JPH09166592A - 検体中のカルボン酸を検出する方法 - Google Patents

検体中のカルボン酸を検出する方法

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JPH09166592A
JPH09166592A JP8253469A JP25346996A JPH09166592A JP H09166592 A JPH09166592 A JP H09166592A JP 8253469 A JP8253469 A JP 8253469A JP 25346996 A JP25346996 A JP 25346996A JP H09166592 A JPH09166592 A JP H09166592A
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acid
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metal salt
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Neil H Price
エッチ. プライス ネイル
Paul J Lawrence
ジェイ. ローレンス ポール
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Litmus Concepts Inc
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    • G01N33/52Use of compounds or compositions for colorimetric, spectrophotometric or fluorometric investigation, e.g. use of reagent paper and including single- and multilayer analytical elements
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検体中のカルボン酸の存在を検出するための
方法を提供する。 【解決手段】 検体を、検体中に存在するカルボン酸と
反応して金属−カルボン酸錯体を形成し得る金属塩を含
む顕色系と接触させる。このような錯体は、グアヤクの
ような色原体の酸化を触媒するそれらの活性によって比
色的に検出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、検体中に
存在するカルボン酸の検出に関する。さらに詳しくは、
宿主の腸内寄生蠕虫によって産生された遊離脂肪酸(FF
A)代謝産物を検出する触媒的方法に関する。
【0002】
【従来の技術】腸内寄生蠕虫の代謝について研究してい
る研究者は多い。Soprunov, F.F.らは、Acta Tropica 3
8:449-460(1981)において、Ascaris lumbricoidesの代
謝最終生成物の特徴付けを行った。Y. Uenoも、J. Bioc
hem. 48(2):161-168(1960)において、Ascaris生物の代
謝を研究した。これらの研究は、本発明の発明者らによ
って実施されたその後の研究と同様に、腸内寄生蠕虫が
極めて異常な代謝経路を用いており、この結果宿主の腸
へ多量の遊離脂肪酸を排出していることを示した。
【0003】従って、腸内寄生蠕虫は、それらの宿主と
は代謝的に非常に顕著に異なる。寄生蠕虫は非常に嫌気
的な環境に存在し、エネルギー源としては、ほとんど完
全に嫌気的糖分解に頼っている。本発明の発明者らは、
寄生生物が脂質またはアミノ酸をエネルギーとして用い
ているという証拠を見出していない。すなわち、寄生蠕
虫およびそれらの宿主は、図1に示されているように、
重要な代謝分岐点に達した後で、糖分解能力において異
なっている。宿主は、ホスホエノールピルビン酸(PEP)
を、トリカルボン酸回路および電子伝達鎖を経て、ピル
ビン酸、二酸化炭素および水に変換するのに対し、寄生
蠕虫は酸素利用度が限定されているので、これらのうち
後者の2つの経路を用いることができない。その代わ
り、寄生蠕虫は、フマル酸、コハク酸、酢酸およびプロ
ピオン酸を含む、多量の遊離脂肪酸を排出する。
【0004】これらの代謝産物に加えて、多くの寄生蠕
虫は、酢酸およびプロピオン酸を結合させて、4個、5
個または6個の炭素原子を有するFFA生成物を形成す
る。生じた炭素鎖は、直鎖状または分枝状であり得る。
