JPH0916059A - ホログラムの製造方法 - Google Patents

ホログラムの製造方法

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JPH0916059A
JPH0916059A JP18864395A JP18864395A JPH0916059A JP H0916059 A JPH0916059 A JP H0916059A JP 18864395 A JP18864395 A JP 18864395A JP 18864395 A JP18864395 A JP 18864395A JP H0916059 A JPH0916059 A JP H0916059A
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泰弘 水谷
Tetsuya Kato
哲也 加藤
Naoyuki Kawazoe
尚幸 川添
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外気との界面で生ずる表面反射光によるゴー
ストホログラムを抑制することのできるホログラムの製
造方法の提供。 【構成】 感光板81の両側を頂角ψの第1プリズム2
5と頂角ψの第2プリズム26とによって挟持し,第1
プリズム25の側から参照光31を,第2プリズム26
の側から物体光32を感光板81に照射する。参照光3
1,物体光32は,P偏光した光であり,第1プリズム
25に入射して感光板81に向かう正規の参照光311
と,表面反射光312とのなす角度aが直角となるよう
に,上記頂角ψと参照光31の入射角θとの間の関係が
定められている。第1プリズム25の大気側の表面に
は,反射防止膜14(又はλ/4波長板)が形成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,ノイズ光によって形成
される。ゴーストホログラムを抑制するホログラムの製
造方法に関する。
【0002】
【従来技術】ホログラム形成用の乾板に,物体光と参照
光とを照射してホログラムを形成する際,正規の光路外
から物体光や参照光が進入し,ゴーストホログラムを形
成することがある。このようなゴーストホログラムを生
ずる大きな要因として,屈折率が異なる外気との界面に
おける物体光又は参照光の表面反射光がある。
【0003】例えば,図8に示すように,複製用乾板9
1を屈折率調整液92を介してマスタホログラム93に
接触させ,乾板91の表面から参照光31を入射し,そ
の透過光311をマスタホログラム93で回折,反射さ
せ,これを物体光32として乾板91に干渉縞を形成す
る方法がある(マスタホログラムを用いた1光束法)。
【0004】この場合,例えば上記透過光311がマス
タホログラム93を透過して外気との界面931で再反
射し,この表面反射光(図示せず)が参照光31との間
に図9に示すようなリング状の干渉縞99を形成し,こ
れがゴーストホログラムとなる。あるいは,乾板91を
透過した物体光32が外気との界面911で再反射し,
この表面反射光(図示せず)が正規の物体光32との間
に干渉縞を形成する。図8のマスタホログラム93に替
えて反射型の光学素子を用いた場合についても同様であ
る。
【0005】また,乾板の上下両面から物体光及び参照
光を入射する2光束法においても,同様に界面での表面
反射光がゴーストホログラムを形成する。そして,この
ようなゴーストを有するホログラムをマスタホログラム
として,ホログラムを複製すれば,複製されたホログラ
ムには同様のゴーストホログラムが形成される。
【0006】このような,表面反射光によるゴーストの
発生を抑制するため幾つかの提案がなされている。例え
ば,図11に示すように,表面反射光を抑制するために
大気との界面に無反射コートガラス95を配置する第1
の方法が提案されている(特開平4−198981号公
報参照)。
【0007】即ち,乾板91の両側に屈折率調整液92
を介して反射防止膜95を施した反射防止処理ガラス9
4を配置し,物体光32及び参照光31の表面反射光3
22,312を抑制する。また,図10,図12に示す
ように,参照光31又は物体光32の表面反射光31
