JPH09117946A - 射出成形機における圧力検出器の零点調整方法 - Google Patents

射出成形機における圧力検出器の零点調整方法

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JPH09117946A
JPH09117946A JP7301990A JP30199095A JPH09117946A JP H09117946 A JPH09117946 A JP H09117946A JP 7301990 A JP7301990 A JP 7301990A JP 30199095 A JP30199095 A JP 30199095A JP H09117946 A JPH09117946 A JP H09117946A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出機構を分解しなくても、圧力検出器に作
用する外的な負荷を完全に取り除いた状態で圧力検出器
の零点調整を行うことのできる零点調整方法を提供する
こと。 【解決手段】 スクリュー7を低出力で駆動してスクリ
ュー7の前進可能な限界位置Qfと後退可能な限界位置
Qbとを検出してその中間位置Pmを求め、中間位置P
mにスクリュー7を移動させることにより、スクリュー
7に直接作用する樹脂反力を完全に取り除く。更に、射
出用サーボモータM1を減衰振動させることにより、ロ
ードセル10に固着されたボールナット9と該ナット9
を直接押し引きするボールネジ8との間に、前進方向お
よび後退方向の各々に対して等しい遊びを有するバック
ラッシを生じさせ、ボールネジ8とボールナット9との
間の軸方向の接触を実質的に断ち切り、ロードセル10
に作用する圧力を完全に取り除いた状態でロードセル1
0の零点補正を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形機におけ
る圧力検出器の零点調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】可動部材に対応して設けられた圧力検出
器によって可動部材にかかる圧力を検出するようにした
射出成形機は公知であり、例えば、スクリューの基部に
取り付けられた圧力検出器により射出保圧圧力や計量時
の背圧をサンプリングするもの等がよく知られている。
圧力検出器として最も一般に使用されるのが、いわゆる
ロードセル、つまり、可動部材と該可動部材の駆動源と
の間の動力伝達経路上に位置する弾性部材とストレイン
ゲージとによって構成される圧力検出器である。
【0003】ストレインゲージは圧力による金属線の変
形を電気抵抗の変化に変えて測定するものであるから、
このストレインゲージを可動部材と駆動源との間の動力
伝達経路上に位置する機能上必要な必須の弾性部材もし
くは可動部材そのもの等に直接貼着することによっても
可動部材に作用する圧力を検出することは可能である
が、弾性部材の剛性が著しく高く圧力による変形が少な
いような場合では、高精度の圧力検出が難しくなる場合
もあるので、動力伝達経路上に起歪体と称する弾性変形
し易い部材を介装し、この部材にストレインゲージを貼
着して圧力検出器として構成するのが普通である。
【0004】一般に起歪体またはロードセル本体といえ
ば前記した弾性変形し易い部材のことであるが、無論、
ストレインゲージ自体も起歪体の一種である。
【0005】ロードセルを利用した圧力検出器の一例と
して、スクリュー軸に作用する圧力を検出するようにし
た圧力検出器の一般的な構造について、射出機構の要部
断面を示す図1を参照して簡単に説明する。
【0006】図1において、符号1は射出ユニットのフ
ロントプレートである。フロントプレート1には図中右
側に位置する図示しないリアプレートとの間に2本もし
くは4本のタイロッド2が固設され、このタイロッド2
にブッシュ等を介して摺動自在にスクリュープッシャー
プレート3が取り付けられている。
【0007】スクリュースリーブ4はスクリュープッシ
ャープレート3に2つのアンギュラベアリングを介して
回転自在に取り付けられており、該スリーブ4に固着さ
れた歯付プーリ5および該プーリ5に巻回された図示し
ないタイミングベルト等を介して、スクリュープッシャ
ープレート3の側に固設された図示しない計量用モータ
により回転駆動されるようになっている。
【0008】また、フロントプレート1の前面に固設さ
れた射出シリンダ6には計量および射出のためのスクリ
ュー7が内嵌され、該スクリュー7の基部が前記スクリ
ュースリーブ4に回転および軸方向移動不能に固着さ
れ、スクリュースリーブ4の回転動作に応動して計量混
練りのためのスクリュー回転が行われるようになってい
る。
【0009】更に、図示しないリアプレートには運動用
ネジとしてのボールネジ8が軸方向移動不能かつ回転可
能に取り付けられ、リアプレートの側に固設された射出
用モータによりタイミングベルト等を介して回転駆動さ
れるようになっている。リアプレートからフロントプレ
ート1に向けて突出したボールネジ8の先端は、スクリ
ュープッシャープレート3の裏面に回転不能に固設され
たボールナット9(ソケットともいう)に螺合され、ボ
ールネジ8の回転により、スクリュープッシャープレー
ト3および該プレート3に取り付けられた部材の全てが
フロントプレート1に対して全体的に接離移動し、スク
リュースリーブ4に固着されたスクリュー7が射出シリ
ンダ6内で前後退する。
【0010】スクリュー7に作用する射出保圧圧力や背
圧を検出するための圧力検出器となるロードセル10
は、スクリュー7の基部、厳密には、スクリュープッシ
ャープレート3とボールナット9との間に介装され、ボ
ルト13,14でそれぞれスクリュープッシャープレー
ト3およびボールナット9に固着されたロードセル本体
11(起歪体ともいう)と該ロードセル本体11に貼着
されたストレインゲージ12とで構成される。ロードセ
ル本体11の形状は、図1に側断面を示す通り、径方向
中央部に周溝状の肉薄部11aを備えた円環体であり、
ボールナット9とスクリュープッシャープレート3との
間に作用する力、つまり、ロードセル本体11の外周部
と内周部との間でスクリュー軸の方向に沿って互いに逆
向きに作用する力と反力、要するに、スクリュー7に作
用する射出保圧圧力や背圧の影響を受けて肉薄部11a
が容易に変形し、スクリュー7に作用する樹脂反力を検
出できるようになっている。
【0011】スクリュー7に作用する樹脂反力を適確に
検出するためには、ロードセル10の圧力検出の繰り返
し精度を向上させることが重要であり、周囲温度の影響
による検出誤差を抑制するための温度補償回路や湿度の
影響による検出誤差を抑制するためのコーティング処理
等がロードセル10に対して施されている。
【0012】しかし、ロードセル10の取り付け位置が
熱源となるシリンダ6に接近しており、また、射出機構
全体が計量用モータや射出用モータと共に射出ユニット
のハウジング内に収められている関係から、実際の射出
成形作業中におけるロードセル10の周囲温度はロード
セル10が製造された時の周囲温度に比べて相当に高く
なる場合が多く、温度補償回路による誤差補正だけでは
対処しきれなくなる場合がある。
【0013】また、湿度による悪影響を抑制する必要上
ロードセル10に防湿のためのコーティング処理を施す
ことは重要ではあるが、このコーティング処理の際にコ
ーティング材の内部やロードセル10との界面に気泡が
侵入したりすると、この気泡が温度変化によって膨脹ま
たは収縮し、ロードセル10に対して変形の影響を与え
て圧力の検出精度が不正確となる場合がある。無論、熱
膨脹係数の異なる異種素材をロードセル10にコーティ
ングしたことにより生じる温度変化の際の内部応力の影
響も無視はできない。
【0014】更に、ロードセル10に荷重による歪みが
生じた際にコーティング材が塑性変形してしまうと、こ
のコーティング材がロードセル10の弾性復帰を妨げる
ことになるので、ロードセル10から荷重が取り除かれ
てもロードセル10の検出圧力が零に復帰しなくなって
しまうといった場合がある。
【0015】これらの問題はコーティング材に限ったも
のではなく、ストレインゲージ12をロードセル本体1
1に貼り付ける接着剤にも同様の問題があり、特に、接
着剤の膨脹や収縮または塑性変形等はストレインゲージ
12自体の歪みに直接の影響を与えるといった意味で深
刻である。
【0016】結果的に、温度補償回路やコーティングに
よる防湿処理等の手段を講じたとしても、ロードセル1
0の圧力検出の繰り返し精度を完全に補償するといった
ことは事実上不可能である。
【0017】スクリュー7と射出用モータとの間の動力
伝達経路上にロードセル10を1組のみ配備する場合、
このロードセル10が検出しなければならない最大の圧
力は、射出成形機の最大射出保圧圧力にもよるが、例え
ば、2000Kg/cm 2 等ということになる。前述した温
度補償回路や防湿処理を適用した場合であってもロード
セル10の検出精度には最終的に数%の誤差が残るの
で、ロードセル10によって最終的に検出され得る圧力
の単位は、検出精度の誤差を仮に1%としても(既に述
べた通り実際には数%である)、20Kg/cm 2 程度にな
ってしまう。
【0018】一方、計量時の背圧は20Kg/cm 2 ,30
Kg/cm 2 ,・・・等と10Kg/cm 2のオーダーを単位と
して設定するのが普通であるから、射出保圧圧力の検出
に用いるのと同じロードセル10を用いて計量時の背圧
制御を行おうとすると、誤差の占める割合が大きくなり
過ぎ、適切な背圧制御が行えなくなってしまうという問
題がある。
【0019】従って、ロードセル10の温度が高くなっ
て温度補償回路による誤差補正では間に合わなくなった
ような場合、または、コーティング材に塑性変形等が生
じてロードセル10の弾性変形に影響を与えるようにな
った場合では、その周囲温度やコーティング材の塑性変
形等によって生じる誤差に応じ、改めてロードセル10
の零点補正を行う必要があるが、この際、温度変化やコ
ーティング材の塑性変形による誤差を除く他の外乱要素
の全てを排除してやらねば、正確な零点補正を行うこと
はできない。言い換えれば、温度変化やコーティング材
の塑性変形による応力のみが作用している状態でロード
セル10の検出圧力が零となるような補正を行う必要が
あるということである。
【0020】コーティング材の塑性変形等により生じる
誤差は、シリンダ6等から比較的離れて温度の影響を受
けにくいエジェクタロッドや可動プラテンの圧力検出器
