JPH09171000A - イオンセンサ及びイオン濃度測定方法 - Google Patents

イオンセンサ及びイオン濃度測定方法

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JPH09171000A
JPH09171000A JP7349644A JP34964495A JPH09171000A JP H09171000 A JPH09171000 A JP H09171000A JP 7349644 A JP7349644 A JP 7349644A JP 34964495 A JP34964495 A JP 34964495A JP H09171000 A JPH09171000 A JP H09171000A
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JP
Japan
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ion
leaching
electrolyte solution
electrode
diaphragm
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Application number
JP7349644A
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English (en)
Inventor
Migiwa Ando
汀 安藤
Junichi Tokumoto
徳本淳一
Chie Hayashi
千栄 林
Masahiko Okuyama
奥山雅彦
Naoko Horibe
堀部尚子
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン感応極と参照極とを一体化し、簡便な
操作でイオン濃度の測定が可能であり、使い捨て使用に
も適したイオンセンサを提供する。 【解決手段】 本発明のイオンセンサ1は、一つの支持
体基板上に、固体電解質を用いた固体状のイオン感応極
と、耐水性膜よりなる隔膜により電解質溶液を密封して
なる参照極と、連通気孔を有する親水性の多孔質体から
なる針状部を有する可動式の浸出部材と、滴下した被検
液を拡散させて前記浸出部材を介して浸出した電解質溶
液と接触させるための拡散部材とを備える。本イオンセ
ンサを用いてイオン濃度を測定する際には、浸出部材を
隔膜に貫通させて電解質溶液を浸出させてから被検液を
滴下し、その一部を拡散部材に導いて前記電解質溶液と
接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学工業、食品工
業、医療、環境計測等において溶液中に存在する特定の
イオンの濃度を測定するために用いられるイオンセンサ
に関し、特に使い捨て用途に適したイオンセンサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】溶液中の特定のイオン濃度を測定する手
法として、イオン選択性電極(以下、イオン電極とい
う)を用いるイオン電極法が知られている。この方法
は、通常、イオン電極と参照電極とを一対として被測定
液中に浸漬し、両電極間の電位差をエレクトロメータ等
の計測器を用いて測定することに行なわれる。ここで通
常用いられるイオン電極及び参照電極としては、電解質
溶液を内部に封入した内部液構造を備えるものが主に用
いられている。この内部液構造のものは測定精度は優れ
ているが、保守・管理が必要であるとともに小型化ある
いは一体化には適しないという欠点を有する。また、イ
オン感応部材として固体電解質を用いたものや内部液を
ゲル化させたもの、あるいは内部液を一切用いずに完全
に固体状の電極としたもの等についていくつか提案され
ているが、長期間にわたる保存安定性や測定精度、再現
性等の点では従来の内部液構造のものに比べて劣ってい
る。
【0003】イオンセンサの用途のひとつとして、医療
分野において血液や尿中の電解質成分の分析があるが、
