JPH0913221A - 抗菌、防カビ性を有する高強度アクリル繊維お よびその製法 - Google Patents

抗菌、防カビ性を有する高強度アクリル繊維お よびその製法

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JPH0913221A
JPH0913221A JP18363795A JP18363795A JPH0913221A JP H0913221 A JPH0913221 A JP H0913221A JP 18363795 A JP18363795 A JP 18363795A JP 18363795 A JP18363795 A JP 18363795A JP H0913221 A JPH0913221 A JP H0913221A
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acid
antibacterial
fiber
acrylic fiber
metal compound
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JP18363795A
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Hideo Naka
秀雄 中
Noriyuki Obara
則行 小原
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Japan Exlan Co Ltd
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Japan Exlan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強度アクリル繊維に抗菌、防カビ性を付与
することにより、従来、菌やカビの発生を原因とする汚
れの発生がなく、長期間の使用においても製品の外観を
損なうことのない抗菌、防カビ性高強度アクリル繊維を
提供する。 【構成】 高強度アクリル繊維に、抗菌性を有し且つ2
5℃の純水中24時間抽出による繊維中金属イオン保持
率が95%以上である金属化合物を形成し得る金属イオ
ンを含有する水溶液で、アクリル繊維中シアノ基に該金
属イオンを配位せしめる第1の処理の後、該金属化合物
を形成するのに対応した陰イオンを含有する水溶液で該
金属化合物を形成せしめる第2の処理を、1回以上施し
抗菌、防カビ性を付与した高強度アクリル繊維。 【効果】 高強度アクリル繊維を白色やパステルカラー
のシートの補強に用いた場合にも繊維に沿って侵入した
水により、シート内部に運び込まれた菌やカビの繁殖に
よる汚れの発生がなく外観を損なうことがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般産業資材用途に好適
に使用することのできる水難溶性である金属化合物を含
有した実用性能の高い抗菌、防カビ性を有する高強度ア
クリル繊維およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アクリル繊維は衣料用として大量
に生産・販売されているが、工業用または産業用として
は機械的強度が十分でないため、ほとんど使用されてい
なかった。このためアクリル繊維の機械的強度を改良し
ようとする試みは、これまで数多く提案されている。特
公平7−11086号公報では極限粘度が2.0以上
3.5以下であるアクリロニトリル系重合体を該ポリマ
ー濃度10〜15重量%になるように溶解し、この紡糸
原液を乾湿式紡糸したのち、湿熱または蒸熱下2〜8倍
の一次延伸をおこない、水洗、乾燥後に、乾熱で1.5
倍以上の延伸を施し、有効全延伸倍率を12倍以上とす
ることにより引っ張り強度10g/d以上の高強度アク
リル繊維が得られることが記載されている。
【0003】しかしながら、かかる手段によって得られ
るアクリル繊維を、例えば、該繊維の織物を補強材と
し、樹脂コーティングまたは樹脂ラミネートして得られ
る産業用シートとして使用した場合、アクリル繊維の特
徴である親水性に起因する水移行性のためシート断面よ
りアクリル繊維に沿って水が侵入する。その結果、この
水中の細菌やカビ胞子がシート内部で繁殖することによ
りアクリル繊維に沿って、汚れが発生する。近年、産業
用シートにおいてもファッション性が重視され、白色や
パステルカラーの物が増えていることから、この汚れは
重大な問題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高強度アクリル繊維を
