JPH09121702A - 海藻生育基盤材およびその製造方法 - Google Patents

海藻生育基盤材およびその製造方法

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JPH09121702A
JPH09121702A JP30812195A JP30812195A JPH09121702A JP H09121702 A JPH09121702 A JP H09121702A JP 30812195 A JP30812195 A JP 30812195A JP 30812195 A JP30812195 A JP 30812195A JP H09121702 A JPH09121702 A JP H09121702A
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誠 太田黒
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 河川や海中に生息する有用海藻類が生育・繁
茂するのに適した海藻生育基盤材を提供する。 【解決手段】 熱可塑性重合体からなる多数の連続線条
がループをなして相互に交差し、かつこの多数の連続線
条が各交差点において接着されてなる立体網状のマット
状構造物の一面に、重錘となる開口成型物を積層し、開
口成型物の上方から熱可塑性重合体を連続線条として紡
出して落下させ、この連続線条が固化しない間にニップ
ロールで押圧することによりマット状構造物と開口成型
物を不可分に一体化させ、海藻生育基盤材を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川や海中に生息
する有用海藻類が生育・繁茂するのに適した海藻生育基
盤材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】日本の沿岸域の岩礁においては、多種類
の海藻が繁茂している。この海藻類の多くは、人の食用
として、或いは魚類の生育・育生に欠かせないものとし
て非常に有用なものである。
【0003】しかし、近年、沿岸地域の開発に伴い、海
藻類の生育・繁茂に適した岩礁が減少しつつあり、問題
となっている。また、岩礁のある地域でも、岩が石灰質
の藻で覆われる、或いはウニやアワビ等の食害生物によ
り海藻類が食べ尽くされること等が原因となって、海藻
場から海藻類がなくなる、いわゆる「磯やけ」が拡大し
つつあり、深刻な問題となっている。
【0004】そこで、これらの問題を解決すべく、有用
な海藻類が生育するように石灰質の藻で覆われた岩礁を
破壊して新しい岩肌を露呈させたり、新たな岩石やコン
クリートブロックを投入することが行われ、また、ウニ
やアワビを除去する、或いは海藻場に近づけないように
するといった対策もとられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの対策
はいずれも多くの労働力、高価な装置が必要とされ、ま
た、いずれの対策をとった場合でも海藻場の回復には長
い期間を要する。本発明は、かかる実情に鑑みてなされ
たものであり、簡便に海藻生育の場を設置することので
きる海藻生育基盤材を提供することを目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の海藻生育基盤材は、熱可塑性重合体からな
る多数の連続線条がループをなして相互に交差し、かつ
この多数の連続線条が各交差点において接着されてなる
立体網状のマット状構造物の一面に、重錘となる開口成
型物が不可分に一体化された複合体であって、比重が
2.5〜5.5であることを特徴とするものである。
【0007】前記海藻生育基盤材においては、前記立体
網状のマット状構造物が、直径0.1〜2.0mmの多数
の合成重合体連続線条の各々が不規則なループをなして
相互に交差し、かつ厚み方向に屈曲して一方から他方に
延び、この多数の合成重合体連続線条がそれぞれの交差
点において相互に接着され、表面には多数の畝状の山部
と該山部間において窪んだ溝状の谷部が形成され、該山
部および谷部は裏面において谷部および山部を形成して
なる空隙率50〜99%、厚み10〜100mmであるマ
ット状構造物であることが望ましい。
【0008】また、前記海藻生育基盤材においては、重