この場合、センサの使い捨て使用が衛生上望ましく、ま
た、高い精度と保存安定性が要求されている。さらに
は、より微量の被検液で測定ができるとともに測定操作
の簡便さ等の面からイオン電極と参照電極の一体化及び
小型化も要求されている。
【0004】これらの点を考慮するものとして、固体状
のイオン電極と参照電極とを一枚の基板上に並べて配置
し、測定時に上記内部液に相当する標準液を参照電極上
に滴下して測定するようにしたスライド型の固体電極が
知られている。例えば、特開昭58−211648号公
報、特開昭59−30055号公報には、特定イオンに
選択的に応答するイオン選択層を最外層に有する固体電
極からなる固体電極対が配置され、この電極対にそれぞ
れ被検液および標準液の供給後に浸透により両極間の電
気的導通を達成するための多孔性ブリッジが設けられた
イオン活量測定器具が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記イオン電
極は、測定精度については満足する性能が得られるが、
固体電極対の所定の位置に被検液の点着と同時に標準液
の点着をも行なわなければならないため、測定の都度標
準液を用意しなければならず、またその操作性の面から
専用のピペットなどの使用を考慮しなければならない等
の欠点を有する。したがって、上記イオン電極は前記医
療分野での分析用途においても必ずしも簡易な測定手段
とはなっていない。
【0006】本発明はこのような欠点を解消するために
なされたものであり、その目的とするところは、イオン
電極と参照電極とを一体化したイオンセンサであって、
精度の高い測定を簡易に行なうことができ、しかも保存
性にすぐれ、使い捨て使用に適したイオンセンサを提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1に係るイオンセンサは、固体電解
質を用いた固体状のイオン感応極と、隔膜により電解質
溶液を密封してなる参照極と、前記隔膜を破損もしくは
除去して前記電解質溶液を浸出させるための可動式の浸
出部材と、滴下した被検液を拡散させて前記浸出部材に
より浸出した電解質溶液と接触させるための拡散部材と
を備えることを特徴とする。
【0008】ここで、前記浸出部材の一部が針状部を有
し、前記隔膜の一部が前記針状部が針入可能な耐水性膜
よりなり、特に、前記針状部が連通気孔を有する親水性
の多孔質体からなることが望ましい。また、前記浸出部
材が使用前に前記隔膜を破損もしくは除去することを防
止するための固定手段を備えていてもよく、前記拡散部
材が連通気孔を有する親水性の多孔質体からなること、
前記浸出部材と前記拡散部材とが一体に形成されている
こと、それぞれ異なるイオン種に選択的に応答する固体
電解質を用いた複数のイオン感応極を備えること、前記
固体電解質がセラミックスよりなることはそれぞれ好ま
しい。
【0009】また、本発明の請求項9に係るイオン濃度
測定方法は、固体電解質を用いた固体状のイオン感応極
と、隔膜により電解質溶液を密封してなる参照極と、前
記隔膜を破損もしくは除去して前記電解質溶液を浸出さ
せるための可動式の浸出部材と、滴下した被検液を拡散
させて前記浸出部材により浸出した電解質溶液と接触さ
せるための拡散部材とを備えるイオンセンサを用いたイ
オン濃度測定方法であって、前記浸出部材の動作により
前記隔膜を破損もしくは除去して電解質溶液の一部を浸
出させた後、前記イオン感応極の上方より被検液を滴下
して固体電解質に接触させるとともに、その一部を前記
拡散部材中を拡散させて前記浸出部材により浸出した電
解質溶液にも接触せしめ、前記イオン感応極と前記参照
極との間に生ずる電位差を測定することを特徴とする。
【0010】ここで、前記浸出部材の一部が針状部を有
するとともに、前記隔膜の一部が前記針状部が針入可能
な耐水性膜よりなり、前記針状部を前記隔膜に圧接もし
くは圧入することによりこれを破損もしくは除去し、前
記電解質溶液を浸出させること、さらには、前記針状部
が連通気孔を有する親水性の多孔質体からなり、前記電
