JPH09132657A - 基材の表面処理方法及び該方法を用いたインクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

基材の表面処理方法及び該方法を用いたインクジェット記録ヘッドの製造方法

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JPH09132657A
JPH09132657A JP8221882A JP22188296A JPH09132657A JP H09132657 A JPH09132657 A JP H09132657A JP 8221882 A JP8221882 A JP 8221882A JP 22188296 A JP22188296 A JP 22188296A JP H09132657 A JPH09132657 A JP H09132657A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精緻な構造を有する高温処理が不向きなプラ
スチック製等の基材表面の根本的な改質を簡易に行い、
基材表面に所望の機能を付与することが可能な基材の表
面処理方法、及びインクジェット記録ヘッドの製造方法
の提供。 【解決手段】 基材表面に、アルミナゾル、シラノール
及び一般式(1)で表されるペルヒドロポリシラザンの
いずれかから選択される物質を含有する塗工液を塗布
し、該物質がセラミック化しない温度で乾燥・硬化して
表面改質層を形成し、次いで該表面改質層上に機能性膜
を設けることを特徴とする基材の表面処理方法、及び該
方法を用いたインクジェット記録ヘッドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温処理が不向き
なプラスチック等の基材材料の表面に撥インク層等の機
能性膜を設ける場合に、予め特定の表面改質を基材表面
に行うことで基材と機能性膜との密着性を改善し、良好
な機能性膜の形成を達成し得る表面処理方法、及び該表
面処理方法を用い良好な撥インク層を形成し得るインク
ジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高温処理が不向きなプラスチ
ック等の基材材料の表面に、例えば、撥水層や撥インク
層、或いは撥油層等の機能性膜を形成させる場合には、
各種の表面処理を施すことが行われている。そして、各
種の表面処理を施す場合に、処理を施し易い様に、予め
基材表面の改質を行うことがある。この際に用いられて
いるプラスチック製等の基材表面の改質方法としては、
サンドブラスト法、エッチング法及びプラズマアッシン
グ法等の各種のものがある。しかしながら、これら従来
の表面改質方法には夫々次の様な欠点があった。 サンドブラスト法は、基材が複雑な形状を有する場合
には適応することが出来ず、又、この方法は、表面を粗
すだけで根本的に基材の表面物性を改質するものではな
い。 エッチング法では、エッチング用の薬液が基材に対し
て悪影響を及ぼす場合があったり、基材材料によっては
エッチング処理が出来ない場合がある。 プラズマアッシング法は、サンドブラスト法と同様
に、基材が複雑な形状を有する物の場合には適応するこ
とが出来ず、更に、当該方法に要する装置は高価であり
経済性に劣る。
【0003】上記した各種の方法に対し、簡易にプラス
チック製等の基材表面を改質し得る有効な手段として
は、基材表面に表面改質層(コート層)を設けることが
考えられる。即ち、基材表面に、プライマー処理やシラ
ン処理等を施して、プラスチック等からなる基材表面上
にプライマー層やシラン層等の表面改質層を設けること
が知られている。しかしながら、この場合には、基材表
面に形成される表面改質層自体に、該層の下地となる基
材に対する密着性が要求されると共に、使用状況に応じ
て、耐熱性や耐薬品性等といった特性が要求される。更
に、基材上に設ける表面改質層の厚さについては、少な
くともμmオーダー以下の均一な薄膜層の形成が要求さ
れるという技術的な問題もある。
【0004】ここで、インクジェット記録装置において
は、該装置に設けられている記録ヘッドの複数の微細な
インク吐出口から、熱エネルギーや力学的エネルギーを
作用させることによって、記録信号に応じたピコリット
ルオーダーのインク液滴を紙等の被記録材に向けて円滑
に安定して吐出させ、精細な記録が行われる。この為、
