JPH09176429A - 熱可塑性樹脂組成物およびゴルフボール - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびゴルフボール

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JPH09176429A
JPH09176429A JP7350960A JP35096095A JPH09176429A JP H09176429 A JPH09176429 A JP H09176429A JP 7350960 A JP7350960 A JP 7350960A JP 35096095 A JP35096095 A JP 35096095A JP H09176429 A JPH09176429 A JP H09176429A
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golf ball
block copolymer
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ethylene
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喜弘 大塚
Yoshiyuki Harano
芳行 原野
Katsuhisa Sakai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スリーピースゴルフボールのセンター、ツー
ピースボールのコア、ワンピースボール、ゴルフボール
カバーなどの材料に適した柔軟性及び反発弾性に優れる
熱可塑性樹脂組成物及び当該組成物を用いたゴルフボー
ルを提供する。 【解決手段】 (A)熱可塑性ポリエステル系エラスト
マーおよび熱可塑性ポリアミドエラストマーからなる群
より選ばれる熱可塑性エストラマー20〜90重量部、
(B)不飽和カルボン酸を含むエチレン共重合体のアイ
オノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重
合体の不飽和カルボン酸またはその無水物グラフト変性
体およびそのアイオノマーからなる群から選ばれるエチ
レン系共重合体80〜10重量部、および、(C)エポ
キシ化ジエン系ブロック共重合体1〜30重量部[但
し、(A)+(B)の合計100重量部に対して]から
成ることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、並びに当該
組成物を材料としたゴルフボール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性および反発
弾性に優れた熱可塑性樹脂組成物並びに当該組成物から
成るゴルフボールに関する。更に詳しくは、ゴルフボー
ルのカバー材および/またはコア材として、あるいはワ
ンピースボール材料として好適な熱可塑性樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】ゴルフボールの製造は、従来、コア材料
としてポリブタジエンのような熱硬化型ゴムが使用され
ているため、煩雑でコストがかかるという難点があっ
た。この様な難点を改善するため、ポリアミド系または
ポリエステル系の熱可塑性エラストマーと、エチレン系
アイオノマーと、エポキシ基含有化合物とから成る、ゴ
ルフボール材料として好適な熱可塑性樹脂組成物が特表
平6−504308号公報において提案されている。こ
の様な組成物は、反発弾性および耐久性に優れ、熱可塑
性であるが故に、射出成形によって効率よくゴルフボー
ルコアやワンピースボールが製造できる点に魅力があ
る。該公報における典型的な配合組成は、主要成分とし
て熱可塑性エラストマーと硬質アイオノマーを用いるも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般にゴルフボールの
打球感やボールコントロールの向上の為に柔軟な材料が
好まれるが、上記の典型的な配合処方で柔軟化するに
は、熱可塑性エラストマーの使用割合を増やす必要があ
り、ボールが高価なものとなってくる。柔軟化を図る別
法として、硬質アイオノマーの一部又は全部を、柔軟な
エチレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体のアイオノマーで置き換える方法が考え
られるが、柔軟性を重視すると反発弾性の少なさからざ
る低下を招き、商品価値の高いゴルフボールを製造する
ことができない。
【0004】また、特開平6−299052号公報に
は、特定のグラフト変性体又はそのアイオノマーを添加
することにより改善が図れると記載されているが、まだ
柔軟性、反発弾性さらには熱可塑性エラストマーとアイ
オノマーの相溶性の面から満足のいくものではない。
【0005】したがって、ゴルフボール材料に好適なも
のとして、柔軟性および反発弾性のいずれにも優れる熱
可塑性樹脂が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題に鑑
み詳細に検討を進めた結果、(A)熱可塑性ポリアミド
エラストマーおよび熱可塑性ポリエステル系エラストマ
ーから成る群より選ばれる熱可塑性エラストマー、
(B)アイオノマー等のエチレン系共重合体、(C)特
