JPH09143953A - 水上構造物基礎の洗掘防止工法 - Google Patents

水上構造物基礎の洗掘防止工法

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JPH09143953A
JPH09143953A JP33407795A JP33407795A JPH09143953A JP H09143953 A JPH09143953 A JP H09143953A JP 33407795 A JP33407795 A JP 33407795A JP 33407795 A JP33407795 A JP 33407795A JP H09143953 A JPH09143953 A JP H09143953A
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充 野々田
Mitsuhiro Sato
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TAISEI ROTETSUKU KK
Nippon Road Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水上構造物の基礎を支持する地盤に対して、
内部補強部材を埋め込んだアスファルト混合物を打設す
ることにより、支持地盤の洗掘を防止する。 【解決手段】 橋脚のような構造物1の周囲には、構造
物1に端部を固定したワイヤ22……を介して型枠部材
を円環状に配置して、アスファルト混合物を打設する枠
部材を設ける。そして、前記枠部材の内部に下層のアス
ファルト混合物を打設してから内部補強部材を配置し、
その上部に上層のアスファルト混合物を打設して所定の
厚さの基礎保護部材20を構築し、基礎保護部材の周囲
の支持地盤が洗掘された場合にも、基礎保護部材の端部
が追従して湾曲させることにより、それ以上の洗掘が生
じることを防止できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川や海上に構築
する構造物の基礎の洗掘防止工法に関し、特に、支持地
盤に洗掘が発生している基礎の保護を行うための水上構
造物基礎の洗掘防止工法に関する。
【0002】
【従来の技術】河川に構築した橋脚等においては、川底
の硬い地盤まで掘削するか、あるいは地盤まで杭等を打
設してから、その上部に橋台等の基礎を構築し、前記基
礎の上部に橋脚等を構築する工法が用いられている。と
ころが、橋脚の周囲では水流が乱流となるために、川底
が洗掘されやすいという問題があり、特に、上流側から
大量の土砂が供給されない河川等では、橋台が大きく露
出して、橋脚等の構造物に対する支持機構に問題が発生
する場合が多くある。そこで、前述したような洗掘の問
題を解決するためには、橋脚の周囲に石を詰めた蛇籠等
を配置することや、橋脚の周囲の地盤に対してコンクリ
ートを打設する等の工事を行い、構造物の基礎に対する
洗掘防止の工事を行うことが行われている。しかしなが
ら、コンクリートを打設する工事を行う場合には、工事
現場の周囲に仮締切り等の止水工事を行ってから、コン
クリートの打設を行うために、工事費用が非常に高価に
なるとともに、工事期間が長くなるという問題がある。
【0003】そこで、構造物の基礎の補強のために、例
えば、図16に示すようなアスファルトマットを用いて
支持地盤の保護を行う工法が提案されている。前記図1
6に示す例では、橋脚のような構造物1の周囲の支持地
盤の上に、アスファルトマット10を一面に敷き詰める
ように施工するもので、前記アスファルトマットにより
支持地盤の表面を保護することにより、速い水流により
支持地盤が洗掘されることを防止して、構造物のフーチ
ング等を保護することが可能になる。また、前述したよ
うにして、アスファルトマットを支持地盤の洗掘防止の
ために施工する場合には、陸上で作成したマット部材
を、構造物の周囲に一部を重ねるようにして敷き込むだ
けであるから、コンクリートの打設の工事のように大規
模な準備工事を行う必要がないという特徴を発揮でき
る。
【0004】そして、比較的工事費用を低く押えるとと
もに、工事期間を短縮することが可能であり、非常に大
きな効果を発揮できるものと考えられる。なお、前記ア
スファルトマットとしては、一般の海洋構造物の洗掘防
止用等の目的に使用するアスファルトマットと同様なも
のを用いることができるもので、前記アスファルトマッ
トにおいては、所定の厚さのマット部材の厚さ方向の中
心部に、荷役用のワイヤロープと、ガラスクロス等のよ
うな内部補強部材を挿入して、一体成型したものを用い
ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記図16
に示すように、構造物1の周囲に既成のアスファルトマ
ットを敷き込む工法を用いる場合に、アスファルトマッ
トを保護を必要とする部分7に合わせて複雑な形状に構
成することが困難であることから、長方形状のアスファ
ルトマット10を保護を必要とする部分7よりも広い範
囲で配置する工法を用いなければならない。そして、必
要以上に大量のアスファルトマットを用いることによ
り、水上構造物基礎の洗掘防止工法に要する費用を低く
することかできないという問題がある。さらに、図17
に示すように、構造物1の支持基礎であるフーチング2
の部分にまで洗掘が発生している場合には、アスファル
トマット10の下部の支持地盤5との間に空隙13が生
じてしまい、支持地盤5との間に水が流れることを阻止
できないという問題の他に、図16に示すように構造物
1の周囲の部分にマットで覆われない空隙12が形成さ
れるという問題もある。また、図18に示すように、マ
ットの重合部分では、マットの端部が水流によりあおら
れて、マットの間から水が流れ込んで、洗掘が発生した
り、マットが流されたりする等の問題が懸念され、解決
を必要とする課題が多く残っている。
【0006】そこで、前述したようなアスファルトマッ
トを用いる場合の欠点を解消するために、例えば、図1
9に示すように、構造物1の周囲の支持地盤5上に、ア
スファルト混合物を所定の厚さで施工して、アスファル
トマットに代わる洗掘防止工事を行うことも考えられて
いる。前記図19に示すように施工するアスファルト層
15では、支持地盤5の表面にアスファルト混合物を打
設しているものであるから、施工現場にはアスファルト
混合物を製造する装置を設置し、バケット等を用いて支
持地盤5の表面に施工するのみで、比較的容易に洗掘防
止の工事を行うことができる。そして、図16に示す保
護を必要とする部分7に対して、必要とされる範囲に限
定して、工事を行うことが可能になるという特徴を発揮
することができる。また、前記アスファルト混合物とし
ては、例えば、海洋の捨石に対して施工するアスファル
トマスチックのように、流動性が非常に大きく、水中で
バケットから流した場合にも、ほぼ平らになるような流
動性を有する材料を使用することができ、施工後に所定
の時間が経過すると、一般のアスファルトと同様に硬化
して、弾力性の大きなマット状の部材を形成可能な材料
を使用する。
【0007】ところが、前述したようにしてアスファル
ト層15を施工した場合には、アスファルト層の内部に
は補強部材が含まれていないので、アスファルト層15
の先端部に対応する支持地盤が洗掘されると、支持基盤
を失ったアスファルト層の端部に亀裂16が発生して、
次第にアスファルト層の端部が変形し、最終的には欠け
落ちてしまうという問題がある。そして、支持地盤に対
する洗掘が進むにしたがって、アスファルト層により保
護される支持地盤の範囲が狭くなるので、保護工事を行
わない場合に比較して、構造物に影響が及ぶまでの期間
が長くなるものの、保護部材の信頼性に若干の問題が残
る。
【0008】前記図19に示す例とは別に、図20に示
す例のように、洗掘が進行した支持地盤5に対しては、
比較的大きな石等を積み重ねてから、アスファルト混合
物を石の間に流し込み、石をアスファルト混合部で固化
させる状態の基礎マウンド17を構築することも考えら
れる。そして、前述したような基礎マウンド17を構築
することにより、支持地盤5に対する洗掘の防止と、基
礎を強化する作用とを行わせることにより、構造物1の
信頼性を向上させることが可能になる。しかしながら、
前記図20に示すような基礎マウンド17を構築した場
合にも、支持地盤5に対する洗掘が進むと、マウンド1
7の先端部に対する支持作用がなくなり、図21に示す
ように亀裂16が発生して、先端部が崩落したりすると
いう問題が発生する。したがって、前述したように、構
造物1の基礎の部分に対してアスファルト混合物による
保護層を構築した場合には、そのアスファルトマスチッ
クの強度の問題から、時間が経過するにしたがって、保
護層の信頼性が低下するという問題が残る。
【0009】本発明は、前述したような従来の構造物を
洗掘から保護する手段の問題を解消するもので、構造物
の周囲の支持地盤に対して、内部補強部材を一体に埋め
込んだ状態の基礎保護部材を施工するとともに、前記基
礎保護部材の周囲の支持地盤に洗掘が発生しても、基礎
保護部材が洗掘の進行を防止して、構造物に対する支持
作用を良好に発揮できるような水上構造物基礎の洗掘防
止工法を提供することを目的とし、さらに、現場で施工
