JPH09141736A - 2軸延伸ポリエステルフイルム及びその製造方法 - Google Patents

2軸延伸ポリエステルフイルム及びその製造方法

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JPH09141736A
JPH09141736A JP32658795A JP32658795A JPH09141736A JP H09141736 A JPH09141736 A JP H09141736A JP 32658795 A JP32658795 A JP 32658795A JP 32658795 A JP32658795 A JP 32658795A JP H09141736 A JPH09141736 A JP H09141736A
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film
stretching
polyester film
width direction
thickness
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JP32658795A
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English (en)
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Touchi Anzai
悼知 安斎
Katsuya Toyoda
勝也 豊田
Yutaka Okuyama
豊 奥山
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 幅方向延伸時のフイルム破れ、製品とならな
い耳部のロス等を低減することにより生産性が改善さ
れ、さらに厚み均一性、幅方向における物性のばらつき
等の品質が改善された2軸延伸ポリエステルフイルム、
およびそのフイルムを高速で生産する方法を提供する。 【解決手段】 溶融したポリエステルを口金より回転冷
却体上に吐出し急冷して未延伸シートに成形し、該未延
伸シートを長手方向に延伸後、幅方向に延伸して熱固定
する2軸延伸ポリエステルフイルムの製造方法におい
て、長手方向に延伸した後のフイルムを、幅方向の屈折
率が、該フイルムの厚みの平坦な幅方向中央部部分の屈
折率−0.04以上の、1.54〜1.6である幅方向
端部部分を把持して、幅方向に延伸することを特徴とす
る、2軸延伸ポリエステルフイルムの製造方法、および
長手方向厚み変動が小さく、FFT解析による特定の特
性を有する2軸延伸ポリエステルフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルフイ
ルム及びその製造方法に関する。更に詳しくは、2軸延
伸してなるポリエステルフイルムの幅方向延伸性に関し
て、破断やロスが少なく生産性を向上できる、厚みむら
などの品質に優れた2軸延伸ポリエステルフイルム及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2軸延伸ポリエステルフイルムは、その
優れた特性から、電気絶縁用、磁気テープ用、コンデン
サ用、孔版印刷用、写真用、グラフィック用、包装用な
どのベース素材として多用されている。ベース素材の品
質への要求においては、とくに厚みの薄肉化、厚みむら
の低減、物性ばらつきの低減などが求められている。ま
た、より生産性の良い生産システム、即ち効率的な生産
技術の確立が求められており、生産速度アップやロスの
低減も求められている。
【0003】代表的な公知の技術として、特開昭54−
8672号公報に示されているように、長手方向延伸倍
率を大きくして製膜速度を上げ生産性を向上させる方法
が提案されているが、製造途中に、特に幅方向延伸時に
破断し易かったり、2軸延伸はできても得られたフイル
ムの厚みむらが悪かったり、幅方向における製品取り位
置によっては物性値が20〜30%もばらついたりする
こともあった。
【0004】また、一般的に逐次2軸延伸フイルムの生
産システム上の問題の一つに、製品とならない部分が全
体のポリマ押出量に対してかなりの部分を占め、例えば
この量は製造されるフイルム厚みが薄くなればなるほど
ウエイトを増し、全押出量の20〜50%にも達するこ
とがある。この製品とならない部分のうち大きなウエイ
トを占めるのが「耳」または「エッジ」と呼ばれる、長
手方向延伸後幅方向に延伸する際に把持装置で把持され
る部分を含む、フイルムの幅方向端縁からせいぜい20
0mm程度までの部分で、前述の破断と共にロスの主要
部を占めており、これを極力低減することが生産性を左
右する大きな技術課題であった。さらに、生産速度を高
めるために、長手方向延伸倍率を上げると、前述の幅方
向延伸時の問題を益々悪化させることがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題点
を解決するために鋭意研究してなされたものである。即
ち、本発明の課題は、幅方向延伸時のフイルム破れ、製
品とならない耳部のロス等を低減することにより生産性
が改善され、さらに厚み均一性、幅方向における物性の
