JPH09124741A - ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 - Google Patents

ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤

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JPH09124741A
JPH09124741A JP28024395A JP28024395A JPH09124741A JP H09124741 A JPH09124741 A JP H09124741A JP 28024395 A JP28024395 A JP 28024395A JP 28024395 A JP28024395 A JP 28024395A JP H09124741 A JPH09124741 A JP H09124741A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビニル系化合物の懸濁重合に当たって、発泡
性が低く、得られるビニル系重合体粒子を均一かつ多孔
性にする能力に優れた分散安定剤を提供すること。 【解決手段】 末端にチオール基もしくはチオエステル
基を有するビニルエステル系重合体にエポキシ基を反応
させ得られる、けん化度60モル%以上のポリビニルア
ルコール系重合体(A)からなるビニル系化合物の懸濁
重合用分散安定剤;該ポリビニルアルコール系重合体
(A)およびけん化度60モル%未満のポリビニルエス
テル系重合体(B)からなり、成分(A)と成分(B)
との重量比(A)/(B)=40/60〜95/5であ
るビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤分散安定剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はビニル系化合物の懸
濁重合用分散安定剤に関する。さらに詳しくは消泡効果
に著しく優れた塩化ビニルなどのビニル系化合物の懸濁
重合用分散安定剤に関する。
【0002】
【従来の技術】工業的に塩化ビニル系樹脂などのビニル
系重合体を製造する場合には、水性媒体中で分散安定剤
の存在下で塩化ビニルなどのビニル系化合物を分散さ
せ、油溶性触媒を用いて重合を行う懸濁重合が広く実施
されている。一般に、ビニル系重合体の品質を支配する
因子としては、重合率、水−モノマー比、重合温度、触
媒の種類および量、重合槽の型式、撹拌速度あるいは分
散安定剤の種類などが挙げられるが、なかでも分散安定
剤の種類による影響が非常に大きい。
【0003】ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤に
要求される性能としては、(1) 得られるビニル系重合体
粒子の粒径分布をできるだけシャープにする働きのある
こと、(2) 可塑剤の吸収速度を大きくして加工性を容易
にし、重合体粒子中に残存する塩化ビニルなどのモノマ
ーの除去を容易にし、かつ成形品中のフィッシュアイな
どの生成を防止するために、各重合体粒子を多孔性にす
る働きがあること、(3) 充填比重の大きい重合体粒子を
形成する働きがあることなどが挙げられる。従来、ビニ
ル系化合物の懸濁重合用分散安定剤としては、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロー
ス誘導体あるいは部分けん化ポリビニルアルコールなど
が単独または組み合わせて使用されている。しかしなが
ら、従来の分散安定剤は上記(1) 〜(3) の要求性能を満
たしていないという問題があった。
【0004】塩化ビニルなどのビニル系化合物の懸濁重
合は、通常バッチ式で行われ、重合器中に水性媒体、分
散安定剤、重合開始剤およびビニル系化合物などを仕込
み、さらに必要とされる添加剤を加えた後、昇温して重
合反応を行わせるという方法が一般的である。最近で
は、生産性を向上させるために重合1バッチに要する時
間を短縮することが求められており、ビニル系化合物の
懸濁重合においてリフラックスコンデンサー等を設置し
て重合熱の除熱効率を高めたり、あらかじめ加熱した水
性媒体を仕込む方法(ホットチャージ法)により昇温時
間を短縮する方法が用いられている。しかしながら、従
来のビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤を用いた場
合には、重合中における発泡が激しいことから重合器内
の有効容積が減少して生産性が低下したり、リフラック
スコンデンサー付重合器を用いると温度コントロールが
できなくなったり、ホットチャージ法を用いるとビニル
系重合体粒子の多孔性が低下するという致命的欠点があ
った。一方、発泡を防止するために消泡剤等を添加する
