JPH09123322A - スチレン系積層シ−ト及びその成形体 - Google Patents

スチレン系積層シ−ト及びその成形体

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JPH09123322A
JPH09123322A JP7288607A JP28860795A JPH09123322A JP H09123322 A JPH09123322 A JP H09123322A JP 7288607 A JP7288607 A JP 7288607A JP 28860795 A JP28860795 A JP 28860795A JP H09123322 A JPH09123322 A JP H09123322A
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film
styrene
molding
laminated sheet
thickness
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JP7288607A
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Mizuho Matsubara
瑞穂 松原
Kiyoshi Shimamura
喜代司 島村
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 成形性に適したスチレン系フィルムと発泡ポ
リスチレンシートとの積層シート。 【解決手段】 発泡ポリスチレンシートの少なくとも片
面にスチレン系フィルムを積層してなる積層シートに於
いて、発泡ポリスチレンシートは厚みが0.8〜3.5
mmであり、スチレン系フィルムは、下記樹脂(A)と
(B)を必須とする樹脂組成物よりなる少なくとも1方
向に延伸されたフィルムである。 (A)ビニル芳香族炭化水素より選ばれる少なくとも1
種の単量体を主成分とするスチレン系重合体10〜90
重量% (B)ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸
エステルとの共重合体で、ビニル芳香族炭化水素の含有
量が60〜95重量%よりなる共重合体90〜10重量

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空成形、圧空成
形などの成形で、軽量食品包装やその他の物品の包装な
どに用いられる積層シート及びその成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリスチレン系の成形用積層シー
トには、図1に示すポリスチレンのフィルム1と発泡ポ
リスチレンのシート3(以下PSPと表現する)との積
層シート5や、図2に示すPSP3とポリスチレンのフ
ィルム1の中間層にハイインパクトポリスチレン(以下
HIPSと表現する)の接着樹脂層4を配した積層シー
ト5などが知られている。これらの積層シート5は、少
なくとも1層のシートと少なくとも1層のフィルムが積
層されたもので、シート層には、成形容器の形状と強度
を保持するために比較的厚手の剛性を有する材料が使わ
れており、フィルム1には、フィルム裏面に印刷を施し
て、表面から見て美しい印刷容器に仕上げるために透明
性、及び光沢の良い材料で、且つ容器の表面強度を補強
して容器の耐久性を高める材料が使用されている。
【0003】これらの積層シートの構成は、成形容器の
用途によって適宜選択使用されるが、断熱性(保温、保
冷)や緩衝性を利用する容器にはシート層に主としてP
SPが使われるなどして容器の要求機能を満足させてい
る。素材は各種あるが、剛性、強度、価格で優れるポリ
スチレン系樹脂が多く使われており、それに積層するフ
ィルムも加工やリサイクルの面で有利な同系のスチレン
系樹脂フィルムが選ばれている。
【0004】フィルム1の透明性と光沢は、容器の印刷
仕上がりを美しくするのに必須の要件であり、PS単独
重合体が最も適しているのであるが、脆い性質があるの
で、脆さをカバーするために、通常延伸して配向させる
方法が知られている。こうして得られたフィルムは延伸
フィルム(またはOPSフィルム)と呼ばれ、透明性、
光沢、強度、及び印刷性に優れるが、高度に配向してい
ること及びPS単独重合体からなるために、成形時の温
度におけるフィルムの伸びが小さいので積層シート5に
した場合に、簡単な浅絞り成形品は出来ても深絞り品で
は成形時にフィルム切れが発生したり、四角型の比較的
Rの小さいコーナーを有する成形品においては、金型通
りにコーナーが出難いなど必ずしも十分でない不都合が
起きている。そこで延伸配向しない他の方法、例えば一
般的に知られているPSに多量のゴム成分を配合するな
どの方法で得たフィルムは、タフネスもあり成形時の温
度での伸びが大きいので成形性が良好で特に深絞りがで
きることが知られている。しかし多量のゴム成分の配合
が光学特性を著しく損なうので、該フィルムを積層して
成形した容器は、透明性及び光沢が不十分で美しい印刷
容器に仕上げるのは困難となっているのが現状である。
またフィルムの剛性(腰)が失われて印刷加工時の適性
が低下することも起きている。
【0005】例えば、特公昭63−27072号公報に
は、PSPとポリスチレン(以下PSと略す)フィルム
を積層したシートの記載があり、PSにHIPSを同量
以上混ぜているのでフィルムは透明性が不十分で光沢が
悪く、綺麗な印刷容器は得られ難い。また、特公平2−
16690号公報では、PSP基材樹脂にゴム成分(ブ
タジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等)を配合し
てシート層の成形性を改良して、フィルム層には耐衝撃
性ポリスチレン(HIPS)やポリスチレンとゴムとの
混合物を使い、シート層並みの伸び易さを与えて、深絞
り成形性を向上させている。さらに、特公平5−548
10号公報には、3層構造の積層シートの加熱成形方法
