JPH09151134A - 心筋保護液 - Google Patents
心筋保護液Info
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- JPH09151134A JPH09151134A JP7313193A JP31319395A JPH09151134A JP H09151134 A JPH09151134 A JP H09151134A JP 7313193 A JP7313193 A JP 7313193A JP 31319395 A JP31319395 A JP 31319395A JP H09151134 A JPH09151134 A JP H09151134A
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- Japan
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- hbs
- solution
- histidine
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- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 虚血に弱い肥大心筋や病的心筋を保護し、局
所冷却を用いず、無血視野で安全に手術を行うことを可
能とし、良好な心機能回復が得られる心筋保護液を提供
する。 【解決手段】 ヒスチジンを90mM/L〜110mM
/L、アデノシンを0.05mM/L〜2mM/L含有
する心筋保護液。
所冷却を用いず、無血視野で安全に手術を行うことを可
能とし、良好な心機能回復が得られる心筋保護液を提供
する。 【解決手段】 ヒスチジンを90mM/L〜110mM
/L、アデノシンを0.05mM/L〜2mM/L含有
する心筋保護液。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は心筋保護液に係り、
特に、肥大心筋や病的な状態にある心筋の保護に適した
心筋保護液に関するものである。
特に、肥大心筋や病的な状態にある心筋の保護に適した
心筋保護液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 一般に、開心術中は心臓を停止し、こ
の心臓を心筋保護液を用いて保持し、同時に人工心肺と
いう補助手段を用いている。
の心臓を心筋保護液を用いて保持し、同時に人工心肺と
いう補助手段を用いている。
【0003】この心筋のポンプとしての作用は、細胞内
のエネルギー状態、各種イオン(特に、Ca2+,N
a+ ,Pi)の細胞内濃度、あるいは細胞内のpH、c
ontractile protain のCa2+イオ
ンに対する親和性によって決定されている。従って、心
筋を保護するには、これらのバランスを良好に保つこと
がきわめて重要である。
のエネルギー状態、各種イオン(特に、Ca2+,N
a+ ,Pi)の細胞内濃度、あるいは細胞内のpH、c
ontractile protain のCa2+イオ
ンに対する親和性によって決定されている。従って、心
筋を保護するには、これらのバランスを良好に保つこと
がきわめて重要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、現時点におけ
る心筋保護の中心概念は、超低温で心筋を保持し、その
代謝を抑制することにある。すなわち、虚血時に生じる
ATPの加水分解によるエネルギー消費、水素イオン
(H+ )やラクテートの蓄積を最小限にとどめ、手術後
の再灌流に備えようとするものである。従って、開心術
時には、人工心肺によって体温を低温(28〜30℃)
に維持するだけでなく、氷を用いて心筋の局所冷却(4
℃程度)を行う必要がある。
る心筋保護の中心概念は、超低温で心筋を保持し、その
代謝を抑制することにある。すなわち、虚血時に生じる
ATPの加水分解によるエネルギー消費、水素イオン
(H+ )やラクテートの蓄積を最小限にとどめ、手術後
の再灌流に備えようとするものである。従って、開心術
時には、人工心肺によって体温を低温(28〜30℃)
に維持するだけでなく、氷を用いて心筋の局所冷却(4
℃程度)を行う必要がある。
【0005】しかしながら、心筋を氷を用いて冷却する
従来の方法では、手術視野を狭めることとなり、円滑な
手術の進行の妨げとなっていた。また、上記の氷は一般
にラクテートリンゲル液から作られているため、手術中
は心臓がラクテート液中に浸漬された状態となる。しか
し、このような状態では、虚血時の溶液拡散能力が高
く、イオンの濃度勾配不均衡を生じ、虚血解除後、再灌
流した時の傷害を増幅するといわれている。
従来の方法では、手術視野を狭めることとなり、円滑な
手術の進行の妨げとなっていた。また、上記の氷は一般
にラクテートリンゲル液から作られているため、手術中
は心臓がラクテート液中に浸漬された状態となる。しか
し、このような状態では、虚血時の溶液拡散能力が高
く、イオンの濃度勾配不均衡を生じ、虚血解除後、再灌
流した時の傷害を増幅するといわれている。
【0006】また、近年、warm bloodを用
い、阻血を作ることなく化学的に心停止を達成し、手術
を安全に行えるとするwarm heart surg
eryという方法が普及しつつある。しかしながら、こ
の方法は、非常に繁雑であり、また、1分間に150〜
200ccの心筋保護液が投与されるため、手術視野の
確保が困難であり、さらに、体温を低温に維持しないた
め、他の臓器傷害、特に脳傷害を招く危険性が高く、現
時点では一般的な方法とはいえない。
い、阻血を作ることなく化学的に心停止を達成し、手術
を安全に行えるとするwarm heart surg
eryという方法が普及しつつある。しかしながら、こ
の方法は、非常に繁雑であり、また、1分間に150〜
200ccの心筋保護液が投与されるため、手術視野の
確保が困難であり、さらに、体温を低温に維持しないた
め、他の臓器傷害、特に脳傷害を招く危険性が高く、現
時点では一般的な方法とはいえない。
【0007】本発明は、上述したような従来技術の問題
点を解消するために提案されたもので、その目的は、虚
血に弱い肥大心筋や病的心筋を保護し、局所冷却を用い
ず、無血視野で安全に手術を行うことを可能とし、良好
な心機能回復が得られる心筋保護液を提供することにあ
る。
点を解消するために提案されたもので、その目的は、虚
血に弱い肥大心筋や病的心筋を保護し、局所冷却を用い
ず、無血視野で安全に手術を行うことを可能とし、良好
な心機能回復が得られる心筋保護液を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の心筋保護液は、ヒスチジンを9
0mM/L〜110mM/L、アデノシンを0.05m
M/L〜2mM/L含有することを特徴とするものであ
る。
めに、請求項1に記載の心筋保護液は、ヒスチジンを9
0mM/L〜110mM/L、アデノシンを0.05m
M/L〜2mM/L含有することを特徴とするものであ
る。
【0009】また、請求項2に記載の心筋保護液は、ヒ
スチジンを90mM/L〜110mM/L、アデノシン
を0.05mM/L〜2mM/L含有し、肥大心筋の保
存に用いることを特徴とするものである。
スチジンを90mM/L〜110mM/L、アデノシン
を0.05mM/L〜2mM/L含有し、肥大心筋の保
存に用いることを特徴とするものである。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の心筋保護液において、解糖系の基質と
なるグルコースを9mM/L〜12mM/L、細胞内へ
のグルコース摂取量を高めるインスリンを7I.U./
L〜12I.U./L、Naチャンネルブロッカーであ
るリドカインを60mg/L〜120mg/L含有する
ことを特徴とするものである。
請求項2に記載の心筋保護液において、解糖系の基質と
なるグルコースを9mM/L〜12mM/L、細胞内へ
のグルコース摂取量を高めるインスリンを7I.U./
L〜12I.U./L、Naチャンネルブロッカーであ
るリドカインを60mg/L〜120mg/L含有する
ことを特徴とするものである。
【0011】請求項4に記載の心筋保護液は、ヒスチジ
ンを100mM/L、アデノシンを0.1mM/L含有
することを特徴とするものである。
ンを100mM/L、アデノシンを0.1mM/L含有
することを特徴とするものである。
【0012】請求項5に記載の心筋保護液は、ヒスチジ
ンを100mM/L、アデノシンを0.1mM/L含有
し、肥大心筋の保存に用いることを特徴とするものであ
る。
ンを100mM/L、アデノシンを0.1mM/L含有
し、肥大心筋の保存に用いることを特徴とするものであ
る。
【0013】請求項6に記載の心筋保護液は、L−Hi
stidineを100mM/L、KH2 PO4 を2.
