JPH09113276A - 地磁気方位センサ - Google Patents

地磁気方位センサ

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JPH09113276A
JPH09113276A JP7274527A JP27452795A JPH09113276A JP H09113276 A JPH09113276 A JP H09113276A JP 7274527 A JP7274527 A JP 7274527A JP 27452795 A JP27452795 A JP 27452795A JP H09113276 A JPH09113276 A JP H09113276A
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JP
Japan
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magnetoresistive effect
effect element
magnetic field
magnetoresistive
geomagnetic
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JP7274527A
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Tatsuo Hisamura
達雄 久村
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気抵抗効果素子を用いた地磁気方位センサ
の精度の向上を図る。 【解決手段】 磁気抵抗効果素子を用いた地磁気方位セ
ンサにおいて、磁気抵抗効果素子に印加するバイアス磁
界の大きさを、磁気抵抗効果素子の磁気抵抗曲線の半値
幅に対して0.45〜0.55となるように設定する。
これにより、磁気抵抗効果素子の帯磁等の影響によって
生じる方位誤差が低減され、地磁気方位センサの方位精
度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果素子
を用いた地磁気方位センサに関するものであり、特に、
磁気抵抗効果素子に印加するバイアス磁界を磁気抵抗効
果素子の磁気抵抗曲線の半値幅に対して0.45〜0.
55となるように設定することで、方位精度の向上を図
った新規な地磁気方位センサに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、カラー陰極線管において、電子
銃から出射された電子ビームの軌道が地磁気によって曲
げられ、蛍光面上での電子ビーム到達位置、すなわち電
子ビームのランディングに変化が生じることがある。特
に高精細度陰極線管では、ランディングの変化に対する
余裕度が小さいために、地磁気によるランディングの変
化が色純度の劣化等の問題を引き起こしてしまうことが
ある。これを補正するために、通常、カラー陰極線管に
は、ランディング補正コイルが取り付けられている。そ
して、地磁気の方位に応じて自動的に、ランディング補
正コイルにランディング補正に必要な最適電流を流すこ
とにより、電子ビームの軌道を制御して、ランディング
の変化を防止するようにしている。ここで、ランディン
グ補正を行うには、地磁気の方位を正確に検出する必要
があり、この検出のために地磁気方位センサが使用され
ている。
【0003】このように、地磁気の影響を補正する必要
があるカラー陰極線管のような機器において、地磁気方
位センサは非常に重要なセンサとなっている。また、地
磁気方位センサは、従来から用いられてきた磁石式の方
位計、すなわち磁気コンパスの代替として、携帯型の方
位計としても使用されている。
【0004】このように地磁気方位センサは様々な用途
に使用されており、その代表的な構造としては、フラッ
クスゲート型のものや、磁気抵抗効果型のものが知られ
ている。そして、これらの地磁気方位センサの中でも、
地磁気を集束するための強磁性体コアを備えた磁気抵抗
効果型のものは非常に高感度であり、近年、従来の他の
タイプの地磁気方位センサに置き換わりつつある。