上記したインク吐出口は、プラスチック等の材料を用い
て下記に示すように精緻に作製されなければならない。
即ち、例えば、インクジェット記録装置用の記録ヘッド
では、エポキシ樹脂、PSF等のプラスチック製の内径
が30μm程度のノズルの一方の先端にインク吐出口が
設けられているが、該インク吐出口を有する面上に撥イ
ンク剤からなる均一な膜厚の撥インク層が形成されて、
複数のインク吐出口からインクが一定量のインク液滴と
なって被記録材に向けて円滑に吐出することが出来る様
に精緻に構成されている。
【0005】従って、例えば、上記したインクジェット
記録ヘッドの様な精緻な構造物において、撥インク剤の
均一な薄膜層を形成する場合には、プラスチック製等の
基材表面に撥インク剤が容易に且つ均一に密着し得るよ
うに、予め基材表面が最適な状態となるように表面を改
質しておく必要がある。又、この場合に形成する表面改
質層には、Åオーダーの厚みの基材との密着性のよい均
一な薄膜層であることのみならず、膜自体が高度の耐熱
性と耐薬品性とを有すること等の特性が要求される。更
に、該表面改質層には、その上に撥インク層等の各種の
機能性膜を容易に且つ均一に密着して形成することが可
能であるように、例えば、撥インク剤等の処理剤を含む
塗布液に対する濡れ性が非常に優れ、且つ形成された機
能性膜との密着性に優れること、或いは機能性膜に悪影
響を及ぼさないこと等の特性が要求される。しかしなが
ら、上記した従来知られている方法により形成される表
面改質層は、これらの要求を完全に満足し得るものでは
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、精緻な構造を有する高温処理が不向きなプラスチッ
ク製等の基材表面の根本的な表面改質を簡易に行うこと
が出来、且つ形成される表面改質層が、下地である基材
や、該表面改質層を介して設けられた撥インク層等の機
能性膜にも悪影響を及ぼすことがない基材及び表面改質
層との密着性に優れたÅオーダーの薄膜層であり、又、
該表面改質層自体が耐熱性及び耐薬品性等の特性に優
れ、更には表面改質層の上に形成する機能性膜との密着
性に優れ、且つ機能性膜に悪影響を及ぼさないものとな
る基材の表面処理方法、及び該方法を用い良好な撥イン
ク層を形成し得るインクジェット記録ヘッドの製造方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、基材表面に、ア
ルミナゾル、シラノール及び下記一般式(1)で表され
るペルヒドロポリシラザンのいずれかから選択される物
質を含有する塗工液を塗布し、該物質がセラミック化し
ない温度で乾燥・硬化して表面改質層を形成し、次いで
該表面改質層上に機能性膜を設けることを特徴とする基
材の表面処理方法、及び該方法を用い良好な撥インク層
を形成し得るインクジェット記録ヘッドの製造方法であ
る。
【化3】
【0008】
【発明の実施の形態】次に、好ましい実施の形態を挙げ
て、本発明をより詳細に説明する。本発明の表面処理方
法は、基材表面に、アルミナゾル、シラノール及び下記
一般式(1)で表されるペルヒドロポリシラザンのいず
れかから選択される物質を含有する塗工液を塗布し、該
物質がセラミック化しない温度で乾燥・硬化して表面改
質層を形成し、次いで該表面改質層上に撥インク層等の
機能性膜を設けることを特徴とする。
【化4】
【0009】本発明では、アルミナゾル、シラノール及
び上記一般式(1)で表されるペルヒドロポリシラザン
から選択される物質を、表面改質層の構成材料とする場
合に、セラミック化することなく無機高分子の状態で用
いている為、形成される表面改質層が、耐熱性に優れる
と共に表面改質層自体が可撓性(flexibility)を有す
るものとなり、且つ硬化収縮が少なく、耐薬品性に優れ
た層にすることが出来る。又、このような特性を有する
表面改質層は、高温処理に不向きなプラスチック製等の
基材に対して優れた密着性を有し、且つ、例えば、その
上に撥インク層を設ける場合に、撥インク剤等の処理剤
を含む塗布液に対する濡れ性が非常に優れている為、表
面改質層上に各種の機能性膜を容易に施すことが可能で
あり、更に、本発明で使用する表面改質層の材料は、基
材や形成された機能性膜に悪影響を及ぼすこともなく、
上記した高温処理に不向きな基材に対して良好な各種表
面処理が可能となる。
【0010】更に、本発明においては、上記した物質の
中でも、とりわけ前記一般式(1)で表されるペルヒド