が開示してあるが、発泡層やフィルム層はPS系とポリ
オレフィン系の混合樹脂の使用で、剛性や伸びの改良を
図っているが、異質で屈折率も異なる樹脂を混ぜたフィ
ルムの透明性や光沢は必ずしも良くない。特開昭63−
227338号公報には、スチレン系延伸シートと複合
するフィルムの樹脂はスチレンとスチレンーブタジエン
ブロック共重合体の混合物を使用することも開示されて
いる。このようにゴム成分を利用する例は多いが、成形
性は改善し得ても一方では透明性、光沢及び剛性につい
ては問題を残している。
【0006】さらに、ゴム成分を利用すると、別の大き
な問題があることも知られている。すなわち、ゴム成分
は熱酸化劣化しやすい性質から、分解してゲルなどを発
生させるので、フィルムの品質や外観を悪化したり、印
刷性を低下したり、製造設備を汚したりするなど問題が
あり、量を多く入れられない制約がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
課題を鋭意検討した結果、スチレン系フイルムとしてビ
ニル芳香族炭化水素より選ばれる少なくとも1種の単量
体からなる重合体とビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽
和カルボン酸エステルとの共重合体を特定の比率で混合
した樹脂組成物を用いることにより、PSPと相溶性が
良く、分離リサイクルを必要とせず、ゲルなどによる品
質悪化がなく、透明性、光沢、剛性に優れ、PSP成形
時の温度における伸びが大きく、同温度における見掛け
の引張弾性率が小さい印刷用フイルムが得られ、且つ成
形時にPSPの変形抵抗とならない該印刷用フィルムを
積層することによって深絞り成形品においても熱成形時
にフィルム切れの発生がなく、しかも型決まり性に優れ
た良好な成形性を有するスチレン系積層シートとその成
形体を提供できることを見出した。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
発明は、発泡ポリスチレンシートの少なくとも片面にス
チレン系フィルムを積層してなる積層シートに於いて、
該発泡ポリスチレンシートは厚みが0.8〜3.5mm
であり、該スチレン系フィルムは下記樹脂(A)と
(B)を必須とする樹脂組成物よりなる少なくとも1方
向に延伸されたフィルムで、ASTM−D882に準じ
て温度120℃で測定した見掛けの引張弾性率が0.0
5〜1.00kg/mm2、引張伸度が100%以上で
あり、温度23℃で測定した引張弾性率が230〜28
0kg/mm2であり、熱風循環式オーブンでの80
℃、10分加熱時の縦横の熱収縮率が共に−5〜5%で
あり、且つその厚みが10〜80μmであることを特徴
とするスチレン系積層シートであり、 (A)ビニル芳香族炭化水素より選ばれる少なくとも1
種の単量体を主成分とするスチレン系重合体10〜90
重量% (B)ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸
エステルとの共重合体で、ビニル芳香族炭化水素の含有
量が60〜95重量%よりなる共重合体90〜10重量
% そして第2発明は、上記スチレン系積層シートからなる
成形体である。
【0009】以下に本発明の内容を説明するにあたり、
まず第1発明と第2発明の共通点、及び共通する発明の
背景を説明する。第1発明と第2発明が共通して従来技
術と相違する点は、以下(イ)〜(ホ)の組合せにあ
る。 (イ)本発明のスチレン系フィルムは、下記の(A)と
(B)を必須とする樹脂よりなるもので、(A)が10
〜90重量%、(B)が90〜10重量%の組成物より
なり、少なくとも1方向に延伸されていること。
【0010】(A)は、ビニル芳香族炭化水素より選ば
れる少なくとも1種の単量体を主成分とするスチレン系
重合体であること。(B)は、ビニル芳香族炭化水素と
脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの共重合体で、ビニ
ル芳香族炭化水素の含有量が60〜95重量%よりなる
こと。
【0011】(ロ)本発明のスチレン系フィルムは、温
度120℃において見掛けの引張弾性率が0.05〜
1.00kg/mm2 であること。 (ハ)本発明のスチレン系フィルムは、温度120℃に
おいて引張伸度が100%以上であること。 (ニ)本発明のスチレン系フィルムは、温度23℃にお
いて引張弾性率が230〜280kg/mm2 であるこ
と。
【0012】(ホ)本発明のスチレン系フィルムは、温
度80℃において熱収縮率が縦横共に−5〜5%である
こと。 まず、(イ)のスチレン系フィルムが(A)と(B)の
上記組成比からなることの意味は3つある。すなわち、
第1にシート層のPSPと相溶性が良いこと、第2に
(A)と(B)の相溶性が良いのでフィルムの透明性と
光沢に優れること、第3にフィルム加工時にゲルになり
易い熱可塑性ゴムを含有しないので、ゲル化の心配が全
くないことであり、これら3つの意味により印刷を美し
く仕上げる効果がうまれる。
【0013】(ロ)の見掛けの引張弾性率が0.05〜
1.00kg/mm2 であることの意味は、型決まりを
整えるためで、下限域は金型の表面凹凸の転写が多くな
り美感を損なうし、上限域はコーナー部が丸まることが
多くなる。(ハ)引張伸度が100%以上であることの
意味は、良好な成形性を得る領域を表わすもので、下限
域は成形時のフィルム切れの発生が多くなることを意味
している。
【0014】(ニ)引張弾性率が230〜280kg/
mm2 であることの意味は、印刷加工時のフィルムの走
行適性と印刷適性を確保するもので、下限域は軟らかく
て腰がなくなるし、上限域は腰が強すぎて機械調整が困
難となり印刷見当ズレを招く。また、適切なフィルムの
腰が成形品の強度を上げるのにも効果があることを意味
している。
【0015】(ホ)の熱収縮率が縦横共に−5〜5%で
ある意味は、ラミネートする時のフィルムの仕上がりを
良くするためで、下限、上限を外すとフィルムのシワが
