JPH09167608A - アルカリ電池用セパレーター及びその製法 - Google Patents

アルカリ電池用セパレーター及びその製法

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JPH09167608A
JPH09167608A JP7329259A JP32925995A JPH09167608A JP H09167608 A JPH09167608 A JP H09167608A JP 7329259 A JP7329259 A JP 7329259A JP 32925995 A JP32925995 A JP 32925995A JP H09167608 A JPH09167608 A JP H09167608A
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polyolefin
alkaline battery
separator
pulp
weight
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JP7329259A
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Koji Horimoto
耕次 堀本
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 親水性、保液性ならびに耐候性に優れたアル
カリ電池用セパレーターを提供する。 【解決手段】ポリビニルアルコール含量が0.7ないし
10.0重量%のポリオレフィン合成パルプ40ないし
95重量%と、ポリオレフィン系熱融着繊維バインダー
5ないし60重量%との混合抄紙物を熱融着してなり、
界面活性剤が含まれていることを特徴とするアルカリ電
池用セパレーター。このアルカリ電池用セパレーター
は、前記ポリオレフィン合成パルプ40とポリオレフィ
ン系熱融着繊維バインダーとの混合物を湿式抄紙し、乾
燥後、合成パルプの融点以下でポリオレフィン系熱融着
繊維バインダーの融着温度以上の温度で熱処理するもの
であるが、湿式抄紙後および/または熱処理後に界面活
性剤を添加することによって製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル−カドミ
ウム電池、ニッケル−水素電池などのアルカリ電池に用
いるセパレーター及びその製法に関するものであり、よ
り詳しくは、特定の合成パルプを素材とした親水性に優
れたアルカリ電池用セパレーター及びその製法に関す
る。
【0002】
【従来技術】アルカリ電池用セパレーターには、従来、
親水性に優れたポリアミド繊維の不織布や、耐アルカリ
性に優れたポリオレフィン繊維の不織布が使用されてい
る。しかし、ポリアミド繊維は繰り返し使用することに
より、アルカリ電解液中で分解し窒素酸化物を生成し、
電池寿命を縮めると云う欠点がある。また、ポリオレフ
ィン繊維は、元来、疎水性であるため、界面活性剤によ
り親水処理がなされているが、界面活性剤は電解液中で
徐々に劣化し、その性能が失われ、やがて親水性がなく
なると云う欠点がある。
【0003】また、近年には、ポリオレフィン繊維の欠
点を改良した親水性に優れたスルホン化ポリオレフィン
繊維の不織布も使用されるに到っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
スルホン化ポリオレフィン繊維は、スルホン化の過程で
濃硫酸若しくは発煙硫酸を使用し、かつ、歩留まりが悪
いことから、コストの高いものとなっている。
【0005】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、安価に製造で
き、親水性、保液性かつ耐久性に優れたアルカリ電池用
セパレーター及びその製法を提供することにある。
【0006】
【課題を達成するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために提案されたものであって、特定のポリオレ
フィン合成パルプとバインダーとの混合物を湿式抄紙し
