JPH09176002A - Hsp27ファミリーに属するタンパク質のジンゲロール含有合成抑制剤 - Google Patents
Hsp27ファミリーに属するタンパク質のジンゲロール含有合成抑制剤Info
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- JPH09176002A JPH09176002A JP7352019A JP35201995A JPH09176002A JP H09176002 A JPH09176002 A JP H09176002A JP 7352019 A JP7352019 A JP 7352019A JP 35201995 A JP35201995 A JP 35201995A JP H09176002 A JPH09176002 A JP H09176002A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 分子量16キロダルトンから40キロダルト
ンまでの間の熱ショックタンパク質(HSP27ファミ
リー)がその悪性化や温熱療法の効果の減少に関連する
癌、又はHSP27ファミリーに属するタンパク質がそ
の発症に関連する多発性硬化症などの自己免疫疾患の患
者の生理学的状態を有効に改善させ、前記病気を効果的
に治療することができる、HSP27ファミリーに属す
るタンパク質の合成抑制剤を提供する。 【解決手段】 ジンゲロール又はその誘導体を有効成分
として含有する。
ンまでの間の熱ショックタンパク質(HSP27ファミ
リー)がその悪性化や温熱療法の効果の減少に関連する
癌、又はHSP27ファミリーに属するタンパク質がそ
の発症に関連する多発性硬化症などの自己免疫疾患の患
者の生理学的状態を有効に改善させ、前記病気を効果的
に治療することができる、HSP27ファミリーに属す
るタンパク質の合成抑制剤を提供する。 【解決手段】 ジンゲロール又はその誘導体を有効成分
として含有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジンゲロール又は
その誘導体、特に[6]−ジンゲロールを有効成分とし
て含有する、分子量16キロダルトン(kD)から40
kDまでの間の熱ショックタンパク質群(以下、HSP
27ファミリーと称する)に属するタンパク質の合成抑
制剤に関する。本発明によるHSP27ファミリーに属
するタンパク質の合成抑制剤は、特に、HSP27ファ
ミリーに属するタンパク質の組織内合成を抑制すること
によって、HSP27ファミリーに属するタンパク質が
発症、悪性化、又は治療の障害に関与するものと考えら
れている病気、例えば、癌、又は多発性硬化症などの患
者の生理学的状態を有効に改善させ、前記の病気を効果
的に治療することができる。
その誘導体、特に[6]−ジンゲロールを有効成分とし
て含有する、分子量16キロダルトン(kD)から40
kDまでの間の熱ショックタンパク質群(以下、HSP
27ファミリーと称する)に属するタンパク質の合成抑
制剤に関する。本発明によるHSP27ファミリーに属
するタンパク質の合成抑制剤は、特に、HSP27ファ
ミリーに属するタンパク質の組織内合成を抑制すること
によって、HSP27ファミリーに属するタンパク質が
発症、悪性化、又は治療の障害に関与するものと考えら
れている病気、例えば、癌、又は多発性硬化症などの患
者の生理学的状態を有効に改善させ、前記の病気を効果
的に治療することができる。
【0002】
【従来の技術】近年の化学療法、外科療法、放射線療
法、及び免疫療法などの進歩にもかかわらず、依然とし
て癌による死亡原因に癌の悪性化が直接的又は間接的に
関わっており、癌の悪性化の克服が今後の癌治療の大き
な課題の一つとなっている。癌の悪性度は、癌の増殖
性、浸潤性、又は転移性などによって定められる。悪性
化の現象の一つである転移は原発癌の種類により、転移
を起こしやすい臓器が異なる。癌の転移は複合事象であ
り、原発腫瘍の増殖、癌細胞の原発巣からの離脱と周辺
組織への浸潤・増殖から始まって、腫瘍血管新生、癌細
胞の最寄りの血管内への侵入、血流による遠隔部位への
移動と血管内皮細胞への接着・着床、更に、血管外への
浸潤、遠隔部位(転移組織)での増殖の開始に続いて新
たな腫瘍血管が新生され、やがて可視的な転移巣の形成
に至るまでの複雑な反応カスケードから成り立ってい
る。一般に、癌は、高い悪性度を有するものと、比較的
に悪性度の低いものとに分けられる。しかし、悪性度の
高い癌に対しては根本的な治療法は確立しておらず、患
者は遂には死に至ることが極めて多い。
法、及び免疫療法などの進歩にもかかわらず、依然とし
て癌による死亡原因に癌の悪性化が直接的又は間接的に
関わっており、癌の悪性化の克服が今後の癌治療の大き
な課題の一つとなっている。癌の悪性度は、癌の増殖
性、浸潤性、又は転移性などによって定められる。悪性
化の現象の一つである転移は原発癌の種類により、転移
を起こしやすい臓器が異なる。癌の転移は複合事象であ
り、原発腫瘍の増殖、癌細胞の原発巣からの離脱と周辺
組織への浸潤・増殖から始まって、腫瘍血管新生、癌細
胞の最寄りの血管内への侵入、血流による遠隔部位への
移動と血管内皮細胞への接着・着床、更に、血管外への
浸潤、遠隔部位(転移組織)での増殖の開始に続いて新
たな腫瘍血管が新生され、やがて可視的な転移巣の形成
に至るまでの複雑な反応カスケードから成り立ってい
る。一般に、癌は、高い悪性度を有するものと、比較的
に悪性度の低いものとに分けられる。しかし、悪性度の
高い癌に対しては根本的な治療法は確立しておらず、患
者は遂には死に至ることが極めて多い。
【0003】また、癌の温熱療法(ハイパーサーミア;
hyperthermia)とは、癌組織を加温することにより、腫
瘍細胞を選択的に殺し、癌を治療しようとする方法であ
り、近年注目を浴びている。温熱療法による癌治療は、
温熱の生物学的効果をみると、41〜45℃の比較的温
和な加温で細胞致死効果が得られること、また放射線や
抗癌剤などと併用することにより相乗的な効果が得られ
ることなど、有利な点が多い。温熱療法による癌の治療
法は、臨床においてはほとんどすべての各科で試みられ
ている。しかし、温熱療法の問題点の一つは、加温後一
過性に誘導される温熱耐性である。すなわち、癌細胞が
1回目の加温により一時的に温熱耐性になるために、次
の加温による殺細胞効果が減少する。温熱耐性とは、細
胞(又は組織)を一度亜致死的な加温をすることによ
り、次の加温に対してその細胞(又は組織)が一過性に
温熱抵抗性になることである。温熱耐性のため、現在ほ
とんどの施設において温熱療法を行うのは週1〜2回に
限定されているのが現状である。
hyperthermia)とは、癌組織を加温することにより、腫
瘍細胞を選択的に殺し、癌を治療しようとする方法であ
り、近年注目を浴びている。温熱療法による癌治療は、
温熱の生物学的効果をみると、41〜45℃の比較的温
和な加温で細胞致死効果が得られること、また放射線や
抗癌剤などと併用することにより相乗的な効果が得られ
ることなど、有利な点が多い。温熱療法による癌の治療
法は、臨床においてはほとんどすべての各科で試みられ
ている。しかし、温熱療法の問題点の一つは、加温後一
過性に誘導される温熱耐性である。すなわち、癌細胞が
1回目の加温により一時的に温熱耐性になるために、次
の加温による殺細胞効果が減少する。温熱耐性とは、細
胞(又は組織)を一度亜致死的な加温をすることによ
り、次の加温に対してその細胞(又は組織)が一過性に
温熱抵抗性になることである。温熱耐性のため、現在ほ
とんどの施設において温熱療法を行うのは週1〜2回に
