JPH091207A - イヤリング性の優れた缶用鋼板の製造方法 - Google Patents

イヤリング性の優れた缶用鋼板の製造方法

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JPH091207A
JPH091207A JP15493695A JP15493695A JPH091207A JP H091207 A JPH091207 A JP H091207A JP 15493695 A JP15493695 A JP 15493695A JP 15493695 A JP15493695 A JP 15493695A JP H091207 A JPH091207 A JP H091207A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トータル冷延率の大きい領域でイヤリングの
小さい容器用鋼板を製造する。 【構成】 C≦0.150%、Mn≦0.60%、P≦
0.025%、S≦0.025%、Sol Al:0.012
〜0.120%、N≦0.010%、T.O≦0.007
0%残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼を連続鋳造
し、酸洗、1次冷延、再結晶焼鈍を行い、冷延トータル
圧延率が90〜95%となる様に2次冷延を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は双ロール法等で製造され
る薄鋳帯を出発素材とする普通鋼でイヤリング性の優れ
た鋼板を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2ピース缶の缶胴の加工法にはDRD法
およびDWI法などがあるが、いずれも絞りを含む加工
によって、円盤上のブランク板からカップ状の2ピース
缶胴(正確には胴と底が一体となった部品)を作ること
が特徴である。その際、加工性の異方性から、缶胴成形
後の胴の上端の高さが円周方向に沿って一定とならず、
加工後の胴の上端が波打つイヤリングと呼ばれる現象が
知られている。イヤリングの生じている胴の上端の凸部
を耳またはイヤと称し、一般にイヤリング率でイヤリン
グの程度を表す。イヤリング率とは、山の高さの平均と
谷の高さの平均の差を谷の高さの平均で割った値を百分
率で表したもので、その値が小さいほうがイヤリングは
小さい。
【0003】イヤリングが大きいと、DRD缶では、そ
の部分はトリムして缶の上端の高さを揃えるので、歩留
り落ちとなる。またDWI缶では、カップ成形後のDW
I加工時に耳と耳の間の谷部で材料が引張られて破断を
起こしたり、イヤ部がちぎれたりするトラブルが発生
し、ユーザーでの生産性に悪影響を生じる。そのため、
ユーザーではイヤリング率が1%以下の材料を強く希望
している。
【0004】さて、従来の2ピース缶においては、イヤ
リングを低減するためには、特公昭58−151426
号公報に見られるように、製鋼での成分調整に加え、冷
延率(1CR)、焼鈍後の圧下率(2CR)の最適化に
より、イヤリング率の小さい鋼を製造してきた。例えば
薄手の0.24mmの製品板で本発明の目標のイヤリング
率1%以下を確保するためには、熱延板の板厚は実際に
はトータルの冷延率{(熱延板板厚−製品板板厚)/熱
延板板厚}×100%}が88%となる1.6mm程度で
製造する必要があった。しかしながら、熱延での板厚が
1.6mmと薄くなると、熱延の仕上圧延中にエッジ部が
過冷されてα変態を起こすため、幅方向に材質のばらつ
きが生じるという問題があった。
【0005】そのため、現在では、熱延板の板厚は3.
0mmで実機製造しているが、イヤリングは3.0%と大
きく、需要家が望むイヤリング率1.0%以下を達成で
きないという問題があった。
【0006】一方、近年、鋼板の製造コストを低減する
ために、鋳片を薄く製造して、従来の熱延の粗圧延工
程、または熱延工程そのものを省略するストリップ鋳造
法が開発されている。例えば特開昭62−247026
号公報では、鋳片の冷却速度、熱延圧下比(鋳片厚み/
熱延終了厚み)を特定し、材質特性を改善する方法を開
示しているが、イヤリングに関しては何も明らかにされ
ていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ブリキ、テ
ィンフリースチールなどの表面処理が施される2ピース
缶用容器用材料について、イヤリングを1%以下に低減
できる製造技術を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
を解決するため、鋳造条件、成分含有量について総合的
に検討し、本発明の製造方法を見いだした。すなわち、
本発明の要旨は下記の通りである。すなわち重量%でC
≦0.150%、 Mn≦0.60
%、P ≦0.025%、 S ≦0.