ばらつき等の品質が改善された2軸延伸ポリエステルフ
イルム、およびそのフイルムを高速で生産する方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明の2軸延伸ポリエステルフイルムの製造方法
は、溶融したポリエステルを口金より回転冷却体上に吐
出し急冷して未延伸シートに成形し、該未延伸シートを
長手方向に延伸後、幅方向に延伸して熱固定する2軸延
伸ポリエステルフイルムの製造方法において、長手方向
に延伸した後のフイルムを、幅方向の屈折率が、該フイ
ルムの厚みの平坦な幅方向中央部部分の屈折率−0.0
4以上の、1.54〜1.6である幅方向端部部分を把
持して、幅方向に延伸することを特徴とする方法からな
る。
【0007】上記方法においては、長手方向延伸後のフ
イルムの結晶化度が、該フイルムの厚みの平坦な中央部
部分の結晶化度+20%以下の、15〜35%であり、
かつ、複屈折が前記厚みの平坦な部分の複屈折+1×1
0-2以上の、4×10-2〜18×10-2である幅方向端
部部分を把持して幅方向に延伸することが好ましい。
【0008】また、長手方向延伸倍率が2.5倍以上
で、かつ、長手方向延伸時の幅方向への収縮が10%以
下であることが好ましい。
【0009】さらに、幅方向延伸倍率が2.6倍以上
で、かつ、実質的に幅方向延伸が開始する位置におけ
る、相対して走行するフイルム把持装置間距離が、該把
持装置によりフイルムの把持が開始される位置におけ
る、該把持装置間距離よりも0.5%以上小さいことが
好ましい。
【0010】相対して走行するフイルム把持装置間の相
対速度差は、0.3%以下であることが好ましい。ま
た、走行するフイルム把持装置の温度は、幅方向延伸温
度−50℃〜幅方向延伸温度+40℃であることが好ま
しい。
【0011】上記のようにして得られたフイルムは、2
軸延伸後熱固定したフイルムの長手方向の厚み変動が1
0%以下で、かつ、FFT解析して得られるパワースペ
クトルPwを周波数区分してPw1;0〜2Hz、Pw
2;2〜12Hz、Pw3;12〜100Hzとしたと
きPw2がPw1とPw3の和よりも小さい、厚みが5
〜20μmの磁気テープベース用2軸延伸ポリエステル
フイルムとして好適である。
【0012】また、2軸延伸後熱固定したフイルムの長
手方向の厚み変動が20%以下で、かつ、FFT解析し
て得られえるパワースペクトルPwを周波数区分してP
w1;0〜2Hz、Pw2;2〜12Hz、Pw3;1
2〜100HzとしたときPw2がPw1とPw3の和
の2/3よりも小さい、厚みが0.5〜7μmのコンデ
ンサベース用2軸延伸ポリエステルフイルムとして好適
である。
【0013】本発明に係るポリエステルフイルムは、た
とえばポリエチレンテレフタレートフイルムに好適であ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリエステルフイルムとは、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレン2,6ナフタレート等のポリエステル及びその
共重合物を混合したポリエステル樹脂フイルム層が、1
層または多層に積層されたものを指す。これらのポリエ
ステルには、フイルムの滑り性改良や制電性、易接着性
付与などのために無機もしくは有機のフィラー、帯電防
止剤、顔料などを適宜添加してもよい。
【0015】ここで用いる添加剤を例示すると、無機の
フィラーとしては、二酸化珪素、二酸化チタン、二酸化
ジルコニウム、炭酸カルシウム、アルミナ、タルク、カ
オリンなどの無機系粒子が一般的である。また、これら
の不活性粒子の凝集体を使用してもよい。さらに、有機
のフィラーとして、スチレン、シリコーン、ポリメチル
メタクリレート、ポリアミドイミドなどの高耐熱性高分
子の粒子の使用を単独でまたは前記無機フィラーと併用
して用いてもよい。また、本発明で用いるフィラーの平
均粒子径は0.1μm以上のものが好適である。さら
に、これ等の機能向上のために、溶融樹脂シート成形後
に逐次延伸して巻き取る適当な段階で、片面又は両面に
コーティングやコロナ放電処理などを施すことも可能で
ある。
【0016】本発明のポリエステルは、押出機を用いて
溶融押出法によって広幅の口金より回転冷却体上に吐出
して未延伸シートを得た後に、1本以上のローラーを用
いた縦延伸機(長手方向延伸機)で加熱しながら延伸し
て長手方向延伸フイルムを得た後に、両耳部を走行する
把持装置によって把持して加熱オーブンの中で横延伸
し、熱処理をしたあと両耳部をトリミングして除去し、
巻き取る。さらにこの後、最適な幅、長さに切断しなが
ら巻き取って製品ロールを得る。
【0017】以下、図面を用いて説明する。押出機(図
示せず)は、一般にはスクリューを用いる一軸または二
軸の押出機を用いる。投入するポリエステルはホッパか
ら自重で落下供給されるか、計量機能を有するフィーダ
ーで押出機の吐出量をフィードバックしながら供給する
装置などを使用する。また、ポリエステルは溶融押出時
に加水分解などで劣化するので押出機に投入する前に乾
燥操作を行うが、溶融中に真空操作などで瞬時に脱揮す