多発することを意味している。さらに(イ)〜(ホ)を
具体的に説明する。まず、(イ)の要件である(A)と
(B)からなる樹脂組成は、(1)PSPとの相溶性が
良い、(2)透明、光沢が良い、(3)ゲルの発生がな
い、の3つの特性を満足させるための重要な要件で、
(A)スチレン系重合体及び(B)ビニル芳香族炭化水
素と脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの共重合体から
なるフィルムは、樹脂自体の透明性と光沢が特に優れて
いること、及び該樹脂組成はポリスチレン単独重合体と
比べて改良されたタフネスを有するものであり、透明性
等を阻害するゴム成分を多量配合する必要がない。ま
た、該樹脂組成物からなるフィルムであるので、透明不
良、光沢不良、ゲル発生の心配が全くない優れたフィル
ムが提供できる。したがって、ゲルがもとで表面平滑性
を喪失することもなく優れた印刷性が確保でき、ゲルに
よる生産設備の汚れ、生産効率の低下が完全に解消出来
たのである。
【0016】スチレン系重合体(A)とビニル芳香族炭
化水素と脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの共重合体
(B)の混合重量比は、10/90〜90/10であ
る。スチレン系重合体(A)が、10重量%未満では成
形性に支障はないが、成形後のフィルムに外観しわがで
る(金型離れが悪くなり表面に凹凸を生じる)ので支障
がある。また、90重量%を超すとフィルムの伸びが極
端に悪くなり、成形品にフィルム切れが見られたり、型
決まり不良が多く発生するようになる。また、ビニル芳
香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの共
重合体(B)におけるビニル芳香族炭化水素の含有量
が、60〜95重量%の範囲にあることは良い成形品を
仕上げる上で重要なことで、この範囲を外すとフィルム
の成膜性が悪化したり、ラミネート時に不具合が発生す
る。例えば60重量%未満では、軟化温度が低すぎてフ
ィルムの剛性不足やブロッキング現象が発生し、95重
量%を超すと軟化温度が高温側へシフトするのでフィル
ムの伸びが著しく悪くなる。
【0017】また、該フィルムが少なくとも1方向に延
伸されることは、フィルムの平面性と強度を高めるもの
で、このことは印刷加工等でのフィルム切れや印刷不良
を防止するのに特に役立っている。また、(ロ)の要件
であるフィルムの見掛けの引張弾性率は、成形における
型決まりに重要な特性であり、適度な弾性(腰)を具備
せしめて成形金型に沿った成形を為さしめることを満足
させている。0.05g/mm2 未満では、軟らか過ぎ
て型の凹凸を拾って表面荒れの発生が起こり、1.00
kg/mm2 を超すと金型のコーナー部が丸まって所謂
型決まり不良が起きる。
【0018】つぎに、(ハ)の要件であるフィルムの引
張伸度は、成形性を満足させるための重要な要件で、成
形時の加熱温度でのフィルムの伸びが100%以上でな
いと積層シートとして良好な成形品が得られない。従来
の延伸透明フィルムの伸びは70%程度、透明を損なわ
せない範囲で少量のゴム(ブタジエン換算で4%)を入
れた延伸透明フィルムは90%程度なので、この程度の
伸び率では浅絞りの容器しか成形出来ず、形状の複雑な
深絞り容器は成形出来ない不都合がある。100%未満
ではフィルム切れが多発する。
【0019】さらに、(ニ)の要件である引張弾性率
は、印刷加工時の機械適性を確保するためにフィルムの
腰を強くする狙いと、成形した容器の強度と腰を与える
狙いがある。230kg/mm2 未満では、軟らか過ぎ
て印刷加工時の走行性不良やインキの見当ズレが多発し
たり、成形容器の補強効果も期待出来なくなる。280
kg/mm2 超では、腰が強すぎて印刷時の張力機械調
整が難しくて見当ズレを起こす。
【0020】最後に、(ホ)の要件である熱収縮率は、
ラミネート適性と仕上がり性を考慮しており、熱接着時
のフィルムの膨張、収縮を回避して、シワの発生を防止
する狙いがある。−5%未満は膨張が、5%超では収縮
がそれぞれ大きくなりシワが発生し易い。本発明は上記
(イ)〜(ホ)の5つの要件の組み合わせることによ
り、透明性、印刷性、ラミネート性、成形性等の実用上
有用な特性を満足させることが出来たのである。
【0021】本発明のスチレン系重合体(A)に使用さ
れるビニル芳香族炭化水素は、主としてスチレン、α−
アルキル置換スチレン類、核ハロゲン置換スチレン類等
が挙げられる。該成分等からなるスチレン系重合体の代
表的なものには、ポリスチレン樹脂(GPPS)等があ
る。これらの樹脂に、別の目的(フィルムの伸び付与等
ではなく、フィルムのブロッキング防止等)でゴムをグ
ラフトしたHIPSや、ブタジエンとスチレンのブロッ
ク共重合体(SBBC)等を、透明性を損なわない量の
範囲(全樹脂の約10%以下)でなら配合しても支障な
い。
【0022】本発明に使用されるビニル芳香族炭化水素
と脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの共重合体(B)
でのビニル芳香族炭化水素は、主としてスチレン、α−
メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレン類、核
ハロゲン置換スチレン類、核アルキル置換スチレン類な
どから目的に応じて少なくとも1種選べばよい。また、
脂肪族不飽和カルボン酸エステルは、主として(メタ)
アクリル酸エステル誘導体、具体的には(メタ)アクリ
ル酸メチル、エチル、プロピル、ブチル・・・等のアル
キルアルコール(C1〜C12)とのエステル類、アル
キレンオキサイドとのエステル類、脂環式アルコールと
のエステル類等が挙げられ、これらの内から少なくとも
1種が選択される。
【0023】本発明に用いる共重合体(B)は、特公平
3−12535号公報、特公平3−18813号公報、
特公平3−18814号公報、特開平4−57845号
