JPH09157594A - ポリシラザン塗布液 - Google Patents

ポリシラザン塗布液

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JPH09157594A
JPH09157594A JP34524095A JP34524095A JPH09157594A JP H09157594 A JPH09157594 A JP H09157594A JP 34524095 A JP34524095 A JP 34524095A JP 34524095 A JP34524095 A JP 34524095A JP H09157594 A JPH09157594 A JP H09157594A
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JP
Japan
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polysilazane
group
general formula
molecular weight
average molecular
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Application number
JP34524095A
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English (en)
Inventor
Yasuo Shimizu
泰雄 清水
Fumitaka Tamura
文孝 田村
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体への悪影響が少なく且つ取り扱い性が良
好で、その上このポリシラザン溶液を基材に塗布し、酸
化することによって均質なシリカ被膜を形成することが
可能なポリシラザン塗布液を提供する。 【解決手段】 主として一般式(I)−〔Si(H)(H)
−N(H)〕−で表される構造単位を有するポリシラザン
(変性物)に対しては下記(i)、(ii)から選ばれる
少なくとも1種の溶媒を、また主として一般式(II)−
〔Si(R1)(R2)−N(R3)〕−で表される構造単位を
有するポリシラザン(変性物)に対しては下記(i)、
(iii)、(iv)から選ばれた少なくとも1種の溶媒を
選択する。 (i)ベンゼン、トルエン、キシレン、その他の芳香族
化合物、(ii)シクロヘキサン、シクロヘキセン、デカ
ヒドロナフタレン、ジペンテン、(iii)n−ペンタ
ン、i−ペンタン、n−ヘキサン等の飽和炭化水素化合
物、(iv)エチルシクロヘキサン、ジペンテン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリシラザン塗布液
に関し、詳しくは人体への悪影響が少なく、取り扱い性
が良好で、しかもこれを基材に塗布し酸化することによ
って均質なシリカ被膜を形成することができるポリシラ
ザン塗布液に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、シリカ、窒化珪素、酸窒化珪素の
前駆体ポリマーであるポリシラザンは、耐熱性、耐摩耗
性、耐蝕性等に優れたセラミックコーティング膜が得ら
れるため、注目されている。このポリシラザンを基材に
塗布する場合には、適当な溶媒に溶解する必要がある
が、ポリシラザンは一般の有機ポリマーと比較して反応
性が高いため、ポリシラザンと反応させずに安定に溶解
することが確認されている溶媒は少なく、例えばベンゼ
ン、キシレン、トルエン等があるのみである。しかも、
この場合の溶媒としては、人体への悪影響が少なく且つ
取り扱い性が良好である上に、ポリシラザン溶液を基材
に塗布し、酸化した際に均質なシリカ被膜を形成するこ
とが要求されるが、このような溶媒に関する提案は未だ
なされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上記
従来技術の実状に鑑みてなされたものであって、人体へ
の悪影響が少なく且つ取り扱い性が良好で、その上この
ポリシラザン溶液を基材に塗布し、酸化することによっ
て均質なシリカ被膜を形成することができるポリシラザ
ン塗布液を提供することを、その目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、ポリシラザンの種類に応じた適切な溶媒を
選ぶことによって、これを基材に塗布し、酸化した際に
均質なシリカ被膜を形成し得ることを見い出し、本発明
に到達した。
【0005】すなわち、本発明によれば、第一に、主と
して下記一般式(I)
【化1】 で表される構造単位からなる骨格を有する数平均分子量
が約100〜50,000であり、且つSi/Nの平均
原子比の範囲が0.7〜3.0であるポリシラザン又は
その変性物を、下記(i)及び(ii)から選ばれる少な
くとも1種の化合物に溶解させてなることを特徴とする