5mM/L、KClを20mM/L、MgSO4 ・7H
2 Oを6mM/L、NaClを80mM/L、CaCl
2 を0.1mM/L、Adenosineを0.1mM
/L、D−glucoseを11mM/L、Manni
tolを20mM/L、Lidocaineを100m
g/L、NaOHを3.6mM/L、Insulinを
10I.U./L含有することを特徴とするものであ
る。
stidineを100mM/L、KH2 PO4 を2.
5mM/L、KClを20mM/L、MgSO4 ・7H
2 Oを6mM/L、NaClを80mM/L、CaCl
2 を0.1mM/L、Adenosineを0.1mM
/L、D−glucoseを11mM/L、Manni
tolを20mM/L、Lidocaineを100m
g/L、NaOHを3.6mM/L、Insulinを
10I.U./L含有することを特徴とするものであ
る。
【0014】また、請求項7に記載の発明は、請求項1
乃至請求項6のいずれか一に記載の心筋保護液におい
て、pHが7.7〜7.9であることを特徴とするもの
である。
乃至請求項6のいずれか一に記載の心筋保護液におい
て、pHが7.7〜7.9であることを特徴とするもの
である。
【0015】上記のような構成を有する各請求項に記載
の心筋保護液によれば、ヒスチジンを所定量含有するこ
とにより、細胞内の水素イオン(H+ )やラクテートな
どが細胞外に緩衝され、その結果、これらのイオンによ
る解糖系の抑制がとれ、解糖系の反応が促進され、エネ
ルギー産生が起こる。また、アデノシンを所定量含有す
ることにより、適切な血管の拡張作用が得られる。
の心筋保護液によれば、ヒスチジンを所定量含有するこ
とにより、細胞内の水素イオン(H+ )やラクテートな
どが細胞外に緩衝され、その結果、これらのイオンによ
る解糖系の抑制がとれ、解糖系の反応が促進され、エネ
ルギー産生が起こる。また、アデノシンを所定量含有す
ることにより、適切な血管の拡張作用が得られる。
【0016】その結果、13℃〜37℃の広い範囲の温
度下において、良好な心筋保護が可能となる。また、手
術中に氷が不要となり、心筋保護液に血液を用いないた
め、良好な視野が確保できる。さらに、投与方法が簡単
であると共に、基本組成はアミノ酸であり、また、他の
内容物も従来から用いられているものであるため、安全
性は非常に高いものである。
度下において、良好な心筋保護が可能となる。また、手
術中に氷が不要となり、心筋保護液に血液を用いないた
め、良好な視野が確保できる。さらに、投与方法が簡単
であると共に、基本組成はアミノ酸であり、また、他の
内容物も従来から用いられているものであるため、安全
性は非常に高いものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明による心筋保護液の
実施形態について、具体的に説明する。表1は本実施形
態における心筋保護液の組成内容を示したものである。
実施形態について、具体的に説明する。表1は本実施形
態における心筋保護液の組成内容を示したものである。
【0018】
【表1】 本実施形態における心筋保護液の特徴の一つは、アデノ
シンを0.1mM/L、塩基性アミノ酸であるヒスチジ
ンを100mM/L含有させた点にある。
シンを0.1mM/L、塩基性アミノ酸であるヒスチジ
ンを100mM/L含有させた点にある。
【0019】このような組成内容としたのは、以下の理
由による。すなわち、虚血によって心筋細胞内の好気下
エネルギー産生系であるTCA回路あるいは電子伝達系
は停止し、これに伴って、これらの系を介したエネルギ
ー産生も停止する。一方、嫌気下となった心筋細胞内で
は解糖系だけが働いており、少量ではあるがATP(2
モル)が産生され、還元型ニコチンアミド・アデニン・
ディヌクレオチド(nicotinamide ade
nine dinucleotide : NAD)の
再酸化が行われる。しかしながら、この系においても、
最終代謝産物であるラクテートや水素イオン(H+ )が
細胞内に蓄積することにより、細胞内のpHは低下し、
エネルギー産生は停止する。
由による。すなわち、虚血によって心筋細胞内の好気下
エネルギー産生系であるTCA回路あるいは電子伝達系
は停止し、これに伴って、これらの系を介したエネルギ
ー産生も停止する。一方、嫌気下となった心筋細胞内で
は解糖系だけが働いており、少量ではあるがATP(2
モル)が産生され、還元型ニコチンアミド・アデニン・
ディヌクレオチド(nicotinamide ade
nine dinucleotide : NAD)の
再酸化が行われる。しかしながら、この系においても、
最終代謝産物であるラクテートや水素イオン(H+ )が
細胞内に蓄積することにより、細胞内のpHは低下し、
エネルギー産生は停止する。
【0020】なお、このような虚血心筋細胞内に陽イオ
ンが蓄積すると、細胞の膨化、酵素の不活化、心筋収縮
タンパクの変性をもたらすこと、また、生体内にはこれ
らの陽イオンを緩衝し、細胞環境を一定に保とうとする
緩衝剤が存在し、アミノ酸もその一つであることが知ら
れている。また、アミノ酸の中でも、ヒスチジンは強力
な緩衝作用を有し、ヒスチジンを外的に投与した場合、
細胞内の水素イオン(H+ )は陰イオンであるラクテー
トなどと共に細胞外に緩衝される。その結果、これらの
イオンによる解糖系の抑制がとれ、解糖系の反応が促進
され、エネルギー産生が起こる。
ンが蓄積すると、細胞の膨化、酵素の不活化、心筋収縮
タンパクの変性をもたらすこと、また、生体内にはこれ
らの陽イオンを緩衝し、細胞環境を一定に保とうとする
緩衝剤が存在し、アミノ酸もその一つであることが知ら
れている。また、アミノ酸の中でも、ヒスチジンは強力
な緩衝作用を有し、ヒスチジンを外的に投与した場合、
細胞内の水素イオン(H+ )は陰イオンであるラクテー
トなどと共に細胞外に緩衝される。その結果、これらの
イオンによる解糖系の抑制がとれ、解糖系の反応が促進
され、エネルギー産生が起こる。
【0021】このようなヒスチジンの投与は、すでにB
retchneiderらによって試みられているが、
4℃の低温下でヒスチジンを用いているため、細胞膜を
通過するヒスチジンの量は制限され、細胞外にある比較
的大量のヒスチジンは、脱カルボキシル化によってヒス
タミンへと変化し、細胞に影響を与える危険性が高いも
のであった。また、Bretchneiderらによる
心筋保護液においては、基質となるグルコースを含有し
ないため、ヒスチジンを投与することにより解糖系の抑
制がとれたとしても、エネルギー産生を期待することは
できなかった。
retchneiderらによって試みられているが、
4℃の低温下でヒスチジンを用いているため、細胞膜を
通過するヒスチジンの量は制限され、細胞外にある比較
的大量のヒスチジンは、脱カルボキシル化によってヒス
タミンへと変化し、細胞に影響を与える危険性が高いも
のであった。また、Bretchneiderらによる
心筋保護液においては、基質となるグルコースを含有し
ないため、ヒスチジンを投与することにより解糖系の抑
制がとれたとしても、エネルギー産生を期待することは
できなかった。
【0022】本実施形態の心筋保護液においてはこれら
の点に着目し、ヒスチジンの量を有効かつ必要最小量と
することにより、ヒスタミンの産生量を極めて少量に抑
えることを可能としたものである。
の点に着目し、ヒスチジンの量を有効かつ必要最小量と
することにより、ヒスタミンの産生量を極めて少量に抑
えることを可能としたものである。
【0023】また、本実施形態の心筋保護液には、解糖
系の基質となるグルコース、細胞内へのグルコース摂取
を高めるためのインスリン、及び、Naチャンネルブロ
ッカーであるリドカインが含まれている。
系の基質となるグルコース、細胞内へのグルコース摂取
を高めるためのインスリン、及び、Naチャンネルブロ