典型的には、n-酪酸、i-酪酸、吉草酸、2-メチル酪酸、
カプロン酸、2-メチル吉草酸、2-メチルカプロン酸、チ
グリン酸、および3-メチル酪酸が含まれる。これらの酸
のいくつかは、宿主によって吸収および代謝される。他
方、尿および便中に排出されるものもある。5個または
6個の炭素原子を有する、直鎖状および分枝状の遊離脂
肪酸は、脊椎動物によっては合成されず、寄生蠕虫が体
内に侵入した場合にのみ、血清、尿、唾液または便サン
プル中に見出される。従って、寄生蠕虫の体内侵入と密
接な相関がある、これらの5個または6個の炭素原子を
有する遊離脂肪酸の排出に基づく診断検査法を開発する
ことが非常に望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在ま
で、これらの代謝産物の存在に基づき、寄生蠕虫の体内
侵入を、簡便に現場で検出する方法は、まだ開発されて
いない。従って、本発明は、線虫類(例えば、回虫、鉤
虫、および鞭虫)および条虫類(例えば、サナダムシ)を
含む主な腸内寄生蠕虫による体内侵入を、対応する最終
生成物である5個または6個の炭素原子を有するFFA代
謝産物を検出することによって調べる方法を目的とす
る。この方法はまた、他のカルボン酸を検出するのにも
有用である。
【0006】ある好ましい実施態様では、本発明の方法
は、5個または6個の炭素原子を有するFFA代謝産物お
よびコハク酸に対して特異なものである。この方法は、
以下のような多くの利点を与える:(1)5個または6個
の炭素原子を有するFFA産物およびコハク酸に対して特
異的であること;(2)使用される試薬が物理的および化
学的に安定であること;(3)少量のサンプルが使用で
き、かつ偽陽性が実質的に排除されるような高い感度お
よび特異性を有すること;そして(4)約0.05mMと10mMと
の間の濃度、すなわち寄生蠕虫が侵入した哺乳動物の血
清、便、尿および唾液検体において見出され得る濃度
で、FFAを検出し得ること。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のある局面は、検
体中に存在するカルボン酸を検出する方法であって、こ
の方法は、以下の工程を包含する:(a)検体を、カルボ
ン酸と反応性がある金属塩と接触させて、金属−カルボ
ン酸錯体を形成させること;および(b)このような錯体
の触媒活性をモニターすることによって、形成される金
属−カルボン酸錯体の存在を検出すること。
【0008】本発明の他の局面では、上記の方法は、あ
る腸内寄生蠕虫代謝産物の存在を検出することによっ
て、腸内寄生蠕虫の体内侵入を検出するために使用され
る。検出される代謝産物は、腸内寄生蠕虫によって生産
されるが、脊椎動物によっては産生されず、体内侵入が
ある場合にのみ、血清、便、尿および唾液検体中に見出
される遊離脂肪酸である。これらの遊離脂肪酸には、コ
ハク酸だけでなく、5個または6個の炭素原子を有する
分枝状および非分枝状の酸が含まれる。検体と接触する
顕色系は、これらの特定の酸から形成される金属−脂肪
酸錯体がその中で単離され、かつ存在し得る他の脂肪酸
とは無関係に検出されるように選択された有機溶媒を含
む。
【0009】本発明のさらに他の局面では、固相診断法
が提供される。この診断法では、(a)血清、便、尿また
は唾液サンプルが塗布されている固体支持体(例えば、
濾紙など)を用意し、そして(b)上記支持体上の検体
を、上記のように金属−カルボン酸錯体が形成されそし
て比色的に検出されるように、顕色系と接触させる。金
属塩は、固体支持体上かあるいは顕色系の水相中に存在
する。
【0010】本発明のさらに他の局面では、カルボン酸
を検出するのに使用される顕色系が提供される。この系
は以下のものを含む:(a)カルボン酸と反応性があり、
金属−カルボン酸錯体を形成する金属塩;(b)選択され
た金属−カルボン酸錯体が実質的に可溶であり、かつ上
記金属塩が実質的に不溶である溶媒を含む有機相;(c)
色原体;および(d)金属−カルボン酸錯体の存在下で、
上記色原体を有色化合物に酸化し得る酸化剤。この顕色
系は、さらに、上記金属塩がその上に存在する固体支持
体、または上記金属塩が実質的に溶解している水相を含
んでいてもよい。上記色原体はまた、上記固体支持体上
に存在していてもよく、あるいは上記有機溶媒中に溶解
していてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】本明細書中で用いられる「遊離脂
肪酸」(FFA)には、酸または塩の形態の、寄生蠕虫の代
謝におけるカルボン酸最終生成物が含まれる。これらの