る能力のあるベント押出機などを使用する場合は、この
限りではない。また押出機と広幅の口金の間には0.1
〜50μmの濾過精度(試験粉体の95%以上をカット
する粒子径を指す)を有するメディアで構成した濾過装
置(図示せず)を配して、異物、ゲル、凝集粗大フィラ
ーなどを除去、分散してやると更に生産性及び品質が安
定してくるので好ましい。
【0018】図1に示すように、本発明で使用する口金
1には、T型等のフラットダイを用いる。吐出口のスリ
ット間隙は0.02〜5mmで、スリット間隙と、成形
した未延伸シートの厚みの比は1〜100程度になるよ
うに口金スリット間隙をセットし、溶融したポリエステ
ル100を回転冷却体2上に吐出して成形すると、未延
伸シート101の厚み変動などが抑えられるので好まし
い。また回転冷却体2は、内部に水などの冷媒を循環さ
せたり噴霧したり、ヒートパイプ等を埋め込んだ冷却の
ための熱交換機能を有し、表面が平滑な円筒型のドラム
とする。回転冷却体表面形状が成形したシートの表面に
転写するのでできるだけ鏡面に近い0.01S〜2S程
度の表面粗さを有するドラムを用いると好ましい。
【0019】次に溶融ポリマーを回転冷却体2上に吐出
する際に、回転冷却体2の表面との間に空気を巻き込ま
ないため及び/または密着を良くしてより急冷効果を上
げるために、シート密着装置(図示せず)を用いるが、
一般的にポリエステルの場合静電印加法を採ると装置が
簡便になるので好ましい。さらに、高速回転でシート成
形する場合は、回転冷却体上に薄い水膜を成形する方法
や、空気圧を利用して密着する装置、シートと回転冷却
体の間を減圧して密着させる装置などを単独で又は併用
して用いる。
【0020】こうして得られた未延伸シートは、更に少
なくとも1本以上のロールで構成した縦延伸機に導かれ
て回転の遅い遅ロール3と回転の速い速ロール4の間で
延伸されて長手方向延伸フイルム102を得ることがで
きる。未延伸シートはこれらのロールに接触して加熱さ
れるが、延伸中にこれらのロールによって未延伸シート
に傷、粘着などの欠点を生じないように、ロール表面材
質を選択する。例えば、ロールの温度によって、クロム
メッキ、シリコーン樹脂被覆、テフロン樹脂被覆、セラ
ミック熔射コーティング等を施したロール類を用い、そ
の表面は0.01Sから5S程度に仕上げる。また、速
ロールには冷却するための伝熱機能を備えた前述の材
質、表面を有するロールを用いる。更にこれらのロール
の表面は前記材料を単体でまたは複合、複層、混合して
用いてもよい。また、複数の遅ロール、速ロールのうち
少なくとも各々一本のロールは駆動されていることが好
ましい。この駆動されている遅ロールと速ロールの速度
比を持って長手方向延伸倍率とする。更にこの駆動ロー
ルは、その速度を確実にシートに伝えるために、プレス
機構を有するニップロール31、41を配設することが
好ましいが、この限りではない。
【0021】本発明における長手方向延伸は、一段で延
伸しても2段階以上の多段で延伸してもよい。多段の場
合、最初の遅ロールと最後の速ロールの速度比を持って
延伸倍率とする。本発明の長手方向延伸では、2.5倍
以上の延伸倍率で延伸する。こうして得られた長手方向
延伸フイルム102は、幅方向の屈折率が厚みの平坦な
中央部部分の屈折率−0.04以上の、1.54〜1.
60の耳部(幅方向端部)を有する。更に、結晶化度が
厚みの平坦な中央部部分の結晶化度+20%以下の、1
5〜35%であり、複屈折が厚みの平坦な部分の複屈折
+1×10-2以上の、4×10-2〜18×10-2の耳部
を有する。これらの特性を有する耳部を得るための長手
方向延伸は、予熱、延伸ロールの温度及び倍率の組み合
わせに加え、本発明の方法、すなわち長手方向延伸時の
幅方向への収縮を10%以下に抑えることで達すること
ができる。ここで厚みの平坦な部分の前述の各特性は、
広幅のシートの真ん中付近の特性値もしくは、2軸延伸
後熱固定した後に耳部をトリミングして除去した後の製
品となる部分に対応する任意の部分の特性値である。
【0022】そして長手方向延伸後に幅方向に延伸する
ために、フイルムの把持装置で把持する耳部と平坦部を
結ぶ間で任意の間隔で測定された前述の特性値は、連続
したスムーズなカーブを描く曲線に乗る特性とすること
が好ましい。また、幅方向の収縮は、縦延伸機に入る前
の未延伸フイルム101の幅と長手方向延伸フイルム1
02の幅との差を未延伸フイルム101の幅で除した値
を指す。これらの関係を図3、4、5に示す。各図にお
いて左側aが長手方向延伸後の耳部で、把持装置は各特
性値の縦軸の範囲A、B、Cを有する長手方向延伸フイ
ルムを把持して幅方向に延伸する。また、右側が厚みの
平坦部であるが、横軸bが各特性値の耳部に対する基準
を示す。図中、曲線イ、ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、ト、チ、
リは耳部と平坦部との間a〜c間の10〜200mmの
間で、各特性値が厚みの平坦部にかけて変化する好まし
い変化の仕方を各々3例ずつ図示したものであるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0023】さて、本発明において長手方向延伸時の幅
