JPH0912596A - 抗癌剤の腫瘍細胞障害作用を増強する新規な蛋白性因子 - Google Patents
抗癌剤の腫瘍細胞障害作用を増強する新規な蛋白性因子Info
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- JPH0912596A JPH0912596A JP7179637A JP17963795A JPH0912596A JP H0912596 A JPH0912596 A JP H0912596A JP 7179637 A JP7179637 A JP 7179637A JP 17963795 A JP17963795 A JP 17963795A JP H0912596 A JPH0912596 A JP H0912596A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 抗癌剤の腫瘍細胞障害作用を増強する新規な
蛋白性因子を提供する。 【構成】 上皮性腫瘍細胞の培養上清に由来し、ゲル濾
過法により測定した分子量が約50,000〜約55,000であ
り、抗癌剤の腫瘍細胞障害作用を、濃度依存的に増強す
る作用を有する新規な蛋白性因子。
蛋白性因子を提供する。 【構成】 上皮性腫瘍細胞の培養上清に由来し、ゲル濾
過法により測定した分子量が約50,000〜約55,000であ
り、抗癌剤の腫瘍細胞障害作用を、濃度依存的に増強す
る作用を有する新規な蛋白性因子。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は上皮性腫瘍細胞、好まし
くはKB細胞の培養上清に由来し、抗癌剤の腫瘍細胞障害
作用を増強する作用を有する新規な蛋白性因子に関す
る。
くはKB細胞の培養上清に由来し、抗癌剤の腫瘍細胞障害
作用を増強する作用を有する新規な蛋白性因子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】癌の化学療法に用いられる抗癌剤はこれ
まで数多くのものが開発され、癌治療に大きな成果をあ
げてきた。しかしながら、抗癌剤は、腫瘍細胞が正常細
胞よりも代謝回転や増殖が速いことに基づいて、細胞増
殖に必須の核酸合成や細胞内成分合成を阻害するもので
あるため、正常細胞でも増殖の盛んな造血臓器、粘膜、
肝臓、腎臓、毛根などに毒性を示し、投与された患者に
対して貧血、嘔吐、肝障害、腎障害、脱毛等の甚だしい
苦痛を与える。しかも、抗癌剤は一般に有効量と最大耐
容量との幅が狭いので、投与量には細心の注意を払わね
ばならない。
まで数多くのものが開発され、癌治療に大きな成果をあ
げてきた。しかしながら、抗癌剤は、腫瘍細胞が正常細
胞よりも代謝回転や増殖が速いことに基づいて、細胞増
殖に必須の核酸合成や細胞内成分合成を阻害するもので
あるため、正常細胞でも増殖の盛んな造血臓器、粘膜、
肝臓、腎臓、毛根などに毒性を示し、投与された患者に
対して貧血、嘔吐、肝障害、腎障害、脱毛等の甚だしい
苦痛を与える。しかも、抗癌剤は一般に有効量と最大耐
容量との幅が狭いので、投与量には細心の注意を払わね
ばならない。
【0003】そこで、抗癌剤の正常細胞に対する毒性を
軽減するために、少ない投与量でも抗癌効果を奏するこ
とを目的として、これまで昇圧剤との併用(湧井昭ら:
癌と化学療法、11、741、1984)やカルシウム修飾剤と
の併用(鶴尾隆:癌と化学療法、11、750、1984)、あ
るいは徐放性製剤による投与などが試みられている。
軽減するために、少ない投与量でも抗癌効果を奏するこ
とを目的として、これまで昇圧剤との併用(湧井昭ら:
癌と化学療法、11、741、1984)やカルシウム修飾剤と
の併用(鶴尾隆:癌と化学療法、11、750、1984)、あ
るいは徐放性製剤による投与などが試みられている。
【0004】一方で、抗癌剤の中には、ブレオマイシン
(bleomycin)のように、単独ではほとんど腫瘍細胞致
死作用を示さず、他の抗癌剤と併用しなければならない
ものがある。
(bleomycin)のように、単独ではほとんど腫瘍細胞致
死作用を示さず、他の抗癌剤と併用しなければならない
ものがある。
【0005】また、TNF(Tumor Necrosis Factor)-α
は、CarswellらがBCGで感作し更にエンドトキシン処理
したマウスの血清中に見い出した腫瘍細胞を殺傷する作
用を有する蛋白質であり(Carswell, E.A. et al., Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA, 72: 3666-3670, 1975)、そ
の発見以来抗腫瘍剤として期待されてきた。しかしなが
ら、ヒトへの投与では動物実験で得られたような著効例
が少なく、またTNF-αが全く殺傷しない腫瘍がかなり存
在していることが問題となっている(渡辺直樹ら、「最
新医学」、48巻、694-702、1993)。
は、CarswellらがBCGで感作し更にエンドトキシン処理
したマウスの血清中に見い出した腫瘍細胞を殺傷する作
用を有する蛋白質であり(Carswell, E.A. et al., Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA, 72: 3666-3670, 1975)、そ
の発見以来抗腫瘍剤として期待されてきた。しかしなが
ら、ヒトへの投与では動物実験で得られたような著効例
が少なく、またTNF-αが全く殺傷しない腫瘍がかなり存
在していることが問題となっている(渡辺直樹ら、「最
新医学」、48巻、694-702、1993)。
【0006】そこで、TNF-αと他のサイトカインとを併
用する試みがなされており、これまでのところ、IFN(in
terferon)-γ、IFN-α、IFN-β、IL(interleukin)-1、I
L-2、IL-4等が、TNF-αの腫瘍細胞障害作用を増強する
ことが判明している("TumorNecrosis Factors", B. Beu
tler ed., Raven Press, New York, 1992)。しかしなが
ら、臨床的に効果が得られたのはIL-2との併用のみであ
る(Yang, S. C. etal., Cancer Research, 51, 3669-36
76, 1991)。