【0005】強磁性体コアを備えた磁気抵抗効果型の地
磁気方位センサは、例えば、ギャップを介して円環状に
組み合わされた4つの円弧状の強磁性体コアと、各強磁
性体コア間のギャップ内にそれぞれ配された4つの磁気
抵抗効果素子と、各磁気抵抗効果素子にそれぞれバイア
ス磁界を印加するための励磁用コイルとから構成され
る。ここで、磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果を有す
る磁気抵抗効果膜を備えた、外部磁界の大きさによって
抵抗値が変化する素子である。そして、この地磁気方位
センサでは、各磁気抵抗効果素子によって各磁気抵抗効
果素子の長手方向に対して垂直に印加している地磁気の
強さを検出し、このように各磁気抵抗効果素子によって
検出された各方向における地磁気の強さに基づいて、地
磁気の方位を検出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のような磁気抵抗
効果型の地磁気方位センサでは、使用される磁気抵抗効
果素子の特性が、センサの精度を大きく左右する。そこ
で、磁気抵抗効果素子には、優れた磁気特性を有するパ
ーマロイ膜が多く用いられており、通常、その形状は幅
の狭いストライプ形状とされる。ここで、磁気抵抗効果
素子をストライプ形状とするのは、磁気抵抗効果が磁化
困難軸方向で最大となることから、ストライプ形状とす
ることによって形状効果による磁気異方性、すなわち形
状磁気異方性を誘起させ、ストライプの幅方向を磁化困
難軸として利用するためである。
【0007】ところで、このような磁気抵抗効果素子
は、通常、電子ビーム蒸着やスパッタ等のような真空薄
膜形成法によって成膜されて形成されるが、成膜時に被
着基板近傍部の漏洩磁界や温度分布のむら、或いは入射
粒子に対する被着基板面の法線方向からのずれ等の影響
により、膜に磁気異方性が付与される。このような磁気
異方性は、その大きさや方向が一定ではなく、また、成
膜後に熱処理等を施しても完全に除去することはできな
い。
【0008】そして、このような大きさや方向が一定で
ない磁気異方性が発生して、上述の形状磁気異方性に加
わると、磁気抵抗効果素子は、いわゆる二軸異方性を有
する状態となってしまう。そして、このような二軸異方
性を有する磁気抵抗効果素子では、本来ならばストライ
プの幅方向で得ることができる、最大且つヒステリシス
の少ない磁気抵抗効果を得ることができない。したがっ
て、二軸異方性を有する磁気抵抗効果素子を用いた地磁
気方位センサでは、方位精度が低下してしまう。特に、
形状磁気異方性以外の磁気異方性が磁気抵抗効果素子に
加わり、磁気抵抗効果素子が帯磁してしまうと、以下に
説明するように、大きな方位誤差が生じてしまう。
【0009】ここで、磁気抵抗効果素子による外部磁界
の検出の原理、並びに方位誤差の発生について、図12
乃至図14を用いて説明する。
【0010】図12及び図13は、磁気抵抗効果素子の
基本的な動作原理を説明するための図であり、磁気抵抗
効果素子の磁気抵抗曲線と、この磁気抵抗効果素子に交
流バイアス磁界を印加したときの出力を示している。こ
こで、磁気抵抗効果素子の磁気抵抗曲線は、磁界Hがゼ
ロの位置を中心として左右対称となっている。そして、
図12に示すように、外部磁界が無い場合には、振幅が
HBの交流バイアス磁界を印加したとき、磁気抵抗効果
素子からの出力は一定の波形となる。これに対して、図
13に示すように、地磁気等によって外部磁界HEが印
加している場合には、振幅がHBの交流バイアス磁界に
外部磁界HEが直流的に加わるため、磁気抵抗効果素子
からの出力は交互に振幅が変化する波形となる。そこ
で、このように振幅が変化している出力から、その波形
の高さの変化量Lを検出することにより、磁気抵抗効果
素子に印加されている外部磁界HEの大きさが分かるこ
ととなる。
【0011】これに対して、形状磁気異方性以外の磁気
異方性が磁気抵抗効果素子に加わり、磁気抵抗効果素子
が帯磁していると、磁気抵抗効果特性がシフトして、磁
気抵抗効果素子の動作点が非対称となるため、外部磁界
が無い場合にも、磁気抵抗効果素子からの出力は、あた
