JPH0912324A - 紫外線照射による歪が抑制された石英ガラス部材 - Google Patents
紫外線照射による歪が抑制された石英ガラス部材Info
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- JPH0912324A JPH0912324A JP7164040A JP16404095A JPH0912324A JP H0912324 A JPH0912324 A JP H0912324A JP 7164040 A JP7164040 A JP 7164040A JP 16404095 A JP16404095 A JP 16404095A JP H0912324 A JPH0912324 A JP H0912324A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B19/00—Other methods of shaping glass
- C03B19/14—Other methods of shaping glass by gas- or vapour- phase reaction processes
- C03B19/1453—Thermal after-treatment of the shaped article, e.g. dehydrating, consolidating, sintering
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B2201/00—Type of glass produced
- C03B2201/06—Doped silica-based glasses
- C03B2201/20—Doped silica-based glasses doped with non-metals other than boron or fluorine
- C03B2201/21—Doped silica-based glasses doped with non-metals other than boron or fluorine doped with molecular hydrogen
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 短波長でかつ高出力の紫外線やエキシマレー
ザ光を長期間照射によってもレンズの結像性能を劣化さ
せない石英ガラス光学部材を提供する。 【構成】 水素分子を1×1017molecules/cm3以上含有す
る理想的な構造を持ち、ArFエキシマレーザをワンパ
ルスエネルギー密度50mJ/cm2で5×106ハ゜ルス照射した後の
部材に発生する波長633nmにおける最大歪量が10nm/cm以
下である石英ガラス光学部材を、ステッパ等の紫外線光
学系に用いる。
ザ光を長期間照射によってもレンズの結像性能を劣化さ
せない石英ガラス光学部材を提供する。 【構成】 水素分子を1×1017molecules/cm3以上含有す
る理想的な構造を持ち、ArFエキシマレーザをワンパ
ルスエネルギー密度50mJ/cm2で5×106ハ゜ルス照射した後の
部材に発生する波長633nmにおける最大歪量が10nm/cm以
下である石英ガラス光学部材を、ステッパ等の紫外線光
学系に用いる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紫外線用光学系に利用さ
れる石英ガラス部材に関する。
れる石英ガラス部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン等のウエハ上に集積回路
の微細パターンを露光・転写する光リソグラフィ技術に
おいては、ステッパと呼ばれる露光装置が用いられる。
このステッパの光源は、近年のLSIの高集積化に伴っ
てg線(436nm)からi線(365nm)、さらにはKrF
(248nm)やArF(193nm)エキシマレーザへと短波長
化が進められている。一般に、ステッパの照明系あるい
は投影レンズとして用いられる光学ガラスは、i線より
も短い波長領域では光透過率が低下するため、従来の光
学ガラスにかえて合成石英ガラスが用いられる。
の微細パターンを露光・転写する光リソグラフィ技術に
おいては、ステッパと呼ばれる露光装置が用いられる。
このステッパの光源は、近年のLSIの高集積化に伴っ
てg線(436nm)からi線(365nm)、さらにはKrF
(248nm)やArF(193nm)エキシマレーザへと短波長
化が進められている。一般に、ステッパの照明系あるい
は投影レンズとして用いられる光学ガラスは、i線より
も短い波長領域では光透過率が低下するため、従来の光
学ガラスにかえて合成石英ガラスが用いられる。