用する試みがなされており、これまでのところ、IFN(in
terferon)-γ、IFN-α、IFN-β、IL(interleukin)-1、I
L-2、IL-4等が、TNF-αの腫瘍細胞障害作用を増強する
ことが判明している("TumorNecrosis Factors", B. Beu
tler ed., Raven Press, New York, 1992)。しかしなが
ら、臨床的に効果が得られたのはIL-2との併用のみであ
る(Yang, S. C. etal., Cancer Research, 51, 3669-36
76, 1991)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、抗癌剤
の毒性を軽減するため、少ない投与量でも治療効果を奏
する手段が求められている。また単独では腫瘍細胞障害
作用をほとんど有しない抗癌剤については、その作用を
増強させる手段が求められている。
の毒性を軽減するため、少ない投与量でも治療効果を奏
する手段が求められている。また単独では腫瘍細胞障害
作用をほとんど有しない抗癌剤については、その作用を
増強させる手段が求められている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、抗癌剤の腫
瘍細胞障害作用を増強させる因子を用いれば、上記の課
題が解決されると考え、そのような因子を鋭意探索して
きたところ、上皮性腫瘍細胞の培養上清に由来し、ゲル
濾過法により測定した分子量が約50,000〜約55,000の新
規な蛋白性因子が、抗癌剤の腫瘍細胞障害作用を強める
作用を有することを見い出し、本発明を完成した。
瘍細胞障害作用を増強させる因子を用いれば、上記の課
題が解決されると考え、そのような因子を鋭意探索して
きたところ、上皮性腫瘍細胞の培養上清に由来し、ゲル
濾過法により測定した分子量が約50,000〜約55,000の新
規な蛋白性因子が、抗癌剤の腫瘍細胞障害作用を強める
作用を有することを見い出し、本発明を完成した。
【0009】本蛋白性因子(以下本因子という)は、抗
癌剤と共に用いることにより、ヒト由来の各種の腫瘍細
胞に対する抗癌剤の細胞障害作用を顕著に増強させる。
すなわち、強い抗癌作用を有する抗癌剤と本因子とを併
用することにより、抗癌剤の作用を低下させることなく
有効濃度を低減させるので。抗癌剤の副作用を減じるこ
とが期待される。また、ブレオマイシンやTNF-αのよう
に、単独では腫瘍細胞障害作用がほとんどない抗癌剤と
本因子とを併用することにより、腫瘍細胞致死作用を誘
導するため、これらの抗癌剤を癌治療に適応することが
可能となると考えられる。
癌剤と共に用いることにより、ヒト由来の各種の腫瘍細
胞に対する抗癌剤の細胞障害作用を顕著に増強させる。
すなわち、強い抗癌作用を有する抗癌剤と本因子とを併
用することにより、抗癌剤の作用を低下させることなく
有効濃度を低減させるので。抗癌剤の副作用を減じるこ
とが期待される。また、ブレオマイシンやTNF-αのよう
に、単独では腫瘍細胞障害作用がほとんどない抗癌剤と
本因子とを併用することにより、腫瘍細胞致死作用を誘
導するため、これらの抗癌剤を癌治療に適応することが
可能となると考えられる。
【0010】なお、本因子は単独では、ヒト正常細胞に
対する細胞障害作用はほとんどなく、また、本因子の濃
度を上げていくと、単独でも濃度依存的に腫瘍細胞障害
作用を示す。従って、本因子は単独で抗癌剤として適用
されうることも期待される。
対する細胞障害作用はほとんどなく、また、本因子の濃
度を上げていくと、単独でも濃度依存的に腫瘍細胞障害
作用を示す。従って、本因子は単独で抗癌剤として適用
されうることも期待される。
【0011】本因子を調製するには、概略以下のように
して行う。
して行う。
【0012】本因子は、上皮性腫瘍細胞、例えばKB細
胞、HT-3細胞、HeLa細胞等の培養上清から抽出精製する
ことにより得られるが、特にKB細胞を用いることが好ま
しい。KB細胞は上皮性ヒト腫瘍細胞株であって、Americ
an Type Culture Collection(ATCC)に寄託番号ATCC CCL
17として寄託されており、誰でも自由に入手可能であ
る。又、KB細胞の変異株も本発明には好適に使用され得
る。
胞、HT-3細胞、HeLa細胞等の培養上清から抽出精製する
ことにより得られるが、特にKB細胞を用いることが好ま
しい。KB細胞は上皮性ヒト腫瘍細胞株であって、Americ
an Type Culture Collection(ATCC)に寄託番号ATCC CCL
17として寄託されており、誰でも自由に入手可能であ
る。又、KB細胞の変異株も本発明には好適に使用され得
る。
【0013】まず、上皮性腫瘍細胞を常法に従って培養
する。培地としては、動物細胞の培養に通常用いられる
培地であれば特に限定はなく、例えばEagle's minium e
ssential medium、Dulbecco's modified Eagle's mediu
m(DME)、RPMI1640等が使用され得る。培地中にはウシ胎
児血清(FCS)を含まない方が本因子を精製する上で好ま
しいが、使用する細胞株の増殖にFCSの存在が必須であ
れば、FCSを含む培地で培養して細胞密度を十分に高く
した後に無血清培地に移し、無血清培地上清から本因子
を精製することが好ましい。次いで培養上清を採取し、
該上清をゲル濾過法により分画分子量約50,000〜約60,0
00のフラクションを採取する(なお、ゲル濾過に先立っ
て、限外濾過膜を用いて低分子の物質を除去することに
より、上清を濃縮しておくことが好ましい)。更にこの
フラクションを陰イオン交換クロマトグラフィーにアプ
ライして、塩を含む緩衝液で塩濃度を上げつつ溶出する
と、約0.05M〜約0.1Mの塩を含む緩衝液により本因子が
溶出される。
する。培地としては、動物細胞の培養に通常用いられる
培地であれば特に限定はなく、例えばEagle's minium e
ssential medium、Dulbecco's modified Eagle's mediu
m(DME)、RPMI1640等が使用され得る。培地中にはウシ胎
児血清(FCS)を含まない方が本因子を精製する上で好ま
しいが、使用する細胞株の増殖にFCSの存在が必須であ
れば、FCSを含む培地で培養して細胞密度を十分に高く