限定されているのが現状である。
【0004】また、癌の化学療法においても、化学療法
に殆ど反応しない肺癌や大腸癌などの固型癌が依然とし
て存在する一方で、化学療法剤に反応する癌でも、やが
て抗癌剤が効かなくなる耐性化が問題となっている。1
988年のアメリカの統計によれば、1年間に診断され
た癌の49%が化学療法に最初から抵抗性を示す内因性
耐性であり、47%が当初化学療法が有効で、腫瘍がい
ったん消退した後に再発した獲得性耐性とされている。
これらの事実から、癌に対する化学療法の効果を妨げる
最も重要な問題の一つは細胞毒性薬剤に対する耐性であ
ることがわかる。
に殆ど反応しない肺癌や大腸癌などの固型癌が依然とし
て存在する一方で、化学療法剤に反応する癌でも、やが
て抗癌剤が効かなくなる耐性化が問題となっている。1
988年のアメリカの統計によれば、1年間に診断され
た癌の49%が化学療法に最初から抵抗性を示す内因性
耐性であり、47%が当初化学療法が有効で、腫瘍がい
ったん消退した後に再発した獲得性耐性とされている。
これらの事実から、癌に対する化学療法の効果を妨げる
最も重要な問題の一つは細胞毒性薬剤に対する耐性であ
ることがわかる。
【0005】また、多発性硬化症(multiple sclerosi
s,MS)は中枢神経白質を特異的に障害する炎症性脱
髄性疾患であり、その発症機序に、神経線維を包んでい
るミエリン鞘を免疫系が攻撃することが示されている自
己免疫疾患である。多発性硬化症は多くの場合、初期に
は急性憎悪・寛解を繰り返すが、その後徐々に進行性の
経過をとるようになる。急性期の症状改善を目的とした
ものとして、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)や副腎
皮質ステロイド剤が、また寛解期での再発予防や慢性進
行型の症状進展防止を目的として、アザチオプリンやサ
イクロフォスファミドなどの免疫抑制剤が用いられてき
た。しかし、現在、多発性硬化症患者に投与されている
薬剤の多くは、その効果が期待されていたほどでなく、
非特異的な療法で副作用も多くみられるなど、十分とは
いい難いのが現状である。多発性硬化症のより特異的な
治療法の開発が期待されている。
s,MS)は中枢神経白質を特異的に障害する炎症性脱
髄性疾患であり、その発症機序に、神経線維を包んでい
るミエリン鞘を免疫系が攻撃することが示されている自
己免疫疾患である。多発性硬化症は多くの場合、初期に
は急性憎悪・寛解を繰り返すが、その後徐々に進行性の
経過をとるようになる。急性期の症状改善を目的とした
ものとして、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)や副腎
皮質ステロイド剤が、また寛解期での再発予防や慢性進
行型の症状進展防止を目的として、アザチオプリンやサ
イクロフォスファミドなどの免疫抑制剤が用いられてき
た。しかし、現在、多発性硬化症患者に投与されている
薬剤の多くは、その効果が期待されていたほどでなく、
非特異的な療法で副作用も多くみられるなど、十分とは
いい難いのが現状である。多発性硬化症のより特異的な
治療法の開発が期待されている。
【0006】一方、熱ショックタンパク質(heat shock
protein;HSP、ストレスタンパク質ともいう)は、
細胞を何らかのストレス、例えば熱、重金属、薬剤、ア
ミノ酸類似体、又は低酸素(低濃度酸素)などで刺激す
ることにより、細胞に発現される一群のタンパク質であ
る。熱ショックタンパク質は、自然界に普遍的に存在し
ており、細菌、酵母、植物、昆虫、及びヒトを含む高等
動物により産生される。
protein;HSP、ストレスタンパク質ともいう)は、
細胞を何らかのストレス、例えば熱、重金属、薬剤、ア
ミノ酸類似体、又は低酸素(低濃度酸素)などで刺激す
ることにより、細胞に発現される一群のタンパク質であ
る。熱ショックタンパク質は、自然界に普遍的に存在し
ており、細菌、酵母、植物、昆虫、及びヒトを含む高等
動物により産生される。
【0007】HSPは、その種類は多種多様であるが、
分子量の大きさからHSP90ファミリー(例えば、9
0kD又は110kDのHSPなど)、HSP70ファ
ミリー(例えば、70〜73kDのHSPなど)、HS
P60ファミリー(例えば、57〜68kDのHSPな
ど)、低分子HSPファミリー(例えば、20kD、2
5〜28kD、又は47kDのHSPなど)の4ファミ
リーに大別することができる。なお、本明細書において
は、特定分子量を有するHSPを、HSPとその直後に
記載する数字とによって示すものとし、例えば、分子量
27kDのHSPを『HSP27』と称するものとす
る。以上のように、HSPには多くの種類が存在する
が、これらは分子量だけでなく、構造、機能、又は性質
などもそれぞれ異なるものである。ストレスへの応答に
加えて、これらのタンパク質の中には構成的に合成され
るものがあり、正常な環境の下で、タンパク質のフォー
ルディング、アンフォールディング、タンパク質サブユ
ニットの会合、タンパク質の膜輸送のような、必須の生
理的な役割を演じていることが示されている。熱ショッ
クタンパク質としてのこれらの機能は、分子シャペロン
と称される。
分子量の大きさからHSP90ファミリー(例えば、9
0kD又は110kDのHSPなど)、HSP70ファ
ミリー(例えば、70〜73kDのHSPなど)、HS
P60ファミリー(例えば、57〜68kDのHSPな
ど)、低分子HSPファミリー(例えば、20kD、2
5〜28kD、又は47kDのHSPなど)の4ファミ
リーに大別することができる。なお、本明細書において
は、特定分子量を有するHSPを、HSPとその直後に
記載する数字とによって示すものとし、例えば、分子量
27kDのHSPを『HSP27』と称するものとす
る。以上のように、HSPには多くの種類が存在する
が、これらは分子量だけでなく、構造、機能、又は性質
などもそれぞれ異なるものである。ストレスへの応答に
加えて、これらのタンパク質の中には構成的に合成され
るものがあり、正常な環境の下で、タンパク質のフォー
ルディング、アンフォールディング、タンパク質サブユ
ニットの会合、タンパク質の膜輸送のような、必須の生
理的な役割を演じていることが示されている。熱ショッ
クタンパク質としてのこれらの機能は、分子シャペロン
と称される。
【0008】HSP27ファミリーに属するタンパク質
の発現は、ヒト乳癌において、リンパ節転移、リンパや
血管への浸潤、より短い生存率との間に顕著な相関があ
る("J. Natl. Cancer Inst." 83: 170-178, 1991)。胃
癌においてもHSP27ファミリーに属するタンパク質
はネガティブな予後因子であるとの報告がある("Br.J.
Surg.", 78: 334-336, 1991)。HSP27ファミリー
に属するタンパク質の原発癌細胞における発現レベルが
癌悪性度、特に癌の再発率と正の相関があるという報告
もあるので("Breast Cancer Res. Treat.", 12: 130,
1988; "Proc.Am. Assoc. Cancer Res.", 30: 252, 19
89)、HSP27ファミリーに属するタンパク質の発現
を抑制することにより、癌の悪性化を防止することが可
能である。
の発現は、ヒト乳癌において、リンパ節転移、リンパや
血管への浸潤、より短い生存率との間に顕著な相関があ
る("J. Natl. Cancer Inst." 83: 170-178, 1991)。胃
癌においてもHSP27ファミリーに属するタンパク質
はネガティブな予後因子であるとの報告がある("Br.J.
