JPH09166166A - ドラム式ブレーキ - Google Patents

ドラム式ブレーキ

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JPH09166166A
JPH09166166A JP32477395A JP32477395A JPH09166166A JP H09166166 A JPH09166166 A JP H09166166A JP 32477395 A JP32477395 A JP 32477395A JP 32477395 A JP32477395 A JP 32477395A JP H09166166 A JPH09166166 A JP H09166166A
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JP
Japan
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brake
drum
damping
brake drum
peripheral surface
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JP32477395A
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English (en)
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Ichiro Yamazaki
一郎 山崎
Tsutomu Hamabe
勉 浜辺
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D65/00Parts or details
    • F16D65/0006Noise or vibration control

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ブレーキドラムの振動特性を改善してブレーキ
鳴きを低減する。 【解決手段】ブレーキドラム1の外周面1dに、その回
転中心軸に沿った方向に長く周方向に短い溝を形成する
四つの溝形成部11を一体形成し、各溝形成部11の溝
には、溝形成部11の表面から突出するように、ゴム状
弾性体からなる減衰部材10を圧入保持する。四つの溝
形成部11は、その周方向の間隔を不均一とする。従っ
て、四つの減衰部材10の周方向の配設位置も不均一と
する。そして、各減衰部材10の外面側が、ホイールデ
ィスクの内周面に当接している。つまり、各減衰部材1
0は、ブレーキドラム1の外周面1dと、ロードホイー
ルのホイールディスクの内周面との間に介在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ドラム式ブレー
キに関し、特に、ブレーキドラムの振動特性を改善で
き、いわゆるブレーキ鳴きを低減できるようにしたもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の制動装置の一つであるドラム式ブ
レーキは、図15に示すように構成され、車輪と一体に
回転する略円筒形のブレーキドラム1の内周面1aに、
メンバ等の車体側に支持された略円弧形状のブレーキシ
ュー2のライニング2aを接触させた際の摩擦力を利用
して制動を行う装置である。具体的には、このドラム式
ブレーキは、車体側に固定されたバックプレート3を有
し、このバックプレート3には、ブレーキドラム1の内
周面1aよりも内側に位置するように制動トルクを受け
るアンカ4が固定されていて、このアンカ4には、一対
のブレーキシュー2の対向する一端側が揺動自在に取り
付けられている。これら一対のブレーキシュー2のそれ
ぞれは、ブレーキドラム1の内周面1aに沿うように配
設されていて、非制動時には、それらの外周面に固定さ
れたライニング2aが内周面1aと所定距離隔てて対向
するようになっている。
【0003】そして、一対のブレーキシュー2のアンカ
4側とは逆側の位置にて対向する端部間には、ホイール
シリンダ5及びリターンスプリング6が配設されてい
て、ホイールシリンダ5に油圧等が供給されると、その
左右方向に進退可能に設けられた一対のピストン5A,
5Bが延びる方向に変位し、これによりブレーキシュー
2の端部が左右に開いて内周面1aに向けて押圧され、
そのライニング2aが内周面1aに押し付けられて接触