かも外部磁界を感知したかのような出力となってしま
う。すなわち、図14に示すように、磁気抵抗効果特性
がシフトして、磁界Hがゼロでない位置が磁気抵抗曲線
の中心となっていると、外部磁界が無くても、磁気抵抗
効果特性のシフト量−Huの影響により、磁気抵抗効果
素子からの出力は、図13に示した出力の波形と同様な
波形となり、あたかも地磁気を感知したかのような出力
となってしまう。したがって、形状磁気異方性以外の磁
気異方性が磁気抵抗効果素子に加わって、磁気抵抗効果
特性がシフトすると、地磁気方位センサの精度が大幅に
低下してしまう。
【0012】このように、磁気抵抗効果型の地磁気方位
センサでは、使用される磁気抵抗効果素子の特性が、セ
ンサの精度を大きく左右するため、磁気抵抗効果素子の
特性を向上することが大きな課題となっている。
【0013】そこで本発明は、このような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、磁気抵抗効果素子の特性
を向上し、地磁気方位センサの精度の向上を図ることを
目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに完成された本発明に係る地磁気方位センサは、磁気
抵抗効果素子を用いた地磁気方位センサであって、上記
磁気抵抗効果素子に印加されるバイアス磁界の大きさ
が、磁気抵抗効果素子の磁気抵抗曲線の半値幅に対して
0.45〜0.55であることを特徴とするものであ
る。
【0015】上記地磁気方位センサでは、磁気抵抗効果
素子へのバイアス磁界が、磁気抵抗効果素子の磁気抵抗
曲線の半値幅に対して0.45〜0.55となるように
設定されているので、帯磁等による方位誤差が低減さ
れ、方位精度が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明す
る。なお、本発明は以下の例に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、形状や材質等を
任意に変更することが可能であることは言うまでもな
い。
【0017】まず、本発明を適用した地磁気方位センサ
に用いられる磁気抵抗効果素子の一例について説明す
る。
【0018】この磁気抵抗効果素子は、後述するように
強磁性体コア間に設けられるギャップ内に配される。こ
こで、通常、地磁気方位センサを小型化する必要性か
ら、強磁性体コア間のギャップの幅を大きくとることは
できない。そこで、磁気抵抗効果素子の感磁部の長さを
長くして感度を高めるために、例えば図1に示されるよ
うに、磁気抵抗効果素子Mは、強磁性体コアKaと強磁
性体コアKbの間に、何重にも折り曲げた、いわゆるつ
づら折り形状にパターニングされる。そして、この磁気
抵抗効果素子Mは、磁気抵抗効果素子Mの感磁部の長軸
方向が強磁性体コアKaと強磁性体コアKbとの間に生
じる磁界Hに対して直交するように、すなわち、パター
ン幅方向がギャップに対して垂直となるように配され
る。
【0019】ここで、磁気抵抗効果素子Mには、例え
ば、Ni−Fe合金、Co−Ni−Fe合金、又はこれ
らの合金に微少添加物を加えた軟磁性材料が用いられ
る。そして、このような材料から成る磁気抵抗効果素子
Mは、電子ビーム蒸着やスパッタ等のような真空薄膜形
成法や、電着法等によって基板上に成膜され、その後、
上述したように、フォトリソグラフィ技術によって、図
2に示すようなつづら折り形状にパターニングされて形
成される。このとき、地磁気方位センサ内に形成される
各磁気抵抗効果素子を結ぶ配線や、外部回路と電気的接
触を図るために磁気抵抗効果素子の両端に配される電極
等も、同時にパターニングされ形成される。
【0020】つぎに、以上のような磁気抵抗効果素子を
備えた地磁気方位センサの一例について説明する。
【0021】この地磁気方位センサは、図3に示すよう
に、90度間隔でギャップG1、G2、G3、G4が形
成されるように、4つの円弧状の強磁性体コアK1、K
2、K3、K4が円環状に組み合わされると共に、これ
らギャップG1、G2、G3、G4内にそれぞれ上述の
ような地磁気検出用の磁気抵抗効果素子M1、M2、M