が容易な水上構造物基礎の洗掘防止工法を提供すること
を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、水流により洗
掘を受ける構造物の基礎に、型枠部材を支持する張力部
材の基部を配し、前記張力部材の他端部に型枠部材を配
し、多数の型枠部材を列状に配置してアスファルト混合
物を充填する範囲を規定し、前記型枠部材により囲まれ
る部分に対して内部補強部材を配置するとともに、アス
ファルト混合物を施工して、構造物の基礎の周囲に基礎
保護部材を構築する工法である。本発明において、前記
内部補強部材として布状部材を用い、下層のアスファル
ト混合物を打設した上に内部補強部材を配置して、その
上面に上層のアスファルト層を打設することにより、内
部補強部材を一体に設けた基礎保護部材を構成すること
ができる。また、本発明において、前記内部補強部材を
金網と布状部材を重ねたもので構成し、張力部材に対し
て設置する方法を用いることができる。
【0011】さらに、本発明においては、前記型枠部材
をアスファルトまたは鉄のような比重の大きな材料を用
いて構成し、張力部材の端部を固定する手段を設けるこ
とも可能である。前記構成に加えて、本発明において
は、前記内部補強部材を金網部材により構成し、構造物
の基礎と型枠部材との間に配置する張力部材とともに金
網部材を配置して、アスファルト混合物を1回で打設
し、前記内部補強部材を埋め込む状態で基礎保護部材を
構築することも可能である。
【0012】そして、前述したようにして、構造物の周
囲の支持地盤に対して、所定の範囲に基礎保護部材を施
工することにより、本発明においては、支持地盤が水流
により洗掘されることを防止することが可能であり、基
礎の地盤が洗掘されることにより、構造物の支持作用に
問題が生じることを防止できる。また、本発明の水上構
造物基礎の洗掘防止工法は、既設の構造物の支持地盤が
洗掘された場合にも、基礎保護部材を施工することがで
きるもので、内部補強部材を内部に一体に埋め込んだ状
態のマット部材を、型枠部材により規定した範囲に所定
の厚さで施工することができるために、洗掘された支持
地盤に対する補強工事を容易に行うことが可能である。
さらに、本発明においては、アスファルト混合物を打設
する範囲をワイヤのような部材で構造物に接続する型枠
部材により区画し、その区画された範囲内に内部補強部
材を配置して、アスファルト混合物を施工するものであ
るから、基礎保護部材を構築する作業を容易に行うこと
ができる。そして、本発明の基礎保護部材では、基礎保
護部材の周囲の支持地盤が新たな洗掘作用を受けた場合
には、基礎保護部材の端部が湾曲して洗掘された部分を
保護する作用を行うので、基礎保護部材の下部が大きく
洗掘されることを防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】図示される例にしたがって、本発
明の水上構造物基礎の洗掘防止工法を説明する。図1に
示される例は、橋脚のような構造物1に対して基礎保護
部材20を施工する場合を示しているもので、構造物1
にアンカーのような取り付け部材を施工し、前記基部取
り付け部材に対して、ワイヤ22のような張力部材の端
部を接続して、前記ワイヤ22の他端部には型枠部材2
1を取り付ける。そして、多数の型枠部材21に囲まれ
た基礎保護部材20の施工範囲に対して、アスファルト
保護層を構成するアスファルト混合物を打設するが、前
記アスファルト保護層の内部には内部補強部材30を配
置して、アスファルト保護層の強度を向上させることが
できるようにしている。
【0014】前述したようにして作成する基礎保護部材
20は、従来より海底等で構造物支持部材として用いら
れているアスファルトマットを、現場で構成するものと
考えることができるもので、アスファルトマスチックの
打設の範囲を規定するために、基礎保護部材の外周部を
型枠部材21により規制することにより行い得るように
する。なお、以下に説明する本発明の実施例では、構造
物1として、河川に設けた橋脚を対象にして説明する
が、本発明は、水上に上部を突出させて設ける構造物全
般を対象とすることができるものであって、例えば、波
の荒い海域に設けた構造物の基礎の保護にも適用できる
ものである。
【0015】前記基礎保護部材20において、型枠部材
21としては、型鋼やその他の鉄製の比重の重い部材、
または、混合物に比重の大きな部材を用いたアスファル
ト製のブロック状のもの等を用いることができる。そし
て、図2に示されるように、ワイヤ22の一端部を型枠
部材21に埋め込む等して固定し、他端部に基部取り付
