JPH09180893A - 除電方法 - Google Patents

除電方法

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JPH09180893A
JPH09180893A JP35163895A JP35163895A JPH09180893A JP H09180893 A JPH09180893 A JP H09180893A JP 35163895 A JP35163895 A JP 35163895A JP 35163895 A JP35163895 A JP 35163895A JP H09180893 A JPH09180893 A JP H09180893A
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JP
Japan
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electrode
discharge
ion
static elimination
charge
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JP35163895A
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Masaaki Kawabe
雅章 川部
Hiroaki Yamazaki
洋昭 山崎
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Japan Vilene Co Ltd
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Japan Vilene Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被除電体の形状又は帯電状態による制限を受
けずに、迅速かつ高効率で被除電体を除電することがで
きる除電方法を提供する。 【解決手段】 対向して配置し、電位差を設けたイオン
反発性電極41とイオン吸引性電極81との間に、少な
くともイオン反発性電極41とは非接触状態で配置した
被除電体11と、イオン反発性電極41との間に、正極
性イオン及び/又は負極性イオン発生手段21から供給
された正極性イオン及び/又は負極性イオンを、前記の
電位差によってイオン反発性電極41からイオン吸引性
電極81の方向へ移動させ、被除電体11の表面に接触
させることにより、被除電体11の電荷を中和する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、除電方法に関す
る。本発明により、例えば、各種繊維材料、セラミック
材料又はプラスチック材料からなるフィルム、シート又
は成形体、あるいは粉粒体、又は繊維状体などの製造工
程又は搬送工程などにおいて静電気帯電した物体から静
電気を除去することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、静電気を帯びた物体から静電気を
除去する方法としては、直流コロナ放電又は交流コロナ
放電により発生した正極性イオン又は負極性イオンを、
帯電体の表面の静電気により形成される電界、又は空気
流によって、帯電体表面に供給して電気的に中和除電す
る方法、特公昭62−26160号公報に記載されてい
る方法のように、沿面放電により発生した正極性イオン
又は負極性イオンを、帯電体の表面の静電気により形成
される電界によって帯電体表面に吸引・誘導させて電気
的に中和除電する方法、導電性の繊維状物を含む織布又
は不織布などを帯電体に接近又は接触させる方法、及び
水蒸気を発生させ、静電気の発生それ自体を抑える方法
などが、一般的に知られていた。
【0003】しかしながら、直流コロナ放電又は交流コ
ロナ放電により発生した正極性イオン又は負極性イオン
を、空気流によって帯電体表面に供給して電気的に中和
除電する前記の従来法では、充分量のイオンを帯電体表
面に吸引させることが困難であるため、満足することの
できる除電能力を得ることができないという欠点があっ
た。また、帯電体の表面の静電気により形成される電界
を利用して帯電体へイオンを供給する場合には、除電過
程の進行に伴って帯電体表面の静電気が減少するので、
帯電体表面の静電気により形成される電界が小さくな
り、或る段階の帯電状態からの除電速度が極端に小さく
なる欠点があった。また、帯電体が薄いフィルム状であ
って、表面と裏面とで異なる極性に帯電している場合、
又は帯電体の1つの表面上に、正極性に帯電されている
領域と負極性に帯電されている領域とが混在している場
合には、帯電体の表面の静電気により形成される電界が
小さくなるので、イオンの吸引が弱くなり、効果的に除
電することができないという欠点があった。また、供給
されるイオンに対して、帯電体表面の静電気により形成
される電界の影響を大きくするために、イオン発生手段
と帯電体との距離を小さくする必要があり、成形加工品
などの立体形状を有する被処理体の場合には、一様に除
電することが困難となり、除電効率が低下するという欠
点があった。更には、交流コロナ放電においては、通
常、商用周波数が使用されるので、イオンの発生量が低
いという欠点があった。
【0004】また、沿面放電により発生した正極性イオ
ン又は負極性イオンを、帯電体の表面の静電気により形
成される電界によって帯電体表面に吸引・誘導させて電
気的に中和除電する前記の従来法では、1KHz以上の
比較的高い周波数を用いるので、イオン発生量は豊富で
ある。しかし、帯電体へのイオン吸引・誘導手段とし
て、帯電体の表面の静電気により形成される電界を使用
するので、前記方法と同様の欠点があった。また、沿面
放電装置の放電極を、帯電体に極めて近くまで接近させ
ると、放電プラズマの化学作用によって、帯電体の表面