錘となる開口成型物が、比重3以上の素材からなり、格
子間に形成される目の大きさが一つあたり4〜200cm
2 であり、1m2 あたりの重さが5〜100kgである格
子状成型物であることが望ましい。
【0009】また、前記海藻生育基盤材においては、マ
ット上構造物を構成する連続線条ではない熱可塑性重合
体からなる連続線条が、開口成型物の開口部以外の部分
を周回して開口成型物と熱接着しており、かつ開口部に
おいては垂下してマット状構造物を構成する連続線条と
熱接着していることにより、マット状構造物と開口成型
物が不可分に一体化されていることが望ましい。
【0010】本発明の海藻生育基盤材は、熱可塑性重合
体からなる多数の連続線条がループをなして相互に交差
し、かつこの多数の連続線条が各交差点において接着さ
れてなる立体網状のマット状構造物の一面に、重錘とな
る開口成型物を積層し、開口成型物の上方から熱可塑性
重合体を連続線条として紡出して落下させ、この連続線
条が固化しない間にニップロールで押圧することにより
マット状構造物と開口成型物を不可分に一体化させるこ
とによって製造することができる。
【0011】また、前記製造方法においては、前記立体
網状のマット状構造物が、直径0.1〜2.0mmの多数
の合成重合体連続線条の各々が不規則なループをなして
相互に交差し、かつ厚み方向に屈曲して一方から他方に
延び、この多数の合成重合体連続線条がそれぞれの交差
点において相互に接着され、表面には多数の畝状の山部
と該山部間において窪んだ溝状の谷部が形成され、該山
部および谷部は裏面において谷部および山部を形成して
なる空隙率50〜99%、厚み10〜100mmであるマ
ット状構造物であることが望ましい。以下、その内容を
説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の海藻生育基盤材におい
て、立体網状のマット状構造物は、海藻が活着する場を
提供し、また、砂地に設置した場合にあっては砂の流動
を緩和するものとして働く。
【0013】かかる立体網状のマット状構造物は、熱可
塑性剛性重合体の多数の連続線条がループをなして相互
に交差し、かつこの多数の連続線条が各交差点において
接着されてなるものである。このようなマット状構造物
としては、例えば、特公昭54−26627号公報、特
公昭62−18662号公報、特開昭50−25869
号公報に記載された立体網状体を使用することができ
る。
【0014】また、アマモのように、砂地に根をおろし
茎が地面を這うようにして成長する海藻類の育生を目的
とする場合は、茎の生育が妨げられないようなマット状
構造物を使用することが望ましい。具体的には、直径
0.1〜2.0mmの多数の合成重合体連続線条の各々が
不規則なループをなして相互に交差し、かつ厚み方向に
屈曲して一方から他方に延び、この多数の合成重合体連
続線条がそれぞれの交差点において相互に接着され、表
面には多数の畝状の山部と該山部間において窪んだ溝状
の谷部が形成され、該山部および谷部は裏面において谷
部および山部を形成してなる空隙率50〜99%、厚み
10〜100mmのものを使用することが望ましい。
【0015】このようなマット状構造物を構成する連続
線条は、直径が0.1〜2.0mmであることが望まし
い。0.1mm未満では、線条が細すぎてマット全体の強
力が不十分となり、2.0mmを超えと剛性が大きくな
り、マット状構造物の表面に山部と谷部が形成されにく
くなるので好ましくない。
【0016】マット状構造物の素材は、加熱により溶融
し、連続線条を形成しうるものであれば特に限定され
ず、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン
系、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等のポリエステル系の熱可塑性重合体を用いることがで
き、これらの重合体は、単独で、あるいは二種以上混合
した状態で使用することができる。これらの中でも、ポ
リオレフィン系の重合体は、比較的融点が低く、低温で
の紡糸が可能なことから、製造コストを考慮した場合、
都合よく用いられる。
【0017】このマット状構造物は、例えば、図1に示
すような装置を用いて製造することができる。この装置
は、孔径0.1〜2.0mmの紡糸孔が6〜20mm間隔で
穿設された紡糸孔列が平行に、もしくは紡糸孔が交互に