2,322が乾板91に再入射しないようにするため,
光路変更用のプリズム961,962を配置する第2の
方法が提案されている(特開平4−198980号公報
参照)。
【0008】
【解決しようとする課題】しかしながら,表面反射光を
抑制するための上記第1,第2の方法には次のような問
題点がある。無反射コートガラスを設ける第1の方法
(図11)では,無反射コートガラスに対する入射角θ
が大きくなると反射率が増大し,充分な効果が得られな
くなるという問題がある。
【0009】また,プリズム961,962を用いて表
面反射光312,322が乾板91に再入射しないよう
にする第2の方法(図10,図12)では,プリズム9
6の頂角α,βがかなり大きめになるためホログラムの
製造スペースが大きくなるという問題がある。本発明
は,かかる従来の問題点に鑑みて,界面の表面反射光に
よるゴーストホログラムの発生を抑制することができ,
かつ製造スペースの大幅な増加を招くようなことのな
い,ホログラムの製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0010】
【課題の解決手段】本願の第1発明は,感光板の両側を
頂角ψ1 の第1プリズムと頂角ψ2 の第2プリズムとに
よって挟持し,第1プリズムの側から参照光を,第2プ
リズムの側から物体光を上記感光板に照射し,感光板上
に干渉縞を形成するホログラムの製造方法であって,上
記参照光は,P偏光(電界の方向が入射面に平行)した
直線偏光光であり,上記第1プリズムに入射して感光板
に向かう正規の参照光と,この参照光が上記第2プリズ
ムの大気側の表面において反射した表面反射光とのなす
角度aが直角に近い値となるように,上記頂角ψ1 ,ψ
2 と上記参照光の入射角θとの間の関係が定められてお
り,上記物体光もP偏光した直線偏光光であり,また,
上記第1プリズムの大気側の表面には,反射防止処理が
施されていることを特徴とするホログラムの製造方法に
ある。
【0011】第1発明において最も注目すべきことは,
参照光及び物体光は,共にP偏光した直線偏光光である
こと,第1プリズムに入射して感光板に向かう正規の参
照光と,この参照光が第2プリズムの大気側の表面にお
いて反射した表面反射光とのなす角度aが直角に近い値
となること,そして,第1プリズムの大気側の表面に
は,反射防止処理が施されていることである。
【0012】一方,本願の第2発明は,感光板の両側を
頂角ψ1 の第1プリズムと頂角ψ2の第2プリズムとに
よって挟持し,第1プリズムの側から参照光を,第2プ
リズムの側から物体光を上記感光板に照射し,感光板上
に干渉縞を形成するホログラムの製造方法であって,上
記参照光は,P偏光した直線偏光光であり,上記第1プ
リズムに入射して感光板に向かう正規の参照光と,この
参照光が上記第2プリズムの大気側の表面において反射
した表面反射光とのなす角度aが直角に近い値となるよ
うに,上記頂角ψ1 ,ψ2 と上記参照光の入射角θとの
間の関係が定められており,上記物体光もP偏光した直
線偏光光であり,また,上記第1プリズムの大気側の表
面にはλ/4波長板が配置されており,上記参照光はこ
のλ/4波長板を経て円偏光からP偏光に変換された光
であることを特徴とするホログラムの製造方法にある。
【0013】第2発明にかかる製造方法は,第1発明の
製造方法において,反射防止処理に換えてλ/4波長板
を設けると共に参照光はλ/4波長板を経て円偏光した
光をP偏光した光に変換することである。なお,第1発
明及び第2発明における上記角度aは,抑制しようとす
るノイズレベルの大きさにより決められるが,角度aが
直角に近いほど,参照光の界面反射によるゴーストの抑
制効果は大きくなる。
【0014】なお,上記第1,第2発明において,上記
2つのプリズムを,頂角の位置が感光板の同一側部に位
置するよう配置すると共に,両頂角ψ1 ,ψ2 を等しく
することが好ましい(図7及び図1参照)。その理由は
以下に述べる通りである。
【0015】図7に示す第1プリズム25内に入射した
光(屈折光)311が法線となす角度をθ1 とすると,
上記入射光311が乾板81の法線となす角θ2 は頂角
ψ1だけシフトされ(θ2 =θ1 +ψ1 ),第2プリズ
