JPH0911318A - ポリプロピレン系樹脂発泡体およびその製法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡体およびその製法

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JPH0911318A
JPH0911318A JP7160504A JP16050495A JPH0911318A JP H0911318 A JPH0911318 A JP H0911318A JP 7160504 A JP7160504 A JP 7160504A JP 16050495 A JP16050495 A JP 16050495A JP H0911318 A JPH0911318 A JP H0911318A
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temperature
foam
polypropylene resin
extruder
polypropylene
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Inventor
Ryoji Nakayama
亮二 中山
Takahiro Murata
崇洋 村田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高発泡倍率を有し、耐熱性および断熱性をは
じめ、剛性、耐衝撃性などの機械的にすぐれ、かつその
表面に平滑なスキン層を有するポリプロピレン系樹脂発
泡体を連続的に製造する方法、および前記特性を有する
板状のポリプロピレン系樹脂発泡体を提供すること。 【構成】 押出機内で、発泡剤を含有したポリプロピレ
ン系樹脂の発泡性溶融物の温度を、該ポリプロピレン系
樹脂の融点よりも0〜25℃低い温度に調節し、該発泡
性溶融物を高圧で押出機の口金から押出したのち、押出
された発泡過程にある可塑状態の押出物を、該押出物の
通路面がポリプロピレン系樹脂の結晶化温度以下に調温
された成形金型で成形することを特徴とするポリプロピ
レン系樹脂発泡体の製法、および該製法によってえられ
た表面に平滑なスキン層を有する板状のポリプロピレン
系樹脂発泡体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリプロピレン系樹脂
発泡体およびその製法に関する。さらに詳しくは、高発
泡倍率を有し、耐熱性および断熱性をはじめ、剛性、耐
衝撃性などの機械的特性にすぐれ、かつその表面に平滑
なスキン層を有するポリプロピレン系樹脂発泡体の製
法、および該製法によってえられ、たとえば断熱材など
の建材、緩衝材などの包装材などに好適に使用しうる板
状のポリプロピレン系樹脂発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂の発泡体を製造する
方法の1つとして、押出機内で熱可塑性樹脂を溶融さ
せ、発泡剤を混練して高圧に保持したのち、低圧下の押
出機外に押出して発泡させ、成形させる押出発泡成形法
が広く用いられている。
【0003】前記押出発泡成形法には、ポリスチレンな
どの非晶性樹脂が多用されている。その理由として、非
晶性樹脂は、一般に溶融状態において、粘度の温度変化
が緩やかであることから、発泡適性温度範囲が広く、容
易に発泡させることができ、また口金から押出されて発
泡過程にある段階で、発泡体同士が比較的容易に融着・
一体化し、たとえば板状に成形しやすいことなどがあげ
られる。
【0004】しかしながら、近年、発泡体の品質、とく
に耐熱性や耐衝撃性の向上への要求が大きく、前記ポリ
スチレンなどの非晶性樹脂の発泡体は、耐熱性に劣るも
のであることから、これらの要求に対応しうる発泡体と
して、ポリオレフィン系樹脂の発泡体について研究が進
められてきている。
【0005】前記ポリオレフィン系樹脂のなかでも、ポ
リプロピレンは、耐熱性や耐衝撃性にすぐれ、前記要求
に応えうる樹脂であるものの、比較的結晶化度が高く、
わずかな温度変化によっても粘弾性が大きく変化し、発
泡適性温度範囲がきわめてせまく、良好な発泡体がえら
れにくいという問題がある。
【0006】また、従来、ポリオレフィン系樹脂からな
るシート状ないし板状の発泡体の製造方法の開発が進め
られてきている。
【0007】たとえば、特公昭51−14540号公報
には、押出機の先端に装着された、出口部分に1個の細
狭間隙を有する金型(口金)を発泡性樹脂溶融物の流動
性を保持しうる温度に調整し、さらにその金型(口金)
先端に樹脂通路と冷却装置とを備えた成形装置を連設し
た装置により、ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する
