JPH09111397A - 590N/mm2級形鋼用鋳片及びそれを素材とする高張力圧延形鋼の製造方法 - Google Patents
590N/mm2級形鋼用鋳片及びそれを素材とする高張力圧延形鋼の製造方法Info
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- JPH09111397A JPH09111397A JP26964095A JP26964095A JPH09111397A JP H09111397 A JPH09111397 A JP H09111397A JP 26964095 A JP26964095 A JP 26964095A JP 26964095 A JP26964095 A JP 26964095A JP H09111397 A JPH09111397 A JP H09111397A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 建造物の構造部材に用いる高強度で靭性の優
れた圧延形鋼のための鋳片およびその鋳片を素材とする
高張力圧延形鋼の製造方法を提供する。従来の焼準処理
などの熱処理を施すことなく、低コストで(圧延まま
で)高張力圧延形鋼の製造を可能とする。 【解決手段】 低窒素化、Nb、V、Mo、Bの微量添
加及びMg合金等添加とによる鋳片内にAl−Mg系複
合酸化物を微細分散させることにより、焼入性の上昇効
果に加え、加速冷却型制御圧延による微細ベイナイト組
織の生成効果を高め、高強度で靭性に優れた圧延形鋼を
製造する。
れた圧延形鋼のための鋳片およびその鋳片を素材とする
高張力圧延形鋼の製造方法を提供する。従来の焼準処理
などの熱処理を施すことなく、低コストで(圧延まま
で)高張力圧延形鋼の製造を可能とする。 【解決手段】 低窒素化、Nb、V、Mo、Bの微量添
加及びMg合金等添加とによる鋳片内にAl−Mg系複
合酸化物を微細分散させることにより、焼入性の上昇効
果に加え、加速冷却型制御圧延による微細ベイナイト組
織の生成効果を高め、高強度で靭性に優れた圧延形鋼を
製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建造物の構造部材
として用いられる靭性の優れた高張力圧延形鋼用の鋳
片、およびそれを素材とする高張力圧延形鋼の製造方法
に関するものである。
として用いられる靭性の優れた高張力圧延形鋼用の鋳
片、およびそれを素材とする高張力圧延形鋼の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物の超高層化、安全規準の厳格化な
どから、柱用に用いられる鋼材、例えば特に板厚の大き
なサイズのH形鋼(以下、極厚H形鋼と称す)には、一
層の高強度化、高靭性化、低降伏比化が求められてい
る。このような要求特性を満たすために、従来は圧延終
了後に焼準処理などの熱処理を施すことが行われた。熱
処理の付加は熱処理コストと生産効率の低下など大幅な
コスト上昇を招き、経済性に問題があった。この問題を
解決するためには圧延ままで高性能の材質特性を得られ
るように、新しい合金設計による鋳片と製造法の開発が
必要となった。
どから、柱用に用いられる鋼材、例えば特に板厚の大き
なサイズのH形鋼(以下、極厚H形鋼と称す)には、一
層の高強度化、高靭性化、低降伏比化が求められてい
る。このような要求特性を満たすために、従来は圧延終
了後に焼準処理などの熱処理を施すことが行われた。熱
処理の付加は熱処理コストと生産効率の低下など大幅な
コスト上昇を招き、経済性に問題があった。この問題を
解決するためには圧延ままで高性能の材質特性を得られ
るように、新しい合金設計による鋳片と製造法の開発が
必要となった。
【0003】一般に、フランジを有する形鋼、例えばH
形鋼をユニバーサル圧延により製造すると、圧延造形上
の制約およびその形状の特異性からウエブ、フランジ、
フィレットの各部位で圧延仕上げ温度、圧下率、冷却速
度に差を生じる。その結果、部位間に強度、延性、靭性
のバラつきが発生し、例えば溶接構造用圧延鋼材(JISG3
106) 等の規準に満たない部位が生じる。特に、極厚H
形鋼を連続鋳造スラブを素材とし圧延する場合には連続
鋳造設備で製造可能なスラブ最大厚みに限界があるた
め、低圧下比となる。さらに、圧延造形上の寸法精度の
制約から板厚の厚いフランジ部は高温圧延となり、圧延
終了後の鋼材冷却は徐冷となって、ミクロ組織は粗粒化
する。
形鋼をユニバーサル圧延により製造すると、圧延造形上
の制約およびその形状の特異性からウエブ、フランジ、
フィレットの各部位で圧延仕上げ温度、圧下率、冷却速
度に差を生じる。その結果、部位間に強度、延性、靭性
のバラつきが発生し、例えば溶接構造用圧延鋼材(JISG3
106) 等の規準に満たない部位が生じる。特に、極厚H
形鋼を連続鋳造スラブを素材とし圧延する場合には連続
鋳造設備で製造可能なスラブ最大厚みに限界があるた
め、低圧下比となる。さらに、圧延造形上の寸法精度の
制約から板厚の厚いフランジ部は高温圧延となり、圧延
終了後の鋼材冷却は徐冷となって、ミクロ組織は粗粒化
する。
【0004】TMCP(加工熱処理)による細粒化法が
あるが,造形上の制約から形鋼圧延は鋼板の製造法のよ
うな熱間圧延時に大圧下はできない。また,厚鋼板分野
ではVNの析出効果を利用し高強度・高靭性鋼を製造す
る、例えば特公昭62−50548号公報、特公昭62
−54862号公報の技術が提案されているが。しか
し、この方法は590N/mm2 級の高強度材になるとベイ
ナイト組織を含むようになり、このベイナイト組織で
は、高濃度の固溶Nによる高炭素島状マルテンサイトを
生成し靭性を著しく低下させるため高強度化鋼には適用
できない。
あるが,造形上の制約から形鋼圧延は鋼板の製造法のよ
うな熱間圧延時に大圧下はできない。また,厚鋼板分野