ム26の界面261において上記入射光311が法線と
なす角度θ3 は,頂角の和(ψ1 +ψ2 )だけ増加する
(θ3 =θ1 +ψ1 +ψ2 )。即ち,上記θ2 は頂角ψ
1 だけシフトされ上記θ3 は,頂角の和(ψ1 +ψ2
だけシフトされる。
【0016】また,反対方向から第2プリズム内に角度
θ1 ′で入射した光321についても同様である(頂角
ψ1 とψ2 とを入れ替えて,θ2 ′=θ1 ′+ψ2 ,θ
3 ′=θ1 ′+ψ1 +ψ2 )。ここで,上記のように,
ψ1 =ψ2 とすれば,両プリズムは,乾板の上または下
の一方向にのみ突出することなく乾板の両側にバランス
良く配置することができるから好適である。
【0017】また,第1,第2発明の方法によって製作
したホログラムをマスタホログラムとして,ホログラム
を複製すれば,ゴーストの少ない複製ホログラムを簡素
な光学系と少ないスペースにより効率的に生産すること
ができるから好適である。なぜならば,詳細を後述する
ように,上記第1,第2発明によって製造されたホログ
ラムは,表面反射光によるゴーストの少ない良質のホロ
グラムとなるから,このホログラムをマスタホログラム
として用いれば,良好な複製ホログラムを得ることがで
きる。
【0018】そして,マスタホログラムを用いて複製ホ
ログラムを製造する方法は,例えばレンズなどの他の光
学素子を用いてホログラムを製造する場合(図12参
照)に比べて製造スペースが少なくて済み,また複雑な
像を容易にホログラムに記録することができるという利
点がある。
【0019】即ち,ホログラムは薄板であるから,レン
ズその他の光学素子に比べてスペースを取らず,また複
雑な回折特性を備えていてもその大きさは変わらない。
一方,レンズ等の光学素子は,複雑な光学特性を実現す
る場合には,複数の光学素子を重ね合せるなど製造装置
が大型となり,また光学系が複雑となるから,良質のホ
ログラムを狭いスペースで製造することは困難である。
【0020】そして,第1,第2発明によって製造され
たマスタホログラムを用いて,これを1光束法によりホ
ログラムを製造する方法には,例えば,次のような方法
がある。即ち,第1,第2発明における前記第1プリズ
ムと同一頂角ψ1 を有する複製用プリズムを用い,該複
製用プリズムの頂角を形成する第1の面に複製用の感光
板を配置し,頂角を形成する第2の面に上記マスタホロ
グラムを配置し,上記第1の面側から,上記マスタホロ
グラムを製造したのと略同一の参照光を略同一の角度か
ら照射し,この参照光とこの参照光をマスタホログラム
で回折させた再生光とにより複製用乾板に干渉縞を形成
する。
【0021】この方法を用いれば,第1,第2発明によ
りマスタホログラムを製造したのと同一の第1プリズム
を複製用プリズムとして用いることができると共にマス
タホログラムを製造したのと同一参照光を同一の角度か
ら上記複製用プリズムに照射することにより複製ホログ
ラムを製造することができる。即ち,マスタホログラム
の製造条件と複製ホログラムの製造条件とは極めて類似
したものとすることができる。
【0022】このとき,マスタホログラムに対してはマ
スタホログラムを製造したのと同一の参照光が同一方向
から照射されるから,マスタホログラムの再生光は,マ
スタホログラムの製造時の物体光と同一となる。そし
て,この再生光には表面反射光によるゴーストホログラ
ムノイズは,殆ど含まれず,極めて良質の物体光であ
る。従って,複製ホログラムの製造条件とマスタホログ
ラムの製造条件とは極めて類似し,マスタホログラムと
極めて類似性の高い複製ホログラムを製造することがで
る。
【0023】なお,この一光束法による複製ホログラム
の製造方法において,複製用感光板の界面(外気側)に
無反射コートガラスを設けることが好ましい。無反射コ
ートガラスを設ければ,マスタホログラムの再生光(物
体光)が上記界面で反射され,これがノイズ光となり複
製ホログラム上にゴーストが形成されるのを抑制するこ
とができるからである(詳細は実施例1,2参照)。更
に,このとき,参照光としてP偏光した光を用いれば,
界面における反射率が低下するから,一段と表面反射ノ
イズを抑制することができる。
【0024】また,無反射コートガラスに換えて複製用
