JPH09136848A - 多価アルコール混合物及びそのα,β−不飽和カルボン酸エステル - Google Patents

多価アルコール混合物及びそのα,β−不飽和カルボン酸エステル

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JPH09136848A
JPH09136848A JP17358096A JP17358096A JPH09136848A JP H09136848 A JPH09136848 A JP H09136848A JP 17358096 A JP17358096 A JP 17358096A JP 17358096 A JP17358096 A JP 17358096A JP H09136848 A JPH09136848 A JP H09136848A
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acid
polyhydric alcohol
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carboxylic acid
ester
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JP17358096A
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Hitoshi Kikawa
仁 木川
Hiroshi Yamagishi
弘 山岸
Masaru Takagi
優 高木
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で、かつ機械的強度に優れ、合成樹脂製
光学用材料として有用な透明樹脂を得るためのモノマー
混合物を提供すること。 【解決手段】 (A)炭素数が11〜22の高級不飽和
脂肪酸の2量体であるダイマー酸(又はそのエステル化
物)/炭素数が11〜22の高級不飽和脂肪酸の3量体
であるトリマー酸(又はそのエステル化物)との99/
1〜0/100(重量比)の混合物を水素化して得るこ
とができる多価アルコール99〜60重量%、及び
(B)該多価アルコールのヒドロキシル基の分子間脱水
反応によるエーテル化合物及び/又は該多価アルコール
と対応するカルボン酸とのエステル化合物1〜40重量
%からなる多価エルコール混合物を、α,β−不飽和カ
ルボン酸類でエステル化して得ることができる多官能性
α,β−不飽和カルボン酸エステルモノマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、合成樹脂製光学用
材料などの重合体製造用モノマーである多官能性α,β
−不飽和カルボン酸エステル及びその中間体に関するも
のである。
【従来の技術】これまでに炭素数が20個以上の高級ジ
オールは既に知られている。このようなジオールは、通
常、高級不飽和脂肪酸類の二重結合部を重合して二量体
酸(以下、「ダイマー酸」ともいう)とし、これを還元
処理することにより製造される。このようにして得られ
るダイマージオールは、次いでアクリル酸やメタクリル
酸を反応させ、得られた反応物はビニル重合用原料とし
て使用されている(特開昭60−157106号公報及
び特開平3−236349号公報)。
【0002】しかしながらこれらの特許に開示されたダ
イマージオールのアクリル酸やメタクリル酸とのエステ
ル化物(以下、「二官能性α,β−不飽和カルボン酸エ
ステル」ともいう)に、重合開始剤を添加して重合して
得た重合物は、特に、落球強度で示されるような機械的
強度として実用的な強度を有しない。そこで、二官能性
α,β−不飽和カルボン酸エステルに架橋構造を与える
ことができる共重合可能な単量体を添加して共重合物と
なし機械的強度の向上を図ることが必要となってくる。
この場合、二官能性α,β−不飽和カルボン酸エステル
そのもののホモポリマーが有する超低比重及び低屈折率
等の特性が、多量の単量体の添加により犠牲になってし
まうとの問題が生じる。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軽量(低比
重化)で、かつ落球強度で代表される機械的強度に優
れ、合成樹脂製光学用材料として有用な透明樹脂を得る
ためのモノマー混合物及びその原料を提供することを目
