514号公報、特開平 6-40900号公報)等が提案さ
れている。さらに最近の研究により、L−アルギニン−
一酸化窒素経路によってアルギニンから生成した一酸化
窒素は血管拡張作用を有し、アルギニン投与量の増大に
伴い、一酸化窒素の産生が著しく高まることが明らかと
なり、又、一酸化窒素は局所の細胞機能の調節や細胞間
の連絡に重要な役割を果たしていることが判ってきた。
しかし、このアルギニンから生成される一酸化窒素は、
生体内では上記の免疫賦活効力を発揮する一方、一般的
にはラジカルな気体であるため、細胞障害や発癌性等の
毒性作用も有し、生体に対して善悪の二面性を有する。
又、アルギニンの経口もしくは経腸による過剰投与は、
一酸化窒素合成やサイクリックGMP合成を介して下痢
が発生することが知られており、下痢による栄養素の腸
管からの吸収障害により全身の栄養状態を低下させるこ
とが懸念される。即ち、過剰投与時のアルギニンは病態
下において「両刃の剣」的物質であり、アルギニンやア
ルギニンの誘導体であるオルニチン等のこれらの作用を
コントロールすることが、治療上重要な課題となってき
ている。
【0005】一方、術後等の侵襲期、癌患者における放
射線療法や抗癌剤投与時、さらには後天性免疫不全症等
においては免疫機能が低下しており、平素無害と考えら
れている菌或いは弱毒菌、原虫等により感染症(日和見
感染症)を引き起こしやすい状況にある。このような患
者に対する栄養療法としては、輸液等の経静脈栄養療
法、経腸もしくは経口療法がある。経腸もしくは経口療
法は、輸液等の経静脈栄養療法と比較して投与経路がよ
り生理的であり、安全性も高いばかりでなく凝固機能障
害、肝機能障害、呼吸障害、網内系への脂肪沈着、免疫
機能に及ぼす障害、脂肪塞栓等の合併症が発生し難い等
の特徴があり注目されている。特に、経静脈療法時に発
生する腸管萎縮によるバクテリアルトランスロケーショ
ンは経腸療法では起こり難いことから、医療における経
口もしくは経腸栄養療法の占める割合は高まってきてい
る。しかしながら、これまでの栄養療法に用いられる組
成物はいずれもあくまで患者の栄養状態の回復、維持を
目的としたものであり、感染症の防止及び治療を目的と
した栄養組成物は未だ開発されていない現状にある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したア
ルギニンの有用性、特に一酸化窒素が関与する免疫賦活
作用に着目し、免疫機能の低下時の感染症の発症を予防
及び治療することができ、かつ下痢等の副作用が発生し
ない組成物を鋭意探索した結果、アミノ酸組成物中に一
定の範囲でアルギニンを配合することにより、副作用が
なく、生体のマクロファージによる一酸化窒素産生量を
増加させることにより感染症発症の予防及び治療ができ
ることを見出すに至った。即ち本発明は、術後等の侵襲
期、或いは免疫不全症、放射線療法、抗癌剤投与、後天
性免疫不全症等に伴って発生する感染症の予防及び治療
に有用なマクロファージの一酸化窒素産生亢進剤を提供
することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルギニンを
全アミノ酸に対し10〜30重量%配合したアミノ酸組成物
を有効成分として含有する、マクロファージの一酸化窒
素 (NO) 産生亢進剤に関する。本発明の亢進剤を投与
することによりマクロファージの一酸化窒素産生が亢進
され、術後等の侵襲期、或いは免疫不全症、放射線療
法、抗癌剤投与、後天性免疫不全症候群等に伴って発生
する感染症の予防及び治療に有用な医薬及び栄養組成物
が提供される。本発明ではアミノ酸組成物を以下の条件
に従って調製する。 (1) 必須アミノ酸組成をヒトやウシ等の乳蛋白質、或
いは卵白等の卵蛋白質の必須アミノ酸組成に近似した割
合とする。必須アミノ酸組成を表1に示す。
【0008】
【表1】
【0009】(2) 非必須アミノ酸組成については、ア
ルギニンが全アミノ酸に対して10〜30重量%の割合、好