白色やパステルカラーのシートの補強に用いた場合に、
繊維に沿って侵入した水により、シート内部に運び込ま
れた菌やカビの繁殖による汚れが発生し、シートの外観
を著しく損なう。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる実状において本発
明者らは上記の問題点を解決するため鋭意検討した結
果、高強度アクリル繊維に抗菌、防カビ性を付与するこ
とにより、上記の用途にも好適に使用できることを見出
した。
【0006】すなわち本発明は、重量平均分子量が少な
くとも20万のアクリロニトリルを主成分とするAN系
重合体からなり、8g/d以上の引っ張り強度を有し、
かつまた該繊維に含有させた金属化合物により抗菌、防
カビ性を有し、25℃の純水中24時間抽出による繊維
中金属イオン保持率が95%以上であることを特徴とす
る抗菌、防カビ性を有する高強度アクリル繊維を提供す
るものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】まず、本発明の目的とする8g/d以上の
引っ張り強度を有するアクリル繊維を製造する上で、ポ
リマーの分子量が重要であり、かかるポリマーの重量平
均分子量を20万以上、好ましくは30万以上のものを
選択する必要がある。なお、該分子量はJournal of Pol
ymer Science(A−1)第6巻、第147〜159頁
(1968年)に記載される如く、ジメチルホルムアミ
ド(以下DMFという)溶剤によるポリマーの極限粘度
〔η〕を30℃において測定し、次式によって算出した
ものである。
【0008】
【数1】
【0009】本発明に採用する高強度アクリル繊維の原
料であるアクリロニトリル系重合体としてはアクリロニ
トリル比率が90重量%以上、好ましくは95%重量%
以上であれば特に制限はなく単独重合体、公知のモノマ
ーとの共重合体を用いることができる。アクリロニトリ
ル(以下、ANともいう)比率が90重量%未満になる
と耐薬品性が低下し産業資材用途に用いた場合に、加水
分解反応が進行し強度が維持できなくなることがある。
【0010】共重合に用いられるコモノマーとしては他
の重合性不飽和ビニル化合物など、アクリロニトリルと
共重合するものであれば特に制限はなく、例えばアルキ
ルアクリレート、アルキルメタクリレート、アクリル
酸、メタクリル酸、メタクリロニトリル、アクリルアミ
ド、酢酸ビニル、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニ
ル、ビニルアルキレート、塩化ビニリデン、臭化ビニリ
デン、スチレン、スチレンスルホン酸、アリルスルホン
酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸塩、アリ
ルスルホン酸塩、メタリルスルホン酸塩、エチレン、プ
ロピレン等を使用することができる。
【0011】このようにして作製されたAN系重合体の
溶剤としては、DMF,ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホキシド等の有機系、ロダン塩、塩化亜鉛、硝酸
等の無機系溶剤を例示することができるが、凝固ゲル糸
の均質性の点で無機系溶剤が優れており、中でもロダン
塩が好ましい。また、ポリマー濃度としては、ポリマー
の分子量が高くなるため一般に低くする必要があり、溶
剤の種類、ポリマーの分子量等にも依存し、一義的に規
定することは困難であるが、概ね7〜20重量%が好ま
しい。
【0012】紡糸方法としては、湿式、乾湿式のいずれ
も採用することができるが、通常の紡糸原液に比べて粘
度が高くなるため、乾湿式紡糸が紡糸可紡性の点で好ま
しく、後続する過酷な延伸に耐えるためには、均質な凝
固ゲル糸を作製することが好ましく、このため緩慢な凝
固が起こるような紡糸条件を設定することが重要であ
り、無機系溶剤を使用する際には、室温以下の低温凝固
が推奨される。なお、有機溶剤を用いる場合には、徐々
に非溶剤(沈澱剤)の高い凝固浴を通る多段凝固が好ま
しい。
【0013】得られたゲル糸は水および、または、熱水
中で洗浄、脱溶媒されながら2〜10倍に延伸される。
さらに、乾燥緻密化を行った後、乾熱で少なくとも1.
5倍の延伸を行い、全有効延伸倍率を12倍好ましくは
15倍以上とする。この際の乾熱延伸温度は140℃以
上が好ましく、乾熱延伸後に乾熱延伸温度より20℃以
上高い温度で熱セットを行う必要がある。かくして得ら
れるアクリル繊維は引っ張り強度が少なくとも9g/d
以上という、産業資材用途に好適なものである。
【0014】次に本発明の根幹となる抗菌、防カビ加工
について詳細を説明する。本発明においては、高強度ア