解質溶液を前記連通気孔を通して浸出させることは特に
好ましい。また、前記拡散部材が連通気孔を有する親水
性の多孔質体からなること、前記浸出部材と前記拡散部
材とが一体に形成されていること、前記イオンセンサ
が、それぞれ異なるイオン種に選択的に応答する固体電
解質を用いた複数のイオン感応極を備えており、複数の
イオン種のイオン濃度を同時に測定すること、及び、固
体電解質がセラミックスよりなることは好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のイオンセンサは、イオン
感応極と参照極とを一体化したものであって、イオン感
応極を固体状の電極とし、かつ参照極の内部液をイオン
センサの使用時に浸出可能なように密封した電極として
構成することにより、使用前の保存性を上げるとともに
測定精度を維持しつつ簡便な操作を可能とするものであ
る。すなわち、本発明のイオンセンサは、固体状のイオ
ン感応極と、電解質溶液を密封してなる参照極と、前記
電解質溶液を浸出させるための可動式の浸出部材と、イ
オン感応極上に滴下した被検液を前記浸出部材により浸
出した電解質溶液と接触させるための拡散部材とから基
本的に構成されるものである。
【0012】上記のイオンセンサを作製するに際し、通
常、イオン感応極と参照極とは電気絶縁性を有する支持
体上に一体的に形成される。このときの支持体として
は、ガラス、セラミックス焼結体、アクリル樹脂、AB
S樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂とガラス
粉末との複合体等の各種材質のものを用いることがで
き、電気絶縁性に優れ、加工性、耐水性、取り扱い性等
を備えるものであれば特に限定されず、これらをイオン
センサの使用形態に応じた各種形状、たとえば平板状、
角棒状、円筒状、針状等に加工して用いることができ
る。
【0013】イオン感応極は、特定のイオンに選択的に
応答するもので、固体電解質を用いた固体状の電極とし
て用いる。固体状の電極とは従来の電極で内蔵されてい
たような内部液を必要としないタイプの電極をいう。前
記固体電解質はイオン感応部材(感応膜)として用いら
れ、これをイオン感応極の最外層とするか、あるいはさ
らにその上にクラウンエーテルやバリノマイシン等を含
有するイオン感応物質層で覆ってもよい。通常、イオン
感応極は、この固体電解質とその電位を取り出すための
内部電極とを組み合わせたものから構成される。内部電
極としては金属電極が好ましく、例えば銅張積層板をエ
ッチング加工して内部電極部とこれに続く端子部とが配
線形成されたものや、薄膜状の金属導体層が蒸着された
基板等を用いることができる。感応部材は、その表面の
うち被検液に接しない部分を内部電極に直接に接触固定
させてもよいが、イオンブリッジとも呼ばれる固体状ま
たは半固体状の導電性ブリッジ材を介して接着固定する
とより安定した電位が取り出せるため好ましい。
【0014】前記導電性ブリッジ材としては、導電性と
接着性とを兼ね備えるものが望ましく用いられる。たと
えば、好ましい例として、カーボン粒子をフェノール樹
脂と混合してなる熱硬化性のカーボンペーストを用い、
該ペーストを塗布した固体電解質からなる感応部材の一
表面を、支持体表面の導体配線(例えば銅)の一端部に
接触させた状態で一定温度に加熱し前記ペーストを接着
硬化させるとよい。また、このカーボンペーストにさら
に、塩化ナトリウム、塩化銀等の塩類を加えたものを導
電性ブリッジ材として用いることにより応答性の向上や
電位の一層の安定化を図ることもできる。
【0015】なお、前述の固体電解質としては、たとえ
ば、ナシコンセラミックス(Na1+XZr2SiX3-X
12,0≦x≦3)、ベータ・アルミナセラミックス(M
2O・nAl23,5≦n≦11,Mはアルカリ金
属)、フッ化ランタン(LaF3)、ハロゲン化銀、硫
化銀、硫化銅、硫化カドミウム等を好ましく用いること
ができる。測定対象となるイオン種は上記固体電解質の
材料によってほぼ決まるものであるが、ナトリウムの他