ポリシラザン塗布液が提供される。 (i)ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、トリエチ
ルベンゼン等の芳香族化合物、(ii)シクロヘキサン、
シクロヘキセン、デカヒドロナフタレン及びジペンテ
ン。第二に、主として下記一般式(II)
【化2】 (式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原
子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ア
リール基、若しくはこれらの基以外でフルオロアルキル
基等のケイ素に直結する基が炭素である基、アルキルシ
リル基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を表す。但
し、R1、R2及びR3のうち1つ又は2つは水素原子で
ある。)で表される構造単位からなる骨格を有する数平
均分子量が約100〜50,000であり、且つSi/
Nの平均原子比の範囲が0.7〜3.0であるポリシラ
ザン又はその変性物を、下記(i)〜(iii)から選ば
れる少なくとも1種の化合物に溶解させてなることを特
徴とするポリシラザン塗布液が提供される。 (i)ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、トリエチ
ルベンゼン等の芳香族化合物、(ii)n−ペンタン、i
−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、i−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン、n−
ノナン、i−ノナン、n−デカン、i−デカン等の飽和
炭化水素化合物、(iii)エチルシクロヘキサン及びジ
ペンテン。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明で用いるポリシラザンは、主として前記一
般式(I)又は(II)で表される構造単位からなる骨格
を有する数平均分子量が約100〜50,000であ
り、且つSi/Nの平均原子比の範囲が0.7〜3.0
であるポリシラザン又はその変性物である。もちろん、
該ポリシラザンは単独のみではなく、他のポリシラザン
若しくは他のポリマーとの共重合体やポリシラザンと他
の化合物との混合物でも利用できる。用いるポリシラザ
ンには、鎖状、環状、あるいは架橋構造を有するもの、
あるいは分子内にこれら複数の構造を同時に有するもの
があり、これら単独でもあるいは混合物でも利用でき
る。
【0007】用いるポリシラザンの代表例としては下記
のようなものがあるが、これらに限定されるものではな
い。前記一般式(I)で表されるものは、ペルヒドロポ
リシラザンであり、その製造方法は例えば特開昭60−
145903号公報、D.SeyferthらComm
unication of Am.Cer.Soc.,
C−13,January 1983.に報告されてい
る。これらの方法で得られるものは、種々の構造を有す
るポリマーの混合物であるが、基本的には分子内に鎖状
部分と環状部分を含み、
【化3】 の化学式で表すことができる。
【0008】ペルヒドロポリシラザンの構造の一例を示
すと下記の如くである。
【化4】
【0009】前記一般式(II)でR1及びR2に水素原
子、R3にメチル基を有するポリシラザンの製造方法
は、D.SeyferthらPolym.Prepr.
Am.Chem.Soc.,Div.Polym.Ch
em,.25,10(1984)に報告されている。こ
の方法により得られるポリシラザンは、繰り返し単位が
−(SiH2NCH3)−の鎖状ポリマーと環状ポリマー
であり、いずれも架橋構造をもたない。
【0010】前記一般式(II)でR1及びR2に水素原
子、R3に有機基を有するポリオルガノ(ヒドロ)シラ
ザンの製造法は、D.SeyferthらPolym.
Prepr.Am.Chem.Soc.,Div.Po
lym.Chem,.25,10(1984)、特開昭
61−89230号公報に報告されている。これら方法
により得られるポリシラザンには、−(R2SiHN
H)−を繰り返し単位として、主として重合度が3〜5
の環状構造を有するものや(R3SiHNH)x〔(R2
iH)1.5N〕1-X(0.4<X<1)の化学式で示され
る分子内に鎖状構造と環状構造を同時に有するものがあ
る。
【0011】前記一般式(II)でR1に水素原子、R2
3に有機基を有するポリシラザン、またR1及びR2
有機基、R3に水素原子を有するものは−(R12Si
NR3)−を繰り返し単位として、主に重合度が3〜5
の環状構造を有している。
【0012】次に、用いるポリシラザンの内、前記一般
式(I)及び(II)以外のものの代表例を挙げる。以下
のポリシラザンは前記一般式(II)の構造単位を有する
ものと同様に扱うことができる。ポリオルガノ(ヒド
ロ)シラザンの中には、D.SeyferthらCom
munication of Am.Cer.Soc.
