JPH0915035A - 適応信号処理方法及びその装置、騒音または振動寄与率の検出方法、騒音または振動の伝達特性推定方法、騒音または振動の抑圧方法、及び騒音または振動環境の模擬方法 - Google Patents

適応信号処理方法及びその装置、騒音または振動寄与率の検出方法、騒音または振動の伝達特性推定方法、騒音または振動の抑圧方法、及び騒音または振動環境の模擬方法

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JPH0915035A
JPH0915035A JP7160259A JP16025995A JPH0915035A JP H0915035 A JPH0915035 A JP H0915035A JP 7160259 A JP7160259 A JP 7160259A JP 16025995 A JP16025995 A JP 16025995A JP H0915035 A JPH0915035 A JP H0915035A
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Masanori Watabe
眞徳 渡部
Yasushi Takano
靖 高野
Shinichi Shimoide
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Katsuo Oki
克夫 大木
Gichu Ota
義注 太田
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高精度に音響系または振動系のインパルス応
答を解析できる適応信号処理方法およびそれを用いた装
置を提供する。 【構成】 複数点において検出される騒音または振動の
各信号をそれぞれ1段目適応フィルタ431〜433に
入力し、その出力信号の和と、騒音もしくは振動を評価
する評価点で検出される騒音の信号との差e1が最小に
なるように、前記適応フィルタ431〜433の係数を
更新し、さらに、前記複数点での検出信号を2段目適応
フィルタ434〜436に入力し、その出力信号の和と
前記差e1との差e2が最小になるように、前記適応フ
ィルタ434〜436を更新する。さらに各適応フィル
タ入力を遅延回路421〜426により遅延させる。 【効果】 適応フィルタを2段設け、さらに、適応フィ
ルタと遅延時間の組み合わせによって、様々な音響場の
インパルス応答を表現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1個または複数の信号
から評価点における信号を合成するように適応ディジタ
ルフィルタの特性を定め、これにより音響系または振動
系のインパルス応答を解析するようにした適応信号処理
方法及びその装置と、その方法を用いた騒音または振動
寄与率の検出方法、騒音または振動の伝達特性推定方
法、騒音または振動の抑圧方法、及び騒音または振動環
境の模擬方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、音波の空間伝達特性の推定、
機器等からの騒音振動の測定やその低減のために、適応
信号処理を用いた方法が数多く提案されている。そのう
ち、音源または振動源の影響の度合を調べる寄与診断方
法等の従来例として、特開平5−26722号が挙げら
れる。これは 機器等の周辺の複数点で検出される騒
音、もしくは振動の各信号をそれぞれ適応フィルタに入
力し、その適応フィルタの出力信号の和と、騒音もしく
は振動を評価する評価点で検出される騒音もしくは振動
の信号との残差が最小になるように、前記適応フィルタ
の係数を更新し、一定値に収束した時の各適応フィルタ
の出力信号を用いて、評価点における騒音もしくは振動
に対して音源もしくは振動源が寄与している度合を解析
するものである。
【0003】また、音波の空間伝達特性の推定では、信
号発生源からの信号を適応フィルタに入力し、前記適応
フィルタの出力信号と、前記信号発生源からの信号を音
波として空間に放射し、設置した測定点で検出される騒
音情報の信号との差の残差信号が最小になるように、適
応フィルタの係数を更新し、そのフィルタ係数を収束さ
せ、収束した適応フィルタ係数を用いて測定点までの空
間の伝達特性を推定していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の適応信
号処理方法では、高残響場等の残響時間の長い環境での
場合、インパルス応答が精度よく推定できないため、適
応フィルタの出力信号の和と、騒音もしくは振動の評価