定のエポキシ化ジエン系ブロック共重合体から成る熱可
塑性樹脂組成物が柔軟性および反発弾性のいずれにも優
れることを見い出し、本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明は、(A)熱可塑性ポリ
エステル系エラストマーおよび熱可塑性ポリアミドエラ
ストマーからなる群より選ばれる熱可塑性エストラマー
20〜90重量部、(B)不飽和カルボン酸を含むエチ
レン共重合体のアイオノマー、エチレン・(メタ)アク
リル酸エステル共重合体の不飽和カルボン酸またはその
無水物グラフト変性体およびそのアイオノマーからなる
群から選ばれるエチレン系共重合体80〜10重量部、
および、(C)エポキシ化ジエン系ブロック共重合体1
〜30重量部[但し、(A)+(B)の合計100重量
部に対して]から成ることを特徴とする熱可塑性樹脂組
成物を提供する。
【0008】また、本発明は、上記組成物を材料とする
ゴルフボールを提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を成分等の項目に分
けて説明する。
【0010】<熱可塑性エラストマー>本発明で用いら
れる熱可塑性エラストマー[(A)成分]は、熱可塑性
ポリエステルエラストマー又は熱可塑性ポリアミドエラ
ストマーである。
【0011】熱可塑性ポリエステルエラストマーとして
は、ハードセグメントとして芳香族ポリエステル、ソフ
トセグメントとしてポリオキシアルキレングリコールを
重合単位として有するポリエステルエーテルエラストマ
ー、および、ハードセグメントとして芳香族ポリエステ
ル、ソフトセグメントとして脂肪族ポリエステルを重合
単位として有するポリエステルエステルエラストマーが
例示される。前者の例において、芳香族ポリエステル重
合単位は、芳香族ジカルボン酸成分と分子量250以下
の脂肪族又は脂環族のジオール成分とから誘導されるも
のであり、代表的なものはポリエチレンテレフタレート
およびポリテトラメチレンテレフタレートである。ま
た、ポリオキシアルキレングリコールの重合単位は、炭
素数2〜6程度のグリコールから誘導される数平均分子
量400〜6,000のものであって、代表的なものは
ポリオキシエチレングリコールおよびポリオキシテトラ
メチレングリコールである。ポリエチレンエーテルエラ
ストマー中に含まれるエーテルとエステルの比率(モル
比)は、通常、10〜90対90〜10、好ましくは2
0〜80対80〜20である。そしてそのショアD硬度
は、通常70以下、好ましくは30〜50である。また
ポリエステルエステルエラストマーとしては、前記ポリ
エステルエーテルエラストマーのポリオキシアルキレン
グリコール単位を、脂肪族ポリエステル単位、例えばポ
リテトラメチレンアジベート、ポリテトラメチレンセバ
ケートの如き単位に変える以外は同様のものが例示され
る。
【0012】ポリアミドエラストマーとしては、ハード
セグメントとして、ナイロン6、ナイロン11、ナイロ
ン12、芳香族ポリアミドなどのポリアミド単位を有
し、ソフトセグメントとして、ポリオキシテトラメチレ
ングリコール、ポリオキシプロピレングリコールのよう
なポリオキシアルキレングリコール、または、脂肪酸ポ
リエステルなどの単位を有するブロック共重合体が例示
される。
【0013】ハードセグメントであるポリアミド単位
は、数平均分子量が300〜15,000のものが好ま
しく、またソフトセグメントとしては数平均分子量40
0〜6,000のものが好ましい。またポリアミドエラ
ストマーの固有粘度は好ましくは0.8〜2.05程度
であり、エーテル(又はエステル)とアミドの比率(モ
ル比)は、通常、10〜90対90〜10、好ましくは
20〜80対80〜20であり、ショアD硬度は、通
常、60以下、好ましくは30〜50である。
【0014】<エチレン系共重合体>本発明で用いられ
るエチレン系共重合体[(B)成分]は、不飽和カルボ
ン酸を含むエチレン共重合体のアイオノマー、エチレン
共重合体のグラフト変性体、または、そのアイオノマー
である。
【0015】不飽和カルボン酸を含むエチレン共重合体
のアイオノマーは、エチレンと不飽和カルボン酸のラン
ダム共重合体、または、エチレン、不飽和カルボン酸お
よび他の共重合可能な単量体のランダム共重合体のアイ
オノマーである。ランダム共重合体における不飽和カル
ボン酸の重合割合は、通常5〜35重量%、好ましくは
10〜30重量%、一層好ましくは13〜25重量%で
あり、他の共重合可能な単量体の重合割合は、通常0〜
40重量%、好ましくは0〜25重量%、一層好ましく
は0〜5重量%である。不飽和カルボン酸の好適な例
は、アクリル酸またはメタクリル酸であり、他の共重合
可能な単量体の好適な例は、(メタ)アクリル酸エステ
ルである。
【0016】このようなアイオノマーにおける金属イオ
ンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネ
シウム、バリウム、鉛、錫、亜鉛、アルミニウムなどが
例示でき、特にリチウム、ナトリウム、マグネシウム、
亜鉛およびこれらの2種類以上の組み合わせが好まし
い。金属イオンによる中和度は、通常、5〜100%、
好ましくは20〜80%である。また、上記アイオノマ
ーとして、190℃、2160gの荷重におけるメルト
フローレートが0.01〜20g/10分、特に、0.