【0003】ところで、ガラスのような非結晶体は内部
に応力が存在して歪を受けていないかぎり、あらゆる性
質において等方的である。しかし、歪んでいるガラスに
おいては、光学的には複屈折という現象が出現する。複
屈折とは、一つの入射光が光学的異方体を通過したとき
に二つの屈折光が得られる現象である。この屈折光は振
動面が互いに直交する直線偏光のことであり、その屈折
率が異なっているため、それらの二つの屈折光の位相は
異なる。このとき、複屈折量とは物質内を光が単位長さ
通過したときの、二つの屈折光の位相差のことである。
通常、ガラスの歪量はこの複屈折量として定義される。
に応力が存在して歪を受けていないかぎり、あらゆる性
質において等方的である。しかし、歪んでいるガラスに
おいては、光学的には複屈折という現象が出現する。複
屈折とは、一つの入射光が光学的異方体を通過したとき
に二つの屈折光が得られる現象である。この屈折光は振
動面が互いに直交する直線偏光のことであり、その屈折
率が異なっているため、それらの二つの屈折光の位相は
異なる。このとき、複屈折量とは物質内を光が単位長さ
通過したときの、二つの屈折光の位相差のことである。
通常、ガラスの歪量はこの複屈折量として定義される。
【0004】光リソグラフィ装置のような精密な光学系
においては、複屈折量を減少させること、すなわち光学
部材の内部歪を減少させることが、屈折率分布の均質性
を向上させることと同様に、光学系の解像度に対して重
要である。このため、光リソグラフィ装置の結像光学系
に用いられる合成石英ガラスには、屈折率の均質性が良
く、歪の少ない高品質なものが用いられてきた。
においては、複屈折量を減少させること、すなわち光学
部材の内部歪を減少させることが、屈折率分布の均質性
を向上させることと同様に、光学系の解像度に対して重
要である。このため、光リソグラフィ装置の結像光学系
に用いられる合成石英ガラスには、屈折率の均質性が良
く、歪の少ない高品質なものが用いられてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うな屈折率の均質性、歪に関して高品質な合成石英ガラ
スであっても高出力の紫外光やエキシマレーザ光を長時
間照射すると、E’センターと呼ばれる構造欠陥に起因
する215nmの吸収帯やNBOHC(Non-BridgingOxygen
Hole Center)と呼ばれる構造欠陥に起因する260nm吸収
帯が現れて紫外領域の透過率が著しい低下が生じる場合
があった。さらに、同時に、紫外線が照射された部分の
部材の屈折率の上昇による均質性の劣化が生じたり、照
射に伴って歪が増大したりすることによって、光学系の
結像性能を著しく悪化させるという問題があった。
うな屈折率の均質性、歪に関して高品質な合成石英ガラ
スであっても高出力の紫外光やエキシマレーザ光を長時
間照射すると、E’センターと呼ばれる構造欠陥に起因
する215nmの吸収帯やNBOHC(Non-BridgingOxygen
Hole Center)と呼ばれる構造欠陥に起因する260nm吸収
帯が現れて紫外領域の透過率が著しい低下が生じる場合
があった。さらに、同時に、紫外線が照射された部分の
部材の屈折率の上昇による均質性の劣化が生じたり、照
射に伴って歪が増大したりすることによって、光学系の
結像性能を著しく悪化させるという問題があった。
【0006】本発明はそのような従来技術の欠点であっ
た紫外線照射による歪の発生を抑制して、短波長でかつ
高出力の紫外線やエキシマレーザ光を長期間照射によっ
てもレンズの結像性能を劣化させない石英ガラス光学部
材を提供するものである。
た紫外線照射による歪の発生を抑制して、短波長でかつ
高出力の紫外線やエキシマレーザ光を長期間照射によっ
てもレンズの結像性能を劣化させない石英ガラス光学部
材を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、紫外線照
射に伴う歪の発生の原因に関して鋭意研究を行ってき
た。その結果、理想に近い構造を持つ、バルクの石英ガ
ラスにおいては、石英ガラス中の水素分子の存在が、紫
外線照射による歪の発生を抑制する効果を持つことがわ
かった。
射に伴う歪の発生の原因に関して鋭意研究を行ってき
た。その結果、理想に近い構造を持つ、バルクの石英ガ
ラスにおいては、石英ガラス中の水素分子の存在が、紫
外線照射による歪の発生を抑制する効果を持つことがわ
かった。
【0008】そこで、本発明は、水素分子を1×1017mol
ecules/cm3以上含有する理想的な構造を持つ石英ガラス
光学部材であって、ArFエキシマレーザをワンパルス
エネルギー密度50mJ/cm2で5×106ハ゜ルス照射した後の部材