方向への収縮を抑えるにはいくつかの方法がある。本発
明者らによる具体的な方法を例示すると、遅ロール3
aと速ロール4aの配置によって延伸区間を狭くする方
法(例えば図6)、遅ロール3b、3eと速ロール4
b、4eの間で熱板や、小径の加熱ロール33、38を
用いたり(例えば図7、図10)、フイルムの狭い区
間に焦点を絞った輻射型ヒーターなどを用いて短区間で
延伸させる方法(例えば図9に示すように、遅ロール3
dと速ロール4dの間に、ヒータ36、反射板35を用
いて熱線37を輻射させる方法)、延伸開始点及び/
または延伸終了点でロール及び/または静電気力などを
利用して延伸前及び延伸後のフイルムをロールに圧着す
る方法(例えば図6)などの延伸を極く短区間で行う方
法や、未延伸シートの耳部厚みを厚くする方法、縦
延伸ロールの予熱及び/又は延伸温度を低くする方法、
耳部相当位置を強制的に空気や液体または冷却したロ
ール38などを当てて冷却する方法(例えば図−10)
などの耳部の延伸張力を上げる方法、より積極的に幅収
縮を抑える方法として、遅ロール3cと速ロール4c
の間で延伸中の耳部をニップロール34で押さえたり、
更にこのニップロールの角度を収縮を抑える方向に向け
たり(例えば図8)、このニップロールの少なくとも一
方の側のロールの外径を軸方向にテーパーを付けたりす
る方法などを例示できるが、これらに限定されるもので
はない。また、幅収縮を押さえるために用いるこれらの
ロールは駆動でもフリーで用いてもよい。更に、これら
の方法を2種以上併用してもよい。また、特公平4−3
6056号公報のように、小径の冷却ロールを実質的に
延伸張力がかからないように配設する方法などもある。
なお、図6〜図10における31a〜31e、41a〜
41eは、それぞれニップロールを示している。
【0024】何れの方法で長手方向延伸中のフイルムの
幅方向への収縮を抑えてもよいが、耳部ロス低減の目的
を同時に達成するための手段としては、温度を下げる方
法や延伸区間を狭くする方法が、むしろ耳部厚みも薄く
できるので有効である。また、本発明は長手方向延伸を
高倍率で行う方法に適用することで効果を発揮するが、
必ずしもこれに限定せず、本発明方法を低倍率で長手方
向に延伸する方法と組み合わせると更に幅方向への収縮
を抑えることができるので生産が安定し、ロスの低減に
寄与できるので好ましい。
【0025】このようにして得られた長手方向延伸フイ
ルムを好適に幅方向に延伸するために、幅方向の屈折率
を厚みの平坦な部分の屈折率−0.04以上の、1.5
4〜1.6とする。厚みの平坦部分の屈折率より0.0
4よりも小さいと、把持装置近辺が過度に延伸されて破
断が生じ易くなるので好ましくない。また、1.54未
満では把持装置近辺の製品部分の厚みが変動が大きくな
るし、1.6を越えると、把持装置から内側に離れた部
分から延伸が始まるので好ましくない。好ましくは幅方
向の屈折率−0.02以上の、1.55〜1.57であ
る。
【0026】更に、長手方向延伸後のフイルムの結晶化
度を、厚みの平坦部分の結晶化度+20%以下の、15
〜35%とする。厚みの平坦部の結晶化度+20%を越
え、および/または結晶化度が35%を越えると、把持
装置近傍の耳部が延伸されないで、熱固定時の加熱によ
って結晶化が進み、後の工程で破断し易くなったりする
ので好ましくない。また、結晶化度が15%未満である
と、幅方向延伸の時に把持装置近辺から先に延伸が始ま
るので好ましくない。好ましくは厚みの平坦部の結晶化
度+15%以下の、20〜30%である。
【0027】更に、複屈折を厚みの平坦な部分の複屈折
+1×10-2以上の、4×10-2〜18×10-2とす
る。複屈折が厚みの平坦部分の複屈折+1×10-2より
小さいと、把持装置近傍から幅方向に延伸され、破断が
生じ易くなるので好ましくない。また4×10-2未満で
は、厚みの平坦部分の延伸斑が大きくなり易くなるので
好ましくない。また、18×10-2を越えると、幅方向
延伸時に破断し易くなるので好ましくない。好ましくは
厚みの平坦部分の複屈折+2×10-2以上の、6×10
-2〜16×10-2である。前述の如き幅方向屈折率、結
晶化度、複屈折を有する長手方向に延伸されたフイルム
を把持装置で把持して後述する横延伸装置(幅方向延伸
装置)と組み合わせて幅方向に延伸すると、幅方向延伸
後に厚み斑が良くて、製膜中の破断が極めて少ない生産
性の良いフイルムを製造することができる。
【0028】また、幅方向延伸倍率を2.6倍以上で、
図2に示すように、実質的に幅方向延伸が開始する位置
でフイルム把持装置5間距離Wsを、把持装置5によっ
て把持されたフイルム幅(把持装置5によりフイルムの
把持が開始される位置における把持装置間距離)Weよ
り0.5%以上狭くする。更に、長手方向延伸フイルム
を加熱昇温して幅方向に延伸するときに幅方向延伸開始
部において走行するフイルム把持装置間が把持されたフ
イルムの幅よりも0.5%以上狭くすることによって、
幅方向延伸性が格段に向上し、フイルム破断が減少し、
厚みむらなどが向上する。把持装置間のフイルム幅より
0.5%以上狭い幅より把持装置間を広く設定すると、
幅方向延伸時に破断し易くなるので好ましくない。ここ