ッカーであるリドカインが含まれている。
【0024】ここで、リドカインを含有させた理由は、
以下の通りである。すなわち、虚血中においては、細胞
内Na+ が蓄積し、その結果、Na+ /H+ チャンネ
ル、あるいはNa+ /Ca2+チャンネルを活性化し、細
胞内H+ の増加による細胞内アシドーシスの促進あるい
は細胞内Ca2+の上昇をもたらし、これらのイオンの不
均衡によって、細胞傷害が惹起される。しかし、リドカ
インを投与すると、細胞内のNa+ の蓄積が抑えられる
ため、上記のような細胞傷害の軽減が可能となるからで
ある。
以下の通りである。すなわち、虚血中においては、細胞
内Na+ が蓄積し、その結果、Na+ /H+ チャンネ
ル、あるいはNa+ /Ca2+チャンネルを活性化し、細
胞内H+ の増加による細胞内アシドーシスの促進あるい
は細胞内Ca2+の上昇をもたらし、これらのイオンの不
均衡によって、細胞傷害が惹起される。しかし、リドカ
インを投与すると、細胞内のNa+ の蓄積が抑えられる
ため、上記のような細胞傷害の軽減が可能となるからで
ある。
【0025】また、本実施形態の心筋保護液には、血管
拡張作用と高エネルギーリン酸の分解を防ぐために、ア
デノシンが0.1mM/L含まれている。アデノシンを
0.1mM/Lとした理由は、以下の通りである。すな
わち、上述したように、開心術中は心臓を停止し、同時
に人工心肺という補助手段を用いるが、人工心肺を使用
している間は、腎臓の血流が生理的な状態ではないた
め、薬物の代謝排泄が大きく遅延する。また、人工心肺
中の灌流圧が低下するため、脳、肝臓、腎臓などの他臓
器への血流が低下し、手術後に様々な合併症を起こす可
能性がきわめて高くなる。したがって、心筋保護液中に
アデノシンを多量(例えば、5mM/L程度)に含有さ
せると、血管の拡張作用が強すぎて血圧が大きく低下
し、また、低血圧の時期が遷延することとなるからであ
る。
拡張作用と高エネルギーリン酸の分解を防ぐために、ア
デノシンが0.1mM/L含まれている。アデノシンを
0.1mM/Lとした理由は、以下の通りである。すな
わち、上述したように、開心術中は心臓を停止し、同時
に人工心肺という補助手段を用いるが、人工心肺を使用
している間は、腎臓の血流が生理的な状態ではないた
め、薬物の代謝排泄が大きく遅延する。また、人工心肺
中の灌流圧が低下するため、脳、肝臓、腎臓などの他臓
器への血流が低下し、手術後に様々な合併症を起こす可
能性がきわめて高くなる。したがって、心筋保護液中に
アデノシンを多量(例えば、5mM/L程度)に含有さ
せると、血管の拡張作用が強すぎて血圧が大きく低下
し、また、低血圧の時期が遷延することとなるからであ
る。
【0026】以下、より具体的な実施例により、本発明
の心筋保護液の作用・効果を説明する。
の心筋保護液の作用・効果を説明する。
【0027】[実施例1]本実施例は、本発明による心
筋保護液を用いることにより、細胞内に蓄積したラクテ
ートや水素イオン(H+ )を細胞内から除去することが
でき、嫌気性代謝中においても解糖系を促進できること
を検証するために行ったものである。
筋保護液を用いることにより、細胞内に蓄積したラクテ
ートや水素イオン(H+ )を細胞内から除去することが
でき、嫌気性代謝中においても解糖系を促進できること
を検証するために行ったものである。
【0028】(方法)13頭の雑種成犬(体重18〜2
6kg)をペントバルビタール(30mg/kg)静脈
麻酔後挿管し、レスピレーター管理下に心臓を摘出し
た。胸骨正中切開の後、腕頭動脈より上行大動脈内へカ
テーテルを挿入留置した。このカテーテルから灌流装置
に用いる血液を採取した後、大動脈を遮断し、同カテー
テルから心筋保護液(30ml/kg)を注入して心停
止を得た。なお、この心停止液としては、表2に示した
組成を有する本発明による心筋保護液(HBS)と、ウ
イスコンシン大学(UW)液を4℃に冷却して用いた。
6kg)をペントバルビタール(30mg/kg)静脈
麻酔後挿管し、レスピレーター管理下に心臓を摘出し
た。胸骨正中切開の後、腕頭動脈より上行大動脈内へカ
テーテルを挿入留置した。このカテーテルから灌流装置
に用いる血液を採取した後、大動脈を遮断し、同カテー
テルから心筋保護液(30ml/kg)を注入して心停
止を得た。なお、この心停止液としては、表2に示した
組成を有する本発明による心筋保護液(HBS)と、ウ
イスコンシン大学(UW)液を4℃に冷却して用いた。
【0029】その後、心臓を摘出し、ヒスチジンを含む
保存液(HBS)による単純浸漬保存(4℃)24時間
(HBS−24,n=5)あるいは30時間(HBS−
30,n=4)保存した群と、ウイスコンシン大学(U
W)液で24時間保存(4℃)した群(UW−24,n
=4)とに分け、これらの群間の心機能を比較検討し
た。
保存液(HBS)による単純浸漬保存(4℃)24時間
(HBS−24,n=5)あるいは30時間(HBS−
30,n=4)保存した群と、ウイスコンシン大学(U
W)液で24時間保存(4℃)した群(UW−24,n
=4)とに分け、これらの群間の心機能を比較検討し
た。
【0030】心機能は、再灌流後2時間で測定し、さら
に低濃度のドブタミン(2μg/kg/min:DOB
−L)と高濃度のドブタミン(10μg/kg/mi
n:DOB−H)負荷に対する保存心の反応についても
検討した。また、これら保存心の心機能を検討する対照
として、新たに3頭の犬を用い、上記と同様に血液を採
取した後、大動脈を遮断、リンゲル液(K+ :20mM
を含む)(30ml/kg、対照群)による心停止後、
心臓を摘出した。
に低濃度のドブタミン(2μg/kg/min:DOB
−L)と高濃度のドブタミン(10μg/kg/mi
n:DOB−H)負荷に対する保存心の反応についても
検討した。また、これら保存心の心機能を検討する対照
として、新たに3頭の犬を用い、上記と同様に血液を採
取した後、大動脈を遮断、リンゲル液(K+ :20mM
を含む)(30ml/kg、対照群)による心停止後、
心臓を摘出した。
【0031】
【表2】 心機能測定のための左室バルーンを縫着の後、直ちに灌
流装置で血液灌流し、2時間後に心機能を評価した。灌
流液として、自己血にリンゲル液を加えて、ヘマトクリ
ット値が20〜25%の範囲に調整した灌流液を用い、
膠質浸透圧を300Osm/L以上に保つためにアルブ
ミンを添加した。エネルギー基質としてグルコース18
00mg、同時にレギュラーインスリン20IUも添加
した。
流装置で血液灌流し、2時間後に心機能を評価した。灌
流液として、自己血にリンゲル液を加えて、ヘマトクリ
ット値が20〜25%の範囲に調整した灌流液を用い、
膠質浸透圧を300Osm/L以上に保つためにアルブ
ミンを添加した。エネルギー基質としてグルコース18
00mg、同時にレギュラーインスリン20IUも添加
した。
【0032】摘出心は保存終了直前に左総頸動脈より再
灌流後の灌流圧モニター用のカテーテルを挿入固定後、
左鎖骨下動脈と大動脈遠位端はそれぞれ閉鎖した。つい
で、僧帽弁を切除、腱索を乳頭筋付着部で切除し、経左
房的に心機能測定用のバルーンカテーテルを左室内に挿
入し、僧帽弁輪部に縫着した。左室心尖部にventt
ubeを挿入した。灌流装置は、遠心ポンプにより駆出
された血液が膜型肺、次いで熱交換機を通過した後、上
行大動脈に留置したカテーテルから送血され、心臓を灌
流するものである。肺動脈から流出した灌流液は再びリ
ザーバーに蓄えられ酸素化された後、灌流液として使用
した。
灌流後の灌流圧モニター用のカテーテルを挿入固定後、
左鎖骨下動脈と大動脈遠位端はそれぞれ閉鎖した。つい
で、僧帽弁を切除、腱索を乳頭筋付着部で切除し、経左
房的に心機能測定用のバルーンカテーテルを左室内に挿
入し、僧帽弁輪部に縫着した。左室心尖部にventt