クリル繊維中のシアノ基に配位した金属イオンと、他の
陰イオンとのイオン反応により形成される金属化合物を
含有することが必要である。
【0015】係るシアノ基に配位させる金属イオンとし
ては、水銀、銀、銅、亜鉛、鉄、鉛、ビスマス等の抗菌
活性を示す金属イオンを挙げることができるが、本発明
においてより好ましくは使用する上での安全性、抗菌性
効果の観点から、銀、銅、亜鉛でなる群から選ばれた金
属イオンの中の少なくとも1種を採択することにより実
施される。もちろん、複数種を組み合わせて使用するこ
とも構わない。
【0016】また、該金属イオンと組み合わされてイオ
ン反応を行い、金属化合物を形成するための陰イオンと
しては、上述した繊維中のシアノ基に配位した金属イオ
ンと反応して、後述する水難溶性を示す化合物を形成す
る能力を有する陰イオン成分であれば構わないが、本発
明において使用する上での安全性や抗菌効果の耐久性の
観点からピロ燐酸、ポリ燐酸、珪酸、アルミン酸、タン
グステン酸、バナジン酸、モリブデン酸、アンチモン
酸、臭素、沃素、硫黄、塩素酸、臭素酸、沃素酸、硫
酸、亜硫酸、チオ硫酸、チオシアン酸、炭酸、修酸、安
息香酸、フタル酸、石炭酸でなる群の中から選ばれた少
なくとも1種類の陰イオン成分を使用することが好まし
い。
【0017】係る金属イオンと陰イオンとのイオン反応
により形成され、繊維中に含有され抗菌、防ダニ性を示
す金属化合物は、水に対して難溶性を示すことが必要で
ある。係る性質を有することにより、繊維中の金属化合
物が脱落乃至は易溶出することが無く優れた抗菌、防カ
ビ性を恒久的に付与することができる。なお、本願発明
でいう水難溶性とは、25℃の純水100gに繊維10
gを投入し24時間攪拌処理した後、水洗・乾燥した後
の繊維の金属イオン含有量が、未処理の繊維の金属イオ
ン含有量の95%以上のものを意味する。
【0018】またここで、本発明において繊維に含有せ
しめるべき抗菌、防ダニ性を示す金属化合物は、特に限
定はないが、より好ましくは繊維に対して金属イオンと
して1〜200m・mol/kg含有させるのが良い。
即ち金属化合物の含有量は要求される抗菌、防カビ性の
レベルにより異なり、係る範囲の下限に満たない場合は
使用環境での充分な抗菌性能が得られ難く、上限を越え
る場合は、繊維が乾燥等の熱処理工程で著しく着色する
問題が生じ易い。さらに係る範囲内で産業資材用途への
充分な抗菌、防カビ性能が恒久的に得られることから上
述した範囲を越えてまで含有せしめることは、不必要に
コストが高くなり工業的に有利でない。
【0019】ただし、上述した如く、シアノ基に配位し
た金属イオンと他の陰イオンとのイオン交換により、繊
維中に金属化合物を形成し含有せしめる手段を用いると
いう本発明の特徴により、シアノ基に再度金属イオンを
配位させた後に、他の陰イオンとイオン交換を行うこと
ができ、1度ならず複数回処理が可能であり、コスト、
着色の問題がなければ、繊維中に含有しているシアノ基
の含有量に依存すること無く任意の金属化合物含有量を
設定することもできる。
【0020】上述の如き抗菌、防カビ性高強度アクリル
繊維を得る好適な方法として、下記の手段を用いること
ができる。即ち、前述したアクリロニトリル系ポリマー
の通常の紡糸を行い、前述の如き水洗、延伸、熱処理を
行うことにより得られる高強度アクリル繊維を、金属イ
オン水溶液で処理して繊維中のシアノ基に金属イオンを
結合せしめる第1の処理の後、金属イオンと結合して水
難溶性金属化合物を形成する能力を有する陰イオンを含
有する化合物水溶液で処理する第2の処理を、1回以上
施すことにより繊維中に水難溶性金属化合物を含有させ
ることができる。
【0021】ここで、第1の処理において、抗菌、防カ
ビ性を示す金属イオンを含有する化合物水溶液中で高強
度アクリル繊維を処理するにあたり、処理濃度はAN系
繊維を溶解したり、物性を阻害することがなく、最終的
に繊維中に抗菌性を有する金属化合物を所定量付与し得
る金属イオンをシアノ基に結合し得る限り特に限定され
ないが、概ね1〜500m・mol/lの濃度が推奨さ
れる。また、処理温度は高強度アクリル繊維の物性を阻
害することのない範囲であれば良く概ね30〜140℃
の範囲で適宜採択され、処理時間は処理温度により設定
される。
【0022】また、抗菌、防カビ性を示す金属イオンを
含有する化合物水溶液で処理する際の水溶液のpHは、
抗菌、防カビ性を示す金属イオンとシアノ基とが結合す
れば良いが、pHが高いと水酸化金属が発生し、繊維中
に水溶液として金属イオンの導入が困難になり易い等の
問題点を生じるので、概ねpH=2〜4で処理すること
が好ましい。