点で検出される騒音もしくは振動の信号との残差が適応
し切れずに、多く残ってしまうという問題がある。さら
に、直接波と反射波の時間間隔が長い場合には、反射波
まで表現しようとすると、適応フィルタのタップ数を多
くとる必要があった。
【0005】本発明の目的は、高残響場等での騒音・振
動の測定や音源・振動源の寄与診断等を正確に行え、構
成の簡単な適応信号処理方法及びその装置と、その方法
を用いた騒音または振動寄与率の検出方法、騒音または
振動の伝達特性推定方法、騒音または振動の抑圧方法、
及び騒音または振動環境の模擬方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1の1個又
は複数個の時系列信号を1個又は複数個の1段目適応フ
ィルタの各々に入力し、該適応フィルタの出力信号の和
と前記第1の時系列信号とは別の第2の時系列信号との
差を表す第1の残差信号が最小になるように、前記1段
目適応フィルタの係数を更新するとともに、前記第1の
時系列信号を1個又は複数個の2段目適応フィルタの各
々に入力し、該適応フィルタの出力信号の和と前記第1
の残差信号との差を表す第2の残差信号が最小になるよ
うに前記2段目適応フィルタを更新することを特徴とす
る適応信号処理方法を開示する。
【0007】また本発明は、前記1段目及び2段目の適
応フィルタに入力される前記第1の時系列信号を、その
遅延時間が可変な遅延手段により遅延できるようにした
ことを特徴とする適応信号処理方法を開示する。
【0008】また本発明は、上記した適応信号処理方法
を用いて、前記第1の時系列信号を、騒音又は振動発生
源周辺に設けた複数の測定点に於て検出した複数の騒音
又は振動の検出信号とし、且つ前記第2の時系列信号を
前記騒音又は振動発生源からの騒音又は振動を評価する
ために設けた評価点に於て検出した騒音又は振動の検出
信号としたときの適応信号処理を行い、該処理終了時の
前記適応フィルタの各出力から、当該出力に対応する前
記測定点に於る検出信号の、前記評価点に於る検出信号
に対する寄与率を求めることを特徴とする騒音又は振動
の寄与率の検出方法を開示する。
【0009】また本発明は、上記した適応信号処理方法
を用いて、前記第1の時系列信号を、騒音又は振動発生
手段に印加する騒音又は振動信号とし、且つ前記第2の
時系列信号を、前記騒音又は振動発生手段から発生させ
た騒音又は振動を評価する評価点に於て検出された検出
信号として適応信号処理を行い、該処理終了時の前記各
適応ディジタルフィルタの係数から、前記騒音又は振動
発生手段から前記評価点に到る騒音又は振動の伝達特性
を推定することを特徴とする騒音又は振動の伝達特性推
定方法を開示する。
【0010】また本発明は、補償用の騒音又は振動発生
手段から騒音又は振動を発生することにより、騒音又は
振動発生源からの騒音又は振動を評価点に於て抑圧する
ための騒音又は振動の抑圧方法に於て、上記した騒音又
は振動の伝達特性推定方法を用いて、前記補償用騒音又
は振動発生手段から前記評価点に到る騒音又は振動の伝
達特性を推定し、前記騒音又は振動発生源の近傍に於て
検出した基準騒音又は振動を前記推定した伝達特性で処
理した信号と、前記評価点に於て検出した信号とを用い
て、前記基準騒音又は振動を入力とする適応フィルタの
係数を調整し、前記適応フィルタの出力を前記補償用騒
音又は振動発生手段への入力とすることにより前記評価
点に於る騒音又は振動を抑圧することを特徴とする騒音
又は振動の抑圧方法を開示する。
【0011】また本発明は、騒音又は振動発生源周辺に
設けた複数の測定点に於て検出した検出信号から、評価
点に於る騒音又は振動を模擬的に発生して騒音又は振動
環境を生成するための騒音又は振動環境の模擬方法に於
て、上記した騒音または振動寄与率検出手段を用いて前
記各測定点から検出した検出信号の前記評価点に於る寄
与率を検出し、該検出した寄与率及び寄与率算出時に用
いられた前記適応フィルタの係数とを用いて前記評価点
へ向けて騒音又は振動を発生する騒音又は振動発生手段
の駆動信号を生成することを特徴とする騒音又は振動環
境の模擬方法を開示する。
【0012】
【作用】適応フィルタを2段設け、さらに、遅延手段に
より1段目と2段目適応フィルタとの間に時間差を設
け、遅延時間を調節することにより、1段目と2段目適
応フィルタをつなぎ合わせた系の特性でより正確に対象
とする系を近似でき、また、直接波と反射波の間隔がか
なり長い系の場合には、直接波に1段目適応フィルタ
を、反射波に2段目適応フィルタを用いれば、より少な
いタップ数でその系を近似できる。
