JPH0912478A - 新規な皮膚欠損症治療剤 - Google Patents

新規な皮膚欠損症治療剤

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JPH0912478A
JPH0912478A JP8126264A JP12626496A JPH0912478A JP H0912478 A JPH0912478 A JP H0912478A JP 8126264 A JP8126264 A JP 8126264A JP 12626496 A JP12626496 A JP 12626496A JP H0912478 A JPH0912478 A JP H0912478A
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JP
Japan
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therapeutic agent
skin
agent according
ulcer
metalloprotease
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Application number
JP8126264A
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English (en)
Inventor
Tamotsu Kanzaki
保 神崎
Akira Shinagawa
朗 品川
Hidekuni Shima
英邦 嶋
Takanori Aoki
隆則 青木
Shinichi Yoshida
真一 吉田
Takashi Shintani
孝 新谷
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Fuji Yakuhin Kogyo KK
Original Assignee
Fuji Yakuhin Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な過程が関与した皮膚欠損症、特には創
傷や皮膚潰瘍、さらには慢性(難治性)皮膚潰瘍の治癒
過程に働いて単独で有効な活性を示す医薬を提供する。
また外科手術による手術創や外傷に作用してその治癒促
進及び手術瘢痕や外傷瘢痕を縮小化することのできる医
薬を提供する。 【解決手段】 マトリックスメタロプロテアーゼ類(M
MPs)の阻害剤であるティシュ インヒビター オブ
メタロプロテアーゼ類(TIMPs)から成る群から
選ばれたものの少なくとも一つを含有する医薬は、創
傷、皮膚潰瘍といった皮膚欠損症における複雑な治癒過
程に優れた作用効果を示す。特にTIMP−2は、医薬
として優れた特性を有している。またrTIMP−2は
実用的な創傷、皮膚潰瘍といった皮膚欠損症の治療剤、
さらには外科手術による手術創や外傷に作用してその治
癒促進及び手術瘢痕や外傷瘢痕を縮小化することのでき
る医薬として非常に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ティシュ インヒ
ビター オブ メタロプロテアーゼ類(tissue
inhibitor of metalloprote
inases:TIMPs)から成る群から選ばれた少
なくとも一つのティシュ インヒビターを有効成分とす
ることを特徴とする医療用治療薬に関わるものであり、
皮膚欠損症治療剤、特には皮膚潰瘍患者の患部に適用さ
れる皮膚潰瘍治療剤及び創傷患者の患部に適用される創
傷治療剤で、さらには手術創や外傷創の予防的治療によ
り手術瘢痕や外傷瘢痕の縮小化に有効な治療剤に関す
る。さらに詳しく言えば、本発明は、ティシュ インヒ
ビター オブ メタロプロテアーゼ−1(tissue
inhibitor of matalloprote
inases−1:TIMP−1)あるいはティシュ
インヒビター オブ メタロプロテアーゼ−2(tis
sue inhibitor of matallop
roteinases−2:TIMP−2)を主たる有
効成分として含有する製剤で、皮膚潰瘍の治療や創傷の
治療に有効であり、且つ種々の外科的手術による手術創
や外傷創の予防的治療により手術瘢痕や外傷瘢痕の縮小
化を特徴とする治療剤に関する。本発明は、別の面では
リコンビナント ティシュ インヒビター オブ メタ
ロプロテアーゼ類(rTIMPs)から成る群から選ば
れた少なくとも一つのティシュ インヒビターを有効成
分とすることを特徴とする皮膚欠損症の治療剤、特には
リコンビナント ティシュ インヒビター オブ メタ
ロプロテアーゼ−1(rTIMP−1)及びリコンビナ
ント ティシュ インヒビター オブ メタロプロテア
ーゼ−2(rTIMP−2)から成る群から選ばれたも
のを少なくとも有効成分として含有することを特徴とす
る皮膚欠損症の治療剤、更には創傷治療、褥瘡性潰瘍の
ような慢性潰瘍、炎症性潰瘍、単純性潰瘍といった皮膚
潰瘍の予防及び治療のための医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】創傷、潰瘍の治癒過程は大まかに炎症
細胞増殖表皮及び真皮成分の再構成を経るが、それ
ぞれの段階で特徴的な細胞が存在する。傷に対する最初
の反応は、フィブロネクチン、フィブリノーゲン、ビト
ロネクチン等の細胞外マトリックス成分の合成であり、
細胞が創部へ移動するための足場となるマトリックスを
提供する。さらに活性化した血小板から血小板由来増殖
因子(platelet−derived growt
h factor:PDGF)、トランスフォーミング
成長因子−α(transforming growt
h factor−α:TGF−α)、トランスフォー
ミング成長因子−β(TGF−β)、インスリン様増殖
因子−I(insulin−like growth
factor−I:IGF−I)等が放出され、炎症細
胞が創部へ遊走する。
【0003】感染症を併発しない場合、1〜2日後にマ
クロファージ、リンパ球が出現し創部治癒の鍵を握る。
すなわち、マクロファージ及びリンパ球は創部の壊死組
織の除去と増殖因子、サイトカインの供給源となる。マ
クロファージの分泌するTGF−α、TGF−β、IG
F−I、コロニー刺激因子(colony stimu
lating factor:CSF)、インターロイ
キン−8(interleukin−8:IL−8)
は、細胞を創部へ遊走させることにより、炎症過程から
組織再生の過程へ移行させる。また、リンパ球の分泌す
るヘパリン結合型上皮成長因子(heparin bi
nding epidermal growth fa
ctor:HB−EGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子
(basic fibloblast growth
factor:bFGF)は、線維芽細胞、血管内皮細
胞、血管平滑筋細胞の増殖を誘導し、血管新生を促す。
続いてフィブロネクチン、コラーゲン、ヒアルロン酸等
により新生真皮の細胞外マトリックスが構成される。P
DGF、TGF−β、bFGFは皮膚細胞の細胞分裂を
促進し、ケラチノサイト増殖因子(keratinoc
yte growth factor:KGF)は上皮
細胞にのみ作用し、増殖を促す。ケラチノサイトが線維
芽細胞の増殖、コラーゲン新生を促すサイトカイン類を
産生し、皮膚修復の最終的な質を決定していると考えら
れている。このような種々の増殖因子に対する細胞表面
リセプターの発現は、細胞の移動、増殖という治癒過程
の重要な部位を担っていると考えられる。
【0004】しかしながら、増殖因子をはじめとするサ
イトカイン類の作用は複雑なクロストークの上に成り立
っており、必ずしもある一種のサイトカインが治癒過程
の鍵を握っている訳ではない。また、細胞表面の細胞接
着因子リセプターの発現は細胞同志の接着や細胞と細胞
外マトリックスの接着、創部の融合や収縮性の賦与とい
った役割を担っている。創傷、潰瘍の治癒過程における
組織の破壊と再構築において、組織変性・壊死、循環障
害に基づく浸出、組織細胞や遊離細胞の増殖を伴う炎症
反応では、炎症細胞や組織細胞由来のプロテアーゼが重
要な役割を果たしていることが知られている。実際、皮
膚潰瘍、角膜潰瘍、熱傷潰瘍、皮膚水疱性疾患などで
は、ある種のマトリックスメタロプロテアーゼ(mat
rix metalloproteinase:MM
P)活性の上昇が観察されている。
【0005】マトリックスメタロプロテアーゼ類(MM
Ps)は、ファミリーを形成する一群の中性プロテアー
ゼであり、活性中心にZn2+を有する。細胞外マトリッ
クスの分解にMMPsが重要な役割を担っていることは
周知のことであり、現在までに10数種類のMMPが知
られている。MMPsによる細胞外マトリックスの破壊
は、組織破壊を伴う難治性疾患の治癒を遅延させている
主要な原因の一つであり、このMMP活性の上昇は、内
在性のMMPsインヒビターであるTIMPsとの量的
不均衡の結果生じていると考えられている。血液細胞由
来の炎症細胞のうちでも、好中球やマクロファージでは
多種類のMMPsの分泌能を有しているが、炎症時に発
現の昂進している増殖因子をはじめとする種々のサイト
カインによって、MMPs産生誘導は複雑に調節を受け
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】皮膚潰瘍には動脈閉塞
性下腿潰瘍及び静脈鬱滞性下腿潰瘍に代表される血管障
害性の潰瘍の他に、処置困難な潰瘍として持続的な圧迫
刺激による褥瘡や糖尿病性潰瘍の他、その成因によって
熱傷潰瘍、外傷性潰瘍、放射線潰瘍、薬物潰瘍、術後潰
瘍、炎症性潰瘍、単純性潰瘍等がある。慢性(難治性)
皮膚潰瘍は、加齢や物理的因子あるいは重篤な基礎疾患
が背景に存在する場合もあるなど様々な要因が関与し、
さらに創部感染症を併発することもまれではないため、
その多くは長期間の治療を必要とする。これらの処置困
難な皮膚潰瘍、特に慢性(難治性)潰瘍の治療には現
在、精製白糖・ポピドンヨード剤、トコレチナート剤、
ブクラデシンナトリウム剤、カデキソマー・ヨウ素剤等
が使用されている。しかしながら、これらの薬剤の大半
は患部の殺菌・清浄化を目的とした薬剤や創面被瘡剤で
あり、積極的に患部の細胞増殖、組織再生を意図して開
発されたものは少ない。慢性(難治性)潰瘍は、その種
類により部位、大きさ、病理学的状態等が異なることや
治癒を妨げている要因が未だ明確ではないため、これま
で単独で強力な効果を示す薬剤は登場していない。今
後、65歳以上の高齢者が人口に占める割合が増加し有
病高齢者も増加することが予想され、その中には褥瘡性
潰瘍や下腿潰瘍等の慢性(難治性)潰瘍患者の増加も見
込まれることなどから、単独で慢性(難治性)皮膚潰