の場合も無縁ではなく、特に、エジェクタロッドにより
エジェクタピンやその他金型内に突出する可動部材を動
かして型内容積や型内圧力を調整するようにした構造を
有する射出成形機の場合では、このエジェクタロッドの
圧力検出器に高い検出精度が要求され、また、強大な型
締力が作用する可動プラテンの圧力検出器のコーティン
グ材の塑性変形等による検出誤差も問題となることがあ
り、同様な補正作業が必要となる場合がある。
【0021】ここで問題となるのは、前述した他の外乱
要素の全てを如何にしてロードセル10から取り除くか
である。
【0022】図1の構成例におけるスクリュー軸の圧力
検出器の場合において最も確実なのは、ロードセル10
をスクリュープッシャープレート3に取り付けているボ
ルト13を取り外してボールナット9およびロードセル
10を図中右側に後退させるか、または、ボルト13を
取り外してスクリュープッシャープレート3を図中左側
に前進させるかしてロードセル10を他の部材から切り
離し、ロードセル10自体を完全な自由状態にしてしま
うことである。
【0023】しかし、このような作業は極めて面倒であ
る。更に、ロードセル10と共にスクリュープッシャー
プレート3から切り離されたボールナット9を不用意に
手で回転させてしまったりすると、パルスコーダ等の回
転位置検出器に生じる位置ずれにより、スクリュー7の
位置制御に支障を生じる恐れもある。
【0024】そこで、射出機構を分解せず、そのままの
状態でロードセル10から外乱要素を取り除くための方
法が求められる。
【0025】しかし、図1に示す通りタイロッド2とス
クリュープッシャープレート3との間にはスクリュープ
ッシャープレート3を現在位置に保持しようとする摩擦
力A1,A2、つまり、スクリュープッシャープレート
3に後退力が作用するときに反力として働く摩擦力A1
と、スクリュープッシャープレート3に前進力が作用す
るときに反力として働く摩擦力A2とが存在する。
【0026】また、スクリュー7と射出シリンダ6との
間にはスクリュー7を現在位置に保持しようとする摩擦
力が存在し、更に、樹脂が固化している場合では、射出
シリンダ6の内壁に固着した樹脂とスクリュー7との間
にスクリュー7を現在位置に保持しようとする抵抗が存
在する。一方、樹脂が溶融している状態では、スクリュ
ー7と樹脂との間にスクリュー7を後退させようとする
樹脂反力が存在する場合と、また、これとは逆に、溶融
した樹脂が固化しつつその体積を減少させているような
状態では、スクリュー7と樹脂との間にスクリュー7を
前進させようとする力が存在する場合もある。なお、図
1ではスクリュー7を前進させようとする全体的な樹脂
反力をB1、また、スクリュー7を後退させようとする
全体的な樹脂反力をB2として便宜的に示している。
【0027】一見すると、ボールネジ8を回転駆動する
射出用モータの駆動を解除してボールネジ8の回転を自
在とすれば、ロードセル10に作用するテンション(B
1−A2)、または、ロードセル10に作用するストレ
ス(B2−A1)等の力に応動してボールナット9が自
由に前後退し、更に、ボールナット9の前後退動作に応
動してボールネジ8の側が自在に回転して、このテンシ
ョン(B1−A2)やストレス(B2−A1)等を解消
し、ロードセル10に作用する外乱要素を完全に取り除
けるように見える。
【0028】しかし、実際には、射出用モータの駆動を
解除してもボールネジ8とボールナット9との間にはあ
る程度の摩擦があり、この摩擦がボールネジ8の自由回
転を妨げる方向に作用してボールネジ8上のボールナッ
ト9の現在位置を保持しようとする力が働くため、ロー
ドセル10に作用するテンションやストレスに応動させ
てボールナット9を自由に前後退させるというわけには
いかず、ロードセル10から外乱要素を完全に取り除く
ことはできない。当然、射出用モータのロータ部分にお
ける摩擦抵抗等も問題となるところである。
【0029】また、スクリュー7に所定の推力を与えて
ロードセル10によりその反力を検出し、与えた推力と
ロードセル10の検出値とが一致するようにロードセル
10の零点補正を行う調整方法が本出願人により特開平
7−205229号として提案され、射出保圧圧力や計
量時の背圧の検出精度向上には十分な成果を収めている
が、この構成においてはロードセル10がスクリュー7
に与えられた推力の他、駆動系各部に作用する摩擦抵抗
による外乱等を拾うので、最終的に補正されるのは外乱
を含んだ検出値であり、ロードセル10単体での零点補
正を行うことはできない。
【0030】以上に述べたように、ロードセル10の零
点調整に際し、射出機構を分解してロードセル10を他
の部材から切り離して外乱要素を取り除くのでは手間が
掛かり過ぎるし、また、ボールネジ8を駆動する射出用
モータの磁励を解除した程度のことでは、ロードセル1
0に作用する負荷の外乱要素を完全に取り除くことはで
きないという問題がある。また、外乱要素を含めてロー
ドセル10の零点補正を行った場合では、ロードセル1
0自体の異常を確認することが難しい場合がある。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、前記従来技術の欠点を解消し、射出機構の分解作業
を必要とせず、圧力検出器に作用する外的な負荷を完全
に取り除いた状態で圧力検出器の零点調整を適確に行う
ことのできる射出成形機における圧力検出器の零点調整
方法を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明は、射出成形機の
可動部材に対応して設けられ該可動部材にかかる圧力を
検出する圧力検出器の零点調整方法において、前記可動
部材を駆動し、任意の位置で減衰振動を開始させ、振動
の振幅が所定値以下になったときに振動を停止し、圧力
検出器の出力を読み、読んだ値を基に圧力検出器の出力
を補正することを特徴とする構成により前記目的を達成
した。
【0033】つまり、可動部材を駆動する駆動源を正逆
に駆動して可動部材の振幅が所定値以下となるまで減衰
振動を行わせることにより、可動部材の振動の中心に駆
動源の正逆駆動の中心を合わせることにより、可動部材
と駆動源との間に正逆両方向のバックラッシを生じさ
せ、可動部材を動力伝達経路から実質的に切り離し、可
動部材に作用する外的な負荷を完全に取り除いた状態で
圧力検出器の零点調整を行うのである。
【0034】従って、減衰振動を開始させるに際して
は、予め振動の中心をバックラッシの中央に合わせてお
く方が、より効果的である。固化した樹脂により移動を
制限されるスクリュー軸等のように、何らかの理由で可
動部材の移動、つまり、振動の範囲自体が制限される場
合があるからである。
【0035】これを実現するため、前記可動部材を駆動
する駆動源の出力を低出力の状態にして、前記可動部材
の現在位置を基準に前記可動部材を所定量移動させる指
令を駆動源に出力した後、前記可動部材の停止位置を検
出して第1停止位置として記憶し、更に、前記可動部材
の現在位置を基準に前記可動部材を前記所定量だけ逆方
向に移動させる指令を前記駆動源に出力した後、前記可
動部材の停止位置を検出して第2停止位置として記憶
し、前記第1停止位置と第2停止位置との中間部の1点
を振動の中心として前記減衰振動を行わせるようにし
た。
【0036】また、可動部材の移動自体が完全に固定さ
れてしまうような状況下においては、可動部材自体を振
動させようとすることには意味がないので、前記第1停
止位置と第2停止位置との間の距離の1/2以下で、か
つ、前記可動部材と駆動源との間に生じるバックラッシ
の量の1/2以上の値を振幅の初期値として減衰振動を
行わせるようにする。
【0037】一方、溶融した樹脂がシリンダ内に残留し
たままでスクリュー軸の圧力検出器の零点補正を行うよ
うな場合やガイドロッド等に対して粘着的な摺動抵抗を
有する可動部材に対して設けられた圧力検出器の零点補
正を行うような場合においては、可動部材と動力伝達経
路との接続部に加え、樹脂の圧力や粘性等が可動部材に
作用して圧力検出器に影響を与える場合があるので、前
記第1停止位置と第2停止位置との間の距離の1/2に
所定値を加算した値、もしくは、前記第1停止位置と第
2停止位置との間の1/2の距離に1よりも大きな数を
乗じた値を振幅の初期値として前記減衰振動を行わせる
ことにより、減衰振動の初期段階で積極的に可動部材を
振動させて樹脂や摺動部の油等を馴染ませ、樹脂の圧力
や粘性および摺動部の油の粘性等による外力を作動部材
から取り除くようにする。
【0038】可動部材と駆動源との間に正逆両方向のバ
ックラッシを生じさせ、可動部材を動力伝達経路から実
質的に切り離すことにより、可動部材に作用する外的な
負荷を取り除く構成であるから、最終的に、駆動源の振
幅が可動部材と駆動源との間に生じる総合的なバックラ
ッシの量の1/2よりも小さくなるまで、つまり、可動
部材と動力伝達経路との接続が切れるまで、前記の減衰
振動を行わせることが望ましい。
【0039】可動部材を駆動する駆動源は、出力制限手
段を有するサーボモータにより構成することができる。
【0040】スクリュー軸に作用する圧力を検出する圧
力検出器の場合においては、パージングの自動運転と共
に前記圧力検出器の零点補正を自動的に行わせることに
より、成形材料の入れ替え等の適当な時間間隔で、忘れ
ずに圧力検出器の零点補正を行うことができる。
【0041】また、圧力検出器の出力の補正量の絶対値
が所定量を越えると異常検出信号を出力することによ
り、零点補正のみでは対処し得ないような圧力検出器の
重大な異常を発見することができる。
【0042】更に、調整の日付と補正量を含む零点調整
の履歴を射出成形機の制御装置に記憶し、記憶した履歴
を表示させることにより、圧力検出器の性能の劣化や重
大な異常の発見を一層容易に行うことができる。
【0043】次に、スクリューに作用する圧力を検出す
る圧力検出器を例にとって全体的な作用について述べ
る。
【0044】まず、最初に、スクリュー現在位置を基準
としてスクリュー7を所定量移動させる指令を駆動源に
出力し、スクリュー7を僅かな力(低出力)で前後退さ
せて移動可能な限界位置にまで移動させる。
【0045】この際、射出シリンダ6内の樹脂が少しで
も溶融していて正逆に圧縮可能な状態にあれば、駆動源
は少なくともバックラッシ量を越えて作動し、スクリュ
ー7は前記所定量の範囲内で、ある程度前後退すること
ができる。
【0046】より厳密にいえば、射出シリンダ6内の樹
脂が相当に粘性の低い状態にまで溶融している状態で
