JP2004308038A - 低密度湿式不織布 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】繊維断面が扁平形状をしており、長辺の長さをA、長辺の中央部(1/2A)の厚さをBとしたときに、A/B≧3であるポリビニルアルコール系バインダー繊維を3〜40質量%含有してなる低密度湿式不織布。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱風乾燥方式のような高速乾燥や、マルチシリンダー方式のような低温乾燥等の非加圧方式の乾燥条件下でも高い強力を有し、しかも樹脂等の充填性が良好な低密度湿式不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】
低密度で空隙率の高い湿式不織布を製造する方法として、熱融着繊維による熱風乾燥方式での検討が行われているが、資源リサイクルの観点から再利用が困難な熱融着繊維の利用は敬遠されてきている。再利用の観点から有効なバインダーとして、熱水処理で容易にリサイクル可能なポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する)系繊維は、その水溶性と強い接着性を有するという特徴を生かして、製紙用あるいは不織布用バインダー繊維として用いられている。PVA系バインダー繊維の十分な接着性は、抄紙工程において繊維が分散した水中で膨潤し、乾燥工程の熱により十分溶解し、乾燥しながら結晶化することにより達成される。従来、PVA系バインダー繊維を用いて紙または不織布を製造する場合、乾燥工程において熱ドラム方式のヤンキードライヤーが一般的に使用されている。ヤンキードライヤーは乾燥熱量が大きいため乾燥時にPVA系バインダー繊維が十分に溶解し、接着性を発現する。
【0003】
しかし、用途によっては二次加工として樹脂等を含浸したり、あるいはソフト感を出すために嵩高さが要求される場合がある。このような場合にはヤンキードライヤー方式の乾燥を行った場合、乾燥時に加圧されるため、密度が高くなってしまい、嵩高さが発現しないという問題があった。加圧せず、しかも密度を上げず乾燥する方式として、エアースルードライヤー等が用いられるケースが増加してきているが、エアースルードライヤーを用いて乾燥した場合、エアースルードライヤーは乾燥時間が短く、また乾燥熱量が小さいため、従来のPVA系バインダー繊維では十分に溶解できず、その結果、十分な接着性を発現できないという問題があった。
上記問題点を解決するために、PVA系樹脂のケン化度を低下させ、かつPVA系樹脂の重合度を低下させ溶解性を高める手法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。また低ケン化度のPVA系樹脂にカルボキシル基やスルホン酸基、シリル基、四級アンモニウム塩等のカチオン性基などイオン性の官能基を導入することにより、溶解性を向上させる手法がとられている(例えば、特許文献3、4、5、6参照。)。このように、バインダー繊維の接着性向上を達成するために、PVA系樹脂の改質を中心とした検討がなされているが、実際のエアースルードライヤー等の加圧しない乾燥方式での紙力は不十分であり、目標とする低密度でありながら紙力のある紙または不織布は得られなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開昭51−96533号公報
【特許文献2】
特開昭51−96534号公報
【特許文献3】
特開昭60−231816号公報
【特許文献4】
特開平4−126818号公報
【特許文献5】
特開昭58−220806号公報
【特許文献6】