で相対して走行する把持装置間より把持装置間のフイル
ム幅を広くする理由は、延伸開始時に把持装置近傍のフ
イルムに極めて短時間にかかる延伸応力を分散するため
であり、本発明方法を採らないフイルムの横延伸装置で
は、延伸開始時に把持装置近傍に作用する延伸応力が集
中して働くために、把持装置近傍の小区間で周囲の延伸
よりも大きく延伸される現象を生じ、破断につながるこ
とがある。この作用の理由は定かではないが、同じ角度
で広がっていく横延伸装置(延伸部6)においても、よ
り広幅の横延伸機になるほど上記傾向が顕著になるの
で、本発明によらない方法では広幅の横延伸機ほど耳部
にかかる延伸応力の分散のために耳部の厚みを厚くして
対応するために、広幅の横延伸機の割には耳部のロス率
の低減は小さく且つ、なお破断などが多くなっている。
なお、フイルム把持装置間とは長手方向延伸後のフイル
ムの両耳部を把持装置で把持した際、フイルム幅方向に
おける、その先端間の距離である。また、実質的に延伸
が開始する位置とは、把持装置でフイルムを把持した後
に、進行方向に対して幅方向に角度1゜以上の角度で開
いて延伸を開始する位置を指すが、これより前方の位置
において本発明の0.5%以上狭く設定しておいて、実
質的に延伸を開始する位置に向かって徐々に広げること
でも、同じ効果が期待できる。
【0029】また、前述の特性を持った長手方向延伸フ
イルムを横延伸室7(図1)に導いても、把持装置の温
度が幅方向に延伸する温度−50℃〜+40℃を外れる
と、幅方向延伸性が損なわれるので好ましくない。すな
わち、幅方向延伸温度より50℃よりも低い温度まで把
持装置が冷却されていると、把持装置近傍のフイルムの
延伸応力が上がって、均一な厚みを得難いことに加え
て、幅方向延伸で延伸されなかった耳部がロス増加の原
因になったり、熱固定室8で高温に曝されて結晶化が進
んでオーブンから出てきた2軸延伸後熱固定されたフイ
ルム103の耳部が脆くなって、把持装置から引き離す
時や、後工程のロール間を搬送する時、巻取の前に耳部
をトリミングする時などに破断し易くなるので好ましく
ない。また、幅方向延伸温度より40℃よりも高い温度
で把持すると、厚みの平坦な部分よりも先に延伸が進む
ので、幅方向延伸途中に破断してしまうことがあるので
好ましくない。より好ましくは、幅方向延伸温度に対し
て−40℃〜+30℃である。更に好ましくは−30℃
〜+20℃である。
【0030】ここで把持装置を前述の温度に保つため
に、把持装置または把持装置が走行するレールを、直接
または間接的に水、空気、輻射等によって冷却または、
加熱してコントロールする。これらの媒体はそれ自身を
温度コントロールして用いても、それ自身の温度は任意
に設定しておいて、利用する量を調整して把持装置の温
度をコントロールしてもよい。また、把持装置を横延伸
室、熱固定室、更に冷却室9を走行させて、前述の温度
にコントロールすることもできる。一般にエンドレスに
連続して走行する把持装置の温度は、その把持装置を走
行させるための摺動部やベアリング部の潤滑、レールの
摩耗の問題からレール及び/または把持装置の温度をコ
ントロールして保護している。しかし、本発明のよう
な、例えば幅方向延伸に入る直前の走行する把持装置の
温度を、赤外線温度計などを用いて検出し、レール及び
/または把持装置の冷却または加熱装置にフィードバッ
クして、本発明の長手方向延伸後のフイルムを本発明の
温度にコントロールされた把持装置で幅方向に延伸する
本発明の方法によれば、ポリエステルフイルムの幅方向
延伸性が格段に向上し、破断などのロスを低減できる。
【0031】さらに、相対して走行する把持装置の相対
速度差は0.3%以下であることが好ましい。相対速度
差が0.3%を越えると、幅方向延伸のバランスが崩れ
て均一な延伸ができ難くなるので好ましくない。一般に
テンター式横延伸機の場合、数百個から千数百個のクリ
ップと呼ばれるフイルム把持装置をクリップチェーンと
呼ばれる連結器にセットしてエンドレスにレール上を走
行させる。クリップチェーンは通常フイルム排出側に設
けられたスプロケットを駆動して走行させるが、クリッ
プチェーンのチェーンリンクやそれを連結するピンが製
作精度上の公差または使用中の摩耗及び熱膨張などによ
って微少量ずつ変化して、相対するクリップチェーンの
長さが異なってくることがある。この変化は相対する一
方の側だけに発生することも、両方に発生することも、
またクリップチェーンの特定部分で発生していることも
あるが、相対する把持装置はフイルムを把持し、横延伸
装置に導く時、この長さの差が相対速度差を生じる。す
なわち、これらの変化は設備構造上はエンドレスのクリ
ップチェーンに一定の張力を掛けておくことで外見上チ
ェーンリンクのたるみは吸収されているが、同一ピッチ
で駆動されている相対するクリップチェーン間には相対
速度差を生じ、幅方向延伸時に延伸斑、物性のばらつき
を大きくする原因になったり、幅方向延伸時の破断など
を悪化させる。
【0032】このような現象に対し、安定的に幅方向に
延伸できる限界の相対速度差は、0.3%以下である。
すなわち相対するクリップチェーンの長さのばらつきを
この値以下に保つことが優れた幅方向延伸性を保持する
