JPH09145588A - ノズル内壁の撥液性評価方法 - Google Patents

ノズル内壁の撥液性評価方法

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JPH09145588A
JPH09145588A JP29993495A JP29993495A JPH09145588A JP H09145588 A JPH09145588 A JP H09145588A JP 29993495 A JP29993495 A JP 29993495A JP 29993495 A JP29993495 A JP 29993495A JP H09145588 A JPH09145588 A JP H09145588A
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拓也 近藤
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洋一 寺井
Masaji Nakanishi
正次 中西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、細いノズルを有する部品のノズル
内壁の撥液性を評価する方法に関し、特に部品を溶液中
にノズル長さの途中まで浸漬または引き上げる際の重量
変化の挙動、浸漬した時にノズルに流入した溶液量、ま
たは流入した溶液を噴出するのに必要な圧力で判定する
ノズル内壁の撥液性評価方法を提供する。 【解決手段】 少なくともノズル内に撥液処理を施した
撥液処理部品の撥液性を評価する方法であって、評価対
象品を計量器に吊下し、前記ノズルの先端部を溶液中に
浸漬させた時の、前記溶液とノズル内壁の撥液処理によ
る濡れ性に基づく重量変動特性から撥液性の有無を判断
することを特徴とする。また、重量変動が溶液に浸漬し
た際に、一旦増加し、その後減少する変動の発生をもっ
て撥液性無しと判断し、一方、最初から重量が減少する
変動の発生をもって撥液性有りと判断することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細いノズルを有す
る部品のノズル内壁の撥液性を評価する方法に関し、特
に部品を溶液中にノズル長さの途中まで浸漬または引き
上げる際の重量変化の挙動、浸漬した時にノズルに流入
した溶液量、または流入した溶液を噴出するのに必要な
圧力で判定するノズル内壁の撥液性評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関等の燃料噴射弁(以下、インジ
ェクタと呼称する)では、バルブの開閉によって、確実
に燃料を遮断または適量の流量を流さなければならな
い。また、燃料中にはオイル、添加物、水分等の異物が
存在し、これが作動中に堆積しデポジットと称する堆積
物が、燃料等の流れの障害となる。デポジットが堆積す
るとインジェクタ構成部品が高精度に製作されていて
も、燃料流の障害となり内燃機関では問題となってく
る。最近では、このような細孔を有する部品において、
液体を噴射するノズルの目詰まりを防止するため、ノズ
ル内壁に撥液処理を施すことが考えられている。例え
ば、特開平6−8416号公報には、ノズルオリフィス
が撥水処理を施してある記録ヘッドを用いることによ
り、目詰まり、吐出信頼性を実現するインクジェット記
録方法が開示されている。この場合には、ノズルオリフ
ィスとインクの濡れ性によって大きく左右されること、
また水に不溶の化合物を添加したインクの場合ノズルオ
リフィスで必ず乾燥による固化を発生することが開示さ
れている。
【0003】この場合、実際に撥液処理膜がノズル内壁
に確実に形成されていなければ所望の効果が期待できな
いため、撥液処理膜が形成されていることを確認・評価
することが重要となる。従来は、例えば直径200μm
程度のノズル内壁の撥液性を評価するため、機械加工に
よってノズルを半割りしたのち、顕微鏡観察、SEM観