的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は、トリマートリ
オール単独、又はダイマージオールとの混合物に、これ
らの多価アルコールのヒドロキシル基の分子間脱水反応
によるエーテル化合物及び/又は該多価アルコールと対
応するカルボンとのエステル化合物を特定量併用した混
合物をα,β−不飽和カルボン酸類でエステル化して得
たモノマー混合物を用いると上記課題を解決できるとの
知見に基づいてなされたのである。すなわち、本発明
は、(A)炭素数が11〜22の高級不飽和脂肪酸の2
量体であるダイマー酸(又はそのエステル化物)/炭素
数が11〜22の高級不飽和脂肪酸の3量体であるトリ
マー酸(又はそのエステル化物)との99/1〜0/1
00(重量比)の混合物を水素化して得ることができる
多価アルコール99〜60重量%、及び(B)該多価ア
ルコールのヒドロキシル基の分子間脱水反応によるエー
テル化合物及び/又は該多価アルコールと対応するカル
ボン酸とのエステル化合物1〜40重量%からなる多価
アルコール混合物を提供する。
【0004】本発明は、又、多価アルコール混合物を、
一般式(I)で示されるα,β−不飽和カルボン酸類で
エステル化して得ることができる多官能性α,β−不飽
和カルボン酸エステルを提供する。
【化2】 R1 (R2 ) C=C(R3 ) COOR6 ───(I) (式中、R1 、R2 及びR3 は、それぞれ独立に水素又
は炭素数1〜6のアルキル基、R6 は水素又は炭素数1
〜8までのアルキル基を示す。)
【0005】
【発明の実施の態様】本発明で使用する成分(A)の多
価アルコールを製造するためのダイマー酸とトリマー酸
の混合物(以下、「多量体酸」ともいう)や多量体酸の
低級アルコールエステルは、原料として炭素数11〜2
2、好ましくは14〜20、さらに好ましくは16〜1
8の高級不飽和脂肪酸又は炭素数1〜6の低級アルコー
ルとのエステル化物を用い、この原料にルイス酸やブレ
ンステッド酸型の液体或いは固体状の触媒、好ましくは
モンモリロナイト系活性白土を、原料に対して1〜20
%、好ましくは2〜8%添加し、200〜270℃、好
ましくは220〜250℃で二量化反応を行うことによ
り得られる。反応時の圧力は、通常やや加圧された状態
であるが、常圧でも良い。反応時間は、触媒量と反応温
度により変わるが、通常5〜7時間である。反応の進行
につれて反応系は増粘する。反応終了後、触媒を濾別
し、次いで減圧蒸留して未反応原料や異性化脂肪酸類等
を留去し、その後、ダイマー酸留分を留出して得ること
ができる。さらに留出を行うとトリマー酸留分を得るこ
とができる。このようにして得たトリマー酸は単独で使
用しても構わないが、ダイマー酸と混合して使用するこ
ともできる。その混合比率は、ダイマー酸/トリマー酸
=1/99〜0/100の混合比率で用いるのが好まし
く、より好ましくは3/97〜30/70である。
【0006】このようにして得た多量体酸を、ついで水
素化する。多量体酸(そのエステルを含む、以下同じ)
を多価アルコールにするには、水素化リチウムアルミニ
ウム、水素化ホウ素リチウム、金属ナトリウム/アルコ
ール系等の水素添加剤を用いる還元法や水素ガスと触媒
を使用する接触還元法等公知の方法を採用することがで
きる。即ち、多量体酸に対して等モル以上の水素化リチ
ウムアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、金属ナトリ
ウム/アルコール系等の水素添加剤を用い、溶媒中で還
元することもできる。具体的には、水素化リチウムアル
ミニウムを多量体酸に対して2倍モル使用してジエチル
エーテルやジオキサン溶媒中に分散し、分散させた同じ
溶媒で希釈した多量体酸を滴下する。反応温度は、0℃
〜室温、反応時間は1〜2時間とするのがよい。反応終
了後、室温で30分程度撹拌した後、水素化リチウムア
ルミニウムに対して約4倍モルの水を徐々に滴下し反応
を終了させるのがよい。次に、反応液を水洗した後、溶
媒層を留去すると多価アルコールが得られる。上記の方
法で製造した、本発明で用いる高級多価アルコールの一
例として、炭素数18の不飽和脂肪酸類より誘導されるダ
イマー酸の還元反応生成物(ダイマージオール)〔一般
式(II)〜(V)〕や、一般式(VI)及び(VII)の炭素