ではVNの析出効果を利用し高強度・高靭性鋼を製造す
る、例えば特公昭62−50548号公報、特公昭62
−54862号公報の技術が提案されているが。しか
し、この方法は590N/mm2 級の高強度材になるとベイ
ナイト組織を含むようになり、このベイナイト組織で
は、高濃度の固溶Nによる高炭素島状マルテンサイトを
生成し靭性を著しく低下させるため高強度化鋼には適用
できない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記の課題を解決する
ためには、圧延ままで低炭素ベイナイトを生成させ組織
を微細化する必要がある。それには製鋼過程でのMgお
よびマイクロアロイの微量添加制御による成分調整した
鋳片の製造が必須である。その他に、H形鋼のフランジ
とウェブの結合部のフィレット部はCCスラブの中心偏
析部と一致し、この部位に存在するMnSは低温圧延条
件下では著しく延伸し、板厚方向の絞り値を低下させ、
溶接時にラメラテイ アを生じる場合がある。Mg添加に
よりMgSを生成させ、有害なMnSの生成を阻止しラ
メラテイ アの発生を防止する必要がある。このように従
来の技術では目的の信頼性の高い高強度高靭性の圧延形
鋼をオンラインで製造し安価に提供することは困難であ
る。
ためには、圧延ままで低炭素ベイナイトを生成させ組織
を微細化する必要がある。それには製鋼過程でのMgお
よびマイクロアロイの微量添加制御による成分調整した
鋳片の製造が必須である。その他に、H形鋼のフランジ
とウェブの結合部のフィレット部はCCスラブの中心偏
析部と一致し、この部位に存在するMnSは低温圧延条
件下では著しく延伸し、板厚方向の絞り値を低下させ、
溶接時にラメラテイ アを生じる場合がある。Mg添加に
よりMgSを生成させ、有害なMnSの生成を阻止しラ
メラテイ アの発生を防止する必要がある。このように従
来の技術では目的の信頼性の高い高強度高靭性の圧延形
鋼をオンラインで製造し安価に提供することは困難であ
る。
【0006】本発明は従来の発想とは異なり、Mgを添
加し、これにより生成させた微細酸化物とマイクロアロ
イの微量制御添加による低炭素ベイナイト組織の生成と
による組織の微細化により、高強度でかつ高靭性の圧延
形鋼を実現した点にある。加えて採用したTMCPの特
徴は厚鋼板で実施されている強圧下圧延に代わる形鋼圧
延での軽圧下の熱間圧延においても効率的に組織の細粒
化が可能なように圧延パス間で水冷し、圧延と水冷を繰
り返す方法にある。
加し、これにより生成させた微細酸化物とマイクロアロ
イの微量制御添加による低炭素ベイナイト組織の生成と
による組織の微細化により、高強度でかつ高靭性の圧延
形鋼を実現した点にある。加えて採用したTMCPの特
徴は厚鋼板で実施されている強圧下圧延に代わる形鋼圧
延での軽圧下の熱間圧延においても効率的に組織の細粒
化が可能なように圧延パス間で水冷し、圧延と水冷を繰
り返す方法にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、高強度かつ高
靭性を得ることを目的とし,低炭素ベイナイトの生成に
よる組織微細化を製鋼過程においてのMg添加とN
b、V、Mo、Bの微量添加と高Cu添加による合金設
計および熱間圧延パス間で水冷することにより、鋼板
の表層部と内部に温度差を与え,軽圧下条件下において
も,より高温の内部への圧下浸透を高め,粒内ベイナイ
ト生成核となる加工転位を導入し,粒内ベイナイト生成
核を増加させる。加えて、圧延後のγ/α変態温度域を
冷却制御することにより,その核生成させたベイナイト
の粒成長を抑制する方法によればミクロ組織の細粒化が
でき,高能率で製造コストの安価な制御圧延形鋼の製造
が可能であると言う知見に基づき前記課題を解決したも
ので、その要旨とするところは、以下のとおりである。 重量% で、C:0.02〜0.10% 、Si:0.05 〜0.50% 、Mn:
0.4〜1.6%、Cu:0.7〜1.5%、Ti:0.005〜0.025%、Mg:0.00
05 〜0.005%、Nb:0.04%以下、V :0.1% 以下、Mo:0.4%
以下、B :0.003% 以下、N :0.004% 以下、Al:0.1% 以
下、を含み、かつMAEQ=10[Nb%]+5[V%]+[Mo%]+100[B%]の
式で示すMAEQが0.4 〜1.0 %となるNb,V,Mo,B量を含有
し、残部がFeおよび不可避不純物からなることを特徴と
する590N/mm 2 級形鋼用鋳片。 重量% で、C:0.02〜0.10% 、Si:0.05 〜0.50% 、Mn:
0.4〜1.6%、Cu:0.7〜1.5%、Ti:0.005〜0.025%、Mg:0.00
05 〜0.005%、Nb:0.04%以下、V :0.1% 以下、Mo:0.4%
以下、B :0.003% 以下、N :0.004% 以下、Al:0.1% 以
下、を含み、かつMAEQ=10[Nb%]+5[V%]+[Mo%]+100[B%]の
式で示すMAEQが0.4 〜1.0 %となるNb,V,Mo,B量を含有
し、加えてCr:1.0% 以下、Ni:2.0% 以下、のいずれかの
1種または2種以上を含有し残部がFeおよび不可避不純
物からなることを特徴とする590N/mm 2 級形鋼用鋳
片。 重量% で、C:0.02〜0.10% 、Si:0.05 〜0.50% 、Mn:
0.4〜1.6%、Cu:0.7〜1.5%、Ti:0.005〜0.025%、Mg:0.00
05 〜0.005%、Nb:0.04%以下、V :0.1% 以下、Mo:0.4%
以下、B :0.003% 以下、N :0.004% 以下、Al:0.1% 以
下、を含み、かつMAEQ=10[Nb%]+5[V%]+[Mo%]+100[B%]の
式で示すMAEQが0.4 〜1.0 %となるNb,V,Mo,B量を含有