瘍、創傷に広範に作用する新規薬物の開発が望まれてい
る。
【0007】また、国内で年間何百万件もの手術が施行
されていると言われているが、少なくとも単純外科手術
に於ける手術痕の治癒が早まれば入院期間の短縮を可能
とする。このことは、延いては健康保険等の医療財政へ
の経済的負担を軽減することとなる。さらに手術後の皮
膚欠損創におけるケロイドや肥厚性瘢痕の発生予防や外
傷痕の予防治療は、quality of lifeの
重要な要素を占める審美的な観点からも非常に有用性が
高い。しかし、こうした目的に非常に有効な直接的薬効
をもった創傷治療剤、外科手術による手術創の治癒促進
剤、そして手術後の皮膚欠損創におけるケロイドや肥厚
性瘢痕の発生予防剤は現在までのところ無いのが実情で
ある。皮膚欠損症などに関連した臨床的な考察・説明な
どは、例えば「クリストファー外科学(第2版)」(石
川浩一 他1名監訳、医学書院発行)、「褥瘡・皮膚潰
瘍のカラーアトラス、診断と治療」(久木田淳 他1名
監修・編集、臨床医薬研究会 発行、中外医学社)、
「創傷の治療 最近の進歩」(波利井清紀 監修、森口
隆彦 編著、克誠堂出版株式会社、1993年 発
行)、「ドレッシング 新しい創傷管理」(穴澤貞夫
監修、倉本秋 他3名編集、へるす出版、1995年
発行)などに記載があり、これらのうちにある記載は適
宜参照され問題点などを理解するのに利用される。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、TIM
Psを主な有効成分とした医薬組成物により、慢性(難
治性)潰瘍の治療や予防、創傷の治療、さらには種々の
外科的手術による手術痕や外傷痕の予防及び治療並びに
手術痕や外傷痕の縮小化を特徴とした治療手段を提供す
ることにある。本発明者らは、TIMPsが組織や体液
中に存在しMMPsの活性を特異的に阻害する内在性の
インヒビターであること、培養表皮角化細胞や培養線維
芽細胞に対する増殖因子様活性を有することに着目し、
TIMPsによるMMPs活性の阻害を利用した効果的
な慢性(難治性)潰瘍の治療剤が提供できるのではない
かと考え、臨床的有用性を種々研究した結果、TIMP
sを有効成分とする皮膚欠損症治療剤、特には皮膚潰瘍
治療剤及び創傷治療剤による療法の提供に成功した。
【0009】本発明者らは、従来ヒトを含めた動物由来
の組織あるいは培養細胞、血液からでは大量に入手する
ことが困難で、なかなかその実際の厳密な適用あるいは
利用が困難であったTIMPsを組換えDNA技術を利
用して大量に得ると共に、こうして大量に得られたリコ
ンビナントTIMPs(rTIMPs)を用いてそれが
実際に如何なる薬理作用を有するかを確認し、さらに臨
床的に使用できることを見出して、本発明を完成した。
本発明は、(1)ティシュ インヒビター オブ メタ
ロプロテアーゼ類から成る群から選ばれた少なくとも一
つのティシュ インヒビターを有効成分とすることを特
徴とする皮膚欠損症治療剤(皮膚欠損症治療用医薬組成
物、以下同じ)、(2)治療剤が、皮膚欠損症の治療に
おいて皮膚欠損症の瘢痕の発生予防及び該瘢痕の縮小化
を図るための予防的治療を含む用途で用いられるもので
あることを特徴とする上記(1)記載の治療剤、(3)
皮膚欠損症が創傷であることを特徴とする上記(1)記
載の治療剤、(4)創傷が手術創で、その手術創あるい
はそれに関連する手術瘢痕を予防的治療により縮小化を
なすものであることを特徴とする上記(3)記載の治療
剤、(5)創傷が外傷創で、その外傷創あるいはそれに
関連する外傷瘢痕を予防的治療により縮小化をなすもの
であることを特徴とする上記(3)記載の治療剤、
【0010】(6)皮膚欠損症が皮膚潰瘍であることを
特徴とする上記(1)記載の治療剤、(7)皮膚潰瘍が
術後潰瘍で、その術後潰瘍あるいはそれに関連する術後
瘢痕を予防的治療により縮小化をなすものであることを
特徴とする上記(6)記載の治療剤、(8)皮膚潰瘍が
外傷性潰瘍で、その外傷性潰瘍あるいはそれに関連する
外傷性瘢痕を予防的治療により縮小化をなすものである
ことを特徴とする上記(6)記載の治療剤、(9)皮膚
潰瘍が慢性潰瘍であることを特徴とする上記(6)記載
の治療剤、(10)皮膚潰瘍が褥瘡性潰瘍であることを
特徴とする上記(6)記載の治療剤、(11)皮膚潰瘍
が血管障害性潰瘍であることを特徴とする上記(6)記
載の治療剤、(12)皮膚潰瘍が炎症性潰瘍であること
を特徴とする上記(6)記載の治療剤、(13)皮膚潰
瘍が単純性潰瘍であることを特徴とする上記(6)記載
の治療剤、(14)有効成分としてティシュ インヒビ
ター オブ メタロプロテアーゼ−1を含有することを
特徴とする上記(1)〜(13)のいずれか一記載の治
療剤、
【0011】(15)ティシュ インヒビター オブ
メタロプロテアーゼ−1としてリコンビナント ティシ
ュ インヒビター オブ メタロプロテアーゼ−1を含
有することを特徴とする上記(14)記載の治療剤、
(16)リコンビナント ティシュ インヒビター オ
ブ メタロプロテアーゼ−1が宿主細胞として大腸菌、
CHO細胞又はCOS−1細胞を用いて得られた形質転
換体細胞により発現され、得られた遺伝子産物を精製し
たものであることを特徴とする上記(15)記載の治療
剤、(17)有効成分としてティシュ インヒビター
オブ メタロプロテアーゼ−2を含有することを特徴と
する上記(1)〜(13)のいずれか一記載の治療剤、
(18)ティシュ インヒビター オブ メタロプロテ
アーゼ−2としてリコンビナント ティシュ インヒビ
ター オブ メタロプロテアーゼ−2を含有することを
特徴とする上記(17)記載の治療剤、(19)リコン
ビナント ティシュ インヒビター オブ メタロプロ
テアーゼ−2が宿主細胞として大腸菌、CHO細胞又は
COS−1細胞を用いて得られた形質転換体細胞により
発現され、得られた遺伝子産物を精製したものであるこ
とを特徴とする上記(18)記載の治療剤、(20)テ
ィシュ インヒビター オブ メタロプロテアーゼ類と
してティシュインヒビター オブ メタロプロテアーゼ
−1及びティシュ インヒビターオブ メタロプロテア
ーゼ−2の混合物を有効成分とすることを特徴とする上
記(1)〜(13)のいずれか一記載の治療剤、(2
1)ティシュ インヒビター オブ メタロプロテアー
ゼ−1としてリコンビナント ティシュ インヒビター
オブ メタロプロテアーゼ−1をそしてティシュ イ
ンヒビター オブ メタロプロテアーゼ−2としてリコ
ンビナントティシュ インヒビター オブ メタロプロ
テアーゼ−2をそれぞれ含有することを特徴とする上記
(20)記載の治療剤、及び(22)リコンビナント
ティシュ インヒビター オブ メタロプロテアーゼ−
1及びリコンビナント ティシュ インヒビター オブ
メタロプロテアーゼ−2がそれぞれ宿主細胞として大
腸菌、CHO細胞又はCOS−1細胞を用いて得られた
形質転換体細胞により発現され、得られた遺伝子産物を
精製したものであることを特徴とする上記(21)記載
の治療剤を提供するものである。
【0012】さらに本発明では、(23)治療剤が、患
部局所に投与するのに適した剤形であることを特徴とす
る上記(1)〜(22)のいずれか一記載の治療剤、
(24)治療剤の剤形が、軟膏製剤、硬膏製剤、溶液
剤、水剤、油剤、クリーム剤、パスタ剤、パップ剤、リ
ニメント剤、ローション剤、スプレー剤、懸濁剤、乳濁
剤、外用チンキ剤、皮膚用水剤、灌注剤及び貼付剤から
なる群から選ばれたもののうちの一つであることを特徴
とする上記(1)〜(23)のいずれか一記載の治療
剤、(25)治療剤の剤形が、ドレッシング剤、皮膚被
覆剤あるいは絆創膏剤、皮膚粘着剤及び包帯からなる群
から選ばれたもののうちの一つであることを特徴とする
上記(1)〜(23)のいずれか一記載の治療剤、(2
6)医薬として許容される担体、賦形剤又は希釈剤を配
合してあることを特徴とする上記(1)〜(25)のい
ずれか一記載の治療剤、(27)ティシュ インヒビタ
ー オブ メタロプロテアーゼ類から成る群から選ばれ
た少なくとも一つのティシュ インヒビターの有効量を
患者に投与することを特徴とする皮膚欠損症を治療する
方法、(28)皮膚欠損症の瘢痕の発生予防及び該瘢痕
の縮小化を図ることを特徴とする上記(27)記載の方
法、(29)創傷、皮膚潰瘍、外科手術による手術創、
外傷創、動脈閉塞性下腿潰瘍及び静脈鬱滞性下腿潰瘍を
含む血管障害性の潰瘍、持続的な圧迫刺激による褥瘡や
糖尿病性潰瘍、熱傷潰瘍、外傷性潰瘍、放射線潰瘍、薬
物潰瘍、術後潰瘍、炎症性潰瘍並びに単純性潰瘍からな
る群から選ばれた疾患のうちのいずれか一つを治療する
ことを特徴とする上記(27)又は(28)記載の方
法、(30)潰瘍や創傷患部への局所投与を行うことを
特徴とする上記(27)〜(29)のいずれか一記載の
方法、(31)ティシュ インヒビター オブ メタロ
プロテアーゼ類から成る群から選ばれた少なくとも一つ
のティシュ インヒビターの有効量を人工的に培養され
た皮膚と一緒に用いることを特徴とする皮膚欠損症を治
療する方法、及び(32)皮膚欠損症治療又は予防のた
めの医薬組成物を製造するための、ティシュ インヒビ
ター オブ メタロプロテアーゼ類から成る群から選ば
れたティシュ インヒビターの用途を提供する。また本
発明に従えば、(33)Kodama et al.,
Collagen Rel.Res.,7,341〜3
50,1987あるいはKishi and Haya
kawa,J.Biochem.,96,395〜40
4,1984に記載の方法に準じて、ウシ歯髄由来細胞
の培養液やヒト血清を含むヒト、ウシ、その他の動物由
来の軟骨、歯髄、歯肉、子宮、胎盤、皮膚の組織中や、
関節軟骨細胞、骨芽細胞、各種組織由来線維芽細胞、あ
るいは上皮細胞、羊水、血清、血漿、血小板、単球、マ
クロファージ、又はその培養液から得られたTIMP−
1を有効成分として含有する上記(1)記載の治療剤、
(34)Kodama et al.,J.Immun
ol.Methods,127,103〜108,19
90に記載の方法に従いヒト胎盤から得られたTIMP
−1を有効成分として含有する上記(1)記載の治療
剤、(35)Fujimoto et al.,Cli
n.Chim.Acta,220,31〜45,199
3あるいは特開平6−300757号公報に記載の方法
に従い、ヒト胎盤を含むヒト、ウシ、その他の動物由来
の軟骨、歯髄、歯肉、子宮、皮膚等の組織や、関節軟骨
細胞、骨芽細胞、各種組織由来線維芽細胞、あるいは上
皮細胞、羊水、血清、血漿、血小板、単球、マクロファ
ージ、又はその培養液より得られたTIMP−2を有効
成分として含有する上記(1)記載の治療剤、(36)
Williamson,et al.,Bioche
m.J.,268,267〜274,1990、Boo
ne,et al.,Proc.Natl.Acad.