特開2003−27328号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、扁平断面形状のPVA系バインダー繊維を紙または不織布に使用して、バインダー繊維の表面積を向上させて接着面積を増加させることにより、熱風乾燥方式のような高速乾燥や、マルチシリンダー方式のような低温乾燥等の非加圧方式の乾燥条件下においても、低密度であるにもかかわらず高い紙力を発現させることが可能であることを見出した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、繊維断面が扁平形状をしており、長辺の長さをA、長辺の中央部(1/2A)の厚さをBとしたときに、A/B≧3であるPVA系バインダー繊維を3〜40質量%含有してなる低密度湿式不織布であり、好ましくは湿式不織布の密度が厚み測定時荷重12g/cm2の条件下で0.15g/cm3以下、乾比引張強力が0.4N・m/g以上である上記の低密度湿式不織布に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
PVA系バインダー繊維の十分な接着性は、抄紙工程において繊維が分散した水中で膨潤し、乾燥工程の熱により十分溶解し、乾燥しながら結晶化することにより達成される。しかしながら、従来のPVA系バインダー繊維では加圧状態での乾燥では十分な紙力が得られるが、樹脂等を含浸して保持体として使用する場合やソフトさを出すために嵩高さが必要な非加圧方式の乾燥条件では溶解性が不足し十分な接着性を得ることは困難であった。従来の技術では溶解性の向上、すなわちその指標である結晶融解温度を低下させるために、前記したようにケン化度の低下や変性基導入による結晶サイズ低下を利用したのに対し、本発明で使用するPVA系バインダー繊維は、繊維を扁平形状とすることにより溶解性を大幅に向上させ、接着面積を増大することで紙力の向上を達成し、目標とする低密度湿式不織布を得ている。
【0008】
具体的には本発明で使用するPVA系バインダー繊維は、扁平形状で扁平形状の長辺の長さをA、その長辺の中央部(1/2A)の厚さをBとした時にA/B≧3であるPVA系バインダー繊維の含有率が3〜40質量%である低密度湿式不織布である。ここで、A/B<3の場合、乾燥時の溶解性が低下し、また主体繊維との接着面積が狭くなるため高い紙力を得ることができない。好ましくは5≦A/B≦15である。
【0009】
本発明の湿式不織布中のPVA系バインダー繊維は全固形分に対して3〜40質量%含有していることが必要である。湿式不織布中のPVA系バインダー繊維の含有量が3質量%よりも少ないと、繊維の構成本数が少ないためバインダーとして機能せず、したがって接着性が発現しなくなる。一方、湿式不織布中のPVA系バインダー繊維の含有量が40質量%より多いと、バインダーが主体となるため、バインダーの収縮による湿式不織布の表面平滑性の低下や、不織布が硬くなる等の品位の低下を招く恐れがある。好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜25質量%である。
【0010】
本発明のPVA系バインダー繊維に用いるPVA系樹脂の種類には特に制限はなく、例えば、低ケン化度PVAやカルボキシル基、スルホン酸基、エチレン基、シラン基、シラノール基、アミン基、アンモニウム基等を共重合しても何ら構わない。ただし30℃水中における繊維の溶出量が20%以下であることが好ましい。溶出量が20%を超えると、歩留まり悪化によるコストアップ、白水(抄紙中に使用する水)への溶出による排水負荷の上昇や、紙にしたとき、溶出したPVAの再付着により紙が硬くなる等の紙品位の低下が生じる場合がある。溶出量は好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
【0011】
本発明のPVA系バインダー繊維に用いるPVA系樹脂の重合度については、溶出量の面からは300以上、一方、生産性、コストの面からは3000以下であることが好ましい。より好ましくは800〜2000である。またPVAのケン化度についてはPVAの溶出の面から95モル%以上であることが好ましい。PVAのケン化度が95モル%よりも低いと、バインダー使用時のPVAの溶出が著しく、歩留まりの低下および排水への溶出等の問題が発生したり、またバインダーとして使用された後も耐水性が極めて低く、特に湿潤条件でバインダー性能が著しく低下する。より好ましくはケン化度96〜99.9モル%の範囲である。