は、スクリュー7は最初のスクリュー現在位置を基準に
前記所定量の分だけ前進し、かつ、後退することがで
き、また、樹脂の溶融が不十分でその粘性が相当に高け
れば、駆動源は前記僅かな力でスクリュー7を前記所定
量の分だけ移動させることは不可能で、スクリュー7は
最初のスクリュー現在位置を基準に前記所定量未満の量
で前進し、かつ、後退することになる。
【0047】樹脂の粘性が低い場合、つまり、スクリュ
ー7が前記所定量の分だけ移動できる場合には、樹脂反
力が外乱要素として大きな問題となることはない。樹脂
反力が外乱要素として問題となるのは、樹脂の粘性が高
く、最初のスクリュー現在位置においてスクリュー7が
停止している状態でスクリュー7と樹脂との間にスクリ
ュー7を後退させようとする樹脂反力(B2)が働いて
いる場合、例えば、スクリュー7を前進させる行為を中
断することにより樹脂に正の圧縮力を残したままの状態
で最初のスクリュー現在位置にスクリュー7を停止させ
たような場合と、最初のスクリュー現在位置においてス
クリュー7が停止している状態でスクリュー7と樹脂と
の間にスクリュー7を前進させようとする樹脂反力(B
1)が働いている場合、例えば、スクリュー7を後退さ
せる行為を中断することにより樹脂に負の圧縮力を残し
たままの状態で最初のスクリュー現在位置にスクリュー
7を停止させたような場合等である。
【0048】一例として、最初のスクリュー現在位置に
おいてスクリュー7が停止している状態でスクリュー7
と樹脂との間にスクリュー7を後退させようとする樹脂
反力(B2)が働いている場合について考えてみる。
【0049】前述したように、最初のスクリュー現在位
置を基準としてスクリュー7を僅かな力で前進させれ
ば、スクリュー7の前進による樹脂の体積圧縮に比例し
て増大するスクリュー7を後退させようとする樹脂反力
(B2)と、スクリュー7を前進させようとする駆動源
の前記僅かな力とが釣り合った状態でスクリュー7の前
進が停止し、この位置が第1停止位置として記憶され
る。
【0050】また、最初のスクリュー現在位置を基準と
してスクリュー7を僅かな力で後退させれば、スクリュ
ー7の後退による樹脂の体積膨脹に比例して増大するス
クリュー7を前進させようとする樹脂反力(B2)と、
スクリュー7を後退させようとする駆動源の前記僅かな
力とが釣り合った状態でスクリュー7の後退が停止し、
この位置が第2停止位置として記憶される。
【0051】スクリュー7に作用する樹脂反力(B2)
が実質的に零となるときのスクリュー7の位置は、スク
リュー7を所定の力で前進させた時にスクリュー7が進
む限界位置と、これとは逆に、スクリュー7をこれと同
じ所定の力で引いた時にスクリュー7が後退する限界位
置との中点、つまり、前記した第1停止位置と第2停止
位置との中間位置である。従って、まず最初にこの中間
位置を求め、この位置にスクリュー7を移動させてスク
リュー7に対する樹脂反力の影響を取り除く。
【0052】結果的に、最初のスクリュー現在位置にお
いてスクリュー7が停止している状態でスクリュー7と
樹脂との間にスクリュー7を後退させようとする樹脂反
力(B2)が働いていた場合では、前記中間位置が最初
のスクリュー現在位置よりも後方よりに移動し、また、
最初のスクリュー現在位置においてスクリュー7が停止
している状態でスクリュー7と樹脂との間にスクリュー
7を前進させようとする樹脂反力(B1)が働いていた
場合では、前記中間位置が最初のスクリュー現在位置よ
りも前方よりに移動することになる。
【0053】一方、樹脂の粘性が低い場合、つまり、ス
クリュー7が前記所定量の分だけ自由に移動できる場合
には、スクリュー7の前進限界位置は最初のスクリュー
現在位置から前記所定量の分だけ前方よりの位置とな
り、また、スクリュー7の後退限界位置は最初のスクリ
ュー現在位置から前記所定量の分だけ後方よりの位置と
なるので、結果的に、前記中間位置の演算結果は最初の
スクリュー現在位置と一致することになる。既に述べた
通り、このような場合においては樹脂反力が外乱要素と
して大きな問題となることはない。
【0054】しかし、樹脂反力の影響をよりなくすため
に、具体的には後述するようにスクリューを前記中間部
の1点を振動中心として振動させることにより、前記中
間位置でスクリューに加わる樹脂からの力をなくすよう
にする。
【0055】そして、スクリューを駆動する駆動源の振
動のストロークがバックラッシより小さくなるまで減衰
させると、スクリューが移動しなくなり、駆動源のみが
振動することになり、この段階で振動を停止させると、
スクリューには樹脂からも駆動源からも力が加えられな
く、圧力検出器には何ら圧力が加えられないことにな
る。
【0056】一方、射出シリンダ6内の樹脂が全く溶融
していず、スクリュー7が射出シリンダ6に対して完全
に固定された状態にあれば、駆動源はバックラッシ量を
越えて作動することはできず、当然、スクリュー7は移
動しない。
【0057】従って、この場合の第1停止位置は、駆動
源がスクリュー7を前進させる方向に作動してスクリュ
ー7と駆動源との間のバックラッシがなくなり駆動源の
駆動力が直接スクリュー7に前進力として伝達されるよ
うになるときの駆動源の位置であり、また、第2停止位
置は、駆動源がスクリューを後退させる方向に作動して
スクリュー7と駆動源との間のバックラッシがなくなり
駆動源の駆動力が直接スクリュー7に後退力として伝達
されるようになるときの駆動源の位置である。
【0058】従って、射出シリンダ6内の樹脂が全く溶
融していず、スクリュー7が射出シリンダ6に対して完
全に固定された状態にある場合では、前記中間位置への
移動指令により、バックラッシの中間部位置、つまり、
駆動源の駆動力が直接スクリュー7に前進力として伝達
されることもなければ、また、駆動源の駆動力が直接ス
クリュー7に後退力として伝達されることもないような
位置へと駆動源が移動されることになる。一見すると、
この様な状況下ではスクリュー7と駆動源との間の接続
が切れており、圧力検出器10に作用する外力が完全に
取り除かれているようにも見える。
【0059】しかし、駆動源からスクリュー7に至る動
力伝達経路が複雑な場合においては動力伝達経路の構成
要素の各部でバックラッシが生じるのであって、スクリ
ュー7と駆動源との間の全体的なバックラッシの中間部
位置に駆動源を移動させたからといって、各構成要素毎
のバックラッシの全てが各々の中間部位置に移動すると
いうことにはならない。
【0060】つまり、樹脂がある程度溶融している状態
においてスクリュー7を後退限界位置である第2停止位
置から中間部位置にまで移動させたときの前記の状況と
同じように、スクリュープッシャープレート3とボール
ナット9との間の圧力検出器10には、ある程度の外力
が作用している可能性があるということである。
【0061】例えば、図1の例において、ボールナット
9とボールネジ8との間のバックラッシの大きさと、ボ
ールネジ8とこれを駆動するタイミングベルトとの間の
バックラッシの大きさ、および、該タイミングベルトと
これを駆動する射出用モータとの間のバックラッシの大
きさを共にCとするなら、駆動源から圧力検出器10に
至る動力伝達経路全体のバックラッシの量は3Cという
ことになる。
【0062】そこで、スクリュー7の前進方向に対する
バックラッシがなくなる位置、つまり、射出用モータの
駆動力が直接スクリュー7に前進力として伝達されるよ
うになる位置を第1停止位置とし、また、スクリュー7
の後退方向に対するバックラッシがなくなる位置、つま
り、射出用モータの駆動力が直接スクリュー7に後退力
として伝達されるようになる位置を第2停止位置とし
て、第1停止位置から第2停止位置への移動を行った
後、この第2停止位置から射出用モータを(3/2)・
Cだけ回転させ、第1停止位置と第2停止位置との間の
中点、つまり、全体的なバックラッシの中間位置にまで
射出用モータを移動させた場合について考えてみる。
【0063】つまり、スクリュー7の後退方向に対する
バックラッシが全くなく、スクリュー7の前進方向に対
するバックラッシが最大となっている第2停止位置から
中間位置への移動動作である。
【0064】当然、この時に射出用モータの回転によっ
てスクリュー7の前進方向に対するバックラッシが解消
されてゆく順序は、各部の構成要素の組を単位として見
ると、最初に、ボールネジ8を駆動するタイミングベル
トと射出用モータとの間のバックラッシ、次に、ボール
ネジ8とタイミングベルトとの間のバックラッシ、そし
て最後に、ボールナット9とボールネジ8との間のバッ
クラッシの順である。
【0065】この際、射出用モータの移動量(3/2)
・Cは、ボールネジ8を駆動するタイミングベルトと射
出用モータとの間のバックラッシCよりは大きいから、
タイミングベルトと射出用モータとの間にあるスクリュ
ー7の前進方向に対するバックラッシは射出用モータが
Cだけ移動した時点で完全に解消される。そして、この
結果、タイミングベルトは〔(3/2)・C−C=(1
/2)・C〕の分だけスクリュー7の前進方向に移動さ
れ、これと同時に、射出用モータは指令された(3/
2)・Cの移動を終了して停止することになる。
【0066】しかし、タイミングベルトの回転量(1/
2)・Cは、ボールネジ8とタイミングベルトとの間の
バックラッシ量Cに満たないので、ボールネジ8とタイ
ミングベルトとの間にあるスクリュー7の前進方向に対
するバックラッシは完全には解消されず、ボールネジ8
自体は全く回転しない。
【0067】従って、ボールナット9とボールネジ8と
の相互関係は、第1停止位置から第2停止位置に向けて
射出用モータを回転させたときと同じ状態、つまり、ス
クリュー7の後退方向に対するバックラッシを完全にな
くしてボールネジ8でボールナット9を引張したときの
ままの状態に保持されることになり、圧力検出器10に
作用するテンションを取り除くことはできない。
【0068】つまり、射出用モータを第1停止位置から
第2停止位置に向けて逆転させてから、総合的なバック
ラッシ量の1/2だけ正転させて第1停止位置と第2停
止位置との中間点まで移動させたとしても、それだけで
はボールネジ8とボールナット9との間のテンションは
取り除けない場合があるということである。
【0069】ボールナット9とボールネジ8との間のバ
ックラッシの大きさと、ボールネジ8とタイミングベル
トとの間のバックラッシの大きさ、および、タイミング
ベルトと射出用モータとの間のバックラッシの大きさを
共にCとした前述の例に関してのみいうなら、タイミン
グベルトと射出用モータとの間のバックラッシの大きさ