感光板の界面に,λ/4波長板を設けてもよい。この場
合,マスタホログラムの再生光は,λ/4波長板を往復
することにより偏光方向が変わる(S偏光→円偏光→P
偏光,P偏光→円偏光→S偏光)ため,界面における表
面反射光と再生光との間では干渉縞は形成されない。た
だし,この場合には,λ/4波長板に入射する参照光は
円偏光にすることが必要である。そして,λ/4波長板
を通過することにより,P偏光に変化し複製用感光板に
入射する。
【0025】また,上記一光束法による複製方法におい
て,更にマスタホログラムの外気との界面にも,λ/4
波長板を設けることが好ましい。λ/4波長板を設ける
ことにより,P偏光した参照光の表面反射光は,λ/4
波長板を往復することになるからS偏光(電界方向が入
射面に垂直)した光となる。その結果,上記マスタホロ
グラムの界面での表面反射光(S偏光)と参照光(P偏
光)との間で干渉縞を形成せずマスタホログラムの表面
反射光によるゴーストホログラムも形成されなくなるか
らである。
【0026】あるいは,上記λ/4波長板に替えてマス
タホログラムの界面(外気側)に光吸収膜を設けてもよ
い。光吸収膜を設ければ,マスタホログラムを透過した
参照光はマスタホログラムの界面で吸収される。その結
果表面反射光は大幅に減少し,複製ホログラムにはマス
タホログラムの表面反射光によるゴーストが形成される
のを抑制することができる。
【0027】
【作用及び効果】本発明の製造方法では,図7に示すよ
うに,ホログラムを形成する感光板81の両側を第1,
第2プリズム25,26が挟持する。そして第1プリズ
ム25の頂角はψ1 であり,第2プリズム26の頂角は
ψ2である。
【0028】参照光31は,第1プリズム25から入射
し,第1プリズム25内を感光板81に向かう参照光3
11の第1界面251における法線N1 との角度θ1
(屈折角θ1 )とすると,感光板81への入射角θ2
は,(θ1 +ψ1 )である(第1プリズム25の頂角を
感光板の反対側部に配置した場合はψ1 を負とする)。
【0029】また,第2プリズム26による第2界面2
61への入射角θ3 は,(θ2 +ψ2 ),即ち(θ1
ψ1 +ψ2 )である。そして,第2プリズム26におけ
る参照光311の表面反射光33と参照光311とのな
す角度aは,2θ3 であるから,2(θ1 +ψ1 +ψ
2 )である(a=2(θ1 +ψ1 +ψ2 ))。
【0030】そして,上記角度aは,直角(π/2)に
近いから, (ψ1 +ψ2 )≒π/4−θ1 ・・・・・・・(1) である(なお,上記において≒は,近い値であることを
示す)。更に,参照光31はP偏光である。そして,上
記のように感光板81に向かう参照光311と表面反射
光33とは直角に近いから,両光311,33の電界の
方向は直角に近くなり,干渉縞はほとんど形成されな
い。即ち,参照光31の第2プリズムでの表面反射光3
3によるゴーストホログラムは,感光板81に形成され
ない(第一の効果)。なぜならば,2つのP偏光した光
により干渉縞を形成した場合,両者の造る干渉縞のコン
トラスト(強度)は,両者の間の角度をΦとしたとき,
cosΦに比例するからである。
【0031】また,参照光311の感光板81への入射
角θ2 (=ψ1 +θ1 )は,通常20°〜50°の間に
あるから,(1)式より頂角ψ2 は,−5〜25°位で
あり,頂角ψ1 ,ψ2 は共に小さめの値に抑制すること
ができる。従って,プリズム25,26を設けても,製
造スペースが大幅に増加するようなことはない(第二の
効果)。
【0032】更に,第1発明の場合には第1プリズム2
5の大気側の表面251に反射防止処理が施されてお
り,一方,第2発明の場合には第1プリズム25の表面
251にλ/4波長板が設けられている。そのため,物
体光32の第1プリズム25の表面251での反射光3
22によるノイズの干渉縞(ゴーストホログラム)は,
殆ど形成されることはない(第三の効果)。即ち,第1
発明の場合には,反射防止処理によって第1プリズム2
5の表面251での反射が抑制され,第2発明の場合に
は,第1プリズム25の表面251においてλ/4波長
板を経て反射される反射光322はS偏光であるからP