たものを熱融着したアルカリ電池用セパレーターにおい
て、界面活性剤が介在していることを第1の特徴とし、
この湿式抄紙後および/またはそれの熱処理後に界面活
性剤を添加することに製法上の特徴を有するものであ
る。
【0007】すなわち、本発明によれば、ポリビニルア
ルコール含量が0.7ないし10.0重量%のポリオレ
フィン合成パルプ40ないし95重量%と、ポリオレフ
ィン系熱融着繊維バインダー5ないし60重量%との混
合抄紙物の熱融着体であり、かつ界面活性剤が存在して
いることを特徴とするアルカリ電池用セパレーターが提
供される。
【0008】また、本発明によれば、ポリビニルアルコ
ール含量が0.7ないし10.0重量%のポリオレフィ
ン合成パルプ40ないし95重量%と、ポリオレフィン
系熱融着繊維バインダー5ないし60重量%との混合物
を湿式抄紙し、乾燥後、合成パルプの融点以下でポリオ
レフィン系熱融着繊維バインダーの融着温度以上の温度
で熱処理するアルカリ電池用セパレーターの製法であっ
て、前記湿式抄紙後および/または熱融着処理後に界面
活性剤を添加することを特徴とするアルカリ電池用セパ
レーターの製法が提供される。
【0009】ポリビニルアルコール含量が0.7%以下
では、セパレーターに充分な親水性を与えることができ
ない虞があり、10.0%以上では、合成パルプ中に実
質的にポリビニルアルコールを保持することができず、
余分量は湿式抄紙中に流出してしまう虞がある。
【0010】また、本発明のアルカリ電池用セパレータ
ーは、原料として多分岐性の合成パルプを使用している
ことから、仕上がりの厚さが0.10ないし0.40mm
に於いて保液率が400重量%以上の物性を有してい
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明においては、ポリビニルア
ルコール含量が0.7ないし10.0重量%のポリオレ
フィン合成パルプとポリオレフィン系熱融着繊維バイン
ダーとを混合物を湿式抄紙し、乾燥後、融着のための熱
処理するアルカリ電池用セパレーターの製法であって、
前記湿式抄紙後および/または熱融着処理後に界面活性
剤を添加することに重要な特徴を有するものである。
【0012】この際、合成パルプとしては、溶液または
エマルジョンをフラッシュ紡糸して作製されたものであ
って、比表面積が0.1m2 /g以上のものが好まし
い。合成パルプが、溶液またはエマルジョンをフラッシ
ュ紡糸して作製されたものであることにより、多分岐の
繊維となっており相互の絡み合いが大きく、湿式抄造が
可能であり、更に、ポリビニルアルコール含量が0.7
ないし10.0重量%、好ましくは1.0ないし10.
0重量%とすることにより、充分な強度のシートを得る
ことができる。更に、熱融着繊維バインダーの使用によ
りシートの強度は増大する。また、ポリビニルアルコー
ルを含んだ合成パルプは100℃以上の熱処理により親
水性は消失または低下するが、界面活性剤の添加によっ
て親水性が復元される。
【0013】<本発明のアルカリ電池用セパレーターの
特徴>本発明のアルカリ電池用セパレーターは、原料と
して安価な合成パルプを使用し、通常の抄紙方法により
製造することができるため、安価なものとすることがで
き、かつアルカリ電池用セパレーターとしての適性を備
えたものとなる。また、本発明のアルカリ電池用セパレ
ーターは、比表面積が0.1m2 /g以上のポリオレフ
ィン合成パルプを使用していることから、特に保液性に
優れ、仕上がりの厚みが0.10ないし0.40mmに
於いて、35重量%濃度の水酸化カリウム(KOH)溶
液の保液率が400重量%以上という優れた物性を有す
るものである。
【0014】通常のポリオレフィン系不織布を界面活性
剤処理した場合は、界面活性剤は電解液中で劣化流出
し、ポリオレフィン系不織布の親水性はなくなってしま
う。本発明のアルカリ電池用セパレーターにおいても、
合成パルプに強固に付着したポリビニルアルコールによ
って親水性が付与されているものであるが、成形過程に
おいて、合成パルプの融点以下でポリオレフィン系熱融
着繊維バインダーの融着温度以上の温度、つまり、10