Cにボールネジ8とタイミングベルトとの間のバックラ
ッシの大きさCを加え、更に、これにボールナット9と
ボールネジ8との間のバックラッシの大きさの半量(1
/2)・Cを加えた値(5/2)・Cだけ射出用モータ
を正転させて第2停止位置から第1停止位置に向けて移
動させることにより、圧力検出器10に直接影響するス
トレスなりテンションなりを取り除くことは可能であ
る。
【0070】しかし、実際には、動力伝達経路の各部の
バックラッシ量は機械の磨耗程度等によっても様々に変
化するので、ボールナット9とボールネジ8との間のバ
ックラッシを中立位置に移動させるための駆動源の移動
量を設定値等により一義的に決めることはできず、ボー
ルナット9とボールネジ8との間のバックラッシを中立
位置に移動させるための一定のアルゴリズムに基づく処
理操作が必要となる。
【0071】なお、スクリュー7の前進および後退のい
ずれの動作を先に行うかは任意であり、前記とは逆に、
スクリュー7の後退動作を先に行った場合では、後退停
止位置が第1停止位置として、また、前進停止位置が第
2停止位置として記憶されることになるが、中間位置に
関する演算結果は同一である。
【0072】そこで、本発明においては、このような要
請に対し、前記中間部の1点を振動中心とし、第1停止
位置と第2停止位置との間の距離の1/2以下で、か
つ、スクリューと駆動源との間に生じるバックラッシの
総量の1/2以上の値を振幅の初期値として、少なくと
も振幅が前記バックラッシの量の1/2よりも小さくな
るまでの間、前記駆動源に減衰振動を行わせることによ
り対処する。このアルゴリズムによって生じる現象を図
1の構成例に基いて説明すれば、以下に示す通りであ
る。
【0073】まず、減衰振動開始の初期段階における振
幅の大きさは、第1停止位置と第2停止位置との間の距
離の1/2、要するに、総合的なバックラッシの量の大
きさの1/2、例えば(3・C)/2と同値またはそれ
以上に大きな値である。この値は、ボールナット9とボ
ールネジ8との間のバックラッシの大きさと、ボールネ
ジ8とタイミングベルトとの間のバックラッシの大き
さ、および、タイミングベルトと射出用モータとの間の
バックラッシの大きさとを合算した大きさに相当する量
よりも大きいから、ボールネジ8は、ボールナット9と
の間でスクリュー7の前進方向に対応するバックラッシ
がなくなりボールネジ8の正転がボールナット9に直接
スクリュー7の前進力として伝達されるようになるとき
の位置と、ボールナット9との間でスクリュー7の後退
方向に対応するバックラッシがなくなりボールネジ8の
逆転がボールナット9に直接スクリュー7の後退力とし
て伝達されるようになるときの位置との間を越え、繰り
返し正逆に回転することになる。
【0074】そして、振幅の大きさが徐々に減衰して、
総合的なバックラッシ量の1/2の大きさ、例えば、
(3・C)/2よりも小さくなると、ボールネジ8は、
ボールネジ8の正転がボールナット9に直接スクリュー
7の前進力として伝達されるようになるときの位置や、
ボールネジ8の逆転がボールナット9に直接スクリュー
7の後退力として伝達されるようになるときの位置まで
回転することができなくなり、ボールネジ8とボールナ
ット9との間の実質的な接触が断たれることになる。
【0075】この状態ではボールネジ8がボールナット
9から完全に切り離された状態、つまり、接触していな
い状態となっているので、ボールナット9が圧力検出器
10を押そうとする力も、また、ボールナット9が圧力
検出器10を引こうとする力も全く作用しない状態とな
り、実質的に圧力検出器10に作用する外乱は零とな
る。
【0076】無論、このような状態でも、スクリュー7
に樹脂圧力等が作用してスクリュープッシャープレート
3を押し引きする力が働き、スクリュープッシャープレ
ート3自体が移動する可能性があるならばこれを無視す
るわけにはいかないが、既に述べた通り、本発明におい
ては、前記第2停止位置から中間位置までの駆動源の移
動により、スクリュー7に作用する樹脂反力自体は予め
取り除かれているので、この点に関しては問題がない。
【0077】従って、図1の例に示すように、圧力検出
器10が動力伝達経路上の最終的な位置、例えば、ボー
ルナット9とスクリュープッシャープレート3との間に
配備されているのであれば、振幅の大きさが総合的なバ
ックラッシ量の1/2の大きさ(3・C)/2を下回っ
た段階で、直ちに減衰振動を止めて圧力検出器10の零
点補正を行うことができる。当然、この状態では圧力検
出器10に作用する外的な負荷は零である。
【0078】更に、振幅の大きさが総合的なバックラッ
シ量の1/2の大きさ(3・C)/2よりも小さくなっ
ても振動を停止させずにそのまま減衰振動を続けて行く
とするなら、前記の例においては、次いで、振幅がCま
で減衰した時点、つまり、ボールネジ8とタイミングベ
ルトとの間のバックラッシの大きさとタイミングベルト
と射出用モータとの間のバックラッシの大きさとの総和
を振幅が下回った時点で、ボールネジ8の正逆回転は完
全に停止する。ボールネジ8とタイミングベルトとの間
のバックラッシとタイミングベルトと射出用モータとの
間のバックラッシとにより駆動源の振動が完全に吸収さ
れ、駆動源の駆動力がボールネジ8にまで伝達されなく
なるからである。ボールネジ8の正逆回転が停止する位
置は当然ボールネジ8の振動の中心であり、ボールネジ
8の正転がボールナット9に直接スクリュー7の前進力
として伝達されるようになるときの位置とボールネジ8
の逆転がボールナット9に直接スクリュー7の後退力と
して伝達されるようになるときの中間位置にある。
【0079】そして、更に、そのまま減衰振動を続けて
行くとするなら、前記の例においては、次いで、振幅が
C/2まで減衰した時点、つまり、タイミングベルトと
射出用モータとの間のバックラッシの大きさを振幅が下
回った時点で、タイミングベルトの正逆回転は完全に停
止する。タイミングベルトと射出用モータとの間のバッ
クラッシにより駆動源の振動が完全に吸収され、駆動源
の駆動力がタイミングベルトにまで伝達されなくなるか
らである。タイミングベルトの正逆回転が停止する位置
は当然タイミングベルトの振動の中心であり、タイミン
グベルトの正転がボールナット8に直接ボールナット8
の正回転力として伝達されるようになるときの位置とタ
イミングベルトの逆転がボールナット8に直接ボールナ
ット8の逆転力として伝達されるようになるときの位置
との中間位置にある。
【0080】最終的に、射出用モータの振幅が零まで減
衰して射出用モータが停止したときの射出用モータの位
置は射出用モータ自体の振動の中心であり、射出用モー
タの正転がタイミングベルトに直接タイミングベルトの
正回転力として伝達されるようになるときのモータ位置
と射出用モータの逆転がタイミングベルトに直接タイミ
ングベルトの逆転力として伝達されるようになるときの
モータ位置との中間位置にある。
【0081】つまり、本発明によれば、振幅の大きさが
最終的に零もしくは零に近似する値に収束するまで減衰
振動を行わせることにより、各構成要素毎のバックラッ
シの全てを各々のバックラッシの中立位置に移動させる
ことができるのである。
【0082】前述した図1の例においてボールナット9
とスクリュープッシャープレート3との間以外の位置、
例えば、ボールネジ8とこれを駆動するタイミングベル
トとの間や、タイミングベルトとこれを駆動する射出用
モータとの間に圧力検出器10を取り付けることは全く
考えられないが、これとは異なる構成要素からなる動力
伝達経路により構成される射出機構においては、図1の
例におけるボールナット9とスクリュープッシャープレ
ート3との間とは異なる動力伝達経路上の位置に圧力検
出器10を介装することが可能な場合もある。
【0083】減衰振動を利用した本発明によれば、動力
伝達経路の構成によらず、最終的に、各構成要素毎のバ
ックラッシの全てを各々のバックラッシの中立部位置に
移動させることができるので、圧力検出器10がどのよ
うな位置に取り付けられているような場合であっても、
これに直接の負荷を与える構成要素と圧力検出器10と
の実質的な接続を断って、圧力検出器10の外乱を取り
除くことができる。
【0084】なお、射出シリンダ6内の樹脂が溶融して
いる場合では振幅の初期値が機械系のバックラッシ量の
1/2の総和よりも大きくなるが、その場合はスクリュ
ー7の移動自体も許容されるので問題はない。このよう
な場合においては、スクリュー7の移動自体を総合的な
バックラッシの一部として考えることも可能であり、ス
クリュー7自体も、前記した各構成要素と同様、振動の
中心、つまり前記の中間位置で停止することになる。
【0085】最終的な零点補正は、減衰振動終了後に圧
力検出器の現在値、つまり、無負荷状態における圧力検
出器の出力を読み、この現在値が零となるように圧力検
出器の出力を補正することにより行う。
【0086】また、スクリュー7を駆動する駆動源の出
力を低出力の状態にしてスクリュー7を移動させるため
の手段としては、出力制限手段を有するサーボモータを
利用することができる。
【0087】更に、振幅の初期値として、前記第1停止
位置と第2停止位置との間の距離の1/2に所定値を加
算した値、もしくは、前記第1停止位置と第2停止位置
との間の距離の1/2に1よりも大きな数を乗じた値を
用いることにより、機械の磨耗でバックラッシが増大し
たような場合であっても、これに適確に対処することが
できる。
【0088】エジェクタロッドや可動プラテンの圧力検
出器の場合も基本的に前記と同様である。
【0089】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。なお、射出成形機における射
出機構の構成に関しては何ら新しい構成要素は必要でな
く、図1に示した従来例と全く同様の構成を適用できる
ので、ここでは機械的な構成に関する説明は省略する。
【0090】図2は射出成形機の各部を駆動制御する制
御装置としての数値制御装置100の要部を示すブロッ
ク図である。
【0091】数値制御装置100は、数値制御用のマイ
クロプロセッサであるCNC用CPU115、プログラ
マブルマシンコントローラ用のマイクロプロセッサであ
るPMC用CPU108、サーボ制御用のマイクロプロ
セッサであるサーボCPU110、および、A/D変換
器106を介して射出成形機本体側のロードセル10か
ら射出保圧圧力や計量時の背圧を検出してサンプリング
処理を行うための圧力モニタ用CPU107を有し、バ
