JPH09163489A - 電気音響変換器用振動板及びその製造方法 - Google Patents
電気音響変換器用振動板及びその製造方法Info
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- JPH09163489A JPH09163489A JP7345212A JP34521295A JPH09163489A JP H09163489 A JPH09163489 A JP H09163489A JP 7345212 A JP7345212 A JP 7345212A JP 34521295 A JP34521295 A JP 34521295A JP H09163489 A JPH09163489 A JP H09163489A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】電気音響特性に優れた電気音響交換器用振動板
およびその製造方法を提供する。 【解決手段】溶融液晶性ポリエステルからなり、かつ実
質的に枝分かれを有しないパルプ状物を10〜100重
量%含む紙からなる電気音響交換器用振動板。
およびその製造方法を提供する。 【解決手段】溶融液晶性ポリエステルからなり、かつ実
質的に枝分かれを有しないパルプ状物を10〜100重
量%含む紙からなる電気音響交換器用振動板。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響特性及び耐湿
熱性に優れた電気音響交換器用振動板及びその製造方法
に関する。
熱性に優れた電気音響交換器用振動板及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気音響交換器用振動板として様
々な検討が行われている。例えば射出成型物や織物等を
振動板として用いることが知られているが、射出成型品
はひび割れ等が生じやすく、織物に関しても密度が高く
3次元形状に加工しにくい欠点がある。以上のことか
ら、木材パルプを主体とした紙が広く使用されている。
かかる紙は設計の自由度が高く扱いやすい利点を有して
いるものの、非弾性率(ヤング率E/密度ρ)がそれほ
ど大きくないため再生周波数音圧レベルが低く、しかも
湿度の影響を受けやすく物性が不安定になる問題があ
る。また、炭素繊維やガラス繊維等の無機繊維を用いた
電気音響交換器用振動板も知られているが、これらの繊
維は密度が高いためにやはり比弾性率が十分でなく、し
かも内部損失が低いという点で問題があった。また、ア
ラミド繊維を用いた場合には、内部損失が低く、しかも
繊維そのものの吸湿率が高く湿度によって物性が不安定
になる(特開昭56−48798号公報、特開昭56−
57395号公報等参照)。以上のことから、溶融液晶
性ポリエステル繊維を用いて音響特性及び耐湿熱性を高
めた電気音響交換器用振動板が、特開昭62−3699
9号公報等に提案されている。
々な検討が行われている。例えば射出成型物や織物等を
振動板として用いることが知られているが、射出成型品
はひび割れ等が生じやすく、織物に関しても密度が高く
3次元形状に加工しにくい欠点がある。以上のことか
ら、木材パルプを主体とした紙が広く使用されている。
かかる紙は設計の自由度が高く扱いやすい利点を有して
いるものの、非弾性率(ヤング率E/密度ρ)がそれほ
ど大きくないため再生周波数音圧レベルが低く、しかも
湿度の影響を受けやすく物性が不安定になる問題があ
る。また、炭素繊維やガラス繊維等の無機繊維を用いた
電気音響交換器用振動板も知られているが、これらの繊
維は密度が高いためにやはり比弾性率が十分でなく、し
かも内部損失が低いという点で問題があった。また、ア
ラミド繊維を用いた場合には、内部損失が低く、しかも
繊維そのものの吸湿率が高く湿度によって物性が不安定
になる(特開昭56−48798号公報、特開昭56−
57395号公報等参照)。以上のことから、溶融液晶
性ポリエステル繊維を用いて音響特性及び耐湿熱性を高
めた電気音響交換器用振動板が、特開昭62−3699
9号公報等に提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】溶融異方性(液晶性)
ポリエステル繊維は、密度及び吸湿率が低く、しかも振
動吸収特性に優れ、振動板に用いる繊維として適したも
のであるが、従来用いられているバインダ−に問題があ
るためさらなる改善が望まれていた。たとえば、バイン
ダ−樹脂を含浸して主体繊維を結着させた場合は、紙コ
−ンに比べて著しく密度が大きくなり、工程性の点でも
問題がある。ポリエチレン等の合成パルプをバインダ−
として用いた場合は、ポリエチレンの諸性能(振動吸収
特性等)が溶融液晶性ポリエステルよりも劣るため、得
られる振動板の性能も結果的に不十分となる場合があ
り、さらに融点が130〜140℃と低いため、得られ
る振動板もパルプの融点に規制されて低温での使用に限
定されてしまう。
ポリエステル繊維は、密度及び吸湿率が低く、しかも振
動吸収特性に優れ、振動板に用いる繊維として適したも
のであるが、従来用いられているバインダ−に問題があ
るためさらなる改善が望まれていた。たとえば、バイン
ダ−樹脂を含浸して主体繊維を結着させた場合は、紙コ
−ンに比べて著しく密度が大きくなり、工程性の点でも
問題がある。ポリエチレン等の合成パルプをバインダ−
として用いた場合は、ポリエチレンの諸性能(振動吸収
特性等)が溶融液晶性ポリエステルよりも劣るため、得
られる振動板の性能も結果的に不十分となる場合があ
り、さらに融点が130〜140℃と低いため、得られ
る振動板もパルプの融点に規制されて低温での使用に限
定されてしまう。
【0004】また、溶融液晶性ポリエステル繊維を叩解
して得られるパルプを使用することも可能であるが、以
下のような問題が生じることとなる。溶融液晶性ポリエ
ステル繊維は、高度に分子配向しているため剪断力を加
えると比較的容易にフィブリル(パルプ)が得られる
が、抄造に適したパルプ状物と同時に粉状物や塊状物が
必然的に生じる。かかる塊状物が含まれているパルプ状
物群は抄紙性が極めて低く、しかも繊維同志の絡み合い
が小さくなるため弾性率が不十分となる場合があった。
さらに、地合が均一でかつ薄い紙を製造しにくく、振動
板の特性に僅かな異方性が生じる場合があるため、スピ
−カ−の感度や変換効率を一定レベル以上に高めること
は難しかった。本発明は、以上のことを鑑み、優れた音
響特性を有する電気音響交換器用振動板及びその製造方
法を提供することを目的とする。
して得られるパルプを使用することも可能であるが、以
下のような問題が生じることとなる。溶融液晶性ポリエ
ステル繊維は、高度に分子配向しているため剪断力を加
えると比較的容易にフィブリル(パルプ)が得られる
が、抄造に適したパルプ状物と同時に粉状物や塊状物が
必然的に生じる。かかる塊状物が含まれているパルプ状
物群は抄紙性が極めて低く、しかも繊維同志の絡み合い
が小さくなるため弾性率が不十分となる場合があった。
さらに、地合が均一でかつ薄い紙を製造しにくく、振動
板の特性に僅かな異方性が生じる場合があるため、スピ
−カ−の感度や変換効率を一定レベル以上に高めること
は難しかった。本発明は、以上のことを鑑み、優れた音
響特性を有する電気音響交換器用振動板及びその製造方
法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶融液晶性ポ
リエステルからなり、かつ実質的に枝分かれを有しない
パルプ状物を10〜100重量%含む紙からなる電気音
響交換器用振動板及び溶融液晶性ポリエステルを島成
分、その他のポリマ−を海成分とする海島繊維を、長さ
5mm以下にカットする前又はカットした後に、海成分
を溶解及び/又は分解除去して得られるパルプ状物を1
0〜100重量%含む紙料を湿式抄紙する電気音響交換
器用振動板の製造方法を提供するものである。
リエステルからなり、かつ実質的に枝分かれを有しない
パルプ状物を10〜100重量%含む紙からなる電気音
響交換器用振動板及び溶融液晶性ポリエステルを島成
分、その他のポリマ−を海成分とする海島繊維を、長さ
5mm以下にカットする前又はカットした後に、海成分
を溶解及び/又は分解除去して得られるパルプ状物を1
0〜100重量%含む紙料を湿式抄紙する電気音響交換
器用振動板の製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明にいう溶融液晶性とは、液
晶相において光学異方性(液晶性)を示すものである。
このような特性は、公知の方法、たとえばホットステ−
ジにのせた試料を窒素雰囲気下で昇温加熱し、その透過
光を観察することにより容易に認定することができる。
本発明に用いられる溶融異方性芳香族ポリエステルは、