け部材に接続するアイ23a等を配置している。さら
に、前記ワイヤ22の上には内部補強部材30を配置し
て、そのワイヤと内部補強部材とを内部に埋め込む状態
で、アスファルト保護層を所定の厚さに打設することに
より、基礎保護部材20を施工する。なお、本発明にお
いて使用するアスファルト混合物は、アスファルト成分
が10〜20%で、比較的小さい骨材と、添加材料を混
入したものを用い、従来のアスファルトマットを構成す
るアスファルト混合物と同様に、流動性が非常に大きい
ものを高温の状態でバケット等を使用して現場に打設す
ることができ、水中で施工した場合でも、直ちに硬化す
ることなく、ほぼ平らになる状態になってから固まるよ
うな性質を有するものを用いる。また、前記張力部材と
しては、ワイヤの他に、くさり等のような部材を用いる
ことが可能であり、前記ワイヤやくさりのような部材
は、工事規模に対応させて任意の強度を有するものを使
用することができる。
【0016】前述したような基礎保護部材を施工する際
には、図3ないし図6に示すような工程を経て行うこと
ができる。まず、図3に示すように、支持地盤5の上面
に突出している大きな石等を除去して、表面を均す工事
を行い、保護を必要とする部分の外側の部分に対応させ
て型枠部材21を配置し、前記型枠部材21と構造物1
との間には、ワイヤ22を接続して、アスファルト混合
物を打設した際に、型枠部材21が移動したりすること
がないように固定する。次いで、図4に示すように、支
持地盤5の上にアスファルト混合物を打設して、アスフ
ァルト混合物の表面をワイヤに沿わせる状態に均して、
下層27を形成する。その後で、図5に示されるように
して、ワイヤ22に沿わせて内部補強部材30を施工
し、図1に示されたように、基礎保護部材の施工部分の
全体に対して内部補強部材が配置されるようにする。次
に、上層26のアスファルト混合物を打設して上面を平
らに均すことにより、アスファルト保護層25を完成す
る。
【0017】前述したようにして施工したアスファルト
保護層25においては、厚さ方向の略中央部にワイヤと
内部補強部材とを一体に配置したものとして構成され、
基礎保護部材の施工後に周囲の部分で支持地盤が洗掘さ
れたとしても、型枠部材が洗掘部に追従して沈下し、一
定以上の洗掘が生じないように支持地盤に対する保護の
作用を行い得るようにする。そして、前記アスファルト
保護層においては、周囲の部分に配置する型枠部材が、
ワイヤやくさり等により保護層本体と一体に形成されて
いるので、周囲の部分で洗掘が発生しても、端部が脱落
したりすることがなく、保護層で覆った地盤に対する保
護の作用を良好な状態で行うことができる。さらに、前
記保護層の内部では、内部補強部材および張力部材が一
体となって、アスファルト部材に対する補強部材を構成
しているので、前記保護層に対して曲げ作用等が加えら
れても、保護層が容易に湾曲し、アスファルト層に割れ
や欠け落ち等の不都合な問題が発生することはない。
【0018】また、本発明の水上構造物基礎の洗掘防止
工法において、アスファルト保護層を構成するアスファ
ルト混合物は、従来のマット部材に用いるようなアスフ
ァルトマスチックと同様に、非常に流動性の大きなアス
ファルト混合物を使用するもので、道路を舗装する際に
用いるアスファルト合材のように、流動性の小さい合材
を使用するものではない。したがって、水中でアスファ
ルト混合物を施工する場合にも、アスファルト混合物の
比較的大きな流動性により、上面を平らに均すような作
業を容易に行うことができるものである。そして、前記
アスファルト保護層においては、2回に分けてアスファ
ルト混合物を施工する際に、その層の間に内部補強部材
を配置して埋め込むようにすることにより、内部補強部
材を内部に一体に配置したアスファルト保護層を施工す
ることができる。
【0019】
【実施例1】前記図1に示す基礎保護部材においては、
型枠部材21として型鋼材等の材料を用いているが、本
発明の基礎保護部材においては、図7に示すように、型
枠部材21を砂入りの土嚢のような変形が容易な部材を
用いて、円環状に構成することもできる。前記型枠部材
21に対して構造物1との間に所定の間隔で多数のワイ
ヤ22を接続して、基礎保護部材20の施工範囲を規定
し、2回に分けて施工するアスファルト混合物の層の間
に内部補強部材30を配置して、補強部材を埋設したア
スファルト保護層を形成することができる。また、型枠
部材21を土嚢のような部材で構成する場合にも、ワイ
ヤの端部を型枠部材の内部に埋め込んで固定すること、
または、ワイヤの端部を型枠部材に縛りつけて固定する
ことにより、支持地盤の変形に対してアスファルト保護
