JPH0912598A - ヘモグロビンの分離精製方法 - Google Patents

ヘモグロビンの分離精製方法

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JPH0912598A
JPH0912598A JP7163599A JP16359995A JPH0912598A JP H0912598 A JPH0912598 A JP H0912598A JP 7163599 A JP7163599 A JP 7163599A JP 16359995 A JP16359995 A JP 16359995A JP H0912598 A JPH0912598 A JP H0912598A
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hemoglobin
liquid
substance
pocket
polyallylamine
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JP7163599A
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Inventor
Koji Kobayashi
幸司 小林
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来よりも、短時間で、簡単に、高収率で血
液等から、ヘモグロビンを分離精製する方法を提供す
る。 【構成】 ヘモグロビンの2,3−ジホスホグリセリン
酸ポケットに対して結合性を有する物質(例、ポリアリ
ルアミンのホスホン酸誘導体)とヘモグロビン含有液と
を、pH5.0〜6.8の液体中で接触させて、該物質
にヘモグロビンが結合された水不溶性の複合体を生成さ
せる工程、該複合体を該液体から分離する工程、及び、
分離された複合体をpH7.0〜10.0の液体に接触
させるか、又は電気伝導度6.5mS/cm以上の液体
に接触させて、該物質とヘモグロビンを解離させる工程
からなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘモグロビンの分離精
製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘモグロビンは、血色素として酸素運搬
にあずかる、ヘムとグロビンから構成される複合糖蛋白
質であり、古くから、生理学、生化学、分子生物学の分
野で最もよい研究素材の一つとして用いられてきてい
る。また、ヘモグロビンは、臨床検査化学の分野では、
種々の病態把握のための検査項目として広く測定されて
おり、治療医学の分野では、代替人工赤血球の材料とし
ても用いられるようになってきている。そのため、この
ように、利用価値の高いヘモグロビンを血液から簡単
に、高収率で得る技術が望まれている。
【0003】従来、ヘモグロビンの分離精製は、血液を
遠心分離等の処理によって、血球と血漿成分に分離し、
数度の遠心洗浄の後、低張塩処理などによって赤血球を
溶血させ、その後に、アルコール分画、電気泳動法、カ
ラムクロマトグラフィー法等の通常の蛋白質の分離精製
方法が採られてきた。例えば、特開昭59−18337
0号公報には、赤血球を等張塩化ナトリウム(NaC
l)溶液で洗浄後、溶血させて四塩化炭素あるいは、ト
ルエンで脂質及び細胞残留物を除去する方法が開示され
ているが、このような方法は、非常に時間がかかり、熟
練を要するものであり、また収率もよくないものであっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
欠点を解決するものであり、その目的は、従来よりも、
短時間で、簡単に、高収率で血液等から、ヘモグロビン
を分離精製する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヘモグロビン
の2,3−ジホスホグリセリン酸ポケットに対して結合
性を有する物質とヘモグロビン含有液とを、pH5.0
〜6.8の液体中で接触させて、該物質にヘモグロビン
が結合された水不溶性の複合体を生成させる工程、該複
合体を該液体から分離する工程、及び、分離された複合
体をpH7.0〜10.0の液体に接触させるか、又は
電気伝導度6.5mS/cm以上の液体に接触させて、
該物質とヘモグロビンを解離させる工程からなることを
特徴とするヘモグロビンの分離精製方法である。
【0006】本発明の第1の工程は、ヘモグロビンの
2,3−ジホスホグリセリン酸ポケットに対して結合性
を有する物質とヘモグロビン含有液とを、pH5.0〜
6.8の液体中で接触させて、該物質にヘモグロビンが
結合された水不溶性の複合体を生成させる工程である。
【0007】上記の、ヘモグロビンの2,3−ジホスホ
グリセリン酸ポケットについて説明する。ヘモグロビン
は、一般に、図1の模式図に示されるような、2つのα
鎖と2つのβ鎖からなる4量体構造をしており、β鎖の
会合部に2,3−ジホスホグリセリン酸が結合する部位
が存在しており、この部位は2,3−ジホスホグリセリ
ン酸ポケット(以下、DPGポケットという)と呼ばれ
ている。DPGポケットは、図1にアミノ酸残基につけ
たN末端からの通し番号で示したように、ヘモグロビン
のβ鎖のヒスチジン、リジンなどの塩基性アミノ酸残
基、及びβ鎖N末端バリンによって形成されるカチオン
性を帯びた部位であり、アニオン性の物質を結合し易
い。血液中の2,3−ジホスホグリセリン酸は、このD
PGポケットに結合することにより、ヘモグロビンの酸
素解離能をアロステリックに調節していることが知られ
ている(今井清博、蛋白質、核酸、酵素、Vol.32 No.