ス112を介して相互の入出力を選択することにより各
マイクロプロセッサ間での情報伝達が行えるようになっ
ている。
【0092】PMC用CPU108には射出成形機のシ
ーケンス動作を制御するシーケンスプログラム等を記憶
したROM103および演算データの一時記憶等に用い
られるRAM104が接続され、CNC用CPU115
には、射出成形機の各軸を駆動制御する制御プログラム
等を記憶したROM117および演算データの一時記憶
等に用いられるRAM118が接続されている。
【0093】また、サーボCPU110および圧力モニ
タ用CPU107の各々には、サーボ制御専用の制御プ
ログラムを格納したROM111やデータの一時記憶に
用いられるRAM109、および、射出保圧圧力や背圧
のサンプリング処理等に関する制御プログラムを格納し
たROM101やデータの一時記憶に用いられるRAM
102が接続されている。なお、RAM102は不揮発
性のメモリであり、ロードセル10の補正値を記憶する
ための記憶領域を有する。圧力モニタ用CPU107が
射出保圧圧力や背圧として検出するのは、A/D変換器
106の出力に補正値を加算した値である。但し、後述
する零点補正処理の実行時においては前述の加算処理は
キャンセルされ、A/D変換器106の出力がそのまま
検出圧力として読み込まれるようになっている。
【0094】更に、サーボCPU110には、該CPU
110からの指令に基いて型締め用,エジェクタ用,射
出用,スクリュー回転用等の各軸のサーボモータを駆動
するサーボアンプが接続され、各軸のサーボモータに取
付けられたパルスコーダからの出力がサーボCPU11
0に帰還されるようになっている。各軸の現在位置はパ
ルスコーダからのフィードバックパルスに基いてサーボ
CPU110により算出され、各軸の現在位置記憶レジ
スタに更新記憶される。
【0095】図2においては1軸分のサーボアンプ10
5と射出機構のボールネジ8を駆動する射出用サーボモ
ータM1およびこれに対応するパルスコーダP1につい
てのみ示しているが、型締用,エジェクタ用,スプルー
ブレイク用等の各軸の構成は皆これと同様である。但
し、スクリュー回転用のものに関しては現在位置を検出
する必要はなく、速度のみを検出すればよい。
【0096】インターフェイス113は射出成形機本体
の各部に配備したリミットスイッチや操作盤からの信号
を受信したり射出成形機の周辺機器等に各種の指令を伝
達したりするための入出力インターフェイスである。
【0097】ディスプレイ付手動データ入力装置119
はCRT表示回路116を介してバス112に接続さ
れ、グラフ表示画面や機能メニューの選択および各種デ
ータの入力操作等が行えるようになっており、数値デー
タ入力用のテンキーおよび各種のファンクションキー等
が設けられている。
【0098】不揮発性メモリ114は射出成形作業に関
する成形条件と各種設定値,パラメータ,マクロ変数等
を記憶する成形データ保存用のメモリである。
【0099】以上の構成により、PMC用CPU108
が射出成形機全体のシーケンス動作を制御し、CNC用
CPU115がROM117の各軸毎の運転プログラム
や不揮発性メモリ114の成形条件等に基いて各軸のサ
ーボモータに対してパルス分配を行い、サーボCPU1
10は各軸に対してパルス分配された移動指令とパルス
コーダ等の検出器で検出された位置および速度のフィー
ドバック信号に基いて、従来と同様に位置ループ制御,
速度ループ制御さらには電流ループ制御等のサーボ制御
を行い、いわゆるディジタルサーボ処理を実行して、射
出成形作業を行う。
【0100】図4〜図7はロードセル10の零点補正を
自動的に行うための零点補正処理の概略を示すフローチ
ャートである。この露点補正処理のプログラムは、機能
メニューから“ロードセルの零点補正”を選択すること
によりCNC用CPU115によって実行される。
【0101】零点補正処理を開始したCNC用CPU1
15は、まず、スプルーブレイク用モータの現在位置B
を読み(ステップS1)、射出ユニットがパージングの
設定後退位置にまで後退しているか否かを判別する(ス
テップS2)。そして、もし、射出ユニットが設定後退
位置にまで後退していなければ、スプルーブレイク用モ
ータに後退指令を出力し(ステップS3)、射出ユニッ
トをパージングの設定後退位置にまで後退させ(ステッ
プS4)、設定後退位置に停止させる(ステップS
5)。
【0102】この処理は、スクリュー7を前進させたと
きに溶融樹脂が排出されて金型やステーショナリープラ
テンに付着するのを防止するために行うものであるか
ら、自動パージを実行したときのように、射出ユニット
が既にパージングの設定後退位置にまで後退している場
合、つまり、ステップS2の判別結果が真となった場合
には、当然、非実行とされる。
【0103】次いで、CNC用CPU115は、樹脂の
固化状態を記憶するフラグFに溶融を示す値である零を
初期設定し(ステップS6)、射出用サーボモータM1
の現在位置Ps、要するに、スクリュー7の現在位置を
読み込んで記憶する(ステップS7)。この値Psが課
題を解決するための手段における作用説明で述べた最初
のスクリュー現在位置であるが、既に述べた通り、射出
用サーボモータM1とスクリュー7との間にはある程度
のバックラッシが介在するので、射出用サーボモータM
1の位置によって示されるスクリュー現在位置と実際の
スクリュー現在位置との間にはバックラッシ相当量の範
囲内で誤差を生じる場合がある。
【0104】例えば、スクリュー7を前進させる行為を
中断することにより樹脂に正の圧縮力を残したままの状
態で最初のスクリュー現在位置にスクリュー7を停止さ
せたような場合では射出用サーボモータM1の位置によ
って示されるスクリュー現在位置に比べて実際のスクリ
ュー現在位置が僅かに後退している場合があり、また、
スクリュー7を後退させる行為を中断することにより樹
脂に負の圧縮力を残したままの状態で最初のスクリュー
現在位置にスクリュー7を停止させたような場合では射
出用サーボモータM1の位置によって示されるスクリュ
ー現在位置に比べて実際のスクリュー現在位置が僅かに
前進している場合があるということである。
【0105】射出シリンダ6の先端を原点としてスクリ
ュー7の位置を示す図3の数直線上に最初のスクリュー
現在位置Psの一例を示す。
【0106】射出用サーボモータM1の最初の現在位置
Psを記憶したCNC用CPU115は、次いで、射出
用サーボモータM1の駆動力を低出力に制限するための
トルクリミットT1をサーボCPU110に設定し(ス
テップS8)、スクリュー7の往復動作回数を数えるカ
ウンタCに零を初期設定した後(ステップS9)、カウ
ンタCの値を1インクリメントして(ステップS1
0)、スクリュー7を最初のスクリュー現在位置Psか
ら射出シリンダ6の先端(以下、原点という)にまで移
動させるに必要とされる移動指令を射出用サーボモータ
M1に対して出力する(ステップS11、図3に示すa
1の移動)。
【0107】次いで、CNC用CPU115は、カウン
タCの値が1であるか否か、つまり、今回の原点移動指
令が最初の往復動作における原点移動指令であるか否か
を判別し(ステップS12)、最初の原点移動指令であ
れば、タイマTに所定の作動時間を設定して計時を開始
させる(ステップS13)。なお、この作動時間は、あ
る程度粘性の高い溶融樹脂が射出シリンダ6内に残留し
ていてもスクリュー7が原点にまで到達できる程度の時
間である。
【0108】以下、CNC用CPU115はステップS
14〜ステップS16の判別処理を繰り返し実行し、タ
イマTの作動時間が経過する前にスクリュー7が原点に
到達するか否か、要するに、射出シリンダ6内の樹脂が
溶融していてスクリュー7の移動が可能であるか(射出
シリンダ6内に樹脂がない場合を含む)、または、射出
シリンダ6内の樹脂が完全に固化していてスクリュー7
の移動が全く不能であるかを判別する(ステップS14
〜ステップS16)。
【0109】なお、ステップS14〜S16による樹脂
が溶融しているか否かの判断の代りに、射出シリンダ6
の温度を検出し、樹脂が溶融する温度か否かによって樹
脂が溶融しているか否かを判断してもよい。
【0110】まず、射出シリンダ6内の樹脂が溶融して
いてスクリュー7の移動が可能である場合(射出シリン
ダ6内に樹脂がない場合を含む)、つまり、タイマTの
作動時間が経過する前にスクリュー7が原点に到達して
ステップS15の判別結果が真となった場合は、CNC
用CPU115は、続けて、スクリュー7を原点から後
退限度(以下、後退限という)にまで移動させるに必要
とされる移動指令を出力し(ステップS17,図3に示
すa2の移動)、後退限への移動を確認した後(ステッ
プS18)、改めて、スクリュー7を後退限から最初の
スクリュー現在位置Psまで移動させる移動指令を出力
し(ステップS19,図3に示すa3の移動)、最初の
スクリュー現在位置Psへの移動を確認した後(ステッ
プS20)、スクリュー7の往復動作回数を数えるカウ
ンタCの値が設定往復回数Cxに達しているか否かを判
別する(ステップS21)。
【0111】設定往復回数Cxを2以上の値に設定すれ
ば、前述したステップS10〜ステップS21までの繰
り返し処理によりスクリュー7を射出シリンダ6内でフ
ルストロークで複数回往復動作させて射出シリンダ6内
の溶融樹脂のかなりの量を排出することができる(射出
シリンダ6内に樹脂がある場合)。但し、第2回目以降
の往復動作ではカウンタCの値が2以上となるので、ス
クリュー7の移動可否の判別に必要とされるステップS
13およびステップS14の処理は非実行とされる。最
初の原点移動が可能であれば樹脂が溶融していることは
明らかであるから(射出シリンダ6内に樹脂がない場合
を含む)、敢えてステップS13およびステップS14
の処理を繰り返す必要はない。
【0112】一方、最初の原点移動において樹脂の固化
(若しくは非常に粘性が高いこと)が確認された場合、
つまり、タイマTの作動時間が経過してもスクリュー7
が原点に到達せず、ステップS14の判別結果が真とな
った場合では、スクリュー7の移動自体が不能若しくは
わずかな移動しかできないから、スクリュー後退指令を
出力することには意味がない。従って、この場合、CN
C用CPU115は、実行中である原点へのスクリュー
移動と後退限へのスクリュー移動に関する処理を共に放
棄し、最初のスクリュー現在位置Psへの移動指令を出
力して最初のスクリュー現在位置Psへのスクリュー移
動を確認し(ステップS48,ステップS49)、樹脂