Surg.", 78: 334-336, 1991)。HSP27ファミリー
に属するタンパク質の原発癌細胞における発現レベルが
癌悪性度、特に癌の再発率と正の相関があるという報告
もあるので("Breast Cancer Res. Treat.", 12: 130,
1988; "Proc.Am. Assoc. Cancer Res.", 30: 252, 19
89)、HSP27ファミリーに属するタンパク質の発現
を抑制することにより、癌の悪性化を防止することが可
能である。
【0009】癌の温熱療法で問題となる温熱耐性にHS
P27ファミリーに属するタンパク質が関与するという
報告がある。ヒトHSP27遺伝子をマウス又はハムス
ター細胞に導入して発現させたところ、熱ショック後に
生き残る温熱耐性の細胞がHSP27のタンパク質の量
に依存して誘導され増加する("J. Cell. Biol.", 109
: 7-15, 1989)。また、チャイニーズハムスター細胞
で、HSP27を定常的に発現するようになった変異株
が熱耐性を獲得できるようになる("J. Cell. Physio
l.", 137 : 157, 1988)。α−Bクリスタリンは、熱シ
ョック処理で誘導され、HSP27とアミノ酸配列の相
同性が高いタンパク質であり、HSP27ファミリーに
属するタンパク質の一つであるが、α−Bクリスタリン
を過剰発現させた細胞も熱ストレスに対する耐性を獲得
する("J. Cell. Biol.", 125 : 1385-1393, 1994)。こ
のことは、HSP27ファミリーに属するタンパク質の
発現を抑制することにより、温熱耐性を抑え、癌に対す
る温熱療法の効果を増強する可能性を示している。ま
た、HSP27ファミリーに属するタンパク質の発現と
薬剤耐性とが相関するとの報告もあるので("Breast Ca
ncer Res. Treat.", 23:178, 1992; "Cancer Res.", 5
1: 5245-5252, 1991)、HSP27ファミリーに属する
タンパク質の発現を抑制することにより、薬剤耐性を抑
え、化学療法の効果を増強することも可能である。
P27ファミリーに属するタンパク質が関与するという
報告がある。ヒトHSP27遺伝子をマウス又はハムス
ター細胞に導入して発現させたところ、熱ショック後に
生き残る温熱耐性の細胞がHSP27のタンパク質の量
に依存して誘導され増加する("J. Cell. Biol.", 109
: 7-15, 1989)。また、チャイニーズハムスター細胞
で、HSP27を定常的に発現するようになった変異株
が熱耐性を獲得できるようになる("J. Cell. Physio
l.", 137 : 157, 1988)。α−Bクリスタリンは、熱シ
ョック処理で誘導され、HSP27とアミノ酸配列の相
同性が高いタンパク質であり、HSP27ファミリーに
属するタンパク質の一つであるが、α−Bクリスタリン
を過剰発現させた細胞も熱ストレスに対する耐性を獲得
する("J. Cell. Biol.", 125 : 1385-1393, 1994)。こ
のことは、HSP27ファミリーに属するタンパク質の
発現を抑制することにより、温熱耐性を抑え、癌に対す
る温熱療法の効果を増強する可能性を示している。ま
た、HSP27ファミリーに属するタンパク質の発現と
薬剤耐性とが相関するとの報告もあるので("Breast Ca
ncer Res. Treat.", 23:178, 1992; "Cancer Res.", 5
1: 5245-5252, 1991)、HSP27ファミリーに属する
タンパク質の発現を抑制することにより、薬剤耐性を抑
え、化学療法の効果を増強することも可能である。
【0010】多発性硬化症における免疫的に優性な抗原
が、HSP27ファミリーに属するタンパク質であるα
−Bクリスタリンであることが突き止められている("N
ature", 375 : 739-740, 1995)。α−Bクリスタリン
は、多発性硬化症患者の神経組織中での発現が、非発病
者の組織中での発現よりも強く、非常に免疫原性が高い
("Nature", 375 : 798-801, 1995)。これらの事実は、
多発性硬化症で自己抗原となっているのは、HSP27
ファミリーに属するタンパク質の1種であるα−Bクリ
スタリンであり、ミエリン鞘におけるα−Bクリスタリ
ンの発現を抑制することが多発性硬化症の根本的治療に
結び付くことを示している。
が、HSP27ファミリーに属するタンパク質であるα
−Bクリスタリンであることが突き止められている("N
ature", 375 : 739-740, 1995)。α−Bクリスタリン
は、多発性硬化症患者の神経組織中での発現が、非発病
者の組織中での発現よりも強く、非常に免疫原性が高い
("Nature", 375 : 798-801, 1995)。これらの事実は、
多発性硬化症で自己抗原となっているのは、HSP27
ファミリーに属するタンパク質の1種であるα−Bクリ
スタリンであり、ミエリン鞘におけるα−Bクリスタリ
ンの発現を抑制することが多発性硬化症の根本的治療に
結び付くことを示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記事
情に鑑み、癌や多発性硬化症などの病気の患者の生理学
的状態を有効に改善させ、前記の病気を効果的に治療す
ることのできる方法を開発するために、HSP27ファ
ミリーに属するタンパク質に対して合成抑制作用を示す
化合物に関して、種々検討を重ねてきた。その結果、本
発明者らは、意外にも、ショウキョウの成分であるジン
ゲロール、又はその誘導体、特に[6]−ジンゲロール
が、病態を示す組織の細胞におけるHSP27ファミリ
ーに属するタンパク質の合成を特異的に抑制することを
見出した。すなわち、ジンゲロール、又はその誘導体を
投与することにより、細胞内でのHSP27ファミリー
に属するタンパク質の合成が抑制され、従って、癌や多
発性硬化症などの病気の治療が可能であることを見出し
たのである。本発明はこうした知見に基づくものであ
り、癌や多発性硬化症などの病気を効果的に治療するこ
とのできる、HSP27ファミリーに属するタンパク質
の合成抑制剤を提供することを目的とする。
情に鑑み、癌や多発性硬化症などの病気の患者の生理学
的状態を有効に改善させ、前記の病気を効果的に治療す
ることのできる方法を開発するために、HSP27ファ
ミリーに属するタンパク質に対して合成抑制作用を示す
化合物に関して、種々検討を重ねてきた。その結果、本
発明者らは、意外にも、ショウキョウの成分であるジン
ゲロール、又はその誘導体、特に[6]−ジンゲロール
が、病態を示す組織の細胞におけるHSP27ファミリ
ーに属するタンパク質の合成を特異的に抑制することを
見出した。すなわち、ジンゲロール、又はその誘導体を
投与することにより、細胞内でのHSP27ファミリー
に属するタンパク質の合成が抑制され、従って、癌や多
発性硬化症などの病気の治療が可能であることを見出し
たのである。本発明はこうした知見に基づくものであ
り、癌や多発性硬化症などの病気を効果的に治療するこ
とのできる、HSP27ファミリーに属するタンパク質
の合成抑制剤を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、ジン
ゲロール又はその誘導体、特に[6]−ジンゲロールを
有効成分として含有することを特徴とする、分子量16
キロダルトンから40キロダルトンまでの間の熱ショッ
クタンパク質(すなわち、HSP27ファミリーに属す
るタンパク質)の合成抑制剤に関する。本明細書におい
て、「HSP27ファミリー」とは、前記のとおり、分
子量が16kD〜40kDの熱ショックタンパク質群を
意味する。HSP27ファミリーに属するタンパク質と
しては、例えば、哺乳動物のHSP27(すなわち、分
子量27kDの熱ショックタンパク質)〔若しくはHS
P28(すなわち、分子量28kDの熱ショックタンパ
ク質)〕、トリのHSP25(すなわち、分子量25k
Dの熱ショックタンパク質)、又は酵母のHSP26
(すなわち、分子量26kDの熱ショックタンパク質)
などを挙げることができる。なお、一般的に、タンパク
質の分子量は、例えば、分子量測定方法又は実験条件な
どの違いにより多少の差が生じるので、HSP27ファ
ミリーに属するタンパク質の中には、例えば、哺乳動物
におけるHSP27とHSP28とのように、分子量表
記が異なっていても、それらがアミノ酸配列の異なる別
異のタンパク質であるのか、あるいは単に分子量表記の
みが外見上異なる同一のタンパク質であるのかが、現在
のところ明らかではないものも含まれている。HSP2
7ファミリーに属するタンパク質は、前記の低分子HS
Pファミリーに属する熱ショックタンパク質のうち哺乳
動物において最も主要な熱ショックタンパク質であり、
生物種を超えてよく保存された特徴を示す。しかし、H
SP27ファミリーに属するタンパク質は、他の熱ショ
ックタンパク質とは異なり、種ごとに異なる分子量を有
しており、分子量16kD〜40kDと、非常に多様な
タンパク質である。また、HSP27とアミノ酸配列の
相同性の高いα−Bクリスタリンも熱ショック処理で誘
導され、HSP27ファミリーに属するタンパク質の一
つである
ゲロール又はその誘導体、特に[6]−ジンゲロールを
有効成分として含有することを特徴とする、分子量16
キロダルトンから40キロダルトンまでの間の熱ショッ
クタンパク質(すなわち、HSP27ファミリーに属す
るタンパク質)の合成抑制剤に関する。本明細書におい
て、「HSP27ファミリー」とは、前記のとおり、分
子量が16kD〜40kDの熱ショックタンパク質群を
意味する。HSP27ファミリーに属するタンパク質と
しては、例えば、哺乳動物のHSP27(すなわち、分
子量27kDの熱ショックタンパク質)〔若しくはHS
P28(すなわち、分子量28kDの熱ショックタンパ
ク質)〕、トリのHSP25(すなわち、分子量25k
Dの熱ショックタンパク質)、又は酵母のHSP26