ロポリシラザンを用いることが好ましい。即ち、ペルヒ
ドロポリシラザンは殆どの芳香族炭化水素系の溶剤に可
溶である為、表面改質層を設ける基材材料が限定される
恐れがなく、且つペルヒドロポリシラザンは優れた膜形
成性を有しておりÅオーダーの均一な薄膜層の形成が容
易である為、精緻な構造物の表面に均一な膜厚の表面改
質層を容易に形成することが可能である。
【0011】先ず、本発明の表面処理方法においては、
プラスチック製等の基材表面に、アルミナゾル、シラノ
ール及び下記一般式(1)で表されるペルヒドロポリシ
ラザンから選択される物質を、有機溶剤等に溶解させて
塗工液を作製する。この際に使用する表面改質層を形成
する為の物質としては、上記のいずれでもよいが、中で
も一般式(1)で表されるペルヒドロポリシラザンがよ
り好ましい。このペルヒドロポリシラザンは、下記一般
式(1)を満足するものであればいかなるものでもよい
が、好ましくは、分子量が600〜2,000の範囲の
ものを使用する。即ち、分子量が2,000よりも大き
いと、表面改質層を形成した場合に、膜の可撓性や密着
性に劣るし、分子量が600よりも少ないと、形成され
た膜の耐熱性や耐薬品性等の特性に劣る。
【化5】
【0012】又、本発明の表面処理方法において、上記
のような表面改質層の形成材料を溶解させる為の有機溶
剤としては、特に限定されないが、例えば、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素系の溶剤が好適に用いられ
る。又、この様な溶剤に溶解される塗工液中の上記物質
の含有量としては、塗工液を塗布した後、乾燥硬化して
形成される無機高分子層が均一の薄層膜となるものであ
ればいかなるものであってもよいが、例えば、0.5〜
2%程度のキシレン溶液とするのが好ましい。
【0013】本発明において、基材表面上に表面改質層
を形成する方法としては、上記したのペルヒドロポリシ
ラザン等と有機溶剤とを有する塗工液を、例えば、スピ
ンコーター、ロールコーター、ナイフコーター等の方法
により基材上に塗布し、硬化乾燥させて表面改質層を形
成することが好ましい。この際に、塗布した塗工液を硬
化乾燥させる温度は、塗工液の構成材料により異なる
が、上記したペルヒドロポリシラザン等の表面改質層の
形成物質がセラミック化しない温度、例えば、200℃
以下とするのが好ましい。更に好ましくは、100℃前
後の温度で硬化して基材上に薄膜を形成させるのが好ま
しい。200℃よりも高い温度で硬化させると、形成さ
れる膜がセラミック状態となり、耐熱性や耐薬品性には
優れるものの可撓性が損なわれ、基材や機能性膜との密
着性に劣るものとなる為、好ましくない。
【0014】本発明の表面処理方法においては、基材表
面に上記したような構成の表面改質層を形成し、次い
で、該表面改質層の上に機能性膜を設ける。機能性膜と
しては、基材に要求される所望の性能を付与し得る膜が
形成されるが、例えば、撥水層、撥インク層又は撥油層
等が形成される。機能性膜を形成する場合には、例え
ば、適宜な濃度の撥水剤、撥インク剤又は撥油剤等を適
宜な方法で塗布した後、乾燥させて均一な膜を形成する
ことが好ましい。ここで、撥水剤、撥インク剤又は撥油
剤としては、従来公知のものをいずれも用いることが出
来、特に限定されない。撥インク剤、撥水剤、撥油剤と
しては、例えば、含フッ素化合物等が挙げられる。
【0015】上記本発明の表面処理方法は、プラスチッ
ク等の高温処理に不向きな材料の表面に各種の機能を付
与する場合に特に好適である。基材としては、例えば、
インクジェット記録ヘッドに用いられる様なエポキシ樹
脂、PSF等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
【0016】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。実施例として、図2に示すインク
ジェット記録ヘッドのインク吐出口面に撥インク処理を
施す場合に適用される表面処理方法を例に挙げて説明す
る。尚、実施例では、インクジェット記録ヘッドのイン
ク吐出口面へ表面改質処理を施した場合を例にとって挙
げたが、特にこれに限定されるわけではない。
【0017】実施例1 本実施例では、インクジェット記録装置用の記録ヘッド
のインク吐出口部分を下記の方法で形成した。形成手順
を示す図1を参照して説明する。先ず、液体吐出エネル