偏光である正規の物体光32との間に干渉縞を形成しな
い。
【0033】なお,上記第1発明の反射防止処理の反射
防止膜の分光特性は,撮影レーザ光波長及び撮影角度に
より決定する必要がある。さらに,偏光方向によっても
分光特性が変化するため,P偏光として分光特性の撮影
レーザ光の反射率を低減する必要がある。
【0034】上記のように,第1プリズムの表面での反
射光によるノイズも,第2プリズムの表面での反射光に
よるノイズも全て抑制されるから良質のホログラムを得
ることができる。上記のように,本発明によれば,大気
との界面での表面反射光によるゴーストホログラムの発
生を抑制することができ,また大きな製造スペースを必
要としないホログラムの製造方法を提供することができ
る。
【0035】
【実施例】
実施例1 本例は,車両のヘッドアップディスプレイ40(図2)
などに用いられる凹面鏡の特性を有するホログラム42
(図2)を製造する例である。本例は,図1に示すよう
に,感光板81の両側を頂角ψの第1プリズム25と頂
角ψの第2プリズム26とによって挟持し,第1プリズ
ム25の側から参照光31を,第2プリズム26の側か
ら物体光32を感光板81に照射し,感光板81上に干
渉縞を形成するホログラムの製造方法である。
【0036】参照光31は,P偏光(電界の方向が入射
面に平行)した直線偏光光であり,第1プリズム25に
入射して感光板81に向かう正規の参照光311と,こ
の参照光311が第2プリズム26の大気側の表面26
1において反射した表面反射光312とのなす角度aが
直角となるように,上記頂角ψと参照光31の入射角θ
との間の関係が定められている。そして物体光32もP
偏光した直線偏光光であり,また,第1プリズム25の
大気側の表面には,反射防止膜14(又はλ/4波長
板)が形成されている(なお,λ/4波長板の場合に
は,第1プリズム25に入射する参照光31は円偏光で
あり,λ/4波長板を透過してP偏光に変換される)。
【0037】ヘッドアップディスプレイ40は,図2に
示すように,表示器41から放射された放射光38を像
拡大作用(凹面鏡特性)を有するホログラム42で反射
させ,この再生光39をウインドシールド43で再反射
させ,表示像45を観者44に視認させるものである。
上記ウインドシールド43の表面には,反射膜などが蒸
着され反射率を高めるようにしている。そして,観者4
4は,反射された上記再生光39を視認し,ウインドシ
ールド43の前方に虚像としての表示像45(例えばス
ピード表示等)を視認する。本例は,上記ホログラム4
2の製造方法であり,ホログラム42には図4に示すよ
うな干渉縞51が形成される。
【0038】図1において,参照光31は,P偏光した
発散光である。そして,第2プリズム26の界面261
で感光板81側に反射する参照光31の表面反射光31
2と,第1プリズム25より入射して感光板81に向か
う参照光311との間の角度aが,図3に示すように,
直角となるよう,上記頂角ψと参照光311の入射角θ
との関係を定めてある。物体光32は,P偏光した平行
光である。また,第1プリズム25の大気側の表面25
1には,撮影レーザ光の反射率が1%以下の反射防止膜
(またはλ/4波長板)14が形成されている。
【0039】感光板81の両側には,屈折率調整液12
1,122を介してプリズム25,26が配置されてい
る。参照光31は,P偏光した光であり,第1プリズム
25に入射角θで入射し,第1プリズム25に屈折角θ
1 (図7参照)で進入する。
【0040】そして,第1プリズム25に進入した透過
光311は感光板81に入射角θ2(=θ1 +ψ)で入
射し,第2プリズム26の界面261に入射角θ3 (=
θ1+2ψ)で入射する(図7参照)。界面261で反
射された表面反射光312は,反射角θ3 で感光板81
に向かって逆進する。
【0041】表面反射光312と参照光31の透過光3
11との間の角度aは,上記2θ3に等しくその値はπ
/2である。 a=2θ3 =2(θ1 +2ψ)=π/2・・・・・・・(3) 従って, ψ=π/8−θ1 /2・・・・・・・(4) である。
【0042】表面反射光312と参照光31の透過光3
11との角度は直角であり,またP偏光した光であるか