に発生する、波長633nmにおける最大歪量が10nm/cm以下
であることを特徴としている。
ecules/cm3以上含有する理想的な構造を持つ石英ガラス
光学部材であって、ArFエキシマレーザをワンパルス
エネルギー密度50mJ/cm2で5×106ハ゜ルス照射した後の部材
に発生する、波長633nmにおける最大歪量が10nm/cm以下
であることを特徴としている。
【0009】
【作用】合成石英ガラスに強力な紫外線や放射線を照射
したときに、歪が生じることについては、これまでにい
くつかの報告例がある。このような歪の発生が紫外線用
の光学系の性能劣化につながることは従来技術で述べた
とおりである。しかし、歪の発生のメカニズムや、さら
にはそれらの物性変化をどうすれば抑制できるかについ
ては明らかになっていなかった。そこでまず、歪の発生
の機構について本発明者等の研究結果に基づいて推定す
る。
したときに、歪が生じることについては、これまでにい
くつかの報告例がある。このような歪の発生が紫外線用
の光学系の性能劣化につながることは従来技術で述べた
とおりである。しかし、歪の発生のメカニズムや、さら
にはそれらの物性変化をどうすれば抑制できるかについ
ては明らかになっていなかった。そこでまず、歪の発生
の機構について本発明者等の研究結果に基づいて推定す
る。
【0010】一般に、結像光学系において光は光学系レ
ンズ部材の全面に均一に透過するとはかぎらない。例え
ば、1個のレンズで光を集光する場合で、レンズ全面に
光が照射されたとしても、レンズ枠に固定された部分に
は光が照射されない。すなわち、光が照射されている部
分と照射されていない部分とが存在する。また、複数の
レンズで構成された光学系において、特別な場合におい
て、意図的にレンズ部材の特定領域に、部分的に光を集
中して透過させる必要がある場合もある。あるいは、レ
ンズ部材の特定領域にスポット状に照射される場合もあ
る。あるいは、レンズ部材に照射される紫外線のエネル
ギー密度は空間的な分布を持っている。
ンズ部材の全面に均一に透過するとはかぎらない。例え
ば、1個のレンズで光を集光する場合で、レンズ全面に
光が照射されたとしても、レンズ枠に固定された部分に
は光が照射されない。すなわち、光が照射されている部
分と照射されていない部分とが存在する。また、複数の
レンズで構成された光学系において、特別な場合におい
て、意図的にレンズ部材の特定領域に、部分的に光を集
中して透過させる必要がある場合もある。あるいは、レ
ンズ部材の特定領域にスポット状に照射される場合もあ
る。あるいは、レンズ部材に照射される紫外線のエネル
ギー密度は空間的な分布を持っている。
【0011】このような、光学系を構成するレンズの特
定領域に紫外線が照射された場合、照射された部分、あ
るいは、照射紫外線のエネルギー密度が高い部分では構
造の緻密化によるが生じる。緻密化は、紫外線照射によ
り石英ガラスの基本構造が、 ≡Si−O−Si≡ → ≡Si−O・ ・Si≡ (1) のように光分解し、ついでそれらの再結合が行われさら
に緻密な構造へ変化するために生じていると推定される
(なお、≡Siは三重結合ではなく、Siが3つの酸素
と結合していることを表す。)。
定領域に紫外線が照射された場合、照射された部分、あ
るいは、照射紫外線のエネルギー密度が高い部分では構
造の緻密化によるが生じる。緻密化は、紫外線照射によ
り石英ガラスの基本構造が、 ≡Si−O−Si≡ → ≡Si−O・ ・Si≡ (1) のように光分解し、ついでそれらの再結合が行われさら
に緻密な構造へ変化するために生じていると推定される
(なお、≡Siは三重結合ではなく、Siが3つの酸素
と結合していることを表す。)。
【0012】一方、紫外線が照射されていない部分、あ
るいは、照射光強度が弱い部分では緻密化が生じなかっ
たり、緻密化の程度が小さかったりする。すると、同一
のレンズ部材内で緻密化の度合いの異なる部分が生じて
しまう。緻密化は部材の収縮を伴うと考えられるため、
同一レンズ部材内で収縮の程度に差が生じるため、照射
されている部分と照射されていない部分との境界付近で
は大きな応力が集中して歪が生じると推定される。ある
いは、照射する紫外線のエネルギー密度に空間的な分布
が存在することによって歪が生じると推定される。
るいは、照射光強度が弱い部分では緻密化が生じなかっ
たり、緻密化の程度が小さかったりする。すると、同一
のレンズ部材内で緻密化の度合いの異なる部分が生じて
しまう。緻密化は部材の収縮を伴うと考えられるため、
同一レンズ部材内で収縮の程度に差が生じるため、照射
されている部分と照射されていない部分との境界付近で
は大きな応力が集中して歪が生じると推定される。ある
いは、照射する紫外線のエネルギー密度に空間的な分布