【0013】又、上記の方法を用いることで、測定信号
の評価点への寄与率や、与えられた騒音または振動伝達
経路の伝達特性をより容易にかつ正確に検出または推定
できる。又、上記推定した伝達特性を利用して評価点に
於ける騒音または振動を効果的に抑圧することが出来、
更に上記検出した寄与率を用いて評価点に生じる騒音ま
たは振動を模擬的に生成することが出来る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は、本発明を寄与率解析システムに適用した
時の全体構成を示す図である。同図に示した寄与率解析
システムは、機器1から発生された騒音もしくは振動の
情報を得るマイクロフォン等のセンサ2a、2b、2c
と、機器1より一定距離離れた評価点(人間の耳元付
近)に設置したマイクロフォン3と、センサ2a、2
b、2cで検出された信号がマイクロフォン3に対して
どのくらい寄与しているかを解析する寄与率解析装置4
と、表示部5から構成されている。
【0015】図1は上記の寄与率解析装置4の一実施例
を示すブロック図で、前記センサ2a、2b、2cで得
られた騒音もしくは振動の信号およびマイクロフォン3
で得られた騒音信号は、それぞれローパスフィルタ40
1〜404で帯域制限を受け、さらにA/D変換器41
1〜414でディジタル信号に変換される。センサ2
a、2b、2cに基づくディジタル信号は、それぞれ1
段目の適応ディジタルフィルタ(ADF)431〜43
3に入力され、ここでフィルタ係数との畳み込み演算が
施されて出力信号y1、y2、y3が生成される。この
とき、必要に応じて遅延回路421〜423によりディ
ジタル信号を遅延する。次に適応ディジタルフィルタ4
31〜433の出力y1〜y3は加算回路451で加算
されてS1とされ、これと評価点に設置されたマイクロ
フォンからの騒音信号をディジタル化したディジタル信
号dとの差信号e1が減算回路46で算出される。適応
アルゴリズム回路441〜443は、上記差信号e1が
最小となるように適応ディジタルフィルタ431〜43
3の係数を更新していく。
【0016】さらに、前記センサ2a、2b、2cから
得られたディジタル信号は、遅延回路424〜426で
必要に応じて一定時間遅延された後、それぞれ2段目の
適応ディジタルフィルタ(ADF)434〜436に入
力され、ここでフィルタ係数との畳み込み演算が施され
て出力信号y4、y5、y6が生成される。ここで遅延
回路424〜426の遅延時間は、遅延設定回路471
により1段目の遅延回路421〜423の遅延時間に連
動して設定される。次に適応ディジタルフィルタ434
〜436の出力y4〜y6は加算回路452で加算され
てs2とされ、これと1段目の適応ディジタルフィルタ
431〜433で処理しきれなかった前記の差信号e1
との差信号e2が減算回路462で算出される。適応ア
ルゴリズム回路444〜446は、上記差信号e2が最
小となるように、適応ディジタルフィルタ434〜43
6の係数を更新していく。なお、残差判定回路72は、
1段目の適応ディジタルフィルタに基づく差信号e1の
大きさに対するしきい値を設定し、差信号e1がそのし
きい値より大きければ、2段目の適応ディジタルフィル
タを用い、小さければ用いないようにするものである。
【0017】以上の動作をくり返し、1段目および2段
目の適応ディジタルフィルタ系の係数が一定値に収束し
たとき、各適応ディジタルフィルタ431〜436の出
力y1〜y6から、評価点に対する各センサ設置位置か
らの騒音もしくは振動の寄与率を解析する。また、解析
された寄与率、各適応ディジタルフィルタの係数等は表
示部5に出力し表示する。
【0018】寄与率の解析方法としては、前記センサ2
a、2b、2cに対応する適応ディジタルフィルタ出力
信号のパワーを、個々の適応ディジタルフィルタ431
〜436の出力信号y1〜y6及び差信号e2それぞれ
のパワーの和で除した値を、前記各センサに関する寄与
率とする。例えば、前記センサ2aの寄与率は、次式で
表わされる。
【数1】
【0019】本実施例によると、1段目の適応ディジタ
ルフィルタ431〜436へ入力する手前に、遅延回路
421〜423を設け、これにより遅延時間を調節する
ことができる。従って直接波の到達に時間のかかるよう
な系の場合には、前記遅延回路にて時間遅れ分だけ遅延
させることにより、適応ディジタルフィルタの同一タッ
プ数で表現できるインパルス応答が長くできる。また、
2段目の適応ディジタルフィルタ434〜436へ入力
する手前に、遅延回路424〜426を設けたことによ