に、カリウム、リチウム等のアルカリ族のイオン、水素
イオン、酸素イオン、フッ素イオン、塩素イオン、炭酸
イオンなどが挙げられる。これらの異なる固体電解質を
それぞれ最外層とする複数のイオン感応極を一つの支持
体上に設けることにより、異なるイオン種を同時に測定
することのできる多機能イオンセンサとして構成するこ
ともできる。
【0016】上記固体電解質のうち、ナシコン、ベータ
・アルミナ等のイオン伝導性セラミックスは本発明のイ
オンセンサの感応部材として特に好ましいものである。
これらの材料を用いる場合は緻密な焼結体であることが
望ましく、その製造は、感応部材の形状や大きさに応じ
て公知の成形法(たとえば、金型プレス成形法、スリッ
プキャスト成形法等)及び焼成法を適宜用いることがで
きる。セラミックス焼結体は機械的強度が高く、機械加
工性にも優れるため、焼結後に研削加工や穴あけ加工等
を施すことも容易であるが、焼結前の成形体の段階で上
記の加工を施した後に焼結させることも可能である。そ
の他に、厚膜法やスパッタリング法などの手法を用い
て、予め内部電極を形成してある支持体上に固体電解質
膜を形成してもよい。
【0017】参照極は、内部電極と電解質溶液と隔膜と
から構成される。支持体の参照極形成部に一定深さの凹
部を設けてその底部に内部電極を形成しておき、該凹部
内に電解質溶液を注入した後、その開口部を隔膜で液密
的に封着するとよい。あるいは凹部を設ける代わりに、
内部電極の周囲に一定高さの周壁もしくは枠体を設ける
ことにより構成してもよい。内部電極としては通常、金
属銀の表面に塩化銀層を形成させたいわゆる銀/塩化銀
電極が特に好ましく用いられる。電解質溶液としては、
例えば塩化カリウムの飽和水溶液などが用いられるが、
さらに安定化剤として塩化リチウム等を溶解させたもの
であってもよい。また、参照極の内部電極として上記の
銀/塩化銀電極を用いる場合には、電解質溶液中に塩化
銀を飽和状態に溶解させておくと基準となる電位の安定
性が向上するので特に好ましい。
【0018】隔膜は、イオンセンサの使用時までは電解
質溶液を密封保持するために用いられるが、使用の際に
は破損もしくは除去されて電解質溶液を浸出し得るもの
でなければならない。そのためには、耐水性の膜材質か
らなるとともに、浸出部材の動作によって破棄もしくは
除去可能な材質及び形状をもって支持体に取着されてい
る必要がある。例えば、隔膜として厚さ20〜100μ
mのポリ塩化ビニルフィルムを用い、熱接着法によりポ
リカーボネート質の枠体の開口端部に接着することで作
製することができる。
【0019】浸出部材は、前記隔膜を破損もしくは除去
するために可動式に設けられ、隔膜を破損等した後は、
参照極内の電解質溶液の一部を浸出せしめる働きをす
る。例えば浸出部材を押しピンの如き一部が針状部を有
するような形状とし、その針状部を上記隔膜の正面にほ
ぼ直角に配置するとともに、これを隔膜側へ移動させて
隔膜に針入させることができるように一定距離を移動可
能な構造としたものが好ましい。浸出部材は隔膜を破損
等することができるのであれば、特定の形状に限定され
ることはなく、例えば上記の針状部を複数設けたり、先
端を刃状のものとしたり、ネジ溝を設けたもの等であっ
てもよい。
【0020】浸出部材は少なくともその一部、特に参照
極内の電解質溶液と接する部分から拡散部材に接する部
分までが連通気孔を有する親水性の多孔質体からなるこ
とが望ましい。電解質溶液が毛細管力により気孔内に吸
水され、浸出部材内を浸透しやすくするためである。
【0021】さらに、上記浸出部材が使用前に動いて前
記隔膜を破損等することを防止するための固定手段を設
けることが望ましい。例えば、前述の押しピン形状の浸
出部材の場合にはその頭部(傘状部)を支持体外表面か
ら突出させるとともに、頭部下面と支持体外表面との間
に脱着可能な止め具(ストッパー)を設けるとよい。ま
た、このストッパーの形状を支持体に合わせること等に
より、滴下孔や端子部をも覆うようにすれば保護カバー
してとしての役割を負わせることもできる。