方法が記載されている。この方法においては、成形装置
内部に設けられた平行な樹脂通路内を発泡体が前進する
ことによって生じる抵抗により、該樹脂通路内に加圧状
態を誘発させ、その加圧状態下でポリオレフィン系樹脂
の加熱溶融物を発泡させ、冷却成形を行なっている。
【0008】しかしながら、前記方法において、発泡性
樹脂溶融物、すなわち発泡剤を含有したポリプロピレン
系樹脂溶融物を前記加圧状態下で発泡させると、樹脂の
溶融状態における粘度が低いため、気泡の偏平化や破泡
が起こり、高発泡倍率を有する発泡体をうることができ
ない。また前記方法では、口金温度を発泡性樹脂溶融物
が流動性を保持しうる温度にするが、すぐれた表面性、
とくに平滑なスキン層を有し、かつ高発泡倍率を有する
発泡体を製造しようとするばあいには、単に口金温度を
流動性が保持される温度にしただけでは、発泡体内部の
気泡構造を破泡のない良好な状態に保持することができ
ないため、押出し時の樹脂温度を的確に制御しなければ
ならないという問題がある。
【0009】また、特開平4−363227号公報に
は、無架橋ポリプロピレン系樹脂と発泡剤とを押出機内
で溶融混練したものを、アキュムレーターに押出し、該
溶融混練物をアキュムレーター内より押出して発泡さ
せ、成形させる方法が記載されている。
【0010】しかしながら、前記方法においては、アキ
ュムレーターが用いられているため、連続的に溶融混練
物を押出して発泡させることができず、同品質の発泡体
を連続的に生産することができないという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記従
来技術に鑑みて、結晶性樹脂であるポリプロピレン系樹
脂の発泡体、とくに密度が0.1g/cm3程度以下で
厚さが10mm程度以上である、たとえば板状のポリプ
ロピレン系樹脂発泡体の製造方法について鋭意研究を重
ねた結果、押出機内で、発泡剤を含有したポリプロピレ
ン系樹脂の発泡性溶融物を特定の温度に調節して該発泡
性溶融物を高圧で押出し、かつ該樹脂の結晶化温度以下
に調温された成形金型で成形することにより、表面に平
滑なスキン層を有し、内部の気泡構造に偏平化や破泡が
ない良好な状態が保持され、高発泡倍率を有し、とくに
板状の発泡体を連続的に容易に製造することができるこ
とを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、押
出機内で、発泡剤を含有したポリプロピレン系樹脂の発
泡性溶融物の温度を、該ポリプロピレン系樹脂の融点よ
りも0〜25℃低い温度に調節し、該発泡性溶融物を高
圧で押出機の口金から押出したのち、押出された発泡過
程にある可塑状態の押出物を、該押出物の通路面がポリ
プロピレン系樹脂の結晶化温度以下に調温された成形金
型で成形することを特徴とするポリプロピレン系樹脂発
泡体の製法に関する。
【0013】また、本発明は、前記製法において、成形
金型がその内面側の孔の面積が外面側の孔の面積よりも
しだいに大とされた押出物の通路を有するものに関す
る。
【0014】さらに、本発明は、前記製法によってえら
れた表面に平滑なスキン層を有する板状のポリプロピレ
ン系樹脂発泡体に関する。
【0015】
【作用および実施例】本発明のポリプロピレン系樹脂発
泡体の製法は、前記したように、押出機内で、発泡剤を
含有したポリプロピレン系樹脂の発泡性溶融物の温度
を、該ポリプロピレン系樹脂の融点よりも0〜25℃低
い温度に調節し、該発泡性溶融物を高圧で押出機の口金
から押出したのち、押出された発泡過程にある可塑状態
の押出物を、該押出物の通路面がポリプロピレン系樹脂
の結晶化温度以下に調温された成形金型で成形すること
を特徴とする。
【0016】本発明の製法によれば、まずポリプロピレ
ン系樹脂や発泡剤からなる発泡性溶融物の温度が、用い
たポリプロピレン系樹脂の融点よりも特定温度低い温度
に調節されることから、従来のように単に口金の温度の
みを樹脂の流動性が保持されるような温度にしたばあい
とは異なり、該発泡性溶融物の粘弾性が、気泡壁を保持
するのに充分な領域に達するようになり、かつ成形の際
の冷却によって表面の結晶化がよりスムーズに行なわれ
るようになる。またこのように特定の温度に調節され、
高圧で押出された発泡性溶融物の押出物を、用いたポリ
プロピレン系樹脂の結晶化温度以下の成形金型で成形す
ることから、成形物の冷却が充分に行なわれるととも
に、とくに成形物の表面の結晶化が充分に促進され、え
られる発泡体の表面に平滑なスキン層を形成させること
ができる。
【0017】なお、本明細書において、樹脂の結晶化温
度とは、示差走査熱量測定法に準拠して、示差走査熱量
測定分析装置(セイコー電子工業(株)製DSC20