し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋳片を1200〜
1300℃の温度域に再加熱した後に圧延を開始し、圧延工
程で形鋼のフランジ表面温度を700 ℃以下に水冷し、以
降の圧延パス間の復熱過程で圧延する水冷・圧延工程を
一回以上繰り返し圧延し、圧延終了後に0.5 〜10℃/sの
冷却速度で700 〜400 ℃まで冷却し放冷することを特徴
とする590N/mm2 級高張力圧延形鋼の製造方法。 重量% で、C:0.02〜0.10% 、Si:0.05 〜0.50% 、Mn:
0.4〜1.6%、Cu:0.7〜1.5%、Ti:0.005〜0.025%、Mg:0.00
05 〜0.005%、Nb:0.04%以下、V :0.1% 以下、Mo:0.4%
以下、B :0.003% 以下、N :0.004% 以下、Al:0.1% 以
下、を含み、かつMAEQ=10[Nb%]+5[V%]+[Mo%]+100[B%]の
式で示すMAEQが0.4 〜1.0 %となるNb,V,Mo,B量を含有
し、加えてCr:1.0% 以下、Ni:2.0% 以下、のいずれかの
1種または2種以上を含有し残部がFeおよび不可避不純
物からなる鋳片を1200〜1300℃の温度域に再加熱した後
に圧延を開始し、圧延工程で形鋼のフランジ表面温度を
700 ℃以下に水冷し、以降の圧延パス間の復熱過程で圧
延する水冷・圧延工程を一回以上繰り返し圧延し、圧延
終了後に0.5 〜10℃/sの冷却速度で700 〜400 ℃まで冷
却し放冷することを特徴とする590N/mm2 級高張力圧
延形鋼の製造方法。
靭性を得ることを目的とし,低炭素ベイナイトの生成に
よる組織微細化を製鋼過程においてのMg添加とN
b、V、Mo、Bの微量添加と高Cu添加による合金設
計および熱間圧延パス間で水冷することにより、鋼板
の表層部と内部に温度差を与え,軽圧下条件下において
も,より高温の内部への圧下浸透を高め,粒内ベイナイ
ト生成核となる加工転位を導入し,粒内ベイナイト生成
核を増加させる。加えて、圧延後のγ/α変態温度域を
冷却制御することにより,その核生成させたベイナイト
の粒成長を抑制する方法によればミクロ組織の細粒化が
でき,高能率で製造コストの安価な制御圧延形鋼の製造
が可能であると言う知見に基づき前記課題を解決したも
ので、その要旨とするところは、以下のとおりである。 重量% で、C:0.02〜0.10% 、Si:0.05 〜0.50% 、Mn:
0.4〜1.6%、Cu:0.7〜1.5%、Ti:0.005〜0.025%、Mg:0.00
05 〜0.005%、Nb:0.04%以下、V :0.1% 以下、Mo:0.4%
以下、B :0.003% 以下、N :0.004% 以下、Al:0.1% 以
下、を含み、かつMAEQ=10[Nb%]+5[V%]+[Mo%]+100[B%]の
式で示すMAEQが0.4 〜1.0 %となるNb,V,Mo,B量を含有
し、残部がFeおよび不可避不純物からなることを特徴と
する590N/mm 2 級形鋼用鋳片。 重量% で、C:0.02〜0.10% 、Si:0.05 〜0.50% 、Mn:
0.4〜1.6%、Cu:0.7〜1.5%、Ti:0.005〜0.025%、Mg:0.00
05 〜0.005%、Nb:0.04%以下、V :0.1% 以下、Mo:0.4%
以下、B :0.003% 以下、N :0.004% 以下、Al:0.1% 以
下、を含み、かつMAEQ=10[Nb%]+5[V%]+[Mo%]+100[B%]の
式で示すMAEQが0.4 〜1.0 %となるNb,V,Mo,B量を含有
し、加えてCr:1.0% 以下、Ni:2.0% 以下、のいずれかの
1種または2種以上を含有し残部がFeおよび不可避不純
物からなることを特徴とする590N/mm 2 級形鋼用鋳
片。 重量% で、C:0.02〜0.10% 、Si:0.05 〜0.50% 、Mn:
0.4〜1.6%、Cu:0.7〜1.5%、Ti:0.005〜0.025%、Mg:0.00
05 〜0.005%、Nb:0.04%以下、V :0.1% 以下、Mo:0.4%
以下、B :0.003% 以下、N :0.004% 以下、Al:0.1% 以
下、を含み、かつMAEQ=10[Nb%]+5[V%]+[Mo%]+100[B%]の
式で示すMAEQが0.4 〜1.0 %となるNb,V,Mo,B量を含有
し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋳片を1200〜
1300℃の温度域に再加熱した後に圧延を開始し、圧延工
程で形鋼のフランジ表面温度を700 ℃以下に水冷し、以
降の圧延パス間の復熱過程で圧延する水冷・圧延工程を
一回以上繰り返し圧延し、圧延終了後に0.5 〜10℃/sの
冷却速度で700 〜400 ℃まで冷却し放冷することを特徴
とする590N/mm2 級高張力圧延形鋼の製造方法。 重量% で、C:0.02〜0.10% 、Si:0.05 〜0.50% 、Mn:
0.4〜1.6%、Cu:0.7〜1.5%、Ti:0.005〜0.025%、Mg:0.00
05 〜0.005%、Nb:0.04%以下、V :0.1% 以下、Mo:0.4%
以下、B :0.003% 以下、N :0.004% 以下、Al:0.1% 以
下、を含み、かつMAEQ=10[Nb%]+5[V%]+[Mo%]+100[B%]の
式で示すMAEQが0.4 〜1.0 %となるNb,V,Mo,B量を含有
し、加えてCr:1.0% 以下、Ni:2.0% 以下、のいずれかの
1種または2種以上を含有し残部がFeおよび不可避不純
物からなる鋳片を1200〜1300℃の温度域に再加熱した後
に圧延を開始し、圧延工程で形鋼のフランジ表面温度を
700 ℃以下に水冷し、以降の圧延パス間の復熱過程で圧
延する水冷・圧延工程を一回以上繰り返し圧延し、圧延
終了後に0.5 〜10℃/sの冷却速度で700 〜400 ℃まで冷