の固化状態を記憶するフラグFに1を設定して樹脂が完
全に固化していることを記憶する(ステップS50)。
【0113】樹脂の溶融状態に応じ、スクリュー7の前
後退動作と最初のスクリュー現在位置Psへの復帰動作
(樹脂が溶融しており結合子を通る経路の処理が行わ
れた場合)、もしくは、原点移動を放棄しての最初のス
クリュー現在位置Psへの復帰動作(樹脂が固化してお
り結合子を通る経路の処理が行われた場合)を行わせ
たCNC用CPU115は、次いで、射出用サーボモー
タM1の駆動力を低出力に制限するためのトルクリミッ
トT2をサーボCPU110に設定する(ステップS2
2)。
【0114】但し、前述のトルクリミットT1は樹脂が
固化していた場合に移動指令を出力してもスクリュー7
やその駆動系に損傷を生じさせず、かつ、射出シリンダ
6内に溶融樹脂が残留している場合であってもフルスト
ロークでスクリュー7を移動させることができる程度の
力であり、また、今回のトルクリミットT2は樹脂の粘
性抵抗等の反力を確かめるために必要とされる程度の力
であるから、T1>T2の関係となる。
【0115】トルクリミットT2を設定したCNC用C
PU115は、スクリュー7を最初のスクリュー現在位
置Psから所定量Sだけ前進させる移動指令を出力し
(ステップS23,図3に示すa4の移動)、タイマT
に所定の作動時間を設定して計時を開始させ(ステップ
S24)、タイマTの作動が完了するまで待機し(ステ
ップS25)、所定の作動時間経過後、スクリュー現在
位置Qfを読み込んで第1停止位置として記憶する(ス
テップS26)。
【0116】射出シリンダ6内の樹脂が相当に溶融して
いる場合または射出シリンダ6内に樹脂がない場合に
は、スクリュー7が樹脂の抵抗に打ち勝って移動指令の
量Sだけ前進することができるが(この場合の移動位置
を図3にPfで示す)、射出シリンダ6内の樹脂の溶融
が不十分で樹脂反力や粘性抵抗が大きい場合では、スク
リュー7が樹脂の抵抗に打ち勝って移動指令の量Sだけ
前進することはできず、スクリュー7の前進による樹脂
の体積圧縮に比例して増大するスクリュー7を後退させ
ようとする樹脂反力や粘性抵抗等とスクリュー7を前進
させようとする駆動トルクとが釣り合う位置でスクリュ
ー7の前進が停止することになる(この場合の移動位置
の例を図3にQfで示す)。
【0117】また、射出シリンダ6内の樹脂が完全に固
化している場合ではスクリュー7自体は実質的に移動せ
ず、射出用サーボモータM1のみがバックラッシの許容
範囲内で回転することになる。
【0118】いずれの場合も、実際にQfとして検出さ
れるのはスクリュー7自体の位置ではなく射出用サーボ
モータM1の回転位置である。
【0119】このようにして第1停止位置を検出したC
NC用CPU115は、スクリュー7を最初のスクリュ
ー現在位置Psに一旦戻して移動指令出力時の条件を均
一化した後(ステップS27,ステップS28,図3に
示すa5の移動)、今度は、スクリュー7を最初のスク
リュー現在位置Psから所定量Sだけ後退させる移動指
令を出力し(ステップS29,図3に示すa6の移
動)、タイマTに所定の作動時間を設定して計時を開始
させ(ステップS30)、タイマTの作動が完了するま
で待機し(ステップS31)、所定の作動時間経過後、
スクリュー現在位置Qbを読み込んで第2停止位置とし
て記憶する(ステップS32)。
【0120】前記と同様、射出シリンダ6内の樹脂が相
当に溶融している場合または射出シリンダ6内に樹脂が
ない場合には、スクリュー7はスクリュー7の前進方向
に作用する樹脂の負の抵抗に打ち勝って移動指令の量S
だけ後退することができるが(この場合の移動位置を図
3にPbで示す)、射出シリンダ6内の樹脂の溶融が不
十分な場合では、スクリュー7が樹脂の負の抵抗に打ち
勝って移動指令の量Sだけ後退することはできず、スク
リュー7の後退による樹脂の体積膨脹に比例して増大す
るスクリュー7を前進させようとする負の樹脂反力や粘
性抵抗等とスクリュー7を後退させようとする駆動トル
クとが釣り合う位置でスクリュー7の後退が停止するこ
とになる(この場合の移動位置の例を図3にQbで示
す)。
【0121】また、射出シリンダ6内の樹脂が完全に固
化している場合ではスクリュー7自体は実質的に移動せ
ず、射出用サーボモータM1のみがバックラッシの許容
範囲内で回転することになる。
【0122】いずれの場合も、実際にQbとして検出さ
れるのはスクリュー7自体の位置ではなく射出用サーボ
モータM1の回転位置である。
【0123】以上のようにして第1停止位置Qfと第2
停止位置Qbを検出したCNC用CPU115は、スク
リュー7の実位置を樹脂反力が均衡する位置に移動させ
るための処理、もしくは、射出用サーボモータM1の回
転位置をバックラッシの中間位置に移動させるための処
理を行う。
【0124】CNC用CPU115は、まず、QfとQ
bの和を2で除し、樹脂反力が均衡するスクリュー7の
実位置に対応する射出用サーボモータM1の回転位置P
mを求める(ステップS33)。
【0125】つまり、スクリュー7と射出用サーボモー
タM1との間にDaのバックラッシが存在するとするな
ら、数直線上におけるスクリュー7の第1停止位置Qf
の値は実際にはQfではなくQf+Daであり(Psか
らQfへ向かう移動は負の方向への移動であるため数直
線上でのバックラッシ量Daは正方向に作用する)、ま
た、数直線上におけるスクリュー7の第2停止位置Qb
の値は実際にはQbではなくQb−Daであって(Ps
からQbへ向かう移動は正方向への移動であるため数直
線上におけるバックラッシ量Daは負の方向に作用す
る)、スクリュー7に作用する樹脂反力が均衡するスク
リュー7の実位置を求めるためにはQfとQbの真の位
置の平均をとる必要があるが、既に述べた通り、バック
ラッシDaは正逆双方向に打ち消しあう方向に作用する
ので、実際の計算上においては、バックラッシ量Daを
考慮する必要はない。
【0126】要するに、〔(Qf+Da)+(Qb−D
a)〕/2も、(Qf+Qb)/2も結果的に同一であ
り、樹脂反力が均衡するスクリュー7の真の位置は射出
用サーボモータM1の回転位置を基準とした読みから
(Qf+Qb)/2で求めることができる。
【0127】次いで、CNC用CPU115は求めた回
転位置Pmを移動指令として出力して射出用サーボモー
タM1を回転させスクリュー7を中間位置Pmに移動さ
せる(ステップS34,S35)。
【0128】以上の処理によれば、樹脂が溶融していて
何らかの樹脂反力が作用していた場合であっても、スク
リュー7を樹脂反力の均衡位置に移動させてこの樹脂反
力を取り除き、スクリュー7と射出用サーボモータM1
との間の動力伝達系における総合的なバックラッシの中
間位置に射出用サーボモータM1を移動させることがで
きる。また、樹脂が完全に固化してスクリュー7が固定
されていた場合においては、スクリュー7には樹脂反力
が作用していず、これを無視して、単に、射出用サーボ
モータM1をスクリュー7と射出用サーボモータM1と
の間の動力伝達系における総合的なバックラッシの中間
位置に移動させることができる。
【0129】そして、この2つの状況は、射出用サーボ
モータM1がスクリュー7の動作に影響を与えることな
くバックラッシの範囲内で自由に回転できる点において
は同じであり、いずれの場合においても、射出用サーボ
モータM1はスクリュー7と射出用サーボモータM1と
の間の動力伝達系における総合的なバックラッシの中間
位置に位置決めされることになる。つまり、射出用サー
ボモータM1は、スクリュー7の位置に対して全く影響
を与えることなく、言い換えれば、スクリュー7に新た
な樹脂反力を生じさせることなく、総合的なバックラッ
シ量の半量、例えば、Da/2だけ正逆に回転できるこ
とになる。
【0130】しかし、課題を解決するための手段におけ
る作用説明でも既に述べた通り、スクリュー7への樹脂
反力の影響をより確実にするため、さらに、実際には、
射出用サーボモータM1とスクリュー7とが直に接続さ
れているわけではなく、両者間の動力伝達経路上にはボ
ールネジ8を駆動するタイミングベルトやボールネジ8
およびボールナット9等の様々な構成要素があり、各構
成要素間で発生するバックラッシの累積値が総合的なバ
ックラッシ量として作用するのであるから、例えば、ス
クリュー7を第2停止位置から中間位置Pmにまで移動
させてから射出用サーボモータM1を総合的なバックラ
ッシ量の半量分だけ逆転させたとしても、ボールネジ8
とボールナット9との間の軸方向の接触状態が解除され
るとは限らず、ボールネジ8とボールナット9との間の
接触がそのまま維持される場合もある。
【0131】射出用サーボモータM1を逆転させた場合
には、ボールネジ8を駆動するタイミングベルトと射出
用サーボモータM1との間のバックラッシ、タイミング
ベルトとボールネジ8との間のバックラッシ、ボールネ
ジ8とボールナット9との間のバックラッシの順でバッ
クラッシが解消され、ボールネジ8とボールナット9と
の間のバックラッシの解消が最後になるため、ボールネ
ジ8が十分に逆転しない場合があるからである。
【0132】特に、この実施形態においては中間位置P
mへの位置決めの最終動作が負の方向へのスクリュー移
動によって行われているので、バックラッシ量の半量分
だけ射出用サーボモータM1を逆転させた状態でボール
ネジ8とボールナット9との間の軸方向の接触状態が保
持されていれば、ロードセル10にストレスが作用して
いる可能性がある。当然、ロードセル10から全ての外
力を除去するためには、ボールネジ8とボールナット9
との間の軸方向の接触状態を断ち切る必要がある。
【0133】そこで、樹脂圧力の作用しない中間位置P
mへのスクリュー移動を完了させたCNC用CPU11
5は、フラグFが「0」で樹脂が溶融状態にある場合に
は(ステップS36)、射出用サーボモータM1のトル
クリミットを解除し(ステップS37)、総合的なバッ
クラッシ量の中間位置に対応する射出用サーボモータM
1の位置を基準として該モータM1が正逆に回転するこ
とのできる移動量の大きさ(Qb−Pm)値に所定値α
を加算して、減衰振動における振幅の初期値Aを求める
(ステップS38)。
【0134】なお、(Qb−Pm)=(Pm−Qf)で
あるから、A=Qb−Pm+α=Pm−Qf+αであ
る。
【0135】樹脂が溶融していてスクリュー7の移動が
可能であった場合には(Qb−Qf)の値が総合的なバ
ックラッシ量Daよりも大きくなるので、その場合は、
実際にスクリュー7自体が振動することになる。スクリ