公報、特開平4−59833号公報、特開平4−638
38号公報、特開平4−63839号公報、特開平7−
82387号公報、及び特公昭62−25701号公報
に記載の公知の樹脂もその他の物性が満足される範囲内
にあれば、使用可能である。
【0024】本発明に用いる共重合体(B)としては、
スチレンとアクリル酸ブチルとの共重合体、或いはスチ
レンとアクリル酸エチルとの共重合体等が、これらの単
量体の入手し易さ及びコストの優位性等の理由により好
ましく、また係る共重合(B)としては、一般的なラジ
カル開始剤で重合された共重合体の他に、例えば特開平
4−149211号公報及び特開平4−149212号
公報に開示されている特殊多官能性ラジカル開始剤によ
る共重合体も好ましい。
【0025】本発明に使用するスチレン系重合体(A)
と共重合体(B)の樹脂組成の混合方法は、通常知られ
ている方法としてドライブレンド、混練りなどの方法で
も利用できる。本発明に使用する発泡ポリスチレンシー
トは、一般名でPSP(ポリスチレンペーパー)で知ら
れる3〜15倍程度(密度で0.35〜0.06g/m
l程度)の比較的低発泡倍率の市販されているもので良
い。厚みは用途により0.8〜3.5mmの範囲から選
ばれる。0.8mm未満では成形容器の構造強度が不足
し、3.5mm超では分厚くなりフィルムの効果が著し
く減少するばかりでなく成形適性が悪くなる。また、P
SPの発泡密度が0.35g/ml未満では発泡シート
としての特徴が発現し難いし、0.06g/ml超では
成形時に二次発泡が酷くなるので良い成形体が得にくく
なる。
【0026】該発泡ポリスチレンシート用の樹脂は主と
してポリスチレンがあるが、ポリスチレンに少量のゴム
成分を含む耐衝撃性ポリスチレンも使用でき、これらの
重合体は目的に応じて1種用いても良いし2種以上組合
せても良い。該発泡ポリスチレンシートの製造法は、一
般に知られる押出発泡による方法でも、発泡性シートを
後加熱して発泡させる方法でもつくられるが、生産性と
経済性からTダイで押出発泡する方法がよく利用され
る。
【0027】本発明で使用するスチレン系フィルムの製
造方法としては、公知の一般的な製造法でよく、押出イ
ンフレーション成膜法、テンターによる押出逐次2軸延
伸成膜法などが工業的によく使われる方法で、少なくと
も1方向に延伸するものである。少なくとも1方向に延
伸する理由は、第1はフィルムの平面性(偏肉低減、表
面凹凸荒れの解消)を良くすること、第2はフィルムの
強度をアップすることを狙いとするもので、これらの改
良によって、本発明で不可欠な印刷と積層の2つの加工
適性の飛躍的向上を図れるのである。すなわち、延伸し
たフィルムは、ラミネート加工でのフィルム切れ防止と
フィルムシワ防止(平滑フィルムはシワが出ない)に役
立ち、印刷加工ではその仕上がり(インキの見当ズレ防
止、インキの塗布ムラ防止)が良くなり、生産性の向上
(フィルムの安定走行、フィルム切れ防止)に役立つの
である。
【0028】このフィルムの厚みは、10〜80μmの
ものを使用しなければならない。10μm未満だと薄す
ぎて印刷や積層などの加工中に切れることが多くなる。
80μmを超えると設備の熱容量が追随せず、積層スピ
ードが低下せざるを得なかったり、経済性も悪くなるな
どの理由で使われない。20〜40μmが、加工スピー
ドや経済性及び加工適性等から好ましい。
【0029】また、延伸されたフィルムは、透明性と光
沢が良いことが本発明に重要で、透明性の測定は、AS
TM−D1003に準拠したヘイズ測定法での測定値が
3.0%以下が好ましく、光沢の測定は、ASTM−D
2457に準拠したグロス測定法での測定値が140%
以上が好ましい。ヘイズ値が3.0%を超えるとフィル
ムの透明性の悪化が見られ、印刷しても鮮明にならない
ので好ましくない。またグロス値が140%未満では、
フィルムの光沢が悪くなり、成形容器になってもフィル
ム表面の艶がなくなる。
【0030】本発明において積層シートを製造する方法
は、一般的に知られている加熱によるラミネートの方法
ならいずれの方法でも構わない。代表的な積層(ラミネ
ート)方法には、熱ロールで圧着する熱ラミネート法
(熱ラミ法)、PSPの押出ラミネート法(押出ラミ
法)、シートとフィルムの間にHIPS樹脂を溶融押出
して積層する押出サンドラミネート法(通称サンドラミ
法)等が知られている。
【0031】熱ラミ法はスチレン系同士なので接着剤の
使用がない経済的利点があるが、PSPと積層するとP
SPの表面の凹凸がフィルム面にも現われるので表面が
荒れて見栄えは良くない。サンドラミ法はその表面荒れ
がなくなるので、表面は平滑で光沢が美しく、その分コ
スト高になるが、高級感を要求される容器などには良く
利用されている。サンドラミ法用のHIPS樹脂は、一
般の耐衝撃性ポリスチレンなら単独でも他の樹脂との混
合物でも使用出来る。HIPS樹脂は、ゴム状重合体を
分散粒子として含有するゴム変性スチレン系重合体で、
分散粒子径2〜10μmでかつ架橋度65%以上の架橋
型グラフトゴム変性スチレン系重合体が使用されてるが
特に制限はない。
【0032】このように積層方法は使用目的により選択
されるが、生産性と経済性などの理由で前述の方法が一
般に広く利用されている。これ以外の他の方法を利用し
ても差支えない。本発明においてフィルムに印刷する方
法は、スチレン系フィルム用の印刷インキで一般的に知
られる方法ならどんな方法でも良い。例えば、クラビア
印刷、フレキソ印刷などの多色印刷等がよく用いられ
る。この場合メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチ
ルなどのポリスチレンへの強溶媒を多量使用すると、フ
ィルムが脆くなったり、強度が低下したり、伸びなくな
ったりするので、例えばイソプロピルアルコール、メタ
ノール等の貧溶媒を併用してフィルム特性を保持するこ
とが知られている。
【0033】本発明の積層シートからなる成形体は、透
明性、光沢に優れ、深絞りの成形品や型決まりの良い成
