JPH09111164A - インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法

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JPH09111164A
JPH09111164A JP27007295A JP27007295A JPH09111164A JP H09111164 A JPH09111164 A JP H09111164A JP 27007295 A JP27007295 A JP 27007295A JP 27007295 A JP27007295 A JP 27007295A JP H09111164 A JPH09111164 A JP H09111164A
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dye
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俊毅 由井
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均 小島
Takeshi Hashimoto
健 橋本
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    • C09D11/02Printing inks
    • C09D11/10Printing inks based on artificial resins
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気泡の抜け性に優れ、ひいては、画像の抜け
が発生しくく、優れた画質が得られるインクジェット記
録用インクとインクジェット記録方法とを提供する。 【解決手段】 水、色材及び水溶性有機溶媒を含有する
インクジェット記録用インクにおいて、20°Cにおけ
るインクの表面張力が、その色材を除いた組成物の表面
張力よりも高い。また、このインクを利用したインクジ
ェット記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用インク及びそれを利用したインクジェット記録方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ノズル、スリットあるいは多孔質フィル
ム等から液体あるいは溶融固体インクを吐出し、紙、
布、フィルム等に記録を行う、いわゆるインクジェット
方式のプリンターは、小型で、安価、静寂性等種々の利
点があり、黒色の単色あるいはフルカラーのプリンター
として多く市販されている。中でも、圧電素子を用いた
いわゆるピエゾインクジェット方式、あるいは、熱エネ
ルギーを作用させて液滴を形成し記録を行う、いわゆる
熱インクジェット方式は、高速印字、高解像度が得られ
る等、多くの利点を有している。
【0003】インクジェット記録用インクに関して、多
くの要求特性があるが、特に、印字速度、印字パターン
によらず、常に抜け、むらのない良好な画像が得られる
ことが重要である。
【0004】これを満足させる為、従来から多くの提案
がされ、かつ実行されている。例えば、特開昭63−1
39963号公報では、JIS K 3362に準じた
ロスマイルス法で5分後の泡の安定性(即ち、残存して
いる泡の高さ)が0mmとなるようにインクを調製する
ことが提案されている。特開平2−97577号公報で
は、インク中の亜硝酸濃度を0.2から10ppmに規
定して、画像抜けを防止することが提案されている。特
開平5−17712号公報では、インク中の溶存ガスを
気体透過膜を介して透過除去することを提案している。
更に、特開平4−239067号公報では、HLBが1
0から20の界面活性剤を含有することが提案されてい
る。特開平7−102201号公報では、特定のインク
カートリッジに対し、含有する界面活性剤の添加量を規
定することが提案されている。
【0005】これらの方法は、種々の作用によって、あ
る程度画像抜けを防止できると考えられるが、インク中
での気泡や泡沫の発生(これは、ノズルからのインク吐
出を阻害して画像抜けの一因となる)を、必ずしも満足
に抑えることができるとは言いがたい。
【0006】インク流路中での気泡や泡沫発生の原因は
各種知られているが、インクに起因するものは、下記3
種に大別される。
【0007】(1)空気に代表される気体の、インクの
ような水性液体への溶解度は、温度上昇と共に一般に低
下する。従って、流路内インクの温度が上昇するとイン