ために必要である。相対するクリップチェーンが同じ精
度で製作されたり、同じ量づつ摩耗したり、同じ量熱膨
張して相対的な差が0.3%を越えなければ、前述した
幅方向延伸上の問題にはならない。この相対速度差は好
ましくは0.2%以下で、更に好ましくは0.1%以下
である。相対して走行する把持装置の相対速度差は幅方
向延伸に入る直前の走行している把持装置の速度を同時
に測定し、計算する。測定にはレーザー光を利用したド
ップラー方式の速度検出器を用いると高精度で安全に測
定できるが、パルス的に繰り返し発光するストロボを用
いて連続して走行する把持装置に発光のパルスを同期さ
せて測定してもよい。
【0033】このようにして得られた、2軸延伸後熱固
定してなるポリエステルフイルムは、その長手方向の厚
み変動が10%以下でFFT解析(Fast Fourier Trans
form:高速フーリエ変換)して得られるパワースペクト
ルPwを周波数区分してPw1;0〜2Hz、Pw2;
2〜12Hz、Pw3;12〜100Hzとしたとき、
Pw2がPw1とPw3の和より小さい、厚みが5〜2
0μmの磁気テープ用2軸延伸ポリエステルフイルムに
好適である。更にその長手方向の厚み変動が20%以下
でFFT解析して得られるパワースペクトルPwを周波
数区分してPw1;0〜2Hz、Pw2;2〜12H
z、Pw3;12〜100Hzとしたとき、Pw2がP
w1とPw3の和の2/3より小さい、厚みが0.5μ
m〜7μmのコンデンサベース用2軸延伸ポリエステル
フイルムに好適である。
【0034】フイルムの厚みむらは大きくは次の2つの
工程で発生する。すなわち、未延伸シート成形時と長手
方向延伸時である。これらの中でも特に周波数成分を持
って厚み斑が発生するのは、本発明者らの研究によれば
主に未延伸シート101成形時に発生し、この後の工程
では延伸毎に増大して行くが、特にPw2の周波数域の
厚み斑は口金1より溶融ポリエステル100を回転冷却
体2上に吐出したときに生じ易いが、本発明方法による
長手方向延伸フイルムを横延伸機に導くことによって、
このPw2の厚み変動を小さくする効果があることが判
った。当然Pw1、Pw3の厚み変動も小さくなるので
あるが、本発明方法による際立った特徴はこのPw2の
厚み変動の改良効果にある。
【0035】以下、実施例を用いて説明するがその評価
方法は次の方法によった。 (1)厚みむら、FFT解析 2軸延伸後熱固定したフイルムを巻き取り、その後巻き
戻しながら長手方向に約20mの長さ採取し、アンリツ
製電子マイクロメータで連続的に厚みを測定する。20
mの長さの厚みの最大と最小値の差を平均の厚みで除し
て%表示し厚みむらとする。同時に取り込んだ信号の時
間軸を製膜時の時間に換算してFFT解析し、そのパワ
ースペクトルを周波数軸で表示する。更に周波数軸のP
w1;0〜2Hz,Pw2;2〜12Hz,Pw3;1
2〜100Hzに区分してそれぞれのパワースペクトル
の面積を算出し、Pw2の面積を、Pw1とPw3の面
積の和で除し表示する。
【0036】(2)屈折率、複屈折 長手方向に延伸したフイルムをアッベの屈折率計で、そ
れぞれ長手方向、幅方向、厚み方向に測定する。複屈折
は長手方向屈折率−幅方向屈折率として算出する。
【0037】(3)結晶化度 密度勾配管法によって25℃で密度ρを測定し、次の式
で算出する。ここでρc 、ρa は理論上の結晶、非晶密
度を表す。 結晶化度=(ρ−ρa )/(ρc −ρa )×100
(%)
【0038】(4)幅方向延伸性 24時間換算の破断の頻度で、○;破断なし、△;1〜
3回破断、×;4回以上破断の基準で判定した。
【0039】
【実施例】
実施例1〜6、比較例1〜9(表1〜4) 固有粘度が0.63で、平均粒子径が0.8μmのシリ
カ粒子を0.05重量%、平均粒子径が0.3μmの炭
酸カルシウムを0.3重量%含むポリエチレンテレフタ
レートを常法により乾燥し、280℃の温度にコントロ
ールした直径が90mmのスクリューを用いた押出機で
溶融し、3μmの濾過精度を有するリーフディスクタイ
プのフィルターメディアを用いた濾過装置を通過させ
て、600mm幅で2.5mmのリップ幅のT型口金よ
り、直径が800mmで幅が700mmの表面温度25
℃に設定した回転冷却体上に吐出して520mm幅の未
延伸シートを得た。更に98℃の温度に設定した3本の
テフロン被覆ロールで予熱し、延伸後25℃に設定した
クロームメッキロールで冷却した。
【0040】縦延伸装置として、図6の延伸装置を2段
に組んで、1段目のロール3a、4a及び2段目の3a
にシリコーンゴムを被覆したロールを用い、それより小
径のシリコーンゴム被覆ロール31a、41aに高電圧
を印加(図示せず)し、且つ押圧力をかけたニップロー
ルを用いて延伸した(実施例1)。更に実施例1の2段
目に図10の延伸装置で内部を長手方向に3分割して温
度調節出きる構造の小径ロール38を用い、フイルムの
両耳部を中央部分より5℃低くコントロールした(実施
例2)。得られた長手方向延伸フイルムの幅収縮と各特
性値を表1に示した。
【0041】更に横延伸機で延伸直前の把持装置間を把
持したフイルム幅より0.5%狭くして110℃で3.