察、オージェ分光分析法等を用いて評価していた。
【0004】上記従来の方法は、いずれもノズルを半割
りすることが前提となっており、ノズルを半割りするこ
とは熟練と多工程加工を必要とするため時間・費用が掛
かると共に、ノズル半割内壁は凹面であるため、一般的
な撥液性の評価に用いられている水滴の接触角測定法が
利用できないため、撥液性の直接評価が困難という問題
がある。そこで、ノズルを半割りする必要のない非破壊
評価方法が求められている。
【0005】この対策として、本発明者等は液面形状と
液面高さに着目した評価手法を特願平7−143600
号で提案した。この方法は精度的に優れているが、超音
波検出器等の高価な装置を必要とするため、更に簡便な
評価方法が望まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来方法では、細孔の
切断加工効率の向上から放電加工機等が考えられるが、
これでは発生するスパッタが半割細孔の内壁に付着する
ため採用出来ず、現状では加工前に保護樹脂を細孔内部
に挿入した後で、フライス加工によって半割し、その後
で保護樹脂を取除くという作業に頼っている。また、本
発明者等は液面形状と液面高さに着目した評価手法を特
願平7−143600号で提案したが、これは流入する
溶液の液面形状及び液面高さに着目した評価手法であっ
て、超音波検出器、発光・受光光度検出器等が必要とな
り、コストを引き上げることになる。本発明の目的は、
上記のような従来の問題に鑑みその改善方法を検討し、
部品を溶液中にノズル長さの途中まで浸漬する際の重量
変化挙動を検討し、この撥液処理有り無しでの重量変化
挙動によってノズル内壁の撥液性評価方法を提供する。
【0007】また、本発明の他の目的は、ノズル内壁の
撥液性に応じて流入する溶液量が撥液処理有無に依存す
ることを利用して、この時、有色溶液または溶液に濡れ
ると発色する紙を用いて流入溶液量を簡便に測定できる
ノズル内壁の撥液性評価方法を提供する。さらに、本発
明の別の目的は、撥液処理の有無による溶液のノズル流
入し易さの差異から、一端流入した溶液を噴出させるに
必要な圧力が撥液処理の有無によって変化する点に着目
し、これによるノズル内壁の撥液性評価方法を提供す
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、少なくと
もノズル内に撥液処理を施した撥液処理部品の撥液性を
評価する方法であって、評価対象品を計量器に吊下し、
前記ノズルの先端部を溶液中に浸漬させた時の、前記溶
液とノズル内壁の撥液処理による濡れ性に基づく重量変
動特性から撥液性の有無を判断することを特徴とするノ
ズル内壁の撥液性評価方法によって達成される。
【0009】また、上記の目的は、前記方法において、
重量変動が溶液に浸漬した際に、一旦増加し、その後減
少する変動の発生をもって撥液性無しと判断し、一方、
最初から重量が減少する変動の発生をもって撥液性有り
と判断することを特徴とするノズル内壁の撥液性評価方
法によっても達成される。さらに、上記の目的は、少な
くともノズル内に撥液処理を施した撥液処理部品の撥液
性を評価する方法であって、天秤の一端に撥液処理品ま
たは未処理品の何れか一方を取付け、他端に評価対象品
を取付けて両方を同時に溶液に浸漬し、前記溶液とノズ
ル内壁の撥液処理による濡れ性に基づく重量変動によっ
て天秤が傾くか否かで撥液性の有無を判断することを特
徴とするノズル内壁の撥液性評価方法によっても達成さ
れる。
【0010】また、上記の目的は、少なくともノズル内
に撥液処理を施した撥液処理部品の撥液性を評価する方
法であって、溶液を入れた容器を計量器上に載置し、評
価対象品のノズル部を溶液内に浸漬し、前記溶液とノズ
ル内壁の撥液処理による濡れ性に基づく引き上げる際の
または浸漬時に加えて引き上げる際の重量変動特性から
撥液性の有無を判断することを特徴とするノズル内壁の
撥液性評価方法によっても達成される。さらに、上記の