が存在することによって歪が生じると推定される。
【0013】次に、水素分子が含有されることによる、
紫外線照射時に発生する歪の抑制の機構について、本発
明者らの研究結果に基づいて推定する。水素分子が存在
する石英ガラスにγ線を照射したときに、 ≡Si−O−Si≡+H2 −(γ-ray)→ ≡Si−OH H−Si≡ (2 ) のような反応が生じ、多量のOH基の存在により屈折率
が減少するといわれている。すなわち、密度が減少する
といわれている。
紫外線照射時に発生する歪の抑制の機構について、本発
明者らの研究結果に基づいて推定する。水素分子が存在
する石英ガラスにγ線を照射したときに、 ≡Si−O−Si≡+H2 −(γ-ray)→ ≡Si−OH H−Si≡ (2 ) のような反応が生じ、多量のOH基の存在により屈折率
が減少するといわれている。すなわち、密度が減少する
といわれている。
【0014】そこで、本発明者らは石英ガラスに水素分
子を含有させれば、紫外線照射に伴う緻密化と同時に、
OH基の生成による密度の減少を生じさせることによっ
て、2つの現象の相殺によって実質的に緻密化を抑制し
て、結果的に歪の発生を抑制できるのではないかと考
え、研究を重ねてきた。その結果、実際に水素分子の存
在により歪の発生が抑制されることを突き止めた。この
とき(1)で示された光分解過程に水素分子が存在する
と、さらに緻密な構造へ変化する前に≡Si−OH H
−Si≡に終端され安定化するものと推定される。
子を含有させれば、紫外線照射に伴う緻密化と同時に、
OH基の生成による密度の減少を生じさせることによっ
て、2つの現象の相殺によって実質的に緻密化を抑制し
て、結果的に歪の発生を抑制できるのではないかと考
え、研究を重ねてきた。その結果、実際に水素分子の存
在により歪の発生が抑制されることを突き止めた。この
とき(1)で示された光分解過程に水素分子が存在する
と、さらに緻密な構造へ変化する前に≡Si−OH H
−Si≡に終端され安定化するものと推定される。
【0015】このような特性は、どのような石英ガラス
にも見られるものではなく、ある一定の構造、すなわ
ち、以下に述べるような、理想に近い構造を持つ石英ガ
ラスに水素分子が導入された場合に限定して、紫外線照
射による歪の発生を抑制する効果が発揮される。ここ
で、水素による効果を発揮させるための石英ガラスの理
想に近い構造、すなわち、不完全構造を含まない石英ガ
ラスについて述べる。不完全構造の例としては、これま
で文献等で、≡Si−Si≡結合や、≡Si−O−O−
Si≡結合等が提案されているが、本発明の石英ガラス
は、そのような化学量論比からのずれに起因する不完全
構造も存在しないことが必要とされる。すなわち、酸素
欠乏型欠陥吸収帯(7.6、5.0eV吸収帯)を実質的に含ま
ない。本発明の石英ガラスにArFエキシマレーザを照
射したとき、酸素過剰型欠陥吸収帯(4.8eV吸収帯)が
実質的に生成しない。これらの欠陥が存在しないことに
より、真空紫外・紫外・可視・赤外分光光度計による透
過率測定では、g線(436nm)〜i線(365nm)、さらに
はKrF(248nm)波長では内部透過率99.9%以上、Ar
F(193nm)波長では略99.8%以上を得ることが出来る。
にも見られるものではなく、ある一定の構造、すなわ
ち、以下に述べるような、理想に近い構造を持つ石英ガ
ラスに水素分子が導入された場合に限定して、紫外線照
射による歪の発生を抑制する効果が発揮される。ここ
で、水素による効果を発揮させるための石英ガラスの理
想に近い構造、すなわち、不完全構造を含まない石英ガ
ラスについて述べる。不完全構造の例としては、これま
で文献等で、≡Si−Si≡結合や、≡Si−O−O−
Si≡結合等が提案されているが、本発明の石英ガラス
は、そのような化学量論比からのずれに起因する不完全
構造も存在しないことが必要とされる。すなわち、酸素
欠乏型欠陥吸収帯(7.6、5.0eV吸収帯)を実質的に含ま
ない。本発明の石英ガラスにArFエキシマレーザを照
射したとき、酸素過剰型欠陥吸収帯(4.8eV吸収帯)が
実質的に生成しない。これらの欠陥が存在しないことに
より、真空紫外・紫外・可視・赤外分光光度計による透
過率測定では、g線(436nm)〜i線(365nm)、さらに
はKrF(248nm)波長では内部透過率99.9%以上、Ar
F(193nm)波長では略99.8%以上を得ることが出来る。
【0016】例えば、塩化ケイ素化合物を酸素水素火炎
で加水分解し、生じた石英ガラススートをターゲット上
に堆積、溶融して石英ガラスインゴットを形成するとい
う、いわゆる直接法によって合成された石英ガラスにお
いては、含有するOH基濃度を500ppm≦OH≦1300ppm
に設定することによって、酸素欠乏型欠陥吸収帯(7.