6,81-88,1987 )。
【0008】本発明で用いられる、DPGポケットに対
して結合性を有する物質とは、DPGポケットに対して
結合性を有する化合物(以下、DPGポケットに対して
結合性を有する化合物のことを、DPGポケット結合性
化合物という)が担持された担体、または、DPGポケ
ットに対して結合性を有する高分子化合物である。
【0009】上記のDPGポケット結合性化合物として
は、特開昭63−298063号公報や特開平2−25
946号公報に不安定型糖化ヘモグロビン解離剤として
記載されているものが挙げられ、例えば、リン酸縮合
体、フィチン酸およびフィチン酸塩のような多価リン酸
化合物が挙げられる。
【0010】リン酸縮合体としては、(HPO3
n (nは2以上の整数)で表されるメタリン酸、2原子
以上のリン原子を含みP−O−P結合を有するポリリン
酸またはそれらの類似体が挙げられる。メタリン酸とし
ては、トリメタリン酸、テトラメタリン酸などが、ポリ
リン酸としては、ピロリン酸、テトラポリリン酸、など
が挙げられる。
【0011】また、DPGポケット結合性化合物として
は、他に、特開平6−331629号公報に不安定型糖
化ヘモグロビン解離剤として記載されているものが挙げ
られ、例えば、アンモニア、1級アミンまたは2級アミ
ンの窒素原子に結合した少なくとも一つの水素原子がメ
チレンホスホン酸基(−CH2 PO3 2 )に置換され
てなる化合物が挙げられる。上記アミンとしては、種々
のアルキルモノアミンやアミノ酸、直鎖アルキレンジア
ミン、ジアミノシクロヘキサン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラアミン、グリコールエーテルジ
アミン等が挙げられる。また、上記分子中の水素原子が
アルキル基、水酸基などに置換された化合物、例えばエ
チレンジアミンの1置換体として、水素原子がメチル基
に置換されて得られる1,2−ジアミノプロパン、プロ
ピレンジアミンの1置換体として、2の位置の炭素に結
合する水素原子が水酸基に置換された1,3−ジアミノ
−2−プロパノール等が挙げられる。
【0012】前記のメチレンホスホン酸基置換体の製造
方法は、古くから種々の方法が知られているが、例え
ば、Irani,R,R 等、J.Org.Chem.31,1603(1966)によって
開発された方法が挙げられる。この方法は、アミン、ホ
ルマリン、及び亜リン酸のMannich 反応を利用したもの
であり、ホスホン酸誘導体の合成方法として優れた方法
である。また、Motekaitis,R.J. 等、J.inorg.nucl.Che
m.33,3353(1971) によって開発された方法も該置換体の
製造方法として利用できる。この方法は、クロロメチレ
ンホスフィン酸を用いて、まずアミノ基の水素原子をメ
チレンホスフィン酸に置換し、続いて塩化水銀を加えて
加熱し、メチレンホスフィン酸をメチレンホスホン酸に
酸化する方法であり、得られるメチレンホスホン酸置換
体の純度も高く好ましい方法である。
【0013】本発明で用いられる担体とは、前述のDP
Gポケット結合性物質を固定化し得る、種々の水溶性ポ
リマーや、従来から生化学分野で担体として使用されて
きた種々の水不溶性物質が挙げられる。
【0014】上記の水溶性ポリマーとしては、例えば、
ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸及びその塩、ポ
リアミノ酸等が挙げられる。
【0015】上記の水不溶性物質としては、例えば、架
橋デキストランや架橋アガロースのようなクロマトグラ
フィー用担体として使用されてきたもの;ポリスチレン
ビーズのようなポリマービーズ;ガラスビーズ;ポリス
チレンラテックスのようなラテックス粒子等が挙げられ
る。
【0016】担体にDPGポケット結合性化合物を担持
させる方法は、DPGポケット結合性物質または水溶性
ポリマーもしくは水不溶性担体の種類に応じて、従来の
種々の方法が利用できる。例えば、前述のDPGポケッ
ト結合性物質または水溶性ポリマーもしくは水不溶性担
体のいずれか一方の水酸基をブロモシアンで活性化し、
他方のアミノ基と反応させる方法や、両方のアミノ基を