特性を不必要に改質してしまう危険性があった。
【0005】更に、導電性の繊維状物を含む織布又は不
織布などを帯電体に接近又は接触させる前記の従来法で
は、導電性の繊維状物を含む織布又は不織布などを帯電
体に接近させると、帯電体が作る電界によって、導電性
繊維状物の内部の電荷が、帯電体に近い先端部領域に集
中し、この先端部領域と帯電体との間でコロナ放電が起
こり、電気的に中和除電を行う。導電性の繊維状物を含
む織布又は不織布などを帯電体に接触させる場合には、
接触前に起こる非接触除電過程(すなわち導電性繊維状
物を含む織布又は不織布などの先端部領域と帯電体との
間で発生する前記コロナ放電)と、接触による帯電体か
ら導電性の繊維状物への電荷移動とにより除電されると
考えられる。しかし、この方法は、接近又は接触させる
ことが必要であるので、適応できる帯電体の形状に制限
があり、しかも、帯電体の全領域にわたって、完全に除
電することが困難であった。更には、接触させる場合に
は、帯電体の表面に傷をつける可能性があるという欠点
があった。
【0006】また、水蒸気を発生させ静電気の発生それ
自体を抑える前記の従来法では、例えば、親水性材質か
らなる製品の製造又は搬送工程のように、水蒸気による
悪影響を受ける可能性がある場合には使用することがで
きないので、利用機会が制限されるという欠点があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、被除電体の形状又は帯電状態によって制限されず
に、迅速かつ高効率で被除電体を除電することができ、
しかも、除電処理によって、被除電体の表面を傷つけた
り、改質したりするおそれのない、除電方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、本発明に
より、対向して配置し、電位差を設けたイオン反発性電
極とイオン吸引性電極との間に、少なくともそのイオン
反発性電極とは非接触状態で配置した被除電体と、前記
イオン反発性電極との間に、正極性イオン及び/又は負
極性イオン発生手段から供給された正極性イオン及び/
又は負極性イオンを、前記の電位差によって前記イオン
反発性電極から前記イオン吸引性電極の方向へ移動さ
せ、前記被除電体の表面に接触させることにより、被除
電体の電荷を中和することを特徴とする、除電方法によ
って達成することができる。
【0009】本明細書において、「被除電体」とは、正
電荷及び/又は負電荷によって、表面の少なくとも一部
が帯電している物体であれば、特に制限されず、従っ
て、帯電状態(極性及び/又は荷電の程度)に差異のあ
る表面領域を含む被処理体、両表面の荷電が単一極性で
あって表面と裏面とが異なる極性に荷電されている被処
理体、各表面の荷電が単一極性であって表面と裏面とが
同じ極性に荷電されている被処理体、正電荷で荷電され
た領域と負電荷で荷電された領域とが一つの表面上に共
存している被処理体などが含まれる。被除電体として
は、例えば、各種繊維材料、セラミック材料、又はプラ
スチック材料からなるフィルム、シート、板状体、柱状
体、又は球状体などの任意の成形体、あるいは粉粒体、
又は繊維状体などの製造工程又は搬送工程などにおいて
静電気帯電した物体を挙げることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いることのできる正極
性イオン及び/又は負極性イオン発生手段は、被除電体
上の電荷を中和除電するのに使用することができる正極
性イオン及び/又は負極性イオンを発生して被除電体に
供給することのできる手段であれば特に制限されない
が、例えば、交流沿面放電素子、イオナイザー素子、直
流コロナ型イオン発生素子、又は交流コロナ型イオン発
生素子等を用いることができ、イオン発生量が豊富で、
しかも簡単に安定した放電を起こすことができる点で、
交流沿面放電素子を用いることが好ましい。
【0011】本発明の基本原理を図1に基づいて説明す
る。図1に示す態様は、1個の正極性イオン及び/又は
負極性イオン発生手段を使用し、そのイオン発生手段と
して交流沿面放電素子を用いる本発明の一態様である。
本発明においては、イオン発生手段から供給される正極
性イオン及び/又は負極性イオンを、イオン反発性電極
からイオン吸引性電極の方向に移動させるために、その
イオン反発性電極とイオン吸引性電極との間に電位差を
設け、イオン反発性電極とイオン吸引性電極との間に電
界(以下、除電電界と称することがある)を形成する必
要がある。除電電界を形成するために印加する電圧が、
直流電圧である場合について最初に説明し、その後で、
除電電界を形成するために印加する電圧が交流電圧であ
る場合について説明する。
【0012】図1に示すように、交流沿面放電素子21
と、平板状対電極81とを、所定の空間をあけて対向す
るように配置する。交流沿面放電素子21は、誘電体3
1の一方の表面上に放電極41を担持し、他方の表面上
に誘起電極51を担持した構造からなる。放電極41を
担持した表面が、平板状対電極81と向かい合うように
交流沿面放電素子21と平板状対電極81とを配置す
る。放電極41と誘起電極51とを、交流電源61に接
続する。放電極41を直流電源71に接続し、平板状対
電極81をアースする。また、直流電源71は、交流電
源61を介して誘起電極51とも接続することになる。
一般に交流電源61は交流発生部とトランスとからな
り、直流電源71には、トランスの2次側アース端子か
ら接続させることができる。また、例えば、直流電源7
1の機構内にコンデンサー等を設けて、交流波が直流電
源に直接入るのを防止し、短絡などの危険を防止するこ
とができる。
【0013】直流電圧を印加することによって除電電界
を形成する場合には、イオン反発性電極として作用する
放電極41又はイオン吸引性電極として作用する平板状
対電極81の少なくとも一方を、直流電源に接続すれば