C−132,July 1984.が報告されている様
な分子内に架橋構造を有するものもある。一例を示すと
下記の如くである。
【化5】
【0013】また、特開昭49−69717号公報に報
告されている様なR1SiX3(X:ハロゲン)のアンモ
ニア分解によって得られる架橋構造を有するポリシラザ
ンR1Si(NH)x、あるいはR1SiX3及びR2 2Si
2の共アンモニア分解によって得られる下記の構造を
有するポリシラザンも出発材料として用いることができ
る。
【化6】
【0014】用いるポリシラザンは、上記の如く前記一
般式(I)又は(II)で表される単位からなる主骨格を
有するが、前記一般式(I)又は(II)表される単位
は、上記にも明らかな如く環状化することがあり、その
場合にはその環状部分が末端基となり、このような環状
化がされない場合には、主骨格の末端はR1、R2、R3
と同様の基又は水素原子であることができる。
【0015】また、ポリシラザン変性物として、例えば
下記の構造(式中、側鎖の金属原子であるMは架橋をな
していてもよい)のように金属原子を含むポリメタロシ
ラザンも出発材料として用いることができる。
【化7】
【0016】その他、特開昭62−195024号公報
に報告されているような繰り返し単位が〔(SiH2n
(NH)m〕及び〔(SiH2rO〕(これら式中、
n、m、rはそれぞれ1、2又は3である)で表される
ポリシロキサザン、特開平2−84437号公報に報告
されているようなポリシラザンにボロン化合物を反応さ
せて製造する耐熱性に優れたポリボロシラザン、特開昭
63−81122号、同63−191832号、特開平
2−77427号各公報に報告されているようなポリシ
ラザンとメタルアルコキシドとを反応させて製造するポ
リメタロシラザン、特開平1−138108号、同1−
138107号、同1−203429号、同1−203
430号、同4−63833号、同3−320167号
各公報に報告されているような分子量を増加させたり
(上記公報の前4者)、耐加水分解性を向上させた(後
2者)、無機シラザン高重合体や改質ポリシラザン、特
開平2−175726号、同5−86200号、同5−
331293号、同3−31326号各公報に報告され
ているようなポリシラザンに有機成分を導入した厚膜化
に有利な共重合シラザン、特開平5−238827号公
報、特願平4−272020号、同5−93275号、
同5−214268号、同5−30750号、同5−3
38524号に報告されているようなポリシラザンにセ
ラミックス化を促進するための触媒的化合物を付加又は
添加したプラスチックスやアルミニウムなどの金属への
施工が可能で、より低温でセラミックス化する低温セラ
ミックス化ポリシラザンなども同様に使用できる。
【0017】本発明では、更に、以下のような低温セラ
ミックス化ポリシラザンを使用することできる。例え
ば、本願出願人による特願平4−39595号明細書に
記載されているケイ素アルコキシド付加ポリシラザンが
挙げられる。この変性ポリシラザンは、前記一般式
(I)又は(II)で表されるポリシラザンと、下記一般
式(III): Si(OR44 (III) (式中、R4は、同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭素原子数1〜20個を有するアルキル基又はアリ
ール基を表し、少なくとも1個のR4は上記アルキル基
又はアリール基である)で表されるケイ素アルコキシド
を加熱反応させて得られる、アルコキシド由来ケイ素/
ポリシラザン由来ケイ素原子比が0.001〜3の範囲
内且つ数平均分子量が約200〜50万のケイ素アルコ
キシド付加ポリシラザンである。
【0018】低温セラミックス化ポリシラザンの別の例
として、本出願人による特開平6−122852号公報
に記載されているグリシドール付加ポリシラザンが挙げ
られる。この変性ポリシラザンは、前記一般式(I)又
は(II)で表されるポリシラザンとグリシドールを反応
させて得られる、グリシドール/ポリシラザン重量比が
0.001〜2の範囲内且つ数平均分子量が約200〜
50万のグリシドール付加ポリシラザンである。
【0019】低温セラミックス化ポリシラザンの更に別
の例として、本願出願人による特願平5−35604号
明細書に記載されているアセチルアセトナト錯体付加ポ
リシラザンが挙げられる。この変性ポリシラザンは、前
記一般式(I)又は(II)で表されるポリシラザンと、
金属としてニッケル、白金、パラジウム又はアルミニウ
ムを含むアセチルアセトナト錯体を反応させて得られ
る、アセチルアセトナト錯体/ポリシラザン重量比が
0.000001〜2の範囲内且つ数平均分子量が約2
00〜50万のアセチルアセトナト錯体付加ポリシラザ
ンである。前記の金属を含むアセチルアセトナト錯体
は、アセチルアセトン(2,4−ペンタジオン)から酸
解離により生じた陰イオンacac-が金属原子に配位
した錯体であり、一般に式(CH3COCHCOCH3
nM〔式中、Mはn価の金属を表す〕で表される。
【0020】低温セラミックス化ポリシラザンのまた別
の例として、本願出願人による特願平5−93275号
明細書に記載されている金属カルボン酸塩付加ポリシラ
ザンが挙げられる。この変性ポリシラザンは、前記一般