し、その接触部においてブレーキドラム1の回転力が摩
擦熱に変換して制動が行われるのである。
【0004】このようなドラム式ブレーキにおいては、
ブレーキドラム1の内周面1aにライニング2aが接触
して摩擦熱を発生させる際に、それらの摩擦面に生じる
摩擦振動がブレーキドラム1を振動させ、ブレーキドラ
ム1の固有振動を励振する結果、不快なブレーキ鳴きを
発生させることがある。ここで、図15に示した一般的
なブレーキドラム1のような同一肉厚の円筒体や円板等
の物体は、その外周部が曲げ振動する例えば直径2節モ
ード(図16(a)参照)、直径3節モード(図16
(b)参照)、直径4節モード(図16(c)参照)、
直径5節モード(図16(d)参照)、直径6節モード
(図16(e)参照)等の振動モードを呈する固有モー
ドを有するが、その固有モードは、ブレーキドラム1が
回転中心軸(図15では、ブレーキドラム1の中心を通
り図面に直交する方向に延びる軸)を中心とした対称性
のある物体であることから、重根となる。なお、“重根
が存在する”とは、図16(a)〜(d)に示すような
一の固有モードの他に、周方向に位相が半周期だけずれ
た同形状の他の固有モードが同一周波数に存在すると考
えられる、ということである。
【0005】つまり、ブレーキドラム1の周面をこれを
静止させた状態で加振すると、周方向のいずれの位置を
加振点としても、ブレーキドラム1が回転中心軸を中心
とした対称性のある物体であるため、その加振点が常に
腹となる応答モードが表れるから、ブレーキドラム1に
は多数の固有モードが存在するようにも思えるが、図1
6(a)〜(d)に一点鎖線で示すような直径に沿った
軸を考えれば、その軸がブレーキドラム1に対して回転
していると考えることができる。すると、振動的には、
図16(a)〜(d)に示すような固有モードと、これ
から半周期だけずれた同形状の固有モードという二つの
固有モードが存在すると考えることができ、その場合を
重根が存在すると考えるのである。
【0006】このような直径節モードは、ブレーキシュ
ー2のライニング2aとブレーキドラム1の内周面1a
との接触面における振動の振幅が大きいため、内周面1
aとライニング2aとの間に生じる摩擦振動によって直
径節モードが励振されやすく、ブレーキ鳴きの主原因と
なることが多いのである。このような現象に着目した従
来の技術として、実開昭59−177834号公報に開
示されたものがある。即ち、かかる従来の技術にあって
は、ブレーキドラムの外周面と、このブレーキドラムを
固着したディスクホイールとの間に、ゴム等のダンピン
グ材(減衰部材)を介装した点に特徴があり、そのよう
な減衰部材を介装することで、図16(a)〜(e)に
示すような直径節モードを制振できるから、音響放射効
率が低下してブレーキ鳴きが抑制される、というもので
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】確かに、上記公報に開
示されるような構成を採用すれば、例えば図17に示す
ようにブレーキドラム1の外周面に周方向に等間隔に四
つの減衰部材10を配設することにより、直径3節モー
ドや5節モード等に対しては十分な減衰効果は期待でき
るから、ある程度のブレーキ鳴きの抑制は可能である
が、配設する減衰部材10の個数により制振することが
できる直径節モードが決まってしまうため、減衰できな
い直径節モードによってやはり不快なブレーキ鳴きが発
生してしまう場合があるという問題点があった。
【0008】ここで、上記公報に記載された従来技術に
基づいて図17に示すように四つの減衰部材10を等間
隔に設けた場合について説明する。即ち、図17の構成
で直径2節モード及び直径4節モードについて考察する
と、図18に示すように、減衰部材10の取付部は、重
根のうちの一つの固有モードに対しては腹の位置に当た
るため、大きな制振効果が期待できるが、他の一つの固
有モードに対しては節の位置に当たるため、全く制振効
果が期待できない(このように減衰の全くない固有モー
ドを、不減衰固有モードと称す。)。
【0009】この影響を有限要素法により確認すると、
図19に示すようになった。即ち、図19は、減衰部材
10を取り付けた位置(図17のA点)を加振した場合
と、減衰部材10を取り付けていない位置(図17のB
点)を加振した場合とにおける、加振周波数と加振点コ
ンプライアンス(コンプライアンスとは、変位/荷重を