ら,感光板81に両光311,112による干渉縞は形
成されない。即ち,表面反射光312によるゴーストホ
ログラムは,感光板81に形成されない。
【0043】また,本例では第1プリズム25の大気側
の表面251に反射防止膜(またはλ/4波長板)14
が形成されている。そのため,物体光32の表面251
での反射光320によるゴーストホログラムは感光板8
1に形成されない。何故ならば,反射防止膜を設けた場
合には,反射光320が生ぜず,一方λ/4波長板の場
合には,偏光方向の差によって物体光32(P偏光)と
反射光320(S偏光)との間に干渉縞が形成されない
からであ。
【0044】次に本例における第2プリズム26の大き
さを,従来の第2方法(図10)におけるプリズムと比
較する。図10に示すプリズム961の頂角をαとする
と,図10に示すように,表面反射光312が感光板8
1に入射しないようにするための条件は,(2θ3 +2
α)がπ以上となることである。 2θ3 +2α≧π・・・・・・・(5)
【0045】そして,図10においてθ3 =θ1 +ψ+
αであり,図1のψは(4)式で示されるから, α≧3/16π−θ1 /4・・・・・・・(6) である。従って, α−ψ≧π/16+θ1 /4・・・・・・(7) 即ち,α>ψとなり,従来の第2方法におけるプリズム
961より,本例の第2プリズム26はより小形化する
ことができる。
【0046】上記の製造方法により製造されたホログラ
ム42には,凹面鏡の特性を示す図4に示すような正規
の干渉縞51が形成されている。一方,第1,第2プリ
ズム25,26の表面反射光320,312によつて形
成されるゴーストホログラムは,平面鏡の特性を有して
おり,図4に示すようなノイズ干渉縞52,53が形成
されている。しかしながら,表面反射光320による第
1のノイズ干渉縞52と表面反射光312による第2の
ノイズ干渉縞53の間にある大きな違いは,第1のノイ
ズ干渉縞52の法線(光軸)N1 方向が正規の干渉縞5
1と同一であるのに対して,第2のノイズ干渉縞53の
法線(光軸)N2 方向は正規の干渉縞51のそれに対し
て角度2ψだけ大きくずれていることである。
【0047】その結果,図5の如くヘッドアップディス
プレイとして用いた場合に,第2のノイズ干渉縞53に
よるノイズ像64は正規の像61(本例では立方体像)
に対して角度2ψの2倍の角度4ψだけずれるため,観
者44の視域内に同時には観察されず,影響度は小さ
い。それに対して,第1のノイズ干渉縞52の場合に
は,正規の干渉縞51と同一方向に形成されるため,図
5に示すように,正規の像61に重なった極めて有害な
ノイズ像62,63を形成する。
【0048】即ち,干渉縞52において単純反射された
ノイズ像62は平面鏡を経た拡大されない小像として,
干渉縞52と正規の干渉縞51の多重反射したノイズ像
63は一段と拡大された大きな像として,正規な像61
に重ね合わされることとなる。ところが,本例のホログ
ラムの製造方法においては,第1プリズム25の大気側
の表面に反射防止膜14(又はλ/4波長板)を設けて
上記第1干渉縞52が形成されないようにしており,上
記のような悪質なノイズ像62,63は形成されない。
従って,表示特性の良好なヘッドアップディスプレイ4
0を得ることができる。上記のように,本例によれば,
参照光の表面反射光によるゴーストホログラムの発生を
抑制することができ,かつ製造スペースの増加を招くよ
うなことがないホログラムの製造方法を提供することが
できる。
【0049】実施例2 本例は,実施例1の製造方法により製造したホログラム
をマスタホログラムとして複製ホログラムを製造するも
う1つの実施例である。本例は,図1に示したホログラ
ムの製造方法により製造されたホログラムをマスタホロ
グラム83として,図6に示すように,前記第1プリズ
ム25(図1)と同一頂角ψを有する複製用プリズム2
7を用い,プリズム27の頂角を形成する第1の面27
1に複製用感光板82を配置し,頂角を形成する第2の
面272にマスタホログラム83を配置する。
【0050】そして,複製用プリズム27の第1面27
1側から,図6に示すようにマスタホログラム83を製
造したのと同一参照光31(P偏光,あるいはS偏光い