却し放冷することを特徴とする590N/mm2 級高張力圧
延形鋼の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。鋼の高強度化はフェライト結晶の微細化合金
元素による固溶体強化、硬化相による分散強化微細
析出物による析出強化等によって達成される。また、高
靭性化は結晶の微細化母相(フェライト)の固溶
N,Cの低減破壊の発生起点となる硬化相の高炭素マ
ルテンサイト及び粗大な酸化物、析出物の低減と微細化
等により達成される。
する。鋼の高強度化はフェライト結晶の微細化合金
元素による固溶体強化、硬化相による分散強化微細
析出物による析出強化等によって達成される。また、高
靭性化は結晶の微細化母相(フェライト)の固溶
N,Cの低減破壊の発生起点となる硬化相の高炭素マ
ルテンサイト及び粗大な酸化物、析出物の低減と微細化
等により達成される。
【0009】一般的には鋼の高強度化により靭性は低下
し、高強度化と高靭性化は相反する対処が必要である。
両者を同時に満たす冶金因子は唯一、結晶の微細化であ
る。本発明の特徴は,製鋼工程における,Mg添加によ
る微細Mg酸化物の分散とマイクロアロイング合金設計
に基づく低炭素ベイナイト組織化による組織微細化によ
る高強度・高靭性化を達成するものである。
し、高強度化と高靭性化は相反する対処が必要である。
両者を同時に満たす冶金因子は唯一、結晶の微細化であ
る。本発明の特徴は,製鋼工程における,Mg添加によ
る微細Mg酸化物の分散とマイクロアロイング合金設計
に基づく低炭素ベイナイト組織化による組織微細化によ
る高強度・高靭性化を達成するものである。
【0010】更に本発明では、熱間圧延工程において、
熱間圧延パス間でフランジ表面を水冷し、その復熱時に
圧延することを繰り返すことによりフランジの板厚中心
部に圧下浸透効果を付与し、この部位においてもTMC
Pによる組織微細化効果を高め、この組織微細化により
H形鋼の各部位における母材の機械特性を向上させると
ともにバラツキを低減し均質化を達成するものである。
熱間圧延パス間でフランジ表面を水冷し、その復熱時に
圧延することを繰り返すことによりフランジの板厚中心
部に圧下浸透効果を付与し、この部位においてもTMC
Pによる組織微細化効果を高め、この組織微細化により
H形鋼の各部位における母材の機械特性を向上させると
ともにバラツキを低減し均質化を達成するものである。
【0011】以下に本発明形鋼の成分範囲と制御条件の
限定理由について述べる。まず、Cは鋼を強化するため
に添加するもので、0.02% 未満では構造用鋼として必要
な強度が得られず。また、0.10% を超える過剰の添加
は、母材靭性、耐溶接割れ性、溶接熱影響部(以下HA
Zと略記)靭性などを著しく低下させるので、下限を0.
02% 、上限を0.10% とした。
限定理由について述べる。まず、Cは鋼を強化するため
に添加するもので、0.02% 未満では構造用鋼として必要
な強度が得られず。また、0.10% を超える過剰の添加
は、母材靭性、耐溶接割れ性、溶接熱影響部(以下HA
Zと略記)靭性などを著しく低下させるので、下限を0.
02% 、上限を0.10% とした。
【0012】次に、Siは母材の強度確保、溶鋼の予備
脱酸などに必要であるが、0.50% を超えるとHAZ内に
硬化組織の高炭素島状マルテンサイトを生成し、溶接継
手部靭性を著しく低下させる。また、0.05% 未満では溶
鋼の予備脱酸が十分にできないためSi含有量を0.05〜
0.50% の範囲に限定した。Mnは母材の強度、靭性の確
保には0.4%以上の添加が必要であるが、溶接部の靭性、
割れ性などに対する許容濃度の上限から1.6%とした。
脱酸などに必要であるが、0.50% を超えるとHAZ内に
硬化組織の高炭素島状マルテンサイトを生成し、溶接継
手部靭性を著しく低下させる。また、0.05% 未満では溶
鋼の予備脱酸が十分にできないためSi含有量を0.05〜
0.50% の範囲に限定した。Mnは母材の強度、靭性の確
保には0.4%以上の添加が必要であるが、溶接部の靭性、
割れ性などに対する許容濃度の上限から1.6%とした。
【0013】Cuはα温度域での保持及び緩冷却により
α相中の転位上にCu相を析出し,その析出硬化により
母材の常温強度を増加させる。ただし,このα中でのC
u相の析出は0.7%未満ではα中でのCuの固溶限内であ
り,析出が生じないためCu析出による強化は得られな
い。また1.5%以上ではその析出強化は飽和するのでCu:
0.7〜1.5%に限定した。
α相中の転位上にCu相を析出し,その析出硬化により
母材の常温強度を増加させる。ただし,このα中でのC
u相の析出は0.7%未満ではα中でのCuの固溶限内であ
り,析出が生じないためCu析出による強化は得られな
い。また1.5%以上ではその析出強化は飽和するのでCu:
0.7〜1.5%に限定した。
【0014】TiはTiNを析出し、固溶Nを低減す
る。このことにより、BNの析出を抑制し、固溶B量を
増加させBによる焼入性上昇効果を高めるために添加す
るものである。また、微細析出したTiNはγ相の細粒
化にも寄与する。これらのTiの作用により強度を上昇
させる。従って、0.005%未満ではTiNの析出量が不足
し、これらの効果を発揮しないためTi量の下限値をO.
005%とした。しかし0.025%を超えると過剰なTiはTi
Cを析出し、その析出硬化により母材および溶接熱影響
部の靭性を劣化させるため0.025%以下に制限した。
る。このことにより、BNの析出を抑制し、固溶B量を
増加させBによる焼入性上昇効果を高めるために添加す
るものである。また、微細析出したTiNはγ相の細粒
化にも寄与する。これらのTiの作用により強度を上昇
させる。従って、0.005%未満ではTiNの析出量が不足
し、これらの効果を発揮しないためTi量の下限値をO.