数18の不飽和脂肪族アルコールの二重結合部が一般式
(II)〜(V)のダイマージオールの二重結合部と二量
化反応したトリマー酸の還元反応生成物(トリマートリ
オール)等との混合物をあげることができる。
【0007】
【化3】
【0008】
【化4】
【0009】(式中、m、n、p及びqはそれぞれ0又
は1以上の整数であり、m+n+p+q=28である。
また一般式(II)〜(V)で表されるダイマージオール
の組成比、及び一般式(VI)及び(VII)で表される不飽
和高級アルコールの組成比は任意である。) 次に、本発明で用いる成分(B)の多価アルコールのヒ
ドロキシル基の分子間脱水反応によるエーテル化合物の
製造方法を説明する。まず、得られた多価アルコール
に、触媒としてパラトルエンスルホン酸、硫酸、フッ化
水素、三フッ化水素、メタンスルホン酸、活性白土、合
成ゼオライト等の酸触媒を、原料多価アルコールに対し
て0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%用いて、150
〜280℃の反応温度で3〜10時間、好ましくは減圧
下で脱水反応を行うことによりエーテル化合物を得るこ
とができる。
【0010】一方、本発明で用いる成分(B)のエステ
ル化合物は、対応するカルボン酸、つまり、炭素数が1
1〜22の高級不飽和脂肪酸又はその低級アルコールエ
ステルの2量体であるダイマー酸又はダイマー酸エステ
ルを部分水素化してなるダイマーモノカルボン酸モノア
ルコール、炭素数が11〜22の高級不飽和脂肪酸又は
その低級アルコールエステルの3量体であるトリマー酸
又はトリマー酸エステルを部分水素化してなるトリマー
ジカルボン酸モノアルコールやトリマーモノカルボン酸
ジアルコールを、上記多価アルコールに等モル添加し、
触媒としてパラトルエンスルホン酸、硫酸、フッ化水
素、三フッ化水素及びメタンスルホン酸等の酸触媒や、
水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、金属ナトリウム等
の塩基触媒を使用し、原料多価アルコールに対して0.1
〜10%、好ましくは0.5〜5%用いて、50〜150
℃の反応温度で3〜10時間反応を行うことによりエス
テル化合物を得ることができる。
【0011】前述した製造法以外に多量体酸から成分
(B)を製造する方法として、多量体酸を高圧水素下で
接触還元すると、多価アルコールと成分(B)とが同時
に生成することを見いだした。つまり触媒として、ラネ
ーニッケル、白金担持ニッケル珪藻土、銅−クロム、銅
−亜鉛等を多量体酸に対して0.1〜7%用い、反応温度
を100〜300℃、好ましくは250〜280℃、反
応時の圧力を水素圧で常圧〜300kg/cm2、好ましくは
150〜250kg/cm2、反応時間を1〜15時間、好ま
しくは4〜8時間で接触還元を行うことによっても多価
アルコールが得られるが、本接触還元を行った後、生成
物をGPC分析(製カラム:東ソー(株)製、TSKgel G
1000 HXL + TSKgel G2500 HXL ,テトラヒドロフラン溶
媒)したところ、通常、成分(B)が1〜15%含まれ
ていることを見いだした。また、接触還元反応中に副生
した水や低級アルコールを系外へ除去する操作を加える
と、成分(B)の含有量がさらに増加し、その含有率を
15〜40%に達することができる。また、本接触還元
反応で得られた多価アルコールを分離し、前述したエー
テル化或いはエステル化反応を行うことによって、成分
(B)とすることもできる。成分(B)中のエーテル型
とエステル型の組成比は、反応条件によっても異なる
が、通常、エーテル型/エステル型=9/1〜2/8
(銃猟比)の範囲に存在する。また、これらの組成比
は、本発明のα,β−不飽和カルボン酸エステルの製造
時もまた重合体化した後の樹脂の物性にも影響を与えな
いため、任意である。
【0012】多価アルコールに含有される成分(B)量
は、1〜40%、好ましくは5〜30%である。ここ
で、成分(B)の含有量が40%以上と多くなりすぎる
と、得られた多官能性α,β−不飽和カルボン酸エステ
ルの粘度が高くなってハンドリングしにくくなったり、
重合体の可とう性が低下してしまう等の欠点がある。次
に、前述した方法で製造した成分(A)と成分(B)の
混合物を、一般式(I)で示されるα,β−不飽和カル