025%、Sol Al:0.012〜0.120%、 N
≦0.010%、T.O≦0.0070%を含み、残部が
Fe及び不可避的不純物からなる鋼を連続鋳造し、その
後、酸洗、1次冷延、再結晶焼鈍を行い、{(1次冷延
前板厚−2次冷延後板厚)/1次冷延前板厚}×100
(%)が90%以上95%以下となるように2次冷延を
施したイヤリング性の優れた容器用鋼板の製造方法であ
る。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明者等は、上記問題を解決するため、鋳造条件、成分
含有量、トータルの冷延率{(1次冷延前板厚−2次冷
延後板厚)/1次冷延前板厚}×100(%)について
総合的に検討した。その結果、双ロール法等による薄鋳
帯の連続鋳造法で製造すると、熱延板の粒径が大きくな
る効果により、イヤリングが低減できることが判明し
た。
【0010】以下に製造条件について詳細に述べる。ま
ず、本発明を構成する鋼成分の限界理由について説明す
る。Cは従来から強度を高める元素であることが知られ
ている。硬質な容器用材料を製造する時は、C量が多い
方が好ましい。しかし、Cが0.15%を超えると耐食
性が劣化する。このため、Cの上限を0.15%とし
た。
【0011】Mn,P,S,Sol Alはこれらの元素が増
加すると、鋼板の耐食性を劣化させるので、それぞれの
元素の上限値を0.60%、0.025%、0.025
%、0.120%とした。又、Sol Alの含有量は0.0
12%未満では、脱酸不足のため、T.Oの含有量が高
くなり、0.0070%以下にすることができない。従
って、下限のSol Alの含有量は0.012%とした。
【0012】Nは0.010%を上回ると、N添加のた
めの製鋼コストが高くなるので、上限を0.010%と
した。T.Oの含有量は、0.0070%超となると、ス
ラブの表層付近に気泡が発生し、メッキ原板の表面キズ
などが増え、良好な製品が得られなくなるので、0.0
070%を上限とした。
【0013】次に製造工程について述べる。上記のよう
な成分組成の鋼は、転炉あるいは電気炉で溶製され、必
要に応じ真空脱ガス処理され、双ロール法等により、板
厚が現行の粗圧延、仕上圧延を得たと同程度の薄鋳帯が
得られる。鋳造後は、酸洗、1次冷延、再結晶焼鈍を行
い、その後、2次冷延を行う。2次冷延はイヤリングを
1%以下に制御するためにトータルの冷延率{(1次冷
延前板厚−2次冷延後板厚)/1次冷延前板厚}×10
0(%)が90%以上95%以下の範囲となるように2
次冷延を行う。
【0014】この理由を以下に説明する。図1の(a)
は、現行の製造プロセスで、製鋼で出鋼した熱延、酸
洗、冷延、焼鈍、調圧した材料の上述したトータルの冷
延率とΔrの関係をラボ実験によって求めたものであ
る。Δrとは、面内のr値の異方性を示すもので、Δr
が小さいほどイヤリングは小さい。Δrは式(1)によ
って与えられる。 Δr=(r0 −2r45+r90)/2・・・・・・・・・・(1) r0 :圧延方向で測定したr値 r45:圧延方向に対して45゜で測定したr値 r90:圧延方向に対して90゜で測定したr値
【0015】図1の(a)から、イヤリングを小さくす
るためには、冷延率は88%が最適であるが、これでは
例えば、仕上板厚が0.24mmの場合、熱延板の板厚は
1.6mmと薄くしなければならない。ところが既に述べ
たように、薄手の熱延板は熱延の仕上工程で材質のばら
つきが生じるため、現在はΔr=−0.32と大きい、
冷延率92%の熱延板板厚3.0mmで実機製造してい
る。このためイヤリング率は3%と大きく、本発明の目
標のイヤリング率1%以下を得られない。ところが本発
明の製造法では、冷延率が90%から95%の範囲で、
イヤリング率を1%以下に低減できることがわかった。
これは、本法で製造すると、熱延板の粒径が大きくなる
ため、r45をr0 とr90に比べて小さくする{110}
〈001〉が粒内の変形態からでやすくなり、図1の
(a)の冷延率とΔrの関係が、図1の(b)のように
変化し、冷延率90%から95%の範囲で従来より|Δ
r|が小さくできるためであろうと推定される。
【0016】また、このトータルの冷延率が90%未
満、あるいは95%を超えると、イヤリング率1%以下
が達成できないので冷延率の下限を90%、上限を95
%とした。
【0017】また、特願平6−68813号にて出願し
たような、熱延板の材質のばらつきを低減するための、
鋳造後、熱間で30%未満の軽圧下する技術を併せて適
用しても、双ロールで、鋳造した鋼の結晶粒径は軽圧下