3、M4が配されて構成される。ここで、強磁性体コア
K1、K2、K3、K4の材料には、パーマロイ、セン
ダスト、アモルファス、フェライト等のような優れた軟
磁気特性を有するものが適している。
【0022】上記磁気抵抗効果素子M1、M2、M3、
M4は、X軸方向の磁界を検出するための2つの磁気抵
抗効果素子M1、M3と、X軸方向と直交するY軸方向
の磁界を検出するための2つの磁気抵抗効果素子M2、
M4とに分類される。そして、これらの磁気抵抗効果素
子M1、M2、M3、M4は、定電位電源Vccに接続
されており、この定電位電源Vccから、これらの磁気
抵抗効果素子M1、M2、M3、M4にセンス電流が供
給される。
【0023】一方、上記強磁性体コアK1、K2、K
3、K4には、それぞれ励磁用コイルC1、C2、C
3、C4が巻回されており、この励磁用コイルC1、C
2、C3、C4に電流を流すことにより、ギャップG
1、G2、G3、G4内に配された各磁気抵抗効果素子
M1、M2、M3、M4にバイアス磁界が印加される。
すなわち、励磁用コイルC1、C2、C3、C4に供給
される交流バイアス電流IBにより、X軸方向の磁界を
検出するための磁気抵抗効果素子M1及び磁気抵抗効果
素子M2に、それぞれ互いに逆方向のバイアス磁界が印
加され、同様に、Y軸方向の磁界を検出するための磁気
抵抗効果素子M2及び磁気抵抗効果素子M4にも、それ
ぞれ互いに逆方向のバイアス磁界が印加される。
【0024】ここで、各磁気抵抗効果素子M1、M2、
M3、M4は、図4に示すように、それぞれギャップに
対応するように形成されており、したがって、磁気抵抗
効果素子M1及び磁気抵抗効果素子M2には、その膜面
に対して略平行にバイアス磁界HBが印加され、磁気抵
抗効果素子M3及び磁気抵抗効果素子M4には、その膜
面に対して略平行にバイアス磁界−HBが印加される。
そして、このように各磁気抵抗効果素子M1、M2、M
3、M4に印加されるバイアス磁界の大きさは、それぞ
れ磁気抵抗効果素子M1、M2、M3、M4の磁気抵抗
曲線の半値幅に対して0.45〜0.55となるように
設定される。
【0025】また、各磁気抵抗効果素子M1、M2、M
3、M4には、中点電位等の温度特性を補正するための
温度特性補正用磁気抵抗効果素子M5、M6、M7、M
8が接続されている。すなわち、磁気抵抗効果素子M1
には、温度特性補正用磁気抵抗効果素子M5が接続さ
れ、磁気抵抗効果素子M2には、温度特性補正用磁気抵
抗効果素子M6が接続され、磁気抵抗効果素子M3に
は、温度特性補正用磁気抵抗効果素子M7が接続され、
磁気抵抗効果素子M4には、温度特性補正用磁気抵抗効
果素子M8が接続されている。
【0026】ここで、各温度特性補正用磁気抵抗効果素
子M5、M6、M7、M8は、強磁性体コアK1、K
2、K3、K4を通る磁束に対して平行となるように、
それぞれ磁気抵抗効果素子M1、M2、M3、M4に対
して直交するように配される。すなわち、温度特性補正
用磁気抵抗効果素子M5は、ギャップG1の外部に、磁
気抵抗効果素子M1に対して直交するように配され、温
度特性補正用磁気抵抗効果素子M6は、ギャップG2の
外部に、磁気抵抗効果素子M2に対して直交するように
配され、温度特性補正用磁気抵抗効果素子M7は、ギャ
ップG3の外部に、磁気抵抗効果素子M3に対して直交
するように配され、温度特性補正用磁気抵抗効果素子M
8は、ギャップG4の外部に、磁気抵抗効果素子M4に
対して直交するように配される。
【0027】ここで、例えば、各温度特性補正用磁気抵
抗効果素子M5、M6、M7、M8を、それぞれ磁気抵
抗効果素子M1、M2、M3、M4に対して平行となる
ように配すると、ギャップG1、G2、G3、G4から
漏れた磁界が温度補正用磁気抵抗効果素子M5、M6、
M7、M8にもバイアス磁界として働いてしまう。そし
て、このバイアス磁界の方向は、地磁気検出用の磁気抵
抗効果素子M1、M2、M3、M4に印加されるバイア
ス磁界の方向と同方向であるので、後述するように磁気
抵抗効果素子M1及び磁気抵抗効果素子M3から得られ
る差動信号や、磁気抵抗効果素子M2及び磁気抵抗効果
素子M4から得られる差動信号が打ち消されて小さくな