最終生成物の例を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】ある好ましい実施態様では、本発明の方法
によって検出されるこれらのFFAの部分集合には、寄生
蠕虫によって産生されるが、脊椎動物によっては産生さ
れず、従って寄生蠕虫が、体内に侵入した場合にのみ検
体中に存在するような酸が含まれる。
【0014】本発明の方法によって検出し得る「カルボ
ン酸」には、本明細書中で使用される金属塩と金属−酸
錯体を形成する、すべてのカルボン酸が含まれる。この
ように形成された金属−酸錯体は、選択された有機溶媒
に実質的に可溶であり、本発明の方法において触媒活性
を有し、そして好ましくは固体支持体上で移動し得る。
これらのカルボン酸はまた、(1)水溶液中に実質的に可
溶であり、(2)立体的な要件が金属−酸錯体形成の際に
問題とならないような構造を有し、(3)顕色系の他の成
分と実質的に反応性がなく、そして(4)本発明の方法に
よって検出されるのに少なくとも充分な時間にわたっ
て、化学的および物理的に比較的安定である。
【0015】「顕色系」は、カルボン酸が存在する場合
に陽性の検査結果を、そうでなければ陰性の検査結果を
与えるように、検体と反応するものである。陽性の検査
結果は、典型的には、肉眼で見える色の変化である。
【0016】「色原体」は、ある条件下で、有色物質を
生成し得る化合物である。通常、この化合物は還元状態
で無色であり、適切な酸化剤で酸化すると、酸化状態で
発色する。
【0017】「実質的に可溶な」金属−カルボン酸錯体
は、血清、便、尿または唾液検体において典型的に見出
される濃度で、それらが本明細書中に示された方法によ
って検出され得る程度まで溶媒に可溶である酸である。
有機溶媒中に「実質的に不溶な」金属塩は、有機相中で
比色的に検出されるのに充分にはこの有機相中に抽出さ
れない。
【0018】「実質的に水と混和しない」有機溶媒は、
水層からの相分離が充分であり、従って金属−カルボン
酸錯体を水層から有機相へ抽出することが可能であるも
のである。
【0019】「触媒活性がある」金属塩および金属−カ
ルボン酸錯体は、酸化剤の存在下で、色原体を酸化し得
る。例えば、本発明のある好ましい実施態様では、金属
塩およびそれらから形成された錯体は、クメンヒドロペ
ルオキシドの存在下で、グアヤクの酸化を触媒する。典
型的には、触媒活性のある金属−カルボン酸錯体は、触
媒活性のある金属塩から形成される。
【0020】本発明の方法においては、分析すべき検体
を、まずこの検体中に存在するカルボン酸との反応性を
有する金属塩と接触させて、比色反応を触媒する金属−
カルボン酸錯体を形成させる。従って、これらの錯体
は、それらの触媒活性をモニターすることによって検出
される。ある好ましい実施態様では、これらの錯体は、
酸化剤による色原体の有色状態への酸化を触媒するそれ
らの活性によって検出される。
【0021】金属塩は、好ましくは、鉄塩、銀塩および
銅塩からなる群から選択される、触媒活性のある化合物
である。本願発明での使用に特に好ましい金属塩は、
鉄、銀および銅の塩化物、硫酸塩および硝酸塩である。
しかし、これらの金属の有機塩(例えば、酢酸塩、プロ
ピオン酸塩)も同様に使用し得る。後者の場合、有機塩
は明らかに、検出される予定のカルボン酸のいずれから
も形成されるべきではないし、またそれらは他のいかな
る方法でも検出を妨害すべきでない。これらの有機塩
は、顕色系の成分のいずれとも反応性を有すべきではな
いし、またそれらは立体的な問題、溶解性または安定性
に関する問題も示すべきでない。
【0022】金属塩は最初から顕色系に存在する。ある
実施態様では、顕色系は、金属塩が実質的に溶解してい
る水相を含む。他の実施態様では、顕色系は、金属塩が
その上に存在する固体支持体を含む。前者の場合、溶液
中に存在する金属塩の好ましい濃度は、約0.5〜約50mM
の範囲である。特に好ましい濃度は、約1.0〜約10mMで
ある。後者の場合、すなわち固体支持体が金属塩で前処
理される場合、検体中に含まれる水は、適切な水相を形
成するのに充分である。
【0023】溶媒は、ある種の金属−カルボン酸錯体を
選択的に溶解するが、他のものは溶解しないように選ば
れる。一般的に、適切な溶媒には、以下のような有機溶
媒が含まれる:(1)選択されたカルボン酸から形成され
る金属−カルボン酸錯体が実質的に可溶である;(2)金
属塩が実質的に不溶である;(3)水と混和しない;そし
て(4)存在する他の試薬(色原体および酸化剤を含む)を
実質的に溶解する。
【0024】腸内寄生蠕虫によって典型的に産生される