ュー7自体を振動させるこの動作は、スクリュー7を樹
脂反力の均衡する位置Pmに位置決めすることによりス
クリュー7からスクリュープッシャープレート3に作用
する外力を取り除いてスクリュープッシャープレート3
を安定的に停止させ、射出用サーボモータM1とボール
ナット9との間の総合的なバックラッシを利用してボー
ルネジ8とボールナット9との間の軸方向の接触状態を
断ち切ることによりロードセル10に作用する一切の外
力を取り除くといった技術思想と一見して背反するよう
に見えるが、実際には、この動作にはスクリュー7に作
用する樹脂反力をより確実に取り除くことができるとい
った効果がある(なお、既に述べた通り、この段階では
射出用サーボモータM1のトルクリミットは解除されて
いるので、スクリュー7はトルクリミットT2時におけ
る前進限度Qfや後退限度Qbを越えて移動することが
可能である)。
【0136】つまり、理論上は、第1停止位置Qfと第
2停止位置Qbとの中間位置Pmにスクリュー7を移動
させることにより該スクリュー7に作用する樹脂反力を
完全に取り除くことができるわけであるが、最初のスク
リュー現在位置Psから第1停止位置Qfへのスクリュ
ー移動(図3に示すa4の移動)、第1停止位置Qfか
ら最初のスクリュー現在位置Psへのスクリュー移動
(図3に示すa5の移動)、最初のスクリュー現在位置
Psから第2停止位置Qbへのスクリュー移動(図3に
示すa6の移動)、更には、第2停止位置Qbから中間
位置Pmへのスクリュー移動(図3に示すa7の移動)
の各工程において、特に、樹脂が完全に固化していない
状態においては、スクリュー7の移動自体が、射出シリ
ンダ6およびスクリュー7と樹脂との関係に変動をもた
らすので、最終的に、樹脂圧力が均衡を保つはずの中間
位置Pmにスクリュー7を移動させた場合でも、実際に
は、スクリュー7に樹脂反力が作用するのを完全に防止
することができないといった場合があるのである。
【0137】要するに、樹脂圧力が均衡するスクリュー
位置を求めるためにはスクリュー7を移動させて前進可
能な限界位置Qfや後退可能な限界位置Qbを検出する
必要があるのだが、これに必要とされるスクリュー7の
移動操作それ自体によって樹脂の環境が変化してしまう
といった問題があるということである。
【0138】そこで、中間位置Pmを中心として微小な
振幅でスクリュー7を積極的に振動させ、溶融樹脂を射
出シリンダ6やスクリュー7に馴染ませることにより、
スクリュー7に作用している残留樹脂反力をより確実に
取り除くのである。振動の中心は飽くまで中間位置Pm
であるから、スクリュー7がPmに位置する状態で該ス
クリュー7に作用する樹脂圧力が零となる方向で、溶融
樹脂の態様が変化させられることになる。なお、第1停
止位置と第2停止位置との間の距離の1/2の(Qb−
Qf)よりも僅かに大きな値を振幅の初期値として設定
するための値Aを求めるための手段としては、(Qb−
Pm)+αの演算処理を行う他、(Qb−Pm)・βの
演算処理を行う方法もある(但し、βは1よりも僅かに
大きな値)。
【0139】またステップS36でフラグFが「1」と
判断され樹脂が固化若しくは粘性が高いと判断されたと
きにはトルクリミット値をT3として射出用サーボモー
タM1の出力を低出力に制限し、振巾Aを(Qb−P
m)とする(ステップS39,S40)。なおトルクリ
ミット値T3はT3>T2とする。
【0140】減衰振動の振幅Aの初期値を求めたCNC
用CPU115は、次いで、中間位置Pmから振幅Aだ
けスクリュー7を前進させる移動指令を出力して指令位
置へのスクリュー7の移動を確認した後(ステップS4
1,ステップS42,図3に示すa8の移動)、中間位
置Pmから振幅Aだけスクリュー7を後退させる移動指
令を出力して指令位置へのスクリュー7の移動を確認す
る(ステップS43,ステップS44,図3に示すa9
の移動)。
【0141】これら、ステップS41〜ステップS44
の処理によって中間位置Pmを振動の中心とする1回の
振動動作が行われるのであって、その振幅の大きさは
A、つまり、初期値(Qb−Pm)+αである。
【0142】次いで、CNC用CPU115は、振幅A
の現在値が設定値δよりも小さくなっているか否かを判
別するが(ステップS45)、小さくなっていなけれ
ば、この振幅Aに設定値Bを乗じて減衰振動の新たな振
幅Aを算出し(ステップS46)、再び、この振幅Aに
基いてステップS41以降の処理を前記と同様に繰り返
し実行し、中間位置Pmを振動の中心とするスクリュー
7の1回の振動動作を行わせる(図3に示すa10およ
びa11の移動)。
【0143】設定値Bはスクリュー7の振動を徐々に減
衰させていくための設定値であるから、当然、その許容
設定範囲は0<B<1であり、この実施形態においては
0.9を採用している。また、この減衰振動は、その振
幅がバックラッシ量Daの1/2よりも小さくなるまで
は継続して行う必要があるので、設定値δはDa/2以
下の値でなければならない。
【0144】ステップS41〜ステップS46の処理を
繰り返し実行する間に、振幅Aの値は徐々に減少してゆ
き、この値がバックラッシ量Daの1/2を下回ると、
スクリュー7自体の振動は振動の中心である中間位置P
mで停止し、溶融樹脂が射出シリンダ6やスクリュー7
に馴染んでスクリュー7には樹脂反力が全く作用しない
状態となり、スクリュープッシャープレート3がこの位
置に完全に安定して停止する。
【0145】また、振幅Aの値がバックラッシ量の半分
Da/2を下回れば、ボールネジ8の正転がボールナッ
ト9に直接スクリュー7の前進力として伝達されるよう
になるバックラッシ解消位置や、ボールネジ8の逆転が
ボールナット9に直接スクリュー7の後退力として伝達
されるようになるバックラッシ解消位置までボールネジ
8が回転することができなくなるので、ボールネジ8と
ボールナット9との間の軸方向の実質的な接触は断たれ
る。
【0146】この状態ではボールネジ8がボールナット
9から完全に軸方向に切り離された状態、つまり、接触
していない状態となっているので、ボールナット9がロ
ードセル10を押そうとする力も、また、ボールナット
9がロードセル10を引こうとする力も全く作用しない
状態となり、更に、スクリュー7自体にも樹脂反力は全
く作用していずロードセル10を固定したスクリュープ
ッシャープレート3が完全に安定的に静止しているの
で、実質的にロードセル10に作用する外乱は零とな
る。
【0147】従って、ロードセル10が動力伝達経路上
の最終的な位置であるボールナット9とスクリュープッ
シャープレート3との間に配備されているこの実施形態
においては、振幅の大きさが総合的なバックラッシの量
の大きさDaを下回った段階で、直ちに減衰振動を止め
てロードセル10の零点補正を行うことができるが、実
際には、ある程度の安全を見込んで、設定値δの値はD
a/2よりも小さな値で設定するようにしている。
【0148】振幅Aの現在値が設定値δを下回って減衰
振動が終了したことをステップS45の判別処理で検出
したCNC用CPU115は、圧力モニタ用CPU10
7を介してロードセル10の検出圧力の現在値を読み込
み、その値を符号を反転してRAM100の補正値記憶
領域に記憶して(ステップS47)、零点補正処理を終
了する。
【0149】例えば、振幅Aの現在値が設定値δを下回
り、ロードセル10に作用する外乱が零となっているに
も関わらずロードセル10の検出圧力の値が10Kg/cm
2 となっているとするなら、コーティング材の塑性変形
や気泡の態様変化等を始めとするロードセル10自体の
誤差原因によりロードセル10に10Kg/cm 2 分のスト
レスが作用していることを意味するので、RAM100
の補正値記憶領域には−10Kg/cm 2 を記憶し、ロード
セル10に作用する外乱が零のとき、つまり、ロードセ
ル10から10Kg/cm 2 の値が出力されているときに、
圧力モニタ用CPU107によって検出される圧力が零
となるような補正を行うのである。既に述べた通り、射
出保圧圧力や背圧のサンプリング処理において圧力モニ
タ用CPU107によって樹脂反力として検出される値
は、A/D変換器106の出力に補正値を加算した値で
あるから、コーティング材の塑性変形や気泡の態様変化
等を始めとするロードセル10自体の誤差原因には関わ
りなく、正確に樹脂反力を検出することができる。
【0150】但し、ここでいう樹脂反力とはロードセル
10自体に作用する外乱のことであって、スクリュー7
に作用する樹脂反力そのものではない。スクリュー7に
作用する樹脂反力そのものを精密に検出しようとする場
合には、タイロッド2とスクリュープッシャープレート
3との間に作用する摩擦抵抗A1,A2やスクリュー7
と射出シリンダ6との間の摩擦抵抗等が邪魔になるの
で、スクリュー7の前後退動作、つまり、ロードセル1
0に作用するストレスやテンションの方向性に応じ、こ
れらの摩擦抵抗等による誤差を解消する方向に補正値を
オフセットする必要がある。
【0151】なお、ステップS47の処理で検出された
ロードセル10の検出圧力が零を基準として極端にずれ
ているような場合では、ロードセル本体11自体に座屈
等の重大な異常が発生している場合があり、このような
状態で零点補正を行ってもロードセル10の所期の機能
を達成することはできないので、零点補正の変わりに異
常検出信号の出力処理等を行うべきである。
【0152】また、ステップS47の処理で読み込まれ
たロードセル10の検出圧力の絶対値が所定値以下であ
って零点のずれが無視できる程度であれば、補正値の更
新記憶、つまり、実質的な補正操作を行わないようにし
てもよい。
【0153】更に、この実施形態においては、不揮発正
メモリ114に補正の履歴を記憶するためのファイルを
設けており(図8参照)、補正量や補正日時およびこの
時のショット数や射出成形機の積算稼働時間等を、ステ
ップS47の処理が終了した時点でこのファイルに記憶
させるようにしている。ファイルの内容は機能メニュー
の選択操作によりディスプレイ付手動データ入力装置1
19の画面に表示できるので、適宜参照することができ
る。
【0154】以上、1つの実施形態として、ロードセル
10が動力伝達経路上の最終的な位置であるボールナッ
ト9とスクリュープッシャープレート3との間に配備さ
れている場合について述べたが、射出機構の構成如何に
よっては、動力伝達経路上において更に射出用サーボモ
ータM1寄りの位置にロードセル10を取り付けること
が可能な場合もある。
【0155】動力伝達経路上の最終的な位置にロードセ