【0022】拡散部材は、イオン感応極の上方より滴下
された被検液の一部を拡散させて前記浸出部材によって
浸出した電解質溶液と接触させるためのものであり、そ
の一端部は前記浸出部材に接し、他端部はイオン感応極
の固体電解質の近傍に至るように配置されている。この
場合、イオン感応極側の他端部は固体電解質表面とは必
ずしも直接接触している必要はないが、一定量の被検液
を滴下したときにその被検液の一部が固体電解質と接触
できるように配置されていればよい。電解質溶液の浸透
をよくするために、拡散部材はガーゼや不織布等の如き
連通気孔を有する親水性の多孔質体からなることが望ま
しい。また、拡散部材は前記浸出部材と一体に形成され
ているものであってもよい。
【0023】上述のようにして構成されるイオンセンサ
を用いたイオン濃度の測定は以下のようにして行なわれ
る。まず、上記イオンセンサのイオン感応極及び参照極
より導出される各々の端子部を電位差計測器(例えばエ
レクトロメーター等)に接続した後、浸出部材の固定手
段が設けられている場合にはその固定状態を解除し、浸
出部材を動かして参照極の隔膜を破損もしくは除去す
る。例えば前述の押しピン形状の浸出部材の場合であれ
ば、ストッパーをはずして浸出部材の頭部を押し込み、
浸出部材の針状部を隔膜に突き刺す。隔膜を針状部が貫
通することにより電解質溶液中に浸漬した針状部の先端
から多孔質体中を浸透しながら電解質溶液が浸出する。
【0024】その後、イオン感応極の上方より(または
イオン感応極の近傍に)所定量の被検液を滴下して固体
電解質と被検液とを接触させるとともに、その一部を拡
散部材内を拡散させて前記電解質溶液とも接触せしめ、
前記イオン感応極と前記参照極との電気的導通を確保
し、両極間に生ずる電位差を前記電位差計測器により測
定する。予め既知のイオン濃度を有する基準液を用いて
作成しておいたイオン濃度と電位差との関係を示す検量
線を基に、得られた電位差より目的とするイオン濃度を
求める。
【0025】
【作用】本発明のイオンセンサでは、イオン感応極は固
体状の電極として形成されており、従来の内部液型のイ
オン電極のように液中に浸漬された状態で保存されるも
のではないため、固体電解質を感応部材として用いても
その経時劣化の心配はない。そして、イオン濃度の測定
の際に浸出部材の動作によって参照極を機能し得る状態
にし、イオン感応極の上方より被検液が滴下されると、
参照極の近傍で被検液と電解質溶液とが接し、イオン感
応極と参照極との間の電気的導通がとられる。このと
き、参照極の内部電極は一定濃度の電解質溶液中にある
ため一定の基準電位を発生し、一方、イオン感応極の固
体電解質は被検液中にあるため、被検液中の測定対象イ
オンの濃度に応じた電位を発生する。したがって、両極
間に生じる電位差を測定することにより、イオン濃度に
応じた電位差が測定され、予め作成された濃度と電位差
との関係を示す検量線を用いてイオン濃度が求められ
る。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明のイオンセンサの正面図を図1に、またそ
の縦断面図を図2にそれぞれ示す。イオンセンサ1は、
支持体基板2、イオン感応極3、参照極4、浸出部材
7、拡散部材9及びこれらを収めるケース25とストッ
パー28とから主に構成される。なお、本実施例ではイ
オン感応極としてNaイオン感応極3aとKイオン感応
極3bとClイオン感応極3cとを備えており、これら
3つのイオン種を測定対象とするイオンセンサである。
このイオンセンサ1を以下のようにして作製した。
【0027】まず、ガラスエポキシ基板の片面を銅箔で
覆った銅張積層板をエッチング加工することにより、図
3に示すような3本のイオン感応極用配線21a、21
b、21cと1本の参照極用配線21dとを形成し、支
持体基板2とした。そして図4、図5に示すように、前
記イオン感応極用配線21a、21b、21cの一端部
上に導電性ブリッジ材31を介してイオン感応部材30
をそれぞれ搭載し、イオン感応極3a、3b、3cを形
成した。