(すなわち、分子量26kDの熱ショックタンパク質)
などを挙げることができる。なお、一般的に、タンパク
質の分子量は、例えば、分子量測定方法又は実験条件な
どの違いにより多少の差が生じるので、HSP27ファ
ミリーに属するタンパク質の中には、例えば、哺乳動物
におけるHSP27とHSP28とのように、分子量表
記が異なっていても、それらがアミノ酸配列の異なる別
異のタンパク質であるのか、あるいは単に分子量表記の
みが外見上異なる同一のタンパク質であるのかが、現在
のところ明らかではないものも含まれている。HSP2
7ファミリーに属するタンパク質は、前記の低分子HS
Pファミリーに属する熱ショックタンパク質のうち哺乳
動物において最も主要な熱ショックタンパク質であり、
生物種を超えてよく保存された特徴を示す。しかし、H
SP27ファミリーに属するタンパク質は、他の熱ショ
ックタンパク質とは異なり、種ごとに異なる分子量を有
しており、分子量16kD〜40kDと、非常に多様な
タンパク質である。また、HSP27とアミノ酸配列の
相同性の高いα−Bクリスタリンも熱ショック処理で誘
導され、HSP27ファミリーに属するタンパク質の一
つである
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の合成抑制剤は、有効成分としてジンゲロ
ール又はその誘導体を含有する。本明細書においてジン
ゲロールとは、例えば、[3]−ジンゲロール([3]
−gingerol)、[4]−ジンゲロール([4]
−gingerol)、[5]−ジンゲロール([5]
−gingerol)、[6]−ジンゲロール([6]
−gingerol)、[8]−ジンゲロール([8]
−gingerol)、[10]−ジンゲロール([1
0]−gingerol)、又は[12]−ジンゲロー
ル([12]−gingerol)等を意味する。本発
明においては、それらのジンゲロール同族体は、単独で
用いることもできるし、あるいは、異なる複数のジンゲ
ロールを組み合わせて同時に用いることもできる。本発
明の合成抑制剤において用いられるジンゲロールとして
は、特に、[6]−ジンゲロール〔(S)−5−ヒドロ
キシ−1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)
−3−デカノン;C17H26O4 =294.38〕が最も
好適である。[6]−ジンゲロールは、式
する。本発明の合成抑制剤は、有効成分としてジンゲロ
ール又はその誘導体を含有する。本明細書においてジン
ゲロールとは、例えば、[3]−ジンゲロール([3]
−gingerol)、[4]−ジンゲロール([4]
−gingerol)、[5]−ジンゲロール([5]
−gingerol)、[6]−ジンゲロール([6]
−gingerol)、[8]−ジンゲロール([8]
−gingerol)、[10]−ジンゲロール([1
0]−gingerol)、又は[12]−ジンゲロー
ル([12]−gingerol)等を意味する。本発
明においては、それらのジンゲロール同族体は、単独で
用いることもできるし、あるいは、異なる複数のジンゲ
ロールを組み合わせて同時に用いることもできる。本発
明の合成抑制剤において用いられるジンゲロールとして
は、特に、[6]−ジンゲロール〔(S)−5−ヒドロ
キシ−1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)
−3−デカノン;C17H26O4 =294.38〕が最も
好適である。[6]−ジンゲロールは、式
【化1】 で表される化合物であり、例えば、ショウキョウ等の生
薬に含まれている。
薬に含まれている。
【0014】本発明の合成抑制剤に含有されるジンゲロ
ール又はその誘導体は、化学合成によって、又は天然物
から抽出して精製することによって、調製することがで
きる。あるいは、市販品を用いてもよい。また、本発明
の合成抑制剤において有効成分として用いるジンゲロー
ルを、天然物から抽出する場合には、ジンゲロールを含
有する植物の全体又は一部分(例えば、全草、葉、根、
根茎、茎、根皮、若しくは花)をそのまま用いて、又は
簡単に加工処理(例えば、乾燥、切断、若しくは粉末
化)したもの(例えば、生薬)を用いて抽出する。抽出
条件は一般的に植物抽出に用いられる条件ならば特に制
限はない。
ール又はその誘導体は、化学合成によって、又は天然物
から抽出して精製することによって、調製することがで
きる。あるいは、市販品を用いてもよい。また、本発明
の合成抑制剤において有効成分として用いるジンゲロー
ルを、天然物から抽出する場合には、ジンゲロールを含
有する植物の全体又は一部分(例えば、全草、葉、根、
根茎、茎、根皮、若しくは花)をそのまま用いて、又は
簡単に加工処理(例えば、乾燥、切断、若しくは粉末
化)したもの(例えば、生薬)を用いて抽出する。抽出
条件は一般的に植物抽出に用いられる条件ならば特に制
限はない。
【0015】本発明におけるジンゲロールは、生薬から
抽出する場合、これに限定するものではないが、例えば
ショウキョウから抽出することが好ましい。ショウキョ
ウ(生姜:Ginger;Zingiberis Rh
izoma)とは、ショウガ(Zingiber of
ficinale Roscoe)の根茎の生又は乾燥
物を意味し、それらの部分を単独であるいは任意に組み
合わせて使用することができる。
抽出する場合、これに限定するものではないが、例えば
ショウキョウから抽出することが好ましい。ショウキョ
ウ(生姜:Ginger;Zingiberis Rh
izoma)とは、ショウガ(Zingiber of
ficinale Roscoe)の根茎の生又は乾燥
物を意味し、それらの部分を単独であるいは任意に組み
合わせて使用することができる。
【0016】本発明による合成抑制剤において有効成分
として用いるショウキョウ抽出物は、前記のジンゲロー
ル、特に[6]−ジンゲロールを含有していればよく、
従って、ショウキョウの粗抽出物を用いることができ
る。本発明で用いるショウキョウ抽出物の製造方法とし
ては、ショウキョウを、例えば、水(例えば、温水、好
ましくは熱湯)によって抽出するか、又は有機溶媒を用
いて抽出する。有機溶媒としては、例えば、メチルアル
コール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセト
ン、メチルイソブチルケトン、石油エーテル、シクロヘ
キサン、四塩化炭素、トルエン、ベンゼン、ジクロロメ
タン、クロロホルム、エーテル、ピリジン、ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、又はアセトニトリルなどを用いることができ、こ
れらの有機溶媒を単独、又は適宜組み合わせ、一定の比
率で混合し、更には無水又は含水状態で用いることがで
きる。好ましくは、エチルアルコール−水混合溶媒、エ
チルアルコール、エーテル、クロロホルム、ベンゼン、
アセトン、又は熱石油エーテル等が望ましい。
として用いるショウキョウ抽出物は、前記のジンゲロー
ル、特に[6]−ジンゲロールを含有していればよく、
従って、ショウキョウの粗抽出物を用いることができ
る。本発明で用いるショウキョウ抽出物の製造方法とし
ては、ショウキョウを、例えば、水(例えば、温水、好
ましくは熱湯)によって抽出するか、又は有機溶媒を用
いて抽出する。有機溶媒としては、例えば、メチルアル
コール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセト
ン、メチルイソブチルケトン、石油エーテル、シクロヘ
キサン、四塩化炭素、トルエン、ベンゼン、ジクロロメ
タン、クロロホルム、エーテル、ピリジン、ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、又はアセトニトリルなどを用いることができ、こ
れらの有機溶媒を単独、又は適宜組み合わせ、一定の比
率で混合し、更には無水又は含水状態で用いることがで
きる。好ましくは、エチルアルコール−水混合溶媒、エ
チルアルコール、エーテル、クロロホルム、ベンゼン、
アセトン、又は熱石油エーテル等が望ましい。
【0017】水抽出又は有機溶媒抽出の方法としては、
通常の生薬抽出に用いられる方法を用いることができ、
例えば(乾燥)ショウキョウ1重量部に対し、水又は有
機溶媒5〜300重量部を用いて、攪拌しながら、その
沸点以下の温度で加熱還流することが望ましい。抽出工
程は、通常は5分〜7日間、好ましくは10分〜24時
間実施し、必要に応じて、攪拌等の補助的手段を加える
ことにより、抽出時間を短縮することができる。
通常の生薬抽出に用いられる方法を用いることができ、
例えば(乾燥)ショウキョウ1重量部に対し、水又は有
機溶媒5〜300重量部を用いて、攪拌しながら、その
沸点以下の温度で加熱還流することが望ましい。抽出工
程は、通常は5分〜7日間、好ましくは10分〜24時
間実施し、必要に応じて、攪拌等の補助的手段を加える
ことにより、抽出時間を短縮することができる。
【0018】抽出工程終了後、濾過又は遠心分離等の適
当な方法により、水又は有機溶媒抽出液から、不溶物を
分離して粗抽出物を得ることができる。なお、本発明の
合成抑制剤において、天然物より抽出、分画したジンゲ
ロール、特に[6]−ジンゲロールを用いる場合には、
前記の粗抽出物を特に精製することなく、そのまま使用
してもよい。常法による熱水抽出物又は有機溶媒抽出物
の他に、前記の粗抽出物を各種有機溶媒又は吸着剤等に
より、更に処理した精製抽出物も、本発明の合成抑制剤
の有効成分として用いることができる。これらの粗抽出
物及び各種の精製処理を終えた精製抽出物を含むショウ
キョウ抽出物は、抽出したままの溶液を用いても、溶媒
を濃縮したエキスを用いても良いし、溶媒を留去し乾燥
した粉末、更には結晶化して精製したもの、あるいは粘
性のある物質を用いても良く、またそれらの希釈液を用
いることもできる。こうして得られたショウキョウ抽出
物は、ショウキョウに含まれるジンゲロール(例えば、
[3]−ジンゲロール、[4]−ジンゲロール、[5]