り、1段目の適応ディジタルフィルタと組み合わせて、
様々な音環境でのインパルス応答を表現できる。なお、
これら遅延回路の遅延時間の設定は、適応ディジタルフ
ィルタの遅延時間を種々変化させて適応ディジタルフィ
ルタの係数調整を行い、その誤差がより小さくなるよう
な遅延時間とすることにより行う。
【0020】図3はそのインパルス応答の1例を示して
いる。この図に示すような直接波と反射波の時間間隔が
長いような系では、遅延回路により、直接波は1段目適
応フィルタ、反射波は2段目適応フィルタと分けてイン
パルス応答を求めることができ、タップ数を有効に使え
る。また、1段目、2段目の適応ディジタルフィルタの
タップ数を、それぞれ可変設定可能な構造としておけ
ば、遅延回路と組合せて適応ディジタルフィルタの調整
がより正確且つ容易に行えるようになる。さらに、適応
フィルタは2段だけではなく、状況、周辺環境に応じ
て、3段、4段と並列に複数の適応フィルタを設けるこ
とができる。また、差信号e1及びe2をD/A変換し
て音声として出力することで、適応ディジタルフィルタ
の集束状況を知ることができる。
【0021】本実施例は、騒音を発生する一般機器、例
えば、掃除機、空調機、車両等にも適用できる。さら
に、騒音もしくは振動の情報を得るセンサ、及びスピー
カ等はその個数を増やすことで測定点を増やすことがで
きる。また、センサとしては、マイクロフォン、振動セ
ンサだけでなく、時間的に変動する時系列信号を検出で
きるセンサ、例えば、アンテナ、光センサ等であっても
本実施例を適用できることはいうまでもない。
【0022】図4は、本発明になる能動消音装置の一実
施例を示すブロック図である。本装置は、機器6からの
騒音の情報を得るマイクロフォン等の基準センサ7と、
騒音を低減したい目標位置に前記騒音から伝播する音波
と逆位相同振幅の音波(付加音波)を送るための付加音
源であるスピーカ8と、前記目標位置に設置されて機器
6からの音波及びスピーカ8からの付加音波を検出する
消音エラーセンサとしてのマイクロフォン10と、スピ
ーカ8からの付加音波の発生を制御するコントローラ9
から成っている。
【0023】コントローラ9には、ここの制御に必要
な、スピーカ8への入力信号とマイクロフォン10の出
力信号との間の推定伝達関数93が用いられている。図
5は、この推定伝達関数93の推定を行うための測定シ
ステムを示すブロック図で、本発明の適応信号処理方法
を用いたシステムとなっている。そして図5において、
スピーカ8とマイクロフォン10は、図4の実際の減音
装置で用いるときと同じ環境下の同じ位置に配置されて
いるものとする。図5に於て、雑音信号発生源501か
らの基準信号s21はA/D変換器502でディジタル
形態の基準信号s22とされ、該基準信号s22はD/
A変換器503とパワーアンプ504を介してスピーカ
8に与えられ、音波が放射される。また、前記基準信号
s22は、1段目の適応ディジタルフィルタ(ADF)
505に入力され、フィルタ係数との畳み込み演算が行
われて信号s23が生成される。スピーカ8からの放射
音波はマイクロフォン10で検出され、A/D変換器5
09によりディジタル化され、ディジタル信号s25と
される。この信号s25と上記信号s23との差信号e
21が減算回路510で求められ、この差信号e21が
最小となるように、適応アルゴリズム507は適応ディ
ジタルフィルタ505の係数を更新していく。このと
き、必要に応じて遅延回路511により基準信号s22
を遅延する。
【0024】さらに、前記基準信号s22は遅延回路5
12により必要に応じて一定時間遅延され、2段目の適
応ディジタルフィルタ(ADF)506に入力され、フ
ィルタ係数との畳み込み演算が行われて信号s24が生
成される。この出力信号s24と、1段目の適応ディジ
タルフィルタで処理しきれなかった前記差信号e21と
の差e22が減算回路513で求められ、この差信号e
22が最小となるように、適応アルゴリズム508は適
応ディジタルフィルタ506の係数を更新していく。以
上の動作をくり返して各適応ディジタルフィルタの係数
を収束させ、その収束した値から推定伝達関数93が求
められる。
【0025】上記のようにして求められた推定伝達関数
93を用いた図4の能動消音装置の動作を次ぎに説明す
る。機器1の騒音情報として前記基準センサ7から出力
された検出信号s11は、前記A/D変換器92でディ
ジタル化されて基準信号s12とされ、さらに適応ディ
ジタルフィルタ90の畳み込み演算が行われて信号s1
6に変換される。この信号s16は、D/A変換器94
でアナログ化され、パワーアンプで増幅されてスピーカ