形体であり、したがって成形サイクルや成形コストに優
れるものである。本発明に用いたフィルム物性測定方法
の具体的内容は次の(1)〜(6)に、また使用樹脂の
参考物性の測定方法は(7)〜(9)にそれぞれ示す。
【0034】(1)見掛けの引張弾性率:ASTM−D
882に準拠する。温度120℃のオーブンで測定し、
図3に示した、応力ー歪み曲線の50%伸び時の応力Y
(kg)と初期応力Y’(kg)、及び試料の初期断面
積a(mm2)から次式に基づいて見掛けの引張弾性率
を算出し、測定値をkg/mm2で表示する。サンプル
サイズは長さ5cm(チャック間距離)、幅10mm、
引張速度50mm/分、加熱時間2分。
【0035】見掛けの引張弾性率={(Y−Y’)×
(100÷50)}÷a (2)引張伸度:ASTM−D882に準拠する。温度
120℃のオーブン中で測定したサンプルの伸び率%で
表示する。もとの長さとはチャック間距離の5cm、幅
は10mm。引張速度50mm/分、加熱時間2分。
【0036】伸び率%={(破断する迄の長さ−もとの
長さ)÷もとの長さ}×100 (3)引張弾性率:ASTM−D882に準拠する。温
度23℃で測定し応力ー歪み曲線の2%伸び時の応力y
(kg)及び試料の初期断面積a(mm2 )から次式に
基づいて引張弾性率を算出し、測定値をkg/mm2
表示する。
【0037】 引張弾性率={y×(100÷2)}÷a (4)熱収縮率:熱風循環式オーブンで80℃、10分
加熱して直ちに23℃の雰囲気中に5分間おいてからサ
ンプルの寸法を縦横それぞれに測定する。 熱収縮率%={(加熱後の長さ−もとの長さ)÷もとの
長さ}×100 もとの長さは、縦100mm、横100mmの正方形。
【0038】(5)ヘイズ:ASTM−D1003に準
拠したヘイズ測定法で%で表示。 (6)グロス:ASTM−D2457に準拠する。入射
反射角は45度。 (7)ビカット軟化温度:ASTM−D1525に準拠
する。荷重1kg、昇温速度2℃/分で測定し、℃で表
示する。
【0039】(8)MFR(メルトフローレイト):A
STM−D1238のG条件(200℃、5kg)で測
定し、g/10分で表示する。 (9)溶融粘度:溶質10重量%のトルエン中で25℃
でのキャノン・フェンス粘度管No.200で測定し、
cpsで表示。分子量の指標になる。
【0040】さらに、本発明に用いたフイルムの評価方
法及び評価尺度は次の通りである。尺度に用いた記号は
次のように判断するものである。 ◎: 最も良いレベル。特に品質的に優れている。 ○: 実用上良好なレベル。 △: 実用上少し問題が発生するレベル。
【0041】×: 実用上問題が残るレベル。 (a)フィルムのゲル数:サイズ0.5m×2.0mの
フィルムの中に、偏向板で見られる大きさ0.2mmφ
以上のゲル、分解物、異物の数を測定する(n=3)。 ◎: 0〜15個 ○: 16〜30個 △: 31〜60個 ×: 61個以上 (b)印刷適性:グラビアロール印刷機(ロール幅80
cm、ロール径10cm、スピード80m/分)を使用
し、幅64cmのテスト用フィルムを3つのグラビアロ
ール版(版深38μm、22μm、6μm、いずれも1
75線/インチの3種類)で3色印刷する。印刷インキ
は、サカタインクス(株)製のグラビアインキXGS−
820藍800、XGS−810白120、XGS−8
20墨1000を使用した。印刷適性の評価は次の4項
目(インキ跳び、外観の見栄え、見当ズレ、フィルム走
行性)について行ない、下記の評価尺度で示した。な
お、印刷適性は4項目の総合評価で判定する。
【0042】・インキ跳び:0.8mmφ以上の大きい
インキ跳びが10m2 中に何個あるか計測するもので、
フィルム中のゲルや分解物などの異物が少ないほど印刷
性が良いことを表わしている。 ◎: 20個以下 ○: 21〜40個 △: 41〜100個 ×: 101個以上 ・外観の見栄え:フィルム面を透してみた印刷の綺麗さ
を観察するもので、フィルムが不透明であったり光沢が
ないと見栄えは悪くなる ◎: 透明光沢ともに優れ綺麗に仕上がっている ○: 透明光沢がやや気になるが、綺麗である △: くすんで見える ×: 全く悪い ・見当ズレ:フィルムの伸びムラや蛇行などで印刷の図
柄がどれだけ合っているかを判定するもので、フィルム
の特性(厚みムラ、軟らかさ、腰等)の善し悪しが判
る。
【0043】 ◎: 見当ズレが全くない ○: 多少のズレはあるが、実用上支障ないレベル。設
備調整で直る △: 見当ズレが目立ち、設備調整では直せない ×: 縦横の見当ズレがひどく調整がきかない ・フィルム走行性:1,000m走行させて、フィルム
の切れや蛇行などの印刷適性の機械的特性を判定するも
ので、フィルムの特性(剛性、偏肉、強伸度等)の善し
悪しが判る。
【0044】 ◎: フィルム切れや蛇行が全くない ○: フィルム切れはなく、少し蛇行しているが実用上
支障ない △: 1〜2回フィルム切れがある。蛇行もある ×: 3回以上フィルム切れがある。蛇行もある ・印刷適性総合評価:上記4項目の判定を下記の基準で
定める。
【0045】 ◎: ◎が3〜4個ある 合格レベル ○: ◎が1〜2個ある(△、×は無し) 合格レベル △: △が1〜4個ある(×は無し) 不合格レベル ×: ×が1〜4個ある 不合格レベル (c)ラミネート適性:ラミネートするときフィルムの
偏肉や収縮が引起こすシワは、仕上がり性を悪くするの
で少ないほど良い。また、フィルム切れ、フィルム蛇
行、フィルムの溶融などは無いのが良い。シワの判定は
ラミネートシートの幅63cm、長さ5mの大きさの中
に、肉眼で観察されるシワの数で表わす。
【0046】 ◎: シワ無し ○: シワ1本 △: シワ2〜5本、フィルム切れ、蛇行あり、ラミ調
整し難い ×: シワ6本以上、フィルム切れ、蛇行あり、フィル
ム溶融あり (d)成形適性範囲(フィルム切れ、シワ、二次発泡の
出ない領域):真空成形機(シート幅630mm、加熱
ゾーン2ゾーン、遠赤外線ヒーター輻射加熱方式)で、
図4に平面図で示した成形性評価用金型(絞り比が0.