例えば芳香族ジオ−ル、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸等より得られるポリマ−であり、好
適には化1〜化3に示される反復構成単位の組み合わせ
からなるポリマ−が挙げられる。
晶相において光学異方性(液晶性)を示すものである。
このような特性は、公知の方法、たとえばホットステ−
ジにのせた試料を窒素雰囲気下で昇温加熱し、その透過
光を観察することにより容易に認定することができる。
本発明に用いられる溶融異方性芳香族ポリエステルは、
例えば芳香族ジオ−ル、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸等より得られるポリマ−であり、好
適には化1〜化3に示される反復構成単位の組み合わせ
からなるポリマ−が挙げられる。
【0007】
【化1】
【0008】
【化2】
【0009】
【化3】
【0010】溶融液晶性ポリエステルの融点(MP)は、
260〜380℃、特に270〜350℃が好ましい。
ここでいう融点とは、示差走査熱量測定装置(DSC:
例えばmettler 社製、TA3000)で観察される主吸熱ピ−
クのピ−ク温度である。特に好ましくは、パラヒドロキ
シ安息香酸(A)と2−ヒドロキシ6−ナフトエ酸
(B)の構成単位からなる部分が80モル%以上である溶
融異方性芳香族ポリエステルであり、特にAとBの合計
量に対するB成分が5〜45モル%である芳香族ポリエス
テルが好ましい。なお、本発明で使用する溶融液晶性ポ
リエステルには、適宜、酸化チタン、カオリン、シリ
カ、硫酸バリウム、カ−ボンブラック、顔料、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を含んでいても良い。
260〜380℃、特に270〜350℃が好ましい。
ここでいう融点とは、示差走査熱量測定装置(DSC:
例えばmettler 社製、TA3000)で観察される主吸熱ピ−
クのピ−ク温度である。特に好ましくは、パラヒドロキ
シ安息香酸(A)と2−ヒドロキシ6−ナフトエ酸
(B)の構成単位からなる部分が80モル%以上である溶
融異方性芳香族ポリエステルであり、特にAとBの合計
量に対するB成分が5〜45モル%である芳香族ポリエス
テルが好ましい。なお、本発明で使用する溶融液晶性ポ
リエステルには、適宜、酸化チタン、カオリン、シリ
カ、硫酸バリウム、カ−ボンブラック、顔料、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を含んでいても良い。
【0011】本発明で使用するパルプ状物の形状は、実
質的に枝分かれを有しないものであり(図1参照)、従
来のように成形物を叩解して得られるパルプ状物(図2
参照)とは明らかに異なったものである。本発明で使用
するパルプ状物は枝分かれを有しないことに特徴を有し
ており、塊状物や粉末状物を実質的に含まないものであ
る。かかるパルプ状物は、水への分散性に優れているこ
とから抄紙性が高く、耐熱性、低吸湿性、紙力、低密
度、高弾性率及び地合の優れた紙を供し得るものであ
る。従って、比弾性率、内部損失が高く周波数特性の優
れた振動板を得ることができる。
質的に枝分かれを有しないものであり(図1参照)、従
来のように成形物を叩解して得られるパルプ状物(図2
参照)とは明らかに異なったものである。本発明で使用
するパルプ状物は枝分かれを有しないことに特徴を有し
ており、塊状物や粉末状物を実質的に含まないものであ
る。かかるパルプ状物は、水への分散性に優れているこ
とから抄紙性が高く、耐熱性、低吸湿性、紙力、低密
度、高弾性率及び地合の優れた紙を供し得るものであ
る。従って、比弾性率、内部損失が高く周波数特性の優
れた振動板を得ることができる。
【0012】本発明の紙基材を構成するパルプ状物は、
抄紙性、紙の性能(弾性率、地合の均一性等)の点か
ら、パルプ直径0.1μm以上5μm未満、パルプ長
0.2〜5mmとするのが好ましく、特にパルプ直径
0.5〜3μm、パルプ長0.5〜2mmとするのが好
ましい。パルプ状物のアスペクト比は、抄紙時の分散性
及び弾性率等の点から500〜1500、特に800〜
1200が好ましい。本発明でいうアスペクト比とはパ
ルプ状物の繊維長Aを該パルプ状物の横断面面積と同じ
面積を有する円の直径Bで徐したものである。
抄紙性、紙の性能(弾性率、地合の均一性等)の点か
ら、パルプ直径0.1μm以上5μm未満、パルプ長
0.2〜5mmとするのが好ましく、特にパルプ直径
0.5〜3μm、パルプ長0.5〜2mmとするのが好
ましい。パルプ状物のアスペクト比は、抄紙時の分散性
及び弾性率等の点から500〜1500、特に800〜
1200が好ましい。本発明でいうアスペクト比とはパ
ルプ状物の繊維長Aを該パルプ状物の横断面面積と同じ
面積を有する円の直径Bで徐したものである。
【0013】かかるパルプ状物10〜100重量%、好
ましくは40〜80重量%含んだ紙料を用いて湿式抄紙
することにより優れた振動板用紙を得ることができる。
溶融液晶性ポリエステル又は他のポリマ−からなる本発
明で規定したパルプ状物以外の繊維状物が存在していて
もよい。具体的には木材パルプ、ガラス繊維、炭素繊維
等が挙げられ、本発明で規定した以外の溶融液晶性ポリ
エステルからなるパルプ成分、繊維成分が含まれていて
もよい。耐熱性、低吸湿性、音響特性等の点からは、溶
融液晶性ポリエステルのみから構成された紙とするのが
好ましく、溶融液晶性ポリエステル以外の成分は30重
量%以下、特に10重量%以下とするのが好ましい。
ましくは40〜80重量%含んだ紙料を用いて湿式抄紙
することにより優れた振動板用紙を得ることができる。
溶融液晶性ポリエステル又は他のポリマ−からなる本発
明で規定したパルプ状物以外の繊維状物が存在していて
もよい。具体的には木材パルプ、ガラス繊維、炭素繊維
等が挙げられ、本発明で規定した以外の溶融液晶性ポリ
エステルからなるパルプ成分、繊維成分が含まれていて
もよい。耐熱性、低吸湿性、音響特性等の点からは、溶
融液晶性ポリエステルのみから構成された紙とするのが
好ましく、溶融液晶性ポリエステル以外の成分は30重
量%以下、特に10重量%以下とするのが好ましい。
【0014】該パルプ状物のみを抄紙した場合には耐熱
性、低吸湿性、地合に優れた紙が得られるが、さらに高
い弾性率、強力が要求される場合はパルプ状物を構成す
るポリマ−と同組成又は異なった組成のポリマ−からな
る短繊維を混抄することが好ましい。特に溶融液晶性ポ
リエステルからなる短繊維を混抄するのが好ましい。短
繊維の直径は、抄紙性及び紙の諸性能(弾性率、地合の
均一性等)の点から繊維直径5μm以上25μm未満、
繊維長2〜30mmとするのが好ましく、特に繊維直径
8μm以上20μm未満、繊維長3〜8mmとするのが
好ましい。短繊維のアスペクト比は130〜500とす
るのが好ましい。かかる短繊維は、1〜80重量%、特
に20〜60重量%配合するのが好ましい。
性、低吸湿性、地合に優れた紙が得られるが、さらに高
い弾性率、強力が要求される場合はパルプ状物を構成す
るポリマ−と同組成又は異なった組成のポリマ−からな
る短繊維を混抄することが好ましい。特に溶融液晶性ポ
リエステルからなる短繊維を混抄するのが好ましい。短
繊維の直径は、抄紙性及び紙の諸性能(弾性率、地合の
均一性等)の点から繊維直径5μm以上25μm未満、
繊維長2〜30mmとするのが好ましく、特に繊維直径
8μm以上20μm未満、繊維長3〜8mmとするのが
好ましい。短繊維のアスペクト比は130〜500とす
るのが好ましい。かかる短繊維は、1〜80重量%、特
に20〜60重量%配合するのが好ましい。
【0015】紙の密度は、1.2g/cm3 以下、特に
1.0g/cm3 以下とするのが好ましい。密度が小さ
い程電気入力から音響への変換効率が高くなり、また歪
みの少ないよい音を再生できる。ここでいう密度とはJ
IS K7112Aに準じて測定された値である。紙の
弾性率は3×1010dyne/cm2 以上、特に5×1010
dyne/cm2以上、さらに7×1010dyne/cm
2 以上とするのが好ましい。弾性率が大きいほど電気入
力から音響への変換効率が高くなると同時に、フラット
な出力温圧の周波数帯域が広がり振動板として好まし
い。特に、パルプ状物、短繊維、紙等に熱処理を施した
場合には6×1010dyne/cm2 以上、8×1010dy
ne/cm2 以上のものが得られる。
1.0g/cm3 以下とするのが好ましい。密度が小さ
い程電気入力から音響への変換効率が高くなり、また歪
みの少ないよい音を再生できる。ここでいう密度とはJ
IS K7112Aに準じて測定された値である。紙の
弾性率は3×1010dyne/cm2 以上、特に5×1010