した後に無血清培地に移し、無血清培地上清から本因子
を精製することが好ましい。次いで培養上清を採取し、
該上清をゲル濾過法により分画分子量約50,000〜約60,0
00のフラクションを採取する(なお、ゲル濾過に先立っ
て、限外濾過膜を用いて低分子の物質を除去することに
より、上清を濃縮しておくことが好ましい)。更にこの
フラクションを陰イオン交換クロマトグラフィーにアプ
ライして、塩を含む緩衝液で塩濃度を上げつつ溶出する
と、約0.05M〜約0.1Mの塩を含む緩衝液により本因子が
溶出される。
【0014】以下に本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】
実施例1 (本因子の製造)本因子の抽出・精製は、TNF-α存在下
でのヒト乳腫瘍細胞由来のSK-BR3細胞(ATCC HTB30)に対
する細胞障害活性を指標として行った。細胞障害活性の
測定方法は以下の通りであった。
でのヒト乳腫瘍細胞由来のSK-BR3細胞(ATCC HTB30)に対
する細胞障害活性を指標として行った。細胞障害活性の
測定方法は以下の通りであった。
【0016】10%(v/v)のFCSを含むDME 100μlに懸濁し
たSK-BR3細胞3×104を96穴のプレートにまき、37℃でCO
2インキュベーターにて一晩培養した。その後試料を含
む溶液を50μl加え、次いでヒトTNF-α(RD System社
製)を最終濃度80ng/mlとなるように加え、更に培地を
加えて最終量をウェル当たり200μlとした。この状態で
2〜4日間CO2インキュベーターで培養した後、生細胞数
を測定した。生細胞数はクリスタルバイオレット染色法
で測定し、OD595を生細胞数の指標とした。なお、予め
生細胞数とOD595との相関を調べておき、直線性のある
範囲で生細胞数を測定した。
たSK-BR3細胞3×104を96穴のプレートにまき、37℃でCO
2インキュベーターにて一晩培養した。その後試料を含
む溶液を50μl加え、次いでヒトTNF-α(RD System社
製)を最終濃度80ng/mlとなるように加え、更に培地を
加えて最終量をウェル当たり200μlとした。この状態で
2〜4日間CO2インキュベーターで培養した後、生細胞数
を測定した。生細胞数はクリスタルバイオレット染色法
で測定し、OD595を生細胞数の指標とした。なお、予め
生細胞数とOD595との相関を調べておき、直線性のある
範囲で生細胞数を測定した。
【0017】(1)KB細胞の培養 約2×108個のKB細胞を、1,000mlの10%(v/v)のFCSを含む
DMEに懸濁し、150cm2の培養ディッシュ20枚に分けて培
養した。2日後に培地を除き、各ディッシュに50mlの無
血清培地ASF301(味の素社製)を加えて更に培養を続け
た。2日後に培地を採取して、遠心で細胞を除いたもの
を培養上清とした。
DMEに懸濁し、150cm2の培養ディッシュ20枚に分けて培
養した。2日後に培地を除き、各ディッシュに50mlの無
血清培地ASF301(味の素社製)を加えて更に培養を続け
た。2日後に培地を採取して、遠心で細胞を除いたもの
を培養上清とした。
【0018】(2)抽出・精製 (1)で得られた培養上清1,000mlを、分画分子量10,000の
限外濾過膜(Filtron、Fuji Filter社製)に通すことに
より、約100分の1の容積(約10ml)にまで濃縮した。
限外濾過膜(Filtron、Fuji Filter社製)に通すことに
より、約100分の1の容積(約10ml)にまで濃縮した。
【0019】ゲル濾過のゲルにはSephacryl S-300 HR
(Pharmacia社製)を用い、これをカラム(φ60×300m
m)に詰め、pH7.33の燐酸緩衝液(PBS)で平衡化した。こ
れに上記の濃縮した培養上清約5mlをアプライし、OD280
でモニターしつつPBSで溶出し、1フラクション15mlづつ
集めた。結果を図1に示す。
(Pharmacia社製)を用い、これをカラム(φ60×300m
m)に詰め、pH7.33の燐酸緩衝液(PBS)で平衡化した。こ
れに上記の濃縮した培養上清約5mlをアプライし、OD280
でモニターしつつPBSで溶出し、1フラクション15mlづつ
集めた。結果を図1に示す。
【0020】上記で得られたフラクションのうち、偶数
番号のフラクションの細胞障害活性を調べた。TNF-α添
加群とTNF-α無添加群とを用意し、試料添加後の培養期
間は4日間とした。結果を図2に示す(図中、実線はTNF
-α無添加群を、波線はTNF-α添加群を示す)。この図
から、TNF-α存在下でのSK-BR3細胞に対する細胞障害作
用の最大のピークは、フラクション番号7〜11の画分で
あることが判明した。そこで、これらのフラクションを
プールし、50倍容量の10mM Tris-HCl緩衝液(pH 7.5)
で2回透析して、次の陰イオン交換カラムクロマトグラ
フィーに供した。
番号のフラクションの細胞障害活性を調べた。TNF-α添
加群とTNF-α無添加群とを用意し、試料添加後の培養期
間は4日間とした。結果を図2に示す(図中、実線はTNF
-α無添加群を、波線はTNF-α添加群を示す)。この図
から、TNF-α存在下でのSK-BR3細胞に対する細胞障害作
用の最大のピークは、フラクション番号7〜11の画分で
あることが判明した。そこで、これらのフラクションを
プールし、50倍容量の10mM Tris-HCl緩衝液(pH 7.5)
で2回透析して、次の陰イオン交換カラムクロマトグラ
フィーに供した。
【0021】陰イオン交換カラムクロマトグラフィーと
してはEcono-PacQカラム(Bio-Rad社製、φ10×50mm)
を用い、これを10mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)で平衡化し
たものに、上記のプールした画分をアプライした。カラ
ムからの溶出は、OD280でモニターしつつ、まずNaClを
含まない10mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)で5ml、次いで0.0
5M及び0.1Mをそれぞれ含む10mM Tris-HCl緩衝液5mlず
つ、最後に0.5MのNaClを含む10mM Tris-HCl緩衝液(pH7.