遊離脂肪酸を表1に示す。顕色系での使用のために選択
される溶媒を変更することによって、遊離脂肪酸の全く
別のグループを検出し得ることに注目すべきである。表
1から明らかなように、生成されるFFAのパターンは、
種々の腸内寄生蠕虫による体内侵入に対応し得る。従っ
て、本明細書中で開示される方法は、これらの寄生蠕虫
を区別するのに使用し得る。
【0025】本発明のある好ましい実施態様では、吉草
酸、カプロン酸、チグリン酸、2-メチル酪酸、および3-
メチル酪酸を含む、5個または6個の炭素原子を有する
遊離脂肪酸寄生蠕虫代謝産物が検出される。コハク酸も
同様に検出される。この好ましい応用に関しては、適切
な溶媒には、トルエン、ハロゲン化炭化水素(例えば、
1,1,1-トリクロロエタン)、ベンジルアルコール、イソ
プロピルベンジルアルコール、ジクロロメタン、酢酸エ
チル、酢酸オクチル、クメン、安息香酸ベンジル、約6
〜約11個の炭素原子を有するアルコール(例えば、ヘキ
サノール)、およびこれらの混合物が含まれる。12個ま
たはそれ以上の炭素原子を有するアルコールは、典型的
には、室温で固体であり、従って本発明の方法における
使用からは除外される。
【0026】診断方法はまた、検体を、色原体およびこ
の色原体を酸化し得る酸化剤に接触させることを包含す
る。ある好ましい実施態様では、色原体および酸化剤
は、共に顕色溶液の有機相中に存在する。
【0027】溶媒中に存在する金属−カルボン酸錯体
は、酸化剤による色原体の酸化を触媒する。色原体は、
酸化されると肉眼でもはっきりとした色の変化が見える
ように選択される。適切な色原体は、グアヤク、4-クロ
ロ-1-ナフトール、o-フェニレンジアミン、テトラメチ
ルベンジジン、ロイコマラカイトグリーン、2,2-アジノ
ビス(3-メトキシジフェニルアミン)、o-ジアニシジン、
5-アミノサリチル酸、およびこれらの混合物からなる群
から選択される。特に好ましい色原体はグアヤクであ
り、これは還元状態では無色であり、酸化状態では濃い
青色である。必要に応じて、色原体は、使用に先立っ
て、例えば溶媒抽出によって精製され得る。
【0028】溶媒中に存在する色原体の好ましい濃度
は、選択された溶媒系によって様々である。典型的に
は、色原体の濃度は、約0.01重量%〜約2.0重量%の範
囲である。ヘキサノール系については、この範囲内の比
較的低い濃度が適切であるが、他方トリクロロエタン系
またはトルエン/ヘキサン混合物については、比較的高
い濃度が好ましい。
【0029】適切な酸化剤には、過酸化水素または有機
ヒドロペルオキシド(例えば、クメンヒドロペルオキシ
ド、t-ブチルヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベン
ゼンヒドロペルオキシド、2,5-ジメチルヘキサンヒドロ
ペルオキシド)、およびこれらの混合物が含まれる。有
機ヒドロペルオキシドが好ましく、特に好ましい酸化剤
は、クメンヒドロペルオキシドである。
【0030】また、酸化剤の濃度も、選択された特定の
溶媒系によって様々である。典型的には、酸化剤の濃度
は、約0.02重量%〜約1.0重量%の範囲である。この範
囲内の比較的低い濃度はヘキサノール系またはトルエン
/ヘキサノール混合物に対応しており、比較的高い濃度
は純粋なトルエンまたはトリクロロエタン系に対応して
いるカルボン酸について分析される検体は、固体支持体
上に用意され、必要に応じて、顕色に先立って酸化され
る。次いで、この検体は、完全な顕色が可能になるの
に、すなわち金属−カルボン酸錯体の存在による色変化
の観察が可能になるのに充分な時間にわたって、顕色系
と接触させられる。一般に、有色生成物は、約1分以内
に見られる。ただし、より低いカルボン酸濃度を確実に
検出するためには、より長いインキュベーション時間が
時々用いられる。インキュベーション時間は、好ましく
は約1分より短いが、所望であれば低濃度のカルボン酸
を確実に検出するために、15分またはそれ以上延長され
てもよい。より短い顕色時間が好ましい。
【0031】顕色系のpHは様々でよいが、非常に低いpH
も非常に高いpHも望ましくない。本明細書中で開示され
る方法は、約4〜約11のpH範囲内で効果的であり、好ま
しいpHは約7である。必要に応じて、顕色系は、適切な
緩衝剤を用いて、特定のpH(例えば、pH7)に緩衝化され
てもよい。
【0032】本発明の方法の感度は、寄生蠕虫の体内侵
入を検出するのに必要な最低の感度よりも、実質的に高
い。実施例で例示するように、0.05mM程度の遊離脂肪酸