dyne/cm2以上、さらに7×1010dyne/cm
2 以上とするのが好ましい。弾性率が大きいほど電気入
力から音響への変換効率が高くなると同時に、フラット
な出力温圧の周波数帯域が広がり振動板として好まし
い。特に、パルプ状物、短繊維、紙等に熱処理を施した
場合には6×1010dyne/cm2 以上、8×1010dy
ne/cm2 以上のものが得られる。
【0016】比弾性率は大きいものが好ましく、6×10
10cm2 /sec以上、特に7×1010cm2 /sec以
上、さらに10×1010cm2 /sec以上とするのが好
ましい。内部損失は、0.050以上、特に0.055
以上、さらに0.060以上とするのが好ましい。内部
損失が大きいほど、スピ−カ−の低周波数帯域で振動板
に分割振動が生じたばあい、その共振を小さくして出力
音圧周波数特性を平坦にすることができる。また、吸湿
率は1%以下、特に0.1%以下、さらに0.01%以
下とするのが好ましい。
10cm2 /sec以上、特に7×1010cm2 /sec以
上、さらに10×1010cm2 /sec以上とするのが好
ましい。内部損失は、0.050以上、特に0.055
以上、さらに0.060以上とするのが好ましい。内部
損失が大きいほど、スピ−カ−の低周波数帯域で振動板
に分割振動が生じたばあい、その共振を小さくして出力
音圧周波数特性を平坦にすることができる。また、吸湿
率は1%以下、特に0.1%以下、さらに0.01%以
下とするのが好ましい。
【0017】かかるパルプ状物の製造方法としては、溶
融液晶性ポリエステルを島成分とする海島繊維を製造
し、海成分を除去して島成分を分割する方法が挙げられ
る。かかる方法によれば、溶融成形体に剪断力を加える
ことなく、直径のばらつきが少なくかつほぼ均一なパル
プ長を有するパルプ状物を製造することができる。海成
分の具体的な除去方法としては浸漬法、デイップニップ
法、ロ−ラ−パット法等が挙げられる。なお、溶融液晶
性ポリエステルの場合、通常の溶融紡糸で直径5μm未
満のような抄紙性に優れたパルプ状物を製造することは
極めて困難である。また、溶融液晶性ポリエステルを芯
成分とする芯鞘型複合繊維の鞘成分を除去する方法等に
よっても比較的細い繊維を製造することは可能である
が、かかる方法により抄紙性に優れたパルプ状物を製造
することはることは困難である。従って、溶融液晶性ポ
リエステルを島成分とする海島繊維を製造し、海成分を
除去して島成分を分割する方法を採用するのが好まし
い。
融液晶性ポリエステルを島成分とする海島繊維を製造
し、海成分を除去して島成分を分割する方法が挙げられ
る。かかる方法によれば、溶融成形体に剪断力を加える
ことなく、直径のばらつきが少なくかつほぼ均一なパル
プ長を有するパルプ状物を製造することができる。海成
分の具体的な除去方法としては浸漬法、デイップニップ
法、ロ−ラ−パット法等が挙げられる。なお、溶融液晶
性ポリエステルの場合、通常の溶融紡糸で直径5μm未
満のような抄紙性に優れたパルプ状物を製造することは
極めて困難である。また、溶融液晶性ポリエステルを芯
成分とする芯鞘型複合繊維の鞘成分を除去する方法等に
よっても比較的細い繊維を製造することは可能である
が、かかる方法により抄紙性に優れたパルプ状物を製造
することはることは困難である。従って、溶融液晶性ポ
リエステルを島成分とする海島繊維を製造し、海成分を
除去して島成分を分割する方法を採用するのが好まし
い。
【0018】本発明にいう海島構造とは、繊維の横断面
においてマトリックスとなる海成分中に数十から数十万
の島(溶融液晶性ポリエステル)が存在している状態を
いう。該海島繊維は、押出により成形され、かつ島成分
が繊維軸方向にある程度連続しているものであればよ
く、海島繊維の直径や断面形状は特に限定されない。具
体的には繊維状、ストランド状、ペレット状、チップ状
等のものが挙げられる。溶融液晶性ポリエステルは、繊
維軸方向に配向しやすいため島成分が連続したものにな
りやすく、カットを行わなければ比較的長いパルプ成分
が得られる。
においてマトリックスとなる海成分中に数十から数十万
の島(溶融液晶性ポリエステル)が存在している状態を
いう。該海島繊維は、押出により成形され、かつ島成分
が繊維軸方向にある程度連続しているものであればよ
く、海島繊維の直径や断面形状は特に限定されない。具
体的には繊維状、ストランド状、ペレット状、チップ状
等のものが挙げられる。溶融液晶性ポリエステルは、繊
維軸方向に配向しやすいため島成分が連続したものにな
りやすく、カットを行わなければ比較的長いパルプ成分
が得られる。
【0019】海島繊維の島数は数十〜数十万個程度が好
ましい。かかる島数は、両ポリマ−の混練割合、紡糸温
度、射出剪断速度、ドラフト、溶融粘度などを調節する
ことにより変えることができる。例えば、両成分の溶融
粘度差を大きくすることにより、島数を減少させること
ができる。溶融液晶性ポリエステルは、ノズル通過時に
著しい分子配向を生じるため、海島繊維を良好に紡糸す
るためにはドラフトを1.1〜40倍にする必要がある。
また、剪断速度を100〜100,000sec-1とすることによ
り、島成分の直径を好適なものとすることができる。
ましい。かかる島数は、両ポリマ−の混練割合、紡糸温
度、射出剪断速度、ドラフト、溶融粘度などを調節する
ことにより変えることができる。例えば、両成分の溶融
粘度差を大きくすることにより、島数を減少させること
ができる。溶融液晶性ポリエステルは、ノズル通過時に
著しい分子配向を生じるため、海島繊維を良好に紡糸す
るためにはドラフトを1.1〜40倍にする必要がある。
また、剪断速度を100〜100,000sec-1とすることによ
り、島成分の直径を好適なものとすることができる。
【0020】かかる海島繊維は、海成分と島成分をチッ
プブレンドする、または両成分の溶融物をスタチックミ
キサ−等で混合する方法などにより得ることができる。
海成分と島成分の重量割合は、30:70〜80:2
0、特に40:60〜60:40とするのが好ましい。
溶融液晶性ポリエステルの混合割合が高いほど経済的か
つ効率的であるが、70重量%を越えると溶融液晶性ポリ
エステルが海成分となり本発明のパルプ状物は得られな
い。
プブレンドする、または両成分の溶融物をスタチックミ
キサ−等で混合する方法などにより得ることができる。
海成分と島成分の重量割合は、30:70〜80:2
0、特に40:60〜60:40とするのが好ましい。
溶融液晶性ポリエステルの混合割合が高いほど経済的か
つ効率的であるが、70重量%を越えると溶融液晶性ポリ
エステルが海成分となり本発明のパルプ状物は得られな
い。
【0021】このとき、海島繊維を構成する海成分は、
溶融異方性ポリエステルとの親和性及び粘度等を考慮し
て、適宜海成分を構成するポリマ−を選択することが必
要である。例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ
メチルスチレン、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロ
ン6−10、ポリプロピレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリ
塩化ビニル、ポリエステル等の可撓性の熱可塑性ポリマ
−が挙げられる。かかるポリマ−を海成分とする海島繊
維を製造し、長さ5mm以下にカットする前又はカット
した後に、該ポリマ−の良溶媒を適宜用いて海成分を溶
解除去及び/又は分解除去することにより達成できる。
溶融異方性ポリエステルとの親和性及び粘度等を考慮し
て、適宜海成分を構成するポリマ−を選択することが必
要である。例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ
メチルスチレン、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロ
ン6−10、ポリプロピレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリ
塩化ビニル、ポリエステル等の可撓性の熱可塑性ポリマ
−が挙げられる。かかるポリマ−を海成分とする海島繊
維を製造し、長さ5mm以下にカットする前又はカット
した後に、該ポリマ−の良溶媒を適宜用いて海成分を溶
解除去及び/又は分解除去することにより達成できる。
【0022】特に、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイ
ロン6−6等を用いた場合には、溶融液晶性ポリエステ
ルに対して貧溶媒でかつ熱可塑性ポリマ−に対して良溶
媒の「溶媒」を選択しやすいので好ましい。例えばポリ