8から放射される。前記マイクロフォン10はこの放射
音と機器1からの騒音の加わった音波を検出し、その出
力はA/D変換器95でディジタル信号s14とされ
る。一方、前記基準信号s12と前記推定伝達関数93
との畳み込み演算により仮想入力信号s13が生成さ
れ、この信号s13と前記信号s14を用いて、適応ア
ルゴリズム91により信号s14の自乗値が最小となる
ように、適応ディジタルフィルタ90の係数が更新され
る。
【0026】本実施例は、騒音を発生する一般機器、例
えば、空調機、車両等にも適用できる。また上記実施例
において、騒音もしくは振動の情報を得るセンサ、及び
スピーカ等は個数を増やすことができる。さらに、図5
の推定伝達関数を求める際の適応フィルタは2段だけで
はなく、状況、周辺環境に応じて、3段、4段と並列に
複数の適応フィルタを設けることができる。
【0027】図6は、本発明の適応信号処理方法を用い
た音環境シミュレータの実施例を示すブロック図で、騒
音源である機器11の騒音もしくは振動の情報を得るマ
イクロフォン等のセンサ12a、12b、12cと、機
器11より一定距離離れた評価点(人間の耳元付近)に
設置されたマイクロフォン13と、センサ12a、12
b、12cで検出された信号がマイクロフォン13に対
してどのくらい寄与しているかを解析するための寄与率
解析装置14と、その寄与率解析装置14で得られた寄
与率等をセンサ12a、12b、12cで検出した信号
対応に分配し、評価点での騒音を合成するための音合成
手段15と、合成した音を出力するスピーカ16a、1
6b、及び合成音を再生する部屋17に設置されたダミ
ーヘッド18から成っている。ここで音声合成部15の
構成は図7に示されている。
【0028】この構成において、寄与率解析装置14
は、図1の実施例で説明したものであって、センサ12
a〜12cが検出した騒音が、マイクロフォン13で検
出した評価点の騒音にどれくらい寄与しているかの寄与
率を算出して出力する。この各寄与率は、音声合成手段
15の寄与率分配回路151により各センサ12a〜1
2c対応の寄与率に分配され、ディジタルフィルタ15
2a〜152cへそれぞれ入力される。また、前記寄与
率解析手段14の収束時の各適応ディジタルフィルタ係
数がディジタルフィルタ152a〜152cにその係数
としてコピーされる。各ディジタルフィルタ152a〜
152cに於ては、そのフィルタの伝達関数と入力寄与
率との畳み込み演算が行われ、ディジタル信号sa、s
b、scが出力される。これらの信号は加算回路153
で加算され、合成信号sをとして空間補正回路154へ
入力される。
【0029】記憶媒体155には、様々な伝達特性(残
響特性等)を持つ空間での伝達特性の測定値がデータベ
ース化して格納されており、空間補正回路154では、
記憶媒体155から呼び出した伝達特性と上記合成信号
sとの畳み込み演算を行う。さらに、合成音を再生する
部屋17内でのスピーカ16a、16bから評価する人
間もしくはダミーヘッド18までの逆伝達特性を表わす
逆フィルタ156と上記空間補正回路154出力との畳
み込み演算を行い、演算結果をD/A変換器でアナログ
信号に変換し、スピーカ16a、16bから出力する。
このようにして様々な特性を有する空間での製品音が再
現できる。
【0030】本実施例は騒音を発生する一般機器、例え
ば、掃除機、空調機、車両等にも適用出来る。さらに、
騒音もしくは振動の情報を得るセンサ、および、スピー
カ等は個数を増やすことが出来る。さらに、寄与率解析
装置14に於る適応フィルタは2段だけではなく、状
況、周辺環境に応じて、3段、4段と並列に複数の適応
フィルタを設けるようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、適応信号処理におい
て、適応フィルタを2段設け、さらに、各適応フィルタ
と遅延時間の組み合わせによって、高残響場等様々な環
境下での音響系のインパルス応答の算出や音場の伝達関
数の推定を高精度に行え、また同様な環境下での消音装
置や音環境シミュレータの実現が可能になる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】寄与率解析装置の一実施例を示すブロック図で
ある。
【図2】寄与率解析システムの全体構成を示すブロック
図である。
【図3】インパルスレスポンスの一例を示す図である。
【図4】能動消音装置の全体構成を示すブロック図であ
る。
【図5】図4に於る推定伝達関数を求めるシステムの一
実施例を示す図である。