意味する。)との関係を示している。この図19によれ
ば、A点を加振した場合には大きな振動レベルには至ら
ないが、B点を加振した場合には振動レベルに大きなピ
ークが表れることが判る。その理由は、A点を加振した
場合は、減衰部材10により制振可能な一方の固有モー
ド(図18左側)のみが励振され、他方の固有モード
(図18右側)は加振点が節となっているため励振され
ないのに対し、B点を加振した場合は、減衰部材10の
配設位置が固有モードの節の位置に当たり不減衰固有モ
ード(図18右側)が励振されてしまうからである。
【0010】一般に、ブレーキドラム1の外周面に複数
の減衰部材10を周方向に一定間隔で配設した場合、下
記の表1に示すように、減衰部材10の個数Nが偶数の
場合にはN/2の倍数の直径節モード、個数Nが奇数の
場合にはNの倍数の直径節モードでは、重根のうちの一
つが不減衰固有モードとなり、十分な減衰効果が得られ
ない。なお、表1中の角度θ(度)は減衰部材10の配
設角度(配設間隔)であり、記号○は減衰効果有り、記
号×は減衰効果なしを意味する。
【0011】
【表1】
【0012】そして、図15に示すような実際のドラム
式ブレーキにあっては、ホイールシリンダ5の作動油圧
等の作動条件の違いやライニング2aの経時変化等によ
り、ブレーキドラム1の内周面1aとライニング2aと
の間に生じる摩擦振動の周波数成分が変化すること等か
ら、上記公報や論文に記載された従来の技術のように特
定の次数の直径節モードについて振動が低減できるだけ
では、どのような状況でもブレーキ鳴きを十分に低減で
きるようにはならないのである。
【0013】本発明は、このような従来の技術が有する
未解決の課題に着目してなされたものであって、重根と
なる複数の直径節モードを同時に制振することにより、
ブレーキドラムの振動特性を改善し、より確実にブレー
キ鳴きを抑制することができるドラム式ブレーキを提供
することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、車輪と一体に回転するブレ
ーキドラムを有するドラム式ブレーキであって、前記ブ
レーキドラムの外周面又は底部外面と、前記車輪のリム
及びホイールディスクからなるロードホイールとの間
に、複数の減衰部材を介在させるとともに、前記複数の
減衰部材の周方向の配設間隔を不均一とした。
【0015】また、上記目的を達成するために、請求項
2に係る発明は、車輪と一体に回転するブレーキドラム
を有するドラム式ブレーキであって、前記ブレーキドラ
ムの外周面又は底部外面と、前記車輪のリム及びホイー
ルディスクからなるロードホイールとの間に、複数N個
(Nは偶数)の減衰部材を介在させるとともに、前記複
数の減衰部材を、N/2個の減衰部材を構成要素とした
二つのグループに分け、各グループを構成する前記減衰
部材は周方向に等間隔に配設し、前記二つのグループ間
の相対的な角度αを、 0.36×(90/N)度<α<1.64×(90/
N)度 という範囲に設定した。
【0016】そして、上記目的を達成するために、請求
項3に係る発明は、車輪と一体に回転するブレーキドラ
ムを有するドラム式ブレーキであって、前記ブレーキド
ラムの外周面又は底部外面と、前記車輪のリム及びホイ
ールディスクからなるロードホイールとの間に、周方向
の配設間隔を等間隔として複数N個の減衰部材を介在さ
せるとともに、前記Nが偶数の場合にはM=N/2、前
記Nが奇数の場合にはM=Nとしたときに、前記各減衰
部材の周方向の幅を、0.29×(180/M)度以上
の角度とした。
【0017】さらに、請求項4に係る発明は、上記請求
項1〜3に係る発明であるドラム式ブレーキにおいて、
前記ブレーキドラムと同軸にその外周面又は底部外面と
対向するように環状部材を配設するとともに、前記減衰
部材を、前記ブレーキドラムの外周面又は底部外面と、
前記環状部材との間に介在させた。つまり、この請求項
4に係る発明では、減衰部材を、ブレーキドラムとロー
ドホイールとの間ではなく、ブレーキドラムと環状部材
との間に介在させたこと以外は、請求項1〜3に係る発
明と同様である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1乃至図4は本発明の第1の
実施の形態を示す図である。なお、ドラム式ブレーキの
全体的な構成は、図15に示した従来の構成と同様であ
るため、その図示及び説明は省略する。
【0019】先ず、構成を説明すると、本実施例のブレ