ギー発生素子として、電気熱変換体(不図示)が形成さ
れているガラス製の被処理基板1上に、ポジ型フォトレ
ジストAZ−4903(ヘキスト社製)を膜厚が30μ
mとなる様にスピンコートした後、オーブン中で、90
℃、20分間のプリベークを行ってレジスト層2を形成
した(図1(a))。次に、このレジスト層2に、ノズ
ルパターンを有するマスク3を介して、マスクアライナ
ーPLA−501(キヤノン製)により、200mJ/
cmの露光量でパターン露光した後(図1(b))、
0.75wt%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて現像
し、次いでイオン交換水でリンス処理を施して、被処理
基材1上にノズル型材となるノズルパターン4を形成し
た(図1(c))。
【0018】次に、上記の様にして現像処理した被処理
基板1に対し、オーブン中での70℃、30分間のポス
トベーク処理と、150mJ/cmの露光量での全面露
光処理、更に、0.1mmHgの真空条件下での30分
間の脱気処理とからなる一連の処理工程を2度繰り返し
た。
【0019】次に、上記の様にして得られたノズル型材
4が形成されている被処理基板1上に、以下に示す組成
を有する樹脂組成物1からなる熱硬化性樹脂5の塗工液
を塗布し(図1(d))、次いで30℃で24時間放置
した後、120℃で2時間の熱キュアーを行いって樹脂
を硬化させた(図1(e))。その後、これを切断する
ことによってインク吐出口6の部分を露出させた。 (樹脂組成物1の組成) ・アデカオプトマーKRM2410(旭電化工業(株)製) 70重量部 ・アデカレジンEP−4000(旭電化工業(株)製) 30重量部 ・NUCシランカップリング剤A−187(日本ユニカー(株)製) 2重量部 ・フジキュアー6010(富士化成工業(株)製) 50重量部
【0020】次に、3wt%の水酸化ナトリウム水溶液
を用いてノズル型材4を除去した後、イオン交換水でリ
ンス処理を施して、インクジェット記録装置用の記録ヘ
ッドのインク吐出口6を形成した(図1(f))。次
に、ポリシラザン(東燃(株)製)の1%キシレン溶液
を塗工液とし、該塗工液を上記で得られたインク吐出口
6を有する面上に塗布し、その後100℃で1時間乾燥
硬化させて、インク吐出口6を有する面上に表面改質層
7を形成した(図1(g))。その後、上記で得られた
表面改質層7上に、撥インク剤としてCTX−805A
(旭硝子(株)製)を塗布した後、150℃で5時間乾
燥させて撥インク層8を設けた。この部分について顕微
鏡で観察したところ、撥インク剤からなる層がインク吐
出口6を有する面上に均一に塗工されていることが確認
された。
【0021】又、上記で得られたインク吐出口6を有す
る記録ヘッドを使用して印字耐久試験を行い、インク吐
出口6の部分を顕微鏡により観察したところ、撥インク
層8は密着性に優れており、耐久試験によっても撥イン
ク層が基材から剥れてしまうことはなく最後まで円滑な
安定した記録が行えた。又、印字耐久試験後にインク吐
出口面を顕微鏡によって観察したところ異常は発見され
ず、本発明の製造方法によって得られたインクジェット
記録ヘッドのインク吐出口部分は、耐熱性及び耐薬品性
に優れているものであることが確認された。
【0022】図3に、上記した本発明のインクジェット
記録ヘッドの製造方法で得られたインクジェット記録ヘ
ッドの一例の主要部を、インクの液流路方向での断面図
として示す。この記録ヘッド13のインクの流路となる
液流路(インク溝14)を構成する壁面14は、上記し
た例によって得られたものの場合には熱硬化性樹脂組成
物の熱硬化物からなる。一方、基板20側は、アルミナ
等の放熱性のよい基板20上に、蓄熱層19、ニクロム
等で形成される発熱抵抗体層18、アルミニウム等で形
成される電極17−1及び17−2、及び酸化シリコン
等で形成される保護膜16が順次積層された構成を有す
る。そして、電極17−1及び17−2に通電すること
によって、発熱抵抗体層18の電極が積層されていない
部分(nで示す領域内にある部分)が吐出エネルギー発
生素子として形成され、この部分が急激に発熱し、その
上方に位置するインク21に熱エネルギーが作用する様
になっている。
【0023】記録に際してインク21は、インク溝14
の端部微細開口部である吐出オリフィス22まで充填さ
れ、その状態で記録信号に対応して電極17−1及び1
7−2に電通されると、nで示される領域が急激に発熱