と、生成するビニル系重合体粒子の熱安定性が低下する
という問題があった。
【0005】ポバール(発行所:高分子刊行会、198
4)〔公知文献(a)〕には、塩化ビニルの懸濁重合用
分散安定剤として、重合度2000、けん化度80モル
%のポリビニルアルコールおよび重合度700〜80
0、けん化度70モル%のポリビニルアルコールが記載
されている。WO 91/15518〔公知文献
(b)〕には、アミノ基、アンモニウム基、カルボキシ
ル基またはスルホン酸基を末端に有する重合度100以
上、けん化度50〜90モル%のポリビニルアルコール
からなるビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤が記載
されている。しかしながら、公知文献(a)および公知
文献(b)に記載された分散安定剤は、重合中における
発泡性が激しいという欠点があった。特開昭52−11
0797号〔公知文献(c)〕には、けん化度30〜6
0モル%のポリ酢酸ビニルからなる塩化ビニルの懸濁重
合用分散助剤が記載されている。特開平6−14520
8号〔公知文献(d)〕には、末端にメルカプト基を有
する水不溶性の重合体からなるビニル系化合物の懸濁重
合用分散助剤が記載されており、該水不溶性の重合体と
して末端にメルカプト基を有するけん化度50モル%以
下のポリビニルエステル系重合体が例示されている。し
かしながら公知文献(c)および公知文献(d)に記載
された分散助剤は単独で使用した場合には、ビニル系化
合物の懸濁重合の安定性が確保できない。また該分散助
剤を従来の部分けん化ポリビニルアルコールと組み合わ
せて使用した場合には、重合器内における発泡性が激し
いという問題があった。POLYVINYL ALCO
HOL−DEVELOPMENT(C.A.Finc
h,WILEY,1992)〔公知文献(e)〕には、
重合度1500、けん化度88モル%の末端にメルカプ
ト基を有するポリビニルアルコールを保護コロイドに用
いて、メタクリル酸エステルまたはスチレンを乳化重合
することが記載されている。しかしながら公知文献
(e)に記載された乳化重合においては、水溶性開始剤
が用いられ、得られた重合体は粒子径が0.1〜2μm
程度の水性エマルジョンの形態であることから、重合体
を溶融成形に供するために該水性エマルジョンから粉体
状の重合体を得るのは難しいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の一般的なビニル系化合物の懸濁重合方法である常温の
水性媒体を重合器内に仕込む方法(コールドチャージ
法)および重合器内のジャケットまたはコイルにより重
合温度のコントロールを行う方法はもとより、コンデン
サー付重合器を使用する方法、ホットチャージ法および
コンデンサー付重合器を用いたホットチャージ法におい
ても、重合器内の消泡効果が著しく優れており、かつ前
記(1) 〜(3) の要求特性を同時に満たす分散安定剤を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、末端にチオール
基もしくはチオエステル基を有するビニルエステル系重
合体にエポキシ基を反応させて得られる、けん化度60
モル%以上のポリビニルアルコール系重合体(A)から
なるビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤(第1発
明);末端に二重結合を含む特定の炭化水素基を有する
けん化度60モル%以上のポリビニルアルコール系重合
体(A)からなるビニル系化合物の懸濁重合用分散安定
剤(第2発明);ならびに該ポリビニルアルコール系化
合物(A)およびけん化度60モル%未満のポリビニル
エステル系重合体(B)からなり、成分(A)と成分
(B)の重量比(A)/(B)が40/60〜95/5
であるビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤(第3発
明)を見出し、本発明を完成させるに到った。
【0008】
【発明の実施の形態】最初に第1発明について説明す
る。本発明のポリビニルアルコール系重合体(A)は、
末端に(好ましくは片末端」)チオール基(メルカプト
基ともいう)もしくはチオエステル基を有するビニルエ
ステル系重合体にエポキシ基を反応させて得られる、け
ん化度60モル%以上のポリビニルアルコール系重合体
(A)である。ポリビニルアルコール系重合体(A)の
けん化度は60モル%以上であり、62モル%〜95モ
ル%が好ましく、64〜80モル%がさらに好ましい。
ポリビニルアルコール系重合体(A)の粘度平均重合度
(以下、重合度と略記する)については特に制限はない
が、200〜3500以下が好ましく、300〜150
0がさらに好ましく、450〜900がさらにより好ま
しい。本発明のポリビニルアルコール系重合体(A)は