エチレンを用いた場合には、溶媒としてシクロヘキサ
ン、クロロホルムを用いて70℃以上で処理を行うこと
が好ましく、ポリプロピレンを用いる場合には、溶媒と
してベンゼン、クロロホルム、トルエン等を用いて80
℃以上で処理することが好ましい。最も好ましいのはポ
リスチレンであり、トルエン、キシレン等を溶媒に選択
することにより海成分のポリスチレンを室温でかつ短時
間に溶解除去することができる。また、ポリスチレンを
用いた場合には、島成分の分布及び直径が均一になりや
すいので好ましい。
ロン6−6等を用いた場合には、溶融液晶性ポリエステ
ルに対して貧溶媒でかつ熱可塑性ポリマ−に対して良溶
媒の「溶媒」を選択しやすいので好ましい。例えばポリ
エチレンを用いた場合には、溶媒としてシクロヘキサ
ン、クロロホルムを用いて70℃以上で処理を行うこと
が好ましく、ポリプロピレンを用いる場合には、溶媒と
してベンゼン、クロロホルム、トルエン等を用いて80
℃以上で処理することが好ましい。最も好ましいのはポ
リスチレンであり、トルエン、キシレン等を溶媒に選択
することにより海成分のポリスチレンを室温でかつ短時
間に溶解除去することができる。また、ポリスチレンを
用いた場合には、島成分の分布及び直径が均一になりや
すいので好ましい。
【0023】これらの溶媒は、単独で用いても良いが、
混合溶媒にして用いても良い。本発明は溶媒により熱可
塑性ポリマ−の抽出を行うため、溶媒の回収、再利用が
可能であり、経済的かつ効率的にパルプ状物を製造する
ことができる。なお、溶媒処理により繊維を分割後、水
洗乾燥処理を行うのが好ましい。海島繊維の製造しやす
さの点では、易アルカリ減量性ポリエステルを海成分、
溶融液晶性ポリエステルを島成分とする海島繊維を、長
さ5mm以下にカットする前又はカットした後に、易ア
ルカリ減量性ポリエステルを溶解及び/又は分解除去す
る方法を採用するのが好ましい。
混合溶媒にして用いても良い。本発明は溶媒により熱可
塑性ポリマ−の抽出を行うため、溶媒の回収、再利用が
可能であり、経済的かつ効率的にパルプ状物を製造する
ことができる。なお、溶媒処理により繊維を分割後、水
洗乾燥処理を行うのが好ましい。海島繊維の製造しやす
さの点では、易アルカリ減量性ポリエステルを海成分、
溶融液晶性ポリエステルを島成分とする海島繊維を、長
さ5mm以下にカットする前又はカットした後に、易ア
ルカリ減量性ポリエステルを溶解及び/又は分解除去す
る方法を採用するのが好ましい。
【0024】該易アルカリ減量性ポリエステルとは、ジ
カルボン酸、ジオ−ル、ヒドロキシカルボン酸等からな
るポリエステルであり、アルカリ分解性及び/又はアル
カリ溶解性を有するものであれば特に限定されるもので
はない。用いる溶融液晶性ポリエステルとのアルカリ分
解速度比が好ましくは1000倍以上、より好ましくは
3000倍以上の易アルカリ減量性ポリエステルを用い
る。この場合、溶融液晶性ポリエステルがアルカリによ
る劣化や浸食を受けにくく、次の熱処理工程等で融着等
のトラブルが起こらない。
カルボン酸、ジオ−ル、ヒドロキシカルボン酸等からな
るポリエステルであり、アルカリ分解性及び/又はアル
カリ溶解性を有するものであれば特に限定されるもので
はない。用いる溶融液晶性ポリエステルとのアルカリ分
解速度比が好ましくは1000倍以上、より好ましくは
3000倍以上の易アルカリ減量性ポリエステルを用い
る。この場合、溶融液晶性ポリエステルがアルカリによ
る劣化や浸食を受けにくく、次の熱処理工程等で融着等
のトラブルが起こらない。
【0025】なお、本発明でいうアルカリ溶解速度と
は、試料を、98℃、20g/l の水酸化ナトリウム水溶液中
に各測定サンプルを浴比1:500の条件で浸漬し、撹
拌しながらサンプルを溶解させて下記式によりアルカリ
溶解速度定数Kにより表される。なお、サンプルとして
は、同一条件で紡糸した直径1mmのストランドを用い
るのが好ましい。
は、試料を、98℃、20g/l の水酸化ナトリウム水溶液中
に各測定サンプルを浴比1:500の条件で浸漬し、撹
拌しながらサンプルを溶解させて下記式によりアルカリ
溶解速度定数Kにより表される。なお、サンプルとして
は、同一条件で紡糸した直径1mmのストランドを用い
るのが好ましい。
【0026】
【数1】
【0027】かかる易アルカリ減量性ポリエステルに
は、市販の酸化分解防止剤(例えばチバ・ガイキ−社製
イルガノックス1010、アメリカンサイアナミッド社製サ
イアノックス1790)を添加することにより耐熱性を向上
させることも可能である。好適な易アルカリ減量性ポリ
エステルの具体例としては、下記の構成単位I〜III を
含む共重合ポリエステルが挙げられる。
は、市販の酸化分解防止剤(例えばチバ・ガイキ−社製
イルガノックス1010、アメリカンサイアナミッド社製サ
イアノックス1790)を添加することにより耐熱性を向上
させることも可能である。好適な易アルカリ減量性ポリ
エステルの具体例としては、下記の構成単位I〜III を
含む共重合ポリエステルが挙げられる。
【0028】
【化4】
【0029】特に好ましくは、構成単位I〜III を含む
ポリエステルであり、かつ構成単位Iをポリエステルを
構成する全酸成分の0.5 〜10モル%、構成単位II及び
IIIをそれぞれ1重量%以上含み、かつ構成単位II及びI
II の合計含有率が全ポリエステルの2〜50重量%であ
る共重合ポリエステルを用いる。該ポリエステルのアル
カリ分解速度は、芳香族ポリエステルに比して1000
倍以上大きく、従って、アルカリ溶液による処理を短時
間に行うことが可能である。より好ましくは、構成単位
Iをポリエステルを構成する全酸成分の1〜7モル%、
構成単位II及びIII の合計含有率が全ポリエステルの5
〜30重量%である共重合ポリエステルを用いる。
ポリエステルであり、かつ構成単位Iをポリエステルを
構成する全酸成分の0.5 〜10モル%、構成単位II及び
IIIをそれぞれ1重量%以上含み、かつ構成単位II及びI
II の合計含有率が全ポリエステルの2〜50重量%であ
る共重合ポリエステルを用いる。該ポリエステルのアル
カリ分解速度は、芳香族ポリエステルに比して1000
倍以上大きく、従って、アルカリ溶液による処理を短時
間に行うことが可能である。より好ましくは、構成単位
Iをポリエステルを構成する全酸成分の1〜7モル%、
構成単位II及びIII の合計含有率が全ポリエステルの5
〜30重量%である共重合ポリエステルを用いる。
【0030】ジカルボン酸単位I中の3価の芳香族基
(Ar)としては、ベンゼントリイル基、ナフタレント
リイル基等が挙げられ、金属原子Mは、ナトリウム、カ
リウム、リチウムなどのアルカリ金属原子が好ましい。
共重合ポリエステルには、ジカルボン酸成分Iを複数種
有していてもよい。共重合ポリエステルを構成する他の
カルボン酸単位としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン
酸、ジフェニルエ−テルジカルボン酸などの芳香族ジカ
ルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オキ
シ安息香酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸、さらに
脂肪族ジカルボン酸、脂環族カルボン酸、トリカルボン
酸等を挙げることができ、これらのカルボン酸単位を複
数種用いてもよい。共重合ポリエステルを構成する全酸
成分単位の70モル%以上が芳香族ジカルボン酸単位、特
にテレフタル酸単位であるのが好ましい。
(Ar)としては、ベンゼントリイル基、ナフタレント
リイル基等が挙げられ、金属原子Mは、ナトリウム、カ
リウム、リチウムなどのアルカリ金属原子が好ましい。
共重合ポリエステルには、ジカルボン酸成分Iを複数種
有していてもよい。共重合ポリエステルを構成する他の
カルボン酸単位としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン
酸、ジフェニルエ−テルジカルボン酸などの芳香族ジカ
ルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オキ
シ安息香酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸、さらに
脂肪族ジカルボン酸、脂環族カルボン酸、トリカルボン
酸等を挙げることができ、これらのカルボン酸単位を複
数種用いてもよい。共重合ポリエステルを構成する全酸
成分単位の70モル%以上が芳香族ジカルボン酸単位、特
にテレフタル酸単位であるのが好ましい。
【0031】また、ジオ−ル単位II中のR1 は、炭素数
2〜4のアルキレン基であるのが好ましく、エチレン基