の濃度はこの方法で検出され得るが、1〜10mM程度の濃
度を検出する能力は、体内侵入を検出するのに充分であ
り得る。
【0033】金属塩、色原体および酸化剤は、すべて固
体支持体上に存在していてもよい。それに代わる実施態
様では、これらの試薬の1つまたはそれ以上が溶液中に
存在していてもよく、金属塩は水溶液中に、色原体また
は酸化剤あるいはその両方は有機溶媒中に存在していて
もよい。
【0034】本発明の第2の局面では、固相診断法が提
供される。この診断法では、(a)血清、便、尿または唾
液検体が塗布されているかまたはスポットされている固
体支持体(例えば、濾紙など)を用意し、そして(b)この
支持体上の検体を、上記のように金属−カルボン酸錯体
が形成されそして比色的に検出されるように、顕色系と
接触させる。この診断法を実施するのに必要な試薬は上
記の通りである。すなわち、以下のものを含む顕色系で
ある:カルボン酸と反応性がある金属塩(この塩は、固
体支持体上かあるいは水相中に存在し得る);色原体;
酸化剤;および選択された金属−カルボン酸錯体が実質
的に可溶であり、かつ金属塩が実質的に不溶である有機
溶媒。色原体および酸化剤の一方または両方は固体支持
体上または有機溶媒中に存在していてもよい。
【0035】本発明の他の局面では、カルボン酸(例え
ば、腸内寄生蠕虫の体内侵入により産生された遊離脂肪
酸代謝産物)を検出するのに有用な顕色系が提供され
る。この顕色系は、カルボン酸と反応して金属−カルボ
ン酸錯体を形成し得る金属塩;選択された金属−脂肪酸
錯体が実質的に可溶であり、かつ上記金属塩が実質的に
不溶である溶媒を含む有機相;色原体;およびこの色原
体を酸化し得る酸化剤を含む。この顕色系はさらに、金
属塩がその上に存在する固体支持体、あるいは金属塩が
実質的に溶解している水相を含んでいてもよい。色原体
および酸化剤の一方または両方は、固体支持体上に存在
するか、あるいは有機溶媒中に存在してもよい。ある好
ましい実施態様では、金属塩は銅塩であり、色原体はグ
アヤクであり、酸化剤はクメンヒドロペルオキシドであ
る。
【0036】本発明は、その特定の実施態様に関連して
記述されているが、上の記述および以下の実施例は、本
発明を例示するためのものであり、本発明の範囲を限定
するものではない。本発明の範囲は、上記の特許請求の
範囲によって規定される。本明細書中で例示されていな
いが、本発明が属する技術分野の当業者には明白な他の
局面、利点、および変形例もまた同様に、本発明の範囲
内にあると考える。
【0037】
【実施例】◇ 実験:本明細書中で用いられるすべての化学物質は、Si
gma Chemical Co.、Aldrich Chemical Co.、J.T. Baker
Co.、Mallinckrodt and Lancaster Synthesis,Ltd.か
ら市販されている。
【0038】実施例1遊離脂肪酸の検出用溶媒の有用性 ◇ (1)水混和性、(2)グアヤク溶解度および(3)発色に関
して、様々な溶媒をそれらの有用性についてテストし
た。水0.5mlを各溶媒0.5mlと混合し、そして、相分離が
起こるか否かに注目することによって、水混和性を評価
した。相分離が観察された場合には、表2に「−」が示
され、そうでない場合には、「+」が示されている。
【0039】顕色試薬を下記のように調製した。エタノ
ール中0.375重量%のグアヤク溶液0.200mlを、清浄な各
試験管に添加し、エタノールを蒸発させた。表2に示さ
れる所定の溶媒4mlを添加し、グアヤクを可能な程度ま
で溶解させた。各溶媒中のグアヤクの溶解度を視覚的に
観察し、これを表2に示す。本質的に、沈澱していたグ
アヤクのすべてを溶解した溶媒は、はっきりした黄褐色
を生じた(+++)。中程度の量のグアヤクを溶解した溶
媒は中程度の黄色を生じた(++)。少量のグアヤクのみ
を溶解した溶媒は薄い黄色を生じた(+)。グアヤクを本
質的に全く溶解しない溶媒は無色のままであった(−)。
【0040】次に、80%のクメンヒドロペルオキシド48
μlを、各管に添加し(水だけのサンプルが入っているも
のを除く)、テストのための完全な顕色試薬(溶媒、色原
体、酸化剤)を作成した。クメンヒドロペルオキシドは
本質的には水に不溶であるので、代わりに過酸化水素
が、水だけのサンプル中の酸化剤として使用された。し
かしグアヤクは、十分な発色を生じるには水への溶解性
が不十分であった。
【0041】マイクロタイタープレートウェルに、テス
トサンプル50μl、1mMの硫酸銅30μlおよび顕色試薬10
0μlを添加して、発色評価テストを実施した。脂肪酸テ