【0028】なお、Naイオン感応極3aでは、外径2
mm×厚さ2mmの円板状のナシコンセラミックス(N
3Zr2Si2PO12 )の焼結体を感応部材とし、Kイ
オン感応極3bでは、上記ナシコンセラミックス焼結体
表面にバリノマイシンを含有したポリ塩化ビニル膜(厚
さ0.01mm)を被覆したものを感応部材とし、Cl
イオン感応極3cでは、トリドデシルメチルアンモニウ
ム塩を含有したポリ塩化ビニル膜(厚さ0.01mm)
を感応部材として用いた。なお、上記塩化ビニル膜に
は、可塑剤としてo−ニトロフェニルオクチルエーテル
を、陰イオン除去剤としてテトラキス(パラクロロフェ
ニル)ホウ酸カリウムを所定量含有させてある。また、
導電性ブリッジ材31として、フェノール樹脂にカーボ
ン粒子を含有させてなる導電性ペースト(ドータイト:
FC−403R,藤倉化成(株)製)を用意し、前記各
感応部材の電極側面に一定量を塗布した後、支持体基板
2の所定の位置に密着させ、その状態を保持しつつ15
0℃で30分間の加熱処理を行ない前記導電性ペースト
を熱硬化させて、イオン感応部材と支持体基板とを接着
した。
【0029】また、直径0.1mmのAg線の先端部1
0mmを0.1規定の塩酸中でアノード分極下、0.4
mA/cm2 の電流密度で30分間電気分解することに
より、前記Ag線の表面に塩化銀層を生成させて銀/塩
化銀電極を形成し、これを他端部にて参照極用配線21
dに半田付けして参照極4の内部電極42とした。
【0030】次に、図6、図7に示すように、各イオン
感応極及び参照極の形成位置に合わせてこれらを収納し
得る大きさの貫通孔23a、23b、23c、23dを
設けたポリカーボネート製の枠体23をエポキシ接着剤
にて前記支持体基板2の電極形成側の面に接着した。な
お、各配線の他端部は計測器と接続するための端子部2
2a、22b、22c、22dとして露出させてある。
参照極4に内蔵する電解質溶液6として、AgCl飽和
のKCl飽和水溶液を用い、これを参照極4の貫通孔2
3d内に注入した。次に、図8、図9に示すように、厚
さ50μmの塩化ビニルフィルムよりなる隔膜5を熱接
着法にて上記貫通孔23dの開口端周縁に接着し電解質
溶液6を密封した。その後、溌水性のフッ素樹脂フィル
ム(図示省略)を各電極部のみが露出するように被覆
し、次いで、図10、図11に示すように、ガーゼより
なる拡散部材9を前記貫通孔23a、23b、23c、
23dを覆うように配置し、周縁部を接着剤で固定す
る。
【0031】次に、図12、図13に示すように、上記
の各電極を形成した支持体基板2を収納するアクリル樹
脂製ケース25の所定位置に直径5mmの貫通孔と直径
1.2mmの貫通孔を設けて、それぞれ被検液の滴下孔
26及び浸出部材7の針状部の通し孔27とした。そし
て前記支持体基板2を前記ケース25に挿入した。さら
に、前述の図2に示すように、多孔質のアルミナ磁器製
の針状部71(直径1mm、長さ7mm、気孔率35
%、平均気孔径1.5μm)の一端部に直径5mmの傘
部72を接着剤で取り付け、浸出部材7とした。これを
前記通し孔27にはめ込み、ケース25と傘部72との
間隙部にポリエチレン製のストッパー28を脱着可能に
挿入して一時的に固定した。
【0032】こうして得られたイオンセンサ1を10本
用意し、応答時間、検出電位の再現性、個体間のばらつ
き、イオン濃度勾配について評価した。イオン濃度の測
定は図14に示すように、まず、イオンセンサ1のスト
ッパー28を取り外し、端子部22a、22b、22
c、22dをそれぞれエレクトロメーターに接続し(図
示省略)、浸出部材7の傘部72を指で押し込んで針状
部71を拡散部材9に貫通させるとともに隔膜5を破
り、針状部71の先端部を電解質溶液6と接触させた。
その後、被検液100μlを滴下孔26に滴下し、イオ
ン感応極3a、3b、3cと参照極4との間の各々の電
位差をエレクトロメーターを用いて温度25℃で測定し
た。被検液として、Naイオン濃度:140mM、Kイ
オン濃度:4mM、Clイオン濃度:100mMである
標準血清を用いた。応答時間は、イオンセンサに被検液