ボン酸類でエステル化又はエステル交換して、多官能性
α,β−不飽和カルボン酸エステルを製造する方法につ
いて説明する。一般式(I)で示されるα,β−不飽和
カルボン酸のうち、炭素数3〜6のα,β−不飽和カル
ボン酸及びその炭素数1〜8のアルキル基を有するアル
キルエステルが好ましい。具体的には、アクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸或いはそれらのメチルエステ
ル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステ
ル、ヘキシルエステル、オクチルエステル等をあげるこ
とができる。エステル化或いはエステル交換反応で使用
する前記α,β−不飽和カルボン酸類の量は、原料であ
る多価アルコールの−OH基に対して、カルボキル基量
で1.0〜5.0、好ましくは1.05〜2.0当量である。
【0013】エステル化反応は、触媒としてパラトルエ
ンスルホン酸、硫酸、フッ化水素、三フッ化水素及びメ
タンスルホン酸等を使用し、原料多価アルコールに対し
て0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%用いて、50〜
150℃の反応温度で3〜10時間行うのがよい。ま
た、エステル交換反応は、金属原子としてチタン、アル
ミニウムの中から選ばれた金属アルコキサイドを触媒と
して原料アルコールに対して0.01〜10%用いて、5
0〜150℃の反応温度で3〜10時間行うのがよい。
両反応では、重合禁止剤として2,4−ジメチル−6−
t−ブチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノ
ール、2,4−ジエチル−6−t−ブチルフェノール、
ハイドロキノンやパラメトキシフェノール等を、最終生
成物である多官能性α,β−不飽和カルボン酸エステル
に対し1〜5000ppm、好ましくは10〜1000
ppm添加するのがよい。生成した多官能性α,β−不
飽和カルボン酸エステルは、必要に応じて減圧蒸留する
かアルカリ水溶液を用いて洗浄する等して精製すること
もできる。本発明の多官能性α,β−不飽和カルボン酸
エステルは単量体組成物として単独で重合して架橋樹脂
とすることができるが、このエステルは、本発明の主旨
を逸脱しない範囲で、共重合可能な単量体と共重合させ
ることもできる。この共重合可能な単量体は混合物中、
50%以下の量で使用するのが好ましく、より好ましく
は10〜40%である。
【0014】共重合可能な単量体としては、アクリル
基、メタクリル基、ビニル基等を有する種々の単量体を
あげることができる。それらの具体例としては、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、イソブル(メタ)アクリ
レート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート等の脂肪族アルキル基を有するα,β
−不飽和カルボン酸エステル、フェニル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ナフチ
ル(メタ)アクリレート、1,2,3−トリブロモフェ
ニル(メタ)アクリレート等の芳香族基又は脂環式基を
有する(メタ)アクリレート類、さらには、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールポリ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレー
ト、2,2−ビス{4−(メタ)アクリロキシエトキシ
フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(メタ)アク
リロキシポリエトキシフェニル}プロパン等の多官能性
(メタ)アクリレート等であり、スチレン、ジビニルベ
ンゼン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン等
のビニル化合物も用いられる。
【0015】なお、これら単量体は、単独で或いは2種
以上の混合物として用いることができる。また、本発明
で使用可能な共重合性単量体はこれらの単量体に限定さ
れるものではない。本発明では、上記多官能性α,β−