よいので、放電極41を直流電源71に接続し、平板状
対電極81をアースする代わりに、平板状対電極81を
直流電源に接続し、放電極41をアースしてもよい。あ
るいは、放電極41及び平板状対電極81の両方を別々
の直流電源に接続してもよい。なお、放電極41及び平
板状対電極81の両方に別々に直流電圧を印加する場合
には、異なる電圧を印加する必要がある。
【0014】交流沿面放電素子21と平板状対電極81
との間に、被除電体11を配置する。この際、被除電体
11を、少なくとも交流沿面放電素子21とは非接触状
態となるように配置する。被除電体11の除電処理を施
す表面(以下、除電対象表面と称することがある)12
が、交流沿面放電素子21と向かい合うように配置す
る。交流電源61から交流高電圧を印加すると、放電極
41から誘電体表面の放電極担持面側に沿って電離が生
じ、沿面放電によって正極性イオンと負極性イオンとが
生成され、交流沿面放電素子21と被除電体11との間
に両イオンが提供される。この際に同時に、除電対象表
面12の表面電位と反対の電位の直流電圧Vを、直流電
源71から放電極41に印加すると、交流沿面放電素子
21と平板状対電極81との間に直流電界、すなわち除
電電界が形成される。なお、直流電圧は同時に誘起電極
51にも印加される。
【0015】こうして、交流沿面放電素子21と平板状
対電極81との間に除電電界が形成されると、平板状対
電極81はイオン吸引性電極として作用し、交流沿面放
電素子21の放電極41はイオン反発性電極として作用
する。例えば、被除電体11の除電対象表面12が負電
荷によって帯電されている場合であって、交流沿面放電
素子21の放電極41に正電圧Vを印加した場合には、
交流沿面放電素子21の誘電体表面に生じた正極性イオ
ン及び負極性イオンの内、正極性イオンのみが、アース
された平板状対電極81に選択的に吸引され、平板状電
極81の方向に移動し、その途中に配置されている被除
電体11に接触し、被除電体11の除電対象表面12の
負電荷を中和する。除電処理前の被除電体11の除電対
象表面12の総電荷量(例えば、総負電荷量)と実質的
に等しい量の逆極性イオン(例えば、正極性イオン)
が、交流沿面放電素子21から被除電体11に供給され
たところで、被除電体11の除電対象表面12の除電が
完了する。
【0016】なお、直流電圧を印加することによって除
電電界を形成する場合には、被除電体11表面の除電が
完了した後もイオンの供給をそのまま続けると、通常、
被除電体11の除電対象表面12が、除電処理前の電荷
と逆極性の電荷で荷電される。従って、例えば、パイロ
ット試験などを実施することによって、予め、被除電体
11の除電対象表面12の除電が完了する条件(例え
ば、沿面放電量、除電電界を形成するために印加する電
界強度、又は印加時間等)を把握しておき、その条件に
従って除電処理を行うことが好ましい。
【0017】交流電源61により沿面放電を発生させる
ために印加する高周波の交流電圧は特に限定されるもの
ではないが、好ましくは0.2KVp−p以上、より好
ましくは1KVp−p以上(KVp−pは、交流電圧の
最大値ピークから最小値ピークまでの電圧差を示す)で
ある。交流電圧の上限は、沿面放電素子の誘電体を損傷
することがない限り、特に限定されない。周波数も特に
限定されるものではないが好ましくは0.1〜100K
Hz、より好ましくは1〜50KHzである。電圧が
0.2KVp−p未満になると実質的に放電が起こらな
くなり、周波数が0.1KHz未満になると放電には極
めて大きな電圧が必要となり、100KHzを越えると
誘電加熱により誘電体が過熱状態になって破壊するおそ
れが生じるなどの問題がある。
【0018】イオン反発性電極としての放電極41と、
イオン吸引性電極としての平板状対電極81との間に印
加する直流電位差も、イオン移動によって目的とする除
電効果が得られ、かつ絶縁破壊が生じない範囲である限
り、特に限定されるものではないが、電界強度として、
好ましくは100V/cm以上、より好ましくは500
V/cm以上である。100V/cm未満になると、単
位時間当たりの実質的なイオン移動量が小さくなるた
め、十分な除電効果が得られなくなる場合がある。
【0019】本発明で用いる交流沿面放電素子として
は、公知の素子を用いることができる。例えば、誘電体
には、板状又はシート状のガラス、セラミック又はプラ
スチックなどを用いることができる。誘電体の厚みは特
に限定されないが、あまり厚いと放電させるのに非常に
高い電圧が必要となり、あまり薄いと機械的強度が低下
し、絶縁破壊が生じやすくなるので0.1〜5mm程度
のものが好適である。また、図2に示すように、交流沿
面放電素子21の放電極41としては、プラスチックフ
ィルムなどの表面に導電性塗料を塗布したり、金属層や
導電性樹脂層によって格子状電極やメッシュ状電極など
を形成したもの、又はアルミニウムや銅などの導電性金
属などから形成される格子状電極やメッシュ状電極など
が適している。
【0020】誘電体31が放電極41の下から表面に露
出するように、放電極41は開孔を有する構造となって
いることが望ましい。誘起電極51も特に限定されるも
のではないが、プラスチックフィルムなどの表面に導電
性塗料を塗布したり金属層や導電性樹脂層によって平板
電極やあみ状電極を形成したもの、又はアルミニウムや
銅などの導電性金属などから形成される平板電極やあみ
状電極などが適している。交流沿面放電素子において
は、交流沿面放電素子の端部で放電極と誘起電極の間で
直接放電が生じないように誘電体の長さは放電極及び誘
起電極の長さよりも長いことが望ましい。誘電体の長さ
を十分に長くできない場合には、誘起電極の端面又は誘
起電極の全体を、セラミック膜や高分子化合物膜などの
誘電体で絶縁被覆するのが好ましい。また、放電極の上
にセラミック膜や高分子化合物膜などの誘電体膜を被覆