グルタルアルデヒドで架橋する方法や、いずれか一方の
カルボキシル基と他方のアミノ基とを水溶性カルボジイ
ミドのような試薬で縮合させる方法等の化学結合法が挙
げられる。また、水不溶性担体の場合、DPGポケット
結合性物質を予めアルブミンなどの蛋白質に前記化学結
合法により結合し、この結合物を水不溶性担体に物理吸
着させることもできる。
【0017】また、本発明で用いられる、DPGポケッ
トに対して結合性を有する高分子化合物とは、1級アミ
ンまたは2級アミンを有するポリマー、例えばポリアリ
ルアミンやポリリジンなどのポリマーの窒素原子に結合
した少なくとも一つの水素原子がメチレンホスホン酸基
(−CH2 PO3 2 )に置換された構造の高分子化合
物やビニルホスホン酸のようなホスホン基を有するモノ
マーの重合体が挙げられる。上記の1級アミンまたは2
級アミンを有するポリマーの窒素原子に結合した少なく
とも一つの水素原子がメチレンホスホン酸基(−CH2
PO3 2 )に置換された構造の高分子化合物の製造方
法は、1級または2級アミンを有するポリマーを直接前
述のような反応を介してメチルホスホン化する方法が挙
げられる。
【0018】ヘモグロビンのDPGポケットに対して結
合性を有する上述したような種々の物質は、多価のリン
酸基やホスホン酸基というアニオン性官能基を有するた
め、カチオン性を帯びたDPGポケットに結合すること
ができる。この結合は、イオン相互作用によって生じて
いるため、上記のDPGポケットに対して結合性を有す
る物質(以下、DPGポケットに対して結合性を有する
物質のことを、DPGポケット結合性物質という)とヘ
モグロビンの反応は、後述の実施例から明らかなよう
に、反応溶液のpHやイオン強度に強く影響を受ける。
【0019】本発明においてDPGポケット結合性物質
とヘモグロビン含有液とを接触させて、該物質にヘモグ
ロビンが結合された水不溶性の複合体を生成させる工程
は、反応の媒体である液体のpHが5.0〜6.8の範
囲で行われる。pHが5.0よりも低くなると、蛋白質
の変性により、ヘモグロビン以外の蛋白質が不純物とし
て混入する恐れが有り、6.8より高くなると、ヘモグ
ロビンとの結合反応が極度に低下する。
【0020】上記の反応の媒体である液体としては、水
でもよいが、より好ましくは、5.0〜6.8のpHの
範囲で緩衝能を有するリン酸緩衝液や、クエン酸緩衝
液、フタル酸緩衝液等が好適である。
【0021】本工程に用いられるヘモグロビン含有液と
は、例えば、血液の溶血液など、ヘモグロビンを含む溶
液であれば種類を問わない。
【0022】本発明の第2の工程は、DPGポケット結
合性物質にヘモグロビンが結合された水不溶性の複合体
を反応媒体である液体から分離する工程である。
【0023】上記の分離方法としては、上記の複合体生
成反応終了後の液体を単に静置するか、または、より短
時間で分離するには、遠心分離などの手段を用いて、該
複合体を沈殿させた後、デカンテーション等の手段で液
体を除去することにより分離できる。
【0024】本発明の第3の工程は、上記のようにして
分離された複合体をpH7.0〜10.0の液体に接触
させるか、又は電気伝導度6.5mS/cm以上の液体
に接触させて、DPGポケット結合性物質とヘモグロビ
ンを解離させる工程である。
【0025】上記のpH7.0〜10.0の液体として
は、7.0〜10.0のpHの範囲で緩衝能を有するリ
ン酸緩衝液や、Goodの緩衝液、ホウ酸緩衝液、重炭
酸緩衝液等が好適である。pHが7.0未満では、複合
体の解離効果が不十分であり、pHが10を超えると、
ヘモグロビンが変性する恐れがある。
【0026】上記の電気伝導度6.5mS/cm以上の
液体としては、例えば、水に溶けてイオン化する物質の
溶液が挙げられる。上記のイオン化する物質としては、
特に限定されないが、水への解離度が高い強酸と強塩基
より得られる塩が反応媒体のpHを変動させにくいので
好適であり、例えば、塩化ナトリウムや塩化カリウム等
が好ましい。この液体の電気伝導度が6.5mS/cm
未満になると、複合体の解離効果が不十分であり、一
方、適用可能な溶液の電気伝導度の上限値は、そのイオ
ン化する物質の水に対する飽和溶解度における電気伝導
度まで使用可能である。この場合、イオン化する物質の