1〜10g/10分のものを使用することが好ましい。
【0017】更に、エチレン・(メタ)アクリル酸エス
テル共重合体のグラフト変性体およびそのアイオノマー
を本発明で用いてもよい。本発明で用いられるグラフト
変性体またはそのアイオノマーは、エチレン・(メタ)
アクリル酸エステル共重合体に不飽和ジカルボン酸また
はその無水物をグラフト重合させたものまたはそのアイ
オノマーである。
【0018】上記エチレン・(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体における(メタ)アクリル酸エステルは、ア
クリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを意味
し、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチルなどを例示
することができる。
【0019】上記共重合体はエチレンと(メタ)アクリ
ル酸エステルのランダム共重合体であって、その(メ
タ)アクリル酸エステルの重合割合は、通常、10〜4
5重量%、好ましくは15〜40重量%である。この重
合割合が少ない共重合体を用いると、柔軟性改善効果が
小さく、一方、その重合割合が大きすぎると、柔軟性は
改善されるが、反発弾性が低下する傾向となる。
【0020】上記共重合体にグラフトさせる不飽和ジカ
ルボン酸またはその無水物としては、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、ノルボルネン2,
3−ジカルボン酸無水物等を例示することができるる。
これらの内、安価で且つ少量のグラフト量で効果的なと
ころから無水マレイン酸の使用が好ましい。グラフト重
合は、ラジカル開始剤を用い、不活性媒体中、または共
重合体の溶融条件下で行うことが出来る。この様な条件
下のグラフト重合は既によく知られている。グラフト変
性体における不飽和ジカルボン酸または無水物のグラフ
ト量は、通常、0.5〜5重量%、好ましくは1〜4重
量%である。
【0021】本発明においては前記の様なグラフト変性
体そのものを用いてもよいし、先に例示したような金属
イオンにより、部分的又は全部がイオン化されたアイオ
ノマーとして用いてもよい。何れにしても、(B)成分
として190℃、2160g荷重におけるメルトフロー
レートが0.001〜20g/10分、特に0.1〜1
5g/10分のものを用いるのが好ましい。
【0022】<エポキシ化ジエンブロック共重合体>本
発明で用いられるエポキシ化ジエン系ブロック共重合体
[(C)成分]は、ブロック共重合体または部分水添ブ
ロック共重合体の共役ジエン化合物に由来する二重結合
をエポキシ化したものである。その基体となるブロック
共重合体とは、少なくとも1種のビニル芳香族化合物を
主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1種の共役
ジエン化合物を主体とする重合体Bブロックとから成る
ブロック共重合体であり、例えば、A−B、A−B−
A、B−A−B−A、(A−B−)4−Si、A−B−
A−B−A等の構造を有するビニル芳香族化合物−共役
ジエン化合物ブロック共重合体である。また部分水添ブ
ロック共重合体とは、該ブロック共重合体を水素添加し
て得られるものである。以下に該ブロック共重合体およ
び部分水添ブロック共重合体に関して先ず説明する。
【0023】このブロック共重合体は、ビニル芳香族化
合物を5〜95重量%、好ましくは10〜60重量%、
更に好ましくは10〜50重量%含む。また、ビニル芳
香族化合物を主体とする重合体ブロックAが、ビニル芳
香族化合物のホモ重合体ブロック、または、ビニル芳香
族化合物を通常50重量%を超えて、好ましくは70重
量%以上含有する、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化
合物との共重合体ブロックの構造を有し、さらに、共役
ジエン化合物を主体とする重合体ブロックが、共役ジエ
ン化合物のホモ重合体ブロック、または、共役ジエン化
合物を通常50重量%を超えて、好ましくは70重量%
以上含有する、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物
との共重合体ブロック構造を有するものである。また、
これらのビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロッ
クAおよび共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロッ
クBは、それぞれの重合体ブロックにおける分子鎖中の
共役ジエン化合物またはビニル芳香族化合物の分布がラ
ンダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増
加又は減少するもの)、一部ブロック状又はこれらの任
意の組み合わせで成っていてもよく、該ビニル芳香族化
合物を主体とする重合体ブロックおよび該共役ジエン化
合物を主体とする重合体ブロックがそれぞれ2個以上あ