および/またはプロピレン基、特に、アルカリ溶解性の
点からエチレン基が好ましい。また平均重合度mは10
〜100であることが必要であるが、20〜80がさらに好
ましい。ポリオキシエチレングリコ−ル、ポリオキシプ
ロピレングリコ−ル、ポリオキシエチレン/ポリオキシ
プロピレングリコ−ル等から誘導された単位が好まし
く、共重合ポリエステルにこれらジオ−ル単位IIが複数
含まれていてもよい。また、共重合ポリエステルには他
のジオ−ル単位を更に有しているのが好ましく、脂肪族
ジオ−ル、脂環族ジオ−ル等が挙げられる。繊維形成性
の点から炭素数2〜6の直鎖状アルキレングリコ−ルか
ら誘導された単位が好ましい。
2〜4のアルキレン基であるのが好ましく、エチレン基
および/またはプロピレン基、特に、アルカリ溶解性の
点からエチレン基が好ましい。また平均重合度mは10
〜100であることが必要であるが、20〜80がさらに好
ましい。ポリオキシエチレングリコ−ル、ポリオキシプ
ロピレングリコ−ル、ポリオキシエチレン/ポリオキシ
プロピレングリコ−ル等から誘導された単位が好まし
く、共重合ポリエステルにこれらジオ−ル単位IIが複数
含まれていてもよい。また、共重合ポリエステルには他
のジオ−ル単位を更に有しているのが好ましく、脂肪族
ジオ−ル、脂環族ジオ−ル等が挙げられる。繊維形成性
の点から炭素数2〜6の直鎖状アルキレングリコ−ルか
ら誘導された単位が好ましい。
【0032】側鎖単位III 中のR2 は炭素数2〜4のア
ルキレン基であるのが好ましく、エチレン基および/ま
たはプロピレン基、特にエチレン基が好ましい。R3 と
しては炭素数1〜15の直鎖または分岐状アルキル基、
炭素数3〜18のシクロアルキル基,炭素数6〜18の
アリ−ル基を挙げることができる。重合度nは10〜1
00の範囲であるが、20〜80であるのがより好まし
い。nが10よりも小さいとアルカリ溶解性が低下し、
一方100を超えてもアルカリ溶解性はそれほど向上せ
ず、着色の原因となる。具体的には、ポリオキシエチレ
ングリコ−ル−アルキル−グリシジルエ−テル、ポリオ
キシエチレングリコ−ル−アルキル−2、3−ジヒドロ
キシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル
−フェニル−グリシジルエ−テル、ポリオキシエチレン
グリコ−ル−フェニル−2、3−ジヒドロキシプロピル
エ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル−シクロヘキ
シル−グリシジルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ
−ル−シクロヘキシル−2、3−ジヒドロキシプロピル
エ−テル等が挙げられ、共重合ポリエステル(Aポリマ
−)中にこれら単位が複数含まれていてもよい。
ルキレン基であるのが好ましく、エチレン基および/ま
たはプロピレン基、特にエチレン基が好ましい。R3 と
しては炭素数1〜15の直鎖または分岐状アルキル基、
炭素数3〜18のシクロアルキル基,炭素数6〜18の
アリ−ル基を挙げることができる。重合度nは10〜1
00の範囲であるが、20〜80であるのがより好まし
い。nが10よりも小さいとアルカリ溶解性が低下し、
一方100を超えてもアルカリ溶解性はそれほど向上せ
ず、着色の原因となる。具体的には、ポリオキシエチレ
ングリコ−ル−アルキル−グリシジルエ−テル、ポリオ
キシエチレングリコ−ル−アルキル−2、3−ジヒドロ
キシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル
−フェニル−グリシジルエ−テル、ポリオキシエチレン
グリコ−ル−フェニル−2、3−ジヒドロキシプロピル
エ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル−シクロヘキ
シル−グリシジルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ
−ル−シクロヘキシル−2、3−ジヒドロキシプロピル
エ−テル等が挙げられ、共重合ポリエステル(Aポリマ
−)中にこれら単位が複数含まれていてもよい。
【0033】本発明の島成分は耐アルカリ性に優れた溶
融液晶性ポリエステルであるため、アルカリ処理により
実質的に直径が変化することなく、所望の直径を有する
パルプ状物を得ることができる。減量処理に用いるアル
カリ性溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、
リン酸三ナトリウム等の強アルカリ溶液が好ましく、2
〜60g/l程度の処理液中でアルカリ処理を行うのが
好ましい。炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸
二水素ナトリウム等の弱アルカリ性物質を使用する場合
は、処理液中のアルカリ物質濃度5〜200g/lとするのが
好ましい。強アルカリ物質及び弱アルカリ物質を併用す
ることも可能であり、処理液中に分解促進剤などを含ん
でいてもよい。また、アルカリ界面活性剤を添加するこ
とにより、繊維のアルカリ浸透等が促進されて好まし
い。アルカリ処理温度は70〜100 ℃が好ましく、アル
カリ処理により繊維を分割後、中和、水洗乾燥処理を行
うのが好ましい。アルカリの微量の残留が問題となる場
合には、熱可塑性ポリマ−を海成分とする海島繊維を溶
媒で処理する前述の方法を採用するのが好ましい。
融液晶性ポリエステルであるため、アルカリ処理により
実質的に直径が変化することなく、所望の直径を有する
パルプ状物を得ることができる。減量処理に用いるアル
カリ性溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、
リン酸三ナトリウム等の強アルカリ溶液が好ましく、2
〜60g/l程度の処理液中でアルカリ処理を行うのが
好ましい。炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸
二水素ナトリウム等の弱アルカリ性物質を使用する場合
は、処理液中のアルカリ物質濃度5〜200g/lとするのが
好ましい。強アルカリ物質及び弱アルカリ物質を併用す
ることも可能であり、処理液中に分解促進剤などを含ん
でいてもよい。また、アルカリ界面活性剤を添加するこ
とにより、繊維のアルカリ浸透等が促進されて好まし
い。アルカリ処理温度は70〜100 ℃が好ましく、アル
カリ処理により繊維を分割後、中和、水洗乾燥処理を行
うのが好ましい。アルカリの微量の残留が問題となる場
合には、熱可塑性ポリマ−を海成分とする海島繊維を溶
媒で処理する前述の方法を採用するのが好ましい。
【0034】パルプ状物のカットは海成分除去処理前又
は処理後のいずれで行ってもよいが、直径の太い方がカ
ットしやすいので海成分除去前にカットするのが好まし
い。カット方法としては、カッタ−、ペレッタイザ−、
粉砕機等いずれの方法で行ってもよい。得られたパルプ
状物に分散剤を添加することも可能であり、サイズ剤や
定着剤を用いても良い。添加量は10重量%以下、特に
5重量%以下とするのが好ましい。また、パルプ状物の
分散性を高めるために、ドライ、ウエットあるいは分散
剤を添加したウエットの状態で、パルパ−、リファイナ
−、ビ−タ−等にかけてパルプ状物間の絡まりを低下さ
せることも可能である。
は処理後のいずれで行ってもよいが、直径の太い方がカ
ットしやすいので海成分除去前にカットするのが好まし
い。カット方法としては、カッタ−、ペレッタイザ−、
粉砕機等いずれの方法で行ってもよい。得られたパルプ
状物に分散剤を添加することも可能であり、サイズ剤や
定着剤を用いても良い。添加量は10重量%以下、特に
5重量%以下とするのが好ましい。また、パルプ状物の
分散性を高めるために、ドライ、ウエットあるいは分散
剤を添加したウエットの状態で、パルパ−、リファイナ
−、ビ−タ−等にかけてパルプ状物間の絡まりを低下さ
せることも可能である。
【0035】振動板に用いる紙の坪量(g/m2 )は適
宜設定すればよく、坪量20〜200g/m2 程度のも
のが好適に使用できる。特に本発明で用いるパルプ状物
は均質なパルプ形状を有しているので、均質な紙を得る
ことができる。本発明においては、海島繊維の海成分を
除去して得られる溶融液晶性ポリエステルパルプ状物を
抄紙することに特徴があり、海島繊維を用いて抄紙した
後に海成分を除去した場合には、本発明の目的を達成す
ることはできない。すなわち、海島繊維は繊維径が大き
いために抄紙性が極めて悪く、さらに得られる紙の地
合、弾性率等も劣ったものとなる。
宜設定すればよく、坪量20〜200g/m2 程度のも
のが好適に使用できる。特に本発明で用いるパルプ状物