0)を用い、チッ素雰囲気中、昇温速度10℃/分で2
00℃まで樹脂を加熱溶融させたのち、これを冷却速度
10℃/分で室温まで冷却する過程で検出される結晶化
ピーク温度のことをいう。
【0018】また、本明細書において、樹脂の融点と
は、前記結晶化温度の測定と同様にして冷却した樹脂
を、再び昇温速度10℃/分で200℃まで加熱する過
程で検出される溶融ピーク温度のことをいう。
【0019】さらに、本明細書において、スキン層と
は、未発泡またはわずかに発泡した表層部のことをい
う。
【0020】本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂
の代表例としては、たとえばプロピレンホモポリマー、
プロピレンと50重量%以下の他のオレフィンとのブロ
ックまたはランダムコポリマー、ポリプロピレンと50
重量%以下の他のポリオレフィンまたは芳香族ビニルポ
リマーとのグラフトコポリマー、ポリプロピレンと50
重量%以下の他のポリオレフィンまたは芳香族ビニルポ
リマーとの混合物、ポリプロピレンとハロゲン含有ポリ
マーとの混合物などがあげられ、これらは単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。
【0021】前記ポリオレフィンとしては、たとえば高
密度、低密度または線状低密度ポリエチレン、ポリ−1
−ブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテンなど
があげられる。
【0022】前記芳香族ビニルポリマーとしては、たと
えばスチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、
ハロゲン化スチレンなどのスチレン系モノマーからなる
ポリマーや、該スチレン系モノマーとその他のモノマー
とからなるポリマーなどがあげられる。
【0023】前記ハロゲン含有ポリマーとしては、たと
えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化
ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエ
チレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテルコポリマー、ポリパーフルオロアルコ
キシアルケン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ
トリフルオロエチレン、フッ化エチレン−プロピレンコ
ポリマー、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポ
リマーなどがあげられる。なお、これらのハロゲン含有
ポリマーは、ポリプロピレン100部(重量部、以下同
様)に対して0.01〜10部混合することが好まし
く、さらにこれらのハロゲン含有ポリマーのなかでも、
ポリプロピレン系樹脂の粘弾性および結晶化の向上効果
がいちじるしいという点から、ポリテトラフルオロエチ
レンがとくに好適に用いられる。
【0024】本発明に用いられる発泡剤としては、たと
えば蒸発型発泡剤や分解型発泡剤があげられる。
【0025】前記蒸発型発泡剤の代表例としては、たと
えばクロロジフルオロメタン、ジクロロジフルオロエタ
ン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタ
ン、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタ
ン、1,1,1−トリフルオロ−2−クロロエタン、
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1−クロロ−
1,1−ジフルオロエタン、ジフルオロエタン、1,
1,2−トリフルオロエタン、1,1,1−トリフルオ
ロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、
1,1,1,2−テトラフルオロエタン、オクタフルオ
ロプロパン、1,1,1−トリフルオロプロパン、2,
2−ジフルオロプロパン、塩化メチル、塩化エチルなど
のハロゲン化炭化水素;メタン、エタン、プロパン、n
−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、
ネオペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘ
プタンなどの低級脂肪族炭化水素;二酸化炭素、水、チ
ッ素などの無機物などがあげられ、これらは単独でまた
は2種以上を混合して用いることができる。
【0026】前記分解型発泡剤の代表例としては、たと
えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリ
ル、ジアゾアミノベンゼン、N,N´−ジニトロソペン
タメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラ
ジド、ベンゼンスルホニルヒドラジドなどがあげられ、
これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることが
できる。
【0027】これらの発泡剤のうち、ポリプロピレン系
樹脂に対する溶解性にすぐれ、えられる発泡体に所望の
発泡倍率を付与するために好適な蒸気圧を有する点か
ら、炭素数3〜5の低級脂肪族炭化水素がとくに好適に
用いられる。
【0028】前記発泡剤の使用量は、ポリプロピレン系
樹脂や発泡剤の種類などによっても異なるが、あまりに
も少ないばあいには、発泡能力が不充分で、所望の発泡
倍率を有する発泡体をうることが困難となる傾向がある
ので、ポリプロピレン系樹脂100部に対して2部以
上、好ましくは5部以上となるように調整することが望
ましく、またあまりにも多いばあいには、発泡性溶融物
をうる際に、発泡剤がポリプロピレン系樹脂に対して均
一に分散されずに溶解しにくく、均一な発泡状態の発泡
体をうることが困難となる傾向があるので、ポリプロピ
レン系樹脂100部に対して30部以下、好ましくは2
5部以下、さらに好ましくは15部以下となるように調
整することが望ましい。
【0029】また、本発明においては、その目的を阻害
しない範囲で、タルク、ケイ酸カルシウム、シリカなど
の無機微粉体、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸
カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸
カリウムなどの高級脂肪酸金属塩、炭酸水素ナトリウム
とクエン酸との混合物などの気泡調整剤;二塩基性ステ
アリン酸鉛、オクチル錫マレエート、エポキシ化大豆
油、ヒンダードフェノール系抗酸化剤などの安定剤など
の添加物を、ポリプロピレン系樹脂に適宜配合すること
ができ、これらの気泡調整剤や安定剤などの添加物は、
それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることが
できる。
【0030】さらに、前記気泡調整剤や安定剤などの添
加物のポリプロピレン系樹脂に対する分散性をより向上
させるために、たとえばブレンドオイルなどを用いても
よい。
【0031】本発明の製法においては、まず、ポリプロ
ピレン系樹脂および発泡剤や、必要に応じてその他の添
加物などの配合量を適宜調整したのち、これらを押出機
内で加熱して溶融混練させ、発泡剤を含有したポリプロ
ピレン系樹脂の発泡性溶融物とする。
【0032】前記押出機にはとくに限定がなく、たとえ
ば単軸押出機、多軸押出機、タンデム押出機などを用い
ることができる。
【0033】なお、本発明において、ポリプロピレン系
樹脂に発泡剤を含有させる方法にはとくに限定がなく、
たとえばポリプロピレン系樹脂を押出機で溶融混練した
のち、発泡剤を押出機途中より圧入する方法や、ポリプ
ロピレン系樹脂にあらかじめ発泡剤を含浸または混合し
たのち、押出機に投入する方法などを採用することがで
きる。
【0034】つぎに、押出機内で、前記発泡性溶融物の
温度を、用いたポリプロピレン系樹脂の融点よりも0〜
25℃低い温度に調節し、該発泡性溶融物を、たとえば
20〜40気圧程度の高圧で押出機の口金から低圧域へ
押出す。
【0035】本発明において、前記発泡性溶融物の温度
を、用いたポリプロピレン系樹脂の融点よりも0〜25
℃低い温度に調節することに大きな特徴の1つがある。
【0036】前記発泡性溶融物の押出機内での温度が、
用いたポリプロピレン系樹脂の融点よりも高いばあいに
は、該発泡性溶融物を押出機の口金から押出した発泡過
程にある可塑状態の押出物の粘弾性が、気泡壁を保持す
るのに充分な領域に達せず、破泡してしまう。一方、該
発泡性溶融物の押出機内での温度が、用いたポリプロピ
レン系樹脂の融点よりも25℃をこえて低いばあいに
は、押出機内で発泡性溶融物が結晶化したり、押出機か
ら発泡性溶融物を押出す際にポリプロピレン系樹脂が固
化して詰まりが生じ、押出状態が安定せず、目的とする
良好な発泡体をうることができない。したがって、本発
明においては、押出機内での発泡性溶融物の温度を、用
いたポリプロピレン系樹脂の融点よりも0〜25℃低い
温度に調節する。また、成形の際の冷却による表面の結
晶化がスムーズに行なわれるようにするために、発泡性
溶融物の温度は、その流動性を保つ範囲で、よりポリプ
ロピレン系樹脂の融点よりも低いことが好ましく、また