目的は、少なくともノズル内に撥液処理を施した撥液処
理部品の撥液性を評価する方法であって、評価対象品の
ノズル部を溶液に浸漬し引上げた後、溶液吸収紙をノズ
ル先端に当て、ノズル内壁の撥液処理による濡れ性に基
づくノズルの残存溶液を紙に吸収させ、前記残存溶液に
よる該紙の変色部の大きさで撥液性の有無を判断するこ
とを特徴とするノズル内壁の撥液性評価方法によっても
達成される。
【0011】また、上記の目的は、前記方法において、
前記紙が溶液吸収および/または溶液との化学反応によ
り変色する特性を有することを特徴とするノズル内壁の
撥液性評価方法によっても達成される。さらに、上記の
目的は、少なくともノズル内に撥液処理を施した撥液処
理部品の撥液性を評価する方法であって、未処理品の場
合にできる変色部を含み、かつ撥液処理品の場合にでき
る変色部を含まない位置に2本の電極を取付けた溶液吸
収紙を準備し、評価対象品のノズル部を溶液に浸漬し引
上げた後、溶液吸収紙をノズル先端に当て、ノズルの残
存溶液を紙に吸収させ、このときの電気抵抗の変化を測
定することにより撥液性の有無を判断することを特徴と
するノズル内壁の撥液性評価方法によっても達成され
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、次の知見によって達成
したものである。すなわち、部品を溶液中にノズル長さ
の途中まで浸漬する際の重量変化挙動を測定したとこ
ろ、図2に示すように撥液処理有り無しで重量変化挙動
が異なった。その原因は、ノズル内壁の撥液性に応じて
溶液の流入高さが異なることに起因する。図2の結果よ
り、部品浸漬深さ0から0.5mmの場合ノズルに流入す
る溶液量は撥液処理有無に依存してON−OFF挙動を
示す。この時、有色溶液または溶液に濡れると発色する
紙を用いれば、流入溶液量を簡便に測定可能となる。
【0013】図2は撥液処理の有無によって溶液のノズ
ル流入し易さが異なることと同じである。したがって、
一端流入した溶液を噴出させるのに必要な圧力が撥液処
理の有無によって変化すると考えられる。前記特願平7
−143600号では、図4(a)および(b)に示す
ように、部品1を溶液3に浸漬し、超音波を超音波探触
子8から発信し、ノズル内溶液面から反射する超音波を
受信して、ノズル内溶液面高さLnによって撥液膜位置
を測定するものであった。その時のノズル浸漬深さLw
は溶液の表面張力によるが、一般にはノズル内溶液面高
さLnより小さい。この方法では、超音波法などの最新
技術を必要としたが今回の考案では、重量測定・発色判
定・圧力測定と通常広く用いられる簡便手法で評価可能
となる。また、本発明ではノズル内壁の撥液性をON−
OFFで評価するのみで、定量的な評価を対象としてい
ないが、数十nmと薄く無色透明で処理した撥液処理膜の
存在を、非破壊的手段によって検定可能である。
【0014】本発明の第一および第二発明では、撥液処
理品はその撥液性のためノズル内に溶液が侵入しないの
に対し、未処理品のノズル内にはその濡れ性により溶液
が侵入する。従って、未処理品の場合、溶液に浸漬する
と、先ず溶液の侵入により重量が一旦重くなった後、浮
力により除々に軽くなるのに対し、撥液処理品の場合に
は溶液が侵入しないため、最初から浮力の影響を受けて
除々に軽くなるという変動特性を示す。このため、浸漬
直後の重量の変動を見ることにより撥液性の評価が可能
となる。
【0015】本発明の第三発明では、天秤が傾けば評価
対象品は基準品と異なり、傾かなければ基準品と同じと
判断できる。また、第四発明では、撥液処理品の場合、
引上げ時に溶液がノズル内に残るので、溶液+容器の重
量はその分軽くなる。さらに、第五発明では、未処理品
の場合はノズル内に溶液が残存しているため大きな変色
部ができ、逆に撥液処理品の場合にはノズル先端に溶液
が僅かに付着しているため小さな変色部となる。従っ
て、溶液の変色部の大きさにより撥液性の有無が判断で