は均質なパルプ形状を有しているので、均質な紙を得る
ことができる。本発明においては、海島繊維の海成分を
除去して得られる溶融液晶性ポリエステルパルプ状物を
抄紙することに特徴があり、海島繊維を用いて抄紙した
後に海成分を除去した場合には、本発明の目的を達成す
ることはできない。すなわち、海島繊維は繊維径が大き
いために抄紙性が極めて悪く、さらに得られる紙の地
合、弾性率等も劣ったものとなる。
【0036】公知の方法により抄造し、得られた紙を加
熱成形あるいは加熱乾燥することにより振動板を製造す
ることができる。このとき、所望の形状を有した金網で
抄き上げて加熱乾燥してもよいが、平板型に抄紙した紙
を真空成型法や空圧成型法などで熱圧成型して所望の形
状とすることもできる。特に、熱処理が施されていない
溶融液晶性ポリエステル繊維(パルプ)を用いた場合に
は、抄紙された紙を深絞り成型することも可能であり、
容易に所望の形状を付加できるので好ましい。場合によ
っては、アクリル樹脂、ニトロセルロ−ス、シリコ−ン
樹脂、ブチルゴム、クロプレン系ゴム等の樹脂やゴムを
含浸させてもよいが、本発明の効果を損なわない範囲で
行うことが好ましい。
熱成形あるいは加熱乾燥することにより振動板を製造す
ることができる。このとき、所望の形状を有した金網で
抄き上げて加熱乾燥してもよいが、平板型に抄紙した紙
を真空成型法や空圧成型法などで熱圧成型して所望の形
状とすることもできる。特に、熱処理が施されていない
溶融液晶性ポリエステル繊維(パルプ)を用いた場合に
は、抄紙された紙を深絞り成型することも可能であり、
容易に所望の形状を付加できるので好ましい。場合によ
っては、アクリル樹脂、ニトロセルロ−ス、シリコ−ン
樹脂、ブチルゴム、クロプレン系ゴム等の樹脂やゴムを
含浸させてもよいが、本発明の効果を損なわない範囲で
行うことが好ましい。
【0037】本発明により得られる振動板は軽量で高弾
性率を有し、しかも低吸湿性、耐熱性等に優れたもので
あり、低目付でピンホ−ルのない紙が得られることか
ら、小型で薄いヘッドホ−ンスピ−カ−用の振動板も製
造できる。本発明の振動板は、あらゆる音響用振動板と
して使用することができ、具体的にはマイクロホ−ン、
ヘッドホ−ンの様な小型スピ−カ−から屋外で用いられ
る大型スピ−カ−まで広く使用することができる。
性率を有し、しかも低吸湿性、耐熱性等に優れたもので
あり、低目付でピンホ−ルのない紙が得られることか
ら、小型で薄いヘッドホ−ンスピ−カ−用の振動板も製
造できる。本発明の振動板は、あらゆる音響用振動板と
して使用することができ、具体的にはマイクロホ−ン、
ヘッドホ−ンの様な小型スピ−カ−から屋外で用いられ
る大型スピ−カ−まで広く使用することができる。
【0038】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれにより何等限定されるもので
はない。
説明するが、本発明はこれにより何等限定されるもので
はない。
【実施例】[対数粘度の測定]試料をペンタフルオロフ
ェノ−ルに0.1 重量%溶解し(60〜80℃)、60℃の恒温
槽中で、ウベロ−デ型粘度計で相対粘度(ηrel )を測
定し、次式によって計算した。 ηinh =ln(ηrel )/c ここで、cはポリマ−濃度(g/dl)である。 [固有粘度の測定]フェノ−ルとテトラクロロエタンの
等量混合溶媒を用い、30℃の恒温層中で測定した。
ェノ−ルに0.1 重量%溶解し(60〜80℃)、60℃の恒温
槽中で、ウベロ−デ型粘度計で相対粘度(ηrel )を測
定し、次式によって計算した。 ηinh =ln(ηrel )/c ここで、cはポリマ−濃度(g/dl)である。 [固有粘度の測定]フェノ−ルとテトラクロロエタンの
等量混合溶媒を用い、30℃の恒温層中で測定した。
【0039】[融点の測定]DSC(例えばMettler 社
製TA3000)装置にサンプルを5〜15mgとり、アルミ製パ
ンへ封入した後、窒素を20cc/min流し、昇温速度20℃/m
inで測定したとき、吸熱ピ−ク温度の頂点を表す温度を
融点(Tm)として測定する。1st-run で明確な吸熱ピ
−クが現れない場合は、50℃/minの昇温温度で、予想さ
れる吸熱ピ−ク温度より50℃以上高い温度で3分程度加
熱し完全に溶融した後、80℃/minで50℃まで冷却し、し
かるのち20℃/minの昇温速度で測定した値を用いる。
製TA3000)装置にサンプルを5〜15mgとり、アルミ製パ
ンへ封入した後、窒素を20cc/min流し、昇温速度20℃/m
inで測定したとき、吸熱ピ−ク温度の頂点を表す温度を
融点(Tm)として測定する。1st-run で明確な吸熱ピ
−クが現れない場合は、50℃/minの昇温温度で、予想さ
れる吸熱ピ−ク温度より50℃以上高い温度で3分程度加
熱し完全に溶融した後、80℃/minで50℃まで冷却し、し
かるのち20℃/minの昇温速度で測定した値を用いる。
【0040】[パルプ状物の直径・長さ]パルプ状物の
電子顕微鏡写真を撮影し、その任意の10点について直
径及び長さを測定し平均値を求め、他の任意の4か所に
ついても同様に測定して平均値を求め、得られた平均値
の相加平均を直径とした。紙状物とした後のパルプ状物
及び短繊維の直径・長さも同様の方法で求めることがで
きる。
電子顕微鏡写真を撮影し、その任意の10点について直
径及び長さを測定し平均値を求め、他の任意の4か所に
ついても同様に測定して平均値を求め、得られた平均値
の相加平均を直径とした。紙状物とした後のパルプ状物
及び短繊維の直径・長さも同様の方法で求めることがで
きる。
【0041】[吸湿率 %]得られた紙を3cm各に切
り取り、真空状態にて乾燥(120℃×6時間)した
後、20℃×95%RHに調湿されたデシケ−タ−内に
1週間放置した。調湿前後の重量変化を電子天秤で測定
し、下記式から吸湿率を求めた。W0は乾燥後の重量で
あり、Wは調湿後の重量である。 吸湿率(%)=(W−W0)÷W0×100
り取り、真空状態にて乾燥(120℃×6時間)した
後、20℃×95%RHに調湿されたデシケ−タ−内に
1週間放置した。調湿前後の重量変化を電子天秤で測定
し、下記式から吸湿率を求めた。W0は乾燥後の重量で
あり、Wは調湿後の重量である。 吸湿率(%)=(W−W0)÷W0×100
【0042】[振動板の密度 g/cm3 ]3mm×3
0mmの大きさの試験片を10枚重ねて重量を測り、J
IS K7112A法に準拠して求めた。 [振動板の弾性率 1010×dyne/cm2 、内部損
失]粘弾性測定器(オリエンテック社製「レオバイブロ
ンDDV−II−EA]を用いて振動板から切り出した
3mm×30mmの試料片の弾性率及び内部損失意を周
波数110Hz、測定温度23℃の条件下で測定した。 [比弾性率 1010×cm2 /sec2 ]弾性率を密度
で除して求めた。 [地合]紙の表面の顕微鏡写真を観察し、ピンホ−ルや
塊状物が実質的に存在せず、緻密な構造を有しているも
のを○、ピンホ−ルや塊状物が多数存在して緻密な構造
を有していないものを×として評価した。
0mmの大きさの試験片を10枚重ねて重量を測り、J
IS K7112A法に準拠して求めた。 [振動板の弾性率 1010×dyne/cm2 、内部損
失]粘弾性測定器(オリエンテック社製「レオバイブロ
ンDDV−II−EA]を用いて振動板から切り出した
3mm×30mmの試料片の弾性率及び内部損失意を周
波数110Hz、測定温度23℃の条件下で測定した。 [比弾性率 1010×cm2 /sec2 ]弾性率を密度
で除して求めた。 [地合]紙の表面の顕微鏡写真を観察し、ピンホ−ルや
塊状物が実質的に存在せず、緻密な構造を有しているも
のを○、ピンホ−ルや塊状物が多数存在して緻密な構造
を有していないものを×として評価した。
【0043】[実施例1]溶融異方性ポリエステルは、
パラヒドロキシ安息香酸と2−ヒドロキシ6−ナフトエ
酸が73/27 モル%比、融点(Tm)280 ℃、対数粘度5.
7dl/g のものを用いた。易アルカリ減量性ポリエステル
は、共重合ポリエステルを構成する全酸性分の2.5モ
ル%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル
(I')、分子量2000のポリエチレングリコ−ル(II
´)及び化5で表されるポリオキシエチレングリシジル
エ−テル(III ´)から得られる構成単位I〜III が全
共重合ポリエステルのそれぞれ10重量%を占め、残りが
テレフタル酸、エチレングリコ−ルである共重合ポリエ
ステル(固有粘度0.58dl/g)を用いた。両ポリマ−のア
ルカリ溶解速度比は5800であった。
パラヒドロキシ安息香酸と2−ヒドロキシ6−ナフトエ
酸が73/27 モル%比、融点(Tm)280 ℃、対数粘度5.