る場合は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であ
ってもよく、異なる構造であってもよい。
【0024】ブロック共重合体を構成するビニル芳香族
化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン、1,1
−ジフェニルエチレン等の内から1種又は2種以上が選
択でき、中でもスチレンが好ましい。また、共役ジエン
化合物としては、例えば、ブタジエン、イソブレン、
1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン等の内から1種又は2種以上が選択でき、中で
もブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせが
好ましい。そして、共役ジエン化合物を主体とする重合
体ブロックは、そのブロックにおけるミクロ構造を任意
に選ぶことができ、例えばポリブタジエンブロックにお
いては、1,2−ビニル結合構造が5〜65モル%の範
囲が好ましく、特に好ましくは10〜50モル%の範囲
である。
【0025】上記の構造を有するブロック共重合体の数
平均分子量は、通常、5,000〜1,000,00
0、好ましくは10,000〜800,000、さらに
好ましくは30,000〜500,000の範囲であ
り、分子量分布[重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比(Mw/Mn)]は、通常、10以下
である。更にブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、
分岐状、放射状またはこれらの任意の組み合わせの何れ
であってもよい。
【0026】これらのブロック共重合体の製造方法とし
ては、上記した構造を有するものであればどの様な製造
方法で得られるものであっても構わない。例えば、特公
昭40−23798号公報に記載された方法により、リ
チウム触媒を用いて不活性溶媒中でビニル芳香族化合物
−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成することが
できる。
【0027】部分水添ブロック共重合体とは、上記のビ
ニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体
を水素添加することによって得られるものであり、この
水添ブロック共重合体の製造方法としては、例えば特公
昭42−8794号公報、特公昭43−6636号公報
に記載された方法を採用することもできるが、特に、得
られる水添ブロック共重合体が耐候性、耐熱劣化性に優
れた性能を発揮するものになるため、チタン系水添触媒
を用いて合成することが最も好ましく、例えば、特開昭
59−133203号公報および特開昭60−7900
5号公報に記載された方法により、不活性溶媒中でチタ
ン系水添触媒の存在下に、上記した構造を有するブロッ
ク共重合体を水素添加して水添ブロック共重合体を合成
することができる。その際、ビニル芳香族化合物−共役
ジエン化合物ブロック共重合体の共役ジエン化合物に基
づく脂肪族二重結合は、通常、その0〜99モル%、好
ましくは20〜98モル%が水素添加される。尚、これ
らのブロック共重合体および部分水添共重合体は上市さ
れており、容易に入手することができる。
【0028】本発明で用いられるエポキシ化ジエン系ブ
ロック共重合体は、上記のブロック共重合体または部分
水添ブロック共重合体にエポキシ化剤を反応させ、共役
ジエン化合物に基づく脂肪族二重結合をエポキシ化した
ものである。
【0029】本発明に用いるエポキシ化ジエン系ブロッ
ク共重合体は上記のブロック共重合体または部分水添ブ
ロック共重合体を不活性溶媒中でハイドロパーオキサイ
ド類、過酸類などのエポキシ化剤と反応させることによ
り得ることができる。例えば、過ギ酸、過酢酸、過安息
香酸の混合物を過酸化水素と、または有機酸を過酸化水
素と、またはモリブデンヘキサカルボニルをターシャリ
ブチルハイドロパーオキサイドと併用する。また、エポ
キシ化剤の最適量は、使用する個々のエポキシ化剤、所
望されるエポキシ化度、使用する個々のブロック共重合
体などのような可変要因によって決めることができる。
【0030】なお、得られたエポキシ化ジエン系ブロッ
ク共重合体の単離は適当な方法、例えば貧溶媒で沈殿さ
せる方法、重合体を熱水中に攪拌の下で投入し溶媒を蒸
留除去する方法、直接脱溶媒法などで行うことができ
る。
【0031】エポキシ化ジエン系ブロック共重合体のエ
ポキシ当量は、通常、250〜10,000であり、好
ましくは300〜6,000である。このような共重合
体として、190℃、2160g荷重におけるメルトフ
ローレートが0.1〜30g/10分のものを用いるの
が好ましい。
【0032】また、エポキシ化していない未変性のスチ
レン系熱可塑性エラストマー、例えばスチレン−ブタジ
エンブロック共重合体、水添したスチレン−ブタジエン
ブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重
合体、水添したスチレン−イソプレンブロック共重合体
