JPH09135584A - 静電アクチュエータ - Google Patents

静電アクチュエータ

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JPH09135584A
JPH09135584A JP2242696A JP2242696A JPH09135584A JP H09135584 A JPH09135584 A JP H09135584A JP 2242696 A JP2242696 A JP 2242696A JP 2242696 A JP2242696 A JP 2242696A JP H09135584 A JPH09135584 A JP H09135584A
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JP
Japan
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electrodes
phase
voltage
stator
electrode
Prior art date
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JP2242696A
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English (en)
Inventor
Hidetoshi Suzuki
秀俊 鈴木
Takeshi Tanaka
猛 田中
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Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電アクチュエータにおける移動子の駆動音
の低減。 【解決手段】 絶縁層20に複数の電極21a〜21c
を配設した固定子12と、絶縁層16に複数の電極17
a〜17cを配設し、固定子12に対して移動可能に対
向して配置した移動子11とを備える。移動子11の電
極17a〜17cと固定子12の電極21a〜21cの
いずれか一方に極性を固定して電圧を印加し、いずれか
他方に周期的に極性を切り替えて電圧を印加し、固定子
12の電極21a〜21cと移動子11の電極17a〜
17cの間に生じる吸引力と反発力により移動子11を
駆動する。矩形波形の交番電圧を出力する高電圧源側と
移動子11の電極17a〜17c又は固定子12の電極
21a〜21cとの間に低域通過フィルタを構成する抵
抗を介設し、上記極性を切り替えて印加する電圧の波形
を波形状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用のサンバイ
ザー、ムーンルーフ、リアウインドあるいは各種の建築
物の窓の遮光装置の駆動源として好適に使用される静電
アクチュエータに関し、詳しくは、それぞれ絶縁層に複
数の電極を設けた固定子と移動子とを備え、固定子の電
極と移動子の電極の間に発生する静電気による吸引力、
反発力により移動子を駆動する静電アクチュエータに関
するものであり、特に、移動子の駆動時に発生する駆動
音の低減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の静電アクチュエータとし
て、本出願人は先に実開平7−16599号公報におい
て図7に示す静電アクチュエータを提案した。この静電
アクチュエータの移動子1は、絶縁層2に電極3a,3
b,3c・・・3a,3b,3c・・・を配設し、これ
らの電極3a,3b,3cを相互に接続して3相(a
相,b相,c相)とし、さらにa相の電極3aとb相の
電極3bを相互に接続して2相としている。一方、固定
子4は、絶縁層5に電極6a,6b,6cを設け、これ
らの電極6a,6b,6cのうち2つ置きに位置する電
極6a,6b,6cを相互に接続して3相(U相,V
相,W相)としている。
【0003】移動子1を駆動する際には、図8に示すよ
うに、上記移動子1のa相及びb相の電極3a,3bに
対して負(以下、“−”と表記する。)の高電圧を、c
相の電極に対しては正(以下、“+”と表記する)の高
電圧をそれぞれ固定的に印加する。一方、固定子4に
は、“+”,“−”の2種類の極性の高電圧を周期的に
切り替えて印加する。すなわち、等時間間隔αの連続す
る3つのステップS1,S2,S3からなるサイクルT
を繰り返し、かつ、各相のサイクルTを1ステップ分づ