ル10がある場合と射出用サーボモータM1寄りの位置
にロードセル10がある場合とでは、ロードセル10の
配備位置で分割される動力伝達経路の前後の区間で総合
的なバックラッシ量の振り分けの割合が大幅に相違し、
例えば、前述の例ではロードセル10の配備位置とスク
リュー7との間の区間に殆どバックラッシがないのに対
し、射出用サーボモータM1寄りの位置にロードセル1
0を取り付けた場合では、ロードセル10の配備位置と
スクリュー7との間の区間に大きなバックラッシ量が存
在するといった違いがある。
【0156】射出用サーボモータM1寄りの位置にロー
ドセル10がある場合では振幅Aの値が総合的なバック
ラッシ量Daの1/2を下回ったからといってロードセ
ル10に作用する外力が直ちに零になるとはいえない
が、既に、課題を解決するための手段における作用説明
でも述べた通り、振幅の大きさが総合的なバックラッシ
量の1/2の大きさよりも小さくなってからも減衰振動
を停止させず、更にそのまま減衰振動を続けて行くこと
により、動力伝達経路を構成する各構成要素毎のバック
ラッシの全てを各々のバックラッシの中立位置に移動さ
せて各構成要素間の力学的な接続を断ち切ることができ
るので、δさえ小さな値に設定すれば、ロードセル10
が動力伝達経路上のどのような位置に取り付けられてい
ようとも、このロードセル10に外部から作用する力を
取り除いて零点補正を行うことが可能である。無論、検
出精度上の点から見れば、動力伝達経路上でスクリュー
7に直近する位置にロードセル10を取り付けるに越し
たことはない。
【0157】また、ディスプレイ付手動データ入力装置
119の操作による機能メニューの選択で自動パージの
項目が選択された時点で前述の零点補正処理を実行させ
るようにすれば、成形材料の入れ替え等の適当な時間間
隔で、忘れずにロードセル10の零点補正を行うことが
できる。パージングの処理を行って射出シリンダ6内の
樹脂を完全に排出してから零点補正処理を行わせること
が望ましいが、射出成形機の全機能を停止させる非常停
止スイッチの操作によって自動パージを中途停止させる
ことができるような構成の場合では、オペレータの都合
によって自動パージを停止された場合に零点補正処理の
実行が不能となる場合があるので、自動パージの開始
前、または、必ず実行される1回目もしくは2回目等の
自動パージが終了した段階でパージ動作に割り込んで零
点補正処理を実行させるようなシーケンスを組むことが
望ましい。
【0158】その他、エジェクタロッドや可動プラテン
の圧力検出器に対しても同様の処理操作を適用すること
ができる。
【0159】
【発明の効果】本発明は、可動部材の駆動源を減衰振動
させることにより、可動部材に直接作用する外力を完全
に取り除き、更に、駆動源から可動部材に至る動力伝達
経路上において可動部材を直接駆動する動力伝達経路上
の構成要素と可動部材との間に、可動部材の各移動方向
の各々に対して等しい遊びを有するバックラッシを生じ
させ、これにより可動部材と前記構成要素との間の実質
的な力の伝達を断ち、圧力検出器に外部から作用する圧
力を完全に取り除いて外乱零の状態で圧力検出器の零点
補正を行うようにしたので、射出成形機の分解作業を行
って圧力検出器と他部材との係合を解除するといった面
倒な作業を行わなくても、圧力検出器の零点補正を簡単
かつ確実に実施することができる。
【0160】また、圧力検出器の補正に必要とされる処
理操作を射出成形機の制御装置に記憶させておき、パー
ジングの自動運転と共に圧力検出器の補正処理を実行さ
せるようにしたので、成形材料の入れ替え等の適当な時
間間隔で忘れずに圧力検出器の零点補正を行うことがで
き、常に、適確に校正された圧力検出器により射出保圧
圧力や計量時の背圧をサンプリングすることができる。
【0161】更に、圧力検出器の出力の補正量の絶対値
が所定量を越えると異常検出信号を出力するようにして
いるので、零点補正のみでは対処し得ないような圧力検
出器の重大な異常を発見することもできる。
【0162】また、調整の日付と補正量を含む零点調整
の履歴を射出成形機の制御装置に記憶させると共に、記
憶した履歴を表示できるようにしているので、圧力検出
器の性能の劣化や重大な異常の発見を一層容易に行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロードセルを利用した圧力検出器の一般的な構
造について示した要部断面図である。
【図2】射出成形機の各部を駆動制御する制御装置の要
部を示すブロック図である。
【図3】射出シリンダの先端を原点として、零点補正処
理の処理動作に対応してスクリュー位置を示す概念図で
ある。
【図4】零点補正を自動的に行うための零点補正処理を
示すフローチャートである。
【図5】零点補正処理を示すフローチャートの続きであ
る。
【図6】零点補正処理を示すフローチャートの続きであ
る。
【図7】零点補正処理を示すフローチャートの続きであ
る。
【図8】調整履歴を記憶するファイルを概念的に示した
図である。
【符号の説明】
1 フロントプレート 2 タイロッド 3 スクリュープッシャープレート 4 スクリュースリーブ 5 歯付プーリ 6 射出シリンダ 7 スクリュー 8 ボールネジ 9 ボールナット 10 ロードセル 11 ロードセル本体 11a 肉薄部 12 ストレインゲージ 13 ボルト 14 ボルト 100 制御装置 102 RAM 105 サーボアンプ 106 A/D変換器 107 圧力モニタ用CPU 110 サーボCPU 115 CNC用CPU M1 射出用サーボモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根子 哲明 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内 (72)発明者 山中 克行 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内 (72)発明者 市原 稔章 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形機の可動部材に対応して設けら
    れ、該可動部材にかかる圧力を検出する圧力検出器の零
    点調整方法であって、前記可動部材を駆動し、任意の位
    置で減衰振動を開始させ、振動の振幅が所定値以下にな
    ったときに振動を停止し、圧力検出器の出力を読み、読
    んだ値を基に圧力検出器の出力を補正することを特徴と
    する射出成形機における圧力検出器の零点調整方法。
  2. 【請求項2】 前記可動部材を駆動する駆動源の出力を
    低出力の状態にして、前記可動部材の現在位置を基準に
    前記可動部材を所定量移動させる指令を駆動源に出力し
    た後、前記可動部材の停止位置を検出して第1停止位置
    として記憶し、 更に、前記可動部材の現在位置を基準に前記可動部材を
    前記所定量だけ逆方向に移動させる指令を前記駆動源に
    出力した後、前記可動部材の停止位置を検出して第2停
    止位置として記憶し、 前記第1停止位置と第2停止位置との中間部の1点を振
    動の中心として前記減衰振動を行わせるようにしたこと
    を特徴とする請求項1記載の射出成形機における圧力検
    出器の零点調整方法。
  3. 【請求項3】 前記第1停止位置と第2停止位置との間
    の距離の1/2以下で、かつ、前記可動部材と駆動源と
    の間に生じるバックラッシの量の1/2以上の値を振幅
    の初期値として、前記減衰振動を行わせるようにしたこ
    とを特徴とする請求項2記載の射出成形機における圧力
    検出器の零点調整方法。
  4. 【請求項4】 前記第1停止位置と第2停止位置との間
    の距離の1/2に所定値を加算した値、もしくは、前記
    第1停止位置と第2停止位置との間の1/2の距離に1
    よりも大きな数を乗じた値を振幅の初期値として、前記
    減衰振動を行わせるようにしたことを特徴とする請求項
    2記載の射出成形機における圧力検出器の零点調整方
    法。
  5. 【請求項5】 振幅が前記可動部材と駆動源との間に生
    じるバックラッシの量の1/2よりも小さくなった時点
    で振動を停止させるようにしたことを特徴とする請求項
    1ないし請求項4のいずれか1項に記載の射出成形機に
    おける圧力検出器の零点調整方法。
  6. 【請求項6】 前記可動部材を駆動する駆動源は、出力
    制限手段を有するサーボモータにより構成されている請
    求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の射出成形
    機における圧力検出器の零点調整方法。
  7. 【請求項7】 前記可動部材は射出スクリューである請
    求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の射出成形
    機における圧力検出器の零点調整方法。
  8. 【請求項8】 自動パージングを行うと共に自動的に請
    求項7記載の圧力検出器の零点調整方法を実行するよう
    にした圧力検出器の零点調整方法。
  9. 【請求項9】 前記可動部材はエジェクタロッドである
    請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の射出成
    形機における圧力検出器の零点調整方法。
  10. 【請求項10】 前記可動部材は型締機構の可動プラテ
    ンである請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載
    の射出成形機における圧力検出器の零点調整方法。
  11. 【請求項11】 圧力検出器の出力の補正量の絶対値が
    所定量を越えると異常検出信号を出力するようにした請
    求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の射出成
    形機における圧力検出器の零点調整方法。
  12. 【請求項12】 少なくとも、調整の日付と補正量を含
    む零点調整の履歴を射出成形機の制御装置に記憶し、記
    憶した履歴を表示できるようにした請求項1ないし請求
    項11のいずれか1項に記載の射出成形機における圧力
    検出器の零点調整方法。
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