1、0.2、0.3、0.4、0.5、容器胴部の角度
θが10、20、30度の各金型)を用い、真空成形試
験(プラグアシスト無し)し、成形温度範囲を4水準と
り(押出サンドラミネートのときは230、240、2
50、260℃、熱ラミネート及び両面熱ラミネートの
ときは200、210、220、230℃)、成形時間
5秒/1ゾーンで成形を行なったときのフィルム切れ、
成形シワ、及びPSPの二次発泡が見られない型決まり
の良い成形容器が得られる範囲の広さを判断する。
【0047】成形試験は1条件につき、n=4ショット
を成形し、その平均値(広さ)で表示する。なお、図5
〜6は、図4(成形性評価用金型の平面図)でのA−
A’及びB−B’切断線での断面図をそれぞれ示したも
のであり、上記の絞り比は図5〜6に記載のLh/Lm
で示され、また容器胴部の角度はθで示される。また、
図7は成形範囲を示す説明図である。すなわち、上記絞
り比と加熱ヒータ設定温度との関係をとったとき、フィ
ルム切れ、成形シワ、及びPSPの二次発泡が見られな
い型決まりの良い成形容器が得られる範囲を示すもの
で、この範囲を升目区画7の数で表わしており、升目区
画数が多いほど成形範囲は広いことを意味する。升目区
画数は、容器胴部の角度θが10、20、30度の3種
類の合計で表わす。
【0048】 ◎:成形温度・成形時間・深絞りいずれも広く最良であ
る。区画数50〜60 ○:成形は良好であるが、成形範囲が適度な範囲。区画
数40〜49 △:成形適性範囲がやや狭くて成形しにくい。区画数2
4〜39 ×:フィルム切れ、二次発泡などで適性範囲が狭い。区
画数0〜23 (e)深絞り性:上記の成形試験法で、最適条件(温
度、時間)で得られる良好成形品の最大絞り比で表現す
るもので、最大どこまで深く絞れるかを見る目安にす
る。絞り比は図5から次式によって算出した値とする。
【0049】絞り比=型の深さLh÷型の長辺の長さL
m ◎: 0.5 ○: 0.4 △: 0.3 ×: 0.2以下 (f)型決まり性:成形型に対する成形型決まりの度合
いを表わすもので、上記の成形試験で得た容器の特に厳
しい底部分を肉眼観察する。対象サンプルは最も良い成
形品を選んで調べる。
【0050】 ◎: 型通りに成形されていて、金型表面の凹凸を転写
してない ○: ほぼ型通りに成形されている △: 甘い成形になっている。あるいは金型表面の凹凸
が見られる ×: 型通りにならない (g)成形品の偏肉:成形によってフィルム層が、コー
ナー部において成形前の元厚みに対して最大どこまで薄
くなったかを比率で表現するもので、比率が大きいとフ
ィルムが局部的に伸びて偏肉が大きいことを示し、全体
が満遍なく伸びるのが良い。 ◎: 0.31以上 ○: 0.26〜0.30 △: 0.21〜0.25 ×: 0.2以下 (h)成形品のフィルム切れ:上記の成形試験で得た容
器の外観検査で、フィルム切れの状況を表現する。フィ
ルム切れが無いか少ないのが良い。温度4水準×絞り比
5水準=20個中フィルム切れが何個あるかを示す。
【0051】 ◎: 0個 ○: 1個 △: 2〜5個 ×: 6個以上 (i)成形温度範囲:上記の成形試験で、絞り比が0.
3以上成形できる温度領域がどれだけ広いかを温度範囲
域(幅)で表現する。温度範囲の広いほど成形温度の調
整が楽になり、成形性が良いこと及び成形不良が少ない
ことを意味する。
【0052】 ◎: 30℃以上の幅がある ○: 20℃の幅がある △: 10℃の幅がある ×: ほとんど幅がない (j)成形適性の総合評価:上記(c)〜(h)の6項
目の総合判定を下記の基準で定める。
【0053】 ◎: ◎が4〜6個ある(△、×は無し) 合格レベル ○: ◎が2〜3個ある(△、×は無し) 合格レベル △: △が1〜6個ある(×は無し) 不合格レベル ×: ×が1〜6個ある 不合格レベル (k)成形容器の外観の見栄え(透明性、光沢の良
さ):上記の成形試験で、成形された容器の印刷が綺麗
に出来ているかをフィルム外面から観察し、透明と光沢
が優れているものが良い。これはフィルムの透明と光沢
と同じ傾向を示すが、中には成形して透明や光沢が悪く
なるのもあるので、それを確認するために観察する。印
刷をフィルムの裏面に行ない、観察は表面から行なう。
【0054】 ◎: 透明と光沢いずれも良く成形容器の印刷仕上がり
が優れる ○: 透明も光沢も良い △: 透明性はやや良いが光沢がない ×: 透明性も光沢も悪い
【0055】
【発明の実施の形態】次に、実施例、比較例によって本
発明をさらに詳細に説明する。
【0056】
【実施例1、比較例1】スチレン系重合体(A)には表
1に示した樹脂3種類(PS−1、2、3)を、またビ
ニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸エステル
との共重合体(B)には表2に示した樹脂8種類をそれ
ぞれ用意した。さらに、スチレンブタジエンブロック共
重合体(SBBC)樹脂1種類(SB−1)を用意し表
1に示した。上記重合体(A)と共重合体(B)及びS
B−1を表3及び表4に示す樹脂混合比率でそれぞれを
配合し、ブレンダーで混合した後、混練りミキシングヘ
ッドを有するL/D=32の65mmφの押出機で溶融
混合し18種類のペレットを得た。
【0057】このようにして得た各種ペレットを、それ
ぞれ表3及び表4の成膜方法の欄に示す条件で下記に示
す各種の方法で成膜して、実施例でフィルムNo.J1
〜J7の7種類と、比較例で同H1〜H11の11種類
の合計18種類のフィルムを得た。フィルムの成膜条件
(樹脂温度、延伸倍率)及びフィルム厚みを表3及び表
4に示した。
【0058】・インフレーション成膜法:L/D=45
の60mmφのスクリューを有するサーキュラーダイ付
き押出機で押出したチューブをインフレーションして冷
却し、所望のフィルムして巻取る。この場合フィルム厚
みはダイスリットと延伸倍率で適宜調節する。樹脂温度
を高温側に大きくずらせば低配向の通称無(低)延伸フ
ィルムも得られる。
【0059】・テンター逐次2軸延伸成膜法:L/D=
32の65mmφのスクリューを有する押出機でTダイ
から押出したパリソンをロール加熱式縦延伸機で延伸し
た後テンターで横延伸して冷却したのちフィルムを巻取
って所望のフィルムを得る。フィルムの厚みはダイスリ
ットと延伸倍率で適宜調整する。
【0060】・カレンダー1軸延伸成膜法:L/D=3
2の65mmφのスクリューを有する押出機でTダイか