005%とした。しかし0.025%を超えると過剰なTiはTi
Cを析出し、その析出硬化により母材および溶接熱影響
部の靭性を劣化させるため0.025%以下に制限した。
【0015】Mg添加に使用したMg合金はSi-Mg-Al及び
Ni-Mg である。Mg合金を用いた理由は合金化によりM
g含有濃度を低減し、溶鋼への添加時の脱酸反応を抑制
し、添加時の安全性の確保とMgの歩留を向上させるた
めである。Mgを0.0005〜0.005%に限定するのは、Mg
も強力な脱酸元素であり、晶出したMg酸化物は溶鋼中
で容易に浮上分離されるため0.005%を超えて添加して
も、これ以上は歩留まらないため上限を0.005%とした。
また、0.0005% 未満では目的のMg系酸化物の分散密度
が不足するため下限を0.0005% とした。なお、ここでの
Mg系酸化物は、主にMgOと表記しているが、電子顕
微鏡解析などによると、この酸化物はTi、微量のAl
および不純物として含まれているCaなどとの複合酸化
物を形成している。
Ni-Mg である。Mg合金を用いた理由は合金化によりM
g含有濃度を低減し、溶鋼への添加時の脱酸反応を抑制
し、添加時の安全性の確保とMgの歩留を向上させるた
めである。Mgを0.0005〜0.005%に限定するのは、Mg
も強力な脱酸元素であり、晶出したMg酸化物は溶鋼中
で容易に浮上分離されるため0.005%を超えて添加して
も、これ以上は歩留まらないため上限を0.005%とした。
また、0.0005% 未満では目的のMg系酸化物の分散密度
が不足するため下限を0.0005% とした。なお、ここでの
Mg系酸化物は、主にMgOと表記しているが、電子顕
微鏡解析などによると、この酸化物はTi、微量のAl
および不純物として含まれているCaなどとの複合酸化
物を形成している。
【0016】Nbは固溶NbとBの共存により著しく焼
入性を上昇させ強度を増加させる目的で添加している。
0.04% 超ではNb炭窒化物を析出量が増加し固溶Nbと
しての効果が飽和するので0.04% 以下に制限した。Vは
微量添加により圧延組織を微細化でき、バナジン炭窒化
物の析出により強化することから低合金化でき溶接特性
を向上できる。しかしながら、Vの過剰な添加は溶接部
の硬化や、母材の高降伏点化をもたらすので、含有量の
上限をV:0.1%とした。
入性を上昇させ強度を増加させる目的で添加している。
0.04% 超ではNb炭窒化物を析出量が増加し固溶Nbと
しての効果が飽和するので0.04% 以下に制限した。Vは
微量添加により圧延組織を微細化でき、バナジン炭窒化
物の析出により強化することから低合金化でき溶接特性
を向上できる。しかしながら、Vの過剰な添加は溶接部
の硬化や、母材の高降伏点化をもたらすので、含有量の
上限をV:0.1%とした。
【0017】Moは母材強度および高温強度の確保に有
効な元素である。0.4%超ではMo炭化物(Mo2 C)を
析出し固溶Moとしての焼入性向上効果が飽和するので
0.4%以下に制限した。Bは微量添加で焼入性を上昇させ
強度増加に寄与する。またBは0.003%を超えると鉄ボロ
ン化合物を生成し焼入性を低減させるので0.003%以下に
制限した。
効な元素である。0.4%超ではMo炭化物(Mo2 C)を
析出し固溶Moとしての焼入性向上効果が飽和するので
0.4%以下に制限した。Bは微量添加で焼入性を上昇させ
強度増加に寄与する。またBは0.003%を超えると鉄ボロ
ン化合物を生成し焼入性を低減させるので0.003%以下に
制限した。
【0018】Nは窒化物を生成し、析出強化および粒成
長を抑制するが、固溶Nはフェライトを強化し、またベ
イナイト相のラス境界に高炭素島状マルテンサイトの生
成を促進し靭性を劣化させるためN含有量を0.004%以下
に制限した。Alを0.1%以下としたのは、Alは強力な
脱酸元素であり、0.1%超の含有では粗大な介在物の生成
および鋳込み時のノズル詰まりをなどを生じるため0.1%
以下に制限した。
長を抑制するが、固溶Nはフェライトを強化し、またベ
イナイト相のラス境界に高炭素島状マルテンサイトの生
成を促進し靭性を劣化させるためN含有量を0.004%以下
に制限した。Alを0.1%以下としたのは、Alは強力な
脱酸元素であり、0.1%超の含有では粗大な介在物の生成
および鋳込み時のノズル詰まりをなどを生じるため0.1%
以下に制限した。
【0019】次にマイクロアロイのなかでNb、V、M
o、Bの含有量について、MAEQ=10[Nb%]+5[V%]+[Mo%]+1
00[B%]の式で示すMAEQが0.4 〜1.0 %となるよう規定し
た。前述のように、本発明においては焼入性を向上さ
せ、かつベーナイト組織を得るために固溶Nb,V,M
oおよびBを添加し、それら各元素の相互の含有量と上
述の焼入性に対する寄与に一定の関係があることを見い
出し、これをマイクロアロイ当量(Micro alloy Equiva
lent:MAEQと定義する。)で整理することができた。こ
の式でのMAEQが0.4 %未満では目標のベイナイト組織割
合が得られず、また1.0 %超ではベイナイトは得られる
ものの過剰元素が炭窒化物として析出し、靭性低下もた
らすため0.4 〜1.0 %の範囲に限定した。
o、Bの含有量について、MAEQ=10[Nb%]+5[V%]+[Mo%]+1
00[B%]の式で示すMAEQが0.4 〜1.0 %となるよう規定し
た。前述のように、本発明においては焼入性を向上さ
せ、かつベーナイト組織を得るために固溶Nb,V,M
oおよびBを添加し、それら各元素の相互の含有量と上
述の焼入性に対する寄与に一定の関係があることを見い
出し、これをマイクロアロイ当量(Micro alloy Equiva
lent:MAEQと定義する。)で整理することができた。こ
の式でのMAEQが0.4 %未満では目標のベイナイト組織割
合が得られず、また1.0 %超ではベイナイトは得られる
ものの過剰元素が炭窒化物として析出し、靭性低下もた
らすため0.4 〜1.0 %の範囲に限定した。
【0020】不可避不純物として含有するP、Sについ
ては、それらの量を特に限定しないが凝固偏析による溶
接割れ、靭性の低下を生じるので、極力低減すべきであ
り、望ましくはP、S量はそれぞれ0.02% 未満に制限す
ることが望ましい。以上の元素に加えて、母材強度の上
昇、および母材の靭性向上の目的で、Cr、Niの1種
または2種以上を含有することができる。
ては、それらの量を特に限定しないが凝固偏析による溶
接割れ、靭性の低下を生じるので、極力低減すべきであ