不飽和カルボン酸エステルの重合、又はこれと他の共重
合性単量体との共重合により、合成樹脂製光学用材料が
得られる。重合方法としては、ラジカル重合、イオン重
合、光重合等の方法を採用することができ、通常のラジ
カル開始剤や光重合開始剤を用いることができる。例え
ば、ラジカル重合による方法においては、重合反応を3
0〜120℃の温度で開始させる開始剤の使用が好まし
い。また光重合においては、室温程度の温度で行われ、
光源として高圧水銀灯や低圧水銀灯等が用いられる。し
かしながら、上記樹脂は、主成分である多官能性α,β
−不飽和カルボン酸エステルが多官能性単量体であるた
め、架橋重合体として得られる。従って、得られた樹脂
を溶解或いは溶融を伴う成型材料として用いることは、
事実上不可能となるので重合法としては、成型物が直接
的に得られる、目的とする光学材料の形態に合った注型
重合法を利用することが好ましい。
【0016】注型重合法は周知の技術であり、そのまま
上記樹脂の製造方法に適用することができる。注型容器
としては、板状、レンズ状、円筒状、角柱状、円錐状、
球状、その他の目的用途に応じて設計された鋳型又は枠
型、その他の容器が使用される。その材質は、無機ガラ
ス、プラスチック、金属、その他の目的に応じた任意の
ものを選択することができる。実際の重合反応は、単量
体混合物と重合開始剤とを注型重合容器に投入し、加熱
することにより実施することができるが、別の反応容器
を用いて予め単量体成分をある程度まで反応させ、粘度
が高くなったプレポリマー、又はシロップを注型重合容
器に投入して重合を完了させることによって行うことも
できる。また、単量体成分には、生成する共重合体に期
待される用途に応じて、帯電防止剤、着色剤、充填剤、
紫外線吸収剤、熱安定化剤、酸化防止剤、その他の補助
剤を含有させることができる。このようにして得られる
合成樹脂製光学材料は、成分(A)及び(B)のα,β
−不飽和カルボン酸エステルを必須の単量体成分として
しているため、架橋密度が高く、しかも比重が1.03以
下、好ましくは1.01〜0.95の光学材料となってい
る。又、重量平均分子量10万〜1000万のものが好
ましい。
【発明の効果】本発明の多官能性α,β−不飽和カルボ
ン酸エステルを重合して得られる樹脂は、高い架橋密度
を有するものでありながら透明性に優れ、しかも耐熱性
に優れたものであり、高機能のアクリル系樹脂として、
無機ガラスや通常のアクリル樹脂が使用されている分野
等の各種の用途に応用することが可能である。次ぎに本
発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。なお、以下において示す%はこと
わりのない限り%である。
【0017】
【実施例】
実施例1 成分(A)の多価アルコールと成分(B)のエーテル化
合物及びエーテル化合物とからなる多価アルコール混合
物(混合物a)を、次ぎのようにして調製した。先ず、
オレイン酸メチル72%、リノール酸メチル18%及び
その他高級飽和脂肪酸メチル10%を含有する高級不飽
和脂肪酸メチルエステルを原料とし、活性白土(7%)
を触媒として230℃で5時間二量化反応を行った。引
き続き得られた生成物から、未反応高級不飽和脂肪酸メ
チルエステル留分と異性化高級不飽和脂肪酸メチルエス
テル留分を減圧蒸留(230℃/1torr) で除去し、残
留物を分子蒸留(280℃/0.1torr) して、ダイマー
酸ジメチルを得、蒸留残物としてトリマー酸トリメチル
を得た。次いで、ダイマー酸ジメチル/トリマー酸トリ
メチル=7/3を調製し、これらを高圧水素条件下(2
20kg/cm2) 、銅−クロム系触媒を3%添加し、270
℃で3時間おきに水素を10分間流通させながら10時
間接触還元を行った。得られた生成物をGPC分析(カ
ラム:東ソー(株)製、TSKgel G1000 HXL +TSKgel G25
00 HXL ,テトラヒドロフラン溶媒)したところ表−1
に示すように成分(B)を含有した多価アルコールであ
ることが判った。引き続き、得られた混合物aの一部を
分子蒸留(280℃/0.01torr)して多価アルコール
単品(混合物b)を調製した後、多価アルコールと多価
アルコールの脱水反応によるエーテル化合物を、下記の
ように調製した。多価アルコール100gに酸性活性白
土2gを添加し、窒素気流下、200℃にて10時間脱