すると、沿面放電による放電極の消耗を防止することが
できるので好ましい。
【0021】除電電界を形成するために印加する電圧
は、前記のとおり直流電圧であることもできるが、交流
電圧を用いることもできる。交流電圧を印加することに
よって、除電電界を形成する場合には、図1に示す交流
沿面放電素子21の放電極41を直流電源71に接続
し、平板状対電極81をアースする代わりに、例えば、
放電極41又は平板状対電極81の一方を除電電界形成
用交流電源に接続し、残りの一方をアースするか、ある
いは放電極及び平板状対電極の両方に除電電界形成用の
交流電源を接続する。ただし、後者の場合には、放電極
に印加する交流電圧の位相と平板状対電極に印加する交
流電圧の位相とをずらす必要があり、これらの位相を1
80°又はこれに近い程度にずらすのが好ましい。以
下、放電極41を除電電界形成用交流電源に接続し、平
板状対電極81をアースする場合に基づいて説明する。
【0022】交流電源61から交流高電圧を印加する
と、放電極41から誘電体表面の放電極担持面側に沿っ
て電離が生じ、正極性イオンと負極性イオンの両イオン
が生成されて沿面放電が発生する。この際に同時に、除
電電界形成用交流電源から放電極41に、交流電圧を印
加すると、交流沿面放電素子21と平板状対電極81と
の間に除電電界が形成される。なお、交流電圧は同時に
誘起電極51にも印加される。交流沿面放電素子21と
平板状対電極81との間に除電電界が形成されると、平
板状対電極81はイオン吸引性電極として作用し、交流
沿面放電素子21の放電極41はイオン反発性電極とし
て作用する。交流沿面放電素子21の放電極41が正電
位の状態にある場合には、交流沿面放電素子21の誘電
体表面に生じた正極性イオン及び負極性イオンの内、正
極性イオンのみが、アースされた平板状対電極81に選
択的に吸引されて、平板状電極81の方向に移動し、そ
の途中に配置されている被除電体11に接触する。交流
沿面放電素子21の放電極41が、正電位の状態から変
化して負電位の状態にある場合には、交流沿面放電素子
21の誘電体表面に生じた正極性イオン及び負極性イオ
ンの内、負極性イオンのみが、アースされた平板状対電
極81に選択的に吸引されて、平板状電極81の方向に
移動し、その途中に配置されている被除電体11に接触
する。すなわち、交流電圧の周期に従って、交流沿面放
電素子21の誘電体表面に生じた正極性イオン及び負極
性イオンの両方が、交互に、平板状電極81の方向に移
動し、その途中に配置されている被除電体11に接触
し、被除電体11の除電対象表面12の負電荷及び/又
は正電荷を中和する。
【0023】除電電界を形成するために印加する電圧
が、交流電圧である場合には、交流沿面放電素子の誘電
体表面に生じた正極性イオン及び負極性イオンの両方
が、交互に、被除電体の除電処理表面に接触するので、
表面の荷電が単一極性に荷電されている被除電体だけで
なく、正電荷で荷電された領域と負電荷で荷電された領
域とが一つの表面上に共存している被除電体であっても
除電することができる。また、除電処理表面の荷電の極
性を予め知っておく必要がない。また、除電電界を形成
するために印加する電圧が、交流電圧である場合には、
除電処理を過剰に実施した場合であっても、正極性イオ
ン及び負極性イオンの両方が、交互に供給されるので、
被除電体の除電対象表面が新たに帯電されることはな
い。従って、被除電体の除電対象表面の除電が完了する
条件(例えば、印加電圧又は印加時間等)を予め把握す
る必要がなく、連続的に搬送される連続シートのように
除電対象表面の帯電の程度が均一でない被除電体であっ
ても、除電対象表面の除電を行うことができる。
【0024】除電電界を形成するために印加する電圧と
して、交流電圧を用いる場合であっても、除電処理時間
が短く、しかも除電処理時間内の周期数が少ない場合
(例えば、除電処理時間が1秒であって、周波数が1H
zである場合)には、正極性イオン及び負極性イオンの
両方を、充分供給することができないことがあるため、
除電が不完全であったり、除電処理前の電荷と逆極性の
電荷で荷電されることがある。除電処理時間が短い場合
には、除電処理時間内に交流の周期が少なくとも10回
以上、好ましくは100回以上繰り返されるような周波
数であることが好ましい。このような周波数を用いるこ
とによって、正極性イオン及び負極性イオンの両方を、
被除電体に充分供給することができる。また、除電処理
時間が短い場合には、沿面放電量を多くすることが好ま
しく、また、絶縁破壊が生じない範囲で、電界強度を高
くすることが好ましい。被除電体に到達する単位時間当
たりのイオン量が増加するからである。
【0025】除電電界を形成させるために、放電極41
又は平板状対電極81に印加する交流電圧は、イオン移
動によって目的とする除電効果が得られ、かつ絶縁破壊
が生じない範囲である限り、特に限定されるものではな
いが、ピーク電界強度として、好ましくは100V/c
m以上、より好ましくは500V/cm以上である。1
00V/cm未満になると、単位時間当たりの実質的な
イオン移動量が小さくなるため十分な除電効果が得られ
なくなる。除電電界を形成させるために、放電極41又
は平板状対電極81に印加する交流電圧の周波数も特に
限定されるものではないが、除電を行う時間及び放電極
と被除電体との距離などを考慮して定めることが好まし
く、好ましくは5〜1000Hz、より好ましくは20
〜500Hzである。周波数が5Hz未満になると除電
時間が短い場合には再帯電が生じる可能性があり、10
00Hzを越えると除電対象表面へのイオンの供給が効
率的に行われなくなるおそれがあるからである。
【0026】除電電界を形成させるために、放電極41
又は平板状対電極81に印加する交流電圧としては、例
えば、正弦波、三角波、又は矩形波などを使用すること
ができ、ピーク電界強度を維持することができる時間が