ク中に溶解していた気体、空気が放出され気泡となる。
【0008】(2)インクの流路への濡れが悪い場合、
濡れ不良部分に空気がトラップされ気泡となる。
【0009】(3)インクの界面活性が高いと、外気混
入時にインクが泡立ち、消え難い泡沫を生ずる。
【0010】これらの原因系を全て理想的に除去するこ
とは、現実的に困難である。特に、熱インクジェット方
式では、インクをヒーターで急熱しインクの膜沸騰で生
成する気泡の圧力でインクを吐出するので、ヒーター近
傍を中心に蓄熱され、流路中のインク温度が上昇し易
い。従って、(1)の原因系の制御が特に困難となる。
【0011】このように、気泡、泡沫の発生自体を防止
することが困難な為、流路内に生成した気泡が印字中に
自然にノズル開口部から放出されるよう、流路構成を設
計したり、ノズル開口部から吸引等の作業で気泡を強制
的に除去する手段を設けたりする等、装置上の対策が通
常採られている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
装置上の対策を採っても、やはり、気泡、泡沫が適切に
放出・除去されない場合があった。特に、使用するイン
クの種類によっては、この欠点が顕著に認められる場合
があった。
【0013】上記のような気泡に関する課題だけでな
く、特に熱インクジェット方式においては、主に、温度
変化によるヒーター(つまり、高温によって気泡を形
成、成長させる部位)上へのインクの焦げつき(いわゆ
るコゲーション)によって最終的にヒーター部の作用電
極がショートし、作動不能となるヒーター故障が発生し
ないようにすることが、課題とされている。
【0014】コゲーションを防止する方法も多くの提案
がなされている。例えば、特公平3−48950号公報
〜特公平3−48954号公報に提示されているよう
に、染料に由来するインク中の鉄、けい素、マグネシウ
ム、カルシウム等の量を減らすことでコゲーション防止
を行うことが提案されている。しかしながら、染料の化
学構造によっては、これらの量を減らしてもコゲーショ
ンが発生する。したがって、各種染料を色材として利用
しても、コゲーションが発生しにくいインクの開発も望
まれている。
【0015】以上に鑑み、本発明の目的は、気泡の抜け
性に優れ、ひいては、画像の抜けが発生しくく、優れた
画質、吐出安定性が得られるインクジェット記録用イン
クを提供することを目的とする。
【0016】また、本発明の別の目的は、色材として染
料を用いた場合でも、コゲーションも低減可能なインク
ジェット記録用インクを提供することにある。
【0017】更に、本発明は、それらを利用したインク
ジェット記録方法を提供することも目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、色材などを選定することによって、インクの表
面張力と、インクから色材を除いた水溶液の表面張力の
差を、一定範囲に入れると、気泡の抜け性が良好となる
ことを見出し、また、その場合、特に、色材に染料を用
いた場合でも、コゲーションが発生しにくいことも見出
し、本発明を完成した。
【0019】即ち、本発明は、水、色材及び水溶性有機
溶媒を含有するインクジェット記録用インクにおいて、
20°Cにおけるインクの表面張力が、その色材を除い
た組成物の表面張力よりも高いことを特徴とする。
【0020】また、本発明は、インク液滴を記録信号に
応じてオリフィスから吐出させて記録を行うインクジェ
ット記録方法において、上記インクジェット記録用イン
クを用いることを特徴とする。
【0021】以下、本発明を、本発明完成の経緯に触れ
つつ、説明する。一般に、気泡の全体積が一定の場合、
インクの界面活性が低い場合は、インク中の気泡サイズ
は大きくなり、一方、例えばインク中に界面活性剤を多
量に添加し、インクの界面活性を高めた場合は、気泡サ
イズは小さく、気泡の数が増大する。このような気泡の
大きさに、本発明者らは、気泡の抜け性に関連してまず
着目したところ、インク流路部から生成した気泡を除去
する際、インク中の気泡が適度に大きく、適度に安定で
あると、気泡の抜け性が飛躍的に改善され、印字時の画
像抜けトラブルが激減することを見い出した。ノズルか
らの気泡抜け状態を観察することにより、 (i)気泡サイズが非常に小さく、気泡数が多い場合
は、一部の気泡が抜け切れず流路中に残存し易く; (ii)気泡サイズが成長し過ぎると、流路の閉そくが
起こったり、気泡除去時に気泡が分裂し、完全には除去
し難く; (iii)気泡サイズが適度に大きい場合は、気泡が分
裂しないで容易に除去される傾向が見られた。