つ位相をずらして固定子4の電極6a,6b,6cに対
して電圧を印加する。
【0004】まず、U相の電極6aに対しては、第1ス
テップS1は“+”、第2ステップS2は“−”、第3
ステップS3は“+”というパターンで高電圧を印加す
る。また、V相の電極6b、W相の電極6cに対して
は、それぞれ上記U相の電極6aよりも1ステップ、2
ステップ分だけ位相を進めて電圧を印加する。このよう
に高電圧を印加すると、移動子1の電極3a〜3cと固
定子4の電極6a〜6cとの間に静電気による吸引力、
反発力が作用し、第1ステップS1から第3ステップS
3の各ステップ毎に、移動子1は、上記電極3a〜3
c,6a〜6cの間隔(電極ピッチP)だけ図7中左側
に移動する。
【0005】また、図9に示すように、固定子の3相の
電極に印加する電圧V1,V2,V3を同一波形の交流と
し、1周期Cの1/3ずつ位相をずらして印加する一
方、移動子に対しては固定的に電圧を印加する静電アク
チュエータが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記図7及び
図8に示す実開平7−16599号公報の静電アクチュ
エータのように、矩形状の波形の交番電圧を印加して移
動子1を駆動する場合、固定子4の電極6a,6b,6
cに対して印加する電圧の極性は“+”から“−”ある
いは“−”から“+”に瞬間的に急激に切り替わるた
め、移動子1に対する駆動力も、この固定子4の電極6
a,6b,6cに対する電圧の切り替わり時に瞬間的に
急激に変化する。よって、この静電アクチュエータで
は、移動子1の駆動音が大きくなるという問題がある。
【0007】また、上記図9のように固定子の電極に交
流電圧を印加する場合、電圧の極性の切り替わりは滑ら
かであるが、例えば、時刻t1に移動子を停止させる場
合には、図9中、一点鎖線で示すように、この時刻t1
以降、各相の電圧V1,V2,V3を時刻t1の時点の電圧
に保持する必要があり、移動子の位置決めのための電圧
制御が困難である問題がある。また、この図9のように
交流電圧を印加する場合には、サイリスタ等の素子を備
えた複雑な周波数制御回路が必要である。
【0008】本発明は、上記従来の静電アクチュエータ
における問題を解決し、複雑な制御を行うことなく、移
動子に対する駆動力の変化を滑らかにして駆動音の低減
を図ることを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】従って、請求項1は、絶
縁層に複数の電極を配設した固定子と、絶縁層に複数の
電極を配設し、固定子に対して移動可能に対向して配置
した移動子とを備え、上記移動子の電極と固定子の電極
のいずれか一方に極性を固定して電圧を印加し、いずれ
か他方に周期的に極性を切り替えて電圧を印加し、固定
子の電極と移動子の電極の間に生じる吸引力と反発力に
より移動子を駆動する静電アクチュエータであって、上
記移動子の電極と固定子の電極のいずれか一方に極性を
切り替えて印加する電圧の波形を波形状としていること
を特徴とする静電アクチュエータを提供するものであ
る。
【0010】この請求項1の静電アクチュエータのよう
に、極性を切り替えて印加する電圧の波形を波形状とし
た場合には、電圧の極性の切り替わりが滑らかであるた
め、移動子に対する駆動力も、電圧の切り替わり時に滑
らかに変化する。そのため、移動子の駆動時に発生する
駆動音が低減される。
【0011】具体的には、矩形波形の電圧を出力する高
電圧源側と上記固定子又は移動子の電極との間に抵抗等
からなる低域通過フィルタを介設していることが好まし
い。(請求項2、請求項3)
【0012】この場合、高電圧源側から介して出力され
る矩形状の波形の電圧が、低域通過フィルタに入力され
ることにより高周波成分が除去され、立ち上がり部分及
び降下部分の波形が滑らかな曲線となった波形状の波形
の電圧が低域通過フィルタから電極に出力される。
【0013】上記静電アクチュエータは、上記移動子の
電極を2つ置きに配設した電極毎に互いに接続して3相
とし、かつ、これら3相のうちいずれか2相を互いに接
続して2相とし、2相毎に同一波形の電圧を印加する一
方、上記固定子の電極を2つ置きに配設した電極毎に互
いに接続して3相とし、各相毎に同一波形の電圧を印加
してもよい(請求項4)、上記移動子の電極を1つ置き
に配設した電極毎に互いに接続して2相として、各相毎
に同一波形の電圧を印加すると共に、上記固定子の電極