長い点で、矩形波が好ましい。交流電圧を印加して除電
電界を形成する場合に用いる沿面放電発生用交流電圧の
好適条件、又は交流沿面放電素子などは、前記の直流電
圧を印加して除電電界を形成する場合と同様の条件及び
装置を用いることができる。
【0027】図1には、平板状対電極81と非接触状態
で被除電体11を配置する態様を示すが、除電対象表面
の反対側表面13を平板状対電極81と接触させた状態
で、被除電体11を配置することができる。その代表的
な一態様であって、被除電体がシート状の連続体である
態様を図3に示す。図3に示すように、平板状沿面放電
素子21と、円柱状対電極82とを対向するように配置
する。放電極41を担持した表面が、円柱状対電極82
と向かい合うように交流沿面放電素子21を配置する。
円柱状対電極82は、その円柱中心軸を回転軸としてそ
れ自体が回転することができるものであっても、回転せ
ずに固定されているものであってもよく、被除電体11
が移動する際に、被除電体11の表面に傷をつけにくく
なる点で、その円柱中心軸を回転軸としてそれ自体が回
転することができる電極であることが好ましい。沿面放
電素子21の放電極41と誘起電極51とを交流電源6
1に接続する。放電極41を直流電源71に接続し、円
柱状対電極82をアースする。また、直流電源71は、
交流電源61を介して誘起電極51とも接続することに
なる。一般に交流電源61は交流発生部とトランスとか
らなり、直流電源71には、トランスの2次側アース端
子から接続させることができる。また、例えば、直流電
源71の機構内にコンデンサー等を設けて、交流波が直
流電源に直接入るのを防止し、短絡などの危険を防止す
ることができる。
【0028】直流電圧を印加することによって除電電界
を形成する場合には、イオン反発性電極として作用する
放電極41又はイオン吸引性電極として作用する円柱状
対電極82の少なくとも一方を、直流電源に接続すれば
よいので、放電極41を直流電源71に接続し、円柱状
対電極82をアースする代わりに、円柱状対電極82を
直流電源に接続し、放電極41をアースしてもよい。あ
るいは、放電極41及び円柱状対電極82の両方を別々
の直流電源に接続してもよい。なお、放電極41及び円
柱状対電極82の両方に別々に直流電圧を印加する場合
には、異なる電圧を印加する必要がある。
【0029】被除電体11は、円柱状対電極82の上流
に設けた移送手段(例えば、一対の送出ローラー:図示
せず)によって、平板状沿面放電素子21と円柱状対電
極82との間に矢印Aで示す方向に所定速度で連続的に
供給され、円柱状対電極82と接触しながら平板状沿面
放電素子21と円柱状対電極82との間を通過する。平
板状沿面放電素子21と円柱状対電極82との間を通過
した被除電体11は、円柱状対電極82の下流に設けた
移送手段(例えば、一対の送出ローラー:図示せず)に
よって、所定速度で連続的に移送される。
【0030】被除電体11が、平板状沿面放電素子21
と円柱状対電極82との間を通過する際に、交流電源6
1から交流高電圧が印加されていると、放電極41から
誘電体表面の放電極担持面側に沿って電離が生じ、沿面
放電によって正極性イオンと負極性イオンとが生成され
て両イオンが平板状沿面放電素子21と被除電体11と
の間に供給されている。この際に同時に、除電対象表面
12の表面電位と反対の電位の直流電圧V0が、直流電
源71から放電極41に印加されていると、交流沿面放
電素子21と円柱状対電極82との間に直流電界、すな
わち除電電界が形成される。なお、直流電圧は同時に誘
起電極51にも印加される。交流沿面放電素子21と円
柱状対電極82との間に除電電界が形成されると、円柱
状対電極82はイオン吸引性電極として作用し、平板状
沿面放電素子21の放電極41はイオン反発性電極とし
て作用する。例えば、被除電体11の除電対象表面12
が負電荷によって帯電されている場合であって、交流沿
面放電素子21の放電極41に正電圧V0を印加した場
合には、交流沿面放電素子21の誘電体表面に生じた正
極性イオン及び負極性イオンの内、正極性イオンのみ
が、アースされた円柱状対電極82に選択的に吸引され
て、円柱状電極82の方向に移動し、その途中に配置さ
れている被除電体11に接触し、被除電体11の除電対
象表面12の負電荷を中和する。
【0031】被除電体11は所定速度で連続的に移送さ
れているので、表面が未処理の被除電体が平板状沿面放
電素子21と円柱状対電極82との間に連続的に供給さ
れる一方、表面の除電が行われた、又は行われている被
除電体が平板状沿面放電素子21と円柱状対電極82と
の間から連続的に供出され、被除電体11の両表面の除
電処理を連続的に行うことができる。なお、直流電圧を
印加することによって除電電界を形成する場合には、被
除電体11表面の除電が完了した後もイオンの供給をそ
のまま続けると、通常、被除電体11の除電対象表面1
2が、除電処理前の電荷と逆極性の電荷で荷電される。
従って、例えば、パイロット試験などを実施することに
よって、予め、被除電体11の除電対象表面12の除電
が完了する条件(例えば、沿面放電量、除電電界を形成
するために印加する電界強度、印加時間、又は被除電体
の搬送速度等)を把握しておき、その条件に従って除電
処理を行うことが好ましい。
【0032】除電対象表面と反対側の表面(すなわち、
対電極接触表面16)を円柱状対電極82と接触させた
状態で、被除電体11を配置する本発明の態様におい
て、除電電界を形成するために印加する電圧が、直流電
圧である場合について、図3に基づいて本発明を説明し
たが、除電電界を形成するために印加する電圧として、
交流電圧を使用してもよい。交流電圧を印加することに
よって、除電電界を形成する場合には、図3に示す交流
沿面放電素子21の放電極41を直流電源71に接続
し、円柱状対電極82をアースする代わりに、放電極4