ubeを挿入した。灌流装置は、遠心ポンプにより駆出
された血液が膜型肺、次いで熱交換機を通過した後、上
行大動脈に留置したカテーテルから送血され、心臓を灌
流するものである。肺動脈から流出した灌流液は再びリ
ザーバーに蓄えられ酸素化された後、灌流液として使用
した。
【0033】(検討内容)心機能計測は、左室内バルー
ン容量を10mlずつ増加させ、各容量での収縮期圧、
拡張期圧をそれぞれ5心拍ごとの平均から求めた。ま
た、End−systolic elastance
(Ees)は収縮期圧70mmHgの際に得られるen
d−systolic pressure−volum
e relationship(ESPVR)のスロー
プとして求めた。さらに、心室圧が0となる状態での心
室容量(equilibrium volume)Vo
もESPVRカーブから求めた。また、拡張終期容量
(Ved)は拡張期圧15mmHg、収縮末期容量(V
es)は収縮期圧70mmHg時の値を求めた。さら
に、1回拍出量(SV)はVed−Vesから、左室駆
出率(EF)はSV/Vedから求めた。心拍出量(C
O)はSVx心拍数により、脈圧は左室拡張期圧15m
mHg時の収縮期圧−拡張期圧から求めた。
ン容量を10mlずつ増加させ、各容量での収縮期圧、
拡張期圧をそれぞれ5心拍ごとの平均から求めた。ま
た、End−systolic elastance
(Ees)は収縮期圧70mmHgの際に得られるen
d−systolic pressure−volum
e relationship(ESPVR)のスロー
プとして求めた。さらに、心室圧が0となる状態での心
室容量(equilibrium volume)Vo
もESPVRカーブから求めた。また、拡張終期容量
(Ved)は拡張期圧15mmHg、収縮末期容量(V
es)は収縮期圧70mmHg時の値を求めた。さら
に、1回拍出量(SV)はVed−Vesから、左室駆
出率(EF)はSV/Vedから求めた。心拍出量(C
O)はSVx心拍数により、脈圧は左室拡張期圧15m
mHg時の収縮期圧−拡張期圧から求めた。
【0034】(結果1…再灌流2時間後の心機能)上記
End−systolic elastance(Ee
s)は、表3及び図1に示したように、各群において有
意差は認められなかった。
End−systolic elastance(Ee
s)は、表3及び図1に示したように、各群において有
意差は認められなかった。
【0035】
【表3】 また、収縮期パラメーターである上記equilibr
ium volume(Vo)も、表4及び図2に示し
たように、各群において有意差は認められなかった。
ium volume(Vo)も、表4及び図2に示し
たように、各群において有意差は認められなかった。
【0036】
【表4】 一方、同様に収縮期パラメーターである上記拡張終期容
量(Ved)は、表5及び図3に示したように、HBS
−30,HBS−24に比べて、UW−24で有意に低
値を示した。
量(Ved)は、表5及び図3に示したように、HBS
−30,HBS−24に比べて、UW−24で有意に低
値を示した。
【0037】
【表5】 また、心拍出量(CO)は、表6及び図4に示したよう
に、HBS−24で最もよく回復し、HBS−30では
2例で心拍出量は0であったが、UW−24ではさらに
悪く、1例でのみ心拍出が得られた。
に、HBS−24で最もよく回復し、HBS−30では
2例で心拍出量は0であったが、UW−24ではさらに
悪く、1例でのみ心拍出が得られた。
【0038】
【表6】 1回拍出量(SV)は、表7に示したように、上記CO
と同様、HBS−24(11±3.0ml)、HBS−
30(2±1.0ml/min)、UW−24の順に良
好であった。なお、UW−24では1例のみが心機能を
回復した。
と同様、HBS−24(11±3.0ml)、HBS−
30(2±1.0ml/min)、UW−24の順に良
好であった。なお、UW−24では1例のみが心機能を
回復した。
【0039】
【表7】 左室駆出率(EF)は、表8及び図5に示したように、
HBS−24で回復が最良であったが、HBS−30で
は顕著に低下し、UW−24では1例のみが心機能を回
復したにすぎなかった。
HBS−24で回復が最良であったが、HBS−30で
は顕著に低下し、UW−24では1例のみが心機能を回
復したにすぎなかった。
【0040】
【表8】 拡張期圧15mmHgで測定した脈圧は、表9及び図6
に示したように、HBS−24が最も良く、HBS−3
0、UW−24に比べて有意に良好であった。
に示したように、HBS−24が最も良く、HBS−3
0、UW−24に比べて有意に良好であった。
【表9】 (結果2…ドブタミン負荷による心機能の変化)UW−
24では、低濃度のDOB(DOB−L)負荷により2
例のみが反応し、高濃度のDOB(DOB−H)負荷に
より3例のみが反応した。
24では、低濃度のDOB(DOB−L)負荷により2
例のみが反応し、高濃度のDOB(DOB−H)負荷に
より3例のみが反応した。
【0041】上記End−systolic elas
tance(Ees)は、表10及び図7に示したよう
な結果が得られた。
tance(Ees)は、表10及び図7に示したよう
な結果が得られた。
【0042】
【表10】 また、equilibrium volume(Vo)
も、表11及び図8に示したような結果が得られた。
も、表11及び図8に示したような結果が得られた。
【0043】
【表11】 拡張終期容量(Ved)は、図9に示したように、各群
ともDOB−L、DOB−Hによる有意な変化は認めら
れなかった。
ともDOB−L、DOB−Hによる有意な変化は認めら
れなかった。
【0044】1回拍出量(SV)は、表12及び図10
に示したように、UW−24ではDOB−Hに対しても
回復は不良であった。一方、HBS−24ではDOBの
量に従い有意に上昇した。また、HBS−30でもDO
Bに対する反応は良好で、UW−24に比べて有意に上
昇した。なお、HBS−30とHBS−24の間には有
意差は認められなかった。
に示したように、UW−24ではDOB−Hに対しても
回復は不良であった。一方、HBS−24ではDOBの
量に従い有意に上昇した。また、HBS−30でもDO
Bに対する反応は良好で、UW−24に比べて有意に上
昇した。なお、HBS−30とHBS−24の間には有
意差は認められなかった。
【0045】
【表12】 また、心拍出量(CO)は、図11に示したように、U
W−24ではDOB−Hの負荷により329±150m
l/minに増加した。DOB負荷をしない状態では、
HBS−30はHBS−24より有意に低値であった
が、DOB負荷により全例で心拍出が認められ、両群の
COは上昇し、群間に有意差は認められなくなった。
W−24ではDOB−Hの負荷により329±150m
l/minに増加した。DOB負荷をしない状態では、
HBS−30はHBS−24より有意に低値であった
が、DOB負荷により全例で心拍出が認められ、両群の
COは上昇し、群間に有意差は認められなくなった。
【0046】左室駆出率(EF)は、表13及び図12
に示したように、HBS−30、HBS−24ともDO
Bに対する反応は良好であり、両群間で有意差は認めら
れなかった。
に示したように、HBS−30、HBS−24ともDO
Bに対する反応は良好であり、両群間で有意差は認めら
れなかった。
【0047】
【表13】 拡張期圧15mmHgで測定した脈圧は、図13に示し
たように、HBS−30、HBS−24ともDOBに対
する反応は良好であり、両群間で有意差は認められなか
った。
たように、HBS−30、HBS−24ともDOBに対
する反応は良好であり、両群間で有意差は認められなか
った。
【0048】(考察)以上述べたように、本発明の心筋
保護液であるHBSによる24時間保存、あるいは30