ってしまう。その結果、S/Nが悪化し、方位精度が±
5度程度にまで悪くなってしまう。
【0028】これに対して、上述のように、各温度特性
補正用磁気抵抗効果素子M5、M6、M7、M8を、そ
れぞれ磁気抵抗効果素子M1、M2、M3、M4に対し
て直交するように配したときには、ギャップG1、G
2、G3、G4から漏れた磁界が温度補正用磁気抵抗効
果素子M5、M6、M7、M8にバイアス磁界として働
くようなことが殆どない。これは、磁気抵抗効果素子の
感度が、磁界に対して直交するように配置した場合に比
べて、平行に配置した場合は1/100以下となるため
である。したがって、上述の地磁気方位センサでは、温
度特性補正用磁気抵抗効果素子M5、M6、M7、M8
が、強磁性体コアK1、K2、K3、K4中の磁気信号
に対して感度を示すようなことは殆どなく、そのため、
上述の地磁気方位センサでは、磁気抵抗効果素子M1及
び磁気抵抗効果素子M3から得られる差動信号や、磁気
抵抗効果素子M2及び磁気抵抗効果素子M4から得られ
る差動信号を大きく取ることが可能となる。その結果、
S/Nが向上し、方位精度が±1度程度と非常に優れた
ものとなる。
【0029】以上のような構成を有する地磁気方位セン
サの等価回路を図5に示す。すなわち、この地磁気方位
センサにおいて、X軸方向の磁界を検出するための2つ
の磁気抵抗効果素子M1、M3は、温度特性補正用磁気
抵抗効果素子M5、M7と共にブリッジを構成してお
り、このブリッジに定電位電源Vccからセンス電流が
供給される。そして、このブリッジからの出力が差動ア
ンプA1に供給され、この差動アンプA1によって差動
が取られ、その結果、外部磁界HEのうちX軸方向の磁
界成分の大きさを示す差動信号(X出力)が出力され
る。このとき、励磁用コイルC1、C2、C3、C4に
より、磁気抵抗効果素子M1には、バイアス磁界HBが
印加され、磁気抵抗効果素子M3には、磁気抵抗効果素
子M1に印加されるバイアス磁界HBに対して180度
方位が異なるバイアス磁界−HBが印加される。
【0030】同様に、Y軸方向の磁界を検出するための
2つの磁気抵抗効果素子M2、M4も、温度特性補正用
磁気抵抗効果素子M6、M8と共にブリッジを構成して
おり、このブリッジに定電位電源Vccからセンス電流
が供給される。そして、このブリッジからの出力が差動
アンプA2に供給され、この差動アンプA2によって差
動が取られ、その結果、外部磁界HEのうちY軸方向の
磁界成分の大きさを示す差動信号(Y出力)が出力され
る。このとき、励磁用コイルC1、C2、C3、C4に
より、磁気抵抗効果素子M2には、バイアス磁界HBが
印加され、磁気抵抗効果素子M4には、磁気抵抗効果素
子M2に印加されるバイアス磁界HBに対して180度
方位が異なるバイアス磁界−HBが印加される。
【0031】以上のような地磁気方位センサに使用され
る磁気抵抗効果素子M1、M2、M3、M4は、次のよ
うな特徴を持っている。
【0032】(1)磁界の強度により抵抗値が変化す
る。
【0033】(2)弱い磁界を感知する能力に優れてい
る。
【0034】(3)抵抗値変化を電気信号として取り出
すことができる。
【0035】そして、上記地磁気方位センサでは、この
ような磁気抵抗効果素子M1、M2、M3、M4の特徴
を利用して地磁気による磁気信号を電気信号に変換し
て、地磁気の方位を検出している。以下、このような地
磁気の方位の検出の原理について説明する。
【0036】図6に磁気抵抗効果素子の磁気抵抗曲線を
示す。図6において、横軸は磁気抵抗効果素子に垂直に
加わる磁界H、縦軸は磁気抵抗効果素子の抵抗値Rを示
している。ここで、縦軸は磁気抵抗効果素子の抵抗値を
示しているので、縦軸の値は磁気抵抗効果素子に直流電
流を流したときの出力電圧に相当する。
【0037】図6に示すように、磁気抵抗効果素子の抵
抗値Rは、磁界Hがゼロのときに最大となり、大きな磁
界、具体的には、磁気抵抗効果素子のパターン形状等に
もよるが、50〜200Oe程度の磁界Hを印加したと
きに、約3%小さくなる。そこで、地磁気方位センサで
は、このような特性を有する磁気抵抗効果素子によって