ーキドラム1は、その斜視図である図1に示すように、
略円筒形状に形成され、その一方の端部(図1で右方を
向く側)は、車輪側に取り付ける際に利用される中央貫
通孔1b及び複数のボルト孔1cを除いて閉じられた底
部1eとなっているとともに、他方の端部は開放してい
て、その円筒形状の内側に、図15に示したようなブレ
ーキシューやホイールシリンダが取り付けられ且つ車体
側に支持されたバックプレート3が配設されるようにな
っている。
【0020】そして、ブレーキドラム1の外周面1dに
は、このブレーキドラム1の回転中心軸(円筒形状の中
心を通る軸)に沿った方向に長く周方向に短い溝を形成
する四つの溝形成部11が一体形成されていて、各溝形
成部11の溝には、溝形成部11の表面から突出するよ
うに、ゴム状弾性体からなる減衰部材10が圧入保持さ
れている。
【0021】四つの溝形成部11は、ブレーキドラム1
の軸方向中央部分での横断面図である図2に示すよう
に、その周方向の間隔が不均一となっている。具体的に
は、各溝形成部11の周方向の間隔は、95°,90
°,100°,75°となっている。従って、四つの減
衰部材10の周方向の配設位置も不均一となっている。
図3は、ブレーキドラム1を車輪に取り付けた状態での
縦断面図(上半分)であり、ブレーキドラム1は、リム
12A及びホイールディスク12Bからなるロードホイ
ール12と一体に、ハブボルト13aを介してハブ13
に固定されていて、これにより、ブレーキドラム1が車
輪と一体に回転するようになっている。なお、リム12
Aの外周面には図示しないタイヤが保持されていて、そ
のタイヤとロードホイール12とによって車輪が構成さ
れる。また、ハブ13は、軸受14を介してアクスルハ
ウジング15に回転自在に保持されていて、そのアクス
ルハウジング15にバックプレート3が固定されてい
る。
【0022】そして、ブレーキドラム1の外周面1dに
固定された各減衰部材10の外面側が、ホイールディス
ク12Bの内周面に当接している。つまり、各減衰部材
10は、ブレーキドラム1の外周面1dと、ロードホイ
ール12のホイールディスク12Bの内周面との間に介
在している。次に、本実施の形態の作用効果を説明す
る。
【0023】即ち、本実施の形態のように、四つの減衰
部材10をブレーキドラム1の外周面1dとホイールデ
ィスク12Bの内周面との間に介在させた場合、不減衰
固有モードとなる可能性のあるのは直径2節モードであ
る。しかし、四つの減衰部材10を周方向に均一の間隔
で配設するのではなく、その配設間隔を不均一としてい
るため、全ての減衰部材10が振動モードの節に位置す
るような状況(図18右側のような状況)にならない。
つまり、本実施の形態であれば、不減衰固有モードが存
在しないのである。
【0024】図4は、本実施の形態の構成で減衰部材1
0を取り付けた位置(図2のA点)を加振した場合と、
減衰部材10を取り付けていない位置(例えば図2のB
点)を加振した場合とにおける、加振周波数と加振点コ
ンプライアンスとの関係を示しているが、この図4によ
れば、A点及びB点のいずれを加振した場合でも大きな
振動レベルには至らないことが判る。その理由は、A点
を加振した場合は、従来と同様に減衰部材10により制
振可能な一方の固有モード(図18左側)のみが励振さ
れ、他方の固有モード(図18右側)は加振点が節とな
っているため励振されないし、B点を加振した場合で
も、不減衰固有モードが存在しないため、減衰部材10
の減衰効果が発揮されて制振効果が得られるからであ
る。
【0025】つまり、本実施の形態であれば、減衰部材
10が四つであるにも関わらず、それら減衰部材10を
周方向に不均一の間隔で配設したため、不減衰固有モー
ドが存在しないから、2の倍数の直径節モード(直径2
節モード,4節モード,6節モード,…)に対しても減
衰効果が得られるのである。よって、ホイールシリンダ
の作動油圧等の作動条件の違いやライニングの経時変化
等により、ブレーキドラム1の内周面1aとライニング
との間に生じる摩擦振動の周波数成分が変化して直径節
モードの次数が変化しても、ブレーキ鳴きが抑制されて
騒音レベルが低減されるようになる。
【0026】なお、本実施の形態では、減衰部材10の
個数を4としているが、これに限定されるものではな
く、例えば3や5以上であってもよい。そして、減衰部
材10の個数を4以外とした場合であっても、減衰部材
10の周方向の配設間隔を不均一とすれば、不減衰固有