5)で溶出した。フラクションは2.5mlずつ分取した。結
果を図3に示す。なおOD280の値は10倍希釈して測定し
た。溶出液を2フラクションづつプールして、それぞれ
について細胞障害作活性を調べた(培養は4日間)。結
果を図4に示す(図中、実線はTNF-α無添加群を、波線
はTNF-α添加群を示す)。図4が示すように、フラクシ
ョン番号4(図3の7番目のフラクションと8番目のフラ
クションとをあわせたもの)、即ち0.05M〜0.1MのNaCl
で溶出される画分に細胞障害活性のピークが認められ、
このフラクションに本因子が含まれていることが示され
た。
してはEcono-PacQカラム(Bio-Rad社製、φ10×50mm)
を用い、これを10mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)で平衡化し
たものに、上記のプールした画分をアプライした。カラ
ムからの溶出は、OD280でモニターしつつ、まずNaClを
含まない10mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)で5ml、次いで0.0
5M及び0.1Mをそれぞれ含む10mM Tris-HCl緩衝液5mlず
つ、最後に0.5MのNaClを含む10mM Tris-HCl緩衝液(pH7.
5)で溶出した。フラクションは2.5mlずつ分取した。結
果を図3に示す。なおOD280の値は10倍希釈して測定し
た。溶出液を2フラクションづつプールして、それぞれ
について細胞障害作活性を調べた(培養は4日間)。結
果を図4に示す(図中、実線はTNF-α無添加群を、波線
はTNF-α添加群を示す)。図4が示すように、フラクシ
ョン番号4(図3の7番目のフラクションと8番目のフラ
クションとをあわせたもの)、即ち0.05M〜0.1MのNaCl
で溶出される画分に細胞障害活性のピークが認められ、
このフラクションに本因子が含まれていることが示され
た。
【0022】以下に本因子の諸性質を示すが、図4のフ
ラクション番号4の画分(以下「本因子を含む蛋白溶
液」という)を、試料として用いた。腫瘍細胞障害活性
の測定は、上述のTNF-α存在下でのSK-BR3細胞に対する
細胞障害活性(以下「腫瘍細胞障害活性」という)の測
定方法を用いた。また、細胞増殖抑制と細胞致死につい
ては、細胞数の経時的変化と、顕微鏡による細胞の形態
の観察の結果とから判断した。
ラクション番号4の画分(以下「本因子を含む蛋白溶
液」という)を、試料として用いた。腫瘍細胞障害活性
の測定は、上述のTNF-α存在下でのSK-BR3細胞に対する
細胞障害活性(以下「腫瘍細胞障害活性」という)の測
定方法を用いた。また、細胞増殖抑制と細胞致死につい
ては、細胞数の経時的変化と、顕微鏡による細胞の形態
の観察の結果とから判断した。
【0023】(分子量)分子量マーカーとして、アルブ
ミン(分子量67,000)、オボアルブミン(同43,000)、
キモトリプシノーゲンA(同25,000)及びリボヌクレア
ーゼA(同13,700)を用いて、ゲル濾過法により本因子
の分子量を算出した。ゲルはSephacryl S-300 HRをカラ
ム(φ60×300mm)に詰め、pH7.33のPBSで平衡化したも
のを用い、本因子を含む蛋白溶液と前記分子量マーカー
とを混合してアプライした。これをPBSで溶出し、アル
ブミンの溶出位置をフラクション番号7となるようにし
た場合、腫瘍細胞障害活性の最大値はフラクション番号
9ないし10に溶出された(図5)。図5の分子量と溶出
位置の関係を示すグラフから、本因子の分子量は約50,0
00〜約55,000と計算された。
ミン(分子量67,000)、オボアルブミン(同43,000)、
キモトリプシノーゲンA(同25,000)及びリボヌクレア
ーゼA(同13,700)を用いて、ゲル濾過法により本因子
の分子量を算出した。ゲルはSephacryl S-300 HRをカラ
ム(φ60×300mm)に詰め、pH7.33のPBSで平衡化したも
のを用い、本因子を含む蛋白溶液と前記分子量マーカー
とを混合してアプライした。これをPBSで溶出し、アル
ブミンの溶出位置をフラクション番号7となるようにし
た場合、腫瘍細胞障害活性の最大値はフラクション番号
9ないし10に溶出された(図5)。図5の分子量と溶出
位置の関係を示すグラフから、本因子の分子量は約50,0
00〜約55,000と計算された。
【0024】(トリプシン消化による失活)本因子を含
む蛋白溶液に、トリプシンを最終濃度50μg/mlとなるよ
うに添加し、37℃で2時間インキュベートし、その後ト
リプシンインヒビターを最終濃度200μg/mlとなるよう
に加えて不活化してから、腫瘍細胞細胞障害活性を測定
した。
む蛋白溶液に、トリプシンを最終濃度50μg/mlとなるよ
うに添加し、37℃で2時間インキュベートし、その後ト
リプシンインヒビターを最終濃度200μg/mlとなるよう
に加えて不活化してから、腫瘍細胞細胞障害活性を測定
した。
【0025】本因子を含む蛋白溶液にトリプシンとトリ
プシンインヒビター(最終濃度200μg/ml)とを同時に
加えたものを、37℃で2時間インキュベートした後、腫
瘍細胞障害活性を測定し、そのデータをTNF-αに対する
腫瘍細胞障害活性の増強活性100%とし、また、TNFの添
加のみで腫瘍細胞障害活性を測定し、そのデータをTNF-
αの腫瘍細胞障害作用の増強活性0%とした。結果を以下
に示す。
プシンインヒビター(最終濃度200μg/ml)とを同時に
加えたものを、37℃で2時間インキュベートした後、腫
瘍細胞障害活性を測定し、そのデータをTNF-αに対する
腫瘍細胞障害活性の増強活性100%とし、また、TNFの添
加のみで腫瘍細胞障害活性を測定し、そのデータをTNF-
αの腫瘍細胞障害作用の増強活性0%とした。結果を以下
に示す。
【0026】 トリプシン処理しないもの 74% トリプシン処理したもの 31% トリプシンとトリプシンインヒビターとで処理したもの 100%
【0027】この結果が示すように、本因子は、トリプ
シンの添加によって、TNF-αに対する腫瘍細胞障害作用
の増強作用が殆ど消失し、トリプシンに加えてトリプシ
ンインヒビターを添加することによって失活が抑制され
る。この結果から、本因子は蛋白性のものであると考え
られる。
シンの添加によって、TNF-αに対する腫瘍細胞障害作用
の増強作用が殆ど消失し、トリプシンに加えてトリプシ
ンインヒビターを添加することによって失活が抑制され
る。この結果から、本因子は蛋白性のものであると考え
られる。