り、望ましくはP、S量はそれぞれ0.02% 未満に制限す
ることが望ましい。以上の元素に加えて、母材強度の上
昇、および母材の靭性向上の目的で、Cr、Niの1種
または2種以上を含有することができる。
【0021】Crは焼入性の向上により、母材の強化に
有効である。しかし1.0%を超える過剰の添加は、靭性お
よび硬化性の観点から有害となるため、上限を1.0%とし
た。Niは母材の強靭性を高める極めて有効な元素であ
るが2.0%を超える添加は合金コストを増加させ経済的で
ないので上限を2.0%とした。上記の処理を経た鋳片は次
に1200〜1300℃の温度域に再加熱する。この温
度域に再加熱温度を限定したのは、熱間加工による形鋼
の製造には塑性変形を容易にするため1200℃以上の
加熱が必要であり、且つV、Nbなどの元素を十分に固
溶させる必要があるため再加熱温度の下限を1200℃
とした。その上限は加熱炉の性能、経済性から1300
℃とした。
有効である。しかし1.0%を超える過剰の添加は、靭性お
よび硬化性の観点から有害となるため、上限を1.0%とし
た。Niは母材の強靭性を高める極めて有効な元素であ
るが2.0%を超える添加は合金コストを増加させ経済的で
ないので上限を2.0%とした。上記の処理を経た鋳片は次
に1200〜1300℃の温度域に再加熱する。この温
度域に再加熱温度を限定したのは、熱間加工による形鋼
の製造には塑性変形を容易にするため1200℃以上の
加熱が必要であり、且つV、Nbなどの元素を十分に固
溶させる必要があるため再加熱温度の下限を1200℃
とした。その上限は加熱炉の性能、経済性から1300
℃とした。
【0022】熱間圧延のパス間で水冷し、圧延中に一回
以上、フランジ表面温度を700℃以下に冷却し、次の
圧延パス間の復熱過程で圧延する水冷・圧延工程を1回
以上繰り返し行うとしたのは、圧延パス間の水冷によ
り、フランジの表層部と内部とに温度差を付与し、軽圧
下条件においても内部への加工歪みを浸透させるため
と、水冷により短時間で低温圧延を実現させTMCPを
効率的に行うためである。
以上、フランジ表面温度を700℃以下に冷却し、次の
圧延パス間の復熱過程で圧延する水冷・圧延工程を1回
以上繰り返し行うとしたのは、圧延パス間の水冷によ
り、フランジの表層部と内部とに温度差を付与し、軽圧
下条件においても内部への加工歪みを浸透させるため
と、水冷により短時間で低温圧延を実現させTMCPを
効率的に行うためである。
【0023】フランジ表面温度を700℃以下に冷却し
た後、復熱過程で圧延するのは、仕上げ圧延後の加速冷
却による表面の焼入れ硬化を抑制し軟化させるために行
うものである。その理由はフランジ表面温度を700℃
以下に冷却すれば一旦γ/α変態温度を切り、次の圧延
までに表層部は復熱昇温し、圧延はγ/αの二相共存温
度域での加工となり、γ細粒化と加工された微細αとの
混合組織を形成する。これにより表層部の焼入性を著し
く低減でき、加速冷却により生じる表面層の硬化を防止
できるからである。
た後、復熱過程で圧延するのは、仕上げ圧延後の加速冷
却による表面の焼入れ硬化を抑制し軟化させるために行
うものである。その理由はフランジ表面温度を700℃
以下に冷却すれば一旦γ/α変態温度を切り、次の圧延
までに表層部は復熱昇温し、圧延はγ/αの二相共存温
度域での加工となり、γ細粒化と加工された微細αとの
混合組織を形成する。これにより表層部の焼入性を著し
く低減でき、加速冷却により生じる表面層の硬化を防止
できるからである。
【0024】また、圧延終了後、引続き、0.5 〜10℃/s
の冷却速度で700〜400℃まで冷却し放冷するとし
たのは、加速冷却によりフェライトの粒成長抑制とベイ
ナイト組織を微細化し高強度・高靭性を得るためであ
る。次いで、加速冷却を700〜400℃で停止するの
は、700℃を超える温度で停止した場合には、表層部
の一部がAr1 点以上となりγ相を残存し、このγ相が、
共存するフェライトを核にフェライト変態し、さらにフ
ェライトが成長し粗粒化するため加速冷却の停止温度を
700℃以下とした。また、400℃未満の冷却では、
その後の放冷中にベイナイト相のラス間に生成する高炭
素マルテンサイトが、冷却中にセメンタイトを析出する
ことにより分解できず、硬化相として存在することにな
る。この高炭素マルテンサイトは脆性破壊の起点として
作用し、靭性の低下を招くことになる。これらの理由に
より、加速冷却の停止温度を700〜400℃に限定し
た。
の冷却速度で700〜400℃まで冷却し放冷するとし
たのは、加速冷却によりフェライトの粒成長抑制とベイ
ナイト組織を微細化し高強度・高靭性を得るためであ
る。次いで、加速冷却を700〜400℃で停止するの
は、700℃を超える温度で停止した場合には、表層部
の一部がAr1 点以上となりγ相を残存し、このγ相が、
共存するフェライトを核にフェライト変態し、さらにフ
ェライトが成長し粗粒化するため加速冷却の停止温度を
700℃以下とした。また、400℃未満の冷却では、
その後の放冷中にベイナイト相のラス間に生成する高炭
素マルテンサイトが、冷却中にセメンタイトを析出する
ことにより分解できず、硬化相として存在することにな
る。この高炭素マルテンサイトは脆性破壊の起点として
作用し、靭性の低下を招くことになる。これらの理由に
より、加速冷却の停止温度を700〜400℃に限定し
た。
【0025】
【実施例】試作形鋼は転炉溶製し、合金を添加後、予備
脱酸処理を行い、溶鋼の酸素濃度を調整後、Ti、B、
次いでMg合金を添加し、連続鋳造により250 〜300mm
厚鋳片に鋳造した。鋳片の冷却はモールド下方の二次冷
却帯の水量と鋳片の引き抜き速度の選択により制御し
た。該鋳片を加熱し、粗圧延工程の図示は省略するが、
図1に示す、ユニバーサル圧延装置列でH形鋼に圧延し
た。圧延パス間水冷は中間ユニバーサル圧延機4の前後
に水冷装置5aを設け、フランジ外側面のスプレー冷却
とリバース圧延の繰り返しにより行い、圧延後の加速冷
却は仕上げユニバーサル圧延機6で圧延終了後にその後
面に設置した冷却装置5bでフランジ外側面をスプレー
冷却した。
脱酸処理を行い、溶鋼の酸素濃度を調整後、Ti、B、
次いでMg合金を添加し、連続鋳造により250 〜300mm
厚鋳片に鋳造した。鋳片の冷却はモールド下方の二次冷
却帯の水量と鋳片の引き抜き速度の選択により制御し
た。該鋳片を加熱し、粗圧延工程の図示は省略するが、
図1に示す、ユニバーサル圧延装置列でH形鋼に圧延し
た。圧延パス間水冷は中間ユニバーサル圧延機4の前後