水溶液中の濃度が高くなり、解離後のヘモグロビンが塩
析効果により沈殿する場合は、該溶液を分離した後、ヘ
モグロビンを他の適当な液体に溶解すればよい。
【0027】この工程によって、DPGポケット結合性
物質とヘモグロビンを解離した後に、DPGポケット結
合性物質が水不溶性である場合には、上澄み液としてヘ
モグロビンを回収することができ、DPGポケット結合
性物質が水溶性である場合には、この状態のままヘモグ
ロビン溶液として用いることもできるし、必要に応じ
て、アニオン吸着樹脂などを用いてDPGポケット結合
性物質を除くこともできる。
【0028】また、上記の第1工程のDPGポケット結
合性物質とヘモグロビンの複合体を生成させる工程およ
び第3工程の上記複合体を解離させる工程で使用される
反応媒体である液体の最適のイオン強度は、用いるDP
Gポケット結合性物質の種類や濃度、ヘモグロビン濃
度、pHによって変化し、目的に応じて最適のイオン強
度が選択されるべきである。例えば、DPGポケット結
合性物質としてポリアリルアミンのホスホン酸誘導体を
用い、ヘモグロビン含有液として血液を用い、複合体の
解離物質として塩化ナトリウムを用いた場合を取り上げ
ると、ポリアリルアミンのホスホン酸誘導体濃度0.0
02〜0.02重量%、反応溶液のpH5.0〜7.
0、血液の希釈度250〜1000倍希釈のそれぞれの
変動させうる条件の中から、ある一つの条件を設定した
場合、塩化ナトリウム濃度を10〜100mMの範囲か
ら最適の条件を設定することができる。
【0029】また、上記の第1工程で、ヘモグロビン含
有液として血液を用いる場合、赤血球をまず溶血させる
必要がある。赤血球の溶血方法としては既存の種々の方
法を用いることができるが、例えば、古くからよく知ら
れる蒸留水等の低張液での処理や、血液の凍結融解によ
り赤血球を破壊せしめる方法が挙げられ、また、通常、
よく用いられる種々の溶血剤で処理してもよい。このよ
うな溶血剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアル
キルアリールエーテル;高級脂肪族アルコール;スルホ
ネート化合物またはサルフェート化合物のポリオキシエ
チレンエーテル;ソルビット脂肪酸エステルのポリオキ
シエチレン付加体等の界面活性剤が使用できる。溶血剤
の使用量は、その種類等によっても異なるが、通常血液
1ml当たり、10〜200mgである。溶血剤が過剰
である場合には、DPGポケット結合性物質とヘモグロ
ビンとの反応が阻害される場合があり、溶血液の適当な
希釈が必要である。
【0030】また、本発明のヘモグロビンの分離精製方
法は、天然ヘモグロビン(Fe2+)だけでなく、シアンメ
トヘモグロビン(Fe3+)でも同様に適用できるので、安
定なヘモグロビン標準物質としてシアンメトヘモグロビ
ンを分離調製する際にも好適に用いられる。
【0031】
【実施例】次に本発明を実施例によって説明するが、本
発明はこの実施例に制限されるものではない。
【0032】(参考例1)ポリアリルアミンのホスホン酸誘導体の合成 ポリアリルアミン塩酸塩(日東紡績社製、MW.7500 〜1
1,000)5.7gとホスホン酸(ナカライテスク社製)
16.4gを100mlの脱イオン水に溶解し、500
mlのセパラブルフラスコに入れた。これに、温度計、
撹拌棒、環流管、滴下ロートをセットした。次に、濃塩
酸(11.33N)100mlを添加し、マントルヒー
ターにて加熱した。次に環流状態に達したところで、滴
下ロートに60mlのホルムアルデヒド水(37重量
%)を入れ、1時間かけてゆっくり滴下した。それから
さらに、1時間反応を続けた。次に、この溶液を20℃
に冷却し、水酸化ナトリウム54gを加えた。次にこの
溶液を約800mlのアセトンにコマゴメピペットを用
いゆっくり滴下し、白色沈殿を生成させた。この沈殿物
を吸引ロートを用いて濾過した。沈殿物は、アセトン:
水=4:1の溶液で3回洗浄濾過し、沈殿物をスパーテ
ルでサンプル瓶に回収し、約200mlの脱イオン水を
少量ずつ加えながら、沈殿物を泥濘状にし、これを透析
チューブにつめ、脱イオン水に一昼夜以上、外液を5回
交換して、透析した。透析チューブ内で溶解したポリア