【0028】(熱安定性)本因子を含む蛋白溶液を、4
℃、43℃、50℃、55℃、63℃、70℃及び80℃で1時間イ
ンキュベートし、腫瘍細胞障害活性を本因子添加後3日
目と4日目に測定した。なお、100%のTNF-αに対する腫
瘍細胞障害活性の増強作用は、TNF-αと熱処理していな
い本因子とによる腫瘍細胞障害活性からTNF-αのみによ
る腫瘍細胞障害活性を引いた値とした。
℃、43℃、50℃、55℃、63℃、70℃及び80℃で1時間イ
ンキュベートし、腫瘍細胞障害活性を本因子添加後3日
目と4日目に測定した。なお、100%のTNF-αに対する腫
瘍細胞障害活性の増強作用は、TNF-αと熱処理していな
い本因子とによる腫瘍細胞障害活性からTNF-αのみによ
る腫瘍細胞障害活性を引いた値とした。
【0029】本因子は、4〜63℃処理では失活は全く見
られず、70℃処理では約80%、80℃処理では約30%の、TN
F-αの腫瘍細胞障害活性を増強する作用が残存してい
た。この結果から、50%の腫瘍細胞障害活性の増強作用
が失活する温度を内挿(interpolation)によって求め
ると、約75℃であった。
られず、70℃処理では約80%、80℃処理では約30%の、TN
F-αの腫瘍細胞障害活性を増強する作用が残存してい
た。この結果から、50%の腫瘍細胞障害活性の増強作用
が失活する温度を内挿(interpolation)によって求め
ると、約75℃であった。
【0030】(他の公知のサイトカインとの本因子との
比較)分子量、ELISAによる同定及び腫瘍細胞障害作用
の3点について、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-4、IL-6、I
FN-α、IFN-β、IFN-γ、TNF-α、TNF-β及びFas-ligan
dと本因子とを比較すると、これらのサイトカインは本
因子と少なくとも2点で異なることが示された。
比較)分子量、ELISAによる同定及び腫瘍細胞障害作用
の3点について、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-4、IL-6、I
FN-α、IFN-β、IFN-γ、TNF-α、TNF-β及びFas-ligan
dと本因子とを比較すると、これらのサイトカインは本
因子と少なくとも2点で異なることが示された。
【0031】分子量 分子量について本因子とこれらのサイトカインを比較す
ると表1の通りである。この表において、各サイトカイ
ンの分子量は、Pestka, S. and Langer, J. A.in Ann.
Rev. Biochem. (1987) 56: 727-777、Cytokines-A Prac
tical Approach- Ed. Balkwill, F. R. (1991) IRL Pre
ss及びNagata, S. and Suda, T. Immunol. Today (199
5) 16: 39-43による。
ると表1の通りである。この表において、各サイトカイ
ンの分子量は、Pestka, S. and Langer, J. A.in Ann.
Rev. Biochem. (1987) 56: 727-777、Cytokines-A Prac
tical Approach- Ed. Balkwill, F. R. (1991) IRL Pre
ss及びNagata, S. and Suda, T. Immunol. Today (199
5) 16: 39-43による。
【0032】
【表1】
【0033】表1から、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-4、
IL-6、IFN-α及びFas-ligandは、本因子の分子量(約5
0,000〜約55,000)とは異なることが示される。
IL-6、IFN-α及びFas-ligandは、本因子の分子量(約5
0,000〜約55,000)とは異なることが示される。
【0034】ELISAによる同定 IFN-β、IFN-γ及びTNF-αは、二量体あるいは三量体を
形成することにより、分子量が本因子の分子量に近い約
40,000〜50,000となる場合がある。そこで本因子がこれ
らのサイトカインのいずれでもないことを確認するため
に、本因子を含む蛋白溶液についてIFN-β、IFN-γ及び
TNF-αをELISA法で測定したところ、IFN-β、IFN-γ及
びTNF-αのいずれも全く検出されなかった。
形成することにより、分子量が本因子の分子量に近い約
40,000〜50,000となる場合がある。そこで本因子がこれ
らのサイトカインのいずれでもないことを確認するため
に、本因子を含む蛋白溶液についてIFN-β、IFN-γ及び
TNF-αをELISA法で測定したところ、IFN-β、IFN-γ及
びTNF-αのいずれも全く検出されなかった。
【0035】腫瘍細胞障害作用 本因子と各サイトカインのSK-BR3細胞に対する細胞障害
作用を、それぞれ単独で用いた場合、及び、TNF-αある
いはシスプラチンと併用したときの細胞増殖抑制あるい
は致死効果について調べた。結果を表2に示す。
作用を、それぞれ単独で用いた場合、及び、TNF-αある
いはシスプラチンと併用したときの細胞増殖抑制あるい
は致死効果について調べた。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2に示されるように、SK-BR3細胞に対す
る細胞障害作用は、単独で用いた場合、及び、TNF-αあ
るいはシスプラチンと併用したときのいずれの場合で
も、SK-BR3細胞に対して増殖抑制あるいは致死効果が強
く、かつ因子濃度依存的であるのは本因子だけである。
る細胞障害作用は、単独で用いた場合、及び、TNF-αあ
るいはシスプラチンと併用したときのいずれの場合で
も、SK-BR3細胞に対して増殖抑制あるいは致死効果が強
く、かつ因子濃度依存的であるのは本因子だけである。
【0038】以上の比較から、本因子は、IL-1α、IL-1
β、IL-2、IL-4、IL-6、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、TNF-
α、TNF-β及びFas-ligandのいずれとも異なることが判
明した。従って、本因子は、抗癌剤の腫瘍細胞障害活性
を増強する作用を有する新規な因子であると考えられ
る。
β、IL-2、IL-4、IL-6、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、TNF-
α、TNF-β及びFas-ligandのいずれとも異なることが判