層を追従させて湾曲させることが可能であり、アスファ
ルト保護層が湾曲しても、その湾曲部が脱落したりする
ことがないように、ワイヤと内部補強部材により保持す
る作用を発揮させることができる。
【0020】また、構造物の周囲の支持地盤が大きく洗
掘作用を受けている場合等には、洗掘された部分の大き
く凹んでいる部分には、図8に示すように玉石28等を
埋めて、支持地盤5の表面を略平らに均して補正する作
業を行うことができる。前述したようにして、支持地盤
の表面に対する補正作業の後で、アスファルト混合物を
施工することにより、前記凹み部の玉石28をアスファ
ルトにより固化させて地盤の補正を行うとともに、基礎
保護部材の下層を構成する層27を施工して、一体化す
ることができる。そして、前記下層27の上に内部補強
部材30を敷き込み、その上に上層26を施工すること
により、所定の厚さのアスファルト保護層25を内部補
強部材を介在させる状態で施工する。したがって、前記
図8に示されるように、構造物1のフーチング2の周囲
が大きく洗掘されている状態の工事現場でも、内部補強
部材30を埋め込んだ状態のアスファルト保護層25を
容易に施工することが可能であり、型枠部材21により
周囲を囲まれた基礎保護部材を任意の大きさで構成する
ことができる。
【0021】本発明の基礎保護部材においては、前述し
たようにして、内部補強部材を挟む状態でアスファルト
混合物を2層に施工する方式を用いることの他に、図
9、10に示すように、アスファルト混合物を一度に打
設して構成することも可能である。まず、図9に示すよ
うに、構造物1に基部取り付け部材24を固定して、型
枠部材21との間にワイヤ22を配置し、前記ワイヤ2
2の上に内部補強部材30を一面に敷き込む。前記内部
補強部材30としては、例えば、金網等のように、比較
的目の粗いもの、または、金網状の部材と、帯状部材と
を組み合わせたものを使用し、アスファルト混合物に含
まれる骨材が金網等の目を通過して支持地盤5の上まで
落下できるようにする。そして、図10に示すように前
記構造物1と型枠部材21とに区画された区域に対し
て、アスファルト混合物を打設してアスファルト保護層
の上面を略平らに均すことにより、型枠部材の高さに対
応させて、一定の厚さのアスファルト保護層25を形成
することができる。
【0022】図11に示す例では、T型鋼21aを用い
て型枠部材を構成する場合を示しており、前記型鋼21
aは、ウエブ部分を下に向けて配置し、直立する状態の
フランジ部分にワイヤ22の端部を固定する。前記ワイ
ヤ22の端部をT型鋼の直立部分に取り付ける場合に
は、フランジ部分に設けた孔等にワイヤを挿入して任意
の手段により固定することができるものであるから、ワ
イヤの一端部を構造物1に設けた基部取り付け部材24
に固定して、型枠部材との間でのワイヤの長さを調整す
ることができる。したがって、前述したようなワイヤの
端部の固定方法を用いる場合には、ワイヤの両端部にア
イ等の固定手段をあらかじめ設けておく場合に比較し
て、型枠部材の配置位置の調整を容易に行うことがで
き、基礎保護部材構築に際しての作業性を良好に保つこ
とが可能である。
【0023】図12に示す例は、玉石等を入れた蛇籠2
1bを型枠部材として用いる場合を示しており、ワイヤ
22の端部23を蛇籠の針金に固定することや、型枠部
材の内部に挿入した鉄筋等を介して固定させることもで
きる。また、前記蛇籠やT型鋼等で構成する型枠部材
は、アスファルトブロックで構成する型枠部材の場合と
同様に、長いものとして構成することの他に、短いブロ
ック状のものを長さ方向に屈曲可能に接続し、その任意
のブロックに対してワイヤを接続することにより、構造
物と型枠部材の間の間隔を規定し、アスファルト混合物
の打設に対応させることができる。
【0024】前記各実施例に示されるようにして、構造
物の周囲に型枠部材を配置してアスファルト混合物の打
設範囲を規定し、内部補強部材をワイヤとともに配置す
る状態でアスファルト混合物を打設して基礎保護部材2
0を設置した場合には、アスファルト保護層が内部補強
部材とワイヤによる補強が行われたものとなるので、ア
スファルト保護層に対して湾曲作用が付与された場合に
も、アスファルト保護層に割れ目が生じたりすることが
防止される。例えば、図13に示すように、基礎保護部
材の施工部分の周囲で、支持地盤5に洗掘が発生した場
合に、洗掘された部分6に基礎保護部材の端部が落ち込
む状態となるが、基礎保護部材の端部に配置する型枠部
材21とともに、マット先端部が支持地盤に形成された
凹部に落ち込む状態となり、洗掘部分の斜面をマット部
材により覆うように基礎保護部材が湾曲される。したが