位置するような千鳥状に、2〜3列に亘って設けられた
紡糸口金(11)と、口金の下方に配置され、表面に山
部(13)と谷部(14)を有する搬送体(12)で構
成されている。
【0018】マット状構造物を製造するときは、原料と
なる合成重合体を溶融状態で紡糸口金から連続線条
(2)として紡糸し、連続線条(2)の落下速度よりも
遅い速度で矢印方向に移動している搬送体(12)の上
に自然落下させ、不規則なループを描かせて隣接する連
続線条(2)と交差させながら順次積層させる。そして
その集積時に連続線条を相互にそれぞれの交差点におい
て自己融着させた後、冷却すれば搬送体の山部(13)
と谷部(14)に対応して山部と谷部が形成されたマッ
ト状構造物(1)を得ることができる。
【0019】このとき、連続線条が太すぎると線条が垂
下しにくくなり、搬送体の谷部に対応させることができ
なくなるため、連続線条の直径は前述した範囲内にする
ことが望ましい。また、紡糸口金を複数個設ければ、種
類の異なる線条を紡糸することができ、複数種の連続線
条で構成されたマット状構造物を得ることができる。
【0020】このようにして得られるマット状構造物に
おいては、溝状の谷部が形成されているため、アマモの
ような海藻であっても茎は谷部に沿って這うことがで
き、生育が阻害されることはない。
【0021】最終的に得られるマット状構造物の空隙率
は50〜99%であることが望ましい。50%未満で
は、連続線条の間に形成される隙間が小さくなり、例え
ばアマモのように砂地に根をおろす海藻の場合、根の通
り抜けが困難になるからである。また99%を超える
と、マット状構造物の強度が弱くなり、耐久性の面で問
題が生じる。
【0022】また、マット状構造物の見かけの厚みは1
0〜100mmであることが望ましい。ここで見かけの厚
みとは、マット状構造物を剛性のある平板の上に置き、
さらに構造物の上に軽くて剛性のある平板を置いたとき
の平板と平板の間の距離をいう。10mm未満では、山部
と谷部の高低差が小さくなり、表面が平坦化するため好
ましくない。また、厚みが小さくなると、それだけ海藻
の活着する場が減少することにも留意する必要がある。
厚みが100mm以上のマットは、製造が困難でコストの
上昇につながるため実用的でない。
【0023】次に、マット状構造物の一方の面に積層さ
れる重錘となる開口成型物について説明する。
【0024】マット状構造物は、熱可塑性重合体で構成
されており、それのみでは海底へ沈降しにくく、沈降し
ても波浪により流されるおそれがあるため、重錘を一体
化させる必要がある。また、マット状構造物は、連続線
状の集合で形成され、かつ空隙率の大きなものであるか
ら、これと重錘物を一体化させるには、重錘に開口を存
在させて、何らかの線条物を開口に通し、これをマット
状構造物中の連続線条に絡ませる、或いは結わえる必要
がある。従って、本発明において重錘となるものは開口
成型物であることが好ましい。
【0025】この開口成型物は、比重の大きなものでで
きていることが望ましく、マット状構造物と一体化した
ときの複合体の比重が2.5〜5.5となるようなもの
であることが望ましい。
【0026】このような開口成型物に適したものとし
て、鉄やステンレスでできたエキスパンドメタルやグレ
ーチング、溶接金網のような比重3以上の素材からなる
格子状成型物を挙げることができる。
【0027】この格子状成型物においては、骨材部の間
に形成される目の大きさが一つあたり4〜200cm2
で、1m2 あたりの重さが5〜100kgであることが望
ましい。4cm2 未満であると、両者の一体化が難しくな
るため好ましくない。また、200cm2 を超えると格子
状成型物による補強効果が発揮されず、また1m2 あた
り5kg以上の成型物を得ることが難しくなる。また、1
2 あたりの重さが5kg未満であると、海藻生育基盤材
が波浪エネルギーによって移動し、流出するおそれがあ
り、100kgを超えると持ち運びが困難となり、作業性
が悪くなるので好ましくない。
【0028】また、格子状成型物の厚みは1〜50mm、
骨材部の幅は2〜50mmであることが望ましい。厚みが
1mm未満もしくは骨材部の幅が2mm未満では、成型物が
変形するおそれがあり、また1m2 あたりの重量が5kg
以上の成型物を得ることが難しくなる。また、厚みもし
くは骨材部の幅が50mm以上になると、取り扱いにく