ましくは20〜25重量%の割合とする。 (3) アルギニンを除く非必須アミノ酸組成をヒトやウ
シ等の乳蛋白質、或いは卵白等の卵蛋白質、さらには大
豆蛋白質の非必須アミノ酸組成に近似した割合とする。
非必須アミノ酸組成を表2に示す。
【0010】
【表2】
【0011】本発明における有効成分のアミノ酸組成物
は、以上のような条件に従って栄養組成物の窒素源とし
て配合することにより、広範囲な疾患患者に対し、蛋白
代謝亢進に伴う体内のアルギニン不足状態を速やかに解
消させ、下痢等の副作用や体内のアミノ酸インバランス
も発生しない状態で、アルギニンの有する生理作用、特
に免疫賦活作用を最大限に発揮させ前記感染症を予防あ
るいは治療することができる。
【0012】本発明のマクロファージの一酸化窒素産生
亢進剤のアミノ酸組成物には、遊離型の結晶アミノ酸や
その薬理学的に許容される塩、例えば、ナトリウム塩等
の金属塩、塩酸塩等の鉱酸塩、酢酸塩等の有機酸塩の形
態のものが使用可能である。又、遊離型の結晶アミノ酸
の一部もしくは全部をN−アシル誘導体の形態としたも
のを使用してもよく、2種類のアミノ酸が塩結合した物
質、例えば、L−アルギニン・L−グルタミン酸塩やL
−リジン・L−アスパラギン酸塩等を使用してもよい。
さらに、カゼインやホエー蛋白質等の乳蛋白質、或いは
卵白等の卵蛋白質、又はそれらの加水分解物をベースと
して、遊離のアルギニンやアルギニンを含む合成ペプチ
ド、或いは、魚類の白子蛋白質であるプロタミン等のア
ルギニンを高度に含有している蛋白質やその加水分解物
等を加えて、そのアルギニン含量を調整してもよい。特
に、遊離の結晶アミノ酸のみから成る窒素源や乳蛋白質
加水分解物或いは卵蛋白質加水分解物をベースとして、
遊離のアルギニンやアルギニンを含むペプチドを加えて
アルギニン含量を調整した組成物 (窒素源) を使用する
と、腸管からの吸収が速やかであるため、さらに良好な
効果を得ることが期待できる。又、本発明のマクロファ
ージの一酸化窒素産生亢進剤は、上記した窒素源を混合
することにより調製することができるが、さらに糖質、
脂質、ビタミン及びミネラル等の栄養素を、必要量添加
配合した栄養剤として用いることが実際上好ましい。
【0013】本発明の一酸化窒素産生亢進剤について
は、窒素源濃度が2〜12重量%の溶液となるように調整
して投与することが望ましい。又、糖質や脂質等のエネ
ルギー源を配合する場合、窒素源由来の窒素量に対する
糖質や脂質由来のカロリー量の比率(Non-protein Cal/
N 比) を90〜200 の範囲に納まるよう調整し、かつ糖質
や脂質の濃度を 0.5〜2kcal/mlの範囲内に調整し、投与
することが望ましい。本発明の一酸化窒素産生亢進剤に
配合することができる糖質としては、特に限定されるも
のではなく、グルコース、シュクロース、フルクトース
及びデキストリン等を使用すればよい。特に、デキスト
リンを使用すると経口経腸投与のさいその浸透圧を低く
抑えることができ、投与時の高浸透圧に由来する下痢の
発生を減少させることができる。又、脂質としては、特
に限定されるものではなく、大豆油、サフラワー油、コ
ーン油、シソ油等を使用すればよい。尚、脂質は必須脂
肪酸であるリノール酸の供給源となることが望ましいの
で、リノール酸を含有する大豆油やサフラワー油等を配
合することが好ましい。その配合量については特に限定
されないが、総カロリーに対して2〜4カロリー%のリ
ノール酸を配合すると必須脂肪酸は欠乏しない。又、近
年、もう一つの必須脂肪酸であることが確認されている
n-3系の多価不飽和脂肪酸であるα−リノレン酸をリノ
ール酸と共に、好ましくは、α−リノレン酸/リノール
酸比で 1/5〜1/3 程度の比率とするとよい。即ち、α−
リノレン酸を配合すると、臨床的にn-3系多価不飽和脂
肪酸の欠乏症状として認識されているしびれ、まひ、筋
力低下、視力障害等の発生が防止できる。
【0014】本発明の一酸化窒素産生亢進剤の調製法