を1つ置きに配置した電極毎に互いに接続して2相と
し、各相毎に同一波形の電圧を印加してもよい(請求項
5)。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、図面に示す実施の形態に基
づいて本発明について詳細に説明する。図1及び図2
は、本発明の第1実施形態に係る静電アクチュエータを
示している。この静電アクチュエータは、移動子11、
固定子12、制御手段13、操作スイッチ14及び高電
圧源15を備えている。
【0015】移動子11は、固定子12に対して平行移
動可能に対向して配置され、図2(A)に示すように、
誘電体からなる板状の絶縁層16の一方の面に、導電性
を有する金属からなり細長い長方形状の複数の電極17
a,17b,17c・・・17a,17b,17c・・
・を互いに平行に設けている。このうち電極17aは、
絶縁層16の電極17a,17b,17cを設けたほう
の面の一方の側部に設けた給電部18Aに接続してお
り、a相を構成している。また、電極17b,17c
は、絶縁層16の電極17a,17b,17cを設けた
ほうの面の他方の側部に設けた給電部18Bに接続して
おり、bc相を構成している。
【0016】上記移動子11の各相の電極17a,17
b,17cは、その幅d1を等しく設定している。ま
た、電極17a,17b,17c相互間の間隔(電極ピ
ッチP1)も等しく設定している。
【0017】上記移動子11のa相の電極17aは、上
記給電部18Aを介してリレーR1に接続している。こ
のリレーR1は制御手段13からの指令に応じて、x側
とy側に切り替えられ、x側に切り替えられるとa相の
電極17aが高電圧源15の“+”側に接続され、y側
に切り替えられるとa相の電極17aが電位“0”(グ
ラウンド)に接続される。また、移動子11のbc相の
電極17b,17cは、上記給電部18Bを介してリレ
ーR2に接続している。このリレーR2は制御手段13
からの指令に応じて、x側とy側に切り替えられ、x側
に切り替えられるとbc相の電極17b,17cは高電
圧源15の“−”側に接続され、y側に切り替えられる
とc相の電極17cは電位“0”に接続される。
【0018】上記固定子12は、図2(B)に示すよう
に、誘電体からなる板状の絶縁層20の一方の面に、導
電性を有する金属からなり細長い長方形状の複数の電極
21a,21b,21c・・・21a,21b,21c
・・・を設けている。これらの電極21a,21b,2
1cは、1つ置きに位置する電極21a,21b,21
c毎に互いに接続している。このうち電極21aは、絶
縁層20の電極21a,21b,21cを設けたほうの
面の一方の側部に設けた給電部22Aに接続しており、
U相を構成している。また、電極21bは、絶縁層20
の電極21a,21b,21cを設けたほうの面の他方
の側部に設けた給電部22Bに接続しており、V相を構
成している。さらに、電極21cは、絶縁層20の電極
21a,21b,21cを設けた面と反対側の面に設け
た給電部22Cに、絶縁層20に設けた貫通孔(スルホ
ール20a)に配置した導電部材23を介して接続して
おり、W相を形成している。
【0019】上記固定子12の各相の電極21a,21
b,21cは、その幅d2を等しく設定しており、ま
た、この幅d2は、上記移動子11の各相の電極17
a,17bの幅d1と等しい。さらに、各電極21a,
21b,21c間の電極ピッチP2も一定であり、この
電極ピッチP2は、上記移動子11の電極ピッチP1と
等しく設定している。
【0020】上記固定子12の電極21a,21b,2
1cのうち、U相の電極21aは、上記給電部22Aか
らリレーR3を介して高電圧源15の“+”側と接続す
ると共に、リレーR6を介して高電圧源15の“−”側
と接続し、さらに、リレーR9を介して電位“0”に接
続している。同様に、上記固定子12の電極21a,2
1b,21cのうち、V相の電極21bは、上記給電部
22Bから、リレーR4を介して高電圧源15の“+”
側と接続すると共に、リレーR7を介して高電圧源15
の“−”側と接続し、さらに、リレーR10を介して電
位“0”に接続している。また、上記固定子12の電極
21a,21b,21cのうち、W相の電極21cは、
上記給電部22Cから、リレーR5を介して高電圧源1
5の“+”側と接続すると共に、リレーR8を介して高
電圧源15の“−”側と接続し、さらに、リレーR11
を介して電位“0”に接続している。リレーR3〜R1