0℃以上の温度での熱処理を行うために合成パルプによ
って付与されている親水性能が消失または低下してしま
う。そこで、本発明においては、湿式抄紙後および/ま
たは熱処理後に界面活性剤を添加することによって、ア
ルカリ電解液により劣化、流失した後も、良好な親水性
を維持できる特徴がある。また、界面活性剤の添加量
も、通常のポリオレフィン系不織布を親水化処理する場
合に比べて約半分程の少量で済むために、電池内で、界
面活性剤の劣化物が電極に付着して、自己放電が加速さ
れるという悪影響が抑制される。
【0015】また、当該合成パルプ単独を100℃以下
の温度で乾燥することにより、耐アルカリ性があり、か
つ、親水性を有するシートを得ることはできるが、シー
トの強度は充分でなく、電池の組立作業時に必要とされ
る強度が不足している。ところが、本発明のアルカリ電
池用セパレーターは、前記熱融着繊維を使用しているた
め、電池組立作業時に必要とされる強度を充分に保持し
ている。
【0016】<原料素材>本発明に於いて用いられる合
成パルプは、それ自体は公知のものであり、製法の詳細
は、Encyclopedia of Chemical Technology 3rd ed.Vo
l.19 P420 ないし425 に詳細に説明されている。好ま
しい方法としては、たとえば、溶液フラッシュもしくは
エマルジョンフラッシュを行った後に叩解処理をする方
法などが例示される。なかでも、ポリビニルアルコール
(PVA)を親水化剤としてエマルジョンを作製した後
にフラッシュし、その後リファイナーにより叩解する方
法によって製造されたものが好適に使用される。エマル
ジョンフラッシュ法により作製された合成パルプにあっ
ては、ポリビニルアルコールとポリオレフィンが強固に
結合しており、離解、抄紙の過程でポリビニルアルコー
ルが遊離して出てくることはない。
【0017】ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、4−メチルペンテン−1等のオレフィ
ンの単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチルペン
テンー1共重合体等のエチレンと他のα−オレフィンと
の共重合体などが例示されるが、なかでも、ポリビニル
アルコールとの結合性からポリエチレンが好適に使用さ
れる。
【0018】また、合成パルプの平均繊維長は、0.1
ないし10mmであることが好ましい。0.1mm以下
では、繊維間の絡み合いが小さく実質的にシートにする
ことが難しく、10mm以上では湿式抄紙で均質なシー
トとすることが難しい。更に、合成パルプの濾水度は
1.0ないし20秒/g、とくに2.0ないし10.0
秒/gであることが好ましい。1.0秒/g以下では充
分なシート強度が得られず、20秒/g以上ではシート
が緊密となり過ぎ保液性が悪化する傾向がある。
【0019】本発明に於いては、ポリビニルアルコール
が合成パルプに親水性を与える目的で添加される。ポリ
ビニルアルコールとしては、通常のポリビニルアルコー
ルがなんら制限なく用いることができるが、中でも、ケ
ン化度が70モル%以上、重合度が1500以下のもの
が好適に使用される。ケン化度が70モル%以下では、
ポリビニルアルコールがアルカリ電解液中で変質する傾
向があり、重合度が1500以上では、合成パルプへの
親水性の付与性が劣る傾向にある。ポリビニルアルコー
ルを含んだ合成パルプは、前述したように、100℃以
上の熱処理により親水性が消失または低下するが、界面
活性剤の添加により、親水化性能が復元する。
【0020】ポリビニルアルコールの添加は、エマルジ
ョンフラッシュ法にあっては、エマルジョン工程で行わ
れる。その他の製法にあっては、叩解工程またはそれ以
降の工程で添加が行われる。シートへ親水性と嵩高性を
与えるには、ポリビニルアルコールは叩解工程またはそ
れ以降の工程で添加されることが好ましく、エマルジョ
ンフラシュ法にあっても、エマルジョン工程とそれ以降
の工程の双方に分割して、ポリビニルアルコールを添加
することが好ましい。エマルジョン工程でポリビニルア