モードが存在しなくなるから、表1において×印を付し
た直径節モードが表れてもブレーキ鳴きを抑制して騒音
レベルを低減することができるようになる。
【0027】図5乃至図8は本発明の第2の実施の形態
を示す図である。なお、上記第1の実施の形態と同様の
構成には同じ符号を付し、その重複する説明は省略す
る。先ず、構成を説明すると、本実施の形態では、ブレ
ーキドラム1の外周面1dには、周方向に等間隔に90
°ずつ離隔した四つの溝形成部11Aと、同じく周方向
に等間隔に90°ずつ離隔した四つの溝形成部11Bと
の、合計八つの溝形成部11A,11Bが形成されてい
て、各溝形成部11A,11Bには減衰部材10が圧入
保持されている。
【0028】つまり、ブレーキドラム1の外周面1dに
は、減衰部材10を圧入保持する合計八つの溝形成部1
1A,11Bが形成されており、それら八つの溝形成部
11A,11Bは、四つずつを構成要素とした二つのグ
ループに分けることができ、各グループを構成する溝形
成部11A,11Bは周方向に等間隔に90°ずつ離隔
して配設されている。
【0029】そして、本実施の形態では、溝形成部11
Aのグループと、溝形成部11Bとのグループの間の相
対的な角度αを、22.5°としている。その他の構成
は、上記第1の実施の形態と同様である。次に、本実施
の形態の作用効果を説明する。即ち、一方のグループの
溝形成部11Aに保持された四つの減衰部材10に着目
した場合、不減衰固有モードとなる可能性のあるのは直
径2節モードであるが、それら四つの減衰部材10の他
に、角度αだけ周方向に離隔して他方のグループの溝形
成部11Bに保持された四つの減衰部材10が設けられ
ているため、その直径2節モードの不減衰固有モード
は、他方の溝形成部11Bに保持された四つの減衰部材
10によって減衰可能となる。つまり、一方のグループ
を構成する四つの減衰部材10の不減衰固有モードが、
他方のグループを構成する四つの減衰部材10によって
減衰され、逆に、他方のグループを構成する四つの減衰
部材10の不減衰固有モードが、一方のグループを構成
する四つの減衰部材10によって減衰されるのである。
【0030】図7は、本実施の形態の構成で減衰部材1
0を取り付けた位置(図2のA点)を加振した場合と、
減衰部材10を取り付けていない位置(例えば図2のB
点)を加振した場合とにおける、加振周波数と加振点コ
ンプライアンスとの関係を示しているが、この図7によ
れば、A点及びB点のいずれを加振した場合でも大きな
振動レベルには至らないことが判る。その理由は、A点
を加振した場合は、従来と同様に減衰部材10により制
振可能な一方の固有モード(図18左側)のみが励振さ
れ、他方の固有モード(図18右側)は加振点が節とな
っているため励振されないし、B点を加振した場合で
も、上述したように、二つのグループの減衰部材10が
互いに他方のグループの不減衰固有モードを打ち消し合
うため、減衰部材10の減衰効果が常に発揮されて制振
効果が得られるからである。
【0031】換言すれば、加振点がいずれの位置であっ
ても、少なくとも一のグループを構成する減衰部材10
が振動モードの腹に位置することになるため、減衰部材
10が八つの場合に問題となる4の倍数の直径節モード
(直径4節モード,8節モード,12節モード,…)に
対しても減衰効果が得られるのである。よって、上記第
1の実施の形態と同様に、ホイールシリンダの作動油圧
等の作動条件の違いやライニングの経時変化等により、
ブレーキドラム1の内周面1aとライニングとの間に生
じる摩擦振動の周波数成分が変化して直径節モードの次
数が変化しても、ブレーキ鳴きが抑制されて騒音レベル
が低減されるようになる。
【0032】なお、本実施の形態では、減衰部材10の
個数を8としているが、これに限定されるものではな
く、その個数が偶数であれば、例えば6以下或いは10
以上であってもよい。そして、減衰部材10の個数を8
以外とした場合であっても、その減衰部材10を二つの
グループに分け、各グループ内の減衰部材10は等間隔
に配設し、各グループ間の相対的な角度αを適宜設定す
れば、不減衰固有モードが存在しなくなるから、表1に
おいて×印を付した直径節モードが表れてもブレーキ鳴
きを抑制して騒音レベルを低減することができるように
なる。
【0033】ここで、本実施の形態の構成において、二
つのグループ間の相対的な角度αを変数として、直径節
モードのみに着目して振動の最大ピークレベルの推移を