は、通常の経口経腸栄養組成物の調製法と実質的に同様
に、例えば、上記した成分を含有する原材料を粉体混合
して調製したり、溶解して液剤に調製したり、適当な乳
化剤を添加して乳化液剤に調製することができる。さら
に、必要に応じて、エリソルビン酸等の保存剤、クエン
酸、リンゴ酸、炭酸ナトリウム等のpH調整剤、或いはそ
の他の添加剤を加えることもできる。尚、液剤において
は、加熱滅菌又は無菌濾過等の手段により無菌化してお
くことが望ましい。又、粉体においては、投与直前に水
又は温湯で溶解もしくは懸濁して投与することができる
形態にしておくことが望ましい。このようにして調製さ
れた本発明の一酸化窒素産生亢進剤は、経口もしくは経
腸投与されるが、その投与量は、通常の経口経腸栄養組
成物の投与量と同様にすればよく、一般的には、成人で
1日当たり窒素源量で20〜120gとすればよい。又、糖質
や脂質等を任意に配合した経口経腸栄養組成物で、それ
らの配合量が1kcal/mlとなるよう調製したものであれ
ば、 200〜2,400ml を目安とし、患者の病態、栄養状
態、年齢、体重等に応じて適宜に増減させれば良い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下の実施例により本発明をより
詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定さ
れるものではない。
【0016】
【実施例1】本発明栄養組成物の製造 表3、表4(ミネラル類の配合)及び表5(ビタミン類
の配合)の配合表に従い、表6の実施例1の欄に示した
アミノ酸組成の窒素源をその他の原料と共に溶解、懸濁
し、クエン酸でpHを中性付近に調整した後、高圧ホモジ
ナイザーで乳化した。次いで、この乳化液剤を合成樹脂
バッグに充填し、空間部を窒素置換した後、密封し、常
法により加熱滅菌して目的の本発明のマクロファージの
一酸化窒素産生亢進剤を製造した。
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】
【表5】
【0020】
【表6】
【0021】
【実施例2】リステリアの腹腔内投与感染による生存率の測定 本発明のマクロファージの一酸化窒素産生亢進剤の作用
効果について、リステリアの腹腔内投与感染による延命
効果の試験を行った。即ち、本発明の亢進剤及び比較用
栄養組成物1及び2(以下比較例1及び2とする)を、
体重25〜30gのICR系マウス(1群13匹)に1週間自
由摂取させた後、リステリア生菌(新潟大学医学部細菌
学教室より譲受)4×105 個を腹腔内に注射して感染さ
せた。以後、経日的に生死を観察して生存率を算出し
た。尚、比較例1及び2は、本発明の亢進剤の製造と同
様の方法により、表6に示される各比較例の組成の窒素
源を用いて製造したものを使用した。比較例1はアルギ
ニンが配合されていないもの、又、比較例2はアルギニ
ンが全アミノ酸組成に対する重量比で31%配合されてい
るものである。結果を図1に示す。
【0022】この結果、期間中常に本発明の亢進剤を摂
取した群は、比較例1及び2に比べて生存率が高値に推
移した。
【0023】
【実施例3】リステリアの静脈内投与感染による臓器内菌数の測定 本発明の亢進剤の作用効果について、リステリアの静脈
内投与感染による臓器内菌数の測定を行った。即ち、体
重25〜30gのICR系マウス(1群5匹)に実施例
2と同様の各組成物を1週間自由摂取させた後、リステ
リア生菌4×105 個を静脈内に注射して感染させた。
感染6日後に標的臓器である肝臓及び脾臓を摘出し、各
臓器内の菌数を調べた。結果を図2に示す。
【0024】この結果、本発明の一酸化窒素産生亢進剤
を摂取した群は、比較例1及び2の栄養組成物を摂取し
た群と比べて、各臓器内の菌数は低値を示した。
【0025】
【実施例4】NO産生量の測定 本発明の亢進剤の、NO産生量の測定を行った。即ち、
体重25〜30gのICR系マウス(1群5匹)に実施例2