ルコールを添加した合成パルプは、それ以降の工程でポ
リビニルアルコールを添加した合成パルプに比べて、同
一添加量であっても、シートの緊密度が高く、吸液性、
保液性に劣ると云う欠点がある。
【0021】本発明に於いては、シートに強度を与える
目的でポリオレフィン系熱融着繊維バインダーが使用さ
れる。熱融着繊維としては、単体成分からなる繊維と、
2種以上の成分からなる複合繊維がある。単体成分の繊
維の例としては、主材と同じ形態で主材よりも融点の低
い合成パルプ、低融点樹脂を溶融紡糸した単繊維等が挙
げられる。複合繊維の形態としては、高融点樹脂を芯と
し、低融点樹脂を鞘とした鞘芯、偏芯鞘芯型、双方を貼
り合わせたサイドバイサイド型等が挙げられるが、本発
明においては、いずれも使用することができる。
【0022】高融点樹脂の例としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、4−メチルペンテン−1等のオレフィ
ンの単独重合体が、低融点樹脂の例としては、エチレン
−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合
体、エチレン−4−メチルペンテンー1共重合体等のエ
チレンと他のα−オレフィンとの共重合体などが挙げら
れる。中でも、複合繊維が好適に使用されるが、その中
でも、芯にポリプロピレン、鞘に低密度ポリエチレンを
使用したものが、更に、好適に使用される。
【0023】単繊維、複合繊維の繊維径と繊維長には特
に制限はないが、繊維径は0.1ないし20デニール、
繊維長は0.1ないし20mmのものが好ましく使用され
る。このバインダー繊維は、5ないし60重量%使用す
るが、特に10ないし30重量%とすることが好まし
い。5重量%以下ではシートへの強度付与が充分でな
く、60重量%にすると、合成パルプの比率が下がるた
め、アルカリ電池用セパレーターとして必要とされる吸
液性、保液性等の性能が充分でなくなる。
【0024】<界面活性剤>本発明においては、熱融着
繊維の融着のために行う熱処理によってもたらされるポ
リビニルアルコールの親水化性能の消失または低下を補
うために、界面活性剤の添加が必須の要件となる。界面
活性剤の種類としては、イオン系、非イオン系共に使用
可能であるが、非イオン系の界面活性剤を用いる場合に
は、HLB値が5以上のものが好ましく使用される。H
LB値が5以下では、融着熱処理後のシートを界面活性
剤水溶液に浸漬させる際の湿潤速度が遅く、工業的でな
い。
【0025】アニオン系界面活性剤としては、オレイン
酸カリ石鹸、ステアリン酸ソーダ石鹸、混合脂肪酸ソー
ダ石鹸等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリ
ル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウ
ム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、
アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハ
ク酸塩、アルキルジフェニールスルホン酸塩、アルキル
リン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル
塩、ポリオキシエチレンアルキルアリル硫酸エステル
塩、アルケニルコハク酸塩、アルカンスルホン酸塩など
が例示される。
【0026】非イオン系界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン高級
アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロ
ックポリマー、ソルビタン(モノ、ジ、トリ)アルキレ
ート、ポリオキシエチレンソルビタン(モノ、ジ、ト
リ)アルキレート、グリセロールアルキレート、グリセ
ライドアルキレン、ポリオキシエチレングリコールアル
キレート、ポリオキシエチレンアルキレート、ポリオキ
シエチレンアルキルアミンなどが例示される。
【0027】またカチオン系界面活性剤としては、アル