【0012】
本発明のPVA系バインダー繊維は、上記したPVA系樹脂を水に対して8〜18質量%溶解させ、該ポリマーに対して固化能を有する塩類の水溶液からなる凝固浴中の吐出させ繊維状とした後、2〜5倍湿延伸を行い、乾燥することにより得られる。水に溶解するPVA樹脂の濃度が8質量%より低い場合、ノズルから凝固浴中へ押出した際固化が遅くなり、単繊維同士が膠着して分散性が悪化し、そのため生産性が低下しコストアップとなる。一方、水に溶解するPVA系樹脂の濃度が18質量%より高い場合、PVAポリマーが溶解した溶液の粘度が高くなり、紡糸が不可能となる。好ましくは10〜16質量%である。
【0013】
固化能を有する塩類の水溶液としては、硫酸ナトリウム(芒硝)、硫酸アンモニウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。これら固化能を有する塩類の水溶液からなる凝固浴中に吐出させ繊維状とした後に湿延伸を行うが、湿延伸倍率が2倍より小さいと正常な紡糸が行えず、一方湿延伸倍率が5倍を超える延伸を行うと、PVA分子の配向が著しく進行するため結晶融解温度が上昇し、得られた繊維は水に対する膨潤度が低下し、バインダーとして機能しなくなる。
【0014】
また本発明において、PVA系バインダー繊維の繊維断面を扁平形状とする場合の紙力以外の利点として、抄紙工程中での単糸分繊性も向上する。扁平形状であると凝固浴中で表面積が広いため固化が速く、通常の円ノズルでの紡糸原綿よりも紙用途で使用する場合に問題となる単糸同士の膠着が低減し、分散性の良好な紙原料が得られる。
【0015】
本発明で用いられるPVA系バインダー繊維の単繊維の平均繊度に特に制限はないが、0.1〜10dtexのものが好適に用いられる。平均繊度が0.1dtexよりも細い場合は製造が困難となり生産性が低下し、コストアップが問題となる。平均繊度が10dtexよりも太くなると、接着性が低下するようになる。より好ましくは0.3〜5.0dtex、さらに好ましくは0.4〜3.0dtexの範囲である。
本発明の繊維はあらゆる形態で使用することができ、例えばカットファイバー、フィラメントヤーン、紡績糸としてもかまわない。
【0016】
本発明のPVA系バインダー繊維の繊維長については1〜10mmの範囲であることが好ましい。バインダー繊維の繊維長が1mm未満となると、切断が困難となり、一方10mmを越えると湿式抄造時の分散性が悪く抄紙原紙の製造が困難となり使用できない。好ましくは2〜8mm、より好ましくは3〜6mmである。
【0017】
本発明で用いられる主体繊維としては低密度となる様に、水素結合等による自己接着性のない、あるいは自己接着性の低い繊維が好適に用いられ、例えばポリアミド系、PVA系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ポリアクリル系、ポリオレフィン系の合成繊維、ガラス繊維、アスベスト、金属繊維、炭素繊維等の無機繊維、天然繊維よりも自己接着性の低いセルロース系等の半合成繊維、再生繊維並びにこれらの混合物を使用することが可能である。
【0018】
本発明において湿式不織布を製造するにあたっては、通常の湿式抄紙法に準じて行えばよい。例えば前述のPVA系バインダー繊維を含有するスラリーを公知の手段により離解処理、あるいは主体となる繊維と離解処理し分繊後に抄造を行うが、該スラリーにおける繊維分濃度を約1〜10質量%程度にし、さらにチェストにて0.5〜5質量%となるように希釈し、抄紙機により抄紙する。用いられる抄き網は円網や短網等でよく、乾燥機は多筒タイプやスルードライヤータイプを使用した抄紙工程の乾燥温度90〜250℃で行えばよい。勿論、加圧を低減し目標の密度とすることが可能ならばヤンキードライヤータイプの乾燥機を使用してもかまわない。
【0019】