リルアミンのホスホン酸誘導体をもう一度アセトンに滴
下し、沈殿させ、上記のように濾過し、沈殿物を20℃
で減圧乾燥して6.4gのポリアリルアミンのホスホン
酸誘導体を得た。
【0033】(参考例2)DPGポケット結合性物質とヘモグロビンとの反応性評
DPGポケット結合性物質として、参考例1で合成した
ポリアリルアミンのホスホン酸誘導体を使用し、そのヒ
トヘモグロビンとの反応性を評価した。ヒトヘモグロビ
ンはSigma社より購入したものを用いた。反応緩衝
液として、10mMの濃度でNaClを含有する10m
Mリン酸緩衝液(pH=6.24)を用い、この反応緩
衝液に図2にHb Conc.として示した0.2〜
0.6mg/mlの最終濃度でヒトヘモグロビンを溶解
した。次に、この溶液に上記ポリアリルアミンのホスホ
ン酸誘導体を最終濃度0.004重量%になるように添
加し、20℃で5分間攪拌しながら反応させた後、溶液
の濁度を紫外可視分光光度計(島津製作所製UV26
0)で、波長660nmの吸光度(OD660nm)で
測定した。この結果を図2に示した。図2から明らかな
ようにポリアリルアミンのホスホン酸誘導体は、ヒトヘ
モグロビンと反応し、ヒトヘモグロビンの濃度に依存し
て濁度が増加し、水不溶性複合体が形成されることが示
された。
【0034】(参考比較例1)ポリアリルアミンのホス
ホン酸誘導体(最終濃度0.004重量%)の代わりに
ポリアリルアミン塩酸塩(最終濃度0.004重量%)
を用いたことの他は、、参考例2と同様に行った。結果
は、図2に参考例2の結果と一緒に示した。この結果か
ら明らかなように、ホスホン酸誘導体化していないポリ
アリルアミンは、ヒトヘモグロビンと反応しなかった。
【0035】(参考例3)DPGポケット結合性物質とヘモグロビンとの反応性評
価(pH依存性 ) 1/15Mリン酸2ナトリウム水溶液と1/15Mリン
酸1カリウム水溶液ととを種々の比率で混合し、図3に
示したようにpH5.2〜8.4のSφrensenの
リン酸緩衝液を調製し、それを10mMになるように脱
イオン水で希釈した。各々のpHの緩衝液にヒトヘモグ
ロビン(Sigma社)を最終濃度0.3mg/mlに
なるように溶解した。次に、参考例1で得られたポリア
リルアミンのホスホン酸誘導体を最終濃度0.004重
量%になるように添加し、20℃で5分間攪拌しながら
反応させた後、溶液の濁度を紫外可視分光光度計(島津
製作所製UV260)で、波長660nmの吸光度(O
D660nm)で測定した。この結果を図3に示した。
図3から明らかなようにポリアリルアミンのホスホン酸
誘導体は、pH5.0〜7.0でヒトヘモグロビンと反
応し、濁度が増加した。また、pHが7.0を超えると
濁度が急激に低下していることが分かる。
【0036】(参考例4)DPGポケット結合性物質とヘモグロビンとの反応性評
価(電気伝導度依存性) 反応緩衝液に10mMリン酸緩衝液を使用し、これにN
aClを溶解し、図4および図5に示したような電気伝
導度(Electric Conductivity )1.335〜9.75
mS/cmの緩衝液を調製した。各々の電気伝導度の緩
衝液にヒトヘモグロビン(Sigma社)を最終濃度が
0.25mg/mlになるように溶解した。次に、参考
例1で得られたポリアリルアミンのホスホン酸誘導体を
添加し、20℃で5分間攪拌しながら反応させた後、溶
液の濁度を紫外可視分光光度計(島津製作所製UV26
0)で、波長660nmの吸光度(OD660nm)で
測定した。この結果を図4および図5に示した。なお、
図4は、リン酸緩衝液のpH6.24、ポリアリルアミ
ンのホスホン酸誘導体の反応時の濃度が0.004重量
%の場合の結果を、図5は、リン酸緩衝液のpH6.0
0、ポリアリルアミンのホスホン酸誘導体の反応時の濃
度が0.006重量%の場合の結果を示した。図4およ
び図5から明らかなようにポリアリルアミンのホスホン
酸誘導体とヒトヘモグロビンとの反応による濁度は、反
応時のpHやポリアリルアミンのホスホン酸誘導体の濃
度が変わると電気伝導度依存性も異なるパターンを示
し、各条件により最適の電気伝導度(言い換えると、N
aCl濃度)があることが分かる。
【0037】(参考例5)DPGポケット結合性物質の反応特異性の評価 参考例1で得られたポリアリルアミンのホスホン酸誘導