Sci.USA.,87,2800〜2804,199
0に記載の方法に従い得られたrTIMP−1又は/及
びrTIMP−2を有効成分として含有する上記(1)
記載の治療剤、(37)ヒト正常歯肉線維芽細胞(Gi
n−1細胞)より調製したポリA+ mRNAを鋳型、オ
リゴdT(15〜18個)をプライマーとした逆転写反
応により1st strand cDNAの合成を行
い、次にPCRプライマー:プライマーTlFl;5′
−ATGGCCCCCTTTGAGCCCCTG−3′
及びプライマーTlRl;5′−CAGGATTCAG
GCTATCTG−3′を用いPCR反応によりTIM
P−1遺伝子の増幅を行い、得られたTIMP−1遺伝
子を適当なクローニングベクター、例えばpUC13に
サブクローニング後、適当な発現ベクター、例えばpM
EMneo(Lee et al.,Nature,2
94,228〜232,1981)にクローニングし、
宿主細胞に導入し,こうして得られたTIMP−1遺伝
子導入酵母、CHO細胞を含む形質転換体を培養して調
製されたrTIMP−1を有効成分として含有する上記
(1)記載の治療剤、(38)ヒトGin−1細胞より
調製したポリA+ mRNAを鋳型、オリゴdT(15〜
18個)をプライマーとした逆転写反応により1st
strandcDNAの合成を行い、次にPCRプライ
マー:プライマーT2F7;5′−AAAGTCGAC
CATGGGCGCCGCGGCCCGCACCCT−
3′及びプライマーT2R5;5′−TTAAGATC
TGTCGACTTAAGGATCCTCGATATC
GAGGAATTCTTGC−3′を用いPCR反応に
よりTIMP−2遺伝子の増幅を行い、得られたTIM
P−2遺伝子を適当なクローニングベクター、例えばp
UC13にサブクローニング後、適当な発現ベクター、
例えばpKGにクローニングし、宿主細胞に導入し、こ
うして得られたTIMP−2遺伝子導入CHO細胞を含
む形質転換体細胞を培養して調製されたrTIMP−2
を有効成分として含有する上記(1)記載の治療剤、
(39)実施例1に記載されたようにして調製されたT
IMP−1を有効成分として含有する上記(1)記載の
治療剤、(40)実施例1に記載されたようにして調製
されたTIMP−2を有効成分として含有する上記
(1)記載の治療剤、(41)実施例1に記載されたよ
うにして調製されたrTIMP−1を有効成分として含
有する上記(1)記載の治療剤、(42)実施例1に記
載されたようにして調製されたrTIMP−2を有効成
分として含有する上記(1)記載の治療剤、(43)特
開平5−199868号公報に記載の方法に準じて調製
されたrTIMP−1を有効成分として含有する上記
(1)記載の治療剤、及び(44)Aokiらの方法
(Connective Tissue,1995;2
6:281−290)に準じて調製したrTIMP−2
を有効成分として含有する上記(1)記載の治療剤が提
供される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるTIMPs
は、MMPファミリーに対するインヒビターを含んでい
てよく、例えばTIMP−1、TIMP−2といったM
MPsに対するインヒビターを用いることができる。特
にTIMP−2は皮膚欠損症治療剤、特には皮膚潰瘍治
療剤及び創傷治療剤として多くの優れた特性を持ってい
る。またとりわけrTIMP−2は優れた性状を示す。
【0014】TIMP−1は糖タンパク質であり、ヒ
ト、ウシその他の動物由来の軟骨、歯髄、歯肉、子宮、
胎盤、皮膚等の組織中や、関節軟骨細胞、骨芽細胞、各
種組織由来線維芽細胞、上皮細胞等の培養細胞、羊水、
血清、血漿、血小板、単球、マクロファージ等から産生
され、これらの組織や培養細胞のコンディション培養液
から調製することができる。例えば、Kodama e
t al.,Collagen Rel.Res.,
7,341〜350,1987及びKishi and
Hayakawa,J.Biochem.,96,3
95〜404,1984に記載の方法に準じて、ウシ歯
髄由来細胞の培養液やヒト血清からモノクローナル抗体
を用いたアフィニティークロマトグラフィー等により単
離できる。また、Kodama et al.,J.I
mmunol.Methods,127,103〜10
8,1990に記載の方法に従いヒト胎盤などからも得
ることができる。
【0015】TIMP−2は、比較的最近になって見出
され、TIMP−1とアミノ酸配列上約40%の相同性
を有するが、TIMP−1と異なりN−結合型オリゴ糖
鎖を結合していない。TIMP−2もTIMP−1の場
合と同様の種々の組織、組織由来培養細胞の培養液等か
ら得ることが出来る。例えば、Fujimoto et
al.,Clin.Chim.Acta,220,3
1〜45,1993、特開平6−300757号公報等
に記載の方法に従い、ヒト胎盤などからモノクローナル
抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィー等によ
り得ることができる。TIMP−2は、TIMP−1と
異なる性状及びN−結合型オリゴ糖鎖を持たないという
異なる分子構造を有するにも拘らず、直接的薬効をもっ
た創傷治療剤、外科手術による手術創の治癒促進剤、そ
して手術後の皮膚欠損創におけるケロイドや肥厚性瘢痕
の発生予防剤などとして非常に有用である。
【0016】TIMP−1及びTIMP−2は組換えD
NA技術(Maniatis,T.et al.,Mo
lecular Cloning,Cold Spri
ng Harbor Laboratory,Cold
Spring Harbor,New York,1
982)を用いることにより得ることもできる。従来の
培養細胞のコンディション培養液や血清、さらには胎盤
などから得る場合にはそれらに固有のある種の制約があ
るが、組換えDNA技術を適用しての製造方法ではこう
した制約を受けることがなく、医薬の製造承認に必要と
される動物実験や臨床試験に用いることのできる量及び
質のTIMPsを得ることができる。特に創傷や皮膚潰
瘍の治癒過程は上記したように複雑な多段階の過程が関
与し、そして各段階でそれぞれ異なる各種の生体内細胞
や生理活性因子が関与しており、さらにそれらは様々な
バランスを保って作用しているので、病的な状態下で実
際にTIMPsが如何なる役割を担い、どの様な薬理活
性や生理活性を持ち、どの様な病気に有効かを確かめる
のは困難であることが理解されるべきである。こうした
観点からみると組換えDNA技術を用いることにより、
直接的形態で製造され、そして複雑な創傷や皮膚潰瘍の
治癒過程に於ける働きを確認できるに十分な量及び質で
得られ、更に医薬の製造承認に必要とされる動物実験や
臨床試験に用いることのできる量及び質で得られたrT
IMPsに皮膚欠損症治療活性、特には皮膚潰瘍治療あ
るいは予防活性及び創傷治療並びに治癒促進活性を見出
したことは注目される。
【0017】例えばTIMP−1及びTIMP−2をコ
ードする核酸配列を利用し、酵母、チャイニーズハムス
ター卵巣細胞(CHO細胞)などの真核細胞宿主や大腸
菌などの原核細胞宿主、Sf21などの昆虫細胞等、通
常組換えDNA技術に用いられる全ての宿主と宿主に応
じた発現ベクターを用いることにより得ることができ
る。糖タンパク質であるTIMP−1の場合は、好まし
くは真核細胞を宿主とした宿主ベクター系を使用する。
組換えDNA法によるrTIMP−1及びrTIMP−
2の取得は、例えばWilliamson,et a
l.,Biochem.J.,268,267〜27
4,1990、Boone,et al.,Proc.