時間保存後の心筋においては、UW液より良好な心機能
回復が得られた。また、HBS保存心では、再灌流2時
間の時点で、24時間保存群の方が30時間保存群より
有意に良好な機能回復が見られた。しかし、30時間保
存群においても、ドーパミンに対する反応性は良く、2
4時間保存群とほぼ同等な心機能を示し、24時間以上
の保存の可能性が認められた。
保護液であるHBSによる24時間保存、あるいは30
時間保存後の心筋においては、UW液より良好な心機能
回復が得られた。また、HBS保存心では、再灌流2時
間の時点で、24時間保存群の方が30時間保存群より
有意に良好な機能回復が見られた。しかし、30時間保
存群においても、ドーパミンに対する反応性は良く、2
4時間保存群とほぼ同等な心機能を示し、24時間以上
の保存の可能性が認められた。
【0049】[実施例2]本実施例は、本発明による心
筋保護液を、肥大心筋の心筋保護液として用いたもので
ある。
筋保護液を、肥大心筋の心筋保護液として用いたもので
ある。
【0050】一般に、hemodynamic ove
rloadに起因する左室肥大心(臨床的には、先天性
の心疾患、後天性の弁疾患あるいは肥大型心筋症など)
は虚血に弱く、それは主に細胞内のカルシウム((Ca
2+)i )調節能の変化と、利用するエネルギー基質の変
化に関係していると考えられている。
rloadに起因する左室肥大心(臨床的には、先天性
の心疾患、後天性の弁疾患あるいは肥大型心筋症など)
は虚血に弱く、それは主に細胞内のカルシウム((Ca
2+)i )調節能の変化と、利用するエネルギー基質の変
化に関係していると考えられている。
【0051】まず、細胞内のカルシウム((Ca2+)i
)調節能の変化について説明する。すなわち、(Ca
2+)i は心筋細胞が収縮する上で重要であるが、主に細
胞膜にあるvoltage依存のCa2+チャンネルと、
sarcoplasmic reticulum(S
R)にあるCa2+チャンネル(ryanodine r
eceptors)によって調節されている。そして、
通常は、SRにあるCa2+チャンネルがCa2+調節に重
要な役割を果たしているが、肥大心筋においては、vo
ltage依存のCa2+チャンネルに大きく依存してい
る。
)調節能の変化について説明する。すなわち、(Ca
2+)i は心筋細胞が収縮する上で重要であるが、主に細
胞膜にあるvoltage依存のCa2+チャンネルと、
sarcoplasmic reticulum(S
R)にあるCa2+チャンネル(ryanodine r
eceptors)によって調節されている。そして、
通常は、SRにあるCa2+チャンネルがCa2+調節に重
要な役割を果たしているが、肥大心筋においては、vo
ltage依存のCa2+チャンネルに大きく依存してい
る。
【0052】また、虚血中においても、細胞内外のイオ
ン調節にエネルギーが使われるため、解糖系からのエネ
ルギー供給が停止した場合、イオン分布が崩れ(特に、
Ca2+、Na+ )、再灌流後の傷害が大きくなる。
ン調節にエネルギーが使われるため、解糖系からのエネ
ルギー供給が停止した場合、イオン分布が崩れ(特に、
Ca2+、Na+ )、再灌流後の傷害が大きくなる。
【0053】このエネルギー基質は、通常その2/3を
脂肪酸代謝に依存しており、グルコースに依存する部分
は20%以下と考えられているが、肥大心筋において
は、これが解糖系依存へとシフトしている。そのため、
虚血にさらされた肥大心筋では解糖系(嫌気性)が亢進
するが、その代謝産物であるラクテートの蓄積および細
胞内アシドーシスによって解糖系は直ちに停止し、エネ
ルギー供給は絶たれることになる。従って、解糖系の抑
制因子であるラクテート及びH+ を除去することによ
り、解糖系の促進を図り、肥大心筋においても、虚血中
の良好なエネルギー産生を可能とすることができると考
えられる。このような考えに基づき、塩基性アミノ酸で
あるヒスチジンを肥大心筋の保護に用いることとしたも
のである。
脂肪酸代謝に依存しており、グルコースに依存する部分
は20%以下と考えられているが、肥大心筋において
は、これが解糖系依存へとシフトしている。そのため、
虚血にさらされた肥大心筋では解糖系(嫌気性)が亢進
するが、その代謝産物であるラクテートの蓄積および細
胞内アシドーシスによって解糖系は直ちに停止し、エネ
ルギー供給は絶たれることになる。従って、解糖系の抑
制因子であるラクテート及びH+ を除去することによ
り、解糖系の促進を図り、肥大心筋においても、虚血中
の良好なエネルギー産生を可能とすることができると考
えられる。このような考えに基づき、塩基性アミノ酸で
あるヒスチジンを肥大心筋の保護に用いることとしたも
のである。
【0054】以下、本発明の心筋保護液(HBS)を虚
血時の肥大心筋に用いた場合の効果について説明する。
血時の肥大心筋に用いた場合の効果について説明する。
【0055】(方法)生後10日目の家兎を塩酸ケタミ
ンの筋注により麻酔したのち開胸し、下行大動脈にba
ndingを施し、5〜7週ののち肥大心筋モデルとし
て実験に使用した。再びケタミン麻酔ののち肥大心を摘
出し、ランゲンドルフ灌流モデルで灌流した。灌流液と
しては、酸素化したKrebs−Henseleit
(K−H)液を使用し、30分後に後述の項目を測定し
た後、K−H液のK+ 濃度を20mMとした液(KC
l)30mlあるいはHBS30mlを注入し、40分
間37℃の温阻血を加え、さらに30分間再灌流した。
再灌流30分の時点で同項目を測定した。
ンの筋注により麻酔したのち開胸し、下行大動脈にba
ndingを施し、5〜7週ののち肥大心筋モデルとし
て実験に使用した。再びケタミン麻酔ののち肥大心を摘
出し、ランゲンドルフ灌流モデルで灌流した。灌流液と
しては、酸素化したKrebs−Henseleit
(K−H)液を使用し、30分後に後述の項目を測定し
た後、K−H液のK+ 濃度を20mMとした液(KC
l)30mlあるいはHBS30mlを注入し、40分
間37℃の温阻血を加え、さらに30分間再灌流した。
再灌流30分の時点で同項目を測定した。
【0056】測定項目としては、左心室内に挿入したバ
ルーンにより脈圧と拡張期圧を測定し、虚血終了時に各
心筋保護液(30ml)を注入、流出液を採取し、ラク
テートを測定した。また、31P−NMR spectr
oscopyにより、細胞内の高エネルギーリン酸(p
hosphocreatine;PCr)、細胞内pH
(pHi)を経時的に測定した。
ルーンにより脈圧と拡張期圧を測定し、虚血終了時に各
心筋保護液(30ml)を注入、流出液を採取し、ラク
テートを測定した。また、31P−NMR spectr
oscopyにより、細胞内の高エネルギーリン酸(p
hosphocreatine;PCr)、細胞内pH
(pHi)を経時的に測定した。
【0057】(結果)肥大心の体重に対する左心室重量
(LV/BW ratio)は、HBS群で4.4×1
0-3±0.6×10-3、KCl群で4.8×10-3±
0.6×10-3であり、両群間に差はみられなかった。
また、脈圧も虚血前には両群(各群n=5)で差はなか
ったが、30分の再灌流後ではKCl群で脈圧は有意に
低下し、拡張期圧は有意に上昇した。一方、HBS群で
は拡張期圧は軽度上昇したが、脈圧は有意な低下を認め
なかった(図14(A)(B))。さらに、虚血中に産
生されたラクテート量はHBS群で有意に高値であった
(図15)。
(LV/BW ratio)は、HBS群で4.4×1
0-3±0.6×10-3、KCl群で4.8×10-3±
0.6×10-3であり、両群間に差はみられなかった。
また、脈圧も虚血前には両群(各群n=5)で差はなか
ったが、30分の再灌流後ではKCl群で脈圧は有意に
低下し、拡張期圧は有意に上昇した。一方、HBS群で
は拡張期圧は軽度上昇したが、脈圧は有意な低下を認め