【0023】上述した処理方法の他に、例えば、紡糸さ
れた後の繊維形成過程にあるゲル構造繊維を用いて、紡
糸溶剤を除去する水洗工程の後に引き続いて上記処理を
連続的に行うこともでき、また延伸後の乾燥処理した繊
維を連続的に本発明処理した後に乾熱延伸してもよい。
【0024】
【作用】本願に係る抗菌、防カビ性高強度アクリル繊維
は、繊維中に存在するシアノ基に特定の抗菌、防カビ性
を有する金属化合物水溶液で処理し、金属イオンを結合
せしめた後、金属イオンと結合して水難溶性金属化合物
を形成する能力を有する陰イオンを含有する化合物水溶
液で処理することで、イオン反応により、繊維中のシア
ノ基から金属イオンが脱離して該陰イオンと結合するこ
とで分子オーダーの微細な水難溶性の抗菌、防カビ性金
属化合物が生成して繊維に保持されると考えられる。ま
た、実質的に繊維中に存在する官能基を介在すること無
く金属化合物が繊維に付与されるため、複数回処理を行
うことも可能であり、シアノ基の含有量に依存すること
なく任意の金属化合物含有量を設定することもできる。
【0025】
【実施例】以下に本発明の理解を容易にするために実施
例を示すが、これらはあくまで例示的なものであり、本
発明の要旨はこれらにより限定されるものではない。な
お、実施例中、部及び百分率は特に断りのない限り重量
基準で示す。なお、実施例において記述する金属イオン
濃度および抗菌性能は下記の方法で測定したものであ
る。 (1)金属イオン含有量 0.1grの繊維を、95%の濃硫酸と62%の濃硝酸
溶液で湿式分解した溶液を日本ジャ−レルアッシュ
(株)製原子吸光分析装置AA855型を用いて原子吸
光度を測定して求めた。 (2)抗菌性 繊維製品衛生加工協議会「抗菌防臭加工製品の加工効果
試験」を基に、黄色葡萄状球菌を用いて、菌数測定を行
い数2により増減値差を求めた。
【0026】
【数2】
【0027】ここで、増減値差とは、無加工試料につい
て接種直後の平均菌数をA、18時間培養後の平均菌数
をBとし、抗菌加工試料の18時間培養後の平均菌数を
Cとして数2により算出する。ここで、測定回数は3回
行いその平均値で以て表示するが、一般に増減値差が
1.6以上あれば抗菌性能が有ると見なされる。
【0028】(3)防カビ性 JIS Z2911湿式法に従い、Aspergillas niger,
Penicillin citrinumChaetomium globosum, Myrotheci
um verrucaria,Cladosporium cladosporioides菌を用い
て評価し、カビの発育状態を肉眼で観察した結果をカビ
抵抗性表示で示すが、カビ抵抗性表示1は、試料または
試験片の接触した部分に認められる菌糸の発育部分の面
積が全体の1/3を超える場合を示し、カビ抵抗性表示
2は、試料または試験片の接触した部分に認められる菌
糸の発育部分の面積が全体の1/3を超えない場合を示
し、カビ抵抗性表示3は、試料または試験片の接触した
部分に菌糸の発育が認められない場合を示す。
【0029】(4)金属イオン保持率 10gの繊維を25℃純水100gに投入し24時間攪
拌後、水洗・乾燥処理した繊維と元の未処理繊維につい
て繊維中の金属イオン含有量を測定して数3により金属
イオン保持率を求めた。
【0030】
【数3】
【0031】実施例1 抗菌、防カビ処理を施す高強度アクリル繊維としては、
アクリロニトリル95重量%、酢酸ビニル5重量%の仕
込みで重合した重量平均分子量20万のポリマーを、ロ
ダン酸ソーダ水溶液を溶剤としてポリマー濃度7%に調
整した紡糸原液を作製し、乾湿式紡糸した後、水洗、湿
熱延伸、乾熱延伸を施し、全有効延伸倍率15倍で得
た、引っ張り強度10g/dの繊維を用いた。
【0032】抗菌、防カビ加工条件としては、銀イオン
溶液として硝酸銀水溶液を、銅(II)イオン溶液とし
て硫酸銅水溶液を、亜鉛イオン溶液として塩化亜鉛水溶
液を各々50m・mol/lに調整し、該水溶液100
0mlの各々を1%の硝酸水溶液でpH3にした後、上
記で作成した繊維100gを投入して、98℃で30分
間処理を行い、水洗、乾燥した。
【0033】第2の処理として、ピロ燐酸イオン水溶液
として酸性ピロ燐酸ナトリウム、アルミン酸イオン水溶
液としてアルミン酸ナトリウム、硫黄イオン水溶液とし
て水硫化ナトリウム、チオシアン酸イオン水溶液として
チオシアン酸ナトリウム、修酸イオン水溶液として修酸
ナトリウム、フタル酸イオン水溶液としてフタル酸水素
カリウムを各々30m・mol/lに調整し、該水溶液
100mlに上記の第1の処理を施した3種類の繊維1
0gの割合で各々投入して、98℃で30分間処理を行
い、水洗、乾燥を行い、第1の処理および第2の処理を