【図6】本発明の音環境シミュレータの一実施例を示す
全体構成図である。
【図7】図6の音声合成手段の詳細を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1、6、11 騒音を発生する機器 2a、2b、2c、7 センサ 3、10、13 マイクロフォン 4、14 寄与率解析装置 421〜426 遅延回路 431〜433 1段目の適応ディジタルフィルタ 434〜436 2段目の適応ディジタルフィルタ 451、452 加算回路 461、462 減算回路 481 残差判定回路 505、506 適応ディジタルフィルタ 510、513 減算回路 511、512 遅延回路 8 消音用スピーカ 9 コントローラ 90 適応ディジタルフィルタ 93 推定伝達関数 16a、16b 音再現用スピーカ 15 音合成手段 18 人間もしくはダミーヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大木 克夫 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 太田 義注 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の1個又は複数個の時系列信号を1
    個又は複数個の1段目適応フィルタの各々に入力し、該
    適応フィルタの出力信号の和と前記第1の時系列信号と
    は別の第2の時系列信号との差を表す第1の残差信号が
    最小になるように、前記1段目適応フィルタの係数を更
    新するとともに、 前記第1の時系列信号を1個又は複数個の2段目適応フ
    ィルタの各々に入力し、該適応フィルタの出力信号の和
    と前記第1の残差信号との差を表す第2の残差信号が最
    小になるように前記2段目適応フィルタを更新すること
    を特徴とする適応信号処理方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の時系列信号を入力とする3段
    目あるいは必要に応じてそれ以降の適応フィルタを設
    け、該各適応フィルタの係数をその出力の和と1段前の
    適応フィルタにより生成された残差信号との差が最小に
    なるように更新することを特徴とする請求項1記載の適
    応信号処理方法。
  3. 【請求項3】 前記1段目及び2段目の適応フィルタに
    入力される前記第1の時系列信号を、その遅延時間が可
    変な遅延手段により遅延できるようにしたことを特徴と
    する請求項1記載の適応信号処理方法。
  4. 【請求項4】 前記2段目適応フィルタ側の遅延時間
    を、前記1段目適応フィルタ側の遅延時間に連動して設
    定するようにしたことを特徴とする請求項3記載の適応
    信号処理方法。
  5. 【請求項5】 前記1段目適応フィルタ側の遅延時間
    を、当該遅延時間を変化させたときに得られる前記第1
    の残差信号が最小となる値に設定し、 さらに前記2段目適応フィルタ側の遅延時間を、当該遅
    延時間を変化させたときに得られる前記第2の残差信号
    が最小となる値に設定することを特徴とする請求項3記
    載の適応信号処理方法。
  6. 【請求項6】 前記1段目及び2段目適応フィルタの各
    々を、そのタップ数が可変な構造としたことを特徴する
    請求項1記載の適応信号処理方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の残差信号に対するしきい値を
    設け、前記残差信号が前記しきい値より大きいときだけ
    前記2段目の適応フィルタに於る係数の更新処理を行う
    ようにしたことを特徴とする請求項1記載の適応信号処
    理方法。
  8. 【請求項8】 請求項1項ないし7項の内の1つに記載
    の適応信号処理方法を用いて、前記第1の時系列信号
    を、騒音又は振動発生源周辺に設けた複数の測定点に於
    て検出した複数の騒音又は振動の検出信号とし、且つ前
    記第2の時系列信号を前記騒音又は振動発生源からの騒
    音又は振動を評価するために設けた評価点に於て検出し
    た騒音又は振動の検出信号としたときの適応信号処理を
    行い、 該処理終了時の前記適応フィルタの各出力から、当該出
    力に対応する前記測定点に於る検出信号の、前記評価点
    に於る検出信号に対する寄与率を求めることを特徴とす