水反応を行った。得られた生成物から活性白土を濾過に
より除去した後、分子蒸留を行って未反応の多価アルコ
ールを除き、エーテル化合物25g(混合物c、 1H−
NMRによる特徴的なピークの確認:δ=3.4ppm 、−
CH2 −O−CH2 −)を得た。混合物a〜混合物cの
組成比と水酸基価を表−1に記す。
【0018】
【表1】 表−1 多価アルコールのGPC分析結果
と水酸基価 組成比(GPC,%) ダイマー トリマー 成分(B) ジオール トリオール 水酸基価(KOHmg/g) 混合物a 59 25 16*1) 179 混合物b 70 30 197混合物c 100*2) 141 *1 1 H−NMRによる特徴的なピークの確認: δ=3.4 ppm,−CH2 −O−CH2 −(エーテル型) δ=4.1 ppm,2.3 ppm,−CH2 −O−COCH2 −(エステル型) 以上の結果から、面積比から計算すると、 ポリマージオール中のエーテル型/エステル型のモル比=8/2 *2 1 H−NMRによる特徴的なピークの確認: δ=3.4 ppm,−CH2 −O−CH2 −(エーテル型) このデータからエーテル型のみが存在することがわか
る。
【0019】実施例2 表−1に示した混合物a、b又はcのメタクリル酸エス
テル化物は下記のようにして合成した。内容量5lの5
つ口フラスコに、撹拌機、温度計、滴下ロート、液中ま
で導入管の伸びた窒素導入管とヘッドスペース部までの
空気導入管、1つの口に2つのコンデンサー(第1コン
デンサーは反応槽に直結、第2コンデンサーは第1コン
デンサーからトの字管を経て取り付け、第2コンデンサ
ーで凝縮した溶液は直接反応槽にもどらないようにして
おく)を取り付けた。
【0020】表−1に記載の混合物a1000g、メタ
クリル酸メチル342g、2,4−ジメチル−6−t−
ブチルフェノール0.619gを上記フラスコに添加し、
窒素を液中に導入しながら反応温度まで上げ、反応温度
に達したら1時間かけ10torrまで減圧し反応液中の水
分を除いた。続いて窒素で常圧にもどした後液中に窒素
を、ヘッドスペースに空気を流し、チタンテトライソプ
ロポキサイド18.9gを200gのn−ヘキサン(共沸
溶媒)に溶解させた溶液を滴下ロートに入れ、2時間か
けて徐々に添加した。第1コンデンサー(n−ヘキサン
とメタノールの共沸温度50℃に設定)部でメタクリル
酸メチルが還流し、第2コンデンサー(0℃に設定)部
でn−ヘキサンとメタノールが捉え、このn−ヘキサン
を、再び反応槽にもどした。反応はメタノールが留出し
なくなるまで(触媒添加後4時間)続けた。エステル交
換終了後、過剰のn−ヘキサンとメタクリル酸メチルを
減圧下で除去し、100℃に保って活性炭と水を添加し
1時間撹拌しながら触媒を加水分解した。加水分解終了
後、80℃にて過剰の水を減圧(10torr)しながら除
いた。得られた反応物に濾過助剤(ハイフロスーパーセ
ル(セライト社製))6.25gを加えて撹拌した後、8
0℃にて濾過した結果、混合物aのメタクリルエステル
化物1060g(モノマーaM)を得た。1H−MNR
によるエステル化率は、98%、色調(APHA)は6
0であった(原料混合物aのAPHA:60)。なお、
モノマーaM以外のメタクリルエステル化物も同様に合
成したところ、モノマーaMと同様のエステル化率とほ
ぼ同等の色調を得た。
【0021】参考例 メタクリルエステル化物単品又はこれらと共重合可能な
単量体であって、表−2に記載のモノマー1又は2を表
−3に示した組成で各々混合し、混合物に対してラジカ
ル重合開始剤として1.0%のパーブチルPB(日本油脂
株式会社製)を添加して重合用組成物を調製した。
【0022】
【表2】 表−2 共重合用モノマー 略号 化合物名 モノマー1 メタクリル酸t−ブチル モノマー2 ジビニルベンゼン 続いてこの重合用組成物に窒素を15分間通した後、ガ
ラス製モールドに注入し、50℃で15時間、80℃で
3時間、100℃で2時間と順次異なる温度で加熱重合
した。これにより、−2.00ジオプターのレンズを作成
した。このようにして得られたレンズの性状を次ぎのよ
うにして評価した。 比重:ASTM D792に準じて測定した。 屈折率:アッベ屈折計により20℃における屈折率を測
定した。 全光線透過率:JIS K7105に準じて行った。 落球強度:高さ127cm(50インチ)の位置から、種