6、5.0eV吸収帯)を実質的に含まないようにすることが
できる。そのように、OH基濃度を500ppm≦OH≦1300
ppmにするためには、火炎の酸素水素ガス比率を0.2≦O2
/H2≦0.5にすることが望ましい。
で加水分解し、生じた石英ガラススートをターゲット上
に堆積、溶融して石英ガラスインゴットを形成するとい
う、いわゆる直接法によって合成された石英ガラスにお
いては、含有するOH基濃度を500ppm≦OH≦1300ppm
に設定することによって、酸素欠乏型欠陥吸収帯(7.
6、5.0eV吸収帯)を実質的に含まないようにすることが
できる。そのように、OH基濃度を500ppm≦OH≦1300
ppmにするためには、火炎の酸素水素ガス比率を0.2≦O2
/H2≦0.5にすることが望ましい。
【0017】さらに、このような酸素水素ガス比率は、
OH基濃度を最適化するのみならず、水素分子を石英ガ
ラス中に溶存させる効果も持っている。すなわち、酸素
水素火炎の化学量論比0.5より低い酸素水素比率にする
ことにより、石英ガラスインゴット合成時に、OH基と
水素分子を同時に最適化することが可能になる。酸素水
素比率が0.5以上の場合、得られた石英ガラスインゴッ
ト中に水素分子が含有しない可能性がある。この場合、
得られたインゴットを2次処理として水素雰囲気熱処理
を施すことにより、水素分子を添加することが可能であ
る。このようにして本発明の石英ガラスを得ることがで
きる。しかし、2次処理によるデメリット、すなわち工
程汚染やコスト増加などを考慮すると、インゴット合成
時の酸素水素比率を前述のように、0.2≦O2/H2≦0.5に
することが望ましい。
OH基濃度を最適化するのみならず、水素分子を石英ガ
ラス中に溶存させる効果も持っている。すなわち、酸素
水素火炎の化学量論比0.5より低い酸素水素比率にする
ことにより、石英ガラスインゴット合成時に、OH基と
水素分子を同時に最適化することが可能になる。酸素水
素比率が0.5以上の場合、得られた石英ガラスインゴッ
ト中に水素分子が含有しない可能性がある。この場合、
得られたインゴットを2次処理として水素雰囲気熱処理
を施すことにより、水素分子を添加することが可能であ
る。このようにして本発明の石英ガラスを得ることがで
きる。しかし、2次処理によるデメリット、すなわち工
程汚染やコスト増加などを考慮すると、インゴット合成
時の酸素水素比率を前述のように、0.2≦O2/H2≦0.5に
することが望ましい。
【0018】ところで、紫外線用光学系に利用される石
英ガラスに対して、石英ガラス薄膜、導波路、石英系フ
ァイバの分野では、紫外線照射による石英ガラスの緻密
化は積極的に利用されており、紫外線照射による屈折率
制御、導波路作製、ファイバグレーティング作製などに
応用されている。これらの分野においてはむしろ、より
効率的に、すなわち同じエネルギーの紫外線照射でより
大きな緻密化を生じさせるような研究が行われている。
その結果最近では、薄膜、ファイバを還元処理すること
よってより効率的に緻密化を生じさせることがことが明
らかになっている。さらに、還元処理のなかでも特に、
水素雰囲気熱処理はより効率的に屈折率を上昇させ、フ
ァイバグレーティングを作製する上で有効であることが
明らかになっている。このような、薄膜やファイバの石
英ガラスは理想的な構造ではなく、たとえば酸素欠乏性
欠陥構造を含んでいる(7.6eV、5.0eV吸収帯が観測され
る)ため、本発明にあるように水素分子を含有させるよ
うな処理、すなわち還元処理を行ってしまうと、本発明
とは逆に構造欠陥を増加させてしまい、結果として紫外
線照射による緻密化が大きくなり、それに伴って、歪の
発生も大きくなっているものと推定される。
英ガラスに対して、石英ガラス薄膜、導波路、石英系フ
ァイバの分野では、紫外線照射による石英ガラスの緻密
化は積極的に利用されており、紫外線照射による屈折率
制御、導波路作製、ファイバグレーティング作製などに
応用されている。これらの分野においてはむしろ、より
効率的に、すなわち同じエネルギーの紫外線照射でより
大きな緻密化を生じさせるような研究が行われている。
その結果最近では、薄膜、ファイバを還元処理すること
よってより効率的に緻密化を生じさせることがことが明
らかになっている。さらに、還元処理のなかでも特に、
水素雰囲気熱処理はより効率的に屈折率を上昇させ、フ
ァイバグレーティングを作製する上で有効であることが
明らかになっている。このような、薄膜やファイバの石
英ガラスは理想的な構造ではなく、たとえば酸素欠乏性
欠陥構造を含んでいる(7.6eV、5.0eV吸収帯が観測され
る)ため、本発明にあるように水素分子を含有させるよ