に水冷装置5aを設け、フランジ外側面のスプレー冷却
とリバース圧延の繰り返しにより行い、圧延後の加速冷
却は仕上げユニバーサル圧延機6で圧延終了後にその後
面に設置した冷却装置5bでフランジ外側面をスプレー
冷却した。
【0026】機械的特性は図2に示す、フランジ2の板
厚t2 の中心部(1/2t2 )でフランジ幅全長(B) の1/4,
1/2 幅(1/4B,1/2B) から、採集した試験片を用い求め
た。なお、これらの箇所についての特性を求めたのは、
フランジ1/4F部はH形鋼の平均的な機械的特性を示し、
フランジ1/2F部はその特性が最も低下するので、これら
の2箇所によりH形鋼の機械試験特性を代表できると判
断したためである。
厚t2 の中心部(1/2t2 )でフランジ幅全長(B) の1/4,
1/2 幅(1/4B,1/2B) から、採集した試験片を用い求め
た。なお、これらの箇所についての特性を求めたのは、
フランジ1/4F部はH形鋼の平均的な機械的特性を示し、
フランジ1/2F部はその特性が最も低下するので、これら
の2箇所によりH形鋼の機械試験特性を代表できると判
断したためである。
【0027】表1、表2には、本発明鋼及び比較鋼の化
学成分値を、表3、表4には、それらの鋼の圧延・加速
冷却条件を,次いで表5、表6には、それらのH形鋼の
機械試験特性値およびAl−Mg系酸化物個数、MAEQ値
を示す。なお、圧延加熱温度を1300℃に揃えたの
は、一般的に加熱温度の低下によりγ粒は細粒化し、機
械試験特性を向上させることは周知であり、高温加熱条
件では機械的特性の最低値を示すと推定され、この値が
それ以下の加熱温度での機械試験特性を代表できると判
断したためである。
学成分値を、表3、表4には、それらの鋼の圧延・加速
冷却条件を,次いで表5、表6には、それらのH形鋼の
機械試験特性値およびAl−Mg系酸化物個数、MAEQ値
を示す。なお、圧延加熱温度を1300℃に揃えたの
は、一般的に加熱温度の低下によりγ粒は細粒化し、機
械試験特性を向上させることは周知であり、高温加熱条
件では機械的特性の最低値を示すと推定され、この値が
それ以下の加熱温度での機械試験特性を代表できると判
断したためである。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】表5、6に示すように、本発明によるH形
鋼1〜5、A1〜A2では、降伏強度、抗張力ともに59
0N/mm2級鋼でのJIS規格値を満たしている。すなわち
降伏強度はその下限値の445N/mm2を超え、抗張力も590N
/mm2を超えており、またこれらの降伏比(YS/TS )は0.
8 以下の低YR値を満たしている。シャルピー衝撃値につ
いても−10℃で47(J) を超えておりJIS規格値を
十分に満たしている。
鋼1〜5、A1〜A2では、降伏強度、抗張力ともに59
0N/mm2級鋼でのJIS規格値を満たしている。すなわち
降伏強度はその下限値の445N/mm2を超え、抗張力も590N
/mm2を超えており、またこれらの降伏比(YS/TS )は0.
8 以下の低YR値を満たしている。シャルピー衝撃値につ
いても−10℃で47(J) を超えておりJIS規格値を
十分に満たしている。
【0035】一方、比較鋼のH形鋼6では、Mo含有量
が、H形鋼6では、Cu含有量が、H形鋼7ではTi含
有量が下限値未満であり、強度が低下し規格値を満たさ
ない。H形鋼8では、Mgが無添加で、組織の微細化が
達成されないため強度は十分であるが、靭性が規格値を
満たしていない。H形鋼9はNが過剰であるため、固溶
BがBNとして無効となり焼入性が低下し強度不足とな
る。またH形鋼10、H形鋼A3では、MAEQ値が本発明
の下限値未満であるため、強度不足を生じる。一方H形
鋼11、H形鋼A4では、MAEQ値が上限値1.0 を超える
ため析出強化を生じ靭性値低下をもたらしその規格値を
満たすことができない。
が、H形鋼6では、Cu含有量が、H形鋼7ではTi含
有量が下限値未満であり、強度が低下し規格値を満たさ
ない。H形鋼8では、Mgが無添加で、組織の微細化が
達成されないため強度は十分であるが、靭性が規格値を
満たしていない。H形鋼9はNが過剰であるため、固溶
BがBNとして無効となり焼入性が低下し強度不足とな
る。またH形鋼10、H形鋼A3では、MAEQ値が本発明
の下限値未満であるため、強度不足を生じる。一方H形
鋼11、H形鋼A4では、MAEQ値が上限値1.0 を超える
ため析出強化を生じ靭性値低下をもたらしその規格値を
満たすことができない。
【0036】すなわち、本発明の製造法の要件が総て満
たされた時に、表5、6に示されるH形鋼1〜5、A1
〜A2のように、圧延形鋼の機械試験特性の最も保証し
にくいフランジ板厚1/2,幅1/2 部においても十分な強
度、低温靭性を有する、高張力圧延形鋼の生産が可能に
なる。なお、本発明が対象とする圧延形鋼は上記実施例
のH形鋼に限らずI形鋼、山形鋼、溝形鋼、不等辺不等
厚山形鋼等のフランジを有する形鋼にも適用できること
は勿論である。
たされた時に、表5、6に示されるH形鋼1〜5、A1
〜A2のように、圧延形鋼の機械試験特性の最も保証し
にくいフランジ板厚1/2,幅1/2 部においても十分な強
度、低温靭性を有する、高張力圧延形鋼の生産が可能に
なる。なお、本発明が対象とする圧延形鋼は上記実施例
のH形鋼に限らずI形鋼、山形鋼、溝形鋼、不等辺不等
厚山形鋼等のフランジを有する形鋼にも適用できること
は勿論である。
【0037】
【発明の効果】本発明による合金設計された鋳片と制御
圧延法を適用した圧延形鋼は機械試験特性の最も保証し
にくいフランジ板厚1/2、幅1/2部においても十分
な強度を有し、優れた靭性を持つ形鋼の製造が圧延まま
で可能となり、大型鋼構造物の信頼性の向上、安全性の
確保、経済性等の産業上の効果は極めて顕著なものであ
る。
圧延法を適用した圧延形鋼は機械試験特性の最も保証し
にくいフランジ板厚1/2、幅1/2部においても十分
な強度を有し、優れた靭性を持つ形鋼の製造が圧延まま
で可能となり、大型鋼構造物の信頼性の向上、安全性の
確保、経済性等の産業上の効果は極めて顕著なものであ
る。
【図1】本発明法を実施する装置配置例の略図である。
【図2】H形鋼の断面形状および機械試験片の採取位置
を示す図である。
を示す図である。
1…H形鋼 2…フランジ 3…ウェブ 4…中間圧延機 5a…中間圧延機前後面の水冷装置 5b…仕上げ圧延機後面冷却装置 6…仕上げ圧延機
Claims (4)