イオン基等を導入することにより水溶性を高めても良
く、この場合のけん化度はビニルエステル基とビニルア
ルコール基から求められ、導入されたイオン基のけん化
度は含まれない。本発明におけるポリビニルアルコール
系重合体(A)は、単独で用いた場合においてもビニル
系化合物の懸濁重合を安定に行うことが可能なものであ
り、5〜100℃(好ましくは10〜90℃)の水に対
して水溶性または水分散性であることが好ましい。
【0009】次に第2発明について説明する。本発明の
ポリビニルアルコール系重合体(A)は、下記の化2で
表される構造式を有するけん化度60モル%以上のポリ
ビニルアルコール系重合体である。
【0010】
【化2】
【0011】(但し、上記の構造式において、PVAは
一価のポリビニルアルコール系重合体を意味し、R1 は
水素またはメチル基を意味し、R2 は水素またはメチル
基を意味し、R3 は水素またはメチル基を意味し、Rは
二重結合を有する炭素数2〜20の炭化水素基を意味す
る。) 上記構造式におけるRの中でも、二重結合を有する炭素
数2〜12の炭化水素基がより好ましく、該炭化水素基
は酸素あるいは窒素を含有していてもよい。また、該二
重結合の位置についても特に制限はないが、ポリビニル
アルコール系重合体(A)の最末端が特に好ましい。上
記構造式で示されるポリビニルアルコール系重合体
(A)のうち、好ましいものとしては、第1発明のポリ
ビニルアルコール系重合体(A)が挙げられる。
【0012】本発明のポリビニルアルコール系重合体
(A)の製造方法には特に制限はないが、ビニルエステ
ル単量体をラジカル重合する際に、チオールカルボン
酸、あるいは2−アセチルチオエチルチオール、10−
アセチルチオデカンチオールなどの分子内にチオエステ
ル基とチオール基とを含有する化合物の共存下に重合
し、得られた重合体を水酸化ナトリウムやアンモニアな
どのアルカリで処理して末端がチオールでかつけん化度
が30モル%以下のビニルエステル重合体を得た後、エ
ポキシ基を有する化合物を添加し、さらに水酸化ナトリ
ウムやアンモニアなどのアルカリで再処理して目的とす
るけん化度のビニルアルコール系重合体を得る方法、ま
たは、ビニルエステル単量体をラジカル重合する際に、
チオールカルボン酸、あるいは2−アセチルチオエチル
チオール、10−アセチルチオデカンチオールなどの分
子内にチオエステル基とチオール基とを含有する化合物
の共存下に重合し、得られたビニルエステル系重合体に
エポキシ基を有する化合物を添加し、さらに水酸化ナト
リウムやアンモニアなどのアルカリで処理して目的とす
るけん化度のポリビニルアルコール系重合体を得る方法
等が挙げられるが、後者が簡便で効率的である。この場
合エポキシ基のチオール基またはチオエステル基への反
応は100%の効率で進行することが理想的であるが、
50%以上の反応率でも十分な効果が得られる。ビニル
エステルとしては、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバ
リン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニ
ル、カプリル酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸
ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オ
レイン酸ビニルなどが挙げられる。
【0013】エポキシ基を有する化合物としては、アリ
ルグリシジルエーテル、ブタジエンモノエポキサイド、
1,2-エポキシ-5- ヘキセン、1,2-エポキシ-7- オクテ
ン、1,2-エポキシ-9- デセン、N-(2,3- エポキシ)-プロ
ピルアクリルアミド、N-(2,3-エポキシ)-プロピルメタ
クリルアミド、メタクリル酸グリシジル等が用いられ
る。本発明に用いるポリビニルアルコール系重合体は、
アンモニウム基、カルボキシル基、スルホン基等のイオ
ン基、ノニオン基または(長鎖)アルキル基等を10モ
ル%以下導入しても良い。末端にチオール基またはチオ
エステル基を有するポリビニルアルコール系重合体(本
発明のビニルアルコール系重合体(A)の前駆体)の製
造方法は特開昭58−61746号において詳述されて
いる。
【0014】次に本発明の第3発明について説明する。
第3発明において用いられるポリビニルアルコール系重
合体(A)は、第1発明および第2発明において用いら
れるポリビニルアルコール系重合体(A)と同一のもの
が用いられる。第3発明におけるポリビニルエステル系
重合体(B)のけん化度は60モル%未満であり、20
〜55モル%が好ましく、25〜45モル%がさらによ
り好ましい。成分(A)と成分(B)の重量比(A)/
(B)は40/60〜95/5であり、50/50〜9