うな処理、すなわち還元処理を行ってしまうと、本発明
とは逆に構造欠陥を増加させてしまい、結果として紫外
線照射による緻密化が大きくなり、それに伴って、歪の
発生も大きくなっているものと推定される。
【0019】さらに、本発明の石英ガラスは含有金属不
純物(Mg,Ca,Ti,Cr,Fe,Ni,Cu,Zn,Co,Mn)濃度がそれぞ
れ50ppb以下という高純度とすると、前述の構造欠陥を
減らした効果と同様に理想に近い構造となり、さらに紫
外線照射による歪の発生を少なくすることが出来る。以
上のように、本発明のような理想に近い構造を持つ石英
ガラス、すなわち構造欠陥の無い石英ガラスにおいて
は、内部に水素分子を導入することにより紫外線照射に
よる歪の発生を抑制する効果が発揮される。本発明のよ
うな石英ガラスはエキシマレーザステッパの投影レンズ
のみならず照明系、エタロン等の紫外線精密光学素子に
有用である。
純物(Mg,Ca,Ti,Cr,Fe,Ni,Cu,Zn,Co,Mn)濃度がそれぞ
れ50ppb以下という高純度とすると、前述の構造欠陥を
減らした効果と同様に理想に近い構造となり、さらに紫
外線照射による歪の発生を少なくすることが出来る。以
上のように、本発明のような理想に近い構造を持つ石英
ガラス、すなわち構造欠陥の無い石英ガラスにおいて
は、内部に水素分子を導入することにより紫外線照射に
よる歪の発生を抑制する効果が発揮される。本発明のよ
うな石英ガラスはエキシマレーザステッパの投影レンズ
のみならず照明系、エタロン等の紫外線精密光学素子に
有用である。
【0020】
【実施例】高純度石英ガラスインゴットは、原料として
高純度の四塩化硅素を用い、石英ガラス製バーナにて酸
素ガス及び水素ガスを混合・燃焼させ、中心部から原料
ガスをキャリアガス(通常、酸素ガス)で希釈して噴出
させ、ターゲット上に堆積、溶融して合成した。このと
き、キャリアガスに水素ガスを用いてに合成した。得ら
れた石英ガラスインゴットから直径60mm、厚さ10mmの形
状を持つ、ArFエキシマレーザ照射用試験片を2つ切
り出し、厚さ方向の向かい合う2面に光学研磨を施し
た。この試験片の溶存水素分子濃度を測定した結果、1
×1018molecules/cm3であった。この試験片の一方を実
施例とした。次に、もう一つの試験片を真空加熱処理に
より脱水素を行った。処理温度は700℃で、処理時間は6
0時間とした。この試験片を比較例とした。比較例の水
素分子濃度は5×1016molecules/cm3以下であった。な
お、水素分子濃度の測定はレーザーラマン分光光度計に
より行った。Ar+レーザ(出力 800mW)を照射した時
に発生する試料と直角方向のラマン散乱光のうち、800c
m-1と4135cm-1の強度を測定し、その強度比をとること
により行った。また、両試験片のOH基濃度は共に約12
00ppmであった。OH基濃度は1.38μmの吸収量から算出
した。このようにして作成した実施例、比較例の試験片
に、ArFエキシマレーザ光をワンパルスエネルギー密
度:50mJ/cm2/pulse、繰り返し周波数:300Hz、ビーム
形状:0.5×0.5cm2で、試料中心部に照射を行い、歪量
の変化を測定した。なお、歪量は、He−Neレーザ
(波長633nm)を光源とした自動複屈折測定装置によっ
て、歪量の空間的な分布として測定した。この装置は、
歪んでいるガラスに一つの入射光がを通過したときに複
屈折という現象で発生した二つの屈折光の、光が単位長
さ通過したときの位相差(複屈折量)を測定し、部材の
領域内での複屈折量の空間的分布を測定する装置であ
る。通常、ガラスの歪量はこの複屈折量として定義され
る。
高純度の四塩化硅素を用い、石英ガラス製バーナにて酸
素ガス及び水素ガスを混合・燃焼させ、中心部から原料
ガスをキャリアガス(通常、酸素ガス)で希釈して噴出
させ、ターゲット上に堆積、溶融して合成した。このと
き、キャリアガスに水素ガスを用いてに合成した。得ら
れた石英ガラスインゴットから直径60mm、厚さ10mmの形
状を持つ、ArFエキシマレーザ照射用試験片を2つ切
り出し、厚さ方向の向かい合う2面に光学研磨を施し
た。この試験片の溶存水素分子濃度を測定した結果、1
×1018molecules/cm3であった。この試験片の一方を実
施例とした。次に、もう一つの試験片を真空加熱処理に
より脱水素を行った。処理温度は700℃で、処理時間は6
0時間とした。この試験片を比較例とした。比較例の水
素分子濃度は5×1016molecules/cm3以下であった。な
お、水素分子濃度の測定はレーザーラマン分光光度計に
より行った。Ar+レーザ(出力 800mW)を照射した時
に発生する試料と直角方向のラマン散乱光のうち、800c