し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その
圧力でインク21がインク吐出口22より小滴24とな
って吐出され、被記録材25に向かって飛翔する。この
際、本発明によって製造されたインクジェット記録ヘッ
ドでは、インク吐出口22を有する面上に表面改質層
7、更には該表面改質層に密着して設けられている撥イ
ンク層8を有する為、吐出口22よりの小滴24の吐出
が円滑に且つ安定してなされ、精細なインクジェット記
録が可能となる。
【0024】実施例2 実施例1で用いたペルヒドロポリシラザンに代えて、ア
ルミナゾル(商品名:アルミゾルCSA−110AD、
川研ファインケミカル(株)製)を用いた以外は、実施
例1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを製造し
た。その結果、得られた記録ヘッド、該記録ヘッドを用
いて行ったインクジェット記録において、実施例1とほ
ぼ同様の良好な結果が得られた。
【0025】実施例3 実施例1で用いたペルヒドロポリシラザンに代えて、シ
ラノール(商品名:OCD Type−2、東京応化工
業(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてイ
ンクジェット記録ヘッドを形成した。その結果、得られ
た記録ヘッド、該記録ヘッドを用いて行ったインクジェ
ット記録において、実施例1とほぼ同様の良好な結果が
得られた。
【0026】比較例1 ポリシラザンの薄膜を形成しなかった以外は実施例1と
同様にして、インクジェット記録ヘッドのインク吐出口
6を有する面に撥インク剤としてCTX−805A(旭
硝子(株)製)を塗布して乾燥させて、撥インク処理を
施した。この結果、インク吐出口を形成している熱硬化
性樹脂組成物の熱硬化物からなる基材に対しての撥イン
ク剤の濡れ性が悪く、撥インク剤がまだらになってしま
い、均一な薄膜の撥インク層を形成することが出来なか
った。得られたインクジェット記録ヘッドを用い、実施
例1と同様の印字耐久試験を行ったところ、均一な薄膜
の撥インク層が形成されていない為、円滑なインクジェ
ット記録が出来なかった。
【0027】比較例2 シランカップリング剤A−186(日本ユニカー(株)
製)の1%IPA溶液を実施例1で作製したインクジェ
ット記録ヘッドのインク吐出口6を有する面上に塗布
し、100℃で1時間乾燥して薄膜層を形成して表面改
質を行った。次に、このインク吐出口6を有する面上
に、実施例1で使用したのと同様の撥インク剤であるC
TX−805A(旭硝子(株)製)を塗布し乾燥させ
て、撥インク処理を施した。この結果、比較例1の場合
と異なり、インク吐出口面に撥インク剤を均一に塗るこ
とは出来たが、実施例1と同様の印字耐久試験を行った
ところ、表面改質層の密着性、耐熱性及び耐薬品性が劣
っている為、途中で撥インク層が剥れてしまい円滑なイ
ンクジェット記録が出来なくなった。
【0028】比較例3 実施例1で作製したインクジェット記録ヘッドのインク
吐出口6を有する面上に、1kW、500sccm、
1.5torrの条件で酸素プラズマアッシング処理を
施して表面改質処理を行った。次に、このインク吐出口
6を有する面上に、実施例1で使用したのと同様の撥イ
ンク剤であるCTX−805A(旭硝子(株)製)を塗
布し乾燥させて、撥インク処理を施した。この結果、比
較例1の場合と異なり、インク吐出口面に撥インク剤を
均一に塗ることは出来た。しかし、実施例1と同様の印
字耐久試験を行ったところ、表面改質層の密着性が劣っ
ている為、途中で撥インク層が剥れてしまい円滑なイン
クジェット記録が出来なくなった。
【0029】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の基材の表面
処理方法によれば、精緻な構造を有する高温処理が不向
きなプラスチック製等の基材表面に、均一な薄膜からな
る各種機能性膜を容易に形成することができる結果、基
材に所望の性能を容易に付与することが可能となる。即
ち、本発明によれば、簡単にÅオーダーの基材との密着
性のよい均一な薄膜層からなる表面改質層を形成するこ
とが出来、更に、該表面改質層を形成している材料がセ
ラミック化されていない無機高分子層である為、形成さ
れる表面改質層は、可撓性を有し、且つ耐熱性及び耐薬