キルアミンアセテート、アルキルアミン塩酸塩、アルキ
ルアミンオレエート、アルキルトリメチルアンモニウム
クロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムク
ロライド、アルキルベタイン、アルキルジメチルアミン
オキサイドなどが例示される。
【0028】界面活性剤の添加量は、種類、ならびに主
材である合成パルプ中のポリビニルアルコールの量によ
っても異なるが、アルカリ電池用セパレーターに対して
は、0.01ないし10重量%、とくに0.5ないし5
重量%の添加が好ましい。界面活性剤の添加は、通常、
熱融着繊維の熱融着処理後に行われるが、湿式抄紙後の
湿潤シートに行ってもよく、それらを併用してもよい。
また、非イオン系界面活性剤にあっては、当初より合成
パルプに添加付着させる方法も採用される。
【0029】<シート化>本発明においては、上述した
ポリオレフィン合成パルプと熱融着繊維とを湿式抄造す
ることによりシートが製造される。湿式抄造ではワイヤ
ー上に湿潤シートが抄き上げられるが、この湿潤シート
をサクション脱水のみ、または、サクション脱水及び軽
いプレス脱水が行われる。プレス脱水を強くし過ぎる
と、シートは緊密となり吸液性が悪くなる。シートの乾
燥は熱風で行うことが好ましく、熱風炉中で乾燥が行わ
れる。ドラム型乾燥機では、シート表面の緊密度が上昇
するため、吸液性が悪くなり好ましくない。乾燥工程に
続き熱処理が行われる。熱処理もまた熱風で行うことが
好ましく、熱融着性繊維の低融点成分または熱融着成分
の融点以上、主材のポリオレフィン合成パルプの融点以
下の温度で行われ、好ましくは、熱融着繊維の融着成分
の融点より5℃以上、ポリオレフィン合成パルプの融点
より5℃以下の範囲で熱処理が行われる。
【0030】通常、次いで、シートは界面活性剤の水溶
液に浸漬され、所定量の界面活性剤を含浸させた後、乾
燥が行われる。乾燥は主材のポリオレフィン系合成パル
プの融点より5℃以下の温度、具体的には、熱風条件下
で行うことが好ましく、通常、熱風炉中で行われる。乾
燥時間は、風量、温度、坪量等の要因により適宜決定さ
れる。
【0031】抄紙機の例としては、円網、長網、短網、
傾斜ワイヤー、ツインワイヤー型抄紙機等が挙げられ、
いずれもが使用可能であるが、サクションボックスの取
付の点から、長網、短網または傾斜ワイヤー型の抄紙機
を使用することが好ましい。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、素材として、耐アルカ
リ性に優れ、表面積が大きいポリオレフィン合成パルプ
を使用し、親水剤として、合成パルプに強固に結合した
ポリビニルアルコール、ならびにお界面活性剤を使用し
ているため、アルカリ電解液中にあっても長期に渡って
安定して親水性を維持することから、電解液の吸液性と
保液性に優れたアルカリ電池用セパレーターが提供され
る。また、界面活性剤はポリビニルアルコールの親水性
回復のために添加されるものであるから、従来の親水性
付与のみを目的とする界面活性剤の添加に比べ少量で済
むために、界面活性剤の劣化物によって電極への悪影響
を及ぼすことを極力抑制できる。更に抄紙時にポリオレ
フィン系熱融着繊維をバインダーとして用いているため
に、電池組立作業時に必要とされる強度を充分に保持し
ている。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
を具体的に説明する。なお、実施例中、各物性の測定は
下記の方法によって行った。
【0034】<比表面積の測定>BET法によるN2
スの吸着量により測定する。
【0035】<濾水度の測定>シート坪量を500g/
2 に変更する以外には、TAPPI−T221の規格
に準じて、水排出に要する時間を秒単位で測定する。濾
水度は、パルプのg当たりの時間で表する。
【0036】<電解液の保液率の測定方法>試験片は1
00×100mmとし、シート3枚のそれぞれのほぼ中
央部から1枚ずつ計3枚採取する。室温状態での重量を
1mgまで測定する。次に室温(25±2℃)の35重