ストサンプルは蒸留水中100mMであり、これを希水酸化
ナトリウム溶液で滴定して最終的にpH7.0に調整した。
色の強度を下記のように評価した。0=青色が全く認め
られない;1=青色がほとんど認められない;2=はっ
きりと、かつ確かにわずかな青色が認められる;3〜9
=中程度の変色;および10=最大限の色が生じる。結
果を表2に挙げる。
【0042】
【表2】
【0043】実施例2FFA−銅塩の溶媒抽出 ◇ 実施例1の最初のスクリーニングに基づいて、その後の
テストに4つの溶媒系を選択した:トルエン、1,1,1-ト
リクロロエタン(「TCE」)、n-ヘキサノールおよび90:10
v/vトルエン/ヘキサノール溶媒混合物。これらの溶媒
を、様々な鎖長のFFAから形成された銅イオン−脂肪酸
錯体を選択的に抽出するそれらの能力についてテストし
た。100μlの硫酸銅溶液(800mM)、および100μlの脂肪
酸溶液(100mM、水酸化ナトリウムでpH7に調整された)
または100μlの塩化ナトリウム(100mM)を清浄な試験管
に添加した。溶媒500μlを添加し、試薬混合物を30秒間
ボルテックスで撹絆した。相を分離させ、100μlの有機
相を、ヘキサノール中にクメンヒドロペルオキシド1重
量%およびグアヤク0.55重量%を含有する顕色試薬100
μlに添加した。発色を、実施例1のようにモニターし
た。結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】ヘキサノールは、1〜12の間の鎖長のテス
トされたFFAをすべて抽出した。トルエンおよびTCEは、
5〜16個の炭素原子の鎖長を有するFFAでのみ強い色を
生じた。トルエン/ヘキサノール混合物は、5〜16の鎖
長を有するFFAをすべて抽出した。従って、表3のデー
タは、溶媒を変えることによって、FFAを選択的に抽出
することが可能であることを示す。
【0046】実施例3他の金属イオンの性能 ◇ クメンヒドロペルオキシドによるグアヤクの酸化を触媒
する能力について、様々な金属イオンをテストした。0.
001Mおよび1.0Mの濃度の水溶液中の金属塩が提供され
た。これらの溶液を、水酸化ナトリウムでpH7.0に調整
した100mM酪酸20μl、ならびにヘキサノール中のグアヤ
ク0.5重量%およびクメンヒドロペルオキシド5重量%
を含む顕色試薬100μlと混合し、色の形成を上記の実施
例のようにモニターした。結果を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】表より、銀、銅および鉄の塩のみが、テス
トされた濃度で適切な触媒であることがわかった。
【0049】次に、これらの塩の基質特異性を、酪酸お
よびコハク酸溶液で評価した。金属塩溶液(0.001MのCuS
O4または1.0MのAgNO3)20μlおよび100mM酪酸またはコハ
ク酸(水酸化ナトリウムでpH7に調整した)100μlを、清
浄な試験管に添加した。ヘキサノール中のグアヤク0.5
重量%およびクメンヒドロペルオキシド1重量%を含む
顕色試薬100μlを添加し、5分間インキュベートした後
に、色の形成をモニターした。
【0050】
【表5】
【0051】表5に要約した結果は、金属塩の選択が、
鑑別診断において、すなわち金属塩(ここでは、AgNO3)
と異なる遊離脂肪酸との反応により色強度が異なって生
じる場合に有用であり得ることを示す。
【0052】実施例4成分濃度:色原体、酸化剤および金属塩 ◇ 色原体および酸化剤についての適切な濃度範囲を、次の
2つの時間間隔に対して決定した:すなわち(1)2分間
のインキュベーション時間および(2)10分間のインキュ
ベーション時間。これらのテストの各々における色原体
は、グアヤクであり、その濃度を表6〜表13に示され
るように、0.001重量%から2.0重量%まで変化させた。
酸化剤は、クメンヒドロペルオキシドであり、同様にそ
の濃度は、示された様々な濃度であった。下記のプロト
コルに従って最適な濃度範囲を評価した。水酸化ナトリ
ウムでpH7.0に調整した、2.0mMのn-カプロン酸(または
ブランクの場合は水)100μl、1.0mMの硫酸銅60μl、お
よび示された濃度のグアヤクおよびクメンヒドロペルオ
キシドを含む顕色試薬100μlを、清浄な試験管に添加
し、10秒間ボルテックスにより撹拌した。上記実施例の
ように色の変化をモニターした。結果を表6〜表13に
まとめた。
【0053】
【表6】
【0054】
【表7】
【0055】
【表8】
【0056】
【表9】
【0057】
【表10】
【0058】
【表11】
【0059】
【表12】