々の鉄球を落下させ、レンズが割れなかった最大重量を
落球強度とした。なお、400gの鉄球でも割れなかっ
た場合、NBと表わした。 結果も表−3に示す。
【0023】
【表3】 表−3 No. 1 2 3 4 5 組 モノマーaM 100 85 70 成 モノマーbM 95 70 比 モノマーcM 5 30 モノマー 1 10 15(%)モノマー 2 5 15 比 重 0.971 0.971 0.965 0.983 0.998 屈折率 1.498 1.498 1.498 1.501 1.512 全光線透過率(%) 92 91 92 91 92 落球強度(g) NB NB NB 250 120
【0024】
【表4】 表−3(続き) No. 6* 7* 8* 9* 組 モノマーaM 成 モノマーbM 100 70 30 85 比 モノマーcM モノマー 1 15 35 10 (%) モノマー 2 15 35 5 比 重 0.974 0.999 1.029 0.985 屈折率 1.497 1.512 1.529 1.505 全光線透過率(%) 92 91 90 91 落球強度(g) 120 50 10 120 表中、6* 〜9* は比較例である。 表−3に示した結果から明らかなように、本発明の重合
用組成物を用いて製造したレンズ(No. 1〜5)はいず
れも比重が1.0以下であり、しかも全光線透過率が良好
で、高屈折率でありまた落球強度に示される機械的強度
が優れることが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08F 20/20 MMV C08F 20/20 MMV

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)炭素数が11〜22の高級不飽和
    脂肪酸の2量体であるダイマー酸(又はそのエステル化
    物)/炭素数が11〜22の高級不飽和脂肪酸の3量体
    であるトリマー酸(又はそのエステル化物)との99/
    1〜0/100(重量比)の混合物を水素化して得るこ
    とができる多価アルコール99〜60重量%、及び
    (B)該多価アルコールのヒドロキシル基の分子間脱水
    反応によるエーテル化合物及び/又は該多価アルコール
    と対応するカルボン酸とのエステル化合物1〜40重量
    %からなる多価アルコール混合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多価アルコール混合物
    を、一般式(I)で示されるα,β−不飽和カルボン酸
    類でエステル化して得ることができる多官能性α,β−
    不飽和カルボン酸エステル。 【化1】 R1 (R2 ) C=C(R3 ) COOR6 ───(I) (式中、R1 、R2 及びR3 は、それぞれ独立に水素又
    は炭素数1〜6のアルキル基、R6 は水素又は炭素数1
    〜8までのアルキル基を示す。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001030739A1 (en) * 1999-10-27 2001-05-03 Daicel Chemical Industries, Ltd. Process for the production of adamantyl (meth)acrylates
JP2007246444A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Toagosei Co Ltd (メタ)アクリル酸エステルの製造方法

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JP5220253B2 (ja) * 1999-10-27 2013-06-26 株式会社ダイセル アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造法
JP2007246444A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Toagosei Co Ltd (メタ)アクリル酸エステルの製造方法

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