磁界Hの変化を抵抗値Rの変化として検出する。
【0038】そして、磁気抵抗効果素子には、上述した
ように、強磁性体コアK1、K2、K3、K4に巻回さ
れた励磁用コイルC1、C2、C3、C4に交流バイア
ス電流IBを流すことにより、交流のバイアス磁界が印
加される。このようにバイアス磁界を印加することによ
り、磁気抵抗曲線の傾きが大きい部分を外部磁界の検出
に利用することが可能となり、磁気抵抗効果素子からの
出力のS/N、すなわち出力電圧の振幅の向上、及び歪
率の向上が図られる。
【0039】ここで、バイアス磁界は、上述したよう
に、X軸方向の磁界を検出するための磁気抵抗効果素子
M1、M3のうち、磁気抵抗効果素子M1にはバイアス
磁界HBが印加され、磁気抵抗効果素子M3には、磁気
抵抗効果素子M1に印加されるバイアス磁界HBに対し
て180度方位が異なるバイアス磁界−HBが印加され
る。同様に、Y軸方向の磁界を検出するための磁気抵抗
効果素子M2、M4のうち、磁気抵抗効果素子M2には
バイアス磁界HBが印加され、磁気抵抗効果素子M4に
は、磁気抵抗効果素子M2に印加されるバイアス磁界H
Bに対して180度方位が異なるバイアス磁界−HBが
印加される。
【0040】このとき、地磁気による磁界HEが入って
くると、例えば、X軸方向の磁界を検出するための磁気
抵抗効果素子M1、M3に加わる磁界は、磁気抵抗効果
素子M1に加わる磁界が(HB+HE)となり、磁気抵
抗効果素子M3に加わる磁界が(−HB+HE)とな
る。
【0041】このとき、磁気抵抗効果素子M1には、交
流のバイアス磁界HBが印加されているので、磁気抵抗
効果素子M1に印加される磁界は図6中実線Aで示すよ
うに変化し、この磁界の変化が図6中実線Bで示すよう
な電圧変化として出力される。一方、磁気抵抗効果素子
M3には、交流のバイアス磁界−HBが印加されている
ので、磁気抵抗効果素子M3に印加される磁界は図6中
実線Cで示すように変化し、この磁界の変化が図6中実
線Dで示すような電圧変化として出力される。
【0042】そして、図6中実線Bで示したような磁気
抵抗効果素子M1からの出力と、図6中実線Dで示した
ような磁気抵抗効果素子M3からの出力との差が、差動
アンプA1によってX軸方向の磁界についての差動信
号、すなわちX出力として取り出される。同様に、Y軸
方向の磁界を検出するための磁気抵抗効果素子M2及び
磁気抵抗効果素子M3からも、磁界の変化が電圧変化と
して出力され、Y軸方向の磁界についての差動信号、す
なわちY出力が取り出される。
【0043】そして、これらの差動信号は地磁気HEの
方位によって変化し、それぞれHE・sinθ、HE・
cosθに比例している。したがって、横軸に地磁気の
方位θをとって、X出力及びY出力の電圧をプロットす
ると、図7に示すようになる。したがって、X軸方向の
磁界についての差動信号であるX出力と、Y軸方向の磁
界についての差動信号であるY出力とから、地磁気の方
位θを算出することができる。
【0044】すなわち、X出力とY出力の比Vx/Vy
は、これらの出力がそれぞれHE・sinθ、HE・c
osθに比例することから、下記式(1)に示すよう
に、tanθで表すことができる。
【0045】 Vx/Vy=sinθ/cosθ=tanθ ・・・(1) したがって、地磁気の方位θは、下記式(2)で表され
る。
【0046】 θ=tan-1(Vx/Vy) ・・・(2) ただし、上記式(2)において、Vx≧0のときは、0
°≦θ≦180°であり、Vx<0のときは、180°
<θ<360°である。
【0047】以上のようにして、本実施の形態に係る地
磁気方位センサでは、地磁気HEの方位θを知ることが
できる。
【0048】つぎに、以上のような地磁気方位センサに
使用される磁気抵抗効果素子の特性を評価した結果につ
いて説明する。ここで、磁気抵抗効果素子の特性は、ス
トライプ幅が異なる3種類の磁気抵抗効果素子を作製
し、これらの磁気抵抗効果素子について調べた。
【0049】特性の評価に用いた磁気抵抗効果素子は、
ガラス基板上に電子ビーム蒸着によって膜厚が70nm
の磁気抵抗効果膜を成膜し、この磁気抵抗効果膜に対し
て、フォトリソグラフィ技術を用いて所定のストライプ