8倍に延伸し、210℃で熱固定して、100℃で冷却
して厚みが14μmの磁気テープ用2軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフイルムを得た。更にクリップチェー
ンのリターン側で把持装置に25℃の冷風を吹き付けて
冷却し、把持装置の温度を70℃にコントロールした。
また相対して走行する把持装置の相対速度差は0.02
〜0.08%であった。更に実施例2でクリップチェー
ンのリターン側の冷却を緩めて把持装置の温度を145
℃にコントロールしたが破断などは発生しなかった(実
施例3)。
【0042】幅方向に延伸する時の延伸直前の把持装置
間を把持したフイルムより0.2%狭くする以外は実施
例1と同じ条件で延伸したが、時々破断して生産できな
かった(比較例1)。把持装置の温度をコントロールし
て50℃まで冷却した以外は実施例2と同じ条件で幅方
向に延伸した。熱固定後冷却して両耳部をトリミングし
た後に巻き取ったが、両耳部のトリミング中の破断が頻
発して安定しなかった(比較例2)。また把持装置を冷
却しないで、幅方向に延伸したが、頻繁に破断が生じて
2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルムを得られ
なかった。この時の把持装置の温度は155℃であった
(比較例3)。
【0043】実施例1で幅方向に延伸するときの走行す
る把持装置の一方の側のクリップチェーンの約5分の1
の部分を新品に交換したところ原因不明の破断が頻発し
た。この部分の相対して走行する把持装置間の相対速度
差は0.35%あり、丁度この新品に交換した部分が実
質的に幅方向延伸ゾーンに入って行くと破断が生じるこ
とがわかった。残りの5分の4の部分の相対して走行す
る把持装置間の相対速度差は0.08〜0.25%であ
った(比較例4)。
【0044】図1の縦延伸装置を2段で用いた以外は実
施例1と同じ条件で長手方向延伸を行い、更に幅方向に
延伸後熱固定後冷却して2軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフイルムを得た。長手方向延伸時の幅収縮は21
%であった(比較例5)。幅方向延伸時に頻繁に破断が
生じたので両耳部の厚みを厚くするために口金の耳部に
相当する部分のリップ間隙を拡げて、押出量を5%増量
させたが、幅収縮は17%あった(比較例6)。
【0045】実施例1で図8の縦延伸装置を2段に用
い、フリー回転する一対のロール34で延伸中の耳部を
ニップし幅方向への収縮を抑えた。温度と延伸倍率を変
えて各特性値と破断のしやすさ及び長手方向の厚みむら
とそのFFT解析結果を表3、4にまとめた(実施例4
〜6、比較例7〜9)。
【0046】実施例7〜9、比較例10〜15(表5、
6) 次に、固有粘度が0.65で、一次粒子径が0.02μ
mでその平均粒子径が2.6μmの凝集シリカ粒子を
0.07重量%、平均粒子径が0.8μmの球形シリカ
を0.2重量%含むポリエチレンテレフタレートを常法
により乾燥し、280℃の温度にコントロールした直径
が90mmのスクリューを用いた押出機で溶融し、10
μmの濾過精度を有するリーフディスクタイプのフィル
ターメディアを用いた濾過装置を通過させて、600m
m幅で0.5mmのリップ幅のT型口金より、直径が8
00mmで幅が700mmの表面温度45℃に設定した
回転冷却体上に吐出して500mm幅の未延伸シートを
得た。更に95℃の温度に設定した3本のテフロン樹脂
被覆ロールで予熱した。
【0047】縦延伸装置として、図6と図9の延伸装置
を組み合わせて、遅ロール3a、4a、3dにセラミッ
クコーティングしたロールを用い、ニップロール31
a、41a、31d、41dにシリコーンゴム被覆ロー
ルを用いて押圧力をかけ、遅ロール4dに25℃に設定
したセラミックロールを用いて冷却し、発熱体(棒状ま
たはチューブ状)36の輻射光37を凹面鏡35によっ
てフイルム面に焦点を絞った輻射型ヒータをフイルムの
上下面より使用して延伸した(実施例7)。実施例7で
第1段目に図10の延伸装置で内部を長手方向に3分割
して温度調節できる構造の小径ローラー38を用い、フ
イルムの両耳部を中央部分より5℃低くコントロールし
た(実施例8)。更に図9の縦延伸装置を2段に用いた
(実施例9)。延伸条件と得られた長手方向延伸フイル
ムの幅収縮と各特性値を表5に示した。更に横延伸機で
延伸直前の把持装置間を把持したフイルム幅より2%狭
くして100℃で4.2倍に延伸し、240℃で熱固定
して、100℃で冷却して厚みが2μmのコンデンサベ
ース用2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルムを
得た。更にクリップチェーンのリターン側で把持装置に
25℃の冷風を吹き付けて冷却し、把持装置の温度を1
30℃にコントロールした。相対して走行する把持装置
のクリップチェーンを整備して、相対速度差を0.02
〜0.05%にした。
【0048】幅方向に延伸する時の延伸直前の把持装置
間を把持したフイルムより0.4%狭くする以外は実施
例7と同じ条件で延伸したが、時々破断して生産できな
かった(比較例10)。また把持装置を冷却しないで、
幅方向に延伸したが、頻繁に破断が生じて2軸延伸ポリ
エチレンテレフタレートフイルムを得られなかった。こ
の時の把持装置の温度は155℃であった(比較例1
1)。実施例7で走行する把持装置の一方の側のクリッ
プチェーンのチェーンピンを入れ換えた。この時の相対
速度差は0.16〜0.32%であったが、破断が頻発
して2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルムを得
られなかった。
【0049】更に、実施例7で輻射型ヒータを用いない
で(比較例13)、また実施例8で輻射型ヒータと幅収
縮を抑える装置を使用しないで(比較例14)、実施例
9で輻射型ヒータを用いないで(比較例15)、それぞ
れロールの温度を上げて延伸した。得られた特性及び幅