体の特異性を評価した。反応緩衝液として、10mMの
濃度でNaClを含有する10mMリン酸緩衝液(pH
=6.21)を用い、これに、ヒトヘモグロビン(Si
gma社)(終濃度0.25mg/ml)、牛アルブミ
ン(MILES社)(終濃度0.25mg/ml)また
はヒト血漿希釈液(最終希釈度250倍)を上記の括弧
内の終濃度または最終希釈度となるように添加し、次い
で上記のポリアリルアミンのホスホン酸誘導体を図6に
示した0.00〜0.05重量%の範囲の種々の濃度と
なるように添加し、20℃で5分間攪拌しながら反応さ
せた後、溶液の濁度を紫外可視分光光度計(島津製作所
製UV260)で、波長660nmの吸光度(OD66
0nm)で測定した。この結果を図6に示した。図6か
ら、明らかなようにポリアリルアミンのホスホン酸誘導
体は、ヘモグロビンとは反応し、牛アルブミンや血漿希
釈液とは反応しなかった。
【0038】(実施例1)ヒト血液からのヘモグロビンの分離精製 正常ヒト血液100μlに蒸留水12.5mlを添加
し、次に、50mMの濃度でNaClを、0.012重
量%の濃度で参考例1で得られたポリアリルアミンのホ
スホン酸誘導体を溶解している10mMリン酸緩衝液
(pH=6.00)を12.5ml添加し、撹拌後、4
℃で24時間静置した。次に上澄み液と赤色の沈殿物を
デカンテーションで分離した。得られた赤色の沈殿物
に、ダルベッコのリン酸緩衝液(pH=7.4、138
mMNaCl)を25ml添加し、沈殿物を再溶解させ
た。この再溶解溶液(後出の図7および表1において、
この液のことを、精製品という);先に分離した上澄み
液;および上記の正常ヒト血液100μlに蒸留水1
2.5mlを添加した液に、ポリアリルアミンのホスホ
ン酸誘導体を含むリン酸緩衝液12.5mlの代わり
に、ポリアリルアミンのホスホン酸誘導体を含まないリ
ン酸緩衝液12.5mlを添加した液(後出の図7およ
び表1において、この液のことを、出発原料という)、
それぞれの波長240〜700nmの吸収曲線を比較
し、図7に示した。また、540nmの吸光度の値から
正常ヒト血液中のヘモグロビンの回収率を測定し、結果
を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明の構成は上記の通りであり、DP
Gポケット結合性物質を利用し、従来よりも、短時間
で、簡単な操作で、高収率で、血液等からヘモグロビン
を分離精製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘモグロビンの構造を示す模式図である。
【図2】DPGポケット結合性物質とヘモグロビンとの
反応性を示すグラフである。
【図3】DPGポケット結合性物質とヘモグロビンとの
反応における、反応時のpH依存性を示すグラフであ
る。
【図4】DPGポケット結合性物質とヘモグロビンとの
反応における、反応時の溶液の電気伝導度依存性を示す
グラフである。
【図5】DPGポケット結合性物質とヘモグロビンとの
反応における、反応時の溶液の電気伝導度依存性を示す
グラフである。
【図6】DPGポケット結合性物質の反応特異性を示す
グラフである。
【図7】ヒト血液からヘモグロビンの分離精製を行った
際の、出発原料、上澄み液、精製品の波長240〜70
0nmの吸収曲線である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘモグロビンの2,3−ジホスホグリセ
    リン酸ポケットに対して結合性を有する物質とヘモグロ
    ビン含有液とを、pH5.0〜6.8の液体中で接触さ
    せて、該物質にヘモグロビンが結合された水不溶性の複
    合体を生成させる工程、該複合体を該液体から分離する
    工程、及び、分離された複合体をpH7.0〜10.0
    の液体に接触させるか、又は電気伝導度6.5mS/c
    m以上の液体に接触させて、該物質とヘモグロビンを解
    離させる工程からなることを特徴とするヘモグロビンの
    分離精製方法。
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