1は、制御手段13の指令に応じて切り替わり、固定子
12の電極21a,21b,21cと、高電圧源15の
“−”側、“+”側あるいは電位“0”との間を連通、
遮断する。
【0021】制御手段13は、上記リレーR1〜R11
を以下のように切り替えて、上記移動子11、固定子1
2の電極17a,17b,17c,21a,21b,2
1cに印加する電圧の極性を変化させる。まず、移動子
11のa相の電極17aに“+”の電圧を印加するとき
には、制御手段13はリレーR1をx側に切り替え、電
位を“0”とする場合には、リレーR1をy側に切り替
える。また、移動子11のbc相の電極17b,17c
に“−”の高電圧を印加するときには、リレーR2をx
側に切り替え、電位を“0”とする場合には、リレーR
2をy側に切り替える。
【0022】一方、固定子12の電極21a,21b,
21cに“+”の高電圧を印加するときには、制御手段
13がリレーR3,R4,R5を連通させると共に、リ
レーR6〜R11を遮断する。また、固定子12の電極
21a,21b,21cに“−”の高電圧を印加すると
きには、制御手段13はリレーR6,R7,R8を連通
させると共に、リレーR3〜R5及びリレーR9〜R1
1を遮断する。さらに、固定子12の電極21a,21
b,21cの電位を“0”にする場合は、リレーR9,
R10,R11を連通させると共に、リレーR3〜R8
を遮断する。
【0023】上記リレーR3〜R11と固定子12の電
極21a〜21cの間には、抵抗25A,25B,25
Cを介設している。抵抗25Aは、U相の電極21aと
リレーR3,R6,R9の間に介設している。また、抵
抗25Cは、V相の電極21bとリレーR4,R7,R
10の間に介設している。さらに、抵抗25Cは、W相
の電極R5,R8,R11の間に介設している。これら
の抵抗25A,25B,25Cは低域通過フィルタとし
て機能し、後述するように、リレーR3〜R11側から
入力される矩形状の波形の交番電圧から高周波成分を除
去して、立ち上がり及び降下部分が滑らかな曲線を呈す
る波形状の波形に変換し、上記固定子12の電極21
a,21b,21cに出力する。
【0024】次に、本実施形態の作動について説明す
る。この静電アクチュエータでは、制御手段13が操作
スイッチ14の設定に応じて、上記リレーR1〜R11
を切り替えることにより、移動子11の電極17a〜1
7cに固定的に電圧を印加する一方、固定子12の電極
21a〜21cに対して周期的に極性を切り替えて高電
圧を印加する。図3中、時刻t0までは、操作スイッチ
14が“停止”に設定されている。この間、移動子11
のa相、bc相の電極17a〜17c及び固定子12の
U相、V相、W相の電極21a〜21cに対して印加さ
れる電圧は“0”であり、移動子11は停止状態にあ
る。
【0025】時刻t0からは、操作スイッチ14が“右
側に移動”に設定される。この時刻t0から移動子11
のa相の電極17aには“+”の高電圧が固定的に印加
され、bc相の電極17b,17cには“−”の高電圧
が固定的に印加される。
【0026】一方、時刻t0より固定子12の各相の電
極21a〜21cに対しては、極性及び電圧値を周期的
に切り替えて電圧が印加される。この固定子12に対し
て印加する電圧の極性の切替の周期Tは、等時間間隔α
の3個のステップからなる。また、U相の電極21a、
V相の電極21b及びW相の電極21cに対して同一の
パターンで極性を切り替えているが、V相にはU相に対
して1ステップ(1/3・T)だけ位相を進めて極性を
切り替えると共に、W相にはU相に対してそれぞれ2ス
テップ(2/3・T)だけ位相を進めて極性を切り替え
ている。
【0027】まず、第1のステップS1(時刻t0から
時刻t1)では、U相:“+”、V相:“+”、W相:
“−”とする。また、第2のステップS2(時刻t1か
ら時刻t2)では、U相:“+”、V相:“−”、W
相:“+”とする。さらに、第3のステップS3(時刻
t2から時刻t3)では、U相:“−”、V相:“+”、
W相:“+”とする。以下、第1から第3のステップS
1〜S3を繰り返す。
【0028】上記のように移動子11の電極17a,1
7b,17c及び固定子12の電極21a,21b,2
1cに電圧を印加すると、移動子11の電極17a,1
7b,17cと固定子12の電極21a,21b,21
cの間に生じる静電気による吸引力、反発力により移動
子11が図中右方向に移動する。