かかる発泡性溶融物の温度をあまり低い温度に調節する
と、内部の気泡の成長が充分に促進されるまでに固化
し、所望の発泡倍率や厚さを有する発泡体がえられにく
くなるおそれがあるという点を考慮すると、発泡性溶融
物の温度をポリプロピレン系樹脂の融点よりも5〜20
℃低い温度に調節することが好ましい。
【0037】さらに、本発明において、用いたポリプロ
ピレン系樹脂の融点よりも0〜25℃低い温度に調節し
た発泡性溶融物を押出機の先端の口金から押出すことが
可能なのは、該発泡性溶融物が、押出機から口金にかけ
て、発泡剤が高圧で溶解されていることによって凝固点
降下作用や結晶化阻害作用が呈されることや、押出機の
スクリューによって絶えず機械的な力を受けていること
などに基づき、発泡性溶融物が固化や結晶化することな
く流動性を保持することができるからであると考えられ
る。
【0038】つぎに、押出機の口金から押出された押出
物を、該押出物の通路面が、用いたポリプロピレン系樹
脂の結晶化温度以下に調温された成形金型で成形する。
【0039】本発明において、前記成形金型の押出物の
通路面を、用いたポリプロピレン系樹脂の結晶化温度以
下に調温し、かかる成形金型で成形を行なうことにも大
きな特徴の1つがある。
【0040】前記成形金型の押出物の通路面が、用いた
ポリプロピレン系樹脂の結晶化温度よりも高いばあいに
は、成形物の表面を結晶化させることができないため、
発泡体の表面に平滑なスキン層が形成されず、また冷却
不足によって発泡体の表面が成形金型に融着したり、む
しれや破泡が生じ、目的とする良好な発泡体をうること
ができない。したがって、本発明においては、押出物の
通路面が、用いたポリプロピレン系樹脂の結晶化温度以
下に調温された成形金型で成形する。また、発泡体の冷
却がより充分に行なわれて成形物の表面の結晶化がより
促進され、さらに平滑なすぐれたスキン層を形成させる
ことができるという点から、成形金型の押出物の通路面
をポリプロピレン系樹脂の結晶化温度よりも30〜10
0℃低い温度に調温することが好ましく、結晶化温度よ
りも55〜85℃低い温度に調温することがさらに好ま
しい。
【0041】さらに、本発明のポリプロピレン系樹脂発
泡体の製法に用いることができる押出発泡成形装置を図
面に基づいて説明する。
【0042】図1は、本発明の製法に用いられる押出発
泡成形装置の一実施態様を示す概略説明図である。
【0043】図1において、1は、シングルスクリュー
型の押出機であり、その先端部分のみが示されている。
2は、押出機1と口金3とを接続するためのアダプター
である。アダプター2および口金3の内部には樹脂通路
が設けられており、口金3の先端部分3aは、通常幅が
50〜70mm程度で、また厚さを、通常5mm程度ま
で、なかんづく1〜5mm程度に調節することが可能な
構造となっている。
【0044】本発明においては、前記押出機1内で、発
泡性溶融物の温度を、用いたポリプロピレン系樹脂の融
点よりも0〜25℃低い温度に調節し、これをアダプタ
ー2および口金3の内部の樹脂通路を通して高圧で口金
3から低圧域に押出すが、発泡性溶融物をうる際には、
ポリプロピレン系樹脂が溶融状態となるように、通常樹
脂混合物を加熱しているので、該発泡性溶融物の温度を
前記所定の温度に調節するためには、発泡性溶融物を冷
却すればよい。
【0045】発泡性溶融物を前記所定の温度に調節する
ための冷却方法としては、たとえば押出機1を所望の温
度に調節し、とくに押出機1の先端のアダプター2と接
続されている近傍を調温することによって発泡性溶融物
の温度を調節する方法などがある。
【0046】なお、前記押出機1内での発泡性溶融物の
温度は、たとえば図1においてアダプター2の内部の樹
脂通路に突設された熱電対によって測定される。
【0047】つぎに、高圧で口金3から押出された押出
物は、口金3の先端に取付けられた成形金型4に到達す
る。成形金型4は、口金3と接続されており、かかる接
続部分における伝熱によって成形金型4および口金3が
たがいにそれぞれの調温に影響を及ぼしあうので、接続
部分の面積ができるかぎり小さくなるような構造である
ことが好ましい。なお、かかる接続部分には、えられる
発泡体の表面性を低下させるような段差がないことが好
ましい。
【0048】本発明においては、口金3から押出された
発泡過程にある可塑状態の押出物は、該押出物の通路5
を介して成形金型4内に導入され、成形されるが、かか
る成形金型4は、その押出物の通路面5a、5bがポリ
プロピレン系樹脂の結晶化温度以下に調温されたもので
ある。
【0049】前記成形金型4の押出物の通路面5a、5
bを前記特定の温度に調温するには、該押出物の通路面
5a、5bにきわめて近い成形金型4の内部に細孔6を
設け、たとえば該細孔6に冷媒を循環させるなどすれば