Natl.Acad.Sci.USA.,87,280
0〜2804,1990に記載の方法を参考にすること
ができる。
【0018】例えばrTIMP−1は、ヒト正常歯肉線
維芽細胞(Gin−1細胞)より調製したポリA+ mR
NAを鋳型、オリゴdT(15〜18個)をプライマー
とした逆転写反応により1st strand cDN
Aの合成を行い、次にPCRプライマー、例えばプライ
マーTlFl;5′−ATGGCCCCCTTTGAG
CCCCTG−3′及びプライマーTlRl;5′−C
AGGATTCAGGCTATCTG−3′を用いPC
R反応により適宜TIMP−1遺伝子の増幅を行い、得
られたTIMP−1遺伝子を適当なクローニングベクタ
ー、例えばpUC13にサブクローニング後、適当な発
現ベクター、例えばpMEMneo(Lee et a
l.,Nature,294,228〜232,198
1)にクローニングし、一般的なリン酸カルシウム共沈
法等によりCHO細胞等に導入した。TIMP−1遺伝
子導入酵母、CHO細胞等の形質転換体をマイクロキャ
リヤー培養や高密度連続培養など適当な方法で培養し、
得られたコンディション培地からrTIMP−1を調製
する。発現ベクターを導入した宿主細胞に対応して、遺
伝子産物の糖鎖構造は天然物と異なったものが得られる
ことは理解されるべきである。
【0019】また、rTIMP−2は、例えばヒトGi
n−1細胞より調製したポリA+ mRNAを鋳型、オリ
ゴdT(15〜18個)をプライマーとした逆転写反応
により1st strand cDNAの合成を行い、
次にPCRプライマー、例えばプライマーT2F7;
5′−AAAGTCGACCATGGGCGCCGCG
GCCCGCACCCT−3′及びプライマーT2R
5;5′−TTAAGATCTGTCGACTTAAG
GATCCTCGATATCGAGGAATTCTTG
C−3′を用いPCR反応により適宜TIMP−2遺伝
子の増幅を行い、得られたTIMP−2遺伝子を適当な
クローニングベクター、例えばpUC13にサブクロー
ニング後、適当な発現ベクター、例えばpKGにクロー
ニングし、一般的なリン酸カルシウム共沈法等によりC
HO細胞等に導入した。TIMP−2遺伝子導入CHO
細胞などの形質転換体をマイクロキャリヤー培養や高密
度連続培養など適当な方法で培養し、得られたコンディ
ション培地からrTIMP−2を調製する。組換えDN
A技術を用いることにより得られるrTIMPsは、本
発明の目的に合致する限り、その構成アミノ酸における
1個以上の変異、例えば欠失、置換、挿入、転位もしく
は付加により、アミノ酸配列が相違したものであること
ができる。組換えDNA技術を用いれば、例えば基本と
なるDNA配列の特定の部位に突然変異を誘発すること
により、1個又は複数個のアミノ酸の欠失、置換、挿入
を図ることが可能である。代表的な方法としては、位置
指定変異導入法(日本生化学会編、「新生化学実験講座
2、核酸III 、組換DNA技術」、東京化学同人、23
3頁〜251頁、1992年10月5日)が挙げられ
る。
【0020】これら種々の起源に由来するTIMPs
は、従来公知の通常タンパク質の精製に用いられる方
法、例えば、硫酸アンモニウムや硫酸ナトリウムを用い
た塩析法、ゲルろ過担体やイオン交換担体を用いたクロ
マトグラフィー法、電気泳動法、各TIMPsに対する
モノクローナル抗体、ConAなどを用いたアフィニテ
ィークロマトグラフィー法、高速液体クロマトグラフィ
ー法などを各TIMPの性質に合わせ、単独または任意
の組合わせにより使用して適宜精製することができる。
ところで、ミクロ的には天然物は、均一の産物として得
ることには限界があり、例えば天然物質であるTIMP
−1は、本来的あるいは単離の過程における処理の影響
で分子中に各種の形態の糖鎖を有し、それに起因して様
々な分子量等をもつ物質からなる産物であるのが実情で
ある。微量で生物活性を持ち、完全な分離精製が困難で
あることから非組換え細胞(非形質転換体)において普
通には随伴するような夾雑物を、rTIMPsは含まな
いと考えられる。特にrTIMP−2は、精製単離処理
を加えて、変成タンパク質などを含むことの少ない最終
産物として得ることが可能である。rTIMP−2は、
複雑な創傷や皮膚潰瘍の治癒過程に於ける働きを確認で
きるに十分な量及び純度で得られ、更に医薬の製造承認
に必要とされる動物実験や臨床試験に用いることのでき
るに十分な量及び純度で得られるという特性が認めら
れ、医薬の有効成分として優れている。
【0021】本発明は、TIMPsを有効成分とし薬学
的、製剤的に許容される医薬品添加物を含有する薬剤組
成物を提供する。有効成分のTIMPsから成る群から
選ばれたものは、1日当たり約0.001ng〜約10
0mgの範囲で投与することが可能であるが、もちろん
症状、年齢、疾患の程度、併用する薬剤などに応じ、副
作用などを生じないようにその投与量を選択することが
できるし、投与回数も1日当たり1回からそれ以上の複
数回といったように適宜選択することができる。有効成
分のTIMPsから成る群から選ばれたものは、製剤に
0.0001%〜50%の範囲で配合することができる
が、必要に応じその量は適宜選択することは可能であ
る。本発明の薬剤組成物は混合などによって調製され、
適宜必要に応じて安定化剤、pH調節剤、界面活性剤、
緩衝剤、香料、防腐剤、基剤、溶剤、希釈剤、充填剤、
増量剤、溶解補助剤、可溶化剤、等張化剤、乳化剤、懸
濁化剤、分散剤、増粘剤、ゲル化剤、硬化剤、吸収剤、
粘着剤、弾性剤、可塑剤、結合剤、崩壊剤、噴射剤、保
存剤、抗酸化剤、遮光剤、保湿剤、緩和剤、帯電防止
剤、無痛化剤などを単独もしくは組合わせて含有させる
ことができる。安定化剤としては、グリシンなどのアミ
ノ酸あるいはその塩、ブドウ糖、ショ糖などの糖、マン
ニトール、ソルビトールなどの糖アルコール、オリゴ
糖、多糖、アルブミン、ゼラチン、グロブリン、プロタ
ミンなどのタンパク質、ペプチドなどが挙げられる。p
H調節剤としては、塩酸、硫酸、燐酸、炭酸などの無機
酸、クエン酸などの有機酸、あるいはそれらの塩が挙げ
られる。その他、医薬品に配合されて用いることが知ら
れているものから適宜必要に応じ選択して用いることが
出来る。
【0022】本発明医薬組成物は、経口、局所、経皮、
静脈内、筋肉内、皮下、皮内もしくは関節内投与に適合
し得るが、潰瘍や創傷患部への局所投与が好適である。
もちろん他の潰瘍治療薬や創傷治療薬などの薬剤と併用
することも可能である。またサイトカイン、例えばPD
GF、TGF−α、TGF−β、IGF−I、CSF、
IL−8、EGF,bFGF、KGFなどの増殖因子を
はじめとするサイトカイン類あるいはその他の生理活性
物質を配合することも本発明の皮膚欠損症治療に有効で
あるならば可能である。また場合によっては人工的に培
養された皮膚と一緒に用いることも可能であり、皮膚欠
損症状の治療に有効と考えられる処置用医療材料あるい
は医薬と併用することも可能である。本発明の医薬組成
物を患部局所へ投与する場合、製剤として軟膏製剤、硬
膏製剤、溶液剤、水剤、油剤、クリーム剤、パスタ剤、
パップ剤、リニメント剤、ローション剤、スプレー剤、
懸濁剤、乳濁剤、外用チンキ剤、皮膚用水剤、灌注剤、
貼付剤等を任意に選択することができる。また液剤など
をガーゼ、脱脂綿、創傷被覆材、粘着プラスターなどに
含浸させ用いることもできる。医薬品製造にあたって
は、その添加剤等や調製法などは、例えば財団法人日本
公定書協会監修、第十一改正 日本薬局方解説書、昭和
61年7月18日発行、株式会社廣川書店発行;一番ヶ
瀬 尚 他編 医薬品の開発12巻(製剤素剤
〔I〕)、平成2年10月15日発行、株式会社廣川書
店;同、医薬品の開発12巻(製剤素材〔II〕)平成2
年10月28日発行、株式会社廣川書店などの記載を参
考にしてそれらのうちから必要に応じて適宜選択して適
用することができる。皮膚欠損症治療に使用する場合皮
膚を介しての活性成分の吸収などが重要であると考えら
れるが、一般には湿潤状態に保つと薬物の吸収が良好と
なる場合がある。本発明の皮膚欠損症治療に有効である
ならば、当該分野で知られた如何なる方法、手段をも用
いることが出来る。本発明の薬剤組成物に含まれるTI
MPsは、MMPs活性を阻害するTIMPsであれば
どのようなTIMPsでも使用することができるが、好
ましくは大量に均質なTIMPsが得られる点で人為的
に調製したrTIMPsを使用することができる。特に
rTIMP−2は均質でかつ複雑な創傷や皮膚潰瘍の治
癒過程に於ける働きに有効な量及び純度で得られ、さら
にその取扱いにおいても優れた性状を有している。医薬
として用いるにあたっては製剤の安定性などについても
厳しい要件が必要とされるが、rTIMP−2はこうし
た点でもすぐれた性状を有している。
【0023】本発明に関わる薬剤組成物の調製に必要な
TIMPsの定量は、特開昭63−210665号公報
及び特開平5−244985に記載の方法に従い、TI
MP−1あるいはTIMP−2それぞれで異なるエピト
ープを特異的に認識する2種類のモノクローナル抗体を
用いたサンドイッチアッセイ系により酵素免疫化学的に
行うことができる。
【0024】本発明に関わる薬剤組成物の効果確認は、
種々の創傷、皮膚潰瘍、種々の外科手術による手術創、
外傷創、動脈閉塞性下腿潰瘍及び静脈鬱滞性下腿潰瘍に
代表される血管障害性の潰瘍、持続的な圧迫刺激による
褥瘡や糖尿病性潰瘍、熱傷潰瘍、外傷性潰瘍、放射線潰
瘍、薬物潰瘍、術後潰瘍、炎症性潰瘍、単純性潰瘍等の
モデルなどを用い、皮膚欠損症治療活性、特には皮膚潰
瘍治療あるいは予防活性及び創傷治療並びに治癒促進活
性を評価するのに適した系を用いて確認されうる。特に
本発明に関わる薬剤組成物の効果確認試験は以下に記載
した実験的皮膚欠損(潰瘍及び創傷)モデル及び実験的
手術創モデル等を用いて行われうるが、他に様々な手法
を用いることが出来ることは理解されるべきである。実
験的皮膚欠損モデルによる効果確認試験は以下の様にし
て評価できる。皮膚欠損は、エーテル麻酔下に予め剃毛
したラットあるいはマウスの背部皮膚に円形パンチ(内
径8mm)で2カ所作製する。皮膚欠損患部に試験薬と
してTIMPs含有液剤(溶媒0.005%塩化ベンザ
ルコニウム含有生理食塩水;0.005%塩化ベンザル
コニウム含有0.15M NaCl溶液、pH7.2)
を1日1回22μl連日投与した。一方、対照として患
部にTIMPsを含まない0.005%塩化ベンザルコ
ニウム含有生理食塩水のみを同じく連日投与する。その
結果、対照群と比較し、本発明の薬剤組成物を投与した
群では皮膚欠損患部の欠損面積の縮小の促進が認めら
れ、完治に至る日数の短縮を示し、患部及びその周辺部
の血色の改善も顕著であった。さらに特筆すべき点は、
皮膚欠損患部の再上皮化、肉芽組織の形成、血管新生な
どが促進され、患部の修復が促進し、治療瘢痕が小さ
く、より目立たないことであった。この効果は、TIM
Psが単に慢性(難治性)潰瘍治療剤として有用である
ばかりでなく一般の手術痕や外傷痕の縮小化にも利用で
き、Quality of lifeで重要な要素を占
める善美的観点からも非常に有用性が高いものと判断さ
れた。実験的手術創モデルによる効果確認試験は以下の
様にして評価できる。例えば、糖尿病マウス(KK−A
y/Ta Jcl)(♀6週齢、体重30g前後)を用
い、ネンブタール麻酔(30mg/kg,i.p.)を
施したマウスの予め剃毛、消毒した背部から腹部にかけ
ての皮膚をつまみ上げ、メスで正中線に垂直に、左右対
照に長さ約10mmの側腹部切創を作製する。直ちに一
方の切創に試験薬としてTIMPs含有液剤(溶媒0.