1又は円柱状対電極82の一方を除電電界形成用交流電
源に接続し、残りの一方をアースするか、あるいは放電
極と平板状対電極の両方に除電電界形成用の交流電源を
接続する。ただし、後者の場合には、放電極に印加する
交流電圧の位相と平板状対電極に印加する交流電圧の位
相とをずらす必要があり、これらの位相を180°又は
これに近い程度にずらすことが好ましい。
【0033】本発明は、対向して配置した一対の交流沿
面放電素子を用いても実施することもできる。2個の平
板状交流沿面放電素子を用いる代表的な一態様を図4に
示す。除電電界を形成するために印加する電圧が、直流
電圧である場合について最初に説明し、その後で、除電
電界を形成するために印加する電圧が交流電圧である場
合について説明する。図4に示すように、交流沿面放電
素子21,22を、所定の空間をあけて対向するように
配置する。放電極41を担持した表面が、放電極42を
担持した表面と向かい合うように交流沿面放電素子2
1,22を配置する。放電極41,42と誘起電極5
1,52とを、交流電源61,62にそれぞれ接続す
る。放電極41,42を直流電源71,72にそれぞれ
接続する。また、直流電源71,72は、交流電源6
1,62を介して誘起電極51,52ともそれぞれ接続
することになる。一般に交流電源61,62は交流発生
部とトランスとからなり、直流電源71,72には、ト
ランスの2次側アース端子から接続させることができ
る。また、例えば、直流電源71,72の機構内にコン
デンサー等を設けて、交流波が直流電源に直接入るのを
防止し、短絡などの危険を防止することができる。
【0034】直流電圧を印加することによって除電電界
を形成する場合には、各放電極間に電位差が形成されれ
ばよいので、放電極41又は放電極42の少なくとも一
方を、直流電源に接続すればよい。従って、放電極4
1,42を直流電源71,72にそれぞれ接続する代わ
りに、一方の放電極のみを直流電源に接続し、残りの放
電極をアースしてもよい。なお、放電極41,42を直
流電源71,72にそれぞれ接続する場合には、異なる
電位の電圧を印加する必要がある。交流沿面放電素子2
1,22の間に、各交流沿面放電素子21,22と非接
触状態で、被除電体11を配置する。被除電体11の除
電対象表面14が、交流沿面放電素子21の放電極41
を担持した表面と向かい合い、そして、被除電体11の
もう一方の除電対象表面15が、交流沿面放電素子22
の放電極42を担持した表面と向かい合うように、被除
電体11を配置する。交流電源61,62から交流高電
圧を印加すると、放電極41,42から誘電体表面の放
電極担持面側に沿って電離が生じ、正極性イオン及び負
極性イオンの両イオンが生成されて沿面放電が発生す
る。
【0035】この際に同時に、直流電源71,72から
放電極41,42に、異なる電位の直流電圧V1,V2
を印加すると、交流沿面放電素子21,22の間に直流
電界、すなわち除電電界が形成される。なお、各直流電
圧は同時に誘起電極51,52にも印加される。例え
ば、交流沿面放電素子21の放電極41には正電圧V1
を印加し、交流沿面放電素子22の放電極42には負電
圧V2を印加した場合に発生する交流沿面放電素子2
1,22における交流波形を図5に示す。すなわち、交
流沿面放電素子21にはアース電位(0V:図5のx)
に対して直流正電位V1(図5のa)が印加されている
ので、誘起電極51の交流波(図5のb)は直流成分V
1だけ昇圧し、放電極41の電位もV1となる。一方、
交流沿面放電素子22にはアース電位(0V:図5の
x)に対して直流負電位V2(図5のc)が印加されて
いるので、誘起電極52の交流波(図5のd)は直流成
分V2だけ降圧し、放電極42の電位もV2となる。
【0036】こうして、交流沿面放電素子21,22の
間に除電電界が形成されると、放電極41,42は、そ
れぞれイオン吸引性電極及びイオン反発性電極として作
用する。例えば、被除電体11の除電対象表面14が負
電荷によって帯電されており、被除電体11の除電対象
表面15が正電荷によって帯電されている場合であっ
て、交流沿面放電素子21の放電極41に正電圧V1を
印加し、交流沿面放電素子22の放電極42には負電圧
V2を印加した場合には、交流沿面放電素子21の誘電
体表面に生じた正極性イオン及び負極性イオンの内、正
極性イオンのみが、イオン反発性電極として作用する放
電極41から、イオン吸引性電極として作用する放電極
42の方向に選択的に移動し、その途中に配置されてい
る被除電体11に接触し、被除電体11の除電対象表面
14の負電荷を中和する。
【0037】一方、交流沿面放電素子22の誘電体表面
に生じた正極性イオン及び負極性イオンの内、負極性イ
オンのみが、イオン反発性電極として作用する放電極4
2から、イオン吸引性電極として作用する放電極41の
方向に選択的に移動し、その途中に配置されている被除
電体11に接触し、被除電体11の除電対象表面15の
正電荷を中和する。除電処理前の被除電体11の各除電
対象表面14,15の各総電荷量(例えば、総負電荷
量)と実質的に等しい量の各逆極性イオン(例えば、正
極性イオン)が、各交流沿面放電素子21,22から被
除電体11に供給されたところで、被除電体11の各除
電対象表面14,15の除電が完了する。こうして、被
除電体11は、一方から正極性イオンにより、他方から
負極性イオンにより同時に処理され、被除電体11は、
中和除電される。
【0038】直流電圧を印加することによって除電電界
を形成する際に、被除電体11の形状が、交流沿面放電
素子21又は22から除電対象表面に供給されるイオン
の移動をその表面で遮断する形状(例えば、フィルム又
はシート状)である場合には、被除電体11表面の除電
が完了した後もイオンの供給をそのまま続けると、通
常、被除電体11の除電対象表面が、除電処理前の電荷
と逆極性の電荷で荷電される。従って、例えば、パイロ