【0022】この傾向は、記録解像度が300dpi
(ドット/インチ)前後のものより、400,600d
piと高解像度となり、流路径が小さくなると、更に顕
著となった。また、インクジェット記録装置は様々な形
態があるが、特に、インクカートリッジが脱着可能な形
態で上記の傾向が顕著である。
【0023】更に、本発明者らは、インク流路中での気
泡サイズ、量等の状態、気泡の抜け性と、インク組成、
物性との相関を検討した。前述の如く気泡のサイズ、量
等はインクの界面活性に支配されていると推測される。
そこで、インクの界面活性の代表的尺度と考えられるイ
ンクの表面張力や、インクの濡れ性、接触角、更にはロ
スマイルス法等の起泡高さ、消泡性等をまず、検討した
が、このようなマクロな物性指標では、良好な上記相
関、対応は見い出せなかった。
【0024】しかし、本発明者らは、当業者が今まで念
頭におくことのなかった指標(つまり、インクの表面張
力と、インクから色材を除いた水溶液の表面張力の差)
と、それが一定範囲に入る時、気泡の抜け性が良好とな
ることとを見い出し、上記本発明を完成した。
【0025】インク中の気泡の表面層、即ち気液界面に
はインク成分中、疎水性構造と親水性構造を同時に有す
る物質が集中していると推測される。気泡の大きさや気
泡表面層の力学的性質は、これらの化学構造と添加濃度
の影響を強く受けると考えられる。メカニズムは不明で
あるが、上述の指標はインク成分中の色材と他の物質と
の間の相互作用の指標と解釈でき、気泡表面層の特性を
反映し、その指標が本発明所定の条件を満たすと、脱泡
に適した大きさの気泡が発生するものと考えられる。
【0026】コゲーション軽減に関しては、コゲーショ
ンの原因物質であるインク中の色材たる染料とインク中
の他の成分との間に適度な相互作用を持たせると、コゲ
ーションが緩和されるものと推測される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、実施の形態によ
って、詳細に説明する。
【0028】まず、本発明のインクに利用可能な原材料
から説明する。本発明のインクで用いる色材は、顔料、
染料を意味し、他の使用成分との組み合わせによって、
本発明所定の要件を満たすことを可能とするものなら
ば、特にその種類を限定しないが、染料の場合には、水
溶性染料、特に直接染料、酸性染料が、インクジェット
インク本来の特性から、また、本発明がより効果的とな
る観点から、特に好ましい。
【0029】染料の濃度は、インク中、通常、0.1か
ら10重量%、好ましくは、0.3から8.0重量%、
より好ましくは0.5から6.0重量%である。
【0030】染料の例として、プロジェット・シアン
1、プロジェット・マゼンタ1、プロジェット・マゼン
タ1T、プロジェット・イエロー1G(以上Zenec
a社)、AE−SF VP344、Duasyn Br
illiant Red F3BSF VP180、B
ayscript Yellow BG(以上ヘキスト
社)、Basacid Black X34 liqu
id、BasacidBlack X38 liqui
d、 Basacid Red 495 liqui
d、Basacid Blue 752 liqui
d、BasacidBlue 624 liquid、
Basacid Blue 765 liquid、B
asacid Yellow SE0840 liqu
id、Basacid Yellow SE0173
liquid、Basacid Yellow 099
liquid(以上BASF社)、スペシャル・ブラ
ックSPリキッド、スペシャル・ブラックHF(Bay
er社製)、C.I.ダイレクトブラック−4、−9、
−11、−17、−19、−22、−32、−80、−
151、−154、−168、−171、−194およ
び−195、C.I.ダイレクトブルー−1、−2、−
6、−8、−22、−34、−70、−71、−76、
−78、−86、−142、−199、−200、−2
01、−202、−203、−207、−218、−2
36および−287、C.I.ダイレクトレッド−1、
−2、−4、−8、−9、−11、−13、−15、−
20、−28、−31、−33、−37、−39、−5
1、−59、−62、−63、−73、−75、−8
0、−81、−83、−87、−90、−94、−9
5、−99、−101、−110、−189および−2
27、C.I.ダイレクトイエロー−1、−2、−4、
−8、−11、−12、−26、−27、−28、−3
3、−34、−41、−44、−48、−86、−8
7、−88、−135、−142および−144、C.