なかった(図14(A)(B))。さらに、虚血中に産
生されたラクテート量はHBS群で有意に高値であった
(図15)。
【0058】また、細胞内pH(pHi)はKCl群で
虚血後急速に低下し、40分の虚血後には、6.3±
0.07pH units まで低下した。再灌流後は
緩やかに回復したが、30分においても6.85±0.
16pH units と虚血前より有意に低値であっ
た(図16)。一方、HBS群では、虚血40分におい
ても、細胞内pH(pHi)はよく保たれ(6.75±
0.04)、再灌流後5分で前値に復した(図16)。
虚血後急速に低下し、40分の虚血後には、6.3±
0.07pH units まで低下した。再灌流後は
緩やかに回復したが、30分においても6.85±0.
16pH units と虚血前より有意に低値であっ
た(図16)。一方、HBS群では、虚血40分におい
ても、細胞内pH(pHi)はよく保たれ(6.75±
0.04)、再灌流後5分で前値に復した(図16)。
【0059】また、phosphocreatine
(PCr)は虚血中にKCl群で消失したが、HBS群
では前値の約20%が残存していた。また、再灌流後に
は、HBS群ではほぼ前値に復したのに対し、KCl群
では虚血前の約45%であった(図17)。
(PCr)は虚血中にKCl群で消失したが、HBS群
では前値の約20%が残存していた。また、再灌流後に
は、HBS群ではほぼ前値に復したのに対し、KCl群
では虚血前の約45%であった(図17)。
【0060】(考察)上記の結果より、肥大心筋におい
て細胞内に蓄積されたラクテート及びH+ は細胞外に緩
衝されており、その結果、嫌気性解糖が促進され、温阻
血40分後においても高エネルギーリン酸であるpho
sphocreatine(PCr)は残存していた
(図17)。このことから、本発明による心筋保護液
は、再灌流後のエネルギー回復に良い影響を及ぼし、良
好な心機能回復をもたらすものと考えられる。
て細胞内に蓄積されたラクテート及びH+ は細胞外に緩
衝されており、その結果、嫌気性解糖が促進され、温阻
血40分後においても高エネルギーリン酸であるpho
sphocreatine(PCr)は残存していた
(図17)。このことから、本発明による心筋保護液
は、再灌流後のエネルギー回復に良い影響を及ぼし、良
好な心機能回復をもたらすものと考えられる。
【0061】[実施例3]本発明の心筋保護液を用いて
ウサギの心保存を行い、至適温度の検索を行った。
ウサギの心保存を行い、至適温度の検索を行った。
【0062】(方法)生後10日目の家兎を塩酸ケタミ
ンの筋注により麻酔したのち開胸し、下行大動脈にba
ndingを施し、5〜7週ののち肥大心筋モデルとし
て実験に使用した。再びケタミン麻酔ののち肥大心を摘
出し、ランゲンドルフ灌流モデルで灌流した。
ンの筋注により麻酔したのち開胸し、下行大動脈にba
ndingを施し、5〜7週ののち肥大心筋モデルとし
て実験に使用した。再びケタミン麻酔ののち肥大心を摘
出し、ランゲンドルフ灌流モデルで灌流した。
【0063】なお、心筋保護液としては、表14に示し
たような組成を有する本発明による心筋保護液(HB
S)と、ウイスコンシン大学(UW)液を用いた。ま
た、浸漬方法としては、心臓移植を想定して、長時間の
保存の適否を判断するために、4℃保存の場合のみ単純
浸漬保存を行い、その他の場合には、間欠投与(1回/
1時間)を行った。さらに、心筋の保存温度としては、
4℃、13℃、21℃の3つの場合について検証した。
たような組成を有する本発明による心筋保護液(HB
S)と、ウイスコンシン大学(UW)液を用いた。ま
た、浸漬方法としては、心臓移植を想定して、長時間の
保存の適否を判断するために、4℃保存の場合のみ単純
浸漬保存を行い、その他の場合には、間欠投与(1回/
1時間)を行った。さらに、心筋の保存温度としては、
4℃、13℃、21℃の3つの場合について検証した。
【0064】
【表14】 (結果)
【表15】 表15及び図18〜図20に示したような結果が得られ
た。すなわち、図18に示したように、拡張期圧は、4
℃で8時間保存した場合には、HBSとUWSともほぼ
良好であったが、4℃で16時間保存した場合には、H
BSでは良好であったが、UWSでは有意に上昇した。
一方、21℃で8時間保った場合には、HBSでは良好
な結果が得られたが、UWSでは非常に高い値が得られ
た。さらに、HBSでは21℃で16時間保った場合で
も、拡張期圧は低く抑えることができた。なお、一般
に、拡張期圧は15〜20mmHgを超えたあたりか
ら、不可逆的な心筋細胞傷害が起こると判断されてい
る。
た。すなわち、図18に示したように、拡張期圧は、4
℃で8時間保存した場合には、HBSとUWSともほぼ
良好であったが、4℃で16時間保存した場合には、H
BSでは良好であったが、UWSでは有意に上昇した。
一方、21℃で8時間保った場合には、HBSでは良好
な結果が得られたが、UWSでは非常に高い値が得られ
た。さらに、HBSでは21℃で16時間保った場合で
も、拡張期圧は低く抑えることができた。なお、一般
に、拡張期圧は15〜20mmHgを超えたあたりか
ら、不可逆的な心筋細胞傷害が起こると判断されてい
る。
【0065】また、図19に示したように、脈圧は、4
℃で8時間保った場合には、HBSとUWSともほぼ良
好であったが、4℃で16時間保った場合には、HBS
では良好であったが、UWSでは有意に低下した。一
方、21℃で8時間保った場合には、HBSでは良好な
結果が得られたが、UWSでは非常に低い拡張期圧が得
られた。さらに、HBSでは21℃で16時間保った場
合でも、高い脈圧を得ることができた。なお、一般に、
脈圧は高い方が心機能として良いと判断されている。
℃で8時間保った場合には、HBSとUWSともほぼ良
好であったが、4℃で16時間保った場合には、HBS
では良好であったが、UWSでは有意に低下した。一
方、21℃で8時間保った場合には、HBSでは良好な
結果が得られたが、UWSでは非常に低い拡張期圧が得
られた。さらに、HBSでは21℃で16時間保った場
合でも、高い脈圧を得ることができた。なお、一般に、
脈圧は高い方が心機能として良いと判断されている。
【0066】さらに、HBSを用い、13℃で16時
間、20時間、24時間保存した場合の拡張期圧及び脈
圧を図20(A)(B)に示した。すなわち、図20
(A)に示したように、本発明のHBSを用いて13℃
で保存した場合には、24時間保存した後であっても、
拡張期圧は約20mmHgであり、良好な心機能回復が
可能と判断された。また、図20(B)に示したよう
に、24時間保存後であっても、脈圧は虚血前の70%
であった。
間、20時間、24時間保存した場合の拡張期圧及び脈
圧を図20(A)(B)に示した。すなわち、図20
(A)に示したように、本発明のHBSを用いて13℃
で保存した場合には、24時間保存した後であっても、
拡張期圧は約20mmHgであり、良好な心機能回復が
可能と判断された。また、図20(B)に示したよう
に、24時間保存後であっても、脈圧は虚血前の70%
であった。
【0067】これらの結果から、間欠投与で13℃、2
1℃に保たれた群において、16時間〜24時間の長時
間の保存が可能であることが分かった。
1℃に保たれた群において、16時間〜24時間の長時
間の保存が可能であることが分かった。
【0068】[実施例4]本実施例は、本発明による心
筋保護液を、30数例に臨床応用したものである。すな
わち、cold blood cardioplegi
a(CBC…血液を希釈・冷却して用いる方法)という
従来の心筋保護法を用いた場合と、本発明による心筋保
護液を用いた場合の、手術後の心機能回復を検討した。
なお、本発明による心筋保護液の臨床での使用方法は、