式(I)又は(II)で表されるポリシラザンと、ニッケ
ル、チタン、白金、ロジウム、コバルト、鉄、ルテニウ
ム、オスミウム、パラジウム、イリジウム、アルミニウ
ムの群から選択される少なくとも1種の金属を含む金属
カルボン酸塩を反応させて得られる、金属カルボン酸塩
//ポリシラザン重量比が0.000001〜2の範囲
内且つ数平均分子量が約200〜50万の金属カルボン
酸塩付加ポリシラザンである。上記金属カルボン酸塩
は、式(RCOO)nM〔式中、Rは炭素原子数1〜2
2個の脂肪族基又は脂環式基であり、Mは上記金属群か
ら選択される少なくとも1種の金属を表し、そしてnは
金属Mの原子価である〕で表される化合物である。上記
金属カルボン酸塩は無水物であっても水和物であっても
よい。また、金属カルボン酸塩/ポリシラザン重量比は
好ましくは0.001〜1、より好ましくは0.01〜
0.5である。金属カルボン酸塩付加ポリシラザンの調
製については、上記特願平5−93275号明細書を参
照されたい。
【0021】更に、本発明においては、前記一般式
(I)又は(II)で表される構成単位からなる主骨格を
有するポリシラザン又はその変性物に、アミン類又は/
及び酸類を添加した組成物を出発原料として用いること
もできる。このアミン類/酸類添加ポリシラザンは低温
且つ高速でシリカ系セラミックスに転化し得るという利
点を有する。添加されるアミン類としては、一般式R6
78N(式中R6〜R8はアルキル基、アルケニル基、
シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、ア
ルキルアミノ基、アルコキシ基又は水素原子を表す。)
で表される第一、第二、第三アミン類の他に、ピリジン
類やDBU、DBN等があり、また添加される酸類に
は、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸等の有機酸や塩
酸、硝酸、硫酸等の無機酸がある。なお、これらのアミ
ン類又は/及び酸類は、後記するエステル系溶媒に原料
ポリシラザンを溶解後、添加してもよい。
【0022】このようなポリシラザンあるいはポリシラ
ザン変成物は、その形態は任意である。従って、繊維、
バルク、粉末などのいずれでもよい。
【0023】本発明においては、ポリシラザンを溶解す
る溶媒として、主として前記一般式(I)で表される構
造単位からなる骨格を有するポリシラザン又はその変性
物に対しては、下記(i)及び(ii)から選ばれる少な
くとも1種の化合物が用いられる。 (i)ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、トリエチ
ルベンゼン等の芳香族化合物、(ii)シクロヘキサン、
シクロヘキセン、デカヒドロナフタレン及びジペンテ
ン。また、主として前記一般式(II)で表される構造単
位からなる骨格を有するポリシラザン又はその変性物に
対しては、下記(i)〜(iii)から選ばれる少なくと
も1種の化合物が用いられる。 (i)ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、トリエチ
ルベンゼン等の芳香族化合物、(ii)n−ペンタン、i
−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、i−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン、n−
ノナン、i−ノナン、n−デカン、i−デカン等の飽和
炭化水素化合物、(iii)エチルシクロヘキサン及びジ
ペンテン。
【0024】ポリシラザンを上記溶媒に溶解する方法
は、任意の方法を採用することができるが、一般には次
の方法が採用される。 (1)ポリシラザンに上記溶媒を添加し、単純に撹拌す
る。 (2)ポリシラザン溶液をロータリーエバポレーター等
の蒸留機器を用いて沸点の高い上記溶媒に徐々に置換す
る。 なお、ポリシラザンは水分と容易に反応するため、上記
溶媒は使用前にモレキュラシーブ等の添加により水分を
除去しておく必要がある。上記溶媒の水分含有量は、1
00ppm以下とすることが好ましい。また、ポリシラ
ザンを上記溶剤に溶解する際の温度は、特に限定される
ものではないが、一般的には上記溶剤の凝固点以上沸点
以下が採用される。なお、溶解を実施する雰囲気も、特
に限定されるものではないが、ポリシラザンは水分と反
応しやすいため乾燥空気、乾燥窒素雰囲気が好ましい。
【0025】ポリシラザン又はその変性物を上記溶媒に
溶解させた得られた溶液は、そのまま塗布液として使用
できる。本発明のポリシラザン塗布液において、必要に
応じて適当な充填剤及び/又は増量剤を加えることがで
きる。充填剤の添加量はポリシラザン1重量部に対し、
0.05〜10重量部の範囲であり、特に好ましい添加
量は0.2〜3重量部の範囲である。塗布液には、更に
必要に応じて各種顔料、レベリング剤、消泡剤、帯電防
止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、分散剤、表面改質
剤、可塑剤、乾燥促進剤、流れ止め剤、等を加えてもよ
い。ポリシラザン溶解後の濃度は特に限定されるもので
はないが、通常0.01〜80重量%、好ましくは0.