m-1と4135cm-1の強度を測定し、その強度比をとること
により行った。また、両試験片のOH基濃度は共に約12
00ppmであった。OH基濃度は1.38μmの吸収量から算出
した。このようにして作成した実施例、比較例の試験片
に、ArFエキシマレーザ光をワンパルスエネルギー密
度:50mJ/cm2/pulse、繰り返し周波数:300Hz、ビーム
形状:0.5×0.5cm2で、試料中心部に照射を行い、歪量
の変化を測定した。なお、歪量は、He−Neレーザ
(波長633nm)を光源とした自動複屈折測定装置によっ
て、歪量の空間的な分布として測定した。この装置は、
歪んでいるガラスに一つの入射光がを通過したときに複
屈折という現象で発生した二つの屈折光の、光が単位長
さ通過したときの位相差(複屈折量)を測定し、部材の
領域内での複屈折量の空間的分布を測定する装置であ
る。通常、ガラスの歪量はこの複屈折量として定義され
る。
【0021】図1に、5×106パルス照射したのちに、試
験片に発生した歪量分布を示した。図1において、横軸
の−2.5mmから+2.5mmの範囲内が、ArFエキシマレー
ザ光の照射された部分であることを表している。図1に
示したように、エキシマレーザ照射で発生する歪は、照
射部と未照射部の境界付近に集中していることがわかっ
た。そこで、境界付近に発生した最大歪量の照射パルス
数に対する変化を図2に示した。なお、図2の横軸の、
例えば2E+06とは、2×106を意味している。
験片に発生した歪量分布を示した。図1において、横軸
の−2.5mmから+2.5mmの範囲内が、ArFエキシマレー
ザ光の照射された部分であることを表している。図1に
示したように、エキシマレーザ照射で発生する歪は、照
射部と未照射部の境界付近に集中していることがわかっ
た。そこで、境界付近に発生した最大歪量の照射パルス
数に対する変化を図2に示した。なお、図2の横軸の、
例えば2E+06とは、2×106を意味している。
【0022】図1、図2のように、水素分子が含有して
いる実施例の試料において、エキシマレーザ照射に伴う
歪の発生が抑制されていることが確認された。また、5
×106パルス照射後の屈折率上昇量は実施例の試験片で
約8nm/cm、比較例の試験片で約20nm/cmであることか
ら、実施例の試験片の屈折率上昇量は、ArFエキシマ
レーザステッパ投影レンズ材料の仕様である、「ArF
エキシマレーザ光を平均ワンパルスエネルギー密度:50
mJ/cm2/pulseで5×106パルス照射したのちに部材に発生
する最大歪量が10nm/cm以下であること」を満たしてい
ることがわかった。
いる実施例の試料において、エキシマレーザ照射に伴う
歪の発生が抑制されていることが確認された。また、5
×106パルス照射後の屈折率上昇量は実施例の試験片で
約8nm/cm、比較例の試験片で約20nm/cmであることか
ら、実施例の試験片の屈折率上昇量は、ArFエキシマ
レーザステッパ投影レンズ材料の仕様である、「ArF
エキシマレーザ光を平均ワンパルスエネルギー密度:50
mJ/cm2/pulseで5×106パルス照射したのちに部材に発生
する最大歪量が10nm/cm以下であること」を満たしてい
ることがわかった。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、紫外線照射による歪の
発生を抑制して、短波長でかつ高出力の紫外線やエキシ
マレーザ光を長期間照射によってもレンズの結像性能劣
化させない石英ガラス光学部材を提供することが可能に
なった。
発生を抑制して、短波長でかつ高出力の紫外線やエキシ
マレーザ光を長期間照射によってもレンズの結像性能劣
化させない石英ガラス光学部材を提供することが可能に
なった。
【図1】 ArFエキシマレーザ照射によって部材に発
生した歪量分布を示した図である。
生した歪量分布を示した図である。
【図2】 ArFエキシマレーザ照射によって部材に発
生した最大歪量の、パルス数に対する変化を示した図で
ある。
生した最大歪量の、パルス数に対する変化を示した図で
ある。
Claims (7)
- 【請求項1】ArFエキシマレーザを平均ワンパルスエ
ネルギー密度50mJ/cm2で5×106パルス照射した後に発生
する、波長633nmにおける最大歪量が10nm/cm以下である
ことを特徴とする石英ガラス光学部材。 - 【請求項2】請求項1に記載の石英ガラス光学部材にお
いて、 ArFエキシマレーザをワンパルスエネルギー密度50mJ
/cm2で、部材の特定領域にスポット状に5×106パルス照
射した場合に、照射した部分と照射していない部分との
境界付近に発生する、波長633nmにおける最大歪量が10n