を上記のエポキシ当量の範囲内になるように(C)成分
として含有させてもよい。
【0033】<組成物>(A)、(B)および(C)の
各成分の使用割合はそれぞれの重合体組成や目的とする
性状によっても異なってくるが、(A)、(B)の合計
量を100重量部とするとき、(A)は20〜90重量
部、好ましくは40〜80重量部、(B)は80〜10
重量部、好ましくは60〜20重量部である。また
(C)は、(A)、(B)の合計100重量部当たり、
1〜30重量部、好ましくは1〜25重量部である。
(C)成分の使用によりそれ程反発弾性を低下させるこ
となく柔軟化を図ることができるが、過度に配合した場
合には反発弾性の少なからざる低下を招くので、上記の
様な配合量で使用することが好ましい。
【0034】本発明における熱可塑性樹脂組成物には、
必要に応じ、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、
帯電防止剤、無機充填剤、顔料、染料、ワックス等の添
加剤を配合することができる。無機充填剤または顔料の
例としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ケイ酸鉛、タング
ステンカーバイドなどを挙げることができる。またワッ
クスとして、炭化水素ワックス、ポリエチレンワックス
の外、エチレンと極性ビニルモノマー、例えば酢酸ビニ
ル、アクリル酸、アクリル酸エチル等との共重合ワック
スを例示することができる。
【0035】<ゴルフボール>本発明の熱可塑性樹脂組
成物は、スリーピースボールのセンター、ツーピースボ
ールのコア、ワンピースボール、ゴルフボールカバーな
どの材料として特に有用である。
【0036】スリーピースゴルフボールは、センター
(芯)、このセンター上に巻き付けられた弾性体の巻き
糸およびその上のカバーから成っているが、本発明の熱
可塑性樹脂組成物は特にこのセンターとして有用であ
る。この場合には、本発明の熱可塑性樹脂組成物をセン
ターに射出成形し、このセンターに、公知の弾性糸を所
定の厚みに巻き付け、次いでアイオノマー、パラタゴム
等の公知のカバー材料を、これを被覆するディンプル模
様のカバーとして成形する。
【0037】ツーピースボールはコア(球芯)とその上
のカバー(外皮)とからなっているが、この場合には本
発明の熱可塑性樹脂組成物を先ずコアとして成形する。
このコアを後退可能なピン上に支持して、射出金型のキ
ャビティ内にインサートし、公知のカバー材料を射出し
てツーピースボールとする。
【0038】ワンピースゴルフボールは弾性体の巻き糸
やカバーのない一体構造のボールであり、本発明の熱可
塑性樹脂組成物をワンピースボールに成形することがで
きる。この成形物は、勿論表面にディンプル模様を有し
ていてもよい。
【0039】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物をスリ
ーピースボール、ツーピースボールのカバーとして用い
ることもできる。
【0040】これらのゴルフボールの製造方法自体は公
知のものであり、例えば、特開表6−504308号公
報に記載されている。
【0041】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。
【0042】実施例において、本発明の組成物を調製す
るために使用した原料は次のとおりである。
【0043】[1]熱可塑性エラストマー:東レ・デュ
ポン(株)「ハイトレル 8122」 [2]エチレン共重合体アイオノマー:(a)三井・デ
ュポンケミカル(株)「ハイミラン 1555」、
(b)三井・デュポンケミカル(株)「ハイミラン18
56」、(c)三井・デュポンケミカル(株)「ハイミ
ラン 1601」 [3]エポキシ化ジエン系ブロック共重合体:(a)ス
チレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(スチ
レン/ゴム重量比=4/6)を過酢酸でエポキシ化した
もの(エポキシ当量520)、(b)部分水添スチレン
−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(スチレン/
ゴム重量比=3/7、水添率50%)を過酢酸でエポキ
シ化したもの(エポキシ当量395) [4]スチレン系熱可塑性エラストマー:クラレ(株)
「セプトン 2043」 [5]ワックス:エチレン・アクリル酸共重合体(組成
84.5/15.4wt%,Mn=2050) [6]酸化亜鉛:堺化学製 [7]酸化チタン:石原産業製
【0044】また、樹脂組成物および原料の試験方法は
以下の方法で行った。 (1)硬度:ショアD硬度計を用いて23℃で測定す
る。 (2)曲げ剛性率:東洋精機製作所製オルゼン式曲げ剛
性測定機を使用して23℃で測定する。 (3)反発弾性:(株)上島製作所製反発弾性試験機
(振子型)を使用して23℃で測定する。
【0045】[実施例1〜5]30mmφ2軸押出機を
用いて表2に示した材料を表−1に示した配合割合で樹
脂温度200℃で溶融ブレンドし、得られた樹脂組成物
の物性を評価した。その結果を表−1に示す。