- 【請求項1】 重量% で C:0.02〜0.10% 、 Si:0.05 〜0.50% 、 Mn:0.4〜1.6%、 Cu:0.7〜1.5%、 Ti:0.005〜0.025%、 Mg:0.0005 〜0.005%、 Nb:0.04%以下、 V :0.1% 以下、 Mo:0.4% 以下、 B :0.003% 以下、 N :0.004% 以下、 Al:0.1% 以下、を含み、かつ、MAEQ=10[Nb%]+5[V%]+[Mo
%]+100[B%]の式で示すMAEQが0.4 〜1.0 %となるNb,V,M
o,B 量を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる
ことを特徴とする590N/mm2 級形鋼用鋳片。 - 【請求項2】 重量% で C:0.02〜0.10% 、 Si:0.05 〜0.50% 、 Mn:0.4〜1.6%、 Cu:0.7〜1.5%、 Ti:0.005〜0.025%、 Mg:0.0005 〜0.005%、 Nb:0.04%以下、 V :0.1% 以下、 Mo:0.4% 以下、 B :0.003% 以下、 N :0.004% 以下、 Al:0.1% 以下、を含み、かつ、 MAEQ=10[Nb%]+5[V%]+[Mo%]+100[B%]の式で示すMAEQが0.
4 〜1.0 %となるNb,V,Mo,B 量を含有し、更に、Cr:1.0
% 以下、Ni:2.0% 以下、のいずれかの1種または2種以
上を含有し残部がFeおよび不可避不純物からなることを
特徴とする590N/mm2 級形鋼用鋳片。 - 【請求項3】 重量% で C:0.02〜0.10% 、 Si:0.05 〜0.50% 、 Mn:0.4〜1.6%、 Cu:0.7〜1.5%、 Ti:0.005〜0.025%、 Mg:0.0005 〜0.005%、 Nb:0.04%以下、 V :0.1% 以下、 Mo:0.4% 以下、 B :0.003% 以下、 N :0.004% 以下、 Al:0.1% 以下、を含み、かつ、MAEQ=10[Nb%]+5[V%]+[Mo
%]+100[B%]の式で示すMAEQが0.4 〜1.0 %となるNb,V,M
o,B 量を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる
鋳片を1200〜1300℃の温度域に再加熱した後に圧延を開
始し、圧延工程で形鋼のフランジ表面温度を700 ℃以下
に水冷し、以降の圧延パス間の復熱過程で圧延する水冷
・圧延工程を一回以上繰り返し圧延し、圧延終了後に0.
5 〜10℃/sの冷却速度で700 〜400 ℃まで冷却し放冷す
ることを特徴とする590N/mm2級高張力圧延形鋼の製
造方法。 - 【請求項4】 重量% で C:0.02〜0.10% 、 Si:0.05 〜0.50% 、 Mn:0.4〜1.6%、 Cu:0.7〜1.5%、 Ti:0.005〜0.025%、 Mg:0.0005 〜0.005%、 Nb:0.04%以下、 V :0.1% 以下、 Mo:0.4% 以下、 B :0.003% 以下、 N :0.004% 以下、 Al:0.1% 以下、を含み、かつ、MAEQ=10[Nb%]+5[V%]+[Mo
%]+100[B%]の式で示すMAEQが0.4 〜1.0 %となるNb,V,M
o,B 量を含有し、更に、Cr:1.0% 以下、Ni:2.0% 以下の
いずれかの1種または2種以上を含有し残部がFeおよび
不可避不純物からなる鋳片を1200〜1300℃の温度域に再
加熱した後に圧延を開始し、圧延工程で形鋼のフランジ
表面温度を700 ℃以下に水冷し、以降の圧延パス間の復
熱過程で圧延する水冷・圧延工程を一回以上繰り返し圧
延し、圧延終了後に0.5 〜10℃/sの冷却速度で700 〜40
0 ℃まで冷却し放冷することを特徴とする590N/mm2
級高張力圧延形鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26964095A JPH09111397A (ja) | 1995-10-18 | 1995-10-18 | 590N/mm2級形鋼用鋳片及びそれを素材とする高張力圧延形鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26964095A JPH09111397A (ja) | 1995-10-18 | 1995-10-18 | 590N/mm2級形鋼用鋳片及びそれを素材とする高張力圧延形鋼の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09111397A true JPH09111397A (ja) | 1997-04-28 |
Family
ID=17475169
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26964095A Pending JPH09111397A (ja) | 1995-10-18 | 1995-10-18 | 590N/mm2級形鋼用鋳片及びそれを素材とする高張力圧延形鋼の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09111397A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2001000894A1 (fr) * | 1997-12-26 | 2001-01-04 | Kawasaki Steel Corporation | Acier h tres epais de classe 590mpa a tenacite amelioree et son procede de production |
| US6451134B1 (en) | 1999-06-24 | 2002-09-17 | Kawasaki Steel Corporation | 590MPa class heavy gauge H-shaped steel having excellent toughness and method of producing the same |
| JPWO2015159793A1 (ja) * | 2014-04-15 | 2017-04-13 | 新日鐵住金株式会社 | H形鋼及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-10-18 JP JP26964095A patent/JPH09111397A/ja active Pending
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