きる。また、第六発明では、変色部に色がつくため、識
別が容易となる。さらに、第七発明では、目視判定では
無く機器評価が可能となる
【0016】以下、本発明の特徴について、さらに詳述
する。まず、第一の特徴は、図3(a)および(b)に
示すように、ノズルを下側にして部品を水に接触させる
た時に、未処理品(a)ではノズル内に水が入り込むの
に対して、撥液処理部品(b)ではノズル内にほとんど
水が入り込まない。したがって、部品を水に浸漬させる
過程の重量変化が異なることになる。未処理品では一旦
重量が重くなりその後浮力によって軽くなるのに対し、
撥液処理部品では浮力によって重量が軽くなる。この反
対の重量変化が浸漬する溶液重量に現れる。このことか
ら、本発明では、浸漬中の部品または溶液の重量変化か
ら撥液処理の有無が判別可能であり、重量測定は超音波
検出より、簡便で低コストに実施可能である。
【0017】次に、第二の特徴は、浸漬後に引き上げた
時のノズル内の状況も変わる。未処理品ではノズル内に
水が残っており、撥液処理部品ではノズル内にほとんど
水が残っていない。このことから、浸漬後に引き上げた
部品を、濾紙のような吸水性の強いものに押し付けると
未処理品ではノズル内の水が染み出して色が変わる領域
ができるのに対し、撥液処理部品ではほとんど変色部が
できない。さらに、溶液に水を用いると容易に乾燥して
濾紙の変色部が消えてしまう。そこで塩化コバルトのよ
うに水和物をつくり色の変わる物質を濾紙に含ませる。
または、溶液を酸性またはアルカリ性にして、リトマス
溶液またはフェノールフタレン溶液を含ませておけば着
色して、乾燥してすぐに色が消えることもない。このこ
とから、本発明では、浸没後に引き上げた部品を濾紙に
押し付け、ノズル部周辺の変色部の大きさを比較すれば
撥液処理の有無が判別可能とする。
【0018】なお、本発明での撥液処理品の構成材料お
よび浸漬溶液の代表例としてステンレス鋼および水につ
いて、それらの表面張力を表1に示す。本発明において
は溶液の表面張力が処理品および未処理品の表面張力の
中間の値であればよい。
【0019】
【表1】
【0020】以下、本発明について実施例の添付図面を
参照してさらに詳述する。 実施例1 本実施例は、浸漬過程の重量変化による各種測定法であ
り、次のような方法で実施した。図3(a)および
(b)には、ノズルを下側にして部品を溶液(水)に浸
没させた時の、未処理品(a)と撥液処理品(b)の溶
液面とノズル内溶液面を示す。未処理面と、溶液を水と
した場合の水の表面張力はほぼ同等であり、良く濡れて
ノズル内に水が入り込むのに対して、撥液処理面の表面
張力は小さく水をはじくためノズル内にほとんど水が入
り込まない。
【0021】この差を区別するため、部品1を上下駆動
台6に取り付けた重量計5に吊り下げて浸漬するように
した。その概要を図1に示す。こうして求めた、部品重
量・ノズル内水面高さと部品浸漬深さとの関係を図2に
示す。自動車のインジェクタ等では0.1mgの差を検出
できれば区別可能であり、比較的安価な秤を用いれば測
定可能となる。本実施例では、定量的な重量変化を精度
良く測定する必要はなく、図2に示すように入水前後の
重量変動を測定可能であればよい。従って、かなり安価
な重量計でよいと言える。
【0022】前記重量計の一例として片持ちハリ方式の
ものを図5に示す。片持ちハリ10の上面に歪みゲージ
11を貼り付けただけのものであり、手作りが可能で安
価である。この方式は定量的な重量測定は精度が悪いも
のの、重量変化の検出能力は高く、図2のような重量変
化曲線を取るには充分な能力を有す。
【0023】前記重量計の替わりに天秤を採用した実施
例を図6に示す。片方に撥液処理品を吊り下げ、もう一
方に評価対象品を吊り下げる。浸漬時の天秤13の変化
で評価ができる。対象品の方が下になれば未処理品であ
り、変化が無ければ撥液処理品と判定される。この方式
では、図2のような重量変化曲線は取れないが、重量変
化の検出能力は高く、簡便である。前記重量計を溶液側