I.フードブラック−1および−2、C.I.アシッド
ブラック−1、−2、−7、−16、−24、−26、
−28、−31、−48、−52、−63、−107、
−112、−118、−119、−121、−172、
−194および−208、C.I.アシッドブルー−
1、−7、−9、−15、−22、−23、−27、−
29、−40、−43、−55、−59、−62、−7
8、−80、−81、−90、−102、−104、−
111、−185および−254、C.I.アシッドレ
ッド−1、−4、−8、−13、−14、−15、−1
8、−21、−26、−35、−37、−52、−24
9および−257、C.I.アシッドイエロー−1、−
3、−4、−7、−11、−12、−13、−14、−
19、−23、−25、−34、−38、−41、−4
2、−44、−53、−55、−61、−71、−76
及び−79があげられる。これらのうち、比較的分子量
が大きい、あるいは染料分子中の可溶基にカルボン酸基
を含有する、耐水性が良好な染料を用いることがより効
果的である。その例として、C.I.ダイレクトブラッ
ク−19,−154,−168,−194,−195、
C.I.ダイレクトブルー−86、−199、C.I.
ダイレクトレッド−110、−189及び−227、
C.I.ダイレクトイエロー−41、−44、−48、
−86、−87、−88、−135、−142及び−1
44があげられる。
【0031】また、本発明の効果をより顕著にする観点
から、十分精製された染料、いわゆる「インクジェット
グレード染料」を用いることが好ましい。
【0032】色材として、顔料を用いる場合、その量
は、インク中、通常、0.1から10.0重量%、好ま
しくは、0.3から8.0重量%、より好ましくは0.
5から6.0重量%である。顔料としては、例えば、カ
ーボンブラック、ブリリアントカーミンBS、レーキカ
ーミンFB、ブリリアントファストスカーレッド、ジア
ゾイエロー、パーマネントレッドR、ファストイエロー
10G、フタロシアニンブルー、ブルーレーキ、イエロ
ーレーキ、ローダミンレーキ等を用いることができる。
【0033】本発明のインクに用いる水溶性有機溶媒
は、主に、インクの乾燥速度を調節し、また色材の溶解
を促進するためのものであり、他の使用成分との組み合
わせによって、本発明所定の要件を満たすことを可能と
するものならば、当業界で使用されている範囲から選択
でき、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ト
リエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、チオジグリコール、グリセリン等の多価アルコール
類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコ
ール誘導体、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリド
ン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン
等の塩基性溶媒、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコ
ール類等があげられる。
【0034】その含有量は、インク中、通常、0.5か
ら50重量%、好ましくは1から40重量%、より好ま
しくは3から30重量%である。その含有量が0.5重
量%より少ないと、目詰まりが発生しやすく、また浸透
性向上の効果を得ることができない。また50重量%よ
り多く含有させると、インクの粘度が上昇して、ノズル
からの噴射が問題となり、また、紙上でのにじみが顕著
となりやすいので、好ましくない。水溶性有機溶媒は、
単独で用いても混合して用いても良く、混合する場合
は、合計量が上記範囲になればよい。
【0035】本発明のインクには、紙への濡れ性を上げ
るため、あるいは、特にコピー用紙、上質紙等いわゆる
普通紙上においても色間で滲みのないフルカラー画像が
得られるようにするため、界面活性剤を含有させること
が好ましい。界面活性剤としては、ノニオン、アニオ
ン、あるいは両性界面活性剤のいずれを用いてもよい
が、特にノニオン界面活性剤が好ましい。ノニオン界面
活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸
アルキロールアミド、アセチレンアルコールエチレンオ
キシド付加物等があげられる。
【0036】アニオン界面活性剤としては、アルキルベ
ンゼンスルフォン酸塩、アルキルフェニルスルフォン酸
塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルナフ
タレンスルフォン酸塩のフォルマリン縮合物、高級脂肪
酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪
酸エステルのスルフォン酸塩、高級アルコールエーテル
の硫酸エステル塩、およびスルフォン酸塩、高級アルキ
ル、スルフォンアミドのアルキルカルボン酸塩、スルフ
ォコハク酸、エステル塩等、また両性界面活性剤として
は、ベタイン、スルフォベタイン、サルフェートベタイ
ン等が使用し得る。
【0037】界面活性剤の含有量は、0.01から1.