ット試験などを実施することによって、予め、被除電体
11の除電対象表面の除電が完了する条件(例えば、沿
面放電量、除電電界を形成するために印加する電界強
度、又は印加時間等)を把握しておき、その条件に従っ
て除電処理を行うことが好ましい。
【0039】一方、被除電体11の形状が、例えば、粉
粒体又は繊維状体の疎な集合体である場合には、各交流
沿面放電素子から供給される正極性イオン及び負極性イ
オンの移動をそれらの集合体が遮蔽することがなく、正
極性イオンと負極性イオンとが衝突して中和されるの
で、除電処理を長く続けても再帯電が実質的に生じるこ
とがない。従って、粉粒体又は繊維状体などを除電処理
する場合には、予め除電対象表面の表面電荷の極性など
を知っておく必要がなく、これらの形状の被除電体の輸
送プロセスなどにおける除電には、直流電圧を印加して
除電電界を形成する方法が特に適している。
【0040】次に、除電電界を形成するために印加する
電圧が、交流電圧である場合について、図4に基づいて
説明する。交流電圧を印加することによって、除電電界
を形成する場合には、図4に示す交流沿面放電素子2
1,22の放電極41,42を直流電源71,72にそ
れぞれ接続する代わりに、放電極41,42の一方を除
電電界形成用交流電源に接続し、残りの一方をアースす
るか、あるいは放電極と平板状対電極の両方に除電電界
形成用の交流電源を接続する。ただし、後者の場合に
は、放電極に印加する交流電圧の位相と平板状対電極に
印加する交流電圧の位相とをずらす必要があり、これら
の位相を180°又はこれに近い程度にずらすことが好
ましい。以下、放電極41を除電電界形成用交流電源に
接続し、放電極42をアースする場合に基づいて説明す
る。
【0041】交流電源61,62から交流高電圧を印加
すると、放電極41,42から誘電体表面の放電極担持
面側に沿って電離が生じ、正極性イオンと負極性イオン
の両イオンが生成されて沿面放電が発生する。この際に
同時に、除電電界形成用交流電源から放電極41に、交
流電圧を印加すると、交流沿面放電素子21,22との
間に除電電界が形成される。なお、交流電圧は同時に誘
起電極51にも印加される。交流沿面放電素子21,2
2の間に除電電界が形成されると、放電極41,42
は、それぞれイオン吸引性電極及びイオン反発性電極と
して作用する。交流沿面放電素子21の放電極41が正
電位の状態にある場合には、交流沿面放電素子21の誘
電体表面に生じた正極性イオン及び負極性イオンの内、
正極性イオンのみが、その正極性イオンに対してイオン
反発性電極として作用する放電極41から、イオン吸引
性電極として作用する放電極42の方向に選択的に移動
し、その途中に配置されている被除電体11の除電対象
表面14に接触する。一方、この際同時に、交流沿面放
電素子22の誘電体表面に生じた正極性イオン及び負極
性イオンの内、負極性イオンのみが、その負極性イオン
に対してイオン反発性電極として作用する放電極42か
ら、イオン吸引性電極として作用する放電極41の方向
に選択的に移動し、その途中に配置されている被除電体
11の除電対象表面15に接触する。
【0042】交流沿面放電素子21の放電極41が、正
電位の状態から変化して負電位の状態にある場合には、
交流沿面放電素子21の誘電体表面に生じた正極性イオ
ン及び負極性イオンの内、負極性イオンのみが、その負
極性イオンに対してイオン反発性電極として作用する放
電極41から、イオン吸引性電極として作用する放電極
42の方向に選択的に移動し、その途中に配置されてい
る被除電体11の除電対象表面14に接触する。一方、
この際同時に、交流沿面放電素子22の誘電体表面に生
じた正極性イオン及び負極性イオンの内、正極性イオン
のみが、その正極性イオンに対してイオン反発性電極と
して作用する放電極42から、イオン吸引性電極として
作用する放電極41の方向に選択的に移動し、その途中
に配置されている被除電体11の除電対象表面15に接
触する。
【0043】すなわち、交流電圧の周期に従って、交流
沿面放電素子21の誘電体表面に生じた正極性イオン及
び負極性イオンの両方が、交互に、放電極42の方向に
移動し、その途中に配置されている被除電体11の除電
対象表面14に接触し、それと同時に、交流沿面放電素
子22の誘電体表面に生じた正極性イオン及び負極性イ
オンの両方が、交互に、放電極41の方向に移動し、そ
の途中に配置されている被除電体11の除電対象表面1
5に接触することによって、被除電体11の両方の除電
対象表面の負電荷及び/又は正電荷を中和することがで
きる。従って、本発明において、対向して配置した一対
の交流沿面放電素子を用いると、交流沿面放電素子と被
除電体とを接触させることなく、被除電体の両表面を同
時に除電することができる。従って、被除電体の形状に
制限されず、例えば、非平板状の被除電体の両表面を同
時に除電することができる。
【0044】2個の交流沿面放電素子を用いる態様にお
いても、除電電界を形成するために印加する電圧が、交
流電圧である場合には、交流沿面放電素子の誘電体表面
に生じた正極性イオン及び負極性イオンの両方が、交互
に、被除電体の除電処理表面に接触するので、表面の荷
電が単一極性に荷電されている被除電体だけでなく、正
電荷で荷電された領域と負電荷で荷電された領域とが一
つの表面上に共存している被除電体であっても除電する
ことができる。また、除電処理表面の荷電の極性を予め
知っておく必要がない。また、除電電界を形成するため
に印加する電圧が、交流電圧である場合には、除電処理
を過剰に実施した場合であっても、正極性イオン及び負
極性イオンの両方が、交互に供給されるので、被除電体
の除電対象表面が新たに帯電されることはない。従っ
て、被除電体の除電対象表面の除電が完了する条件(例
えば、印加電圧又は印加時間等)を予め把握する必要が
なく、連続的に搬送される連続シートのように除電対象