本発明で得られる湿式不織布はJIS P8118試験法に準拠した方法にて、厚み測定時荷重12g/cm2の条件下での測定した密度が0.15g/cm3以下であることが好ましい。密度が0.15g/cm3よりも大きい場合、嵩高さが発現せず、したがってソフト感が出ない。より好ましくは0.1g/cm3以下0.03g/cm3以上である。
【0020】
また本発明で得られる湿式不織布の乾比引張強力は0.4N・m/g以上であることが好ましい。乾比引張強力が0.4N・m/gよりも低い場合、紙作製時や樹脂加工時の加工張力に耐えることができない。より好ましくは、1.0N・m/g以上10N・m/g以下である。
【0021】
本発明の繊維断面が扁平形状のPVA系バインダー繊維を3〜40質量%含有させることにより、得られる湿式不織布は低密度にもかかわらず、高い紙力を発現させることが可能となる。
【0022】
【実施例】
以下実施例により本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。なお本発明において、PVAバインダー繊維の溶出量、膨潤度、断面形状、紙の密度、紙の乾紙力は以下の測定方法により測定されたものとする。
【0023】
[PVAバインダー繊維のPVA溶出量 %]
繊維中のPVA樹脂純分が1gとなるように換算量を秤量したのち、30℃水100ml中に浸漬し、液温を30℃に保ったまま30分静置する。静置後未溶解部分を除去した上澄み50mlを採取し、水蒸気浴上で蒸発乾固したのち、105℃の乾燥機中で4時間乾燥させ、乾燥後乾燥残分a(g)を計量する。この乾燥残分aにはPVAと硫酸ナトリウム等の無機分が含まれるため、さらに500〜800℃でPVA成分が完全に消失するまで焼成する。焼成後、残分b(g)を測定し、下記式から溶出量を求めた。
溶出量(%)=(a−b)×200
【0024】
[PVAバインダー繊維の膨潤度 %/PVA]
繊維中のPVA樹脂純分が1gとなるように換算量を秤量したのち、30℃水100ml中に浸漬し、液温を30℃に保ったまま30分静置する。静置後繊維分を濾取して、3000rpmの遠心脱水機で10分間脱水し、脱水後の質量(C)を測定する。質量測定の終わったサンプルを105℃の熱風乾燥機中で4時間乾燥させた後、質量(D)を測定する。
膨潤度(%/PVA)=(C−D)/D×100
【0025】
[PVAバインダー繊維の断面形状]
走査型電子顕微鏡〔(株)日立製作所製〕により断面を撮影し、長辺(A)と厚み(B)の比率A/Bを算出した。
【0026】
[紙の密度 g/cm3]
厚み測定時の荷重を12g/cm2とすること以外はJIS P8118に準拠して測定し、算出した。
【0027】
[紙の乾比引張強力 N・m/g]
23℃、50%RH室内で24時間調湿後、幅15mm、長さ170mmの試料を把持長さ100mm、引張速度100mm/分で測定した強力DS(N/m)と試料の秤量W(g/m2)により下記式にて算出する。
乾比引張強力(N・m/g)=DS/W
【0028】
[実施例1]
(1)平均重合度1700、ケン化度98.0モル%のPVA樹脂14質量%の水溶液からなる紡糸原液を孔数4000、縦30μm×横180μmの長方形のスリット型の紡糸口金より飽和硫酸ナトリウムからなる凝固浴中に吐出させ、第一ローラーで捲き取った後、4倍の湿延伸を行い、定長乾燥機中にて120℃、10分間乾燥させ、繊度1.5dtex、膨潤度182%、溶出量6.9%、断面形状A/B=6.3の扁平状PVA繊維を得た。
(2)上記(1)の扁平状PVA繊維を3mmの繊維長にカットしたものをバインダー繊維として用い、繊維純分として20質量部、主体繊維としてガラス繊維〔東レ(株)製、直径9μm、繊維長6mm〕を80質量部混合し、均一に混合攪拌してスラリーを調製した。かかるスラリーを用いてTAPPI式抄紙機に供給して抄造した後、乾燥温度210℃のネット式エアースルードライヤーを用いて乾燥し、紙を製造した。結果を表1に示す。
【0029】
[実施例2]
(1)実施例1と同じPVA樹脂を用いて実施例1と同様の条件にて繊維を製造し、繊度3.8dtex、膨潤度162%、溶出量3.1%、断面形状A/B=16.0の扁平状PVA繊維を得た。