って、洗掘された部分の構造物側の斜面部分がマット部
材により覆われた状態となると、その後の洗掘は進行し
ないものとなり、基礎保護部材がそれ以上に変形するこ
とがなく、支持地盤の表面部分を基礎保護部材により覆
う状態で洗掘作用から保護することができる。
【0025】また、前述したようにして構成する基礎保
護部材において、アスファルト保護層に対する内部補強
部材をガラスクロスにより構成する場合、または、金網
を単独で用いる場合を例にして説明した。前記各実施例
の他に、本発明の基礎保護部材においては、型枠部材を
構造物に対して位置決めするための張力負担部材とし
て、例えば、任意の繊維材料で構成するロープ状の部材
を用いること、または、金網や、鋼製のネット部材を用
いて内部補強部材とワイヤの代りの部材として用いて構
成することも可能である。さらに、内部補強部材として
は、図14に示すように、金網部材33とガラスクロス
31のような布状部材とを重ねた重合させた材料で構成
することができる。さらに、前記布状部材としては、従
来より用いられているジオテキスタイルのような部材を
使用することも可能であり、前記ジオテキスタイルの、
織布状のものやネット状のもの等の任意の構造のものを
使用することが可能である。
【0026】なお、前記実施例では、橋台等の構造物を
設置した後で、洗掘の影響を受けた場合の保護手段につ
いて説明したが、本発明においては、橋台等を構築する
際に、最初から洗掘防止のアスファルト保護層を構築す
る場合にも適用が可能である。そして、前記マット部材
に対する張力部材と補強部材として金網や鋼製のネット
部材を用いる場合には、橋台を構築する際に、金網の端
部をコンクリート中に埋め込んで取り付けておくことが
できる。また、ワイヤ等を張力部材として用いる場合で
も、アンカーをあらかじめコンクリートに埋め込む状態
で橋台を構築することや、ワイヤの端部をコンクリート
中に埋め込んでおくことが可能である。それ等の基部部
材を利用して、橋台の周囲にアスファルト保護層を構築
することにより、橋台を構築する際に、あらかじめ洗掘
防止用の保護部材を設けることができる。
【0027】前記図14に示す内部補強部材30におい
ては、工場で金網部材33とガラスクロス31とを重ね
て一体化したものを用いることや、作業現場でガラスク
ロスを配置してから、その上に金網部材33を敷き込む
こと等の任意の配置方法を採用することができるもので
あり、前記金網部材とガラスクロスとの上下関係は任意
に設定することができる。また、金網部材を菱形金網で
構成する場合には、前記金網は一方向には屈曲させ得る
ものであるから、巻いた状態で施工現場に搬入し、ロー
ル状態のものを転がしながら基礎保護部材の施工範囲に
敷き込むことができるので、金網部材を配置する作業を
容易に行うことができる。
【0028】図15に示す内部補強部材30は、ガラス
クロスや、その他、繊維部材で作成し、任意の幅を有す
る帯状部材32を縦横に所定の間隔で配置し、各帯状部
材の交差部分を固定する処理を行って、目の粗いネット
状の内部補強部材を構成する場合を示している。前記帯
状部材32は、比較的比重の小さいものであるから、そ
れをアスファルト保護層の施工区域に敷き込む場合に
は、所定の間隔で重り部材32a……として鉄やその他
の比重の大きなものを取り付けて、水中で内部補強部材
が浮遊したり、位置決めが不正確になることを阻止する
手段を設けると、作業性を良好に維持できることにな
る。また、前記図14、15に示すような内部補強部材
は、ワイヤ22に対して針金等を用いて所定の間隔で固
定することにより、アスファルト混合物を打設する際
に、内部補強部材の位置決めを正確に行い、水流で大き
くあおられたりすることを防止できる。
【0029】前記アスファルト保護層を形成する際に、
ガラスクロスやジオテキスタイル等のような布状部材を
内部補強部材として使用する際に、水流により大きくあ
おられて、位置決めが容易に行い得ない場合が発生す
る。そのような問題が生じる場合には、布状部材に対し
て、点状におもり部材を取り付けることや、ワイヤやく
さり等の比重の大きな部材を線状に取り付けて、布状部
材の位置決めを容易に行い得るようにすることが可能で
ある。さらに、金網や鋼製のネット等の面状のおもり部
材を布状部材と一体に組み合わせて、図14に示すよう
な複合部材として構成する場合には、布状部材の敷設と
位置決めの作業を容易に行うことが可能である。前記内
部補強部材や、ワイヤ等のアスファルト保護層の内部に
挿入して配置する内部補強部材は、あらかじめアスファ
ルトに浸漬して、アスファルト保護層との親和性を向上
させる処理を行うことができる。前記ワイヤに対して