計算により求めたところ、図8に示すように、角度αが
16°以上74°以下であれば十分な振動低減効果(最
大ピークレベルが、6dB以下に抑制できる効果)が得ら
れることが判った。そこで、十分な振動低減効果が得ら
れる角度αを、減衰部材10の総個数をNとして一般化
すると、 0.36×(90/N)度<α<1.64×(90/
N)度 となることが、本発明者等の実験により確認された。つ
まり、ブレーキドラム1の外周面に総個数N(Nは偶
数)の減衰部材10を配設する場合、それら減衰部材1
0をN/2個ずつの二つのグループに分け、各グループ
を構成する減衰部材10を等間隔に配設するとともに、
二つのグループ間の相対的な角度αを上記式に示す範囲
内で設定すれば、上記第2の実施の形態と同様の作用効
果が得られるのである。
【0034】図9乃至図12は本発明の第3の実施の形
態を示す図である。なお、上記各実施の形態と同様の構
成には同じ符号を付し、その重複する説明は省略する。
先ず、構成を説明すると、本実施の形態では、ブレーキ
ドラム1の外周面1dには、上記第1の実施の形態と同
様に、四つの溝形成部11が形成され、各溝形成部11
には減衰部材10が圧入保持されている。ただし、本実
施の形態では、各溝形成部11は周方向に等間隔に90
°ずつ離隔して配設されるとともに、減衰部材10の幅
(周方向の幅)が、上記第1の実施の形態の場合に比べ
て広くなっている。ここで、各減衰部材10の幅を角度
βで表現すると、本実施の形態では、角度βを26°以
上としている。
【0035】その他の構成は、上記第1の実施の形態と
同様である。次に、本実施の形態の作用効果を説明す
る。即ち、本実施の形態では減衰部材10を四つ設けて
いるため、不減衰固有モードとなる可能性のあるのは直
径2節モードであるが、各減衰部材10の幅方向の角度
βを26°以上としているので、各減衰部材10は、直
径2節モードの二つの固有モードの一方の節にのみ位置
することはなく、仮に減衰部材10の幅方向中心部が一
方の固有モードの節に位置したとしても、減衰部材10
の幅方向端部が必ず他方の固有モードの腹に位置するよ
うになる。つまり、減衰部材10の幅を十分に広くした
結果、不減衰固有モードが存在しないことになるのであ
る。
【0036】図11は、本実施の形態の構成で減衰部材
10を取り付けた位置(図10のA点)を加振した場合
と、減衰部材10を取り付けていない位置(例えば図1
0のB点)を加振した場合とにおける、加振周波数と加
振点コンプライアンスとの関係を示しているが、この図
11によれば、A点及びB点のいずれを加振した場合で
も大きな振動レベルには至らないことが判る。その理由
は、A点を加振した場合は、従来と同様に減衰部材10
により制振可能な一方の固有モード(図18左側)のみ
が励振され、他方の固有モード(図18右側)は加振点
が節となっているため励振されないし、B点を加振した
場合でも、上述したように、減衰部材10の幅方向端部
が不減衰固有モードとなり得るモードの腹の位置に入り
込んで減衰効果が発揮されて制振効果が得られるからで
ある。
【0037】換言すれば、加振点がいずれの位置であっ
ても、固有モードの腹の位置には、必ず減衰部材10の
少なくとも一部分が存在するようになるため、減衰部材
10が四つの場合に問題となる2の倍数の直径節モード
(直径2節モード,4節モード,6節モード,…)に対
しても減衰効果が得られるのである。よって、上記第1
の実施の形態と同様に、ホイールシリンダの作動油圧等
の作動条件の違いやライニングの経時変化等により、ブ
レーキドラム1の内周面1aとライニングとの間に生じ
る摩擦振動の周波数成分が変化して直径節モードの次数
が変化しても、ブレーキ鳴きが抑制されて騒音レベルが
低減されるようになる。
【0038】なお、本実施の形態では、減衰部材10の
個数を4としているが、これに限定されるものではな
く、例えば3以下或いは5以上であってもよい。そし
て、減衰部材10の個数を4以外とした場合であって
も、その減衰部材10の幅方向の角度βを十分に大きく
すれば、不減衰固有モードが存在しなくなるから、表1
において×印を付した直径節モードが表れてもブレーキ
鳴きを抑制して騒音レベルを低減することができるよう
になる。
【0039】ここで、本実施の形態のように四つの減衰
部材10を周方向に等間隔に配設した場合で、各減衰部
材10の幅方向の角度βを変数として、直径節モードの
みに着目して振動の最大ピークレベルの推移を計算によ