7dl/g のものを用いた。易アルカリ減量性ポリエステル
は、共重合ポリエステルを構成する全酸性分の2.5モ
ル%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル
(I')、分子量2000のポリエチレングリコ−ル(II
´)及び化5で表されるポリオキシエチレングリシジル
エ−テル(III ´)から得られる構成単位I〜III が全
共重合ポリエステルのそれぞれ10重量%を占め、残りが
テレフタル酸、エチレングリコ−ルである共重合ポリエ
ステル(固有粘度0.58dl/g)を用いた。両ポリマ−のア
ルカリ溶解速度比は5800であった。
【0044】
【化5】
【0045】なお該共重合ポリエステルは、該ポリエチ
レングリコ−ルとポリオキシエチレングリシジルエ−テ
ルの合計量に対して5重量%の酸化分解防止剤(アメリ
カンサイアミッド社製 サイアノックス1790)を含
むものである。なお、後述する実施例2〜8においても
同様の共重合成分、酸化分解防止剤を用いた。
レングリコ−ルとポリオキシエチレングリシジルエ−テ
ルの合計量に対して5重量%の酸化分解防止剤(アメリ
カンサイアミッド社製 サイアノックス1790)を含
むものである。なお、後述する実施例2〜8においても
同様の共重合成分、酸化分解防止剤を用いた。
【0046】上記の易アルカリ減量性ポリエステル(A
ポリマ−)と溶融異方性ポリエステル(Bポリマ−)を
50:50の重量比で押し出し機より溶融混練し、ギヤポン
プから紡糸ヘッドに導き、ヘッド温度320 ℃、巻取速度
300 m/min 、ドラフト11の条件で紡糸し、1500d/100
f、島数約500 個の海島繊維を得た。これをカッタ−を
用いて繊維長約1.5 mmに切断した後、沸騰している40g/
l の水酸化ナトリウム溶液に10分間浸漬した。次にこ
れをガ−ゼ上に移し取り酢酸で中和した後、30分間水
で洗浄した。得られたパルプ状物を走査型電子顕微鏡
(SEM)で観察したところ、パルプ状物は実質的に枝
分かれを有しておらず、平均直径は約1μm(0.2 〜5
μ)、パルプ長は1.5mm 前後であり、粉末状物や繊維径
の極めて大きなものは実質的に存在していなかった(図
1参照)。
ポリマ−)と溶融異方性ポリエステル(Bポリマ−)を
50:50の重量比で押し出し機より溶融混練し、ギヤポン
プから紡糸ヘッドに導き、ヘッド温度320 ℃、巻取速度
300 m/min 、ドラフト11の条件で紡糸し、1500d/100
f、島数約500 個の海島繊維を得た。これをカッタ−を
用いて繊維長約1.5 mmに切断した後、沸騰している40g/
l の水酸化ナトリウム溶液に10分間浸漬した。次にこ
れをガ−ゼ上に移し取り酢酸で中和した後、30分間水
で洗浄した。得られたパルプ状物を走査型電子顕微鏡
(SEM)で観察したところ、パルプ状物は実質的に枝
分かれを有しておらず、平均直径は約1μm(0.2 〜5
μ)、パルプ長は1.5mm 前後であり、粉末状物や繊維径
の極めて大きなものは実質的に存在していなかった(図
1参照)。
【0047】短繊維としては、上記Aポリマ−と同様の
溶融液晶性ポリエステルを用いて、ヘッド温度320
℃、巻取速度1000m/min及びドラフト22の条
件で溶融紡糸して得られた300d/100f(平均繊
維径17μm)のヤ−ンを5mmにギロチンカッタ−で
切断したものを用いた。アルカリ減量処理して得られた
パルプ状物70重量%と、短繊維30重量%を含む配合
物を水中に投じ撹拌分散させた後、コ−ン型をした抄網
で抄き上げ、熱プレスで乾燥して(200℃、6kg/
cm2 、2分間)、直径16cmのスピ−カ−コ−ンを
作成した。結果を表1に示す。
溶融液晶性ポリエステルを用いて、ヘッド温度320
℃、巻取速度1000m/min及びドラフト22の条
件で溶融紡糸して得られた300d/100f(平均繊
維径17μm)のヤ−ンを5mmにギロチンカッタ−で
切断したものを用いた。アルカリ減量処理して得られた
パルプ状物70重量%と、短繊維30重量%を含む配合
物を水中に投じ撹拌分散させた後、コ−ン型をした抄網
で抄き上げ、熱プレスで乾燥して(200℃、6kg/
cm2 、2分間)、直径16cmのスピ−カ−コ−ンを
作成した。結果を表1に示す。
【0048】[実施例2]パルプ成分の配合率を30重
量%、繊維成分の配合率を70重量%とした以外は、実
施例1と同様に行った。結果を表1に示す。 [実施例3]短繊維成分を混抄しない以外は実施例1と
同様に行った。結果を表1に示す。 [実施例4]実施例1で用いた溶融液晶性ポリエステル
と易アルカリ減量性ポリエステルとを押出機で溶融混合
したものをノズル径1mmの口金より引き取り、ペレッ
タイザ−を用いてペレット化した。得られたペレットは
平均直径0.8mm、長さ2.0mmであった。このペ
レットを沸騰している40g/lの水酸化ナトリウム溶
液に20分間浸漬した後に実施例1と同様に中和、洗浄
してパルプ状物を得た。得られたパルプ状物をSEM観
察したところ、粉末状物や塊状物は実質的に存在してお
らず、さらにパルプ状物は実施的に枝分かれを有してい
なかった。平均直径は約1.5μm(0,5〜4μ)で
あり、パルプの長さは2mm前後であった。このパルプ
を用いたこと以外は実施例1と同じ方法で振動板を作成
し、外観を調べた後に試験片を切り出して性能を測定し
た。結果を表1に示す。
量%、繊維成分の配合率を70重量%とした以外は、実
施例1と同様に行った。結果を表1に示す。 [実施例3]短繊維成分を混抄しない以外は実施例1と
同様に行った。結果を表1に示す。 [実施例4]実施例1で用いた溶融液晶性ポリエステル
と易アルカリ減量性ポリエステルとを押出機で溶融混合
したものをノズル径1mmの口金より引き取り、ペレッ
タイザ−を用いてペレット化した。得られたペレットは
平均直径0.8mm、長さ2.0mmであった。このペ
レットを沸騰している40g/lの水酸化ナトリウム溶
液に20分間浸漬した後に実施例1と同様に中和、洗浄
してパルプ状物を得た。得られたパルプ状物をSEM観
察したところ、粉末状物や塊状物は実質的に存在してお
らず、さらにパルプ状物は実施的に枝分かれを有してい
なかった。平均直径は約1.5μm(0,5〜4μ)で
あり、パルプの長さは2mm前後であった。このパルプ
を用いたこと以外は実施例1と同じ方法で振動板を作成
し、外観を調べた後に試験片を切り出して性能を測定し
た。結果を表1に示す。
【0049】[実施例5]Bポリマ−として、化3で示
された構成単位C〜Fのモル比がC:D:E:F=6
0:20:15:5であるポリマ−(融点330℃、対
数粘度6.1dl/g)を用い、ヘッド温度350℃、
捲取速度600m/min、ドラフト20とした以外は
実施例1と同様に行い、平均直径0.7μm(0.1〜
4μm)、繊維長1.5mm前後のパルプ状物を得た。
かかるパルプ状物を用いた以外は実施例1と同様に行っ
た。結果を表1に示す。
された構成単位C〜Fのモル比がC:D:E:F=6
0:20:15:5であるポリマ−(融点330℃、対
数粘度6.1dl/g)を用い、ヘッド温度350℃、
捲取速度600m/min、ドラフト20とした以外は
実施例1と同様に行い、平均直径0.7μm(0.1〜
4μm)、繊維長1.5mm前後のパルプ状物を得た。
かかるパルプ状物を用いた以外は実施例1と同様に行っ
た。結果を表1に示す。
【0050】[実施例6]海成分として、溶融異方性を
示さない熱可塑性ポリマ−(ポリスチレン:旭化成株式
会社製「シュタイロン679」)を用いた以外は実施例
1と同様に、1500d/100f、島数約300個の
海島繊維を製造した。得られた海島繊維をカッタ−を用
いて繊維長約1.5mmにカットした後、室温でトルエ
ン中に1時間浸漬した。トルエンは、溶融異方性ポリエ
ステルに対して貧溶媒であり、ポリスチレンに対して良
溶媒である。次にこれをガ−ゼ上に移し取った後に30
分間水で洗浄し、平均直径約1μ亜m(0.2〜5μ
m)、カット長1.5mm前後のパルプ状物を得た。か
かるパルプ状物には、粉末状物や塊状物は実質的に含ま
れていなかった。該パルプ状物を用いて実施例1と同様
に行った結果を表1に示す。
示さない熱可塑性ポリマ−(ポリスチレン:旭化成株式
会社製「シュタイロン679」)を用いた以外は実施例
1と同様に、1500d/100f、島数約300個の
海島繊維を製造した。得られた海島繊維をカッタ−を用
いて繊維長約1.5mmにカットした後、室温でトルエ
ン中に1時間浸漬した。トルエンは、溶融異方性ポリエ
ステルに対して貧溶媒であり、ポリスチレンに対して良
溶媒である。次にこれをガ−ゼ上に移し取った後に30
分間水で洗浄し、平均直径約1μ亜m(0.2〜5μ
m)、カット長1.5mm前後のパルプ状物を得た。か
かるパルプ状物には、粉末状物や塊状物は実質的に含ま
れていなかった。該パルプ状物を用いて実施例1と同様
に行った結果を表1に示す。
【0051】[実施例7]実施例1で得られた振動板を
窒素雰囲気下で220℃から280℃まで10時間で昇
温しながら熱処理した以外は実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。 [実施例8]実施例1で用いたパルプ状物70重量%と
短繊維30重量%の配合物を80メッシュの金網で抄き