1〜50重量%である。
【0026】本発明の塗布液を塗布する基材は、特に限
定されず、金属、ガラス、シリコン板、プラスチック、
木材等のいずれでもよい。塗布手段としては、通常の塗
布方法、例えばスピンコート、ディップコート、流し塗
り、ロールコート等が用いられる。また、塗布前に基材
をやすりがけ、脱脂、各種ブラスト等で表面処理してお
くと、ポリシラザン(変性物)の付着性能が向上する。
【0027】本発明の塗布液を基材に塗布した後、乾
燥、焼成することによって、容易に均質な表面を有する
シリカ被膜を得ることができる。なお、シリカ被膜形成
に際し、150℃以下で熱処理した後、水蒸気にさらす
又は/及び触媒を含有した蒸留水中に浸すことによる低
温形成法(特願平6−313425号)や、アミン類又
は/及び酸類を含む水溶液中に浸漬又は該水溶液から発
生する蒸気と接触させることによる、あるいは塗布液と
してアミン類又は/及び酸類を添加したものを用い、塗
布後に水蒸気と接触させることによる低温形成法(特願
平7−200584号)を利用することもできる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明の技術的範囲がこれらにより限定される
ものではない。
【0029】参考例1[ペルヒドロポリシラザンの合
成] 内容積1リットルの四つ口フラスコにガス吹き込み管、
メカニカルスターラー、ジュワーコンデンサーを装着し
た。反応器内部を脱酸素した乾燥窒素で置換した後、四
つ口フラスコに脱気した乾燥ピリジンを490ml入
れ、これを氷冷した。次に、ジクロロシラン51.9g
を加えると、白色固体状のアダクト(SiH2Cl2・2
55N)が生成した。反応混合物を氷冷し、撹拌しな
がら水酸化ナトリウム管及び活性炭管を通して精製した
アンモニア51.0gを吹き込んだ後、乾燥窒素を液層
に吹き込んで未反応のアンモニアを除去した。
【0030】反応終了後、反応混合物を遠心分離し、乾
燥ピリジンを用いて洗浄した後、更に乾燥窒素雰囲気下
で濾過して濾液850mlを得た。濾液5mlから溶媒
を減圧除去すると、樹脂状固体ペルヒドロポリシラザン
0.102gが得られた。数平均分子量をベンゼンの凝
固点降下法で測定したところ、600g/molであっ
た。
【0031】参考例2[メチル基含有ペルヒドロポリシ
ラザンの合成] 参考例1で合成したペルヒドロポリシラザン10.0g
とヘキサメチルジシラザン2.00gをピリジン190
gに溶解させ、容量500mlのSUS製オートクレー
ブに導入し、雰囲気を乾燥窒素で十分に置換した。これ
を、撹拌しながらオイルバスで80℃に加熱し、3時間
保持した。溶媒を減圧除去すると、樹脂状固体ヘキサメ
チルジシラザンが付加したペルヒドロポリシラザン1
1.0gが得られた。数平均分子量をベンゼンの凝固点
降下法で測定したところ、650g/molであった。
【0032】参考例3[ポリメチル(ヒドロ)シラザン
の合成] 内容積500mlの四つ口フラスコにガス吹き込み管、
メカニカルスターラー、ジュワーコンデンサーを装着し
た。反応器内部を脱酸素した乾燥窒素で置換した後、四
つ口フラスコにメチルジクロロシラン(CH3SiHC
2、24.3g,0.221mol)と乾燥ジクロロ
メタン300mlを入れた。反応混合物を氷冷し、撹拌
しながら乾燥アンモニア20.5g(1.20mol)