明した。従って、本因子は、抗癌剤の腫瘍細胞障害活性
を増強する作用を有する新規な因子であると考えられ
る。
【0039】(試験例)本因子による抗癌剤に対する腫
瘍細胞障害作用の増強効果を、TNF-α、シスプラチン及
びブレオマイシンについて調べた。
瘍細胞障害作用の増強効果を、TNF-α、シスプラチン及
びブレオマイシンについて調べた。
【0040】以下の試験例で用いられる本因子を含む蛋
白溶液は、断りがない限り、実施例1記載の方法で調製
し、一部の試験においては、培養上清を約200倍に濃縮
したものから調製した。すなわち後者は、実施例1によ
って調製されたものと比べて本因子の濃度が2倍である
(以下2倍濃度溶液という)。
白溶液は、断りがない限り、実施例1記載の方法で調製
し、一部の試験においては、培養上清を約200倍に濃縮
したものから調製した。すなわち後者は、実施例1によ
って調製されたものと比べて本因子の濃度が2倍である
(以下2倍濃度溶液という)。
【0041】また、腫瘍細胞障害活性の測定方法は、実
施例1における本因子の抽出・精製における細胞障害活
性測定方法に準じて行い、生細胞数の測定は試料添加後
4日目に行った。
施例1における本因子の抽出・精製における細胞障害活
性測定方法に準じて行い、生細胞数の測定は試料添加後
4日目に行った。
【0042】試験例1(抗癌剤に対する腫瘍細胞障害活
性増強作用の本因子濃度依存性) 抗癌剤を一定濃度加えた培地に、本因子を含む蛋白溶液
を種々の希釈倍率で添加して、本因子の抗癌剤に対する
腫瘍細胞障害活性増強作用を調べた。結果を図6に示
す。この図において、横軸は本因子を含む蛋白溶液の希
釈倍率を示し、縦軸は細胞生残率を示す。
性増強作用の本因子濃度依存性) 抗癌剤を一定濃度加えた培地に、本因子を含む蛋白溶液
を種々の希釈倍率で添加して、本因子の抗癌剤に対する
腫瘍細胞障害活性増強作用を調べた。結果を図6に示
す。この図において、横軸は本因子を含む蛋白溶液の希
釈倍率を示し、縦軸は細胞生残率を示す。
【0043】A.TNF-α 本因子を含む蛋白溶液はウェル中の最終希釈倍率が3456
〜54となるように添加し、TNF-αは最終濃度80ng/ml添
加した。図中、+TNFはTNF-α添加を、-TNFはTNF-α無添
加をそれぞれ示す。TNF-α単独では若干細胞増殖抑制活
性を示すのみで、細胞致死作用をほとんど示さなかっ
た。これに本因子を添加すると、本因子の濃度依存的に
細胞障害活性が増強された。
〜54となるように添加し、TNF-αは最終濃度80ng/ml添
加した。図中、+TNFはTNF-α添加を、-TNFはTNF-α無添
加をそれぞれ示す。TNF-α単独では若干細胞増殖抑制活
性を示すのみで、細胞致死作用をほとんど示さなかっ
た。これに本因子を添加すると、本因子の濃度依存的に
細胞障害活性が増強された。
【0044】B.シスプラチン 本因子を含む蛋白溶液は2倍濃度溶液を用いて、ウェル
中の最終希釈倍率が540〜20となるように添加し、シス
プラチンは最終濃度0.4μg/ml添加した。図中、+シス
プラチンはシスプラチン添加を、−シスプラチンは無添
加を、それぞれ示す。シスプラチン単独(0.4μg/ml)
では細胞増殖は抑制されるが、致死作用はほとんど示さ
なかった。これに本因子を添加すると、濃度依存的に細
胞障害活性が増強された。
中の最終希釈倍率が540〜20となるように添加し、シス
プラチンは最終濃度0.4μg/ml添加した。図中、+シス
プラチンはシスプラチン添加を、−シスプラチンは無添
加を、それぞれ示す。シスプラチン単独(0.4μg/ml)
では細胞増殖は抑制されるが、致死作用はほとんど示さ
なかった。これに本因子を添加すると、濃度依存的に細
胞障害活性が増強された。
【0045】C.ブレオマイシン 本因子を含む蛋白溶液はウェル中の最終希釈倍率が3456
〜54となるように添加し、ブレオマイシンは最終濃度25
μg/ml添加した。図中、+ブレオマイシンはブレオマイ
シン添加を、−ブレオマイシンは無添加を、それぞれ示
す。ブレオマイシンは単独では何の細胞障害活性も示さ
なかったが、これに本因子を添加すると、本因子濃度依
存的に増殖抑制作用を示した。
〜54となるように添加し、ブレオマイシンは最終濃度25
μg/ml添加した。図中、+ブレオマイシンはブレオマイ
シン添加を、−ブレオマイシンは無添加を、それぞれ示
す。ブレオマイシンは単独では何の細胞障害活性も示さ
なかったが、これに本因子を添加すると、本因子濃度依
存的に増殖抑制作用を示した。
【0046】試験例2(腫瘍細胞障害活性増強の抗癌剤
濃度依存性) 本因子を一定濃度加えた培地に、抗癌剤を種々の濃度で
添加して、本因子の抗癌剤に対する腫瘍細胞障害活性増
強作用の抗癌剤濃度依存性を調べた。結果を図7に示
す。この図において、横軸は抗癌剤の濃度を示し、縦軸
は細胞生残率を示す。
濃度依存性) 本因子を一定濃度加えた培地に、抗癌剤を種々の濃度で
添加して、本因子の抗癌剤に対する腫瘍細胞障害活性増
強作用の抗癌剤濃度依存性を調べた。結果を図7に示
す。この図において、横軸は抗癌剤の濃度を示し、縦軸
は細胞生残率を示す。
【0047】A.TNF-α 本因子はウェル中の最終希釈倍率が54になるように添加
し、TNF-αは0から160ng/mlまでの範囲で添加した。図
中、+本因子は本因子を、−本因子はPBSを(最終希釈
倍率54)、それぞれ添加したことを示す。この濃度では
本因子は単独では弱い細胞増殖抑制作用を示すだけで、
またTNF-αも、この濃度範囲では細胞致死作用を示さな
かったが、TNF-αに本因子を添加することにより、細胞
致死作用を示すようになり、その作用の増強はTNF-αの
濃度依存的であった。
し、TNF-αは0から160ng/mlまでの範囲で添加した。図
中、+本因子は本因子を、−本因子はPBSを(最終希釈
倍率54)、それぞれ添加したことを示す。この濃度では
本因子は単独では弱い細胞増殖抑制作用を示すだけで、
またTNF-αも、この濃度範囲では細胞致死作用を示さな
かったが、TNF-αに本因子を添加することにより、細胞
致死作用を示すようになり、その作用の増強はTNF-αの
濃度依存的であった。
【0048】B.シスプラチン 本因子を含む蛋白溶液は2倍濃度溶液を用いて、ウェル
中の最終希釈倍率が60となるように添加し、シスプラチ
ン濃度は0から12.5μg/mlまでの範囲で添加した。図
中、+本因子は本因子を、−本因子はPBS(最終希釈倍
率60)を、それぞれ添加したことを示す。シスプラチン
単独で1.58μg/ml以上では細胞致死作用を示したが、0.