ら押出したパリソンをロール加熱式縦延伸機で延伸した
後、冷却してフィルムを巻取って所望のフィルムを得
る。フィルムの厚みは、ダイスリットと延伸倍率で適宜
調整する。
【0061】得られた各フィルムは、既述した物性測定
法で6項目の物性(見掛けの引張弾性率、引張伸度、引
張弾性率、熱収縮率、ヘイズ、グロス)とゲル数を測定
した。その結果実施例を表5に、比較例を表6に示す。
表5から、実施例のNo.J1〜J7のフィルムの物性
は積層用フィルムとして具備すべき特性が優れるもので
あった。特に重要なヘイズ、グロスなどの光学特性及び
ゲルの少なさでは期待レベルを満たしていることが分か
る。これに対し、表6に示す比較例のNo.H1〜H3
及びH6〜H10のフィルムの物性は樹脂そのもの、及
び樹脂組成などの理由で所望の物性でバランスが取れて
いないことが分かる。
【0062】例えば、H1〜H3は共重合体(B)が本
発明範囲外であるため、光学特性は良くても他の物性
(見掛けの弾性率、引張伸度、引張弾性率、熱収縮率)
が満足されない。H4〜H5はフィルムの厚みが好適範
囲を外しているので、薄いと引張伸度が不十分、厚いと
ヘイズが不十分となって不都合なことが分かる。H6〜
H10は樹脂組成が好適範囲を外しているために、見掛
けの弾性率、引張伸度、引張弾性率、熱収縮率で一長一
短あるアンバランスなフィルムしか得られない。H10
は低延伸(低配向)であるため厚み変動が大きいもので
ある。またH9〜11のようにゴム成分が多いとゲルの
発生や光学特性(ヘイズ、グロス)が悪化するのが分か
る。
【0063】
【実施例2、比較例2】実施例1の7種類のフィルムと
比較例1の11種類のフィルムを既述の方法で印刷し、
得たフィルムの印刷適性の評価を行なった。実施例の結
果を表7に、比較例の結果を表8に示す。表から、実施
例のフィルムNo.J1〜J7の印刷適性(インキ跳
び、外観の見栄え、見当ズレ、フィルム走行性の4項目
を評価)は所望の性能が発揮されるのに対し、比較例の
フィルムNo.H1〜H11の印刷適性はいずれも不十
分で、フィルムのアンバランスな特性が印刷工程及び仕
上がり性の障害になっていることが分かる。
【0064】例えば、H1〜H3は共重合体(B)が本
発明外の樹脂で、H1〜H2は引張弾性率が大き過ぎで
H3は小さ過ぎでいずれも見当ズレやフィルム走行切れ
などを起こしている。H4〜H5はフィルム厚みの好適
範囲外にあるため薄いとフィルム走行切れが、厚いと外
観の見栄えの低下が発生している。H6〜H10は樹脂
組成が好適範囲外にあり、H6〜H8はゲルが少なく光
学特性が良いのでインキ跳びも無く外観見栄えが良いけ
れど、加工適性が不十分なのが分かる。反対にH9〜H
11のようにゴムを多く配合したものではインキ跳びが
多く発生している。またH10のように厚み変動の大き
いフィルムは走行不良(蛇行等)と見当ズレの多発が見
られインキの刷りムラがみられている。
【0065】
【実施例3、比較例3】実施例2、比較例2で得た合計
18種類のフィルム(実験No.1〜7、比1〜比1
1)について、ラミネート加工と成形試験を行ない、そ
れらの評価を実施した。先ずラミネートについては、表
9及び表10に示したように各フィルム毎に積層するP
SPの種類、厚み、積層方法を選んで積層シートを作製
した。積層方法は下記の2つの方法(熱ラミ法とサンド
ラミ法)で行なった。
【0066】・熱ラミネート法:フィルムとPSPを選
び、熱圧着ローラー(ロール表面温度198℃の誘電加
熱ロール、直径400mm、ロール幅1.3m、ロール
速度10m/分)を装備した熱ラミネート機でラミネー
トする。熱圧着ロールは上下に装備されてるので片面ラ
ミも両面ラミも1パスで行なう。また、厚肉フィルムや
薄肉フィルムのラミは加熱ロールの温度を上下して調節
する。
【0067】・押出サンドラミネート法:フィルムとP
SPを選び、L/D=36の90mmφ押出機に780
mm幅のTダイのついた押出サンドラミネーターでHI
PS樹脂(PS−3)を溶融押出し、温度185℃の樹
脂をPSPとフィルムの中間に押出した直後に冷却ロー
ルで圧着し、10m/分の速度でラミネートする。この
とき押出すHIPS層の厚みは平均100μmになるよ
う調整する。
【0068】実施例2の実験No.1、2、3、4の印
刷フィルムには、厚み2.3mmのPSP(パールパッ
ケージ(株)製#60、発泡密度0.09g/ml、幅
630mm)と押出サンドラミネートを、同No.5に
は、厚み2.1mmのPSP(パールパッケージ(株)
製#70、発泡密度0.11g/ml、幅630mm)
との片面熱ラミネートを、同No.6には、厚み3.0
mmのPSP(パールパッケージ(株)製#90、発泡
密度0.10g/ml、幅630mm)との両面熱ラミ
ネートを、同No.7には、厚み1.8mmのPSP
(パールパッケージ(株)製#50、発泡密度0.09
g/ml、幅630mm)との片面熱ラミネートを行な
い、実施例3の各積層シートを得た。
【0069】また、比較例2の実験No.比1〜比9の
印刷フィルムには、厚み2.3mmのPSP(パールパ
ッケージ(株)製#60、発泡密度0.09g/ml、
幅630mm)との押出サンドラミネートを、同比10
〜11には、厚み2.1mmのPSP(パールパッケー
ジ(株)製#70、発泡密度0.11g/ml、幅63
0mm)との片面熱ラミネートを行ない、比較例3の各
積層シートを得た。これらの積層シートの積層加工にお
けるラミネート適性の評価を行ない、実施例の結果を表
9の実験No.8〜14に、比較例の結果を表10の実
験No.比12〜22にそれぞれ示した。
【0070】実施例の実験No.8〜14のラミネート
適性はサンドラミ法も熱ラミ法もいずれも良好であった
が、比較例では実験No.比15、比18、比21、比
22の4例だけが不合格であった。同比15ではフィル
ム厚みが薄いためフィルム溶融やシワが多く見られ、同
比18、22はフィルムの熱収縮率が大きいためのシワ
が多い、同比21はフィルムの偏肉による蛇行とシワの
発生があり部分的にラミ強度ムラがある等が観察されて
いる。
【0071】次にこれらの積層シートについて、既述の
方法で真空成形を行ない、図8に示す成形体を得てその
成形適性(適性範囲、深絞り性、型決まり性、成形品の
偏肉、フィルム切れ、温度範囲の6項目)の評価をし
た。実施例における評価結果を表11の実験No.8〜
14に、比較例における評価結果を表12の実験No.