を窒素ガスと共に吹き込んでアンモニア分解を行った。
【0033】反応終了後、反応混合物を遠心分離した
後、濾過した。濾液から溶媒を減圧除去し、ポリメチル
(ヒドロ)シラザンを無色の液体として8.79g得
た。生成物の数平均分子量をベンゼンの凝固点降下法で
測定したところ、900g/molであった。
【0034】比較例1 参考例1で合成したペルヒドロポリシラザンをメチルシ
クロヘキサンに溶解し、20重量%の濃度に調整した。
これを室温で1ヵ月保存した後、数平均分子量を測定し
たところ、600g/molであった。これをシリコン
板に3000rpm×20秒の条件でスピンコートし
た。これを大気雰囲気、450℃で1時間焼成した。得
られた被膜表面の顕微鏡観察(120倍)を行ったとこ
ろ、放射状の縞が多く見られ、不均一であった。
【0035】比較例2 参考例3で合成したペルヒドロポリシラザンをデカヒド
ロナフタレンに溶解し、20重量%の濃度に調整した。
これを室温で1ヵ月保存した後、数平均分子量を測定し
たところ、900g/molであった。これをシリコン
板に3000rpm×20秒の条件でスピンコートし
た。これを大気雰囲気、450℃で1時間焼成した。得
られた被膜表面の顕微鏡観察(120倍)を行ったとこ
ろ、放射状の縞が多く見られ、不均一であった。
【0036】実施例1 参考例1で合成したペルヒドロポリシラザンをベンゼン
に溶解し、20重量%の濃度に調整した。これを室温で
1ヵ月保存した後、数平均分子量を測定したところ、6
00g/molであった。これをシリコン板に3000
rpm×20秒の条件でスピンコートした。これを大気
雰囲気、450℃で1時間焼成した。得られた被膜表面
の顕微鏡観察(120倍)を行ったところ、均質であっ
た。
【0037】実施例2 参考例1で合成したペルヒドロポリシラザンをジエチル
ベンゼンに溶解し、20重量%の濃度に調整した。これ
を室温で1ヵ月保存した後、数平均分子量を測定したと
ころ、600g/molであった。これをシリコン板に
3000rpm×20秒の条件でスピンコートした。こ
れを大気雰囲気、450℃で1時間焼成した。得られた
被膜表面の顕微鏡観察(120倍)を行ったところ、均
質であった。
【0038】実施例3 参考例1で合成したペルヒドロポリシラザンをデカヒド
ロナフタレンに溶解し、20重量%の濃度に調整した。
これを室温で1ヵ月保存した後、数平均分子量を測定し
たところ、600g/molであった。これをシリコン
板に3000rpm×20秒の条件でスピンコートし
た。これを大気雰囲気、450℃で1時間焼成した。得
られた被膜表面の顕微鏡観察(120倍)を行ったとこ
ろ、均質であった。
【0039】実施例4 参考例1で合成したペルヒドロポリシラザンをジペンテ
ンに溶解し、20重量%の濃度に調整した。これを室温
で1ヵ月保存した後、数平均分子量を測定したところ、
800g/molであった。これをシリコン板に300
0rpm×20秒の条件でスピンコートした。これを大
気雰囲気、450℃で1時間焼成した。得られた被膜表
面の顕微鏡観察(120倍)を行ったところ、均質であ
った。
【0040】実施例5 参考例1で合成したペルヒドロポリシラザンをデカヒド
ロナフタレンに溶解し、20重量%の濃度に調整した。
この溶液100gをガラス製四つ口フラスコに入れ、乾
燥窒素で置換した。次に、プロピオン酸パラジウム0.