く、マット状構造物と一体化させることが難しくなるた
め、好ましくない。
【0029】上述した開口成型物をマット状構造物の一
方の面に積層し、不可分に一体化することにより本発明
の海藻生育基盤材を得ることができる。
【0030】両者の一体化は、例えば、図2に示すよう
な装置を用いて行うことができる。この装置は、マット
状構造物(1)と開口成型物(3)を一体化する連続線
条(4)を紡糸するための紡糸口金(21)と、口金の
下方に配置された表面平滑な搬送体(22)、及びニッ
プローラ(23)で構成されている。両者を一体化させ
るときは、マット状構造物(1)の上に開口成型物
(3)を積層し、開口成型物(3)の上方から接着用の
連続線条(4)を紡糸し、連続線条(4)の落下速度よ
りも遅い速度で移動している搬送体(22)及びその上
に置かれているマット状構造物(1)と開口成型物
(3)の上に自然落下させる。そして連続線条(4)
を、骨材部(3A)では周回させ、開口部(3B)にお
いては垂下させてマット状構造物(1)中の連続線条
(2)と接触させ、さらに、連続線条(4)が固化しな
い間にニップロール(23)で押圧して連続線条(4)
をマット状構造物(1)および開口成型物(3)に接着
させることにより、両者を一体化することができる。
【0031】この一体化された積層物はカッター(2
4)で切断されて本発明の海藻生育基盤材となる。カッ
ターで切断する場合、開口成型物と開口成型物の間に少
し隙間をあけるようにすると切断点(6)が形成される
ので、容易に切断することができる。
【0032】両者を一体化させるための連続線条の素材
は特に限定されず、ポリオレフィン系、ポリエステル
系、ポリアミド系の熱可塑性重合体を任意に使用するこ
とができる。特にポリプロピレンやポリエチレン等のポ
リオレフィン系の重合体は低温で溶融し、優れた熱接着
性を示すので好ましく用いられる。
【0033】この方法によって一体化させる場合、開口
成型物の開口が小さすぎる、あるいは成型物の厚みが大
きすぎると、接着用の連続線条が開口より十分に垂下さ
れず、両者の一体化を強固なものとすることができなく
なるので留意する必要がある。また、連続線条がマット
状構造物側へ垂下することにより、マット状構造物の空
隙率はその分減少することになるので、一体化後のマッ
ト状構造物の空隙率が前述した範囲内となるように留意
する必要がある。
【0034】この方法以外に一体化させる方法として
は、例えば、前述の図1の製造装置を使用して立体網状
のマット状構造物を製造する際に、搬送体の上に搬送体
と間隔をあけて開口成型物を張設し、その上から連続線
条を紡糸して自然落下させ、開口成型物の開口から連続
線条を垂下紡出させるとともに、各交差点を自己融着さ
せ、さらにニップローラ(図示せず)で押圧する方法が
挙げられる。かかる方法によれば、マット状構造物の製
造と開口成型物との一体化が同時に行うことができる。
【0035】また、マット状構造物と開口成型物をワイ
ヤーのような線条物で結わえて一体化させることもでき
る。小さな海藻生育基盤材を作りたい場合に適した方法
である。
【0036】このようにして得られる本発明の海藻生育
基盤材は、比重が2.5〜5.5であることが好まし
い。比重は、基盤材の重さを基盤材の体積で除すことに
より算出されるが、本発明のように空隙率が大きなもの
の場合、見かけの厚みから求められる体積に(1−空隙
率(%)/100)をかけた値を体積として、比重を算
出する必要がある。比重が2.5未満では、海流によっ
て流されるおそれがあり、5.5を超えると取り扱いに
くく、運搬および投入作業が困難となる。
【0037】この海藻生育基盤材は、開口成型物が海
(川)底側になるように、海もしくは川へ投入して使用
する。また、海中へ投入する場合、その配設地域は限定
されず、岩礁域、砂地海域いずれにも投入することがで
きる。そして、例えば、岩礁域に投入された場合には、
基盤材は新たな活着面を提供するので、海藻が基盤材上
で繁茂することとなる。また、砂地海域に投入された場
合は、基盤材は波浪による海流のエネルギーを遮るよう
に砂面を覆うので砂の流動が緩和され、その結果、アマ
モのように砂に根を下ろす海藻の流出が防止されること
となる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0039】立体網状のマット状構造物を製造すべく、