及び3と同様の各組成物を1週間自由摂取させた後、金
ヵ崎らの方法(生体防御、1巻、167-172 頁 (1984年))
に従い、10%チオグリコール酸培地(栄研化学社) 1.5
mlを腹腔内に注射して、3日目に腹腔滲出マクロファー
ジを採取した。採取したマクロファージを5×106 /ml
になるように調整し、LPS(リポポリサッカライド;
リストバイオロジカルラボラトリー社)又はINF−γ
(インターフェロン−γ;ジエンザイム社)で刺激し
た。3日間培養後の上清を採取し、NO産生量を測定し
た。NO産生量は Stein &Strejanの方法 (Cell. Immun
ol.150:281,1993) に従い、Griess reagent(Anal.Bioch
em.126:231,1982) を用いて、nitrite (NO2 - ) として
測定した。標準にはNaNO2 溶液を用いて A550 にて測定
した。結果を図3に示す。
【0026】この結果、腹腔マクロファージによるNO
産生量は、比較例に比べ本発明の一酸化窒素産生亢進剤
で高値を示した。
【0027】
【発明の効果】これらの結果より、本発明の亢進剤は、
マクロファージのNO産生量を亢進して免疫賦活作用を
示すとともに、感染に対し防御及び治療効果を有する。
従って本発明により、術後等の侵襲期、或いは免疫不全
症、放射線療法、抗癌剤投与、後天性免疫不全症等に伴
って発生する感染症の予防及び治療に有用な栄養組成物
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2における、リステリアの腹腔内投与感
染による各組成物投与時の生存率の変化を示す。
【図2】実施例3における、リステリアの静脈内投与感
染による各組成物投与時の肝臓及び脾臓の臓器内菌数を
示す。
【図3】実施例4における、各組成物を投与した動物か
ら得られた腹腔マクロファージのNO産生量を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】従来、ヒトのアミノ酸の摂取必要量の決
定に際しては、バランスのとれた必須アミノ酸の摂取に
重点が置かれており、非必須アミノ酸(可欠アミノ酸)
の摂取は、Roseによる動物の成長速度や窒素平衡保
持を指標とした実験(Physiol.Rev.,vo
l.18,pp.109−136(1938))によ
り、特に必要ではないとされてきた。しかし近年、生体
が生理的に最適な反応を示すために必要なアミノ酸の種
類と量は、窒素平衡等で推定されたものより多いことが
指摘されている。特に、各種病態下においては、例え
ば、侵襲期における分枝鎖アミノ酸(ロイシン、イソロ
イシン、バリン)(以下、特に指定していないアミノ酸
については、グリシンを除きすべてL型アミノ酸であ
る)やグルタミン要求量の増大が挙げられる。そして、
Seifterらは、アルギニンの摂取により創傷治癒
日数が短縮されることを明らかにしており、これは、ア
ルギニンが肉芽形成に必要なコラーゲンの構成成分であ
るプロリンに変換され供給されると共に、創傷治癒に効
果を及ぼすインスリン、グルカゴン等のホルモン分泌を
刺激する作用を有するためであると報告している(Su
rgery,vol.84,pp.224−230(1
978))。又、Barbulらは、正常人に30gの
アルギニンを投与することにより免疫機能の亢進を認め
(Surgery,vol.90,pp.244−25
1(1981))、さらに、Reynoldsらも、ア
ルギニンが細胞傷害性Tリンパ球の分化促進等の免疫へ
の作用を有していることを報告している(Surger
y,vol.104,pp.142−151(198
8))。これらのことは、アルギニンは単に体蛋白の構
成成分であるばかりでなく、生理的機能の保持に必要で
あることを示唆している。そのため、アルギニンの生体
維持に必要な量は、Roseの古典的な基準では的確で
なく、さらに高いものと考えられる(若林保良ら,外科