4μg/mlでは主として細胞増殖抑制作用であった。とこ
ろが、本因子を添加することにより、グラフのカーブが
左へシフトすることが示された。すなわち、本因子が存
在すると、本因子無添加の場合の1/4程度のシスプラチ
ンの濃度で同等の細胞障害活性を示すことが明らかにな
った。
中の最終希釈倍率が60となるように添加し、シスプラチ
ン濃度は0から12.5μg/mlまでの範囲で添加した。図
中、+本因子は本因子を、−本因子はPBS(最終希釈倍
率60)を、それぞれ添加したことを示す。シスプラチン
単独で1.58μg/ml以上では細胞致死作用を示したが、0.
4μg/mlでは主として細胞増殖抑制作用であった。とこ
ろが、本因子を添加することにより、グラフのカーブが
左へシフトすることが示された。すなわち、本因子が存
在すると、本因子無添加の場合の1/4程度のシスプラチ
ンの濃度で同等の細胞障害活性を示すことが明らかにな
った。
【0049】C.ブレオマイシン 本因子はウェル中の最終希釈倍率が54になるように添加
し、ブレオマイシン濃度は0から250μg/mlまでの範囲で
添加した。図中、+本因子は本因子を、−本因子はPBS
(最終希釈倍率54)を、それぞれ添加したことを示す。
この濃度では本因子は単独では弱い増殖抑制作用を示す
程度であり、またブレオマイシンは、単独ではこの濃度
範囲では弱い増殖抑制作用を示すだけであったが、ブレ
オマイシンに本因子を添加することにより、ブレオマイ
シン濃度依存的に細胞障害作用を示した。
し、ブレオマイシン濃度は0から250μg/mlまでの範囲で
添加した。図中、+本因子は本因子を、−本因子はPBS
(最終希釈倍率54)を、それぞれ添加したことを示す。
この濃度では本因子は単独では弱い増殖抑制作用を示す
程度であり、またブレオマイシンは、単独ではこの濃度
範囲では弱い増殖抑制作用を示すだけであったが、ブレ
オマイシンに本因子を添加することにより、ブレオマイ
シン濃度依存的に細胞障害作用を示した。
【0050】試験例3(本因子の腫瘍細胞選択的細胞障
害活性) 本因子が、抗癌剤と協同して、腫瘍細胞に選択的に細胞
障害活性を示すことを、抗癌剤としてTNF-αを用いて調
べた。
害活性) 本因子が、抗癌剤と協同して、腫瘍細胞に選択的に細胞
障害活性を示すことを、抗癌剤としてTNF-αを用いて調
べた。
【0051】SK-BR3細胞、U937(ヒトリンパ性腫瘍細
胞)、KB(ヒト上皮性腫瘍細胞)、A549(ヒト肺腫瘍細
胞)及びTM12(ヒト正常繊維芽細胞)について、1〜3×
104を96穴のプレートにまき、CO2インキュベーターで一
晩培養した。翌日に本因子を含む蛋白溶液を、最終希釈
倍率が20になるように加えた。更に、TNF-αを最終濃度
80ng/ml(SK-BR3)、5ng/ml(U937)、200ng/ml(A549
及びKB)、10ng/ml(TM12)となるようにそれぞれ加
え、CO2インキュベーターで培養し、3日後(KB)、4日
後(SK-BR3、U937及びA549)或いは6日後(TM12)に生
細胞数を測定した。
胞)、KB(ヒト上皮性腫瘍細胞)、A549(ヒト肺腫瘍細
胞)及びTM12(ヒト正常繊維芽細胞)について、1〜3×
104を96穴のプレートにまき、CO2インキュベーターで一
晩培養した。翌日に本因子を含む蛋白溶液を、最終希釈
倍率が20になるように加えた。更に、TNF-αを最終濃度
80ng/ml(SK-BR3)、5ng/ml(U937)、200ng/ml(A549
及びKB)、10ng/ml(TM12)となるようにそれぞれ加
え、CO2インキュベーターで培養し、3日後(KB)、4日
後(SK-BR3、U937及びA549)或いは6日後(TM12)に生
細胞数を測定した。
【0052】コントロールとして、本因子を含む蛋白溶
液のみを加えた系、TNF-αのみを加えた系、及び、TNF-
αと本因子を含む蛋白溶液の両者とも加えない系の生細
胞数を測定した。TNF-αと本因子を含む蛋白溶液の両者
とも加えない系の生細胞数をを100%細胞生残率として、
結果を図8に示す。この図のグラフに付された番号1〜
4は、1はTNF-αと本因子を含む蛋白溶液の両者とも加
えない系、2は本因子を含む蛋白溶液のみを加えた系、
3はTNF-αのみを加えた系、4はTNF-αと本因子を含む
蛋白溶液の両者とも加えた系の結果を、それぞれ表す。
液のみを加えた系、TNF-αのみを加えた系、及び、TNF-
αと本因子を含む蛋白溶液の両者とも加えない系の生細
胞数を測定した。TNF-αと本因子を含む蛋白溶液の両者
とも加えない系の生細胞数をを100%細胞生残率として、
結果を図8に示す。この図のグラフに付された番号1〜
4は、1はTNF-αと本因子を含む蛋白溶液の両者とも加
えない系、2は本因子を含む蛋白溶液のみを加えた系、
3はTNF-αのみを加えた系、4はTNF-αと本因子を含む
蛋白溶液の両者とも加えた系の結果を、それぞれ表す。
【0053】図8が示すように、本因子は、TNF-α単独
では障害活性がほとんど見られない腫瘍細胞(SK-BR3、
U937、KB、A549)に対して、TNF-αと協同して強い細胞
障害効果を与えるようになった。その一方で、ヒト正常
細胞(TM12)に対しては、本因子単独でも、TNF-αとの
共存下でも、細胞障害活性を示さなかった。更に、TNF-
αによるヒト正常繊維芽細胞の増殖も阻害しなかった。
では障害活性がほとんど見られない腫瘍細胞(SK-BR3、
U937、KB、A549)に対して、TNF-αと協同して強い細胞
障害効果を与えるようになった。その一方で、ヒト正常
細胞(TM12)に対しては、本因子単独でも、TNF-αとの
共存下でも、細胞障害活性を示さなかった。更に、TNF-
αによるヒト正常繊維芽細胞の増殖も阻害しなかった。
【0054】以上の結果から、本因子はTNF-αと協同し
て腫瘍細胞を選択的に細胞障害活性を示すことが示され
た。
て腫瘍細胞を選択的に細胞障害活性を示すことが示され
た。
【0055】
【発明の効果】本因子は、強い腫瘍細胞障害活性を有す