幅及びストライプ長となるようにパターニング処理を施
し、これらの膜の両端に測定用電極を形成して作製し
た。ここで、3種類の磁気抵抗効果素子は、それぞれス
トライプ幅が、80μm、40μm、20μmとなるよ
うにした。また、ストライプ長は、全て20mmとし
た。
【0050】そして、これら3種類の磁気抵抗効果素子
について、磁気抵抗効果素子の幅方向に交流消磁処理を
施した後、永久磁石を磁気抵抗効果素子の幅方向から近
づけて帯磁させ、その後、磁気抵抗効果特性を測定した
ところ、印加磁界に対するヒステリシスや動作点の非対
称性が観察された。
【0051】そこで、まず、図8に示すように、バイア
ス磁界Hbの大きさを磁気抵抗曲線の半値幅Hwに対し
て1/3となるように設定して、各磁気抵抗効果素子に
ついて非対称性を測定した。結果を図9に示す。なお、
図9に示す測定結果において、非対称性を表わす指標に
は、下記式(3)で表される値Faを用いた。
【0052】 Fa=(ΔL1+ΔL2)/{(L1+L2)/2} ・・・(3) 上記式(3)において、ΔL1は、図10(1)に示す
ように、永久磁石のN極で磁気抵抗効果素子を帯磁させ
たときに生じる、バイアス磁界Hbに対する磁気抵抗曲
線の動作点の変化量を表しており、ΔL2は、図10
(2)に示すように、永久磁石のS極で磁気抵抗効果素
子を帯磁させたときに生じる、バイアス磁界Hbに対す
る磁気抵抗曲線の動作点の変化量を表している。また、
L1は、図10(1)に示すように、永久磁石のN極で
磁気抵抗効果素子を帯磁させたときの、バイアス磁界H
bに対する磁気抵抗効果素子の抵抗の変化量を表してお
り、L2は、図10(2)に示すように、永久磁石のS
極で磁気抵抗効果素子を帯磁させたときの、バイアス磁
界Hbに対する磁気抵抗効果素子の抵抗の変化量を表し
ている。
【0053】また、図9には、各磁気抵抗効果素子につ
いて、磁気抵抗効果素子の静的状態での磁化のストライ
プ長手方向からのずれの角度である磁化の方向θsにつ
いてもプロットしている。ここで、磁化の方向θsは、
静磁エネルギー、反磁界エネルギー、そして成膜時に生
じた磁気異方性エネルギーの実測値を用いて、それらの
エネルギーが最小になるような角度として計算によって
求めた。
【0054】図9から、磁気抵抗効果素子のストライプ
幅Wが大きくなるほど、静的状態での磁化の方向θsの
値が大きくなり、そして、静的状態での磁化の方向θs
の値が大きくなるにつれ、帯磁によって磁気抵抗曲線の
非対称性が増していくことが分かる。
【0055】つぎに、磁気抵抗曲線の半値幅Hwに対す
るバイアス磁界Hbの大きさと、帯磁等の影響によって
生じる磁気抵抗曲線の非対称性が最小となるときのバイ
アス磁界印加方向との関係を調べた。結果を図11に示
す。
【0056】図11において、縦軸は、磁気抵抗曲線の
非対称性が最小になるときのバイアス磁界印加方向θ
n、すなわち、磁気抵抗効果素子のストライプ長手方向
と、磁気抵抗曲線の非対称性が最小となるバイアス磁界
の方向との成す角度を表している。また、横軸は、磁気
抵抗曲線の半値幅Hwに対するバイアス磁界Hbの大き
さ、すなわち、Hb/Hwの値を表している。
【0057】図11に示すように、バイアス磁界Hbが
小さい場合には、磁気抵抗曲線の非対称性が最小になる
バイアス磁界印加方向θnが、ストライプ幅方向である
90度の方向から大きくずれており、同様に、バイアス
磁界Hbが大きい場合にも、磁気抵抗曲線の非対称性が
最小になるバイアス磁界印加方向θnが、ストライプ幅
方向である90度の方向から大きくずれている。そし
て、磁気抵抗曲線の半値幅Hwに対してバイアス磁界H
bの大きさが0.45〜0.55程度のときに、磁気抵
抗曲線の非対称性が最小になるバイアス磁界印加方向θ
nが約90度となり、磁気抵抗曲線の非対称性が最小に
なるバイアス磁界印加方向θnと、磁気抵抗効果素子の
ストライプ幅方向とが一致する。
【0058】したがって、ストライプ形状の磁気抵抗効
果素子を用いて、その幅方向を磁界の検出方向とした上
述のような地磁気方位センサにおいては、バイアス磁界
Hbの大きさを磁気抵抗曲線の半値幅Hwに対して0.