は、製造時に油分を用いずに作成したものを用いるこ
と、または、製造時の油分を除去する処理を行っておく
ことにより、アスファルト成分との付着性を良好に設定
することができる。
【0030】また、前記本発明の実施例では、構造物1
として、河川に設けた橋脚を対象にして説明したが、本
発明は、水上に上部を突出させて設ける構造物全般を対
象とすることができるものであって、波の荒い海域に設
けた構造物、例えば、ケーソンや防波堤等の海洋構造物
等に対しても、その基礎の保護のためにも適用できるも
のである。例えば、埋立地を造成する際に、仕切り堤防
を構築して埋立地の仕切りを行い、水位を調整するため
に水門を設けることが行われており、前記仕切り堤防や
水門の設置場所では、堤防等の下部に水が流通すること
を防止するために、ブランケットと呼ばれる不透水層を
設けている。前記ブランケットは、堤防等の構造物から
コンクリートの板状部材を所定の長さ突出させて配置す
る等の手段により構築され、構造物の下部の不透水層を
長く形成することにより、地盤の砂等が水圧により吸い
出されることを防止することができるものとされる。
【0031】ところが、前述したような止水構造を設け
る場合にも、ブランケットの端部が洗掘により掘られる
と、コンクリートの板部材の突出部材の下面の支持地盤
がなくなり、ブランケットが崩壊する等の問題が発生す
る。そこで、前記堤防等の構造物に対しても、従来のコ
ンクリート製のブランケットを配置することに代えて、
アスファルト製の止水構造物を取り付けて、洗掘の作用
に対処させることが考えられる。例えば、構造物の端部
に張力部材を取り付ける状態で、アスファルトマット状
のブランケットを配置することにより、そのマット部材
が柔軟性を有する性質を利用して、マットの先端部で洗
掘が発生した場合でも、その洗掘により掘削された凹部
にマットの端部が潜り込むことにより、それ以上の洗掘
が生じないようにする方法を用いることができる。前記
構造物に対してアスファルトマット状のブランケットを
配置する場合には、構造物の基部にアンカーを設けてお
き、前記各実施例に示したようにして、アスファルト混
合物の打設を行って構成することが可能であり、橋台の
場合と同様な工法を用いることができる。また、構造物
の側部に短いブランケットを一体に設けている場合に
は、前記ブランケットの端部にアンカーを設けておくこ
とにより、構造物施工後にマット状の止水構造物を構築
することができ、さらに、既設のアスファルトマットを
配置する場合には、そのマットの端部をアンカーに固定
して取り付ける工法を適用することが可能になる。そし
て、任意の長さのマット部材を張り出させる状態で、海
上構造物の側面に設けておく場合には、構造物の下部の
止水性能を良好に発揮させるとともに、洗掘の作用に対
して十分な抵抗力を保持させることが可能になる。
【0032】
【発明の効果】本発明の基礎保護部材は、前述したよう
にして、構造物の周囲の支持地盤に対して、所定の範囲
に基礎保護部材を施工することにより、支持地盤が水流
により洗掘されることを防止することが可能であり、基
礎の地盤が洗掘されることにより、構造物の支持作用に
問題が生じることを防止できる。また、本発明の水上構
造物基礎の洗掘防止工法は、既設の構造物の支持地盤が
洗掘された場合にも、基礎保護部材を施工することがで
きるもので、内部補強部材を内部に一体に埋め込んだ状
態のマット部材を、型枠部材により規定した範囲に所定
の厚さで施工することができるために、洗掘された支持
地盤に対する補強工事を容易に行うことが可能である。
さらに、本発明においては、アスファルト混合物を打設
する範囲をワイヤのような部材で構造物に接続する型枠
部材により区画し、その区画された範囲内に内部補強部
材を配置して、アスファルト混合物を施工するものであ
るから、基礎保護部材を構築する作業を容易に行うこと
ができる。そして、本発明の基礎保護部材では、基礎保
護部材の周囲の支持地盤が新たな洗掘作用を受けた場合
には、基礎保護部材の端部が湾曲して洗掘された部分を
保護する作用を行うので、基礎保護部材の下部が大きく
洗掘されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基礎保護部材における型枠部材と内
部補強部材の配置関係を示す平面図である。
【図2】 型枠部材とワイヤの取り付け状態の説明図で
ある。
【図3】 型枠部材を配置する状態の説明図である。
【図4】 下層を打設した状態の説明図である。
【図5】 下層の上に内部補強部材を配置した状態の説
明図である。
【図6】 アスファルト保護層を打設し終えた状態の説