図1のような装置を用意した。本実施例においては、直
径1mmの紡糸孔が10mm間隔で穿設されている紡糸孔列
が二列に亘って平行に設けられている紡糸口金(11)
を用意し、また、搬送体(12)として、図3のように
山部(13)と谷部(14)が設けられたものを用意し
た。そして搬送体(12)と紡糸口金(11)の間隔は
20cmとし、搬送体(12)の移動速度は2m/分に設
定した。
【0040】まず、原料として、ポリプロピレン樹脂を
用意した。これを溶融状態で紡糸口金から紡出させ、連
続線条(2)の落下速度よりも遅い速度で矢印方向に移
動している搬送体(12)の上に自然落下させ、不規則
なループを描かせて隣接する連続線条(2)と交差させ
ながら順次集積して連続線条(2)群が搬送体(12)
の表面形状に沿って山部と谷部を形成するようにし、集
積時に連続線条を相互にそれぞれの交差点において自己
融着させた。そして、冷却し、表面に山部(1A)と谷
部(1B)を有する図4のような立体網状のマット状構
造物(1)を得た。このマット状構造物の空隙率は93
%、見かけの厚みは28mmであった。
【0041】次に、このマット状構造物と、重錘となる
開口成型物を一体化させるべく、図2に示すような製造
装置を用意した。ここで用いた紡糸口金(21)は、前
述のマット状構造物を製造した際に用いたものと同じで
ある。また、搬送体(22)のスピードは、2m/分に
設定した。
【0042】重錘となる開口成型物(3)として、図5
のような鉄製のエキスパンドメタルを用意した。このエ
キスパンドメタルは板厚8mmの鉄板を加工したもので、
LW135.4mm、SW34mmで、大きさは90cm×1
81cm、厚みは約18mmであり、1m2 あたりの重さは
33.2kgであった。
【0043】マット状構造物とエキスパンドメタルの一
体化は次のように行った。まず、搬送体上にマット状構
造物(1)を連続的に供給し、その上にエキスパンドメ
タル(3)を積層し、両者が搬送体(22)と同じ速度
で同じ方向に移動するようにした。そして、その上か
ら、ポリプロピレン樹脂を溶融状態で紡糸口金より紡出
せしめ、自然落下させて、エキスパンドメタルの骨材部
(3A)に連続線条(4)を周回させると同時に、開口
部(3B)においては垂下させてマット状構造物中
(1)の連続線条と絡み合わせた。そして、連続線条
(4)が固化しない間に、ニップローラ(23)で押圧
することにより、連続線条(4)をエキスパンドメタル
(3)およびマット状構造物(1)に接着させ、両者を
一体させた。最後にこれをカッター(24)で切断し
て、本発明の海藻生育基盤材(5)を得た。得られた海
藻生育基盤材の断面図を図6に示す。この基盤材は、空
隙率約85%、1m2 あたりの重さが36.8kgであ
り、見かけの厚みは約50mm、比重は4.8であった。
【0044】この海藻生育基盤材を、海藻の生育が全く
見られない砂地海域へ投入したところ、6ヶ月後にはア
マモ等の砂地に根をおろす海藻がマット状構造物の谷部
に茎を這わせながら順調に育っている様子が確認され
た。また、この基盤材を、磯やけの著しい岩礁域へ投入
したところ、6ヶ月後には様々な種類の海藻が繁茂して
おり、周囲には小魚や貝類が多数群がっている様子が確
認された。
【0045】
【発明の効果】本発明の海藻生育基盤材は、連続線条で
構成された立体網状のマット状構造物で構成されている
ため、同じ体積の岩石に比して海藻の活着しうる面積が
大きく海藻が繁茂しやすい。またその空隙率が大きく、
良好な通水性が担保されるので、小魚や貝類の棲息に格
好の場を提供することができる。
【0046】また、本発明の海藻生育基盤材を砂地上に
設置した場合は、マット状構造物が波浪による海流エネ
ルギーを遮るようにして砂面を覆うので、砂の流動が緩
和され、根をおろしたばかりの幼い海藻の流出を防止す
ることができる。
【0047】そして、本発明の海藻生育基盤材は、開口
成型物によって海中での沈降性が担保されているので、
海流によって流されることもなく、長い年月に亘って優
れた海藻場を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】立体網状のマット状構造物の製造装置の一例を
略示した側面図である。
【図2】本発明の海藻生育基盤材の製造装置の一例を略
示した側面図である。