と代謝・栄養,vol.25,pp.398−404
(1991))。従って、アルギニンの体内合成量が疾
病等により低下したり、疾病期の栄養管理において供給
されるアルギニン量が必要量より少なかったりすると、
疾病に対する治癒回復の遅延や症状の増悪、合併症の併
発等が危惧される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】
【表6】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】
【実施例4】NO産生量の測定 本発明の穴進剤の、NO産生量の測定を行った。即ち、
体重25〜30gのICR系マウス(1群5匹)に実施
例2及び3と同様の各組成物を1週間自由摂取させた
後、金ケ崎らの方法(生体防御、1巻、167−172
頁(1984年))に従い、10%チオグリコール酸培
地(栄研化学社)1.5mlを腹腔内に注射して、3日
目に腹腔滲出マクロファージを採取した。採取したマク
ロファージを5×106/mlになるように調整し、L
PS(リポポリサッカライド;リストバイオロジカルラ
ボラトリー社)又はINF−γ(インターフェロン−
γ;ジエンザイム社)で刺激した。3日間培養後の上清
を採取し、NO産生量を測定した。NO産生量はSte
in&Strejanの方法(Cell.Immuno
l.150:281,1993)に従い、Griess
reagent(Anal.Biochem.12
6:231,1982)を用いて、nitrite(N
O2 −)として測定した。標準にはNaNO2溶液を用
いてA550にて測定した。結果を図3に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(A61K 31/195 31:40)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルギニンを10〜30重量%配合したアミ
    ノ酸組成物を有効成分として含有する、マクロファージ
    の一酸化窒素産生亢進剤。
  2. 【請求項2】 アミノ酸組成物が以下の (1)〜(4) の条
    件を満たすものである、請求項1記載の亢進剤。 (1) アミノ酸組成物の全アミノ酸に対する必須アミノ
    酸の比率(重量%)は以下の通りである。 L-イソロイシン 4.0 〜 8.0 L-ロイシン 7.0 〜 14.0 L-リジン 5.0 〜 10.0 L-メチオニン及びL-シスチン 3.0 〜 6.0 L-フェニルアラニン及びL-チロシン 6.0 〜 9.0 L-スレオニン 4.0 〜 6.0 L-トリプトファン 1.0 〜 2.0 L-バリン 5.0 〜 10.0 L-ヒスチジン 2.0 〜 4.0 (2) アミノ酸組成物の全アミノ酸に対するL-アルギニ
    ンの比率は10〜30重量%である。 (3) アミノ酸組成物のL-リジンに対するL-アルギニン
    の比率は重量比で1〜4である。 (4) アミノ酸組成物の全アミノ酸に対するL-アルギニ
    ンを除く非必須アミノ酸の比率(重量%)は以下の通り
    である。 L-アラニン 2.5 〜 10.0 L-アスパラギン酸及びL-アスパラギン 6.0 〜 11.0 L-グルタミン酸及びL-グルタミン 7.0 〜 21.0 グリシン 1.0 〜 8.0 L-プロリン 3.0 〜 11.0 L-セリン 2.0 〜 7.0
  3. 【請求項3】 アミノ酸組成物がアミノ酸混合物であ
    る、請求項1又は2記載の亢進剤。
  4. 【請求項4】 アミノ酸組成物が蛋白質加水分解物をベ
    ースとし遊離アミノ酸またはペプチドを加えてアミノ酸
    組成を調整したものである請求項1〜3のいずれかに記
    載の亢進剤。
  5. 【請求項5】 感染症の予防及び治療に用いる請求項1
    〜4のいずれかに記載の亢進剤。
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