【0029】上記高電圧源15からリレーR3〜R8を
介して出力される交番電圧の波形は、図3中、二点鎖線
で示すように、矩形状である。このリレーR3〜R8か
ら出力された矩形状波形の電圧は、リレーR3〜R8と
固定子21a〜21cの間に介設した低域通過フィルタ
である抵抗25A,25B,25Cに入力され高周波成
分が除去される。そのため、上記二点鎖線で示す抵抗2
5A〜25Cより出力される電圧の波形には時間遅れが
生じ、電圧の立ち上がり部分aが図中上に凸の滑らかな
傾斜曲線となる一方、電圧の降下する部分bが図中下に
凸の滑らかな傾斜曲線となり、図3中、実線で示すよう
な波形状の波形となる。
【0030】このように本実施形態では、固定子12の
電極21a〜21cに印加される電圧の波形が、立ち上
がりの部分aと降下する部分bが滑らかな傾斜曲線であ
る波形状であり、電圧が“+”から“−”あるいは
“−”から“+”へ滑らかに切り替わるため、この固定
子12の電極21a〜21cに対する電圧の切り替わり
時の移動子11の駆動力の変化も滑らかである。よっ
て、この静電アクチュエータでは、上記図7及び図8に
示した従来の矩形状波形の交番電圧をそのまま移動子の
電極に対して印加する静電アクチュエータと比較して移
動子11の駆動音を大きく低減することができる。
【0031】また、上記のように固定子12の電極21
a〜21cに対して極性を切り替えて印加する電圧の波
形を波形状にするには、上記抵抗25A〜25Cを高電
圧源15側と電極21a〜21cの間に介設すればよ
く、上記図9に示す交流波形の電圧を印加する場合のよ
うな複雑な周波数制御回路を設ける必要がないため、コ
ストを低減することができる。
【0032】図3中、上記電圧の立ち上がりの部分a及
び降下の部分bの時間遅れは、抵抗25A〜25Cの抵
抗値により変化し、抵抗値が大きい程時間遅れが大きく
なり、電圧が上昇に要する時間も長くなる。この時間遅
れの程度を示す時定数τ(s)は、抵抗25A〜25C
の抵抗値をR(Ω)、U相、V相あるいはW相の電極2
1a〜21cの静電容量の総和をC(F)とすると、
(τ=R・C)で表される。
【0033】本実施形態では、上記U相、V相あるいは
W相の電極21a〜21cの静電容量の総和Cはそれぞ
れ8000PFであり、上記抵抗25A〜25Cの抵抗
値Rを500KΩとしているため、時定数τは、(80
00×10-12)×(500×103)=40×10-4=
4(ms)となる。このように4msの時間遅れがある
と電圧が適切な時間をかけて上昇、下降するため、上記
移動子11の騒音を大きく低減することができる。
【0034】しかし、上記抵抗25A〜25Cの抵抗値
は、上記500KΩに限定されるものではなく、電極2
1a〜21cの静電容量Cに応じて、好適な時定数τと
なるように設定すればよい。上記のように電極21a〜
21cの静電容量Cが8000PFの場合には、抵抗2
5A〜25Cの抵抗値Rは、300KΩから1MΩの範
囲で設定することが好ましい。この場合、抵抗値Rを1
MΩ以上に設定すると、騒音低減の効果は得られるが、
時定数τが大きすぎるため、1ステップの時間αを短く
すると、電圧が上昇し切らないあるいは下降し切らない
うちに時間αを経過してしまうため、移動子11を高速
で駆動することができなくなる。一方、抵抗値Rを30
0KΩ以下に設定すると、時定数τが小さすぎるため
に、抵抗24A〜25Cを設けない場合と変わらない程
電圧が急激に上昇あるいは降下してしまい騒音低減の効
果を十分に得られない。
【0035】時刻t4に操作スイッチ14が“停止”に
設定されると、移動子11の電極17a〜17b及び固
定子12の電極21a〜21cに印加される電圧は
“0”となる。
【0036】なお、操作スイッチ14が“左側に移動”
に設定された場合には、固定子12の電極21a,21
b,21cに対して同一パターンで、かつV相の電極2
1bとW相の電極21cに対して、U相の電極21aよ
りそれそれ1ステップ、2ステップだけ位相を遅らせ
て、極性を切り替えて電圧を印加が印加される。
【0037】図4及び図5は、本発明の第2実施形態を
示している。第2実施形態の移動子21は、図5(A)
に示すように、誘電体からなる絶縁層26の一方の面
に、導電性を有する金属からなり、細長い長方形状の複
数の電極27a,27b,・・・27a,27b・・・
を設けている。これらの電極27a,27bは一つ置き
に位置する電極27a,27b毎に絶縁層26の両側に