【0060】
【表13】
【0061】次いで、最適な金属イオン濃度を決定する
ために、類似のテストを実施した。水酸化ナトリウムで
pH7.0に調整した2.0mMのn-カプロン酸(またはブランク
の場合は水)100μl、表14〜表17に示された様々な
濃度の硫酸銅60μl、およびグアヤクとクメンヒドロペ
ルオキシドとを含む顕色試薬200μlを清浄な試験管に添
加した。混合物を10秒間ボルテックスにより撹拌した。
2分および15分のインキュベーション時間の後、上記実
施例のように色の変化をモニターした。結果を表14〜
表17にまとめた。
【0062】
【表14】
【0063】
【表15】
【0064】
【表16】
【0065】
【表17】
【0066】予期されたように、各時間間隔における成
分濃度の許容範囲は、溶媒の選択と共に変化した。種々
の成分の最適濃度を下記のように決定した:(1)FFAが
ない場合には、2分のインキュベーション時間で2以下
の色強度であり;そして(2)FFAがある場合には、10分
のインキュベーション時間後、少なくとも5の色強度で
あることを要求した。これらの基準に基づいて、種々の
成分についての最適濃度範囲は以下の通りである。
【0067】
【表18】
【0068】しかし、これらの濃度範囲は、必ずしもす
べてのタイプの検体に適切ではない。種々の要因、例え
ば検体への吸着は、所定の成分の最終濃度に影響を与え
ることがある。従って、上記で概説した手順に従って、
各検体のタイプについて範囲を再び規定すべきである。
【0069】実施例5pHの影響 ◇ 本発明の方法におけるpHの影響を下記のように評価し
た。50mMのn-カプロン酸(示されたpHで)100μlおよび1
mMの硫酸銅60μlを清浄な試験管に添加した。グアヤ
ク、クメンヒドロペルオキシドおよび溶媒を表19に示
された濃度で含む、顕色試薬100μlを添加した。試薬混
合物を10秒間ボルテックスで撹拌し、上記の実施例のよ
うに色の形成をモニターした。結果を表19に要約す
る。
【0070】
【表19】
【0071】上記の結果から、この方法は、血清、尿、
便または唾液サンプルで予期される4.5〜7.4の生理学的
pH範囲を含むかなり広いpH領域にわたって、効果的であ
ることが結論づけられる。非常に低いpH(1〜3)あるい
は非常に高いpH(1/2 11)でのみ、試薬の性能の悪化が観
察された。従って、系の緩衝化が望ましいかもしれない
が、それはこの方法における上記pH感受性によって拘束
されるものではない。
【0072】実施例6カプロン酸に対する感受性 ◇ カプロン酸は、Ascarisの体内侵入において診断上の重
要性を有することが証明されたFFAの1つであるので、
感受性予備テストのために選ばれた。Monteoliva, M.
ら、Rev. Iberica Parasit. 41(3), 333-340(1981);So
prunovら、前出。水酸化ナトリウムでpH7.0に調整され
た、0.05mM〜100mMの様々な濃度のカプロン酸(または、
ブランクの場合には水)を、1mMの硫酸銅60μl、および
示された様々な溶媒中のグアヤク0.5重量%およびクメ
ンヒドロペルオキシド1.0重量%を含む顕色試薬100μl
と混合した。試薬混合物を5秒間ボルテックスにより撹
絆し、2分後および10分後に色の形成をモニターした。
様々な溶媒系において検出し得るカプロン酸塩の最小濃
度を表20に示す。
【0073】
【表20】
【0074】上記データにより、ヒトにおけるAscaris
の体内侵入の診断を可能にする、5および6個の炭素原
子を有するFFAの尿中濃度は、このテストによって容易
に検出され得ることが示される。例えば、Soprunovaら
Angew. Parasitol. 14, 11-17(1973)およびKharnakov
およびSoprunova、Med. Parazitol. Parazit. Bolezni4
5, 450-452(1976)を参照されたい。
【0075】実施例7基質特異性のさらなる研究 ◇ この実施例においては、様々な遊離脂肪酸についてのこ
の方法の特異性を評価した。表21および表22に示さ
れた濃度のサンプル溶液50μl、1mMの硫酸銅20μl、お
よび示された濃度のグアヤクおよびクメンヒドロペルオ
キシドを含む顕色試薬100μlをマイクロタイタープレー
トウェルに添加した。ある実験においては、プレートを
2分間撹拌し(表21)、そして第2の実験においては、
プレートを15分間撹拌した(表22)。色の形成を上記実
施例と同様にモニターした。結果を表21および表22
に示す。
【0076】