に装着した実施例を図7に示す。その場合の重量変化曲
線を図8に示す。重量計14として直視型天秤を静止台
の方に装着することになり、浸漬時の揺れなどの誤差要
因を低減できる。今回は重量計にメトラー社の直視デジ
タル天秤を用いた。
【0024】実施例2 本実施例は、流入溶液を染み出すことによりその領域を
検出する方法であり、次の条件で実施した。本実施例に
基づく検査法を図9に示す。溶液3としては水を用い
る。浸漬後に濾紙にノズル先端を押し付ける。未処理品
ではノズル内の水が染み出して変色部ができるのに対
し、撥液処理品ではほとんど黒色部ができない。変色部
の大きさで未処理品または撥液処理品の分別が可能であ
る。本実施例では、押し付け後に濾紙が容易に乾燥して
変色部の大きさが減少してしまう。そのため評価を迅速
に行うか、評価ルームの湿度を高くしておく必要があ
る。
【0025】前記実施例の乾燥による変色部の減少を回
避するため、濾紙に塩化コバルトのように水があると水
和物をつくり変色する物質を含ませる。塩化コバルト
は、乾燥時は青色を呈し、水和物となると白赤色を呈す
る。この反応は可逆反応であるものの、一端水和物にな
ると常温では乾燥し難い。したがって、白赤色の変色部
は安定となり、評価タイミング管理に対する必要条件は
緩くなり許容範囲は拡大する。また、使用後の濾紙は、
200℃程度に加熱乾燥してやれば再使用可能である。
その実施例を図10に示す。本実施例において、さらに
溶液に塩酸を含ませて酸性又はNaを溶かしてアルカリ
性にし、濾紙にリトマス溶液又はフェノールフタレン溶
液を含ませる。こうすれば、溶液が有れば着色して、乾
燥して色が消えることもなく安定して判定が可能とな
る。
【0026】前記実施例では、変色部の大きさの人によ
る目視判定を必要としていた。そこで器機評価を可能と
するため、ノズル内の溶液の染み出しによる濾紙の電気
抵抗の変化を測定する方式を図11に示す。未処理品の
場合に出来る変色部を含むように2本の電極15とこれ
に電流計16を接続して濾紙の裏に貼り付けて電気抵抗
の変化を測定する。抵抗が小さくなれば未処理品と判定
可能である。
【0027】実施例3 本実施例では、デポジット付着抑制のために、撥液処理
を行ったガソリンエンジン用インジェクタに本発明を適
用した場合である。まず、本実施例の判定の前提条件は
次のとおりである。 インジェクタの撥液処理は図12に示すように、撥液処
理溶液に部品先端を浸漬する方法を用いた。この方法で
は、インジェクタ1のノズル内壁だけでなく、部品頭頂
部18にも撥液処理が同時かつ同様に施される。 そのため、評価対象となる部品の撥液処理部位はノズ
ル内壁と頭頂部の2箇所になる。従って、撥液処理品と
未処理品におけるインジェクタ先端を水に浸漬する際の
液面形状は図13に示すようになり、重量変化の差は極め
て顕著になる。
【0028】更に、水に浸漬した部品を引き上げる際
の挙動については、図17に示すように未処理品では、濡
れた水を引き上げることになり、撥液処理品と未処理品
における重量変化の挙動はさらに違ってくる。 前記前提条件に基づく本実施例では、浸漬過程の重量変
化を測定したものである。ノズルを下側にして部品を水
に浸漬させた時の、未処理品と撥液処理部品の部品重量
と部品浸漬深さとの関係を図14に示す。本実施例のイン
ジェクタでは、10mgの差を検出できれば区別可能であ
り、比較的安価な秤を用いれば測定可能となる。本実施
例では、定量的な重量変化を精度良く測定する必要はな
く、入水前後の重量変化を測定可能であればよい。従っ
て、図15に示すように設置出来ればよく、安価な重量計
5が利用可能となる。
【0029】本実施例では、重量計の替わりに、図16の
ように、天秤13を採用することも可能である。この図
では、片方に撥液処理品を吊り下げ、もう一方に評価対
象品を吊り下げる。浸漬時の天秤の変化で評価ができ
る。対象品の方が下になれば未処理品であり、変化が無