4℃に冷却したHBSを30分毎に投与するものであ
る。
筋保護液を、30数例に臨床応用したものである。すな
わち、cold blood cardioplegi
a(CBC…血液を希釈・冷却して用いる方法)という
従来の心筋保護法を用いた場合と、本発明による心筋保
護液を用いた場合の、手術後の心機能回復を検討した。
なお、本発明による心筋保護液の臨床での使用方法は、
4℃に冷却したHBSを30分毎に投与するものであ
る。
【0069】その結果は、以下の通りである。すなわ
ち、投与直後、心筋温度は15〜17℃まで低下した
が、次回投与まで(30分後)には25〜27℃まで上
昇した。また、2回目以降も同様の経過をたどった。ま
た、CBC投与群では、34例中5例に心室細動がみら
れ、除細動が必要であったが、HBS投与群では、すべ
ての対象において心室細動はみられず、除細動は不要で
あった(すなわち、自己心拍を開始した)。さらに、H
BS投与群では、開心術中における強心剤の投与量は、
CBC投与群に比べて明らかに少量であった。このよう
に、本発明の心筋保護液は、臨床に応用した場合にも、
良好な結果を示した。
ち、投与直後、心筋温度は15〜17℃まで低下した
が、次回投与まで(30分後)には25〜27℃まで上
昇した。また、2回目以降も同様の経過をたどった。ま
た、CBC投与群では、34例中5例に心室細動がみら
れ、除細動が必要であったが、HBS投与群では、すべ
ての対象において心室細動はみられず、除細動は不要で
あった(すなわち、自己心拍を開始した)。さらに、H
BS投与群では、開心術中における強心剤の投与量は、
CBC投与群に比べて明らかに少量であった。このよう
に、本発明の心筋保護液は、臨床に応用した場合にも、
良好な結果を示した。
【0070】[本実施形態の効果]以上述べたように、
本発明の心筋保護液によれば、13℃〜37℃の広い範
囲の温度下において、良好な心筋保護が可能であり、ま
た、手術中に氷が不要となり、心筋保護液に血液を用い
ないため、良好な視野が確保できる。さらに、投与方法
が簡単であると共に、基本組成はアミノ酸であり、ま
た、他の内容物も従来から用いられているものであるた
め、安全性は非常に高いものである。特に、肥大心筋や
病的な状態にある心筋に顕著な効果があり、臨床応用に
適した心筋保護液である。
本発明の心筋保護液によれば、13℃〜37℃の広い範
囲の温度下において、良好な心筋保護が可能であり、ま
た、手術中に氷が不要となり、心筋保護液に血液を用い
ないため、良好な視野が確保できる。さらに、投与方法
が簡単であると共に、基本組成はアミノ酸であり、ま
た、他の内容物も従来から用いられているものであるた
め、安全性は非常に高いものである。特に、肥大心筋や
病的な状態にある心筋に顕著な効果があり、臨床応用に
適した心筋保護液である。
【0071】[他の実施形態]なお、本発明は上述した
実施形態に限定されるものではなく、アデノシンの含有
量は0.05mM/L〜2mM/L、ヒスチジンの含有
量は90mM/L〜110mM/L、グルコースの含有
量は9mM/L〜12mM/L、インスリンの含有量は
7I.U./L〜12I.U./L、リドカインの含有
量は60mg/L〜120mg/L、の範囲内であれ
ば、同様の効果が得られると考えられる。
実施形態に限定されるものではなく、アデノシンの含有
量は0.05mM/L〜2mM/L、ヒスチジンの含有
量は90mM/L〜110mM/L、グルコースの含有
量は9mM/L〜12mM/L、インスリンの含有量は
7I.U./L〜12I.U./L、リドカインの含有
量は60mg/L〜120mg/L、の範囲内であれ
ば、同様の効果が得られると考えられる。
【0072】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、虚
血に弱い肥大心筋や病的心筋を保護し、局所冷却を用い
ず、無血視野で安全に手術を行うことを可能とし、良好
な心機能回復が得られる心筋保護液を提供することがで
きる。
血に弱い肥大心筋や病的心筋を保護し、局所冷却を用い
ず、無血視野で安全に手術を行うことを可能とし、良好
な心機能回復が得られる心筋保護液を提供することがで
きる。
【図1】本発明の実施例1におけるEnd−systo
lic elastance(Ees)を示す図
lic elastance(Ees)を示す図
【図2】本発明の実施例1におけるequilibri
um volume(Vo)を示す図
um volume(Vo)を示す図
【図3】本発明の実施例1における拡張終期容量(Ve
d)を示す図
d)を示す図
【図4】本発明の実施例1における心拍出量(CO)を
示す図
示す図
【図5】本発明の実施例1における左室駆出率(EF)
を示す図
を示す図
【図6】本発明の実施例1における拡張期圧15mmH
gで測定した脈圧を示す図
gで測定した脈圧を示す図
【図7】本発明の実施例1におけるドブタミン負荷によ
るEnd−systolicelastance(Ee
s)を示す図
るEnd−systolicelastance(Ee
s)を示す図
【図8】本発明の実施例1におけるドブタミン負荷によ
るequilibrium volume(Vo)を示
す図
るequilibrium volume(Vo)を示
す図
【図9】本発明の実施例1におけるドブタミン負荷によ
る拡張終期容量(Ved)を示す図
る拡張終期容量(Ved)を示す図
【図10】本発明の実施例1におけるドブタミン負荷に
よる1回拍出量(SV)を示す図
よる1回拍出量(SV)を示す図
【図11】本発明の実施例1におけるドブタミン負荷に
よる心拍出量(CO)を示す図
よる心拍出量(CO)を示す図
【図12】本発明の実施例1におけるドブタミン負荷に
よる左室駆出率(EF)を示す図
よる左室駆出率(EF)を示す図
【図13】本発明の実施例1におけるドブタミン負荷に
よる拡張期圧15mmHgで測定した脈圧を示す図
よる拡張期圧15mmHgで測定した脈圧を示す図
【図14】(A)は本発明の実施例2における脈圧を示
す図、(B)は拡張期圧を示す図
す図、(B)は拡張期圧を示す図
【図15】本発明の実施例2における虚血中に産生され
たラクテート量を示す図
たラクテート量を示す図
【図16】本発明の実施例2における細胞内pHの変化
を示す図
を示す図
【図17】本発明の実施例2におけるPCrの変化を示
す図
す図
【図18】本発明の実施例3における拡張期圧を示す図
【図19】本発明の実施例3における脈圧を示す図
【図20】(A)は、13℃で16時間、20時間、2
4時間保存した場合の拡張期圧を示す図、(B)は脈圧
を示す図
4時間保存した場合の拡張期圧を示す図、(B)は脈圧
を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/28 A61K 37/26 //(A61K 31/195 31:70) (71)出願人 595169090 フン カオーダン Hung Cao−Danh アメリカ合衆国 02146 マサチューセッ ツ ブルックライン アスピンウォール アベニュー 150 (71)出願人 595169104 フランシス ゼビー マゴゥウァン Francis X McGowan アメリカ合衆国 02115 マサチューセッ ツ ボストン ロングウッド アベニュー 300 ベーダー 3 (71)出願人 595169115 パーシィバル ボーナベントゥーラ Percival Buenaventu ra アメリカ合衆国 15232 ペンシルバニア ピッツバーグ フィフス アベニュー #302 5230 (72)発明者 竹内 功 青森県青森市花園2丁目23−20 (72)発明者 ペドロ ジェイ デルニードー アメリカ合衆国 02173 マサチューセッ ツ レキシントン ヘリティジ ドライブ 9 (72)発明者 フン カオーダン アメリカ合衆国 02146 マサチューセッ ツ ブルックライン アスピンウォール アベニュー 150 (72)発明者 フランシス ゼビー マゴゥウァン アメリカ合衆国 02115 マサチューセッ ツ ボストン ロングウッド アベニュー 300 ベーダー 3 (72)発明者 パーシィバル ボーナベントゥーラ アメリカ合衆国 15232 ペンシルバニア ピッツバーグ フィフス アベニュー #302 5230