−ジンゲロール、[6]−ジンゲロール、[8]−ジン
ゲロール、[10]−ジンゲロール、及び/又は[1
2]−ジンゲロール等)を混合物として含み、同時に原
料のショウキョウに由来する不純物を含んでいる。
当な方法により、水又は有機溶媒抽出液から、不溶物を
分離して粗抽出物を得ることができる。なお、本発明の
合成抑制剤において、天然物より抽出、分画したジンゲ
ロール、特に[6]−ジンゲロールを用いる場合には、
前記の粗抽出物を特に精製することなく、そのまま使用
してもよい。常法による熱水抽出物又は有機溶媒抽出物
の他に、前記の粗抽出物を各種有機溶媒又は吸着剤等に
より、更に処理した精製抽出物も、本発明の合成抑制剤
の有効成分として用いることができる。これらの粗抽出
物及び各種の精製処理を終えた精製抽出物を含むショウ
キョウ抽出物は、抽出したままの溶液を用いても、溶媒
を濃縮したエキスを用いても良いし、溶媒を留去し乾燥
した粉末、更には結晶化して精製したもの、あるいは粘
性のある物質を用いても良く、またそれらの希釈液を用
いることもできる。こうして得られたショウキョウ抽出
物は、ショウキョウに含まれるジンゲロール(例えば、
[3]−ジンゲロール、[4]−ジンゲロール、[5]
−ジンゲロール、[6]−ジンゲロール、[8]−ジン
ゲロール、[10]−ジンゲロール、及び/又は[1
2]−ジンゲロール等)を混合物として含み、同時に原
料のショウキョウに由来する不純物を含んでいる。
【0019】また、ジンゲロール誘導体としては、例え
ば、天然物中に本来含有されているジンゲロール誘導
体、抽出又は分画の際の化学的処理によって変換したジ
ンゲロール誘導体、及び化学的修飾を行ったジンゲロー
ル誘導体等が含まれる。天然物中に本来含有されている
ジンゲロール誘導体としては、例えば、[6]−ジンジ
ャージオール([6]−gingerdiol)、
[8]−ジンジャージオール([8]−gingerd
iol)、[10]−ジンジャージオール([10]−
gingerdiol)、メチル[6]−ジンジャージ
オール(methyl[6]−gingerdio
l)、メチル[6]−ジンジャージオールジアセテート
(methyl [6]−gingerdiol di
acetate)、又はデヒドロジンゲロン(dehy
drozingerone)等を挙げることができる。
抽出若しくは分画の際の化学的処理によって変換したジ
ンゲロール誘導体としては、例えば、[6]−ショウガ
オール([6]−shogaol)、[8]−ショウガ
オール([8]−shogaol)、[10]−ショウ
ガオール([10]−shogaol)、又はジンゲロ
ン(zingerone)等を挙げることができる。化
学的修飾を行ったジンゲロール誘導体としては、例え
ば、メチルジンゲロール(methylgingero
l)、ジメチルジンゲロール(dimethylgin
gerol)、又はジニトロフェニルジンゲロール(d
initrophenylgingerol)等を挙げ
ることができる。なお、前記のジンゲロール又はその誘
導体には、立体異性体が存在し、本発明では、それらの
任意の純粋な立体異性体又はそれらの混合物を用いるこ
とができる。
ば、天然物中に本来含有されているジンゲロール誘導
体、抽出又は分画の際の化学的処理によって変換したジ
ンゲロール誘導体、及び化学的修飾を行ったジンゲロー
ル誘導体等が含まれる。天然物中に本来含有されている
ジンゲロール誘導体としては、例えば、[6]−ジンジ
ャージオール([6]−gingerdiol)、
[8]−ジンジャージオール([8]−gingerd
iol)、[10]−ジンジャージオール([10]−
gingerdiol)、メチル[6]−ジンジャージ
オール(methyl[6]−gingerdio
l)、メチル[6]−ジンジャージオールジアセテート
(methyl [6]−gingerdiol di
acetate)、又はデヒドロジンゲロン(dehy
drozingerone)等を挙げることができる。
抽出若しくは分画の際の化学的処理によって変換したジ
ンゲロール誘導体としては、例えば、[6]−ショウガ
オール([6]−shogaol)、[8]−ショウガ
オール([8]−shogaol)、[10]−ショウ
ガオール([10]−shogaol)、又はジンゲロ
ン(zingerone)等を挙げることができる。化
学的修飾を行ったジンゲロール誘導体としては、例え
ば、メチルジンゲロール(methylgingero
l)、ジメチルジンゲロール(dimethylgin
gerol)、又はジニトロフェニルジンゲロール(d
initrophenylgingerol)等を挙げ
ることができる。なお、前記のジンゲロール又はその誘
導体には、立体異性体が存在し、本発明では、それらの
任意の純粋な立体異性体又はそれらの混合物を用いるこ
とができる。
【0020】本発明の合成抑制剤は、ジンゲロール若し
くはその誘導体、又はジンゲロール含有植物、例えば、
ジンゲロール含有生薬(特には、ショウキョウ)より抽
出、分画したジンゲロール含有抽出物を、それ単独で、
又は好ましくは製剤学的若しくは獣医学的に許容するこ
とのできる通常の担体と共に、動物、好ましくは哺乳動
物(特にはヒト)に投与することができる。投与剤型と
しては、特に限定がなく、例えば、散剤、細粒剤、顆粒
剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン剤、シロ
ップ剤、エキス剤、若しくは丸剤等の経口剤、又は注射
剤、外用液剤、軟膏剤、坐剤、局所投与のクリーム、若
しくは点眼薬などの非経口剤を挙げることができる。こ
れらの経口剤は、例えば、ゼラチン、アルギン酸ナトリ
ウム、澱粉、コーンスターチ、白糖、乳糖、ぶどう糖、
マンニット、カルボキシメチルセルロース、デキストリ
ン、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、大豆レシ
チン、ショ糖、脂肪酸エステル、タルク、ステアリン酸
マグネシウム、ポリエチレングリコール、ケイ酸マグネ
シウム、無水ケイ酸、又は合成ケイ酸アルミニウムなど
の賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動
性促進剤、希釈剤、保存剤、着色剤、香料、矯味剤、安
定化剤、保湿剤、防腐剤、又は酸化防止剤等を用いて、
常法に従って製造することができる。例えば、[6]−
ジンゲロール1重量部と乳糖99重量部とを混合して充
填したカプセル剤などである。
くはその誘導体、又はジンゲロール含有植物、例えば、
ジンゲロール含有生薬(特には、ショウキョウ)より抽
出、分画したジンゲロール含有抽出物を、それ単独で、
又は好ましくは製剤学的若しくは獣医学的に許容するこ
とのできる通常の担体と共に、動物、好ましくは哺乳動
物(特にはヒト)に投与することができる。投与剤型と
しては、特に限定がなく、例えば、散剤、細粒剤、顆粒
剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン剤、シロ
ップ剤、エキス剤、若しくは丸剤等の経口剤、又は注射
剤、外用液剤、軟膏剤、坐剤、局所投与のクリーム、若
しくは点眼薬などの非経口剤を挙げることができる。こ
れらの経口剤は、例えば、ゼラチン、アルギン酸ナトリ
ウム、澱粉、コーンスターチ、白糖、乳糖、ぶどう糖、
マンニット、カルボキシメチルセルロース、デキストリ
ン、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、大豆レシ
チン、ショ糖、脂肪酸エステル、タルク、ステアリン酸
マグネシウム、ポリエチレングリコール、ケイ酸マグネ
シウム、無水ケイ酸、又は合成ケイ酸アルミニウムなど
の賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動
性促進剤、希釈剤、保存剤、着色剤、香料、矯味剤、安
定化剤、保湿剤、防腐剤、又は酸化防止剤等を用いて、
常法に従って製造することができる。例えば、[6]−
ジンゲロール1重量部と乳糖99重量部とを混合して充
填したカプセル剤などである。
【0021】非経口投与方法としては、注射(皮下、静
脈内等)、又は直腸投与等が例示される。これらのなか
で、注射剤が最も好適に用いられる。例えば、注射剤の
調製においては、有効成分としてのジンゲロール若しく
はその誘導体(特には[6]−ジンゲロール)、又はジ
ンゲロール含有植物抽出物、例えば、ジンゲロール含有
生薬抽出物(特には、ショウキョウ抽出物)の他に、例
えば、生理食塩水、リンゲル液等の水溶性溶剤、植物
油、若しくは脂肪酸エステル等の非水溶性溶剤、ブドウ
糖、若しくは塩化ナトリウム等の等張化剤、溶解補助
剤、安定化剤、防腐剤、懸濁化剤、又は乳化剤等を任意
に用いることができる。また、本発明の合成抑制剤は、
徐放性ポリマーなどを用いた徐放性製剤の手法を用いて
投与してもよい。例えば、本発明の合成抑制剤をエチレ
ンビニル酢酸ポリマーのペレットに取り込ませて、この
ペレットを治療すべき組織中に外科的に移植することが
できる。
脈内等)、又は直腸投与等が例示される。これらのなか
で、注射剤が最も好適に用いられる。例えば、注射剤の
調製においては、有効成分としてのジンゲロール若しく
はその誘導体(特には[6]−ジンゲロール)、又はジ
ンゲロール含有植物抽出物、例えば、ジンゲロール含有
生薬抽出物(特には、ショウキョウ抽出物)の他に、例
えば、生理食塩水、リンゲル液等の水溶性溶剤、植物
油、若しくは脂肪酸エステル等の非水溶性溶剤、ブドウ
糖、若しくは塩化ナトリウム等の等張化剤、溶解補助
剤、安定化剤、防腐剤、懸濁化剤、又は乳化剤等を任意
に用いることができる。また、本発明の合成抑制剤は、
徐放性ポリマーなどを用いた徐放性製剤の手法を用いて
投与してもよい。例えば、本発明の合成抑制剤をエチレ
ンビニル酢酸ポリマーのペレットに取り込ませて、この
ペレットを治療すべき組織中に外科的に移植することが
できる。
【0022】本発明の合成抑制剤は、これに限定される
ものではないが、ジンゲロール又はその誘導体を、0.