る抗癌剤と併用することにより、抗癌剤の有効量を低減
させることができるので、抗癌剤投与によって生じる種
々の副活性を抑制することが期待される。また、これま
で単独では腫瘍細胞致死作用がない抗癌剤とされている
ものであっても、本因子との併用で、腫瘍細胞致死作用
を生じるため、現在単独では効果がないと考えられる抗
癌剤において、癌治療での適応を拡げることが期待され
る。さらに本因子は濃度を上げていくと、単独でも濃度
依存的に腫瘍細胞障害作用を示す。従って、本因子は単
独で抗癌剤として適用されうることも期待される。
る抗癌剤と併用することにより、抗癌剤の有効量を低減
させることができるので、抗癌剤投与によって生じる種
々の副活性を抑制することが期待される。また、これま
で単独では腫瘍細胞致死作用がない抗癌剤とされている
ものであっても、本因子との併用で、腫瘍細胞致死作用
を生じるため、現在単独では効果がないと考えられる抗
癌剤において、癌治療での適応を拡げることが期待され
る。さらに本因子は濃度を上げていくと、単独でも濃度
依存的に腫瘍細胞障害作用を示す。従って、本因子は単
独で抗癌剤として適用されうることも期待される。
【図1】KB細胞培養上清を、限外濾過膜を用いて分子量
約10,000以下のフラクションを除去したものを、Sephac
ryl S-300 HRカラムにアプライして、蛋白質の溶出をOD
280で検出したものである。
約10,000以下のフラクションを除去したものを、Sephac
ryl S-300 HRカラムにアプライして、蛋白質の溶出をOD
280で検出したものである。
【図2】図1の各フラクションのSK-BR3細胞障害活性
を、TNF-α添加の場合とTNF-α無添加の場合について、
OD595の値として示したものである。
を、TNF-α添加の場合とTNF-α無添加の場合について、
OD595の値として示したものである。
【図3】図1のフラクション番号7をEcono-PacQカラム
にアプライして、蛋白質の溶出をOD280で検出したもの
である。
にアプライして、蛋白質の溶出をOD280で検出したもの
である。
【図4】図4の各フラクションを2フラクションづつ1本
にプールしたもののSK-BR3細胞障害活性を、TNF-α添加
の場合とTNF-α無添加の場合について、OD595の値とし
て示したものである。
にプールしたもののSK-BR3細胞障害活性を、TNF-α添加
の場合とTNF-α無添加の場合について、OD595の値とし
て示したものである。
【図5】本因子の分子量を、ゲル濾過による溶出位置か
ら測定したものである。
ら測定したものである。
【図6】抗癌剤に対する腫瘍細胞障害活性増強作用の本
因子濃度依存性について測定したものである。
因子濃度依存性について測定したものである。
【図7】本因子による腫瘍細胞障害活性増強の抗癌剤濃
度依存性について測定したものである。
度依存性について測定したものである。
【図8】本因子の種々のヒト腫瘍細胞及びヒト正常細胞
に対する細胞障害活性を示したものである。
に対する細胞障害活性を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:91)
Claims (3)
- 【請求項1】 上皮性腫瘍細胞の培養上清に由来し、ゲ
ル濾過法により測定した分子量が約50,000〜約55,000で
あり、抗癌剤の腫瘍細胞障害作用を増強する作用を有す
る蛋白性因子。 - 【請求項2】 上皮性腫瘍細胞がKB細胞である請求項1
の蛋白性因子。 - 【請求項3】 抗癌剤がTNF-α、ブレオマイシン及びシ
スプラチンからなる群から選ばれることを特徴とする請
求項1又は2記載の蛋白性因子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7179637A JPH0912596A (ja) | 1995-06-23 | 1995-06-23 | 抗癌剤の腫瘍細胞障害作用を増強する新規な蛋白性因子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7179637A JPH0912596A (ja) | 1995-06-23 | 1995-06-23 | 抗癌剤の腫瘍細胞障害作用を増強する新規な蛋白性因子 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0912596A true JPH0912596A (ja) | 1997-01-14 |
Family
ID=16069256
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7179637A Pending JPH0912596A (ja) | 1995-06-23 | 1995-06-23 | 抗癌剤の腫瘍細胞障害作用を増強する新規な蛋白性因子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0912596A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002517449A (ja) * | 1998-06-10 | 2002-06-18 | ステリックス リミテッド | エストロンスルファターゼの阻害のための腫瘍壊死因子aおよび2−メトキシエストロン−3−o−スルファメートを有する薬学的組成物 |
-
1995
- 1995-06-23 JP JP7179637A patent/JPH0912596A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002517449A (ja) * | 1998-06-10 | 2002-06-18 | ステリックス リミテッド | エストロンスルファターゼの阻害のための腫瘍壊死因子aおよび2−メトキシエストロン−3−o−スルファメートを有する薬学的組成物 |
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