品性等の特性に優れるのみならず基材に悪影響を及ぼす
こともない。更に、上記の優れた特性を有する表面改質
層によって、その上に撥インク剤等からなる機能性膜を
形成した場合に、均一な厚みの密着性に優れる薄膜から
なる機能性膜を容易に形成することが出来、更に、上記
表面改質層は機能性膜に悪影響を及ぼすこともない。更
に、本発明によれば、上記した本発明の表面処理方法を
用いることによって、精緻な構造のインクジェット記録
ヘッドのインク吐出口を有する面上に、基材との密着性
のよい均一な薄膜からなる撥インク層を容易に形成する
ことができる結果、インク小滴の吐出を円滑にすること
のできるインクジェット記録ヘッドが簡易に提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法
を適用した製造工程を示す図である。
【図2】本発明により製造したインクジェット記録ヘッ
ドの一例の概略斜視図である。
【図3】インクジェット記録ヘッドのインク流路に沿っ
た縦断面部分図である。
【符号の説明】
1:被処理基材 2:レジスト層 3:マスクノズルのパターン 4:ノズルパターン 5:熱硬化性樹脂 6:インク吐出口 7:表面改質層 8:撥インク層 13:インクジェット記録ヘッド 14:インク溝 16:保護膜 17−1、17−2:電極 18:発熱抵抗体層 19:蓄熱層 20:基板 21:インク 22:吐出オリフィス(微細孔) 24:インク小滴 25:被記録材

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、アルミナゾル、シラノール
    及び下記一般式(1)で表されるペルヒドロポリシラザ
    ンのいずれかから選択される物質を含有する塗工液を塗
    布し、該物質がセラミック化しない温度で乾燥・硬化し
    て表面改質層を形成し、次いで該表面改質層上に機能性
    膜を設けることを特徴とする基材の表面処理方法。 【化1】
  2. 【請求項2】 ペルヒドロポリシラザンの数平均分子量
    が、600〜2,000の範囲にある請求項1に記載の
    基材の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 セラミック化しない温度が、200℃以
    下の温度である請求項1に記載の基材の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 セラミック化しない温度が、約100℃
    の温度である請求項1に記載の基材の表面処理方法。
  5. 【請求項5】 基材が、プラスチックである請求項1に
    記載の基材の表面処理方法。
  6. 【請求項6】 機能性膜が、撥水層、撥インク層又は撥
    油層のいずれかである請求項1に記載の基材の表面処理
    方法。
  7. 【請求項7】 基材上に樹脂層を有し、該樹脂層中に互
    いに平行な複数のインク流路が設けられ、該インク流路
    の一方の端部が夫々インク吐出口を構成している複数の
    インク吐出口を有するインクジェット記録ヘッドを製造
    する方法において、上記の複数のインク吐出口を有する
    面上に、アルミナゾル、シラノール及び下記一般式
    (1)で表されるペルヒドロポリシラザンのいずれかか
    ら選択される物質を含有する塗工液を塗布し、該物質が
    セラミック化しない温度で乾燥・硬化させて表面改質層
    を形成し、次いで表面改質層上に撥インク層を設けるこ
    とを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。 【化2】
  8. 【請求項8】 ペルヒドロポリシラザンの数平均分子量
    が、600〜2,000の範囲にある請求項7に記載の
    インクジェット記録ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 セラミック化しない温度が、200℃以
    下の温度である請求項7に記載のインクジェット記録ヘ
    ッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 セラミック化しない温度が、約100
    ℃の温度である請求項7に記載のインクジェット記録ヘ
    ッドの製造方法。
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