m/cm以下であることを特徴とする石英ガラス光学部材。 - 【請求項3】請求項1の石英ガラス光学部材において、 ArFエキシマレーザのワンパルスエネルギー密度に空
間的な分布が存在し、照射領域内での平均ワンパルスエ
ネルギー密度が50mJ/cm2で5×106パルス照射した後に発
生する、波長633nmにおける最大歪量が10nm/cm以下であ
ることを特徴とする石英ガラス光学部材。 - 【請求項4】請求項1または2または3に記載の石英ガ
ラス光学部材において、 水素分子を1×1017molecules/cm3以上含有することを
特徴とする石英ガラス光学部材。 - 【請求項5】前記石英ガラス光学部材が、 ケイ素化合物を酸素水素火炎で加水分解し、生じた石英
ガラススートをターゲット上に堆積、溶融して形成した
石英ガラスインゴットより切り出された石英ガラスから
なることを特徴とする石英ガラス光学部材。 - 【請求項6】酸素水素火炎における酸素水素ガス比率が
0.2≦O2/H2≦0.5であることを特徴とする請求項5に記
載の石英ガラス光学部材。 - 【請求項7】請求項1または2または3に記載の石英ガ
ラス光学部材が、高圧水素雰囲気で熱処理された石英ガ
ラスからなることを特徴とする石英ガラス光学部材。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7164040A JPH0912324A (ja) | 1995-06-29 | 1995-06-29 | 紫外線照射による歪が抑制された石英ガラス部材 |
| US08/582,266 US5707908A (en) | 1995-01-06 | 1996-01-03 | Silica glass |
| KR1019960000916A KR100382776B1 (ko) | 1995-01-06 | 1996-01-05 | 석영유리,그것을함유하는광학부재및그의제조방법 |
| EP96100118A EP0720969B1 (en) | 1995-01-06 | 1996-01-05 | Silica glass, optical member including the same, and method for producing the same |
| DE69600216T DE69600216T2 (de) | 1995-01-06 | 1996-01-05 | Silicaglas, optisches Element damit und Verfahren zu dessen Herstellung |
| US08/927,630 US5908482A (en) | 1995-01-06 | 1997-09-11 | Method for producing a silica glass |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7164040A JPH0912324A (ja) | 1995-06-29 | 1995-06-29 | 紫外線照射による歪が抑制された石英ガラス部材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0912324A true JPH0912324A (ja) | 1997-01-14 |
Family
ID=15785667
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7164040A Pending JPH0912324A (ja) | 1995-01-06 | 1995-06-29 | 紫外線照射による歪が抑制された石英ガラス部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0912324A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2005031821A1 (ja) * | 2003-09-29 | 2005-04-07 | Nikon Corporation | 光学系、露光装置、およびそれらの製造方法 |
-
1995
- 1995-06-29 JP JP7164040A patent/JPH0912324A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2005031821A1 (ja) * | 2003-09-29 | 2005-04-07 | Nikon Corporation | 光学系、露光装置、およびそれらの製造方法 |
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