を滴下してから検出電位が一定値を示すまでの時間を用
いた。検出電位の再現性は、1本のセンサについて一定
のイオン濃度の被測定液での測定を5回繰り返して行な
い、その検出電位の中心値からのシフト量を用いた。個
体間のばらつきは、同一条件での10本のセンサを測定
した場合の差(最大−最小)を用いた。イオン濃度勾配
は、濃度10〜1000mMにおける検出電位から作成
した検量線からその勾配を算出した。
【0033】Naイオン、Kイオン、Clイオンに対す
る応答性を図15に示す。Naイオンについては約30
秒以内、Kイオン及びClイオンについては約1分以内
で電位が安定した。また、繰り返し測定した場合の再現
性については±2mV、固体間のばらつきについては約
4mV、イオン濃度勾配は55.0〜58.0mV/d
ecadeであった。この結果から明らかなように、本
発明のイオンセンサは、応答時間が従来法のものに比べ
ても短縮されており、再現性及び個体間のばらつきにつ
いても実用的なレベルにあることが確認された。また、
イオン濃度勾配に関しても従来法によるものと比較して
遜色はなく、良好であった。
【0034】
【発明の効果】本発明のイオンセンサは、上記のように
イオン感応極と参照極とが一体化された構成とすること
により、イオン感応極の感応部材である固体電解質を乾
燥状態で保存することができ、また、使用時における参
照極を従来の内部液型と同様に安定した基準電位を発生
させることができる。その結果、応答時間(検出電位が
安定化するまでの時間)が短縮され、検出電位の再現性
が向上し、センサ個体間の検出電位のばらつきが低減さ
れ、検出電位のイオン濃度勾配がネルンスト則の理論値
(59.2mV/decade:25℃)に近似した高
い測定精度を有する測定が簡便な操作で可能となる、と
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のイオンセンサの正面図。
【図2】 本発明のイオンセンサの断面図。
【図3】 配線の形成された支持体基板の正面図。
【図4】 支持体基板上に感応部材及び参照極を形成し
た状態を示す正面図。
【図5】 図4のA−A面における断面図。
【図6】 枠体を装着した状態を示す正面図。
【図7】 図6のB−B面における断面図。
【図8】 隔膜を装着した状態を示す正面図。
【図9】 図8のC−C面における断面図。
【図10】 拡散部材を装着した状態を示す正面図。
【図11】 図10のD−D面における断面図。
【図12】 ケースに挿入した状態を示す正面図。
【図13】 図12のE−E面における断面図。
【図14】 本発明のイオンセンサの使用時の状態を説
明するための断面図。
【図15】 本発明のイオンセンサの応答性を示すグラ
フ。
【符号の説明】
1 イオンセンサ 2 支持体基板 3a,3b,3c イオン感応極 4 参照極 5 隔膜 6 電解質溶液 7 浸出部材 9 拡散部材 25 ケース 28 ストッパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥山雅彦 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 堀部尚子 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体電解質を用いた固体状のイオン感応
    極と、隔膜により電解質溶液を密封してなる参照極と、
    前記隔膜を破損もしくは除去して前記電解質溶液を浸出
    させるための可動式の浸出部材と、滴下した被検液を拡
    散させて前記浸出部材により浸出した電解質溶液と接触
    させるための拡散部材とを備えることを特徴とするイオ
    ンセンサ。
  2. 【請求項2】 前記浸出部材の一部が針状部を有し、前
    記隔膜の一部が前記針状部が針入可能な耐水性膜よりな
    ることを特徴とする請求項1に記載のイオンセンサ。
  3. 【請求項3】 前記針状部が連通気孔を有する親水性の