    る騒音又は振動の寄与率の検出方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の残差信号及び前記第2の残差
    信号をそれぞれD/A変換し、音として試聴できるよう
    にしたことを特徴とする請求項8記載の騒音又は振動寄
    与率の検出方法。
  10. 【請求項10】 請求項1項ないし7項の内の1つに記
    載の適応信号処理方法を用いて、前記第1の時系列信号
    を、騒音又は振動発生手段に印加する騒音又は振動信号
    とし、且つ前記第2の時系列信号を、前記騒音又は振動
    発生手段から発生させた騒音又は振動を評価する評価点
    に於て検出された検出信号として適応信号処理を行い、 該処理終了時の前記各適応ディジタルフィルタの係数か
    ら、前記騒音又は振動発生手段から前記評価点に到る騒
    音又は振動の伝達特性を推定することを特徴とする騒音
    又は振動の伝達特性推定方法。
  11. 【請求項11】 補償用の騒音又は振動発生手段から騒
    音又は振動を発生することにより、騒音又は振動発生源
    からの騒音又は振動を評価点に於て抑圧するための騒音
    又は振動の抑圧方法に於て、 請求項10記載の騒音又は振動の伝達特性推定方法を用
    いて、前記補償用騒音又は振動発生手段から前記評価点
    に到る騒音又は振動の伝達特性を推定し、 前記騒音又は振動発生源の近傍に於て検出した基準騒音
    又は振動を前記推定した伝達特性で処理した信号と、前
    記評価点に於て検出した信号とを用いて、前記基準騒音
    又は振動を入力とする適応フィルタの係数を調整し、 前記適応フィルタの出力を前記補償用騒音又は振動発生
    手段への入力とすることにより前記評価点に於る騒音又
    は振動を抑圧することを特徴とする騒音又は振動の抑圧
    方法。
  12. 【請求項12】 騒音又は振動発生源周辺に設けた複数
    の測定点に於て検出した検出信号から、評価点に於る騒
    音又は振動を模擬的に発生して騒音又は振動環境を生成
    するための騒音又は振動環境の模擬方法に於て、 請求項8記載の騒音または振動寄与率検出手段を用いて
    前記各測定点から検出した検出信号の前記評価点に於る
    寄与率を検出し、該検出した寄与率及び寄与率算出時に
    用いられた前記適応フィルタの係数とを用いて前記評価
    点へ向けて騒音又は振動を発生する騒音又は振動発生手
    段の駆動信号を生成することを特徴とする騒音又は振動
    環境の模擬方法。
  13. 【請求項13】 第1の1個又は複数個の時系列信号を
    処理するための1個又は複数個の1段目適応フィルタ
    と、 該適応フィルタの出力信号の和と前記第1の時系列信号
    とは別の第2の時系列信号との差を第1の残差信号とし
    て算出するための第1の加減算手段と、 前記第1の残差が最小となるように前記1段目適応フィ
    ルタの係数を更新するための1段目適応処理手段と、 前記第1の時系列信号を処理するための1個又は複数個
    の2段目適応フィルタと、 該適応フィルタの出力信号の和と前記第1の残差信号と
    の差を第2の残差信号として算出するための第2の加減
    算手段と、 前記第2の残差が最小となるように前記2段目適応フィ
    ルタの係数を更新するための2段目適応処理手段と、 を備えたことを特徴とする適応信号処理装置。
  14. 【請求項14】 前記1段目及び2段目の適応フィルタ
    に入力される前記第1の時系列信号を遅延させるため
    の、可変遅延手段を設けたことを特徴とする請求項13
    記載の適応信号処理装置。
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AT512755A3 (de) * 2013-06-18 2015-01-15 Avl List Gmbh Verfahren zur Erstellung eines dreidimensionalen, akustischen Netzes

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AT512755A3 (de) * 2013-06-18 2015-01-15 Avl List Gmbh Verfahren zur Erstellung eines dreidimensionalen, akustischen Netzes
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