005%塩化ベンザルコニウム含有生理食塩水;0.0
05%塩化ベンザルコニウム含有0.15M NaCl
溶液、pH7.2)他方の切創に対照の0.005%塩
化ベンザルコニウム含有生理食塩水を26G針付き注射
筒を使用して2滴(約22μl)滴下し、速やかに等間
隔に2ケ所、絹糸を用いて縫合する。その後、1日1回
7日間、試験薬あるいは対照液を連続外用(滴下)投与
する。切創部位は、汚染防止の為、被覆剤(biocl
usive)及び弾性絆創膏(シルキーテックス)を用
いて密封包帯する。試験7日目に抜糸し、経日的に患部
の治癒状況及び瘢痕の形成の程度の肉眼的所見及び、患
部表層組織を採取し病理組織学的検索を行い治癒効果を
評価する。肉眼的所見では、対照群と比較した縫合創の
大きさ、縫合創及び周辺部の血色から評価する。病理組
織学的所見では、対照群と比較した変性、壊死の程度と
再生像のバランス、繊維化の程度と炎症細胞の浸潤、浮
歴のバランス等から評価する。尚、本発明に関わる医薬
組成物を適用した部位に肉眼的所見上判断される副作用
は認められなかった。
【0025】こうしてTIMPsから成る群から選ばれ
た少なくとも一つのティシュ インヒビターを有効成分
とする薬剤は、動脈閉塞性下腿潰瘍及び静脈鬱滞性下腿
潰瘍に代表される血管障害性の潰瘍の他、処置困難な潰
瘍である持続的な圧迫刺激による褥瘡や糖尿病性潰瘍、
その成因によって呼ばれる熱傷潰瘍、外傷性潰瘍、放射
線潰瘍、薬物潰瘍、術後潰瘍、炎症性潰瘍、単純性潰瘍
等に対する予防作用あるいは治療作用、症状改善作用な
どを有していると判断される。TIMPsから成る群か
ら選ばれた少なくとも一つのティシュ インヒビターを
有効成分とする薬剤は、慢性(難治性)皮膚潰瘍などで
あって、加齢や物理的因子あるいは重篤な基礎疾患が背
景に存在する場合もあるなどの様々な要因が関与し、さ
らに創部感染症を併発することもまれではない症状、病
気に対し有意の活性を有していると判断される。TIM
Psから成る群から選ばれた少なくとも一つのティシュ
インヒビターを有効成分とする薬剤は、単独で強力な効
果を示す薬剤として有用である。またTIMPsから成
る群から選ばれた少なくとも一つのティシュ インヒビ
ターを有効成分とする薬剤は、手術後の皮膚欠損創にお
けるケロイドや肥厚性瘢痕の発生予防や外傷痕の予防活
性を示し、直接的薬効をもった創傷治療剤、外科手術に
よる手術創の治癒促進剤、そして手術後の皮膚欠損創に
おけるケロイドや肥厚性瘢痕の発生予防剤として有用で
ある。更にTIMPsは慢性(難治性)潰瘍治療剤とし
て有用である。rTIMPsから成る群から選ばれた少
なくとも一つのティシュ インヒビター、特にrTIM
P−2を有効成分として含有する医薬は、その製剤とし
ての加工などを含めた有利な点に加え、上記したような
各種の創傷、手術に伴う傷、皮膚潰瘍等に優れた活性を
示す。rTIMP−2含有皮膚欠損症治療剤は、長期間
の保存の後でも安定した生理活性が期待でき、患部に適
用した後も優れた生物活性の作用効果が期待できる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明
するが、本発明は実施例に限定されること無く様々な態
様が含まれることは理解されるべきである。 実施例1 TIMPsの調製 TIMP−1は、例えばKodama et al.,
Collagen Rel.Res.,7,341〜3
50,1987に記載の方法に従い、ヒト正常歯肉線維
芽細胞(Gin−1細胞)のコンディション培養液より
Ultrogel AcA−44(LKB),Con
Aセファロース、抗TIMP−1モノクローナル抗体
(例えば特開昭63−219392号公報に開示のクロ
ーンNo.7−21B12など)結合セファロース4B
・アフィニティーカラムを用いて精製し、最後に、35
℃、30分間、4Mグアニジン−塩酸中で処理した後、
Bio−gel P60カラムに供試しTIMP−1に
結合している可能性のあるタンパク性因子を解甦、分画
により除去し調製した。
【0027】TIMP−2は、例えばFujimoto
et al.,Clin.Chim.Acta,22
0,31〜45,1993及び特開平6−300757
号公報に記載の方法に従い、胎盤を細断後、緩衝液中で
撹拌し、得られた上清を抗TIMP−2モノクローナル
抗体(例えば特開平5−244985号公報に開示のク
ローンNo.67−4Hllなど)結合セファロース4
B・アフィニティーカラムに供試した後、Ultrog
el AcA−44(LKB)を用いて調製した。rT
IMP−1は、例えば特開平5−199868号公報に
記載の方法に準じて調製した。ヒト正常歯肉線維芽細胞
(Gin−1細胞)より調製した全RNA画分からオリ
ゴ(dT)−セルロースカラムによりポリA+ mRNA
精製濃縮した。ポリA+ mRNAを鋳型、オリゴdT
(15〜18個)をプライマーとした逆転写反応により
1st strand cDNAの合成を行った。Do
cherty et al.,Nature,318,
66〜69,1985に記載されているTIMP−1の
cDNA配列を参考にPCRプライマー、プライマーT
lFl;5′−ATGGCCCCCTTTGAGCCC
CTG−3′及びプライマーTlRl;5′−CAGG
ATTCAGGCTATCTG−3′を作成し、これら
のPCRプライマーを用い先に調製した1st str
and cDNAを鋳型としたPCR反応によりTIM
P−1遺伝子の増幅を行った。
【0028】得られたTIMP−1遺伝子を適当なクロ
ーニングベクター、例えばpUC13にサブクローニン
グ後、適当な発現ベクター、例えばpMEMneo(L
eeet al.,Nature,294,228〜2
32,1981)にクローニングし、一般的なリン酸カ
ルシウム共沈法によりCHO細胞に導入した。TIMP
−1遺伝子導入CHO細胞をマイクロキャリヤー培養や
高密度連続培養など適当な方法で培養し、得られたコン
ディション培地からrTIMP−1を調製した。調製さ
れたrTIMP−1は、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリ
アクリルアミド電気泳動(SDS−PAGE、12%均
一ゲル、還元条件)上で約30kDaの単一バンドとし
て認められ、ペルオキシダーゼ標識マウス抗ヒトTIM
P−1抗体を用いたウエスタンブロッティングにおいて
も約30kDaの単一バンドとして認められた。rTI
MP−1のヒト線維芽細胞(CCD−41SK細胞)由
来MMP−1に対する阻害活性は、IC50が約1×10
-9Mであった。
【0029】rTIMP−2は、例えばAokiらの方
法(Connective Tissue,1995;
26:281−290)に準じて調製した。ヒトGin
−1細胞より調製した全RNA画分からオリゴ(dT)
−セルロースカラムによりポリA+ mRNAを精製濃縮
した。ポリA+ mRNAを鋳型、オリゴdT(15〜1
8個)をプライマーとした逆転写反応により1st s
trand cDNAの合成を行った。Boone,e
t al.,Proc.Natl.Acad.Sci.