    多孔質体からなることを特徴とする請求項2に記載のイ
    オンセンサ。
  4. 【請求項4】 前記浸出部材が使用前に前記隔膜を破損
    もしくは除去することを防止するための固定手段を備え
    ることを特徴とする請求項1に記載のイオンセンサ。
  5. 【請求項5】 前記拡散部材が連通気孔を有する親水性
    の多孔質体からなることを特徴とする請求項1に記載の
    イオンセンサ。
  6. 【請求項6】 前記浸出部材と前記拡散部材とが一体に
    形成されていることを特徴とする請求項1に記載のイオ
    ンセンサ。
  7. 【請求項7】 それぞれ異なるイオン種に選択的に応答
    する固体電解質を用いた複数のイオン感応極を備えるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のイオンセンサ。
  8. 【請求項8】 前記固体電解質がセラミックスよりなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のイオンセンサ。
  9. 【請求項9】 固体電解質を用いた固体状のイオン感応
    極と、隔膜により電解質溶液を密封してなる参照極と、
    前記隔膜を破損もしくは除去して前記電解質溶液を浸出
    させるための可動式の浸出部材と、滴下した被検液を拡
    散させて前記浸出部材により浸出した電解質溶液と接触
    させるための拡散部材とを備えるイオンセンサを用いた
    イオン濃度測定方法であって、前記浸出部材の動作によ
    り前記隔膜を破損もしくは除去して電解質溶液の一部を
    浸出させた後、前記イオン感応極の上方より被検液を滴
    下して固体電解質に接触させるとともに、その一部を前
    記拡散部材中を拡散させて前記浸出部材により浸出した
    電解質溶液にも接触せしめ、前記イオン感応極と前記参
    照極との間に生ずる電位差を測定することを特徴とする
    イオン濃度測定方法。
  10. 【請求項10】 前記浸出部材の一部が針状部を有する
    とともに、前記隔膜の一部が前記針状部が針入可能な耐
    水性膜よりなり、前記針状部を前記隔膜に圧接もしくは
    圧入することによりこれを破損もしくは除去し、前記電
    解質溶液を浸出させることを特徴とする請求項9に記載
    のイオン濃度測定方法。
  11. 【請求項11】 前記針状部が連通気孔を有する親水性
    の多孔質体からなり、前記電解質溶液を前記連通気孔を
    通して浸出させることを特徴とする請求項10に記載の
    イオン濃度測定方法。
  12. 【請求項12】 前記拡散部材が連通気孔を有する親水
    性の多孔質体からなることを特徴とする請求項9に記載
    のイオン濃度測定方法。
  13. 【請求項13】 前記浸出部材と前記拡散部材とが一体
    に形成されていることを特徴とする請求項9に記載のイ
    オン濃度測定方法。
  14. 【請求項14】 前記イオンセンサが、それぞれ異なる
    イオン種に選択的に応答する固体電解質を用いた複数の
    イオン感応極を備えており、複数のイオン種のイオン濃
    度を同時に測定することを特徴とする請求項9に記載の
    イオン濃度測定方法。
  15. 【請求項15】 前記固体電解質がセラミックスよりな
    ることを特徴とする請求項9に記載のイオン濃度測定方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023148421A (ja) * 2022-03-30 2023-10-13 住友化学株式会社 電気化学センサユニット

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JP2023148421A (ja) * 2022-03-30 2023-10-13 住友化学株式会社 電気化学センサユニット

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