上げて40g/m2 のシ−トを作成し、得られた紙をコ
−ン型の金型で230℃×6kg/cm2 ×2分間熱成
型してコ−ン型の振動板を製造した。性能を表1に示
す。
窒素雰囲気下で220℃から280℃まで10時間で昇
温しながら熱処理した以外は実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。 [実施例8]実施例1で用いたパルプ状物70重量%と
短繊維30重量%の配合物を80メッシュの金網で抄き
上げて40g/m2 のシ−トを作成し、得られた紙をコ
−ン型の金型で230℃×6kg/cm2 ×2分間熱成
型してコ−ン型の振動板を製造した。性能を表1に示
す。
【0052】[比較例1]実施例1で用いた溶融液晶性
ポリエステル短繊維をリファイナ−を用いて叩解し、強
い剪断力を加えることによりフィブリル化してパルプ状
物を得た。かかるパルプ状物を走査型電子顕微鏡で観察
すると、部分的には直径1μm程度のパルプ状物もある
が、直径及び断面形状が不均一であり塊状物や粉末状物
が混在していた(図2参照)。このパルプ状物を用いた
以外は、実施例1と同様に行ったが、塊状物が混在する
ため抄紙性に劣り、また塊状物が存在しているため空隙
が生じて密度は低くなるものの弾性率の低下が著しく、
結果的に比弾性率は本発明より劣ったものとなった。結
果を表1に示す。
ポリエステル短繊維をリファイナ−を用いて叩解し、強
い剪断力を加えることによりフィブリル化してパルプ状
物を得た。かかるパルプ状物を走査型電子顕微鏡で観察
すると、部分的には直径1μm程度のパルプ状物もある
が、直径及び断面形状が不均一であり塊状物や粉末状物
が混在していた(図2参照)。このパルプ状物を用いた
以外は、実施例1と同様に行ったが、塊状物が混在する
ため抄紙性に劣り、また塊状物が存在しているため空隙
が生じて密度は低くなるものの弾性率の低下が著しく、
結果的に比弾性率は本発明より劣ったものとなった。結
果を表1に示す。
【0053】[比較例2]パルプ状物の配合率を5重量
%にした以外は実施例1と同様に行った。パルプ量が少
量であるために繊維状物同志の絡み合いが低く、抄紙性
は低いものであった。結果を表1に示す。 [比較例3]実施例1で使用した溶融液晶性ポリエステ
ルを用いて、ヘッド温度320℃、巻き速度100m/
minおよびドラフト25の条件で900d/300f
のヤ−ンを紡糸した。このヤ−ンを用いて平織物(糸密
度10本/cm)を作成し、これに硬化剤として無水マ
レイン酸を用いたグリシジルエ−テル樹脂のメチルエチ
ルケトン分散樹脂中に含浸して乾燥した後、実施例1と
同様にコ−ン型をした金型で熱プレスして振動板を作成
した。得られた振動板は熱プレスの際に織物がよれて皺
になり均質な振動板にはならなかった。また、ヤング率
は高いものの密度が高いために結果的に比弾性率は本発
明の振動板よりも劣るものであった。結果を表1に示
す。
%にした以外は実施例1と同様に行った。パルプ量が少
量であるために繊維状物同志の絡み合いが低く、抄紙性
は低いものであった。結果を表1に示す。 [比較例3]実施例1で使用した溶融液晶性ポリエステ
ルを用いて、ヘッド温度320℃、巻き速度100m/
minおよびドラフト25の条件で900d/300f
のヤ−ンを紡糸した。このヤ−ンを用いて平織物(糸密
度10本/cm)を作成し、これに硬化剤として無水マ
レイン酸を用いたグリシジルエ−テル樹脂のメチルエチ
ルケトン分散樹脂中に含浸して乾燥した後、実施例1と
同様にコ−ン型をした金型で熱プレスして振動板を作成
した。得られた振動板は熱プレスの際に織物がよれて皺
になり均質な振動板にはならなかった。また、ヤング率
は高いものの密度が高いために結果的に比弾性率は本発
明の振動板よりも劣るものであった。結果を表1に示
す。
【0054】[比較例4]市販のアラミドフィブリッド
(ユニチカ社製造 アピエ−ルパルプ)70重量%に市
販のメタ系アラミド短繊維(ユニチカ社製造 アピエ−
ル繊維 長さ5mm)30重量%を配合して抄紙した以
外は実施例1と同様に行った。得られたものは吸湿性が
低く、湿度によって性能に差異が生じるために音響安定
性に問題のあるものであった。結果を表1に示す。
(ユニチカ社製造 アピエ−ルパルプ)70重量%に市
販のメタ系アラミド短繊維(ユニチカ社製造 アピエ−
ル繊維 長さ5mm)30重量%を配合して抄紙した以
外は実施例1と同様に行った。得られたものは吸湿性が
低く、湿度によって性能に差異が生じるために音響安定
性に問題のあるものであった。結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明により、音響特性の優れた電気音
響交換用振動板を容易に得ることができる。
響交換用振動板を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる実質的に枝分かれを有しな
いパルプ状物の走査電子顕微鏡写真。
いパルプ状物の走査電子顕微鏡写真。
【図2】成形物を叩解して得られるパルプ状物の走査電
子顕微鏡写真。
子顕微鏡写真。
Claims (4)
- 【請求項1】 溶融液晶性ポリエステルからなり、かつ
実質的に枝分かれを有しないパルプ状物を10〜100
重量%含む紙からなる電気音響交換器用振動板。 - 【請求項2】 溶融液晶性ポリエステルを島成分、その
他のポリマ−を海成分とする海島繊維の海成分を除去し
て得られるパルプ状物を10〜100重量%含む紙から
なる電気音響交換器用振動板。 - 【請求項3】 溶融液晶性ポリエステルを島成分、その
他のポリマ−を海成分とする海島繊維を、長さ5mm以
下にカットする前又はカットした後に、海成分を溶解及
び/又は分解除去して得られるパルプ状物を10〜10
0重量%含む紙料を湿式抄紙する電気音響交換器用振動
板の製造方法。 - 【請求項4】 溶融液晶性ポリエステルを島成分、その
他のポリマ−を海成分とする海島繊維を、長さ5mm以
下にカットする前又はカットした後に、海成分を溶解及
び/又は分解除去して得られるパルプ状物を10〜10
0重量%含む紙料を湿式抄紙した紙を振動板の形状に熱
圧成型する電気音響交換器用振動板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7345212A JPH09163489A (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 電気音響変換器用振動板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7345212A JPH09163489A (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 電気音響変換器用振動板及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09163489A true JPH09163489A (ja) | 1997-06-20 |
Family
ID=18375065
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7345212A Pending JPH09163489A (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 電気音響変換器用振動板及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09163489A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1158835A3 (en) * | 2000-05-22 | 2008-03-26 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Planar acoustic converting apparatus |
| US8607539B2 (en) | 2008-03-25 | 2013-12-17 | Kuraray Co., Ltd. | Organopolysiloxane composition and process for producing rope structure with the same |
-
1995
- 1995-12-06 JP JP7345212A patent/JPH09163489A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1158835A3 (en) * | 2000-05-22 | 2008-03-26 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Planar acoustic converting apparatus |
| US8607539B2 (en) | 2008-03-25 | 2013-12-17 | Kuraray Co., Ltd. | Organopolysiloxane composition and process for producing rope structure with the same |
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