USA.,87,2800〜2804,1990に記載
のTIMP−2のcDNA配列を参考にPCRプライマ
ー、プライマーT2F7;5′−AAAGTCGACC
ATGGGCGCCGCGGCCCGCACCCT−
3′及びプライマーT2R5;5′−TTAAGATC
TGTCGACTTAAGGATCCTCGATATC
GAGGAATTCTTGC−3′を作成し、これらの
PCRプライマーを用い先に調製した1st stra
nd cDNAを鋳型としたPCR反応によりTIMP
−2遺伝子の増幅を行った。得られたTIMP−2遺伝
子を適当なクローニングベクター、例えばpUC13に
サブクローニング後、適当な発現ベクター、例えばpK
Gにクローニングし、一般的なリン酸カルシウム共沈法
によりCHO細胞に導入した。TIMP−2遺伝子導入
CHO細胞をマイクロキャリヤー培養や高密度連続培養
など適当な方法で培養し、得られたコンディション培地
からrTIMP−2を調製した。調製されたTIMP−
2はSDS−PAGE(12%均一ゲル、還元条件)上
で約24kDaの単一バンドとして認められ、マウス抗
ヒトTIMP−2モノクローナル抗体によるウエスタン
ブロッティングにおいても約24kDaの単一バンドと
して認められたものであった。CCD−41SK細胞由
来MMP−1に対する阻害活性は、IC50が約1.1×
10-9Mであった。本発明に提供される薬剤組成物に
は、MMPs活性を阻害するTIMPsであればどのよ
うなTIMPsでも使用することができるが、好ましく
は大量に均質なTIMPsが得られる点で人為的に調製
したrTIMPsを使用できる。
【0030】実施例2 rTIMPー1含有軟膏の調製 軟膏製剤としては、公知公用の各種軟膏基剤を使用する
ことができるが、例えばrTIMP−1をマクロゴール
軟膏に加えて以下の様にして製剤化することができる。
マクロゴール400及びマクロゴール4000各々5g
にパラオキシ安息香酸エチル5mg及び実施例1で得ら
れたTIMP−1 1mgを加え、常法により均一に混
合して軟膏剤を調製した。
【0031】実施例3 rTIMP−2含有軟膏の調製 rTIMP−2含有軟膏は、実施例2に記載の方法と同
様にして実施例1で得られたrTIMP−2をマクロゴ
ール軟膏に加えて製剤化することができる。
【0032】実施例4 rTIMP−1含有液剤の調製 0.005%塩化ベンザルコニウム含有生理食塩水
(0.005%塩化ベンザルコニウム含有0.15M
NaCl溶液、pH7.2)に、実施例1で得られたr
TIMP−1を最終濃度0.1%となるように加え調製
する。調製した液剤は、ポアサイズ0.1μmのメンブ
レンフィルターで滅菌した後、使用時まで冷蔵(4℃)
で保存した。
【0033】実施例5 rTIMP−2含有液剤の調製 rTIMP−2含有液剤は、実施例4に記載の方法と同
様にして実施例1で得られたrTIMP−2を用いて製
剤化することができる。
【0034】実施例6 rTIMP−2含有液剤の経日
安定性 4℃で保存したrTIMP−2含有液剤の安定性を、i
n vitroでの精製ヒトMMP−1に対する阻害活
性で評価した。rTIMP−2含有液剤の調製は、実施
例5に記載した方法に準じた。ヒト潜在型MMP−1
は、例えば Fujimoto et al.,Cli
n.Chim.Acta,219,1〜14,1993
に記載の方法に従い、ヒト新生児繊維芽細胞(NB1R
GB)の培養上清から精製することができる。 (1)rTIMP−2含有液剤のin vitro阻害
活性の測定方法 阻害活性の測定は、Nagai et al.,炎症,
4,123〜130,1984及びNagai et
al.,炎症,4,247〜254,1984に記載の
方法を参考にして測定することができる。0.02%B
SA,0.2M NaCl,5mM CaCl2 含有5
0mMTris−HCl(pH7.5)緩衝液で適宜稀
釈した精製ヒト潜在型MMP−1 20μlに等量の2
mM 4−Aminophenylmercurica
cetateを加え、35℃で2時間インキュベートす
る。これに0.2MNaCl,5mM CaCl2 含有
50mM Tris−HCl(pH7.5)緩衝液で段
階稀釈したrTIMP−2含有液剤60μlを加え(こ
のとき対照は緩衝液のみを60μl添加する)、35℃
でさらに15分間インキュベートする。さらに0.4M
NaCl,10mM CaCl2 含有0.1M Tr
is−HCl(pH7.5)緩衝液で2倍に希釈したF
ITC標識コラーゲン100μlを加え、35℃で2時
間インキュベートする(対照用の反応系は100℃で5
分間煮沸する)。50%エタノールに溶解したo−フェ
ナントロリン10μlを添加し、反応を停止する。0.
02%BSA,0.2M NaCl,5mMCaCl2
含有50mM Tris−HCl(pH7.5)緩衝液
で適宜稀釈したエラスターゼ200μlを添加し35℃
で10分間インキュベートする。これに400μlの7
0%エタノール、0.67M NaCl含有Tris−
HCl(pH9.5)緩衝液を加え30秒間ミキサーで
攪拌する。これを遠心し、得られた上清の蛍光をEx;
495nm,Em;520nmの波長で測定する。対照
の蛍光強度を100%基質が分解された場合として、試
料の蛍光強度の差を算出し、50%阻害濃度(IC
50値)を求めた。
【0035】(2)保存安定性 4℃条件で保存したrTIMP−2含有液剤の安定性を
IC50値により評価した。その結果、本液剤は少なくと
も12週間はその阻害活性は安定であり、冷蔵での比較
的長期間の保存の後でも安定した生理活性が期待できる
と判断された。経週的な阻害活性測定の結果は、図1に
示した。
【0036】実施例7 rTIMP−2含有剤の皮膚欠
損(創傷及び潰瘍)治療効果 (1)rTIMP−2含有試験薬の調製 rTIMP−2含有試験薬として、実施例5で調製した
rTIMP−2含有液剤を使用した。対照として0.0
05%塩化ベンザルコニウム含有生理食塩水をポアサイ
ズ0.1μmのメンブレンフィルターで滅菌したものを
使用した。 (2)試験動物及び実験的皮膚欠損モデルの作製 試験動物としてSDラット(♀12週齢、体重254〜
385g)8匹、老齢(retire)ICRマウス
(♀30週齢、体重20〜56g)9匹及び糖尿病マウ
ス(KK−Ay/Ta Jcl)(♀6週齢、体重26
〜34g)6匹を用い、エーテル麻酔下に予め剃毛、消
毒したこれらのラットあるいはマウスの背部皮膚に円形
パンチ(内径8mm)を使用して正中線を中心に左右対
称に実験的皮膚欠損部位を2カ所作製した。1ヶ所の皮
膚欠損部位はrTIMP−2含有試験薬投与部位、他方
を対照溶媒の投与部位とした。 (3)rTIMP−2含有試験薬の投与と患部の観察 rTIMP−2含有試験薬及び対照の溶媒は、1日1
回、26G針付き注射筒を使用して2滴(約22μl)
を患部に直接滴下し連続投与した。老齢(retir
e)ICRマウス及び糖尿病マウスでは、皮膚欠損患部
が汚染されないように被覆剤(bioclusive)
及び弾性絆創膏(シルキーテックス)を用いて、患部を
密封包帯した。毎日、皮膚欠損部分の長径と短径をノギ
スで測定し、以下の方法により治癒過程における創面積
の変化を求めた。皮膚欠損作製日(Day0)の長径と
短径の積を100%として、これに対する比率を次式に
より算出した。
【0037】
【0038】算出した面積比の経日的変化より、皮膚欠
損部の面積変化を求めた。 SDラットの試験結果 rTIMP−2含有試験薬の投与群は、対照群に比べ4
日目以降顕著に皮膚欠損面積の縮小の促進が認められ、
僅かではあるが完治日数の短縮も示した。経日的な治癒
過程の典型的な結果を図2に示した。 老齢ICRマウスの試験結果 rTIMP−2含有試験薬の投与群は、対照群に比べ3
日目以降顕著に皮膚欠損面積の縮小の促進が認められ、
さらに完治日数の短縮も示した。図3に試験結果を平均
し治癒過程を表示したものを示した。 糖尿病マウスの試験結果 rTIMP−2含有試験薬の投与群は、対照群に比べ3
日目以降顕著に皮膚欠損面積の縮小の促進が認められ、
さらに完治日数の短縮も示した。図4に試験結果を平均
し治癒過程を表示したものを示した。これらの3種の何
れの試験動物における肉眼的所見でも、試験3日目で対
照群と比較し明らかに試験薬投与群では皮膚欠損部位の
血色が良く、乾燥の程度も高かった。試験9日ないし1
0日目では、対照群の皮膚欠損部位の面積もかなり縮小
し血色も改善してきているが、試験薬投与群ではさらに
皮膚欠損部位の面積が縮小しており、正常色に迫ってい
た。皮膚欠損が治癒した段階での対照群及び試験薬投与
群の処置部位を比較すると、試験薬投与群では治療瘢痕
が小さく、より目立たなかった。すなわち、本試験結果
で特筆すべき点は、皮膚欠損部治癒の促進ばかりでなく
治療瘢痕が小さく、より目立たないことであり、ヒトに
適用すると皮膚欠損創におけるケロイドや肥厚性瘢痕の
発生や外傷痕を予防すると推定される。尚、これらの試
験において観察所見上判断される副作用は全く認められ
なかった。
【0039】実施例8 rTIMP−2含有剤の皮膚欠
損治療効果の用量依存性 (1)rTIMP−2含有試験薬の調製 rTIMP−2含有試験薬として実施例5で調製したr
TIMP−2含有液剤を使用した。但し、rTIMP−
2の含有量を0.1%以外に0.05%、0.01%及
び0.001%の計4種類設定した。対照として0.0
05%塩化ベンザルコニウム含有生理食塩水を使用し
た。 (2)試験動物及び実験的皮膚欠損モデルの作製 試験動物として糖尿病マウス(KK−Ay/Ta Jc
1)(♀13週齢、体重39〜55g)30匹を用い、
実施例7に記載の方法でマウス背部皮膚に実験的皮膚欠