01〜99重量%、好ましくは0.1〜80重量%の量
で含有することができる。また、ジンゲロール含有植物
抽出物、例えば、ジンゲロール含有生薬抽出物(特に
は、ショウキョウ抽出物)を有効成分として含有する本
発明の合成抑制剤は、その中に含まれるジンゲロール
(特には、[6]−ジンゲロール)が前記の量範囲にな
るように適宜調整して、調製することができる。なお、
ジンゲロール含有植物抽出物、例えば、ジンゲロール含
有生薬抽出物(特には、ショウキョウ抽出物)を有効成
分として含有する合成抑制剤を、経口投与用製剤とする
場合には、製剤学的に許容することのできる担体を用い
て、製剤化することが好ましい。
ものではないが、ジンゲロール又はその誘導体を、0.
01〜99重量%、好ましくは0.1〜80重量%の量
で含有することができる。また、ジンゲロール含有植物
抽出物、例えば、ジンゲロール含有生薬抽出物(特に
は、ショウキョウ抽出物)を有効成分として含有する本
発明の合成抑制剤は、その中に含まれるジンゲロール
(特には、[6]−ジンゲロール)が前記の量範囲にな
るように適宜調整して、調製することができる。なお、
ジンゲロール含有植物抽出物、例えば、ジンゲロール含
有生薬抽出物(特には、ショウキョウ抽出物)を有効成
分として含有する合成抑制剤を、経口投与用製剤とする
場合には、製剤学的に許容することのできる担体を用い
て、製剤化することが好ましい。
【0023】本発明の合成抑制剤を用いる場合の投与量
は、病気の種類、患者の年齢、性別、体重、症状の程
度、又は投与方法などにより異なり、特に制限はない
が、[6]−ジンゲロール量として通常成人1人当り1
mg〜10g程度を、1日1〜4回程度にわけて、経口
的に又は非経口的に投与する。更に、用途も医薬品に限
定されるものではなく、種々の用途、例えば、機能性食
品や健康食品として飲食物の形で与えることも可能であ
る。
は、病気の種類、患者の年齢、性別、体重、症状の程
度、又は投与方法などにより異なり、特に制限はない
が、[6]−ジンゲロール量として通常成人1人当り1
mg〜10g程度を、1日1〜4回程度にわけて、経口
的に又は非経口的に投与する。更に、用途も医薬品に限
定されるものではなく、種々の用途、例えば、機能性食
品や健康食品として飲食物の形で与えることも可能であ
る。
【0024】
【作用】上記したように、本発明の合成抑制剤に含有さ
れるジンゲロール又はその誘導体、特に[6]−ジンゲ
ロールは、細胞内のHSP27ファミリーに属するタン
パク質の合成を特異的に抑制する作用があるので、前記
ジンゲロール又はその誘導体を投与すると細胞でのHS
P27ファミリーに属するタンパク質の生合成が特異的
に減少する。従って、前記ジンゲロール又はその誘導体
は、例えば、HSP27ファミリーに属するタンパク質
がその悪性化に関連する癌の予防及び治療、HSP27
ファミリーに属するタンパク質がその療法への障害とな
る温熱耐性に関連する癌温熱療法の効果の増強、又はH
SP27ファミリーに属するタンパク質がその発症に関
連する多発性硬化症などの自己免疫疾患の予防及び治療
などに使用することができる。また、HSP27ファミ
リーに属するタンパク質の発現と薬剤耐性とが相関する
との報告もあるので("Breast Cancer Res. Treat.",2
3: 178, 1992; "Cancer Res.", 51: 5245-5252, 199
1)、HSP27ファミリーに属するタンパク質の発現を
抑制することにより、薬剤耐性を抑え、化学療法の効果
を増強することも可能である。
れるジンゲロール又はその誘導体、特に[6]−ジンゲ
ロールは、細胞内のHSP27ファミリーに属するタン
パク質の合成を特異的に抑制する作用があるので、前記
ジンゲロール又はその誘導体を投与すると細胞でのHS
P27ファミリーに属するタンパク質の生合成が特異的
に減少する。従って、前記ジンゲロール又はその誘導体
は、例えば、HSP27ファミリーに属するタンパク質
がその悪性化に関連する癌の予防及び治療、HSP27
ファミリーに属するタンパク質がその療法への障害とな
る温熱耐性に関連する癌温熱療法の効果の増強、又はH
SP27ファミリーに属するタンパク質がその発症に関
連する多発性硬化症などの自己免疫疾患の予防及び治療
などに使用することができる。また、HSP27ファミ
リーに属するタンパク質の発現と薬剤耐性とが相関する
との報告もあるので("Breast Cancer Res. Treat.",2
3: 178, 1992; "Cancer Res.", 51: 5245-5252, 199
1)、HSP27ファミリーに属するタンパク質の発現を
抑制することにより、薬剤耐性を抑え、化学療法の効果
を増強することも可能である。
【0025】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1:ヒト培養癌細胞のHSP発現量の測定 (1)ヒト培養癌細胞の培養 以下の各種ヒト培養癌細胞を、5%二酸化炭素条件下
で、熱ショック処理時以外は、37℃で培養した。肺癌
細胞株H69(ATCC HTB 119)は、10%
非働化ウシ胎児血清(以下、FBSと略称する)を含む
RPMI1640培地中で培養した。子宮癌細胞株He
La S3(ATCC CCL 2.2)は、10%非
働化FBSを含むMEM培地にて培養した。神経腫瘍細
胞株(神経芽細胞腫)SK−N−MC(ATCC HT
B 10)は、非必須アミノ酸(L−アラニン8.9m
g/l、L−アスパラギン・H2 O15.0mg/l、
L−アスパラギン酸13.3mg/l、L−グルタミン
酸14.7mg/l、グリシン7.5mg/l、L−プ
ロリン11.5mg/l及びL−セリン10.5mg/
l)及び10%非働化FBSを含むMEM培地にて培養
した。
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1:ヒト培養癌細胞のHSP発現量の測定 (1)ヒト培養癌細胞の培養 以下の各種ヒト培養癌細胞を、5%二酸化炭素条件下
で、熱ショック処理時以外は、37℃で培養した。肺癌
細胞株H69(ATCC HTB 119)は、10%
非働化ウシ胎児血清(以下、FBSと略称する)を含む
RPMI1640培地中で培養した。子宮癌細胞株He
La S3(ATCC CCL 2.2)は、10%非
働化FBSを含むMEM培地にて培養した。神経腫瘍細
胞株(神経芽細胞腫)SK−N−MC(ATCC HT
B 10)は、非必須アミノ酸(L−アラニン8.9m
g/l、L−アスパラギン・H2 O15.0mg/l、
L−アスパラギン酸13.3mg/l、L−グルタミン
酸14.7mg/l、グリシン7.5mg/l、L−プ
ロリン11.5mg/l及びL−セリン10.5mg/
l)及び10%非働化FBSを含むMEM培地にて培養
した。
【0026】(2)[6]−ジンゲロール処理及び熱シ
ョック処理 播種2日後の前記各種培養ヒト癌細胞の培地中に、最終
濃度100μMになるように[6]−ジンゲロール(松
浦薬業)を添加し、24時間培養した。その後、45℃
にて15分間熱ショック処理をしてから、37℃にて終
夜培養した。対照試験は、[6]−ジンゲロールを添加
しないこと以外は前記と同様に実施した。
ョック処理 播種2日後の前記各種培養ヒト癌細胞の培地中に、最終
濃度100μMになるように[6]−ジンゲロール(松
浦薬業)を添加し、24時間培養した。その後、45℃
にて15分間熱ショック処理をしてから、37℃にて終
夜培養した。対照試験は、[6]−ジンゲロールを添加
しないこと以外は前記と同様に実施した。
【0027】(3)ヒト培養癌細胞でのHSP発現量の
測定 前項(2)で処理した各細胞を、以下に示す方法により
ホモジナイズし、HSP発現量をウェスタンブロット法
にて測定した。すなわち、前項(2)で処理した細胞を
リン酸緩衝生理食塩水〔組成:KCl=0.2g/l,
KH2 PO4 =0.2g/l,NaCl=8g/l,N
a2 HPO4 (無水)=1.15g/l;以下、PBS
(−)と称する〕で洗浄した後、ライシスバッファー
(lysis buffer)〔1.0%NP−40、
0.15M塩化ナトリウム、50mMトリス−HCl
(pH8.0)、5mM−EDTA、2mM−N−エチ
ルマレイミド、2mMフェニルメチルスルホニルフルオ
リド、2μg/mlロイペプチン及び2μg/mlペプ
スタチン〕1mlを加え、氷上で20分間静置した。そ
の後、4℃で12000rpmにて、20分間、遠心を
行った。遠心後の上清10μlをPBS(−)790μ
lに加え、更にプロテインアッセイ染色液(Dye Reagen
t Concentrate : バイオラッド,カタログ番号500-000
6)200μlを加えた。5分間、室温にて静置した
後、595nmで吸光度を測定してタンパク質定量を行
った。