よい。該冷媒としては、たとえば水、オイル、空気など
を用いることができる。なお、かかる細孔6は、成形金
型4の押出物の通路面5a、5bにきわめて近い箇所に
設けられることから、本発明においては、細孔6内の冷
媒の温度を押出物の通路面5a、5bの温度と規定する
ことができる。
【0050】また、成形金型4とその内部の成形物との
摩擦抵抗を減少させて、えられる発泡体の表面性をさら
に向上させるために、たとえばポリテトラフルオロエチ
レンなどの摩擦抵抗が小さい物質を、成形金型4の押出
物の通路面5a、5bに被覆させることが好ましい。
【0051】また、本発明においては、発泡過程にある
可塑状態の押出物に多大な抵抗を与えることなく接触さ
せて成形することができ、気泡の偏平化や破泡を起こさ
ずに、高発泡倍率を有し、表面に平滑なスキン層を有す
る発泡体がさらにえられやすいという点から、前記成形
金型4が、図1に示されるように、その内面側の孔の面
積が外面側の孔の面積よりもしだいに大とされた押出物
の通路5を有するものであることが好ましい。
【0052】なお、たとえば成形金型4の押出物の通路
5の開き角度の大きさを調整することによって、前記成
形金型4の押出物の通路5が、内面側の孔の面積が外面
側の孔の面積よりもしだいに大となるようにすることが
できる。
【0053】前記成形金型4の押出物の通路5の開き角
度について、図面に基づいて説明する。
【0054】図2は、図1に示された押出発泡成形装置
の口金3と成形金型4との接続部分における拡大概略説
明図である。図2において、αおよびβは、それぞれ押
出物の通路面5aおよび5bの、矢印Aで示される押出
物が押出される方向に対する開き角度である。かかる開
き角度α、βは、押出物の通路面5a、5bにおける抵
抗をより小さくし、えられる発泡体の表面性をさらに向
上させるためには、それぞれ10°以上、なかんづく1
5°以上となるように調整することが好ましく、またえ
られる発泡体の表層の樹脂をよりスムーズに延伸させ、
発泡体の表面に凹凸のないきわめてすぐれた平滑性を付
与するためには、それぞれ35°以下、なかんづく30
°以下となるように調整することが好ましい。
【0055】なお、図2においては、その外面側から内
面側に向かって上下方向に開き角度α、βを有する成形
金型4が図示されているが、本発明においては、このよ
うな上下方向ではなく、その外面側から内面側に向かっ
て左右方向に開き角度を有する成形金型を用いることも
でき、また上下、左右の両方向に開き角度を有する成形
金型を用いることもできる。
【0056】前記したように、たとえば図1および図2
に示されるような押出発泡成形装置を用いることによ
り、とくに表面に平滑なスキン層を有し、高発泡倍率を
有する本発明の板状の発泡体を容易にうることができ
る。
【0057】かくして押出発泡成形を行なってえられる
ポリプロピレン系樹脂発泡体の密度は、該発泡体の使用
目的に応じて適宜調整すればよいが、通常0.01〜
0.1g/cm3程度、なかんづく0.02〜0.06
g/cm3程度となるようにすることが好ましい。ま
た、該ポリプロピレン系樹脂発泡体の厚さも、該発泡体
の使用目的に応じて適宜調整すればよいが、通常5〜5
0mm程度、なかんづく10〜30mm程度となるよう
にすることが好ましい。
【0058】このように、本発明の製法によれば、高発
泡倍率を有し、耐熱性および断熱性をはじめ、剛性、耐
衝撃性などの機械的特性にすぐれ、かつその表面に平滑
なスキン層を有し、表面性にすぐれた、たとえば板状の
ポリプロピレン系樹脂発泡体を連続的に容易にうること
ができる。またかかる発泡体は、前記したようなすぐれ
た特性を有するものであるので、たとえば断熱材などの
建材、緩衝材などの包装材などに好適に使用することが
できる。
【0059】つぎに、本発明のポリプロピレン系樹脂発
泡体およびその製法を実施例に基づいてさらに詳細に説
明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0060】実施例1 図1および図2に示される押出発泡成形装置を用いた。
なお、押出機1は、口径65mmの押出機Iおよび口径
90mmの押出機IIからなるタンデム押出機であり、ま
た成形金型4の押出物の通路5の外面側(口金3との接
触側)の形状が幅62mm、厚さ2mm、成形金型4の
押出物の通路5の内面側(口金3との非接触側)の形状
が幅62mm、厚さ20mmであり、押出物の通路5の
開き角度α、βがそれぞれ21.4°である。
【0061】まず、ホモポリプロピレン(ハイモント社
製PF−814、融点162℃、結晶化温度128℃、
以下、PF−814という)100部に対して、ブレン
ドオイル(越谷化成工業(株)製スーパーイーズ)0.