【表21】
【0077】
【表22】
【0078】これらの結果により証明されるように、溶
媒を選択して、選択した遊離脂肪酸の濃度を、溶液中に
存在し得る他の遊離脂肪酸または代謝産物とは無関係に
決定することが明らかに可能である。
【0079】実施例8イヌの糞の遊離脂肪酸についてのテスト ◇ この実施例においては、2-メチル吉草酸を加えたイヌ
の糞を、下記のように分析した。濾紙に、20mMの硫酸銅
20μlをスポットしそして乾燥した。蒸留水(「DW」)また
は40mMの2-メチル吉草酸(「2MV」)のいずれかを用いて
1:1の重量比で処理された約30μlの糞を、乾燥した
濾紙上に置いて10分間放置した。次に、溶媒(90/10 v/v
トルエン:ヘキサノール)の30μlアリコートを、糞とは
反対側のサンプル中央部に置いてサンプルを溶離した。
90/10 v/vトルエン/ヘキサノール混合物中グアヤク2重
量%とクメンヒドロペルオキシド1重量%とを含む顕色
試薬(約300μl)を添加し、5分間インキュベートした後
に、色の形成をモニターした。結果を表23に示す。表
から明らかなように、この方法は、「偽陽性」の発生を
最小限にし、遊離脂肪酸を検出するのに非常に効果的で
ある。
【0080】
【表23】
【0081】実施例9唾液の遊離脂肪酸についてのテスト ◇ 2-メチル吉草酸を加えた唾液を、上記実施例の方法に実
質的に従って分析した。濾紙に20mMの硫酸銅20μlをス
ポットしそして乾燥した。蒸留水または20mMの2-メチル
吉草酸のいずれかを1:1 v/vで添加した、30μlの唾液
を加えた。サンプルを10分間放置し、その後、溶媒(90/
10 v/v トルエン/ヘキサノール)の30μlアリコートを、
検体と同側のサンプル中央に添加することによってサン
プルを溶離した。顕色試薬(90/10 v/v トルエン/ヘキサ
ノール中に、グアヤク2重量%とクメンヒドロペルオキ
シド1重量%とを含む)を添加し、5分間インキュベー
トした後に、色の形成を観察した。結果を表24に示
す。上記実施例のように、この方法は陽性のテスト結果
を与えることがわかった。
【0082】
【表24】
【0083】実施例10他のカルボン酸の検出 ◇ 種々のカルボン酸(表25参照)の100mM水溶液を、水酸
化ナトリウムでpH7に調整した。濾紙に、5、10、20お
よび50mMの硫酸銅水溶液の20μlアリコートをスポット
しそして乾燥した。各酸溶液20μlを、一連の硫酸銅の
スポットに添加して、湿っている間に90/10 v/v トルエ
ン/ヘキサノールで溶離した。酸/銅錯体の移動を、顕色
試薬(90/10 v/v トルエン/ヘキサノール中に、グアヤク
2重量%とクメンヒドロペルオキシド1重量%とを含
む)で検出した。
【0084】
【表25】
【0085】揮発性脂肪酸の検出のために典型的に使用
される硫酸銅の比較的低い濃度で、このテスト系は2-メ
チル吉草酸に対して最も高感度であった。他の酸につい
ては、様々な程度の感受性が観察された。これらのデー
タは、上記で示されたデータと共に、このテストが、揮
発性脂肪酸以外の選択されたカルボン酸を検出するため
に使用され得ることを示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】脊椎動物の糖代謝と、腸内寄生蠕虫の糖代謝と
を比較するフローチャートである。列挙された寄生蠕虫
代謝産物は、さらに結合して、より長い鎖の遊離脂肪酸
を形成することもある。
フロントページの続き (71)出願人 596139432 3485−A Kifer Road San ta Clara, Californi a 95051 U.S.A. (72)発明者 ポール ジェイ. ローレンス アメリカ合衆国 カリフォルニア 95008 キャンベル,エビー レーン 2082

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 選択されたカルボン酸を検出するために
    用いられる顕色系であって、該顕色系は、次の(a)〜
    (d)を含有する: (a)カルボン酸と反応し、金属−カルボン酸錯体を形成
    し得る金属塩; (b)該選択されたカルボン酸と該金属塩との間で形成さ
    れた金属−カルボン酸錯体が実質的に可溶であり、かつ
    該金属塩が実質的に不溶である溶媒を含む有機相; (c)色原体;および (d)金属−カルボン酸錯体の存在下に、色原体を有色化
    合物に酸化し得る酸化剤。
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