測定 前項(2)で処理した各細胞を、以下に示す方法により
ホモジナイズし、HSP発現量をウェスタンブロット法
にて測定した。すなわち、前項(2)で処理した細胞を
リン酸緩衝生理食塩水〔組成:KCl=0.2g/l,
KH2 PO4 =0.2g/l,NaCl=8g/l,N
a2 HPO4 (無水)=1.15g/l;以下、PBS
(−)と称する〕で洗浄した後、ライシスバッファー
(lysis buffer)〔1.0%NP−40、
0.15M塩化ナトリウム、50mMトリス−HCl
(pH8.0)、5mM−EDTA、2mM−N−エチ
ルマレイミド、2mMフェニルメチルスルホニルフルオ
リド、2μg/mlロイペプチン及び2μg/mlペプ
スタチン〕1mlを加え、氷上で20分間静置した。そ
の後、4℃で12000rpmにて、20分間、遠心を
行った。遠心後の上清10μlをPBS(−)790μ
lに加え、更にプロテインアッセイ染色液(Dye Reagen
t Concentrate : バイオラッド,カタログ番号500-000
6)200μlを加えた。5分間、室温にて静置した
後、595nmで吸光度を測定してタンパク質定量を行
った。
【0028】タンパク質定量を行った試料を用いて、L
aemmliのバッファー系(Laemmli, N. K., "Natur
e", 283 : pp. 249-256, 1970)にて、等量のタンパク質
を含むライセートのSDSポリアクリルアミドゲル電気
泳動を行った。電気泳動後、ブロッティング及びそれに
続くブロッキングを行った。すなわち、タンパク質転写
装置(Trans-Blot Electrophoretic Transfer Cell:バ
イオ・ラッド,カタログ番号170-3946)を用いて、室温
にて100Vにて、0.45μmニトロセルロース膜
(Schleicher & Schuell,カタログ番号401196)にゲル
を密着させ、3時間ブロッティングを行った。ブロッテ
ィングバッファーとしては、0.025Mトリス及び
0.192MグリシンよりなりpH8.5に調整された
トリスグリシンバッファー(Tris Gly Running and Blo
tting Buffer;Enprotech, 米国マサチューセッツ州,
カタログ番号 SA100034)にメチルアルコールを20%に
なるように加えて調製したバッファーを用いた。ブロッ
ティング後、ニトロセルロース膜を10%スキムミルク
(雪印乳業)−PBS(−)溶液に室温にて30分間、
インキュベートし非特異的結合をブロックした。
aemmliのバッファー系(Laemmli, N. K., "Natur
e", 283 : pp. 249-256, 1970)にて、等量のタンパク質
を含むライセートのSDSポリアクリルアミドゲル電気
泳動を行った。電気泳動後、ブロッティング及びそれに
続くブロッキングを行った。すなわち、タンパク質転写
装置(Trans-Blot Electrophoretic Transfer Cell:バ
イオ・ラッド,カタログ番号170-3946)を用いて、室温
にて100Vにて、0.45μmニトロセルロース膜
(Schleicher & Schuell,カタログ番号401196)にゲル
を密着させ、3時間ブロッティングを行った。ブロッテ
ィングバッファーとしては、0.025Mトリス及び
0.192MグリシンよりなりpH8.5に調整された
トリスグリシンバッファー(Tris Gly Running and Blo
tting Buffer;Enprotech, 米国マサチューセッツ州,
カタログ番号 SA100034)にメチルアルコールを20%に
なるように加えて調製したバッファーを用いた。ブロッ
ティング後、ニトロセルロース膜を10%スキムミルク
(雪印乳業)−PBS(−)溶液に室温にて30分間、
インキュベートし非特異的結合をブロックした。
【0029】ブロッキング後、ニトロセルロース膜の上
で、抗ヒトHSP27マウスモノクローナル抗体(Stre
ssGen, Victoria, B.C., Canada, カタログ番号 SPA-8
00)により、1次抗体反応を行った。この抗ヒトHSP
27マウスモノクローナル抗体は、ヒト乳癌細胞株MC
F7(ATCC HTB 22)より単離したHSP2
4を免疫原として作製した抗体であり("Cancer Res.",
42, 4256-4258, 1982)、HSP27(ヒトHSP2
7、チンパンジーHSP27、及びヒツジHSP27)
と特異的に反応し("Cancer Res.", 42, 4256-4258, 1
982 ; "Cancer Res.", 43, 4297-4301, 1983)、HSP
24及びHSP28とも特異的に反応する。1次抗体反
応後、PBS(−)で5分間ずつ、溶液を取り替えて2
回の洗浄をスロー・ロッキング・シェイカーによって行
い、更にPBS(−)−0.1%Tween20(バイ
オ・ラッド,カタログ番号170-6531)溶液で15分間ず
つ、溶液を取り替えて4回の洗浄を行った。最終的に、
PBS(−)で5分間ずつ、2回の洗浄を行った。
で、抗ヒトHSP27マウスモノクローナル抗体(Stre
ssGen, Victoria, B.C., Canada, カタログ番号 SPA-8
00)により、1次抗体反応を行った。この抗ヒトHSP
27マウスモノクローナル抗体は、ヒト乳癌細胞株MC
F7(ATCC HTB 22)より単離したHSP2
4を免疫原として作製した抗体であり("Cancer Res.",
42, 4256-4258, 1982)、HSP27(ヒトHSP2
7、チンパンジーHSP27、及びヒツジHSP27)
と特異的に反応し("Cancer Res.", 42, 4256-4258, 1
982 ; "Cancer Res.", 43, 4297-4301, 1983)、HSP
24及びHSP28とも特異的に反応する。1次抗体反
応後、PBS(−)で5分間ずつ、溶液を取り替えて2
回の洗浄をスロー・ロッキング・シェイカーによって行
い、更にPBS(−)−0.1%Tween20(バイ
オ・ラッド,カタログ番号170-6531)溶液で15分間ず
つ、溶液を取り替えて4回の洗浄を行った。最終的に、
PBS(−)で5分間ずつ、2回の洗浄を行った。
【0030】洗浄終了後、ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗
マウスIgG抗体(CAPPEL,カタログ番号55550)を、2
%スキムミルクを含むPBS(−)溶液で5000倍に
希釈して調製した抗体溶液5mlを用いて、2時間、2
次抗体反応を行った。反応終了後、ニトロセルロース膜
に関して、PBS(−)溶液で5分間ずつ溶液を変えて
2回、更にPBS(−)−0.1%Tween20溶液
で15分間ずつ溶液を変えて5回の洗浄をスロー・ロッ
キング・シェイカーにより行った。最後にPBS(−)
溶液で5分間ずつ2回の洗浄を行った。余分なPBS
(−)溶液を除去した後、ウェスタンブロッティング検
出試薬(ECL Western blotting detectionreagent;Ame
rsham,カタログ番号RPN2106)をニトロセルロース膜上
に振りかけ、1分間インキュベートした後、余分な検出
試薬を除去し、ニトロセルロース膜をラップに包み、反
応面をX線フィルム(コダック X-OMAT, AR, カタログ
番号165 1454)に密着させて露光し、現像してHSP2
7の有無の検討を行った。結果を表1に示す。表中、
「↓」は、対照に比べて、HSP27発現量が減少した
ことを意味する。
マウスIgG抗体(CAPPEL,カタログ番号55550)を、2
%スキムミルクを含むPBS(−)溶液で5000倍に
希釈して調製した抗体溶液5mlを用いて、2時間、2
次抗体反応を行った。反応終了後、ニトロセルロース膜
に関して、PBS(−)溶液で5分間ずつ溶液を変えて
2回、更にPBS(−)−0.1%Tween20溶液
で15分間ずつ溶液を変えて5回の洗浄をスロー・ロッ
キング・シェイカーにより行った。最後にPBS(−)
溶液で5分間ずつ2回の洗浄を行った。余分なPBS
(−)溶液を除去した後、ウェスタンブロッティング検
出試薬(ECL Western blotting detectionreagent;Ame
rsham,カタログ番号RPN2106)をニトロセルロース膜上
に振りかけ、1分間インキュベートした後、余分な検出
試薬を除去し、ニトロセルロース膜をラップに包み、反
応面をX線フィルム(コダック X-OMAT, AR, カタログ
番号165 1454)に密着させて露光し、現像してHSP2
7の有無の検討を行った。結果を表1に示す。表中、
「↓」は、対照に比べて、HSP27発現量が減少した
ことを意味する。
【0031】
【表1】癌種 癌細胞 子宮 HeLa S3 ↓ 肺 H69 ↓神経 SK-N-MC ↓