比12〜22にそれぞれ示した。
【0072】実施例3の実験No.8〜14は、成形適
性(適性範囲、深絞り性、型決まり性、成形品の偏肉、
フィルム切れ、温度範囲)と成形容器の外観(見栄え)
ではどの項目も満遍無く優れた性能が発揮されている
が、比較例3の実験No.比12〜22は、外観(成形
容器の見栄え)で優れているものが7つあっても、肝腎
の成形適性で合格するものは見られないことが分かる。
例えば、実験No.比20〜22のようにゴム成分の多
いフィルムや同比16のヘイズのやや高いフィルムを除
いて容器外観が良いが、成形適性においては同比12、
13、17、19、20のようにフィルムの見掛けの引
張弾性率が高いため成形での適性範囲、深絞り性、型決
まり性、成形温度範囲が悪かったり、同比13、17、
19のように引張伸度が極度に小さいため成形品のフィ
ルム切れが目立ってくることなどが分かる。また、図9
には、実施例3の実験No.9と比較例3の実験No.
比19、20についての成形適性範囲の広さの1例を図
示したように、実施例の成形性が格段に優れていること
が分かる。このように本発明の狙いである積層シート
は、ラミネート適性、成形適性、成形体の外観の見栄え
の3つで総合的に優れることが不可欠であり、本発明の
適性要件外の比較例からは所望の積層シート及びその成
形体が得られないことが分かる。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】
【表7】
【0080】
【表8】
【0081】
【表9】
【0082】
【表10】
【0083】
【表11】
【0084】
【表12】
【0085】
【発明の効果】本発明は、上記実施例で明確に示したよ
うに、PSPと相溶性が良く、分離リサイクルを必要と
しないスチレン系樹脂フィルムで、且つゲルなどによる
品質悪化が無く、透明性、光沢及び剛性に優れ、PSP
成形時の温度における伸びが大きく、同温度における見
掛けの引張弾性率が小さく成形時にPSPの変形抵抗と
ならない該印刷用フィルムを積層することによって、深
絞り成形品においても熱成形時にフィルム切れの発生し
ない、型決まり性に優れた良好な成形性を有する積層シ
ート及びその成形体を提供できる産業界に有益な優れた
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリスチレン系積層シート(熱ラミネート)の
片面積層断面図
【図2】ポリスチレン系積層シート(押出サンドラミネ
ート)の片面積層断面図
【図3】見掛けの引張弾性率の求めるための応力ー歪曲
線図
【図4】成形性評価用金型の平面図
【図5】成形性評価用金型の縦断面図(図4のA−A’
線)
【図6】成形性評価用金型の縦断面図(図4のB−B’
線)
【図7】成形適性範囲を示す升目区画図
【図8】成形性評価用金型で成形した容器の斜視図
【図9】実施例3と比較例3の成形適性範囲を示す升目
区画図
【符号の説明】
1 ポリスチレン系フィルム 2 印刷層 3 発泡ポリスチレンシート 4 接着樹脂層 5 積層シート 6 成形容器 7 成形性が良好である範囲を表わす升目区画の1区画

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡ポリスチレンシートの少なくとも片
    面にスチレン系フィルムを積層してなる積層シートに於
    いて、該発泡ポリスチレンシートは厚みが0.8〜3.
    5mmであり、該スチレン系フィルムは下記樹脂(A)
    と(B)を必須とする樹脂組成物よりなる少なくとも1
    方向に延伸されたフィルムで、ASTM−D882に準
    じて温度120℃で測定した見掛けの引張弾性率が0.
    05〜1.00kg/mm2、引張伸度が100%以上
    であり、温度23℃で測定した引張弾性率が230〜2
    80kg/mm2であり、熱風循環式オーブンでの80
    ℃、10分加熱時の縦横の熱収縮率が共に−5〜5%で
    あり、且つその厚みが10〜80μmであることを特徴
    とするスチレン系積層シート。 (A)ビニル芳香族炭化水素より選ばれる少なくとも1
    種の単量体を主成分とするスチレン系重合体10〜90
    重量% (B)ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸
    エステルとの共重合体で、ビニル芳香族炭化水素の含有
    量が60〜95重量%よりなる共重合体90〜10重量
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスチレン系積層シートか
    らなる成形体。
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