5重量%、好ましくは0.02から1.2重量%の範囲
であり、1.5重量%より多くなると目詰まりが発生し
やすく、また画像滲みが発生して好ましくない。0.0
1重量%より少ないと、界面活性効果が充分ではない。
これらは、単独で用いても混合して用いても良く、混合
する場合は、合計量が上記範囲になればよい。
【0038】本発明のインク中の水は、不純物がインク
中に混入するのを防止するため、イオン交換水、超純
水、蒸留水を用いることが好ましい。
【0039】本発明のインクは、上記のような成分を混
合して調製するが、その時の組合せる種類、及びそれぞ
れの含有量により、20℃におけるインクの表面張力
が、その色材を除いた組成での表面張力よりも高くす
る。これは、必須成分の種類、組成を選択して実施して
もよいし、界面活性剤(更には、後記する他の添加成
分)の特定種を特定割合で添加すること等によって、実
施してもよい。
【0040】例えば、染料で好ましい例として挙げたも
のは、本発明の効果面だけでなく、本発明のインクを調
製するためにも、好都合に利用できる。
【0041】更に具体的に好ましい形態を以下に示す。
色材として、水溶性染料、特に酸性染料、直接染料が好
ましい。これらの化学構造として、下記のいずれかに該
当するものが良い。
【0042】(i) 分子量が約500以上、(i
i) 1分子当たり1個以上のカルボン酸を含有してい
る、(iii)染料構造が左右対称であるもの。
【0043】水溶性有機溶媒は、例示したものいずれで
も好ましいが、特に顕著な効果を発現するのは、1種以
上の多価アルコール誘導体が含有され、更に1種以上の
界面活性剤が含有された場合である。界面活性剤は、ノ
ニオン活性剤が特に好ましく、これらは、インク中でC
MC(臨界ミセル濃度)以上であるほうが良い。これら
を組み合わせることによって、本発明所定の要件を得る
ことができる。
【0044】20℃におけるインクの表面張力と、その
色材を除いた組成での表面張力の差は、本発明の効果を
より高める目的で、好ましくは1.0mN/m以上、よ
り好ましくは1.5mN/m以上とする。そのために
は、前述の界面活性剤や、水溶性有機溶媒、特に、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチル
エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール
モノヘキシルエーテル、プロピレングリコールメチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリ
プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリ
コールブチルエーテル等の多価アルコール誘導体、2−
ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキ
シルピロリドン、トリエタノールアミン等の塩基性溶
媒、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアル
コール、ベンジルアルコール等のアルコール類等、ある
いは、スルホラン等を利用するのが好ましい。
【0045】また、インク表面張力が、20℃におい
て、30から50mN/mの範囲であるという条件が加
わると、理由は不明であるが、特に、気泡の抜け性の改
善効果が大きい。
【0046】本発明のインクには、その他、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸またはその塩を単量体成
分とする水溶性ポリマー、ポリエチレンイミン、ポリア
ミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコー
ル、セルロース誘導体、シクロデキストリン、大環状ア
ミン類、クラウンエーテル類、尿素、アセトアミド等を
添加することができる。必要に応じてpH調整剤、防カ
ビ剤、粘度調整剤あるいは導電剤等を含有させることも
可能であるが、この際も20°Cにおけるインクの表面
張力が、その色材を除いた組成での表面張力よりも高い
ことを満たすことが必要である。
【0047】本発明のインクは、ピエゾ方式、加熱方式
等、任意のインクジョット装置に利用することができる
が、気泡が除去される部分、すなわち、ノズル部分の径
が、5〜100μmの範囲、特に、10〜70μmの範
囲であると、本発明がより効果的である。
【0048】なお、新規のインクを調製した場合、表面
張力に関して、本発明所定の要件を満たしているか否か
を判断することによって、そのインクを評価することも
できる。
【0049】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用インクで
は、気泡や泡沫が発生してもそれが容易に除去可能であ
り、そのため、高速印字、画像密度の高い画像を連続し
て印字しても、画像の白抜け、画像欠けの発生を防止で
きる。
【0050】更に、色材として染料を使用した場合、一