0/10がより好ましく、60/40〜80/20がさ
らにより好ましい。成分(A)と成分(B)の重量比
(A)/(B)が95/5より大きい場合にはポロシテ
ィー改善効果が見られない場合があり、40/60未満
の場合には重合の安定性が失われる場合がある。本発明
のポリビニルエステル系重合体(B)の重合度について
は特に制限はないが、1000以下が好ましく、200
〜550がより好ましく、230〜400がさらにより
好ましい。
【0015】本発明のポリビニルエステル系重合体
(B)は、水不溶性あるいは水分散性であり、イオン基
等を導入することにより、自己乳化性が付与されたもの
でも良い。本発明においては、第1発明および第2発明
の分散安定剤にポリビニルエステル系重合体(B)が分
散助剤として併用された形態も、分散剤安定剤という。
本発明のポリビニルエステル系重合体(B)の製造方法
には特に制限はなく、従来公知のものが好適に用いられ
る。例えば、特開平1−95103号に記載された側鎖
にイオン基を有するポリビニルエステル系重合体、WO
91/15518に記載された末端にイオン性基を有す
るポリビニルエステル系重合体、公知のノニオン基また
は(長鎖)アルキル基を10モル%以下有するポリビニ
ルエステル系重合体が好適に用いられる。
【0016】次に本発明の分散安定剤を用いたビニル系
化合物の懸濁重合によるビニル系重合体の製造方法につ
いて説明する。ビニル系重合体の製造方法において用い
る水性媒体の温度は特に制限はなく、20℃程度の冷水
はもとより、90℃以上の温水も好適に用いられる。こ
の加熱水性媒体を構成する媒体は、純粋な水のほかに、
各種の添加成分を含有する水溶液あるいは他の有機溶剤
を含む水性媒体が挙げることができる。また、加熱水性
媒体を重合反応系に仕込む際の供給量は、重合反応系を
充分に加温できる量であればよい。また除熱効率を高め
るためにリフラックスコンデンサー付重合器も好適に用
いられる。ビニル系重合体の製造方法において、分散安
定剤の使用量は特に制限はないが、通常ビニル系化合物
100重量部に対して5重量部以下であり、0.01〜
1重量部が好ましく、0.02〜0.2重量部がさらに
より好ましい。本発明の分散安定剤は単独で使用しても
良いが、塩化ビニルなどのビニル系化合物を水性媒体中
で懸濁重合する際に通常使用されるポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースなどの水溶性セルロースエーテル、ゼラ
チンなどの水溶性ポリマー、ソルビタンモノラウレー
ト、ソルビタントリオレート、グリセリントリステアレ
ート、エチレンオキシドプロピレンオキシドブロックコ
ポリマーなどの油溶性乳化剤、ポリオキシエチレンソル
ビタンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセリン
オレート、ラウリン酸ナトリウムなどの水溶性乳化剤な
どを併用しても良い。その添加量については特に制限は
ないが、塩化ビニルなどのビニル系化合物100重量部
当たり0.01〜1.0重量部が好ましい。
【0017】その他各種添加剤も必要に応じて加えるこ
とができる。各種添加剤としては、例えばアセトアルデ
ヒド、ブチルアルデヒド、トリクロロエチレン、パーク
ロロエチレンあるいはメルカプタン類などの重合度調節
剤、フェノール化合物、イオウ化合物、N−オキシド化
合物などの重合禁止剤などが挙げられる。また、pH調
整剤、スケール防止剤、架橋剤などを加えることも任意
であり、上記の添加剤を複数併用しても差し支えない。
一方、重合開始剤も、従来塩化ビニルなどのビニル系化
合物の重合に使用されているものでよく、これには例え
ばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−
エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシ
エチルパーオキシジカーボネートなどのパーカーボネー
ト化合物、t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−
クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキ
シネオデカネートなどのパーエステル化合物、アセチル
シクロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,4,4−
トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテ
ートなどの過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニ
トリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、
アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニト
リル)などのアゾ化合物などが挙げられ、さらにはこれ
らに過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素
などを組み合わせて使用することもできる。
【0018】本発明の分散安定剤を用いて懸濁重合する
ことのできるビニル系化合物としては、具体的には塩化
ビニル単独のほか、塩化ビニルを主体とする単量体混合
物(塩化ビニル50重量%以上)が包含され、この塩化
ビニルと共重合されるコモノマーとしては、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなど
の(メタ)アクリル酸エステル、エチレン、プロピレン
などのオレフィン、無水マレイン酸、アクリロニトリ
ル、イタコン酸、スチレン、塩化ビニリデン、ビニルエ
ーテル、その他塩化ビニルと共重合可能な単量体が例示
される。さらには、塩化ビニルを含まない上記ビニル系
化合物の単独重合や共重合に当たっても、本発明の分散
安定剤を用いることができる。本発明の分散安定剤を用
いて懸濁重合するに当たって、各成分の仕込み割合、重
合温度などは、従来塩化ビニルなどのビニル系化合物の
懸濁重合で採用されている条件に準じて定めればよい。
また、ビニル系化合物、重合開始剤、分散安定剤、加熱
水性媒体およびその他添加物の仕込み順序や比率につい
ては、なんら制限されない。また、温水を用いると同時
に、ビニル系化合物を重合器に仕込む前にビニル系化合
物を加熱しておく方法も好適に用いられる。
【0019】
【実施例】以下実施例をあげて本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定
されるものではない。なお、以下の実施例において
「%」および「部」は特に断りのない限り、「重量%」
および「重量部」を意味する。
【0020】製造例 〔末端にチオール基またはチオエステル基を有するポリ
ビニルアルコール系重合体〕酢酸ビニル(以下VAcと
略記する)2800部、メタノール670部を反応容器
にとり、内部を充分に窒素置換した後、外温を65℃に
あげ、内温が60℃に達したところで、あらかじめ窒素
置換したチオ酢酸0.243部を含むメタノール10部
を加えた後、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1
部を含むメタノール溶液20部を加え直ちにチオ酢酸
1.8部を含むメタノール溶液18部を4時間にわたっ
て加えた。5時間後の重合率は64.7%であった。5
時間後に容器を冷却し、減圧下に残留するVAcをメタ
ノールとともに系外へ追出す操作をメタノールを追加し
ながら行ない、ポリビニルエステル(以下PVAcと略
記する)のメタノール溶液を得た(濃度62%)。この
メタノール溶液の一部をとり、PVAc濃度30%、含
水率2%、〔NaOH〕/〔VAc〕=0.1(モル
比)となるように、NaOHのメタノール溶液を加え、
40℃で1時間けん化した後、酢酸を加えて残存するN
aOHを中和し、けん化反応を停止した。得られたポリ
ビニルアルコール重合体(PVA)をメタノールによる
ソックレー洗浄によって精製した後、けん化度を測定す
ると99.2モル%であった。また、水中30℃で極限
粘度を測定し、重合度を計算したところ815であっ
た。次に、この精製したPVAを用いて、PVA中に含
まれるメルカプト基(以下SH基と略記する)の含有量
をヨウ素酸化による方法で求めたところ、5.0×10
-5当量/g−PVAのSH基の存在が確認された。ま
た、この精製したPVAを常法により再酸化して再酸化
PVAcを得た後、THF系40℃でポリスチレンを標
準物質としてGPC測定をしたところPw/Pn=2.
1であった。
【0021】〔末端にチオール基またはチオエステル基
を有するビニルエステル系重合体とエポキシ基を有する
化合物の反応〕上記手法で得られたPVAcの一部をと
り、アリルグリシジルエーテルを添加(用いたPVAc
の片末端と等量)し、濃度30%、含水率2%、〔Na
OH〕/〔VAc〕=0.02(モル比)となるよう
に、NaOHのメタノール溶液を加え、40℃で1時間
けん化した後、酢酸を加えて残存するNaOHを中和
し、けん化反応を停止した。得られたPVAをメタノー
ルによるソックレー洗浄によって精製した後、けん化度
を測定すると72.9モル%であった。次に、この精製
したPVAを用いて、PVA中に含まれるSH基の含有
量をヨウ素酸化による方法で求めたところ、1.3×1
0-5当量/g−PVAのSH基が残存していることが確
認された。またプロトンNMRから求めたアリルグリシ
ジルエーテルの反応率(反応したアリルグリシジルエー