量%濃度の水酸化カリウム(KOH)溶液に試験片を広
げて浸し、30分間以上放置させたのち、液中から引き
上げて試験片の一つの角をクリップして吊り下げ、10
分後の試験片重量を測定し、次の式によって保液率を求
めた。 ここに、A0 :電解液の保液率 W0 :乾燥時の試験片の重量(g) W1 :含液時の試験片の重量(g)
【0037】<吸液性の評価方法>長さ20cm,幅
1.5cmの試験片を採取し、水平にした棒に上端を止
め、垂直に垂らし、試験片の下端5mmを35重量%濃
度の水酸化カリウム(KOH)溶液に浸し、5分後にK
OH溶液が上昇した高さを測定した。
【0038】<耐アルカリ性の評価方法>35重量%濃
度の水酸化カリウム(KOH)溶液に試験片を広げて、
室温にて7日間浸漬する。その後、中和点に達するまで
水洗し、乾燥させた状態で吸液性の測定を行った。
【0039】<シート強度の測定方法>試験片を、幅1
5mm、長さ100mmとし、長さ方向に100mm/分の速
度で引っ張り、破断時の強度を5回測定し、その平均値
を求めた。
【0040】<実施例1>じゃま板を具備した30リッ
トル容量の撹拌機付オートクレーブ中に、n−ヘキサン
10リットル(23℃)、水10リットル(23℃)、
高密度ポリエチレン樹脂1,000g、ポリビニルアル
コール[PVA,ケン化度:99%、4%水溶液粘度
(20℃):4.6ないし6.0cps、商品名ゴーセ
ノールNL−05、日本合成化学工業(株)製]40
g、を投入して回転数900rpmで撹拌しながら、混
合液の液温が140℃になるまで昇温した。そして、混
合液の液温を140℃に保持して、さらに、30分間撹
拌を続け、懸濁液を得た。
【0041】次いで、この懸濁液を、オートクレーブに
取り付けられた直径3mm、長さ20mmのノズルより
パイプを経て、窒素雰囲気下、かつ、−400mmHg
の圧力下にあるドラム内に噴出(フラッシュ)させて繊
維状物を得た。
【0042】次いで、繊維状物を受容器内で10g/リ
ットル濃度の水スラリーとした後、直径12インチのデ
ィスク型リファイナーで叩解し、パルプ状物を得た。こ
のようにして得られたポリエチレン合成パルプの物性を
下記に示す。 平均繊維長 1.5mm 比表面積 9.8m2 /g 濾水度 15.0sec/g PVA含量 4.0重量% 融点 135℃
【0043】上記の高密度ポリエチレン合成パルプと、
繊維径1.5デニール、繊維長5mmの芯部がポリプロ
ピレンで鞘部が低密度ポリエチレン(融点=110℃)
の複合繊維とを、80/20の割合で混合し、JIS型
パルパーにて離解し、25×25cmの角型抄紙器にて
抄紙した。得られた湿潤シートを循環式熱風乾燥機に
て、50℃で1時間乾燥を行いシートを得た。このシー
トを更に循環式熱風乾燥機にて、125℃で5分間熱処
理を行った。その後、アニオン性界面活性剤としてジア
ルキルスルホコハク酸ナトリウムをシートに対して1重
量%、水溶液にて添加し、再度、循環式熱風乾燥炉にて
50℃で30分間乾燥を行い、目的とするシートを得
た。得られたシートの物性を表−1に示す。
【0044】<実施例2>ポリビニルアルコールの添加
量を20gとする以外は実施例1と同様にしてポリエチ
レン合成パルプを得た。その物性を下記に示す。 平均繊維長 1.2mm 比表面積 8.2m2 /g 濾水度 4.0sec/g PVA含量 2.0重量% 融点 135℃ 上記の合成パルプを使用する以外は実施例1と同様にし
てシートを得た。得られたシートの物性を表−1に示
す。
【0045】<実施例3>オートクレーブ中へ添加する
ポリビニルアルコール量を10gとし、ディスク型リフ
ァイナーで叩解する際にポリビニルアルコールを添加
し、その濃度を0.05g/リットルとする以外は、実
施例1と同様にしてポリエチレン合成パルプを得た。そ
の物性を下記に示す。 平均繊維長 1.2mm 比表面積 6.2m2 /g 濾水度 2.5sec/g PVA含量 1.5重量% 融点 135℃ 上記合成パルプを使用し、界面活性剤として、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル(HLB値:12.