り求めたところ、図12に示すように、角度βが26°
以上であれば十分な振動低減効果(最大ピークレベル
が、6dB以下に抑制できる効果)が得られることが判っ
た。ただし、ブレーキドラム1の重量やコストを一定に
するために、四つの減衰部材10のトータルの減衰量が
一定という条件下で、その最大ピークレベルの推移は計
算した。
【0040】さらに、十分な振動低減効果が得られる角
度βを、減衰部材10の総個数をNとして一般化する
と、0.29×(180/M)度以上の角度となること
が、本発明者等の実験により確認された。ただし、個数
Nが偶数の場合にはM=N/2、個数Nが奇数の場合に
はM=Nとする。つまり、ブレーキドラム1の外周面に
個数Nの減衰部材10を周方向に等間隔に配設した場
合、それら減衰部材10の幅方向の角度βを、上記角度
以上に設定すれば、上記第3の実施の形態と同様の作用
効果が得られるのである。
【0041】図13及び図14は本発明の第4の実施の
形態を示す図である。なお、上記各実施の形態と同様の
構成には同じ符号を付し、その重複する説明は省略す
る。即ち、本実施の形態では、ブレーキドラム1と同軸
にその外周面1dを包囲するように短い円筒状の環状部
材20を配設するとともに、それら外周面1dと環状部
材20内周面との間に、八つの減衰部材10を介在させ
ている。なお、減衰部材10は、環状部材20の内周面
に接着された状態でブレーキドラム1の外周面1dに圧
入されることにより、それら外周面1d及び環状部材2
0間に配設されるようになっている。
【0042】また、環状部材20の外径寸法は、その環
状部材20を包囲するロードホイール12のリム12A
やホイールディスク12Bの内径寸法よりも小さくなっ
ている。従って、図14に示されるように、環状部材2
0は、ロードホイール12とは非接触となっている。そ
して、八つの減衰部材10の周方向の配設パターンは、
上記第2の実施の形態における減衰部材10の配設パタ
ーンと同様である。
【0043】このような構成であっても、外周面1d及
び環状部材20間に介在する減衰部材10は、上記第2
の実施の形態における減衰部材10と同様の作用を発揮
するから、上記第2の実施の形態と同様の作用効果が得
られる。しかも、本実施の形態であれば、減衰部材10
を固定するためにブレーキドラム1の外周面1dに溝形
成部11を形成する等の加工が不要となるから、コスト
的に有利であるし、現状のドラム式ブレーキに対しても
容易に適用できるという利点がある。
【0044】なお、この第4の実施の形態では、減衰部
材10を八つ設けるとともに、それら減衰部材10の配
設パターンを上記第2の実施の形態に準じているが、こ
れに限定されるものではなく、減衰部材10の個数は任
意であるし、減衰部材10の配設パターンも上記第1の
実施の形態或いは第3の実施の形態と同様にしてもよ
い。
【0045】また、上記各実施の形態では、減衰部材1
0をゴム状弾性体で構成しているが、これに限定される
ものではなく、樹脂材料を用いたものであってもよい
し、或いは、固体の摩擦振動を利用したものや、流体が
オリフィスを通過する際に発生する減衰を利用したもの
であってもよい。そして、上記各実施の形態では、ブレ
ーキドラム1の外周面1dに減衰部材10を配設するよ
うにしているが、これに限定されるものではなく、ブレ
ーキドラム1の底部1eの外面とこれに対向するロード
ホイール12との間に、減衰部材10を介在させるよう
にしてもよいし、ブレーキドラム1と同軸にその底部1
eの外面と対向するように薄板状のリング部材を配設
し、その底部1e外面とリング部材との間に減衰部材1
0を介在させるようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の減衰部材を単に周方向に等間隔に配設するのでは
なく、適宜工夫を凝らして配設するようにしたため、従
来は効果が期待できなかった直径節モードも制振するこ
とができるから、ブレーキ鳴きを抑制して騒音レベルを
低減できるという効果がある。
【0047】特に、請求項4に係る発明であれば、上記
効果に加えて、ブレーキドラムの加工が不要となり、コ
スト的に有利であるし、現状のドラム式ブレーキに対し
ても容易に適用できるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のブレーキドラムの斜視図で
ある。
【図2】第1の実施の形態のブレーキドラムの軸方向中
央部での断面図である。