【0032】対照試験、すなわち、[6]−ジンゲロー
ルを添加しなかった細胞では、分子量約27kDのバン
ドが一本検出された。なお、分子量は、前記抗ヒトHS
P27マウスモノクローナル抗体との結合、及び分子量
マーカー(ダイズトリプシンインヒビター及びウシカー
ボニックアンヒドラーゼ)により決定した。表1に示す
とおり、[6]−ジンゲロールは子宮癌細胞株HeLa
S3、肺癌細胞株H69、神経腫瘍細胞株SK−N−
MCにおいてHSP27の発現を抑制した。すなわち、
[6]−ジンゲロールは、HSP27の発現を抑制する
合成抑制剤の活性を有するものと結論づけられる。
ルを添加しなかった細胞では、分子量約27kDのバン
ドが一本検出された。なお、分子量は、前記抗ヒトHS
P27マウスモノクローナル抗体との結合、及び分子量
マーカー(ダイズトリプシンインヒビター及びウシカー
ボニックアンヒドラーゼ)により決定した。表1に示す
とおり、[6]−ジンゲロールは子宮癌細胞株HeLa
S3、肺癌細胞株H69、神経腫瘍細胞株SK−N−
MCにおいてHSP27の発現を抑制した。すなわち、
[6]−ジンゲロールは、HSP27の発現を抑制する
合成抑制剤の活性を有するものと結論づけられる。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、ジンゲロール又は
その誘導体、特に[6]−ジンゲロールは細胞内のHS
P27ファミリーに属するタンパク質の発現を抑制する
合成抑制剤の活性を有する。従って、ジンゲロール又は
その誘導体、特に[6]−ジンゲロールを投与すること
により、例えば、HSP27ファミリーに属するタンパ
ク質がその悪性化や温熱療法の効果の減少に関連する
癌、その発症に関連する多発性硬化症などの自己免疫疾
患の患者の生理学的状態を有効に改善させ、前記病気を
効果的に治療することができる。また、HSP27ファ
ミリーに属するタンパク質発現と薬剤耐性とが相関する
との報告もあるので("Breast Cancer Res.Treat.", 2
3: 178, 1992; "Cancer Res.", 51: 5245-5252, 199
1)、HSP27ファミリーに属するタンパク質の発現を
抑制することにより、薬剤耐性を抑え、化学療法の効果
を増強することも可能である。
その誘導体、特に[6]−ジンゲロールは細胞内のHS
P27ファミリーに属するタンパク質の発現を抑制する
合成抑制剤の活性を有する。従って、ジンゲロール又は
その誘導体、特に[6]−ジンゲロールを投与すること
により、例えば、HSP27ファミリーに属するタンパ
ク質がその悪性化や温熱療法の効果の減少に関連する
癌、その発症に関連する多発性硬化症などの自己免疫疾
患の患者の生理学的状態を有効に改善させ、前記病気を
効果的に治療することができる。また、HSP27ファ
ミリーに属するタンパク質発現と薬剤耐性とが相関する
との報告もあるので("Breast Cancer Res.Treat.", 2
3: 178, 1992; "Cancer Res.", 51: 5245-5252, 199
1)、HSP27ファミリーに属するタンパク質の発現を
抑制することにより、薬剤耐性を抑え、化学療法の効果
を増強することも可能である。
フロントページの続き (72)発明者 清輔 洋一 東京都新宿区百人町3−26−1−303 (72)発明者 吉村 真 神奈川県川崎市麻生区下麻生1154−91 (72)発明者 吉汲 親雄 東京都国立市東2−19−46 (72)発明者 西條 長宏 東京都目黒区東が丘2−5−28
Claims (4)
- 【請求項1】 ジンゲロール又はその誘導体を有効成分
として含有することを特徴とする、分子量16キロダル
トンから40キロダルトンまでの間の熱ショックタンパ
ク質の合成抑制剤。 - 【請求項2】 ジンゲロールが[6]−ジンゲロールで
ある、請求項1に記載の分子量16キロダルトンから4
0キロダルトンまでの間の熱ショックタンパク質の合成
抑制剤。 - 【請求項3】 ジンゲロール含有植物の抽出物を有効成
分として含有することを特徴とする、分子量16キロダ
ルトンから40キロダルトンまでの間の熱ショックタン
パク質の合成抑制剤。 - 【請求項4】 ショウキョウの抽出物を有効成分として
含有することを特徴とする、分子量16キロダルトンか
ら40キロダルトンまでの間の熱ショックタンパク質の
合成抑制剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7352019A JPH09176002A (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | Hsp27ファミリーに属するタンパク質のジンゲロール含有合成抑制剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7352019A JPH09176002A (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | Hsp27ファミリーに属するタンパク質のジンゲロール含有合成抑制剤 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09176002A true JPH09176002A (ja) | 1997-07-08 |
Family
ID=18421228
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7352019A Pending JPH09176002A (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | Hsp27ファミリーに属するタンパク質のジンゲロール含有合成抑制剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09176002A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1999016903A1 (en) * | 1997-09-29 | 1999-04-08 | Hsp Research Institute, Inc. | Method for screening heat shock protein expression induction regulators |
| WO2001005414A1 (en) * | 1999-07-19 | 2001-01-25 | Qing Qi | Algae protein polysaccharide extraction and use thereof |
| EP3131541A4 (en) * | 2014-04-14 | 2018-02-14 | Flex Pharma, Inc. | Ion channel activators and methods of use |
| US11253493B2 (en) | 2017-01-23 | 2022-02-22 | Cliff-Cartwright Corporation | Compositions and methods affecting exercise performance |
-
1995
- 1995-12-27 JP JP7352019A patent/JPH09176002A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1999016903A1 (en) * | 1997-09-29 | 1999-04-08 | Hsp Research Institute, Inc. | Method for screening heat shock protein expression induction regulators |
| WO2001005414A1 (en) * | 1999-07-19 | 2001-01-25 | Qing Qi | Algae protein polysaccharide extraction and use thereof |
| EP3131541A4 (en) * | 2014-04-14 | 2018-02-14 | Flex Pharma, Inc. | Ion channel activators and methods of use |
| US11253493B2 (en) | 2017-01-23 | 2022-02-22 | Cliff-Cartwright Corporation | Compositions and methods affecting exercise performance |
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