05部を添加してリボンブレンダーで混合したのち、炭
酸水素ナトリウムとクエン酸との粉末混合物(永和化成
(株)製セルボンSG/K)0.1部を添加し、再びリ
ボンブレンダーで混合したものを、押出機Iへ供給し
た。
【0062】つぎに、押出機Iに供給した混合物を23
0℃に加熱して溶融混練させ、押出機Iの先端から発泡
剤としてイソリッチブタン(i−ブタン85重量%とn
−ブタン15重量%との混合物)をPF−814 10
0部に対して7部の割合で60気圧で圧入し、混練して
発泡性溶融物をえた。
【0063】ついで、押出機IIのシリンダー温度を調節
して前記発泡性溶融物を157℃まで冷却し(発泡性溶
融物の温度は、図1中のアダプター2の内部の樹脂通路
に突設された熱電対で測定)、150℃に調温された口
金に供給した。つぎに、30気圧で口金から発泡性溶融
物を押出し、押出された発泡過程にある可塑状態の押出
物を、細孔に循環された60℃の冷媒(水)によって押
出物の通路面5a、5bが60℃に調温された成形金型
4で成形し、表面に平滑なスキン層を有する板状の良好
なポリプロピレン系樹脂発泡体をえた。
【0064】えられた発泡体について、その表面性を以
下の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0065】(表面性)えられた発泡体の表面を目視に
て観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0066】A:破泡やむしれが認められず、凹凸がま
ったくなく、表面に平滑なスキン層が形成されている。 B:破泡やむしれが認められ、表面にやや凹凸が生じて
平滑なスキン層が一部形成されていない。 C:破泡やむしれがいちじるしく、表面に大きな凹凸が
あり、スキン層が形成されていない。
【0067】実施例2 実施例1において、冷媒の温度を70℃に変更し、成形
金型の押出物の通路面を70℃に調温したほかは、実施
例1と同様にして表面に平滑なスキン層を有する板状の
良好なポリプロピレン系樹脂発泡体をえた。
【0068】えられた発泡体について、その表面性を実
施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0069】実施例3 実施例1において、発泡性溶融物を146℃まで冷却し
たほかは、実施例1と同様にして表面に平滑なスキン層
を有する板状の良好なポリプロピレン系樹脂発泡体をえ
た。
【0070】えられた発泡体について、その表面性を実
施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0071】実施例4 実施例3において、冷媒の温度を70℃に変更し、成形
金型の押出物の通路面を70℃に調温したほかは、実施
例3と同様にして表面に平滑なスキン層を有する板状の
良好なポリプロピレン系樹脂発泡体をえた。
【0072】えられた発泡体について、その表面性を実
施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0073】実施例5 実施例1において、PF−814のかわりにエチレン−
プロピレンブロックコポリマー(ハイモント社製SD−
613、エチレン含量約3重量%、融点160℃、結晶
化温度128℃、以下、SD−613という)を用い、
発泡性溶融物を155℃まで冷却し、160℃に調温さ
れた口金に供給したほかは、実施例1と同様にして表面
に平滑なスキン層を有する板状の良好なポリプロピレン
系樹脂発泡体をえた。
【0074】えられた発泡体について、その表面性を実
施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0075】実施例6 実施例5において、冷媒の温度を70℃に変更し、成形
金型の押出物の通路面を70℃に調温したほかは、実施
例5と同様にして表面に平滑なスキン層を有する板状の
良好なポリプロピレン系樹脂発泡体をえた。
【0076】えられた発泡体について、その表面性を実
施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0077】なお、実施例1〜6でえられた発泡体は、
いずれも断熱材や緩衝材として充分な耐熱性、断熱性、
剛性および耐衝撃性を有するものであった。
【0078】比較例1 実施例1において、冷媒の温度を140℃に変更し、成
型金型の押出物の通路面を140℃に調温したほかは、
実施例1と同様にして押出発泡ないし成形を行なった。
【0079】しかしながら、発泡過程にある可塑状態の
押出物が成形の段階で成形金型に融着して発泡体の表面
にむしれが生じ、またえられた発泡体は波打ち状態であ