方向延伸性、破断のし易さ、長手方向の厚みむらとその
FFT解析結果を表5、6にまとめた。何れも破断し易
く、厚みむらが悪くなった。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、幅方向延伸時の破断が
少なく、とくに2〜12Hzの間の厚みむらが改良され
た2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルムを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るフイルムの製造装置
の概略構成図である。
【図2】図1の装置の横延伸機の内部の概略平面図であ
る。
【図3】本発明に係るフイルムの長手方向延伸後の幅方
向端部における好ましい屈折率特性を示す図である。
【図4】本発明に係るフイルムの長手方向延伸後の幅方
向端部における好ましい結晶化度特性を示す図である。
【図5】本発明に係るフイルムの長手方向延伸後の幅方
向端部における好ましい複屈折特性を示す図である。
【図6】本発明方法を実施するための縦延伸機の例を示
す概略構成図である。
【図7】縦延伸機の別の例を示す概略構成図である。
【図8】縦延伸機のさらに別の例を示す概略構成図であ
る。
【図9】縦延伸機のさらに別の例を示す概略構成図であ
る。
【図10】縦延伸機のさらに別の例を示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1 口金 2 回転冷却体 3、3a、3b、3c、3d、3e 遅ロール 4、4a、4b、4c、4d、4e 速ロール 5 把持装置 7 延伸室 8 熱固定室 9 冷却室 100 溶融シート 101 未延伸フイルム 102 長手方向延伸フイルム 103 2軸延伸フイルム

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融したポリエステルを口金より回転冷
    却体上に吐出し急冷して未延伸シートに成形し、該未延
    伸シートを長手方向に延伸後、幅方向に延伸して熱固定
    する2軸延伸ポリエステルフイルムの製造方法におい
    て、長手方向に延伸した後のフイルムを、幅方向の屈折
    率が、該フイルムの厚みの平坦な幅方向中央部部分の屈
    折率−0.04以上の、1.54〜1.6である幅方向
    端部部分を把持して、幅方向に延伸することを特徴とす
    る、2軸延伸ポリエステルフイルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 長手方向延伸後のフイルムの結晶化度
    が、該フイルムの厚みの平坦な中央部部分の結晶化度+
    20%以下の、15〜35%であり、かつ、複屈折が前
    記厚みの平坦な部分の複屈折+1×10-2以上の、4×
    10-2〜18×10-2である幅方向端部部分を把持して
    幅方向に延伸することを特徴とする、請求項1の2軸延
    伸ポリエステルフイルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 長手方向延伸倍率が2.5倍以上で、か
    つ、長手方向延伸時の幅方向への収縮が10%以下であ
    る、請求項1または2の2軸延伸ポリエステルフイルム
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 幅方向延伸倍率が2.6倍以上で、か
    つ、実質的に幅方向延伸が開始する位置における、相対
    して走行するフイルム把持装置間距離が、該把持装置に
    よりフイルムの把持が開始される位置における、該把持
    装置間距離よりも0.5%以上小さい、請求項1ないし
    3のいずれかに記載の2軸延伸ポリエステルフイルムの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 相対して走行するフイルム把持装置間の
    相対速度差が0.3%以下である、請求項1ないし4の
    いずれかに記載の2軸延伸ポリエステルフイルムの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 走行するフイルム把持装置の温度が幅方
    向延伸温度−50℃〜幅方向延伸温度+40℃である、
    請求項1ないし5のいずれかに記載の2軸延伸ポリエス
    テルフイルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリエステルフイルムがポリエチレンテ
    レフタレートフイルムである、請求項1ないし6のいず
    れかに記載の2軸延伸ポリエステルフイルムの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 2軸延伸後熱固定したフイルムの長手方
    向の厚み変動が10%以下で、かつ、FFT解析して得
    られるパワースペクトルPwを周波数区分してPw1;
    0〜2Hz、Pw2;2〜12Hz、Pw3;12〜1
    00HzとしたときPw2がPw1とPw3の和よりも
    小さい、厚みが5〜20μmの磁気テープベース用2軸
    延伸ポリエステルフイルム。
  9. 【請求項9】 2軸延伸後熱固定したフイルムの長手方
    向の厚み変動が20%以下で、かつ、FFT解析して得
    られえるパワースペクトルPwを周波数区分してPw
    1;0〜2Hz、Pw2;2〜12Hz、Pw3;12
    〜100HzとしたときPw2がPw1とPw3の和の
    2/3よりも小さい、厚みが0.5〜7μmのコンデン
    サベース用2軸延伸ポリエステルフイルム。
  10. 【請求項10】 ポリエステルフイルムがポリエチレン
    テレフタレートフイルムである、請求項8または9の2
    軸延伸ポリエステルフイルム。
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