2gを40gのデカヒドロナフタレンに溶解した。これ
をペルヒドロポリシラザンデカヒドロナフタレン溶液中
に撹拌しながら室温で10分間かけて徐々に添加した。
得られた溶液を室温で1ヵ月保存した後、数平均分子量
を測定したところ、700g/molであった。これを
シリコン板に3000rpm×20秒の条件でスピンコ
ートした。これを大気雰囲気、450℃で1時間焼成し
た。得られた被膜表面の顕微鏡観察(120倍)を行っ
たところ、均質であった。
【0041】実施例6 参考例2で合成したメチル基含有ペルヒドロポリシラザ
ンをm−キシレンに溶解し、20重量%の濃度に調整し
た。これを室温で1ヵ月保存した後、数平均分子量を測
定したところ、650g/molであった。これをシリ
コン板に3000rpm×20秒の条件でスピンコート
した。これを大気雰囲気、450℃で1時間焼成した。
得られた被膜表面の顕微鏡観察(120倍)を行ったと
ころ、均質であった。
【0042】実施例7 参考例2で合成したメチル基含有ペルヒドロポリシラザ
ンをトルエンに溶解し、20重量%の濃度に調整した。
これを室温で1ヵ月保存した後、数平均分子量を測定し
たところ、650g/molであった。これをシリコン
板に3000rpm×20秒の条件でスピンコートし
た。これを大気雰囲気、450℃で1時間焼成した。得
られた被膜表面の顕微鏡観察(120倍)を行ったとこ
ろ、均質であった。
【0043】実施例8 参考例2で合成したメチル基含有ペルヒドロポリシラザ
ンをn−ヘキサンに溶解し、20重量%の濃度に調整し
た。これを室温で1ヵ月保存した後、数平均分子量を測
定したところ、650g/molであった。これをシリ
コン板に3000rpm×20秒の条件でスピンコート
した。これを大気雰囲気、450℃で1時間焼成した。
得られた被膜表面の顕微鏡観察(120倍)を行ったと
ころ、均質であった。
【0044】実施例9 参考例2で合成したメチル基含有ペルヒドロポリシラザ
ンをi−オクタンに溶解し、20重量%の濃度に調整し
た。これを室温で1ヵ月保存した後、数平均分子量を測
定したところ、650g/molであった。これをシリ
コン板に3000rpm×20秒の条件でスピンコート
した。これを大気雰囲気、450℃で1時間焼成した。
得られた被膜表面の顕微鏡観察(120倍)を行ったと
ころ、均質であった。
【0045】実施例10 参考例2で合成したメチル基含有ペルヒドロポリシラザ
ンをn−ノナンに溶解し、20重量%の濃度に調整し
た。この溶液100gをガラス製四つ口フラスコに入
れ、乾燥窒素で置換した。次に、プロピオン酸パラジウ
ム0.2gを40gのn−ノナンに溶解した。これをペ
ルヒドロポリシラザンn−ノナン溶液中に撹拌しながら
室温で10分間かけて徐々に添加した。得られた溶液を
室温で1ヵ月保存した後、数平均分子量を測定したとこ
ろ、720g/molであった。これをシリコン板に3
000rpm×20秒の条件でスピンコートした。これ
を大気雰囲気、450℃で1時間焼成した。得られた被
膜表面の顕微鏡観察(120倍)を行ったところ、均質
であった。
【0046】実施例11 参考例3で合成したメチル基含有ペルヒドロポリシラザ
ンをm−キシレンに溶解し、20重量%の濃度に調整し
た。これを室温で1ヵ月保存した後、数平均分子量を測
定したところ、900g/molであった。これをシリ
コン板に3000rpm×20秒の条件でスピンコート
した。これを大気雰囲気、450℃で1時間焼成した。
得られた被膜表面の顕微鏡観察(120倍)を行ったと
ころ、均質であった。
【0047】実施例12 参考例3で合成したメチル基含有ペルヒドロポリシラザ
ンを1,3,5−トリメチルベンゼンに溶解し、20重
量%の濃度に調整した。これを室温で1ヵ月保存した
後、数平均分子量を測定したところ、900g/mol
であった。これをシリコン板に3000rpm×20秒
の条件でスピンコートした。これを大気雰囲気、450
℃で1時間焼成した。得られた被膜表面の顕微鏡観察
(120倍)を行ったところ、均質であった。
【0048】実施例13 参考例3で合成したメチル基含有ペルヒドロポリシラザ
ンをn−ペンタンに溶解し、20重量%の濃度に調整し
た。これを室温で1ヵ月保存した後、数平均分子量を測
定したところ、900g/molであった。これをシリ
コン板に3000rpm×20秒の条件でスピンコート
した。これを大気雰囲気、450℃で1時間焼成した。
得られた被膜表面の顕微鏡観察(120倍)を行ったと
ころ、均質であった。
【0049】実施例14 参考例3で合成したメチル基含有ペルヒドロポリシラザ
ンをn−デカンに溶解し、20重量%の濃度に調整し
た。これを室温で1ヵ月保存した後、数平均分子量を測
定したところ、900g/molであった。これをシリ
コン板に3000rpm×20秒の条件でスピンコート
した。これを大気雰囲気、450℃で1時間焼成した。
得られた被膜表面の顕微鏡観察(120倍)を行ったと
ころ、均質であった。
【0050】実施例15 参考例3で合成したメチル基含有ペルヒドロポリシラザ
ンをn−ノナンに溶解し、20重量%の濃度に調整し
た。この溶液100gをガラス製四つ口フラスコに入
れ、乾燥窒素で置換した。次に、プロピオン酸パラジウ
ム0.2gを40gのn−ノナンに溶解した。これをペ
ルヒドロポリシラザンn−ノナン溶液中に撹拌しながら