般にコゲーションが発生し易いが、本発明のインクジェ
ット記録用インクでは、色材として染料を使用しても、
コゲーションを効果的に抑制することができ、プリント
ヘッドの寿命を著しく延ばすことができる。
【0051】
【実施例】以下、実施例によって本発明の構成、効果を
さらに詳細に説明する。実施例1〜9及び比較例1〜3 下記表1の各成分を十分撹拌混合し、0.2μmフィル
ターで加圧濾過し、本発明に係わるインクと、本発明外
のインクとを調製した。同時に、色材を入れず、色材と
同一量を超純水に置き換えた組成の液を同様にして調製
した。
【0052】各インクについて、以下のテストを実施し
た。 (1)インク表面張力 20℃、50%RHの環境において、ウイルヘルミー型
表面張力計を用いて測定した。 (2)印字テスト 試作した2種のプリンター(熱インクジェット方式、3
00dpi[ノズル径:50μm]、及び、600dp
i[ノズル径:30μm])を用いて、ソリッド画像、
文字画像を入れたパターンで、A4紙、連続200枚ラ
ンを行い、その間の白抜け、画像欠け数を数え、以下の
基準で判定した。
【0053】 ○.......発生が、0.1回/枚未満。 △.......発生が、0.1回/枚以上0.3回/
枚未満。
【0054】 X.......発生が、0.3回/枚以上。 この場合、○及び△が許容範囲である。 (3)ヘッドコゲーションテスト 調製したインクについて、評価用に試作した解像度30
0dpiの熱インクジェット方式のプリンターを用い
て、1×108 パルスの吐出を行い、その間のインク吐
出量変化を測定した。
【0055】 ○.......吐出量変化 5%未満。 △.......吐出量変化 5%以上10%未満。
【0056】 X.......吐出量変化 10%以上。 この場合、○及び△が許容範囲である。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】以上の結果から明らかなように、本発明に
係わるインクジェット記録用インクは、画像抜けによる
欠陥がなく、また、コゲーションも発生しない。インク
の表面張力と、その色材を除いた組成物の表面張力との
差が、1.0mN/m以上であると、特に良い結果が得
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 克秀 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、色材及び水溶性有機溶媒を含有する
    インクジェット記録用インクにおいて、20°Cにおけ
    るインクの表面張力が、その色材を除いた組成物の表面
    張力よりも高いことを特徴とするインクジェット記録用
    インク。
  2. 【請求項2】 インクの表面張力と、その色材を除いた
    組成物の表面張力との差が、1.0mN/m以上である
    請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 【請求項3】 インクの表面張力が20℃において、3
    0〜50mN/mである請求項1又は2に記載のインク
    ジェット記録用インク。
  4. 【請求項4】 色材が染料である請求項1に記載のイン
    クジェット記録用インク。
  5. 【請求項5】 染料が水溶性染料である請求項4に記載
    のインクジェット記録用インク。
  6. 【請求項6】 水溶性染料が酸性染料及び直接染料から
    選ばれた少なくとも1種である請求項5に記載のインク
    ジェット記録用インク。
  7. 【請求項7】 界面活性剤を含有する請求項1に記載の
    インクジェット記録用インク。
  8. 【請求項8】 界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、
    陰イオン性界面活性剤、及び両性イオン性界面活性剤か
    ら選ばれた少なくとも1種である請求項7に記載のイン
    クジェット記録用インク。
  9. 【請求項9】 界面活性剤が、非イオン性界面活性剤か
    ら選ばれた少なくとも1種である請求項8に記載のイン
    クジェット記録用インク。
  10. 【請求項10】 界面活性剤の量が0.01〜1.5重
    量%である請求項9に記載のインクジェット記録用イン
    ク。
  11. 【請求項11】 インク液滴を記録信号に応じてオリフ
    ィスから吐出させて記録を行うインクジェット記録方法
    において、水、色材及び水溶性有機溶媒を含有するイン
    クジェット記録用インクであって、20°Cにおけるイ
    ンクの表面張力が、その色材を除いた組成物の表面張力
    よりも高いインクジェット記録用インクを用いることを
    特徴とするインクジェット記録方法。
  12. 【請求項12】 加熱方式を用いてインクを吐出させる
    請求項11に記載のインクジェット記録方法。
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