(2)上記(1)で得られた扁平状PVA系繊維をバインダー繊維として用い、実施例1と同様の条件で紙を製造した。結果を表1に示す。
【0030】
[実施例3]
紙の組成をバインダー繊維5質量部、主体繊維としてガラス繊維を95質量部とする以外は実施例1と同様の条件にて紙を製造した。結果を表1に示す。
【0031】
[実施例4]
(1)平均重合度1700、ケン化度98.0モル%、エチレン含有量5モル%のPVA樹脂を用いる以外は実施例1と同様の条件にて繊維を製造し、繊度1.5dtex、膨潤度154%、溶出量2.3%、断面形状A/B=6.1の扁平状PVA繊維を得た。
(2)上記(1)で得られた扁平状PVA系繊維をバインダー繊維として用い、実施例1と同様の条件で紙を製造した。結果を表1に示す。
【0032】
[実施例5]
紙に使用する主体繊維をポリエステル繊維〔(株)クラレ製「EP043×5」、0.5dtex×5mm〕とし、抄紙時の乾燥温度を170℃にすること以外は実施例1と同様の条件にて紙を製造した。結果を表1に示す。
【0033】
[実施例6]
紙に使用する主体繊維を炭素繊維〔東レ・デュポン(株)社製、0.6dtex×6mm〕に変更する以外は実施例1と同様の条件にて紙を製造した。結果を表1に示す。
【0034】
[比較例1]
(1)平均重合度1700、ケン化度99.9モル%のPVA樹脂が14質量%の水溶液からなる紡糸原液を孔直径60μm、孔数4000の紡糸口金より飽和硫酸ナトリウムからなる凝固浴中に吐出させ、第一ローラーで捲き取った後、4倍の湿延伸を行い、定長乾燥機中にて120℃、10分間乾燥させ、繊度1.0dtex、膨潤度145%、溶出量1.0%、A/B=2.0の断面形状が繭型であるPVA繊維を得た。
(2)上記(1)で得られたPVA繊維をバインダー繊維として用い、実施例1と同様の条件にて紙を製造した。結果を表1に示す。
【0035】
[比較例2]
(1)平均重合度1700、ケン化度98.0モル%のPVA樹脂18質量%のDMSO(ジメチルスルホキシド)溶液からなる紡糸原液を孔数20000、孔径60μmの紡糸口金より吐出させ、3倍の湿延伸を行った後、定長乾燥機中にて140℃、10分間乾燥させ、繊度2.2dtex、膨潤度170%、溶出量3.3%、断面形状A/B=1.0の円型断面のPVA繊維を得た。
(2)上記(1)で得られた円型断面のPVA繊維をバインダー繊維として用い、実施例1と同様の条件にて紙を製造した。結果を表1に示す。
【0036】
[比較例3]
紙の組成をバインダー繊維2質量部、ガラス繊維98質量部とする以外は実施例1と同様の条件にて紙の製造を行った。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
実施例1〜6で得られた紙は、低密度であるにもかかわらず、紙作製時や樹脂加工時の加工張力に耐えうる紙力のあるものであった。一方、比較例1、2で得られた紙はバインダー繊維の断面形状A/B<3であるため、バインダーが十分に溶解しておらず、紙力の弱いものであった。また比較例3はバインダー繊維の含有量が3質量%未満であるため紙力が弱く、紙作製時や樹脂加工時の加工張力に耐えうるものではなかった。
【0039】
【発明の効果】
本発明の、繊維断面が扁平形状のPVA系バインダー繊維の含有率が3〜40質量%である湿式不織布を用いることにより、加工性に問題のない紙力を有し、樹脂等の充填性が優れた低密度湿式不織布を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】扁平断面繊維の断面概略図
Claims (2)
- 繊維断面が扁平形状をしており、長辺の長さをA、長辺の中央部(1/2A)の厚さをBとしたときに、A/B≧3であるポリビニルアルコール系バインダー繊維を3〜40質量%含有してなる低密度湿式不織布。
- 湿式不織布の密度が厚み測定時荷重12g/cm2の条件下で0.15g/cm3以下、乾比引張強力が0.4N・m/g以上である請求項1記載の低密度湿式不織布。
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