り、板状に成形されていないものであった。
【0080】比較例2 実施例1において、発泡性溶融物を170℃まで冷却し
たほかは、実施例1と同様にして押出発泡ないし成形を
行なった。
【0081】しかしながら、発泡性溶融物は、口金から
押出された途端に激しく破泡してしまい、良好な発泡体
を成形することができなかった。
【0082】比較例3 実施例1において、発泡性溶融物を132℃まで冷却し
たほかは、実施例1と同様にして押出発泡ないし成形を
行なった。
【0083】しかしながら、発泡性溶融物を口金から押
出す段階で、口金の先端部分で該発泡性溶融物の詰まり
が発生し、安定して押出しが行なわれず、発泡体を成形
することができなかった。
【0084】比較例4 実施例5において、冷媒の温度を140℃に変更し、成
型金型の押出物の通路面を140℃に調温したほかは、
実施例5と同様にして押出発泡ないし成形を行なった。
【0085】しかしながら、発泡過程にある可塑状態の
押出物が成形の段階で成形金型に融着して発泡体の表面
にむしれが生じ、またえられた発泡体は波打ち状態であ
り、板状に成形することができていないものであった。
【0086】比較例5 実施例5において、発泡性溶融物を170℃まで冷却し
たほかは、実施例5と同様にして押出発泡ないし成形を
行なった。
【0087】しかしながら、発泡性溶融物は、口金から
押出された途端に激しく破泡してしまい、良好な発泡体
を成形することができなかった。
【0088】比較例6 実施例5において、発泡性溶融物を132℃まで冷却し
たほかは、実施例5と同様にして押出発泡ないし成形を
行なったしかしながら、発泡性溶融物を口金から押出す
段階で、口金の先端部分で該発泡性溶融物の詰まりが発
生し、安定して押出しが行なわれず、発泡体を成形する
ことができなかった。
【0089】なお、表1中には、発泡体の密度および厚
さをあわせて示す。
【0090】また、用いたポリプロピレン系樹脂の種
類、発泡性溶融物の温度、冷媒の温度および成形金型の
押出物の通路面の温度も表1に示す。
【0091】さらに、比較例1、2、4および5につい
ては、発泡体の表面性を実施例1と同様にして評価した
結果を、あわせて表1に示す。
【0092】
【表1】
【0093】表1に示された結果から、実施例1〜6で
えられた発泡体は、厚さが約15〜19mmで、また密
度が約0.04〜0.06g/cm3、すなわち約17
〜26倍の高発泡倍率を有するものであり、さらにその
表面に破泡やむしれがまったくなく、平滑なスキン層が
形成された表面性にきわめてすぐれたものであることが
わかる。
【0094】
【発明の効果】本発明の製法によれば、高発泡倍率を有
し、耐熱性および断熱性をはじめ、剛性、耐衝撃性など
の機械的特性にすぐれ、かつその表面に平滑なスキン層
を有し、表面性にすぐれた、たとえば板状のポリプロピ
レン系樹脂発泡体を連続的に容易にうることができる。
【0095】また、前記製法によってえられた本発明の
板状の発泡体は、前記したようなすぐれた特性を有する
ものであるので、たとえば断熱材などの建材、緩衝材な
どの包装材などに好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡体の製法に
用いられる押出発泡成形装置の一実施態様を示す概略説
明図である。
【図2】図1に示された押出発泡成形装置の口金と成形
金型との接続部分における拡大概略説明図である。
【符号の説明】
1 押出機 3 口金 4 成形金型 5a、5b 押出物の通路面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出機内で、発泡剤を含有したポリプロ
    ピレン系樹脂の発泡性溶融物の温度を、該ポリプロピレ
    ン系樹脂の融点よりも0〜25℃低い温度に調節し、該
    発泡性溶融物を高圧で押出機の口金から押出したのち、
    押出された発泡過程にある可塑状態の押出物を、該押出
    物の通路面がポリプロピレン系樹脂の結晶化温度以下に
    調温された成形金型で成形することを特徴とするポリプ
    ロピレン系樹脂発泡体の製法。
  2. 【請求項2】 成形金型がその内面側の孔の面積が外面
    側の孔の面積よりもしだいに大とされた押出物の通路を
    有する請求項1記載のポリプロピレン系樹脂発泡体の製
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の製法によってえ
    られた表面に平滑なスキン層を有する板状のポリプロピ
    レン系樹脂発泡体。
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