室温で10分間かけて徐々に添加した。得られた溶液を
室温で1ヵ月保存した後、数平均分子量を測定したとこ
ろ、980g/molであった。これをシリコン板に3
000rpm×20秒の条件でスピンコートした。これ
を大気雰囲気、450℃で1時間焼成した。得られた被
膜表面の顕微鏡観察(120倍)を行ったところ、均質
であった。
【0051】
【発明の効果】請求項1のポリシラザン塗布液は、主と
して前記一般式(I)で表される構造単位からなる骨格
を有する数平均分子量が約100〜50,000であ
り、且つSi/Nの平均原子比の範囲が0.7〜3.0
であるポリシラザン又はその変性物を、下記(i)及び
(ii)から選ばれる少なくとも1種の化合物、(i)ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチ
ルベンゼン、トリメチルベンゼン、トリエチルベンゼン
等の芳香族化合物、(ii)シクロヘキサン、シクロヘキ
セン、デカヒドロナフタレン及びジペンテン、に溶解さ
せてなるものとしたことから、人体への悪影響が少なく
且つ取り扱い性が良好で、その上このポリシラザン溶液
を基材に塗布し、酸化することによって、均質なシリカ
被膜を形成することが可能となる。
【0052】請求項2のポリシラザン塗布液は、主とし
て前記一般式(II)で表される構造単位からなる骨格を
有する数平均分子量が約100〜50,000であり、
且つSi/Nの平均原子比の範囲が0.7〜3.0であ
るポリシラザン又はその変性物を、下記(i)〜(ii
i)から選ばれる少なくとも1種の化合物、(i)ベン
ゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチル
ベンゼン、トリメチルベンゼン、トリエチルベンゼン等
の芳香族化合物、(ii)n−ペンタン、i−ペンタン、
n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプ
タン、n−オクタン、i−オクタン、n−ノナン、i−
ノナン、n−デカン、i−デカン等の飽和炭化水素化合
物、(iii)エチルシクロヘキサン及びジペンテン、に
溶解させてなるものとしたことから、人体への悪影響が
少なく且つ取り扱い性が良好で、その上このポリシラザ
ン溶液を基材に塗布し、酸化することによって、均質な
シリカ被膜を形成することが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として下記一般式(I) 【化1】 で表される構造単位からなる骨格を有する数平均分子量
    が約100〜50,000であり、且つSi/Nの平均
    原子比の範囲が0.7〜3.0であるポリシラザン又は
    その変性物を、下記(i)及び(ii)から選ばれる少な
    くとも1種の化合物に溶解させてなることを特徴とする
    ポリシラザン塗布液。 (i)ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
    ン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、トリエチ
    ルベンゼン等の芳香族化合物、(ii)シクロヘキサン、
    シクロヘキセン、デカヒドロナフタレン及びジペンテ
    ン。
  2. 【請求項2】 主として下記一般式(II) 【化2】 (式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原
    子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ア
    リール基、若しくはこれらの基以外でフルオロアルキル
    基等のケイ素に直結する基が炭素である基、アルキルシ
    リル基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を表す。但
    し、R1、R2及びR3のうち1つ又は2つは水素原子で
    ある。)で表される構造単位からなる骨格を有する数平
    均分子量が約100〜50,000であり、且つSi/
    Nの平均原子比の範囲が0.7〜3.0であるポリシラ
    ザン又はその変性物を、下記(i)〜(iii)から選ば
    れる少なくとも1種の化合物に溶解させてなることを特
    徴とするポリシラザン塗布液。 (i)ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
    ン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、トリエチ
    ルベンゼン等の芳香族化合物、(ii)n−ペンタン、i
    −ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタ
    ン、i−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン、n−
    ノナン、i−ノナン、n−デカン、i−デカン等の飽和
    炭化水素化合物、(iii)エチルシクロヘキサン及びジ
    ペンテン。
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