損部位を2カ所作製した。それぞれの創部を濃度の異な
るrTIMP−2含有試験薬あるいは対照溶媒の投与部
位とした。 (3)rTIMP−2含有試験薬の投与と患部の観察 rTIMP−2含有試験薬及び対照は、1日1回、実施
例7に記載の用量を患部に直接滴下し、創閉鎖まで連日
投与した。皮膚欠損患部は被覆剤(bioclusiv
e)及び弾性絆創膏(シルキーテックス)を用いて患部
を密封包帯した。毎日、皮膚欠損部の長径と短径をノギ
スで測定し、実施例7に記載の方法により患部の面積変
化を算出した。2カ所の創部へ投与する種々濃度のrT
IMP−2含有試験薬の組合せは、(イ)対照(0%)
及び0.001%、(ロ)0.001%及び0.01
%、(ハ)0.01%及び0.05%、(ニ)0.05
%及び0.1%、(ホ)0.01%及び0.1%とし、
各組合せにそれぞれ6匹のマウスを使用した。図5に種
々濃度のrTIMP−2含有試験薬で処理した際の、創
部の経日的面積変化を示した。対照と比較し、少なくと
も0.001%以上の濃度のrTIMP−2含有試験薬
は明らかな創傷治癒促進作用を示した。その作用の強さ
には、用量依存的傾向が認められるが、0.001%薬
剤と0.01%薬剤の作用はほぼ同程度、また、0.0
5%薬剤と0.1%薬剤もほぼ同程度の作用を示した。
【0040】実施例9 rTIMP−2含有剤の皮膚欠
損治療効果の組織学的評価 (1)rTIMP−2含有試験薬の調製 rTIMP−2含有試験薬として、実施例5で調製した
rTIMP−2含有液剤を、対照として0.005%塩
化ベンザルコニウム含有生理食塩水を使用した。 (2)試験動物及び実験的皮膚欠損モデルの作製 試験動物として糖尿病マウス(KK−Ay/Ta Jc
1)(♀8〜13週齢、体重36〜53g)30匹を用
い、実施例7に記載の方法でマウス背部皮膚に実験的皮
膚欠損部位を2カ所作製した。1ケ所の皮膚欠損部位は
rTIMP−2含有試験薬投与部位、他方を対照溶媒の
投与部位とした。 (3)rTIMP−2含有試験薬の投与と患部の組織学
的評価 rTIMP−2含有試験薬及び対照は、1日1回、実施
例7に記載の用量を創患部に直接滴下し、創閉鎖まで連
日投与した。皮膚欠損患部は被覆剤(bioclusi
ve)及び弾性絆創膏(シルキーテックス)を用いて患
部を密封包帯した。試験0、5、10、15、20日目
に各々6匹をペントバルビタールの腹腔内投与により屠
殺した。創部を全て含むように皮膚を四方形に筋膜上の
深さで切り出し、これを10%ホルマリンにて固定後、
パラフィン包埋ブロックを作製した。各々のブロックか
ら5μmの薄切標本スライドを作製し、各スライドをヘ
マトキシリンーエオジン染色した。 (4)組織学的評価 治療日数の経過と共に、rTIMP−2含有試験薬処置
群では対照群と比較して、明らかな表皮の再生像が認め
られ、その下部では、肉芽組織の形成、密なマトリック
スの形成、血管新生が明らかに促進されていた。特に再
上皮化は顕著であり、組織学的にケラチノサイトの遊走
が促進された結果と考えられた。また、rTIMP−2
には肉芽形成の促進作用もあることが考えられた。試験
15日目の対照群及びrTIMP−2含有試験薬処置群
の組織像を図6〜9に示した。図6及びその図のうちに
示した組織像の一部分の拡大写真である図7をみると明
らかなようにrTIMP−2処置マウスでは完全に治癒
している(傷口が小さい)ことが分かる(図7では治癒
部位の表皮の厚さが創部以外の部分の表皮の厚さと同じ
であることがわかり、治癒がより完全であることを示し
ている)。これは対照のマウス(図8及びその図のうち
に示した組織像の一部分の拡大写真である図9)を比較
してみるとより明らかである(図9では未治癒部位の上
皮化が未だ不充分であり、上皮部位もrTIMP−2含
有試験薬処置群の治癒部位に比べ表皮の厚さが薄いこと
が分かる)。また、創部の組織学的所見を下記の様にそ
の程度により分類、数値化し、評価を行った。 (a)再上皮化:創作製直後の像を0、完全治癒時を1
0とし、再上皮化の程度を10段階で評価した。 (b)肉芽形成:次の4段階で評価した。 1;薄い肉芽 2;中程度の肉芽 3;厚い肉芽 4;
非常に厚い肉芽 (c)マトリックス密度:次の4段階で評価した。 1;水腫 2;少量の粗いマトリックス 3;中程度の
マトリックス 4;密なマトリックス (d)浸潤した細胞の数(線維芽細胞、マクロファー
ジ):次の4段階で評価した。 1;殆ど無し 2;中程度 3;多数 4;非常に多数 (e)創当りの毛細血管の数:次の段階で評価した。 0;0〜4 1;5〜14 2;15〜24 3;25
〜34・・・・・・・・・・・・・10;95〜104
etc. 例えば、試験10日目の各組織学的所見を数値化し評価
した結果を表1に示した。数値評価からもrTIMP−
2含有試験薬処置群では、対照群に比較して再上皮化、
肉芽形成、マトリックス密度の促進、毛細血管数の増加
が確認され、特に再上皮化は顕著であった。
【0041】
【表1】
【0042】実施例10 rTIMP−2含有液剤のヒ
ト正常皮膚線維芽細胞の増殖に与える効果 (1)rTIMP−2試験薬の調製 生理食塩水(0.15M NaCl溶液、pH7.2)
に実施例1で得られたrTIMP−2を加え、最終濃度
を例えば10mg/mlに調製する。調製した溶剤は、
ポアサイズ0.1μmのメンブレンフィルターで滅菌し
た後、使用時まで冷蔵(4℃)保存した。 (2)ヒト正常皮膚線維芽細胞の培養及び増殖促進効果
の判定 ヒト正常皮膚線維芽細胞は、ヒト皮膚の初代培養により
取得したり、あるいは市販の、例えばClonetic
s社より販売されている新生児由来正常皮膚線維芽細胞
を使用することができる。細胞の増殖測定は、色素抽出
法により行った。10%ウシ胎仔血清を含むイーグルM
EM培地中で培養した細胞を96穴マイクロプレートに
ウェル当り103 cel1s/0.1ml接種した。3
7℃、5%CO2 インキュベーター中で一晩培養した
後、培地を除去するために細胞を3回PBSで洗浄し
た。洗浄した細胞に種々濃度のrTIMP−2を添加し
たウシ胎仔血清を含むイーグルMEM培地を加え、37
℃、5%CO2 で5日間培養した。このとき、rTIM
P−2を添加する基礎培地として、0%、1.25%、
2.5%、5%、10%のウシ胎仔血清を含むイーグル
MEM培地を使用した。
【0043】培養終了後、培地を吸引除去し、20%メ
タノールに溶解した0.5%クリスタルバイオレットを
加え30分間染色した。蒸留水で細胞を穏やかに洗浄
し、乾燥させた後、細胞に取り込まれたクリスタルバイ
オレットを30%酢酸で溶出した。溶出したクリスタル
バイオレットをマイクロプレートリーダー(東ソー製、
MPRA4)を使用し、570nmの吸光度で測定し
た。rTIMP−2無添加で培養した対照の吸光度との
差から細胞の増殖の程度を判定した。図10に様々なr
TIMP−2濃度で培養した細胞の増殖の程度を吸光度
で示した。また、図11には対照に対する増殖の程度を
パーセンテージで表示した。その結果、rTIMP−2
濃度3μg/mlより用量依存的に、ヒト正常皮膚線維
芽細胞の増殖を促進した。また、rTIMP−2濃度1
00μg/mlでは、対照に比較して40〜50%の増
殖の促進が認められた。図11からも明らかなように、
培地に含まれるウシ胎仔血清の量によらず、培地中のr
TIMP−2濃度に依存的に一様に増殖促進効果を示し
た。すなわち、この効果は培地中のウシ胎仔血清の量に
は依存せず、rTIMP−2自体の作用と推定できる。
【0044】実施例11 rTIMP−1及びrTIM
P−2の創傷治癒促進効果の比較 (1)rTIMP−1含有試験薬及びrTIMP−2含
有試験薬の調製 rTIMP−1含有試験薬として、実施例4で調製した
rTIMP−1含有液剤を、rTIMP−2含有試験薬
として実施例5で調製したrTIMP−2含有液剤を使
用した。対照として0.005%塩化ベンザルコニウム
含有生理食塩水をポアサイズ0.1μmのメンブレンフ
ィルターで滅菌したものを使用した。 (2)試験動物及び実験的皮膚欠損モデルの作製 試験動物として糖尿病マウス(KK−Ay/Ta Jc
1)(♀8週齢、体重31〜36g)10匹を用い、実
施例7に記載の方法でマウス背部皮膚に実験的皮膚欠損
部位を2ケ所作製した。各5匹のマウスをそれぞれrT
IMP−1投与群、rTIMP−2投与群とした。1ケ
所の皮膚欠損部位はrTIMP−1含有試験薬あるいは
rTIMP−2含有試験薬の投与部位、他方を対照溶媒
の投与部位とした。 (3)試験薬の投与と患部の観察 試験薬及び対照は、1日1回、実施例7に記載の用量を
患部に直接滴下し、創閉鎖まで連日投与した。皮膚欠損
部の保護、患部の面積変化は、実施例7に記載の方法に
より算出した。図12にrTIMP−1及びrTIMP
−2で処理した際の創部の経日的面積変化を示した。両
群ともほぼ同様の創傷治癒過程を示し、有意差を認めな
かった。また、50%治癒に要した日数を比較した場合
も両群に有意な差は認められなかった。すなわち、本試
験で用いた濃度0.1%では、rTIMP−1とrTI
MP−2は、ほぼ同等の創傷治癒効果を有することが示
された。
【0045】rTIMPsから成る群から選ばれた少な
くとも一つのティシュ インヒビター、特にrTIMP
−2を有効成分として含有する医薬は、その製剤として
の加工などを含めた有利な点に加え、上記したような各
種の創傷、手術に伴う傷、皮膚潰瘍等に優れた活性を示
す。rTIMP−2含有皮膚欠損症治療剤は、長期間の
保存の後でも安定した生理活性が期待でき、患部に適用
した後も優れた生物活性の作用効果が期待できる。こう
してTIMPsから成る群から選ばれた少なくとも一つ