明図である。
【図7】 型枠部材の他の配置状態の説明図である。
【図8】 洗掘された部分を含んでアスファルト保護層
を施工した場合の説明図である。
【図9】 ワイヤに沿わせて金網部材を配置した場合の
説明図である。
【図10】 アスファルト混合物を一度に打設してアス
ファルト保護層を作成する場合の説明図である。
【図11】 型枠部材としてT型綱を使用する例の説明
図である。
【図12】 型枠部材として蛇籠を使用する例の説明図
である。
【図13】 基礎保護部材の周囲が洗掘された場合の説
明図である。
【図14】 内部補強部材として使用する金網部材とガ
ラスクロスの複合材料の説明図である。
【図15】 内部補強部材として使用するガラスクロス
製の帯状部材の説明図である。
【図16】 構造物の周囲にアスファルトマットを敷設
する場合の説明図である。
【図17】 アスファルトマットの敷設状態の説明図で
ある。
【図18】 アスファルトマットの重合部が水流により
あおられる状態の説明図である。
【図19】 アスファルト層の端部が欠けて破損する状
態の説明図である。
【図20】 基礎マウンドを構築する場合の説明図であ
る。
【図21】 基礎マウンドが崩壊する状態の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 構造物、 2 フーチング、 5 支持地
盤、6 洗掘された部分、 10 アスファルトマ
ット、15 アスファルト層、 20 基礎保護部
材、 21 型枠部材、22 ワイヤ、 25
アスファルト保護層、 30 内部補強部材、31
ガラスクロス、 33 金網部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和木 多克 神奈川県横浜市旭区鶴ヶ峰1−29−4 ワ ールドエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 野々田 充 東京都大田区多摩川2丁目11番20号 日本 道路株式会社内 (72)発明者 佐藤 光洋 東京都中央区京橋3丁目13番1号 有楽ビ ル内 大成ロテック株式会社内 (72)発明者 松崎 勝夫 東京都港区赤坂2丁目10番9号 日本海上 工事株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水流により洗掘を受ける構造物の基礎
    に、型枠部材を支持する張力部材の基部を配し、 前記張力部材の他端部に型枠部材を配し、多数の型枠部
    材を列状に配置してアスファルト混合物を充填する範囲
    を規定し、 前記型枠部材により囲まれる部分に対して内部補強部材
    を配置するとともに、アスファルト混合物を施工して、
    構造物の基礎の周囲に基礎保護部材を構築することを特
    徴とする水上構造物基礎の洗掘防止工法。
  2. 【請求項2】 前記内部補強部材として布状部材を用
    い、下層のアスファルト混合物を打設した上に内部補強
    部材を配置して、その上面に上層のアスファルト層を打
    設することにより、内部補強部材を一体に設けた基礎保
    護部材を構成することを特徴とする請求項1に記載の水
    上構造物基礎の洗掘防止工法。
  3. 【請求項3】 前記内部補強部材を金網と布状部材を重
    ねたもので構成し、張力部材に対して設置することを特
    徴とする請求項1に記載の水上構造物基礎の洗掘防止工
    法。
  4. 【請求項4】 前記型枠部材をアスファルトまたは鉄の
    ような比重の大きな材料を用いて構成し、張力部材の端
    部を固定する手段を設けることを特徴とする請求項1に
    記載の水上構造物基礎の洗掘防止工法。
  5. 【請求項5】 前記内部補強部材を金網部材により構成
    し、構造物の基礎と型枠部材との間に配置する張力部材
    とともに金網部材を配置して、アスファルト混合物を1
    回で打設し、前記内部補強部材を埋め込む状態で基礎保
    護部材を構築することを特徴とする請求項1に記載の水
    上構造物基礎の洗掘防止工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011156535A (ja) * 2006-09-01 2011-08-18 World Engineering Kk 遮水壁の構築工法
CN115287999A (zh) * 2022-07-25 2022-11-04 中国港湾工程有限责任公司 临时钢栈桥支撑模块及支撑结构

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