【図3】マット状構造物の製造に使用する搬送体の一例
を略示した平面図である。
【図4】実施例で使用した立体網状のマット状構造物の
斜視図である。
【図5】実施例で使用したエキスパンドメタルの斜視図
である。
【図6】海藻生育基盤材の断面図である。
【符号の説明】
1 マット状構造物 1A 山部 1B 谷部 2 連続線条 3 開口成型物 3A 骨材部 3B 開口部 4 連続線条 5 海藻生育基盤材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性重合体からなる多数の連続線条
    がループをなして相互に交差し、かつこの多数の連続線
    条が各交差点において接着されてなる立体網状のマット
    状構造物の一面に、重錘となる開口成型物が不可分に一
    体化された複合体であって、比重が2.5〜5.5であ
    ることを特徴とする海藻生育基盤材。
  2. 【請求項2】 前記立体網状のマット状構造物が、直径
    0.1〜2.0mmの多数の合成重合体連続線条の各々が
    不規則なループをなして相互に交差し、かつ厚み方向に
    屈曲して一方から他方に延び、この多数の合成重合体連
    続線条がそれぞれの交差点において相互に接着され、表
    面には多数の畝状の山部と該山部間において窪んだ溝状
    の谷部が形成され、該山部および谷部は裏面において谷
    部および山部を形成してなる空隙率50〜99%、厚み
    10〜100mmであるマット状構造物である請求項1記
    載の海藻生育基盤材。
  3. 【請求項3】 前記重錘となる開口成型物が、比重3以
    上の素材からなり、格子間に形成される目の大きさが一
    つあたり4〜200cm2 であり、1m2 あたりの重さが
    5〜100kgである格子状成型物である請求項1もしく
    は請求項2記載の海藻生育基盤材。
  4. 【請求項4】 マット状構造物を構成する連続線条では
    ない熱可塑性重合体からなる連続線条が、開口成型物の
    開口部以外の部分を周回して開口成型物と熱接着してお
    り、かつ開口部においては垂下してマット状構造物を構
    成する連続線条と熱接着していることにより、マット状
    構造物と開口成型物が不可分に一体化されていることを
    特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の海藻生育基
    盤材。
  5. 【請求項5】 熱可塑性重合体からなる多数の連続線条
    がループをなして相互に交差し、かつこの多数の連続線
    条が各交差点において接着されてなる立体網状のマット
    状構造物の一面に、重錘となる開口成型物を積層し、開
    口成型物の上方から熱可塑性重合体を連続線条として紡
    出して落下させ、この連続線条が固化しない間にニップ
    ロールで押圧することによりマット状構造物と開口成型
    物を不可分に一体化させることを特徴とする海藻生育基
    盤材の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記立体網状のマット状構造物が、直径
    0.1〜2.0mmの多数の合成重合体連続線条の各々が
    不規則なループをなして相互に交差し、かつ厚み方向に
    屈曲して一方から他方に延び、この多数の合成重合体連
    続線条がそれぞれの交差点において相互に接着され、表
    面には多数の畝状の山部と該山部間において窪んだ溝状
    の谷部が形成され、該山部および谷部は裏面において谷
    部および山部を形成してなる空隙率50〜99%、厚み
    10〜100mmであるマット状構造物である請求項5記
    載の海藻生育基盤材の製造方法。
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CN102715073A (zh) * 2012-06-11 2012-10-10 王元孝 一种电动海带夹苗机
JP2020127379A (ja) * 2019-02-08 2020-08-27 パネフリ工業株式会社 移植補助材、移植補助キットおよび大型藻類の移植方法

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