のティシュ インヒビターを有効成分とする薬剤は、動
脈閉塞性下腿潰瘍及び静脈鬱滞性下腿潰瘍に代表される
血管障害性の潰瘍の他、処置困難な潰瘍である持続的な
圧迫刺激による褥瘡や糖尿病性潰瘍、その成因によって
呼ばれる熱傷潰瘍、外傷性潰瘍、放射線潰瘍、薬物潰
瘍、術後潰瘍、炎症性潰瘍、単純性潰瘍等に対する予防
作用あるいは治療作用、症状改善作用などを有している
と判断される。TIMPsから成る群から選ばれた少な
くとも一つのティシュ インヒビターを有効成分とする
薬剤は、慢性(難治性)皮膚潰瘍などであって、加齢や
物理的因子あるいは重篤な基礎疾患が背景に存在する場
合もあるなどの様々な要因が関与し、さらに創部感染症
を併発することもまれではない症状、病気に対し有意の
活性を有していると判断される。TIMPsから成る群
から選ばれた少なくとも一つのティシュインヒビターを
有効成分とする薬剤は、単独で強力な効果を示す薬剤と
して有用である。またTIMPsから成る群から選ばれ
た少なくとも一つのティシュ インヒビターを有効成分
とする薬剤は、手術後の皮膚欠損創におけるケロイドや
肥厚性瘢痕の発生予防や外傷痕の予防活性を示し、直接
的薬効をもった創傷治療剤、外科手術による手術創の治
癒促進剤、そして手術後の皮膚欠損創におけるケロイド
や肥厚性瘢痕の発生予防剤として有用である。更にTI
MPsは慢性(難治性)潰瘍治療剤として有用である。
【0046】
【発明の効果】本発明は、TIMPsを主たる有効成分
とする薬剤組成物を提供する。本発明に関わるTIMP
sを主たる有効成分とする薬剤組成物により処置困難な
慢性(難治性)皮膚潰瘍の治癒促進を達成することがで
きるが、加えて特筆すべきは治癒瘢痕が小さく、より目
立たないことである。この効果はquality of
lifeで重要な要素を占める審美的観点からも非常に
有用性が高い。さらに本発明に関わる薬剤組成物を用い
た治療により、少なくとも単純外科手術に於ける手術創
の治癒を早めることが可能となり入院期間の短縮を可能
とする。このことは、延いては健康保険等の医療財政へ
の経済的負担を軽減することにも貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】rTIMP−2含有液剤の安定性試験の結果を
示す。
【図2】SDラット実験的皮膚欠損モデルでのrTIM
P−2投与による皮膚欠損部の面積変化を示す。
【図3】老齢ICRマウス実験的皮膚欠損モデルでのr
TIMP−2投与による皮膚欠損部の面積変化を示す。
【図4】糖尿病マウス実験的皮膚欠損モデルでのrTI
MP−2投与による皮膚欠損部の面積変化を示す。
【図5】rTIMP−2含有試験薬の皮膚欠損治療効果
の用量依存性試験の結果を示す。
【図6】糖尿病マウス実験的皮膚欠損モデルでの試験1
5日目におけるrTIMP−2含有試験薬処置群の典型
的病理組織学所見の写真で、生物の形態の写真を示す。
【図7】糖尿病マウス実験的皮膚欠損モデルでの試験1
5日目におけるrTIMP−2含有試験薬処置群の典型
的病理組織学所見を示す図6の四角で囲った部分の拡大
写真で、生物の形態の写真を示す。
【図8】糖尿病マウス実験的皮膚欠損モデルでの試験1
5日目におけるrTIMP−2含有試験薬処置群に対す
る対照群の典型的病理組織学所見の写真で、生物の形態
の写真を示す。
【図9】糖尿病マウス実験的皮膚欠損モデルでの試験で
の対照群の典型的病理組織学所見を示す図8の四角で囲
った部分の拡大写真で、生物の形態の写真を示す。
【図10】rTIMP−2のヒト正常皮膚線維芽細胞に
対する増殖促進効果を示す。
【図11】rTIMP−2のヒト正常皮膚線維芽細胞に
対する増殖促進効果を対照に対するパーセンテージで示
す。
【図12】rTIMP−1含有試験薬及びrTIMP−
2含有試験薬の皮膚欠損治療効果を比較した結果を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 隆則 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内 (72)発明者 吉田 真一 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内 (72)発明者 新谷 孝 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ティシュ インヒビター オブ メタロ
    プロテアーゼ類から成る群から選ばれた少なくとも一つ
    のティシュ インヒビターを有効成分とすることを特徴
    とする皮膚欠損症治療剤。
  2. 【請求項2】 治療剤が、皮膚欠損症の治療において皮
    膚欠損症の瘢痕の発生予防及び該瘢痕の縮小化を図るた
    めの予防的治療を含む用途で用いられるものであること
    を特徴とする請求項1記載の治療剤。
  3. 【請求項3】 皮膚欠損症が創傷であることを特徴とす
    る請求項1記載の治療剤。
  4. 【請求項4】 創傷が手術創で、その手術創あるいはそ
    れに関連する手術瘢痕を予防的治療により縮小化をなす
    ものであることを特徴とする請求項3記載の治療剤。
  5. 【請求項5】 創傷が外傷創で、その外傷創あるいはそ
    れに関連する外傷瘢痕を予防的治療により縮小化をなす
    ものであることを特徴とする請求項3記載の治療剤。
  6. 【請求項6】 皮膚欠損症が皮膚潰瘍であることを特徴
    とする請求項1記載の治療剤。
  7. 【請求項7】 皮膚潰瘍が術後潰瘍で、その術後潰瘍あ
    るいはそれに関連する術後瘢痕を予防的治療により縮小
    化をなすものであることを特徴とする請求項6記載の治
    療剤。
  8. 【請求項8】 皮膚潰瘍が外傷性潰瘍で、その外傷性潰
    瘍あるいはそれに関連する外傷性瘢痕を予防的治療によ
    り縮小化をなすものであることを特徴とする請求項6記
    載の治療剤。
  9. 【請求項9】 皮膚潰瘍が慢性潰瘍であることを特徴と
    する請求項6記載の治療剤。
  10. 【請求項10】 皮膚潰瘍が褥瘡性潰瘍であることを特
    徴とする請求項6記載の治療剤。
  11. 【請求項11】 皮膚潰瘍が血管障害性潰瘍であること
    を特徴とする請求項6記載の治療剤。
  12. 【請求項12】 皮膚潰瘍が炎症性潰瘍であることを特
    徴とする請求項6記載の治療剤。
  13. 【請求項13】 皮膚潰瘍が単純性潰瘍であることを特
    徴とする請求項6記載の治療剤。
  14. 【請求項14】 有効成分としてティシュ インヒビタ
    ー オブ メタロプロテアーゼ−1を含有することを特
    徴とする請求項1〜13のいずれか一記載の治療剤。
  15. 【請求項15】 ティシュ インヒビター オブ メタ
    ロプロテアーゼ−1としてリコンビナント ティシュ
    インヒビター オブ メタロプロテアーゼ−1を含有す
    ることを特徴とする請求項14記載の治療剤。
  16. 【請求項16】 リコンビナント ティシュ インヒビ
    ター オブ メタロプロテアーゼ−1が宿主細胞として
    大腸菌、CHO細胞又はCOS−1細胞を用いて得られ
    た形質転換体細胞により発現され、得られた遺伝子産物
    を精製したものであることを特徴とする請求項15記載
    の治療剤。
  17. 【請求項17】 有効成分としてティシュ インヒビタ
    ー オブ メタロプロテアーゼ−2を含有することを特
    徴とする請求項1〜13のいずれか一記載の治療剤。
  18. 【請求項18】 ティシュ インヒビター オブ メタ
    ロプロテアーゼ−2としてリコンビナント ティシュ
    インヒビター オブ メタロプロテアーゼ−2を含有す
    ることを特徴とする請求項17記載の治療剤。
  19. 【請求項19】 リコンビナント ティシュ インヒビ
    ター オブ メタロプロテアーゼ−2が宿主細胞として
    大腸菌、CHO細胞又はCOS−1細胞を用いて得られ
    た形質転換体細胞により発現され、得られた遺伝子産物
    を精製したものであることを特徴とする請求項18記載
    の治療剤。
  20. 【請求項20】 ティシュ インヒビター オブ メタ
    ロプロテアーゼ類としてティシュ インヒビター オブ
    メタロプロテアーゼ−1及びティシュ インヒビター
    オブ メタロプロテアーゼ−2の混合物を有効成分と
    することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一記載
    の治療剤。
  21. 【請求項21】 ティシュ インヒビター オブ メタ
    ロプロテアーゼ−1としてリコンビナント ティシュ
    インヒビター オブ メタロプロテアーゼ−1をそして
    ティシュ インヒビター オブ メタロプロテアーゼ−
    2としてリコンビナント ティシュ インヒビター オ
    ブ メタロプロテアーゼ−2をそれぞれ含有することを
    特徴とする請求項20記載の治療剤。
  22. 【請求項22】 リコンビナント ティシュ インヒビ
    ター オブ メタロプロテアーゼ−1及びリコンビナン
    ト ティシュ インヒビター オブ メタロプロテアー
    ゼ−2がそれぞれ宿主細胞として大腸菌、CHO細胞又
    はCOS−1細胞を用いて得られた形質転換体細胞によ
    り発現され、得られた遺伝子産物を精製したものである
    ことを特徴とする請求項21記載の治療剤。
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