施したNo.2〜10の9種類の繊維を作製した。
【0034】得られた繊維No.2〜No.10を25
℃純水100gに投入し24時間攪拌後、水洗・乾燥処
理した繊維と元の未処理繊維について繊維中の金属イオ
ン含有量を測定して数3により金属イオン保持率を求め
た。
【0035】該繊維の引っ張り強度、金属イオン保持
率、抗菌性を示す菌数増減値差および防カビ性を示すカ
ビ抵抗性表示をそれぞれの第1の処理の金属イオンの種
類及び第2の処理に採用した陰イオンの種類と共に表1
に併示する。
【0036】
【表1】
【0037】金属イオンによる第1処理および陰イオン
処理による第2処理を施したNo.2〜10では引っ張
り強度8.0g/d以上、金属イオン保持率95%以上
を有し、抗菌性増減値差、カビ抵抗性表示も、それぞれ
1.6以上、および2以上であることから良好な抗菌、
防カビ性を有している。一方、上記の第1および第2処
理を施さない繊維では10.0g/dの強度が得られた
ものの、抗菌性、防カビ性は全く示さなかった。
【0038】
【発明の効果】上述した本発明の抗菌、防カビ性高強度
アクリル繊維は、繊維中のシアノ基を利用して、抗菌、
防カビ能を有する金属イオンを導入した後、金属イオン
と結合して水難溶性金属化合物を形成する陰イオンで処
理することによって、繊維中に分子オーダーの微細な水
難溶性の抗菌性金属化合物が生成して繊維に保持される
と考えられる。かかる原理により、少量の金属化合物の
含有でありながら恒久的で且つ優れた抗菌、防カビ性が
付与され、さらに繊維物性が損なわれることのない繊維
を提供し、且つ該繊維を工業的有利に製造する方法を提
供し得たことが、本発明の特筆すべき効果である。この
ように優れた利点を有する本発明繊維は、紡績糸、長繊
維、編織物、不織布等に加工することができ、産業資材
ばかりでなく、快適な衣料、寝装、インテリア製品、生
活資材、医療用繊維資材等の用途分野に広く用いること
ができる。勿論、本発明繊維を樹脂加工したシートで
は、繊維に沿って水が侵入するにも係わらず、菌やカビ
の繁殖がなく、長期間にわたって使用した場合も汚れの
発生がなく、外観を損なうことがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 11/42 D06M 11/00 A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量平均分子量が少なくとも20万のアク
    リロニトリルを主成分とするAN系重合体からなり、8
    g/d以上の引っ張り強度を有し、かつまた該繊維に含
    有させた金属化合物により抗菌、防カビ性を有し、25
    ℃の純水中24時間抽出による繊維中金属イオン保持率
    が95%以上であることを特徴とする抗菌、防カビ性を
    有する高強度アクリル繊維。
  2. 【請求項2】金属化合物を構成する金属イオン成分が
    銀、銅、亜鉛でなる群から選ばれた少なくとも1種であ
    る請求項1記載の抗菌、防カビ性を有する高強度アクリ
    ル繊維。
  3. 【請求項3】金属化合物を構成する陰イオン成分がピロ
    燐酸、ポリ燐酸、珪酸、アルミン酸、タングステン酸、
    バナジン酸、モリブデン酸、アンチモン酸、臭素、沃
    素、硫黄、塩素酸、臭素酸、沃素酸、硫酸、亜硫酸、チ
    オ硫酸、チオシアン酸、炭酸、修酸、安息香酸、フタル
    酸、石炭酸でなる群の中から選ばれた少なくとも1種で
    ある請求項1または請求項2記載の抗菌、防カビ性を有
    する高強度アクリル繊維。
  4. 【請求項4】重量平均分子量が少なくとも20万のアク
    リロニトリルを主成分とするAN系重合体からなり、8
    g/d以上の引っ張り強度を有する高強度アクリル繊維
    に、抗菌性を有し且つ25℃の純水中24時間抽出によ
    る繊維中金属イオン保持率が95%以上である金属化合
    物を形成し得る金属イオンを含有する水溶液で、アクリ
    ル繊維中シアノ基に該金属イオンを配位せしめる第1の
    処理の後、該金属化合物を形成するのに対応した陰イオ
    ンを含有する水溶液で該金属化合物を形成せしめる第2
    の処理を、1回以上施すことを特徴とする抗菌、防カビ
    性を有する高強度アクリル繊維の製法。
JP18363795A 1995-06-26 1995-06-26 抗菌、防カビ性を有する高強度アクリル繊維お よびその製法 Pending JPH0913221A (ja)

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