【図3】第1の実施の形態のブレーキドラムを組み込ん
だ状態でのドラム式ブレーキの断面図である。
【図4】第1の実施の形態のブレーキドラムの振動特性
を示すグラフである。
【図5】第2の実施の形態のブレーキドラムの斜視図で
ある。
【図6】第2の実施の形態のブレーキドラムの軸方向中
央部での断面図である。
【図7】第2の実施の形態のブレーキドラムの振動特性
を示すグラフである。
【図8】第2の実施の形態における角度αと最大ピーク
レベルとの関係を示すグラフである。
【図9】第3の実施の形態のブレーキドラムの斜視図で
ある。
【図10】第3の実施の形態のブレーキドラムの軸方向
中央部での断面図である。
【図11】第3の実施の形態のブレーキドラムの振動特
性を示すグラフである。
【図12】第3の実施の形態における角度βと最大ピー
クレベルとの関係を示すグラフである。
【図13】第4の実施の形態のブレーキドラムの軸方向
中央部での断面図である。
【図14】第4の実施の形態のブレーキドラムを組み込
んだ状態でのドラム式ブレーキの断面図である。
【図15】一般的なドラム式ブレーキの構成を示す断面
図である。
【図16】ブレーキドラムの固有モードの説明図であ
る。
【図17】従来のブレーキドラムの軸方向中央部での断
面図である。
【図18】従来の減衰部材の作用を説明する図である。
【図19】従来のブレーキドラムの振動特性を示すグラ
フである。
【符号の説明】 1 ブレーキドラム 1d 外周面 1e 底部 10 減衰部材 11,11A,11B 溝形成部 12 ロードホイール 12A リム 12B ホイールディスク 20 環状部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪と一体に回転するブレーキドラムを
    有するドラム式ブレーキであって、前記ブレーキドラム
    の外周面又は底部外面と、前記車輪のリム及びホイール
    ディスクからなるロードホイールとの間に、複数の減衰
    部材を介在させるとともに、前記複数の減衰部材の周方
    向の配設間隔を不均一としたことを特徴とするドラム式
    ブレーキ。
  2. 【請求項2】 車輪と一体に回転するブレーキドラムを
    有するドラム式ブレーキであって、前記ブレーキドラム
    の外周面又は底部外面と、前記車輪のリム及びホイール
    ディスクからなるロードホイールとの間に、複数N個
    (Nは偶数)の減衰部材を介在させるとともに、前記複
    数の減衰部材を、N/2個の減衰部材を構成要素とした
    二つのグループに分け、各グループを構成する前記減衰
    部材は周方向に等間隔に配設し、前記二つのグループ間
    の相対的な角度αを、 0.36×(90/N)度<α<1.64×(90/
    N)度 という範囲に設定したことを特徴とするドラム式ブレー
    キ。
  3. 【請求項3】 車輪と一体に回転するブレーキドラムを
    有するドラム式ブレーキであって、前記ブレーキドラム
    の外周面又は底部外面と、前記車輪のリム及びホイール
    ディスクからなるロードホイールとの間に、周方向の配
    設間隔を等間隔として複数N個の減衰部材を介在させる
    とともに、前記Nが偶数の場合にはM=N/2、前記N
    が奇数の場合にはM=Nとしたときに、前記各減衰部材
    の周方向の幅を、0.29×(180/M)度以上の角
    度としたことを特徴とするドラム式ブレーキ。
  4. 【請求項4】 前記ブレーキドラムと同軸にその外周面
    又は底部外面と対向するように環状部材を配設するとと
    もに、前記減衰部材を、前記ブレーキドラムの外周面又
    は底部外面と、前記環状部材との間に介在させた請求項
    1乃至請求項3のいずれかに記載のドラム式ブレーキ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113915256A (zh) * 2021-10-29 2022-01-11 北京理工大学 一种弹性阻尼式换挡制动器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113915256A (zh) * 2021-10-29 2022-01-11 北京理工大学 一种弹性阻尼式换挡制动器
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