設けた給電部28A,28Bに接続しており、一方の給
電部28Aに接続された電極27a,27a・・・がa
相を構成し、他方の給電部28Bに接続された電極27
b,27b・・・・がb相を構成している。
【0038】上記移動子21の各相の電極27a,27
bは、その幅d1を等しく設定している。また、a相の
電極27a、b相の電極27b毎の電極ピッチは等しく
設定しており、a相の電極27aのうちの任意の電極2
7aと、この電極27aの図4中右側に隣接するb相の
電極27b間の間隔をL1、b相の電極27bのうちの
任意の電極27bと、この電極27bの図4中右側に隣
接するa相の電極27aの間隔をL2とすると、L1:
L2は1:1である。
【0039】上記移動子21の電極27a,27bのう
ち、a相の電極27aは、給電部28A、リレーR21
を介して高電圧源15の“−”側と電位“0”に接続し
ている。また、上記移動子21の電極27a,27bの
うち、b相の電極27bは、給電部28B、リレーR2
2を介して高電圧源15の“+”側と電位“0”に接続
している。リレーR21,R22は制御手段13からの
指令に応じてx側とy側に切替えられ、x側に切り替え
られると上記電極27a,27bが高圧電源15の
“−”側又は“+”側に接続され、y側に切り替えられ
ると上記電極27a,27bが電位“0”に接続され
る。
【0040】一方、固定子22は、図5(B)に示すよ
うに、誘電体からなる板状の絶縁層29の一方の面に、
導電性を有する金属からなり、細長い長方形状の複数の
電極30a,30b・・・30a,30b・・・を設け
ている。これらの電極30a,30bは一つ置きに位置
する電極30a,30b毎に絶縁層29の両側に設けた
給電部32A,32Bに接続され、一方の給電部32A
に接続された電極30a,30a・・・がU相を構成
し、他方の給電部32Bに接続された電極30b,30
b・・・がV相を構成している。
【0041】上記固定子22の各相の電極30a,30
bは、その幅d2を等しく設定しており、また、この幅
d2は、上記移動子21の各相の電極27a,27bの
幅d1と等しい。固定子22のU相の電極30aとV相
の電極30bの間の間隔を、不均一に設定している。す
なわち、U相の電極30aと、この電極30aの図4中
右側に隣接するV相の電極30bの距離をL3、V相の
電極30bと、この電極30bの図4中右側に隣接する
U相の電極30aの距離をL4とすると、L3:L4を
1:3に設定している。
【0042】このように、第2実施形態の静電アクチュ
エータでは、固定子22の電極30a,30bの電極ピ
ッチを不均一として、移動子21の電極27a,27b
と固定子22の電極30a,30bを共に2相としてい
るため、移動子21及び固定子22のいずれにもスルー
ホールや導電部材を設ける必要がなく、移動子21及び
固定子22の構造が簡単である。また、移動子21と固
定子22の電極27a,27b,30a,30bを2相
としたため、固定子の電極を3相とした場合と比較し
て、後述する極性の切替に必要なリレーの個数を低減す
ることができる。
【0043】また、リレーR23,R25,R27とU
相の電極30aとの間には、抵抗45Aを介設してい
る。また、リレーR24,R26,R28とV相の電極
30bの間には、抵抗45Bを介設している。第2実施
形態のその他の構造は、上記第1実施形態と同一であ
る。
【0044】次に、第2実施形態の作動について説明す
る。図6は、第2実施形態の作動の一例を示しており、
この図6中、時刻t0までは、操作スイッチ14が“停
止”に設定されている。この間、リレーR21,R22
がy側に設定されると共に、R23〜R26が遮断、リ
レ−R27,R28が連通であり、移動子21の電極2
7a,27b及び固定子22の電極30a,30bに対
して印加される電圧は“0”で、移動子21は停止状態
にある。
【0045】時刻t0からは、操作スイッチ14が“右
側に移動”に設定され、移動子21のa相の電極27a
には、“−”の高電圧が固定的に印加されると共に、移
動子21のb相の電極27bには、“+”の高電圧が固
定的に印加される。また、固定子22のU相及びV相の
電極30a,30bに対して、極性及び電圧値を周期的
に切り替えて電圧が印加される。この固定子22に対し
て印加する電圧の極性及び電圧値の切替の1回の周期T
は、等時間間隔α’の8個のステップからなる。また、
U相の電極30aとV相の電極30bに対して同一のパ