づれでも可能。但し複製時の表面反射ノイズを抑制する
効果の点からP偏光が好ましい)を図1と同一の角度か
ら照射し,この参照光31をマスタホログラム83で反
射させた再生光34と上記参照光31とにより複製用感
光板82に干渉縞を形成するホログラムの製造方法であ
る。
【0051】そして,上記マスタホログラム83の界面
831には,界面831における表面反射光333を抑
制するために光吸収膜(又は無反射コートガラス)15
を配置してある。また,プリズム27と感光板82及び
マスタホログラム83との間,並びにマスタホログラム
83と光吸収膜(又は無反射コートガラス)15との間
には,屈折率調整液121,122,123を介在させ
てある。
【0052】そして,図1と同様の参照光31を照射す
るから,マスタホログラム83の再生光34は,図1に
示す物体光32と全く同様の再生光34となる。従っ
て,図6には図1に示す製造条件とほぼ同一の製造条件
が再現され,複製用感光板82には,ゴーストホログラ
ムの少ないマスタホログラム83と同様のホログラムが
形成される。
【0053】そして,光学吸収膜15により表面反射光
333は吸収されるから,表面反射光333によるゴー
ストホログラムを抑制することができる。また,複製用
プリズム27は,第1又は第2プリズム25,26をそ
のまま使用することができるばかりでなく,参照光31
を照射する光学系もそっくり利用できるから,マスタホ
ログラムの製造と複製ホログラムの製造との間には,多
くの設備を共用することができる。従って,設備の利用
効率が高い。
【0054】また,製造条件の同一性が確実に担保さ
れ,良好な複製ホログラムを得ることができる。また,
マスタホログラムを複製するから製造スペースも小さく
て済む(図6に示す構成は図1,図10,図11に比較
して大幅に省スペースである)。上記のように,本例に
よれば,少ない製造スペースにおいて,マスタホログラ
ムから極めて同一性の高い良質の複製ホログラムを製造
することができる。
【0055】実施例3 本例は,実施例2(図6)において,マスタホログラム
83の界面831には,光吸収膜15に替えてλ/4波
長板を配置したもう1つの実施例である。本例は実施例
4と同様に参照光31はP偏光した光であり,図6にお
いて,光吸収膜15の代わりにλ/4波長板を設けてあ
る。従って,表面反射光333はλ/4波長板を往復し
てS偏光した光となる。
【0056】それ故,表面反射光333は,P偏光であ
る参照光31との間に干渉膜を形成しない。従って,表
面反射光333によるゴーストホログラムは,複製用感
光板82に形成されない。その他については,実施例2
と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のホログラムの製造方法のシステム構
成図(2光束法)。
【図2】実施例1のホログラムの製造方法により得られ
たホログラムを用いたヘッドアップディスプレイのシス
テム構成図。
【図3】図1のA矢視部拡大図。
【図4】実施例1のホログラムの製造方法により得られ
るホログラムの干渉縞の模式図。
【図5】図4に示す干渉縞51,52,53によってヘ
ッドアップディスプレイに形成される像の模式図。
【図6】実施例2のホログラムの製造方法のシステム構
成図(1光束法)。
【図7】本発明にかかるホログラム製造方法のシステム
構成図。
【図8】従来のホログラムの製造方法の説明図。
【図9】図8の方法により製造されたゴーストホログラ
ムの例。
【図10】従来の改良されたホログラムの製造方法(第
2方法)。
【図11】従来の改良されたホログラムの製造方法(第
1方法)。
【図12】従来の改良されたホログラムの製造方法(他
の第2方法)。
【符号の説明】
14...反射防止膜(λ/4波長板) 25...第1プリズム 26...第2プリズム 31,311,312...参照光 32...物体光 81...感光板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光板の両側を頂角ψ1 の第1プリズム
    と頂角ψ2 の第2プリズムとによって挟持し,第1プリ
    ズムの側から参照光を,第2プリズムの側から物体光を