2)をシートに対し1重量%、水溶液にして添加する以
外は、実施例1と同様にしてシートを得た。得られたシ
ートの物性を表−1に示す。
【0046】<比較例1>実施例1で得られたポリエチ
レン合成パルプを単独で、JIS型パルパーにて離解
し、25×25cmの角型抄紙器にて抄紙した。得られ
た湿潤シートを循環式熱風乾燥機にて、50℃で1時間
以上乾燥を行いシートを得た。このシートの物性を表−
2に示す。
【0047】<比較例2>界面活性剤を添加しないこと
以外は、実施例1と同様にしてシートを得た。このシー
トの物性を表−2に示す。
【0048】<比較例3>オートクレーブ中へ添加する
ポリビニルアルコール量を4gとする以外は、実施例1
と同様にしてポリエチレン合成パルプを得た。得られた
合成パルプの物性を下記に示す。 平均繊維長 1.5mm 比表面積 5.4m2 /g 濾水度 0.5sec/g PVA含量 0.4重量% 融点 135℃ 上記合成パルプを使用する以外は、実施例1と同様にし
てシートを得た。得られたシートの物性を表−2に示
す。
【0049】<比較例4>ポリプロピレン乾式不織布
(溶融紡糸タイプ)のセパレーターについて同様の性能
試験を行った。その結果を表−2に示す。
【0050】表−1および表2の結果より、実施例1の
アルカリ電池用セパレーターは、比較例1の同一合成パ
ルプを100%使用したアルカリ電池用セパレーターに
比べて、シート強度が優れていることがわかる。また、
比較例3、比較例4にあっては、初期の保液率と吸液性
には問題はないが、アルカリ液への浸漬、洗浄で親水性
が失われ、吸液性が極端に悪化している。
【0051】
【0052】

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール含量が0.7ない
    し10.0重量%のポリオレフィン合成パルプ40ない
    し95重量%と、ポリオレフィン系熱融着繊維バインダ
    ー5ないし60重量%との混合抄紙物の熱融着体であ
    り、かつ界面活性剤が存在していることを特徴とするア
    ルカリ電池用セパレーター。
  2. 【請求項2】 前記合成パルプが、溶液またはエマルジ
    ョンをフラッシュ紡糸して作製されたものである請求項
    1に記載のアルカリ電池用セパレーター。
  3. 【請求項3】 前記ポリオレフィン合成パルプの比表面
    積が0.1m2 /g以上である請求項1または2に記載
    のアルカリ電池用セパレーター。
  4. 【請求項4】 前記ポリオレフィン合成パルプがポリエ
    チレン合成パルプである請求項1ないし3のいずれか1
    項に記載のアルカリ電池用セパレーター。
  5. 【請求項5】 前記ポリオレフィン系熱融着繊維が高融
    点成分と低融点成分からなる複合繊維バインダーである
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアルカリ電池
    用セパレーター。
  6. 【請求項6】 前記ポリオレフィン合成パルプがフラッ
    シュ紡糸後にポリビニルアルコールを添加し、撹拌する
    ことにより付着せしめたものである請求項1ないし5の
    いずれか1項に記載のアルカリ電池用セパレーター。
  7. 【請求項7】 ポリビニルアルコール含量が0.7ない
    し10.0重量%のポリオレフィン合成パルプ40ない
    し95重量%と、ポリオレフィン系熱融着繊維バインダ
    ー5ないし60重量%との混合物を湿式抄紙し、乾燥
    後、合成パルプの融点以下でポリオレフィン系熱融着繊
    維バインダーの融着温度以上の温度で熱処理するアルカ
    リ電池用セパレーターの製法であって、前記湿式抄紙後
    および/または熱融着処理後に界面活性剤を添加するこ
    とを特徴とするアルカリ電池用セパレーターの製法。
  8. 【請求項8】 前記界面活性剤が、HLB値5以上の非
    イオン系界面活性剤である請求項7記載のアルカリ電池
    用セパレーターの製法。
  9. 【請求項9】 前記ポリオレフィン合成パルプの比表面
    積が0.1m2 /g以上である請求項7または8に記載
    のアルカリ電池用セパレーターの製法。
  10. 【請求項10】 前記ポリオレフィン合成パルプがポリエ
    チレン合成パルプである請求項7ないし9のいずれか1
    項に記載のアルカリ電池用セパレーターの製法。
  11. 【請求項11】 前記ポリオレフィン系熱融着繊維が高融
    点成分と低融点成分からなる複合繊維バインダーである
    請求項7ないし10のいずれか1項に記載のアルカリ電
    池用セパレーターの製法。
  12. 【請求項12】 前記ポリオレフィン合成パルプがフラッ
    シュ紡糸後にポリビニルアルコールを添加し、撹拌する
    ことにより付着せしめたものである請求項7ないし11
    のいずれか1項に記載のアルカリ電池用セパレーターの
    製法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017059769A (ja) * 2015-09-18 2017-03-23 ニッポン高度紙工業株式会社 アルミニウム電解コンデンサ用セパレータ及びアルミニウム電解コンデンサ
JP2024535592A (ja) * 2021-11-26 2024-09-30 ダブル・スコープコリア カンパニー,リミテッド セパレータおよびその製造方法

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