ターンで極性及び強度を切り替えているが、V相はU相
に対して2ステップ(1/4T)だけ位相を遅らせて極
性を切り替えている。
【0046】まず、第1のステップ(時刻t0から時刻
t1)では、U相:“+”、V相:“0”とする。第2
のステップ(時刻t1から時刻t2)では、U相:
“+”、V相:“+”とする。第3のステップ(時刻t
2から時刻t3)では、U相:“0”、V相:“+”とす
る。第4のステップ(時刻t3から時刻t4)では、U
相:“−”、V相:“+”とする。第5のステップ(時
刻t4から時刻t5)では、U相:“−”、V相:“0”
とする。第6のステップ(時刻t5から時刻t6)では、
U相:“−”、V相:“−”とする。第7のステップ
(時刻t6から時刻t7)では、U相:“0”、V相:
“−”とする。第8のステップ(時刻t7から時刻t8)
では、U相:“+”、V相:“−”とする。以下、これ
を繰り返し、例えば、時刻t8から時刻t9では、時刻t
1から時刻t2と同じくU相:“+”、V相:“0”とな
る。
【0047】上記のように移動子21の電極27a,2
7b及び固定子22の電極30a,30bに電圧を印加
すると、移動子21の電極27a,27bと固定子22
の電極30a,30bの間の生じる静電気力による吸引
力、反発力により移動子21が図中右方向に移動する。
【0048】上記高電圧源15からリレーR23〜R2
8を介して出力される交番電圧の波形は、図6中、二点
鎖線で示すように、矩形状である。このリレーR23〜
R28側から出力された矩形状波形の電圧は、上記のよ
うにリレーR23〜R28と固定子29の電極30a,
30bの間に介設した抵抗45A,45Bに入力され
る。そのため、上記二点鎖線で示した入力電圧の波形に
対して抵抗45A,45Bから出力される電圧の波形に
時間遅れが生じ、電圧の立ち上がり部分aが図中上に凸
の滑らかな傾斜曲線となる一方、電圧の降下する部分b
が図中下に凸の滑らかな傾斜曲線となり、図6中、実線
で示すような波形状の波形となる。
【0049】このように第2実施形態では、固定子22
の電極30a,30bに印加される電圧の波形は、立ち
上がりの部分aと降下する部分bが滑らかな傾斜曲線で
ある波形状であり、電圧が“0”から“+”又は“−”
に切り替わる場合も、電圧が“+”又は“−”から
“0”に切り替わる場合にも、その切り替わりは滑らか
である。よって、固定子29の電極30a,30bに対
する電圧の切り替わり時の移動子11の駆動力の変化も
滑らかであるため、移動子11の駆動音を大きく低減す
ることができる。
【0050】また、上記のように固定子22の電極30
a,30bに対して極性を切り替えて印加する電圧の波
形を波形状にするには、上記抵抗45A,45Bを高電
圧源15側と電極30a,30bの間に介設すればよ
く、上記図9に示す交流波形の電圧を印加する場合のよ
うな複雑な周波数制御回路を設ける必要がないため、コ
ストを低減することができる。
【0051】さらに、移動子21の電極27a,27b
及び固定子22の電極30a,30bを共に2相として
いるため、電圧の極性を切り替えるために必要なリレー
R21〜R28の個数を低減することができる。
【0052】なお、操作スイッチ14が“左側に移動”
に設定された場合には、固定子22の電極30a,30
bに対して同一パターンで、かつV相の電極30bに対
して、U相の電極30aより2ステップだけ位相を進め
て、極性を切り替えて電圧を印加する。
【0053】本発明は、上記した実施形態に限定される
ものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記
した実施形態では、移動子11,21の電極17a〜1
7c,27a,27bに対して極性を固定して電圧を印
加し、固定子12,22の電極20a〜20c,30
a,30bに対して極性を切り替えて電圧を印加してい
るが、移動子11,21の電極17a〜17c,27
a,27bに対して極性を切り替えて電圧を印加し、固
定子12,22の電極20a〜20c,30a,30b
に対して固定的に電圧を印加してもよい。
【0054】また、上記実施形態では、低域通過フィル
タとして抵抗25A〜25C,45A,45Bを設けて
いるが、低域通過手段は、これに限定されず、入力電圧
の高周波成分を除去することができるものであればよ
い。
【0055】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る静電アクチュエータでは、移動子の電極と固定子