テル量/仕込みに用いたアリルグリシジルエーテル量)
は70%であった。次に、必要に応じて、モノマー、チ
オエステル化合物およびメタノール仕込量を変更し、エ
ポキシ基を有する化合物の種類および量を変更し、けん
化時のアルカリモル比を適当に代えたこと以外は、上記
と同様の方法により、表1に示すビニルアルコール系重
合体(A)を調製した。
【0022】〔塩化ビニルの重合〕 実施例1〜10、比較例1〜3 リフラックスコンデンサー付のグラスライニング製オー
トクレーブに、表(表1:実施例1〜10、比較例1〜
3)に示した分散安定剤を溶かした脱イオン水1部およ
びジイソプロピルパーオキシジカーボネートの70%ト
ルエン溶液0.04部を仕込み、オートクレーブ内を5
0mmHgとなるまで脱気して酸素を除いたのち、撹拌
下で80℃の温水39部および塩化ビニルモノマー30
部を同時に仕込んだ。仕込みが終了した時点での液面は
重合器の底面から60%の高さであり、内温は50℃で
あった。その後内温を50℃保ち重合を継続した。重合
開始時、オートクレーブ内の圧力は7.0kg/cm2
Gであったが、重合開始6時間後に4.0kg/cm2
Gとなった時点で重合を停止し、未反応の塩化ビニルモ
ノマーをパージし、内容物を取り出し脱水乾燥した。得
られた塩化ビニル樹脂の性能を下記の方法により評価
し、その結果を表2に示す。塩化ビニル重合体の重合収
率は85%であり、平均重合度は1300であった。
【0023】(1)可塑剤吸収性 プラストグラフに接続されたプラネタリーミキサーに、
得られた塩化ビニル重合体粉末400gを入れ、60r
pmで撹拌しながら予熱(4分)して88℃としたの
ち、これにジオクチルフタレートを200g添加し、添
加時からトルクの下降した時点まで時間を可塑剤吸収性
(分)とした。 (2)CPA(Cold Plasticizer A
bsorption:冷可塑剤吸収量)ASTM−D3
367−75に記載された方法より、23℃におけるジ
オクチルフタレートの吸収量を測定した。 (3)発泡性評価 重合終了時に重合器内の発泡状態を目視により観察し、
以下の記号で示す。 ◎:発泡なし ○:重合器の底面から62〜65%の高さにまで泡が認
められた。 △:重合器の底面から66〜70%の高さにまで泡が認
められた。 ▲:重合器の底面から90〜100%の高さにまで泡が
認められた。 ×:重合器の底面から100%の高さにまで泡が認めら
れ、さらにリフラックスコンデンサーに泡が詰まってい
た。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明の分散安定剤は、従来の分散安定
剤に比べて、重合中における発泡挙動が極めて小さいこ
とから重合器内の有効容積が増加して生産性が向上し、
リフラックスコンデンサー付重合器を用いた懸濁重合、
ホットチャージ法による懸濁重合、またはリフラックス
コンデンサー付重合器を用いたホットチャージ法による
懸濁重合において、重合器の温度コントロールが容易と
なる。また本発明の懸濁重合用分散安定剤を用いた場合
には、得られたビニル系重合体粒子は、粒子径が大き
く、その分布がシャープで、取扱い時の飛散が少なく、
かつ成形機などへのくい込み性が良好であり、ビニル系
重合体粒子の多孔性が向上し、可塑剤吸収速度が大き
く、しかも充填比重の高いことから工業的な評価が極め
て高い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端にチオール基もしくはチオエステル
    基を有するビニルエステル系重合体にエポキシ基を反応
    させて得られる、けん化度60モル%以上のポリビニル
    アルコール系重合体(A)からなるビニル系化合物の懸
    濁重合用分散安定剤。
  2. 【請求項2】 下記の化1で表される構造式を有するけ
    ん化度60モル%以上のポリビニルアルコール系重合体
    (A)からなるビニル系化合物の懸濁重合用分散安定
    剤。 【化1】 (但し、上記の構造式において、PVAは一価のポリビ
    ニルアルコール系重合体を意味し、R1 は水素またはメ
    チル基を意味し、R2 は水素またはメチル基を意味し、
    R3 は水素またはメチル基を意味し、Rは二重結合を有
    する炭素数2〜20の炭化水素基を意味する。)
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のポリビニルアル
    コール系重合体(A)およびけん化度60モル%未満の
    ポリビニルエステル系重合体(B)からなり、成分
    (A)と成分(B)の重量比(A)/(B)=40/6
    0〜95/5であるビニル系化合物の懸濁重合用分散安
    定剤。
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