45〜0.55に設定することにより、帯磁等の影響に
よって生じる磁気抵抗曲線の非対称性を最小とすること
ができる。そして、このように磁気抵抗曲線の非対称性
を最小とすることにより、帯磁等の影響を受けることな
く、高精度に地磁気の方位を検出することが可能とな
る。
【0059】ここで、図11から明らかなように、磁気
抵抗効果素子のストライプ幅が大きいほど、磁気抵抗曲
線の非対称性が最小になるときのバイアス磁界印加方向
θnが、バイアス磁界の大きさによって大きく変化す
る。そのため、特にストライプ幅が大きい磁気抵抗効果
素子を用いた地磁気方位センサにおいて、磁気抵抗曲線
の非対称性に対するバイアス磁界Hbの大きさの影響が
大きくなる。したがって、特にストライプ幅が大きい磁
気抵抗効果素子を用いた地磁気方位センサにおいて、磁
気抵抗曲線の半値幅Hwに対してバイアス磁界Hbの大
きさを0.45〜0.55に設定することによって、磁
気抵抗曲線の非対称性を大幅に軽減でき、地磁気方位検
出の精度を大幅に向上することができる。
【0060】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る地磁気方位センサでは、バイアス磁界の大きさを
磁気抵抗曲線の半値幅に対して0.45〜0.55に設
定することにより、帯磁等の影響を軽減し、地磁気の方
位を精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した地磁気方位センサの一例につ
いて、一部を拡大して示す平面図である。
【図2】本発明を適用した地磁気方位センサに使用され
る磁気抵抗効果素子の一例について、一部を拡大して示
す斜視図である。
【図3】本発明を適用した地磁気方位センサの一構成例
を模式的に示す平面図である。
【図4】本発明を適用した地磁気方位センサの一構成例
を模式的に示す正面図である。
【図5】図3に示した地磁気方位センサの等価回路を示
す回路図である。
【図6】磁気抵抗効果素子による磁界検出の原理を説明
するための図である。
【図7】磁気抵抗効果素子からの出力の電圧Vと、地磁
気の方位θとの関係を示す図である。
【図8】磁気抵抗曲線の半値幅Hwとバイアス磁界Hb
を示す図である。
【図9】磁気抵抗効果素子のストライプ幅Wと非対称性
Faの関係、及び磁気抵抗効果素子のストライプ幅Wと
磁化の方向θsの関係を示す特性図である。
【図10】磁気抵抗曲線の非対称性Faを説明するため
の図である。
【図11】磁気抵抗曲線の半値幅Hwに対するバイアス
磁界Hbの大きさと、磁気抵抗曲線の非対称性が最小と
なるときのバイアス磁界印加方向θnとの関係を示す特
性図である。
【図12】外部磁界が無いときの磁気抵抗効果素子から
の出力を説明するための図である。
【図13】外部磁界が加わったときの磁気抵抗効果素子
からの出力を説明するための図である。
【図14】帯磁等によって磁気抵抗効果特性がシフトし
たときの磁気抵抗効果素子からの出力を説明するための
図である。
【符号の説明】
M、M1、M2、M3、M4 磁気抵抗効果素子 M5、M6、M7、M8 温度特性補正用磁気抵抗効果
素子 Ka、Kb、K1、K2、K3、K4 強磁性体コア C1、C2、C3、C4 励磁用コイル G1、G2、G3、G4 ギャップ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果素子を用いた地磁気方位セ
    ンサにおいて、 上記磁気抵抗効果素子に印加されるバイアス磁界の大き
    さが、磁気抵抗効果素子の磁気抵抗曲線の半値幅に対し
    て0.45〜0.55であることを特徴とする地磁気方
    位センサ。
JP7274527A 1995-10-23 1995-10-23 地磁気方位センサ Withdrawn JPH09113276A (ja)

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