しない場合に比べれば微細になるものの従来の熱延板に
比べれば十分粒径は大きいので、本発明の効果は損なわ
れない。
【0018】また、本発明に使用される表面処理は、通
常行われるSnめっき、Crめっき処理等が考えられ
る。
【0019】
【実施例】表1に示す化学成分の鋼を表2及び表3に示
す製造条件で製造した。表2の符号1,2,3は、本発
明内の製造条件で、銅合金製の双ロール鋳造機械を用い
て、連続鋳造して、酸洗、冷延、焼鈍した後、2次冷延
をし、Snめっきをして、0.24mmのブリキ板を製造
した。符号4は本発明外で双ロール鋳造機械を用いて連
続鋳造したが、トータルの冷延率が80%と本発明の下
限をはずれたものである。符号5、6は本発明外で従来
の熱延工程で0.24mmのブリキ板を製造したものであ
る。
【0020】その後、この鋼を用いて、86φのカップ
を成形した後、DWI加工試験機にて、DI缶を製缶し
た。DI缶の缶寸法は、缶の胴部は80μm、ネック加
工、フランジ加工を受ける缶の上端部の板厚は110μ
mとした。このDI缶のイヤリングを当社のイヤリング
測定機にて測定した。本実験で求めたイヤリング率とユ
ーザーでの値にほとんど差がないことから、本実験で求
めたイヤリング率で1%以下のものを合格とした。ま
た、イヤリングを測定したのち、缶の上端をトリムし
て、缶の円周方向の高さを一定とし、ネック成形試験、
フランジ成形評価試験を行った。
【0021】ネック成形は、当社のラボ試験機にて4段
のダイネック成形を行い、直径60mmのEOEが巻締め
られるようにDI缶の上端の直径を68mmから、60mm
まで小さくする口絞り加工を行った。当社のラボ実験で
缶のネック加工部にしわが発生しないものは、ユーザー
でもしわが発生しないことがわかっているので、しわが
発生しないものを合格、しわが発生するものを不合格と
した。
【0022】フランジ成形性は、図2に示す当社のコー
ンストローク試験にて評価した。円錐形の金具を缶の上
端に接触するようにセットし、缶の上端が割れるまでの
ストローク量を測定した。このコーンストローク量が大
きいほど、フランジ成形性はよい。現在ユーザーで使用
されている条件の符号5のストローク量と比較して、同
等以上のものを合格とした。製缶試験した結果を表4に
示す。
【0023】本発明内の符号1〜3のイヤリングは1%
以下で合格した。しかし、本発明外の符号4〜6のイヤ
リングは1%超であり、本発明の目的の低イヤリングな
DI缶を得ることができなかった。また、本発明内の
鋼、本発明外の鋼共に、ネックしわは合格であった。ま
た本発明のフランジ成形性は現行材符号5よりも良好で
あった。双ロール材のほうが、現行材に比べ、介在物の
寸法が小さいことに起因するのではないかと推定され
る。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、トータル冷延率は
{(1次冷延前板厚−2次冷延後板厚)/1次冷延前板
厚}の大きい領域でイヤリングが1〜3%未満の鋼が製
造可能であり、その工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】トータル冷延率{(1次冷延前板厚−製品板
厚)/1次冷延前板厚}×100(%)とΔrの関係を
示す図である。
【図2】フランジ成形性の試験方法を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で C ≦0.150%、 Mn≦0.60%、 P ≦0.025%、 S ≦0.025%、 Sol Al:0.012〜0.120%、 N ≦0.010%、 T.O≦0.0070% 残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼を連続鋳造
    し、その後、酸洗、1次冷延、再結晶焼鈍を行い、
    {(1次冷延前板厚−2次冷延後板厚)/1次冷延前板
    厚}×100(%)が90%以上95%以下となるよう
    に2次冷延を施すことを特徴とするイヤリング性の優れ
    た容器用鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009524526A (ja) * 2006-01-26 2009-07-02 アルヴェーディ、ジョヴァンニ 酸化防止の表面コーティングに適した鋼板の製造工程

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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