の電極のいずれか一方に極性を切り替えて印加する電圧
の波形を波形状としているため、電圧の極性の切り替わ
りが滑らかであり、移動子に対する駆動力も、この電圧
の切り替わり時に滑らかに変化する。そのため、請求項
1の移動子の駆動時に発生する駆動音が低減される。
【0056】また、電圧の波形を波形状とするには、抵
抗等からなる低域通過フィルタを高電圧源と移動子又は
固定子の間に設ければ良いため、複雑な回路を設ける必
要がなくコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る静電アクチュエ
ータを示す概略回路図である。
【図2】 (A)は移動子を示す部分平面図、(B)は
固定子を示す部分平面図である。
【図3】 第1実施形態の静電アクチュエータに印加す
る電圧の波形を示す波形図である。
【図4】 本発明の第2実施形態に係る静電アクチュエ
ータを示す概略回路図である。
【図5】 (A)は移動子を示す部分平面図、(B)は
固定子を示す部分平面図である。
【図6】 第2実施形態の静電アクチュエータに印加す
る電圧の波形を示す波形図である。
【図7】 従来の静電アクチュエータを示す概略図であ
る。
【図8】 図7の静電アクチュエータに印加する電圧の
波形を示す波形図である。
【図9】 従来の静電アクチュエータの他の例における
電圧の波形を示す波形図である。
【符号の説明】
11,21 移動子 12,22 固定子 13 制御手段 14 操作スイッチ 15 高電圧源 17a,17b,17c,21a,21b,21c,2
7a,27b,30a,30b 電極 25A,25B,25C,45A,45B 抵抗 R1〜R11,R21〜R28 リレー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層に複数の電極を配設した固定子
    と、 絶縁層に複数の電極を配設し、固定子に対して移動可能
    に対向して配置した移動子とを備え、上記移動子の電極
    と固定子の電極のいずれか一方に極性を固定して電圧を
    印加し、いずれか他方に周期的に極性を切り替えて電圧
    を印加し、固定子の電極と移動子の電極の間に生じる吸
    引力と反発力により移動子を駆動する静電アクチュエー
    タであって、 上記移動子の電極と固定子の電極のいずれか一方に極性
    を切り替えて印加する電圧の波形を波形状としているこ
    とを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 矩形波形の電圧を出力する高電圧源側と
    上記固定子又は移動子の電極との間に低域通過フィルタ
    を介設していることを特徴とする請求項1に記載の静電
    アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 上記低域通過フィルタが、抵抗であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の静電アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 上記移動子の電極を2つ置きに配設した
    電極毎に互いに接続して3相とし、かつ、これら3相の
    うちいずれか2相を互いに接続して2相とし、2相毎に
    同一波形の電圧を印加する一方、 上記固定子の電極を2つ置きに配設した電極毎に互いに
    接続して3相とし、各相毎に同一波形の電圧を印加して
    いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか
    1項に記載の静電アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 上記移動子の電極を1つ置きに配設した
    電極毎に互いに接続して2相として、各相毎に同一波形
    の電圧を印加すると共に、 上記固定子の電極を1つ置きに配置した電極毎に互いに
    接続して2相とし、各相毎に同一波形の電圧を印加して
    いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか
    1項に記載の静電アクチュエータ。
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