ければ撥液処理品と判定される。この方式では、図2の
ような重量変化曲線は取れないが、重量変化の検出能力
は高く簡便である。
【0030】実施例4 本実施例は実施例3と同様な前提条件によって、引き上
げ過程の重量変化を測定するものである。本実施例にお
ける水に浸漬した部品を引き上げる際の重量変化挙動を
図17および図18に示す。未処理品では濡れた水を通常水
面より高くまで引き上げることになり、浸漬深さがマイ
ナスまで(水面より高くなるまで)重量が増加すること
になる。撥液処理品では水の濡れがほとんど無く、引き
上げ時の重量変化挙動は浸漬時のほぼ逆過程となる。従
って、撥液処理品と未処理品における重量変化の挙動は
更に顕著に違ってくる。これを利用すれば、重量計とし
て比較的簡便なものが利用可能となる。
【0031】また、図19に示すように重量計として、直
視デジタル天秤14を溶液側に装着することも可能とな
る。その場合の重量変化曲線を図20に示す。すなわち、
撥液処理品では水の濡れがほとんど無く、一方未処理品
では濡れた水を通常水面より引き上げることになり、両
者において重量変化挙動は図18のほぼ逆過程となる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、撥液処理品の撥液特性
に対して、ノズル内に溶液が侵入するか否かを判断し、
その重量変化挙動によって判定するもので、このため、
浸漬直後の重量の変動を把握することにより撥液性の評
価を可能とするもので、比較的安価な装置によって判定
可能である。また、天秤等によって一方に傾けば評価対
象品は基準品と異なり、傾かなければ基準品と同じと判
断できる等の製造ライン上においても、迅速に判定可能
である。さらに、溶液がノズル内に残るので、未処理品
の場合はノズル内に溶液が残存しているため大きな変色
部ができ、逆に撥液処理品の場合にはノズル先端に溶液
が僅かに付着しているだけのため小さな変色部となる。
従って、溶液の変色部の大きさにより撥液性の有無が判
断でき、これの機器判定による自動化も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る重量計による判定方法
を示す図である。
【図2】本発明の実施例1に係る重量計による浸漬直後
の重量の変動挙動を示す図である。
【図3】本発明の実施例1に係るノズルへの溶液侵入状
況を示す図で、(a)未処理品(b)処理品の図であ
る。
【図4】従来の超音波による撥液性の測定方法を示す図
である。
【図5】本発明の実施例1に係る歪みゲージによる浸漬
直後の重量の変動による判定方法を示す図である。
【図6】本発明の実施例1に係る天秤による浸漬直後の
重量変動による判定方法を示す図である。
【図7】本発明の実施例1に係る天秤を容器側に設けて
浸漬直後の重量変動による判定方法を示す図である。
【図8】前記図7の方法による浸漬直後の重量の変動挙
動を示す図である。
【図9】本発明の実施例2に係る流入溶液染みだし領域
検出法を示す図である。
【図10】本発明の実施例2に係る流入溶液染みだし領
域検出法で、変色物質を使用した例を示す図である。
【図11】本発明の実施例2に係る流入溶液染みだし領
域検出法で、電気抵抗を利用した例を示す図である。
【図12】本発明の実施例3に係るインジェクターのノ
ズルおよび部品頭頂部の撥液処理時の状況を示す図であ
る。
【図13】本発明の実施例3に係るインジェクターのノ
ズルの撥液処理による浸漬直後の状況を示す図である。
【図14】本発明の実施例3に係るインジェクターのノ
ズルの撥液処理による浸漬直後の重量の変動挙動を示す
図である。
【図15】本発明の実施例3に係るインジェクターのノ
ズルの撥液処理による浸漬直後の重量の変動による判定
方法を示す図である。
【図16】本発明の実施例3に係るインジェクターのノ
ズルの天秤による判定方法を示す図である。
【図17】本発明の実施例4に係るインジェクターのノ
ズルの引き出し時の状況を示す図である。