    上記感光板に照射し,感光板上に干渉縞を形成するホロ
    グラムの製造方法であって,上記参照光は,P偏光(電
    界の方向が入射面に平行に偏光)した直線偏光光であ
    り,上記第1プリズムに入射して感光板に向かう正規の
    参照光と,この参照光が上記第2プリズムの大気側の表
    面において反射した表面反射光とのなす角度aが直角に
    近い値となるように,上記頂角ψ1 ,ψ2 と上記参照光
    の入射角θとの間の関係が定められており,上記物体光
    もP偏光した直線偏光光であり,また,上記第1プリズ
    ムの大気側の表面には,反射防止処理が施されているこ
    とを特徴とするホログラムの製造方法。
  2. 【請求項2】 感光板の両側を頂角ψ1 の第1プリズム
    と頂角ψ2 の第2プリズムとによって挟持し,第1プリ
    ズムの側から参照光を,第2プリズムの側から物体光を
    上記感光板に照射し,感光板上に干渉縞を形成するホロ
    グラムの製造方法であって,上記参照光は,P偏光した
    直線偏光光であり,上記第1プリズムに入射して感光板
    に向かう正規の参照光と,この参照光が上記第2プリズ
    ムの大気側の表面において反射した表面反射光とのなす
    角度aが直角に近い値となるように,上記頂角ψ1 ,ψ
    2 と上記参照光の入射角θとの間の関係が定められてお
    り,上記物体光もP偏光した直線偏光光であり,また,
    上記第1プリズムの大気側の表面にはλ/4波長板が配
    置されており,上記参照光はこのλ/4波長板を経て円
    偏光からP偏光に変換された光であることを特徴とする
    ホログラムの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において,前記第
    1頂角ψ1 と第2頂角ψ2 とは同一の角度を有してお
    り,上記両頂角が前記感光板の同一側部に位置するよう
    前記プリズムを配置してあることを特徴とするホログラ
    ムの製造方法。
  4. 【請求項4】 感光板に直接入射させた参照光と,感光
    板を透過した上記参照光をマスタホログラムに照射し,
    そこで得られた再生光とによって上記感光板に干渉縞を
    形成し,上記マスタホログラムを複製するホログラムの
    製造方法であって,上記マスタホログラムは,請求項
    1,請求項2又は請求項3記載の製造方法によって得ら
    れたホログラムであることを特徴とするホログラムの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のホログラムの製造方法で
    あって,前記マスタホログラムを製造するための第1プ
    リズムと同一の頂角ψ1 を有する複製用のプリズムを用
    意し,この複製用のプリズムの頂角を形成する第一の面
    に感光板を配置し,頂角を形成する第二の面に上記マス
    タホログラムを配置し,上記第一の面の側から,マスタ
    ホログラムを製作したのと略同一の参照光を略同一の角
    度から入射し,この参照光と,上記マスタホログラムで
    回折,反射した再生光とによって上記感光板に干渉縞を
    形成することを特徴とするホログラムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002175001A (ja) * 2000-12-06 2002-06-21 Dainippon Printing Co Ltd 透過型ホログラム原版の撮影方法
JP2011197403A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Dainippon Printing Co Ltd エッジリットホログラムの複製装置、エッジリットホログラムの複製方法及びそれによって作製されたエッジリットホログラム
JP2024524731A (ja) * 2021-07-16 2024-07-05 エルジー・ケム・リミテッド 回折光学素子の製造装置および方法

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