【0046】[比較例1〜3]表−2に示した材料を表
−2に示した配合割合で用いて実施例と同様の方法によ
り得られた樹脂組成物の物性を評価した。その結果を表
−2に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】表−1および表−2から明らかな通り、比
較例1〜3では、実施例1〜5に比較して、同程度の反
発弾性率である一方、硬度および曲げ剛性率がともに高
くなっている。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、反発弾
性を損なうことなく、柔軟性が向上している。したがっ
て、本発明の熱可塑性樹脂組成物を使用して得られるゴ
ルフボールは、ボールコントロール、打球感などの性能
優れていることとなる。
【0050】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は柔軟性お
よび反発弾性に優れている。従ってスリーピースゴルフ
ボールのセンター、ツーピースボールのコア、ワンピー
スボール、ゴルフボールカバーなどの材料として優れて
おり、耐久性、ボールコントロール、打球感、反発弾
性、初速度の優れたゴルフボールを製造することができ
る。本発明の樹脂組成物はまた耐傷性、耐熱性、加工性
等にも優れており、自動車内外装材、電線、建材、電気
製品、日用品等にも広く利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 63/08 NHV C08L 63/08 NHV

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性ポリエステル系エラスト
    マーおよび熱可塑性ポリアミドエラストマーからなる群
    より選ばれる熱可塑性エストラマー20〜90重量部、
    (B)不飽和カルボン酸を含むエチレン共重合体のアイ
    オノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重
    合体の不飽和カルボン酸またはその無水物グラフト変性
    体およびそのアイオノマーからなる群から選ばれるエチ
    レン系共重合体80〜10重量部、および、(C)エポ
    キシ化ジエン系ブロック共重合体1〜30重量部[但
    し、(A)+(B)の合計100重量部に対して]から
    成ることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 不飽和カルボン酸を含むエチレン共重合
    体のアイオノマーが、エチレン、不飽和カルボン酸およ
    び任意の共重合体可能な単量体から成る共重合体のアイ
    オノマーであることを特徴とする請求項1記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】 エポキシ化ジエン系ブロック共重合体
    が、芳香族ビニル化合物を主体とするブロックと、共役
    ジエン化合物を主体とするブロックから成るブロック共
    重合体の共役ジエン化合物由来の不飽和炭素をエポキシ
    化したものであることを特徴とする請求項1または2記
    載の組成物。
  4. 【請求項4】 エポキシ化ジエン系ブロック共重合体
    が、芳香族ビニル化合物を主体とするブロックと共役ジ
    エン化合物を主体とするブロックから成るブロック共重
    合体に部分的に水素添加し、更にエポキシ化を施したブ
    ロック共重合体であることを特徴とする請求項1または
    2記載の組成物。
  5. 【請求項5】 センター、このセンター上に巻き付けら
    れた弾性体の巻き糸およびその上のカバーから成るスリ
    ーピースゴルフボールにおいて、センターが請求項1〜
    4のいずれか1項記載の組成物から成ることを特徴とす
    るゴルフボール。
  6. 【請求項6】 コアとその上のカバーとから成るツーピ
    ースゴルフボールにおいて、コアが請求項1〜4のいず
    れか1項記載の組成物から成ることを特徴とするツーピ
    ースゴルフボール。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか1項記載の組成
    物から成ることを特徴とするワンピースゴルフボール。
  8. 【請求項8】 カバーが請求項1〜4のいずれか1項記
    載の組成物から成ることを特徴とするゴルフボール。
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US12577390B2 (en) 2020-05-27 2026-03-17 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Resin composition, method for producing modified hydrogenated block copolymer, and molded article

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