【図18】本発明の実施例4に係るインジェクターのノ
ズルの引き出し時の重量の変動挙動を示す図である。
【図19】本発明の実施例4に係る天秤を容器に設けて
浸漬直後の重量の変動により判定する方法を示す図であ
る。
【図20】本発明の実施例4に係る天秤を容器側に設け
て浸漬直後の重量変動挙動を示す図である。
【符号の説明】
1…部品 2…容器 3…溶液 4…ノズル部 5…重量計 6…上下駆動台 7…メニスカス 8…超音波探触子 9…超音波発信受信器 10…片持ちハリ 11…歪みゲージ 12…動歪み計 13…天秤 14…直視デジタル天秤 15…電極 16…電流計 17…インジェクタ 18…部品頭頂部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともノズル内に撥液処理を施した
    撥液処理部品の撥液性を評価する方法であって、評価対
    象品を計量器に吊下し、該ノズルの先端部を溶液中に浸
    漬させた時の、該溶液とノズル内壁の撥液処理による濡
    れ性に基づく重量変動特性から撥液性の有無を判断する
    ことを特徴とするノズル内壁の撥液性評価方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、重量変動が溶液に浸
    漬した際に、一旦増加し、その後減少する変動の発生を
    もって撥液性無しと判断し、一方、最初から重量が減少
    する変動の発生をもって撥液性有りと判断することを特
    徴とするノズル内壁の撥液性評価方法。
  3. 【請求項3】 少なくともノズル内に撥液処理を施した
    撥液処理部品の撥液性を評価する方法であって、天秤の
    一端に撥液処理品または未処理品の何れか一方を取付
    け、他端に評価対象品を取付けて両方を同時に溶液に浸
    漬し、該溶液とノズル内壁の撥液処理による濡れ性に基
    づく重量変動によって天秤が傾くか否かで撥液性の有無
    を判断することを特徴とするノズル内壁の撥液性評価方
    法。
  4. 【請求項4】 少なくともノズル内に撥液処理を施した
    撥液処理部品の撥液性を評価する方法であって、溶液を
    入れた容器を計量器上に載置し、評価対象品のノズル部
    を溶液内に浸漬し、該溶液とノズル内壁の撥液処理によ
    る濡れ性に基づく引き上げる際のまたは浸漬時に加えて
    引き上げる際の重量変動特性から撥液性の有無を判断す
    ることを特徴とするノズル内壁の撥液性評価方法。
  5. 【請求項5】 少なくともノズル内に撥液処理を施した
    撥液処理部品の撥液性を評価する方法であって、評価対
    象品のノズル部を溶液に浸漬し引上げた後、溶液吸収紙
    をノズル先端に当て、ノズル内壁の撥液処理による濡れ
    性に基づくノズルの残存溶液を紙に吸収させ、該残存溶
    液による該紙の変色部の大きさで撥液性の有無を判断す
    ることを特徴とするノズル内壁の撥液性評価方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記紙が溶液吸収お
    よび/または溶液との化学反応により変色する特性を有
    することを特徴とするノズル内壁の撥液性評価方法。
  7. 【請求項7】 少なくともノズル内に撥液処理を施した
    撥液処理部品の撥液性を評価する方法であって、未処理
    品の場合にできる変色部を含み、かつ撥液処理品の場合
    にできる変色部を含まない位置に2本の電極を取付けた
    溶液吸収紙を準備し、評価対象品のノズル部を溶液に浸
    漬し引上げた後、溶液吸収紙をノズル先端に当て、ノズ
    ルの残存溶液を紙に吸収させ、このときの電気抵抗の変
    化を測定することにより撥液性の有無を判断することを
    特徴とするノズル内壁の撥液性評価方法。
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