Claims (7)
- 【請求項1】 ヒスチジンを90mM/L〜110mM
/L、アデノシンを0.05mM/L〜2mM/L含有
することを特徴とする心筋保護液。 - 【請求項2】 ヒスチジンを90mM/L〜110mM
/L、アデノシンを0.05mM/L〜2mM/L含有
し、肥大心筋の保存に用いることを特徴とする心筋保護
液。 - 【請求項3】 解糖系の基質となるグルコースを9mM
/L〜12mM/L、細胞内へのグルコース摂取量を高
めるインスリンを7I.U./L〜12I.U./L、
Naチャンネルブロッカーであるリドカインを60mg
/L〜120mg/L含有することを特徴とする請求項
1または請求項2に記載の心筋保護液。 - 【請求項4】 ヒスチジンを100mM/L、アデノシ
ンを0.1mM/L含有することを特徴とする心筋保護
液。 - 【請求項5】 ヒスチジンを100mM/L、アデノシ
ンを0.1mM/L含有し、肥大心筋の保存に用いるこ
とを特徴とする心筋保護液。 - 【請求項6】 L−Histidineを100mM/
L、KH2 PO4 を2.5mM/L、KClを20mM
/L、MgSO4 ・7H2 Oを6mM/L、NaClを
80mM/L、CaCl2 を0.1mM/L、Aden
osineを0.1mM/L、D−glucoseを1
1mM/L、Mannitolを20mM/L、Lid
ocaineを100mg/L、NaOHを3.6mM
/L、Insulinを10I.U./L含有すること
を特徴とする心筋保護液。 - 【請求項7】 pHが7.7〜7.9である請求項1乃
至請求項6のいずれか一に記載の心筋保護液。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31319395A JP3875295B2 (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | 心筋保護液 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31319395A JP3875295B2 (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | 心筋保護液 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09151134A true JPH09151134A (ja) | 1997-06-10 |
| JP3875295B2 JP3875295B2 (ja) | 2007-01-31 |
Family
ID=18038229
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31319395A Expired - Fee Related JP3875295B2 (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | 心筋保護液 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3875295B2 (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2002007735A1 (en) * | 2000-07-26 | 2002-01-31 | Fuso Pharmaceutical Industries, Ltd. | Cardiac arrest fluid |
| US7749522B2 (en) | 1999-03-23 | 2010-07-06 | Hibernation Therapeutics Limited | Organ arrest, protection and preservation |
| US8946189B2 (en) | 2007-03-02 | 2015-02-03 | Hibernation Therapeutics, A Kf Llc | Transplants |
| US9125929B2 (en) | 2006-07-25 | 2015-09-08 | Hibernation Therapeutics, A Kf Llc | Trauma therapy |
| US10251905B2 (en) | 2006-05-29 | 2019-04-09 | Hibernation Therapeutics, A Kf Llc | Tissue maintenance |
| US10786525B2 (en) | 2013-07-17 | 2020-09-29 | Hibernation Therapeutics A Kf Llc | Method for treating haemorrhage, shock and brain injury |
-
1995
- 1995-11-30 JP JP31319395A patent/JP3875295B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7749522B2 (en) | 1999-03-23 | 2010-07-06 | Hibernation Therapeutics Limited | Organ arrest, protection and preservation |
| JP4949558B2 (ja) * | 1999-03-23 | 2012-06-13 | ハイバーネーション・セラピューティクス・グローバル・リミテッド | 臓器の停止、保護、及び保存 |
| US9320753B2 (en) | 1999-03-23 | 2016-04-26 | Hibernation Therapeutics, A Kf Llc | Organ arrest, protection and preservation |
| WO2002007735A1 (en) * | 2000-07-26 | 2002-01-31 | Fuso Pharmaceutical Industries, Ltd. | Cardiac arrest fluid |
| US10251905B2 (en) | 2006-05-29 | 2019-04-09 | Hibernation Therapeutics, A Kf Llc | Tissue maintenance |
| US9125929B2 (en) | 2006-07-25 | 2015-09-08 | Hibernation Therapeutics, A Kf Llc | Trauma therapy |
| US8946189B2 (en) | 2007-03-02 | 2015-02-03 | Hibernation Therapeutics, A Kf Llc | Transplants |
| US10786525B2 (en) | 2013-07-17 | 2020-09-29 | Hibernation Therapeutics A Kf Llc | Method for treating haemorrhage, shock and brain injury |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3875295B2 (ja) | 2007-01-31 |
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