表面の帯電の程度が均一でない被除電体であっても、除
電対象表面の除電を行うことができる。
【0045】1対の交流沿面放電素子の中間に、各交流
沿面放電素子と非接触状態で被除電体を配置することの
できる手段としては、被除電体へのイオンの作用を実質
的に妨げずに被除電体を除電空間内に配置することので
きる手段である限り特に限定されるものではないが、例
えば、被除電体がシート状などの連続体の場合には、除
電空間の両側にロールなどの支持手段を設置し、このロ
ールの間に被除電体を通して除電空間内を通るように配
置すればよい。また、被除電体が成形品のように一つ一
つ独立している場合には、メッシュなどからなる搬送体
を通し、この上に被除電体を置いて除電空間内を通るよ
うに配置すればよい。
【0046】交流沿面放電素子は、例えば図4に示すよ
うな平板状素子の他に、任意の種々の形状であることが
できる。例えば、断面弧状の1対の交流沿面放電素子2
1,22を用いて本発明を実施することにより断面弧状
の被除電体を効率よく処理することもできる。更に、図
6に示すように、円筒状の1対の交流沿面放電素子2
1,22を用いて円筒状の被除電体を効率よく処理する
こともできる。すなわち、直径が大きな円筒状交流沿面
放電素子21と直径が小さな円筒状交流沿面放電素子2
2を、所定の空間をあけて同心円状に配置する。各交流
沿面放電素子21,22は、それぞれ誘電体31,32
の一方の表面上に放電極41,42を担持し、他方の表
面上に誘起電極51,52を担持した構造からなり、放
電極41,42を担持した表面が相互に向かい合うよう
に2つの交流沿面放電素子21,22を配置する。放電
極41,42と誘起電極51,52とは、図4に示した
態様と同様に、それぞれ沿面放電発生用交流電源(図示
せず)に接続され、更に各放電極41,42を、それぞ
れ除電電界形成用直流電源又は交流電源(図示せず)に
接続する(実質的に誘起電極51,52も沿面放電発生
用交流電源を介して除電電界形成用直流電源又は交流電
源と接続されている)。なお、本発明では被除電体の形
状による制限を受けずに処理することができるので、円
筒状以外の形状の交流沿面放電素子を用いても、円筒状
の被除電体を処理することができる。
【0047】本発明は、正極性イオン及び/又は負極性
イオン発生手段としてイオナイザー素子を用いて実施す
ることもでき、その代表的な一態様を図7に示す。この
態様においては、2つのイオナイザー素子24,25
を、相互に所定の空間をあけて配置する。各イオナイザ
ー素子24,25は、それぞれワイヤー電極、針状電極
などからなる直流コロナ放電極84a,85a、アース
極84b,85b、及び発生したイオンを荷電空間に送
り込むためのガイド板84c,85cからなり、放電極
84a,85aはそれぞれ直流高圧電源74a,75a
(ただし、74aと75aは逆極性)と連絡し、アース
極84b,85bはそれぞれアースと連絡している。2
つのイオナイザー素子24,25は、それぞれ直流高電
圧を印加することによって矢印Bで示される方向から供
給される反応ガス(例えば、空気)をイオン化すること
により、正極性イオン及び負極性イオンを生成し、ガイ
ド板84c,85cから、矢印Cで示される方向へ放出
され、イオン移動用電極44とイオン移動用電極45と
の間に供給される。
【0048】一方、イオン移動用電極44,45はそれ
ぞれ直流電源74a,75aと連絡して各々84a,8
5aと電位極性が同じであるので、イオン移動用電極4
4,45はそれぞれイオン吸引性電極及びイオン反発性
電極として作用する。例えば、図7に示すように、イオ
ナイザー素子24から放出され、イオン移動用電極44
と被除電体11との間に供給された正極性イオンは、イ
オン反発性電極として作用するイオン移動用電極44か
らイオン吸引性電極として作用するイオン移動用電極4
5の方向に移動し、その途中に配置されている被除電体
11に接触し、被除電体を除電する。一方、イオナイザ
ー素子25から放出され、イオン移動用電極45と被除
電体11との間に供給された負極性イオンは、イオン反
発性電極として作用するイオン移動用電極45からイオ
ン吸引性電極として作用するイオン移動用電極44の方
向に移動し、その途中に配置されている被除電体11に
接触し、被除電体を除電する。こうして被除電体11
は、一方から正極性イオンにより、他方から負極性イオ
ンにより同時に処理され、被除電体11は除電される。
【0049】なお、図7では、イオナイザー素子の放電
極とイオン移動用電極とを同じ直流電源に接続した態様
を示したが、それらの各電極を異なる電源に別々に接続
することもできる。例えば、各イオナイザー素子の放電
極を交流電源に接続し、イオン移動用電極を直流電源と
接続してもよい。この場合には、各イオナイザー素子で
発生した各々の正極性イオン及び負極性イオンは、直流
電源から印加される直流の電位差に応じて、一方のイオ
ン移動用電極に向けて正極性イオンが移動し、他方のイ
オン移動用電極に向けて負極性イオンが移動し、その移
動途中で被除電体を除電することができる。あるいは、
各イオナイザー素子の放電極を交流電源に接続し、イオ
ン移動用電極の両方を交流電源に接続するか、又は一方
を交流電源に接続して他方をアースすることもできる。
この場合には、各イオナイザー素子で発生した正極性イ
オン及び負極性イオンが、イオン移動用電極に接続され
た交流電源による極性の変化に応じて、正極性イオンと
負極性イオンとを交互にイオン移動用電極に向けて移動
させ、その移動途中で被除電体を除電させることができ
る。ただし、イオン移動用電極の両方を交流電源に接続
する場合は、各電源の位相をずらす必要があり、これら
の位相を180°又はこれに近い程度にずらすのが好ま
しい。
【0050】本発明は、正極性イオン及び/又は負極性
イオン発生手段としてそれぞれ直流コロナ型イオン発生
素子を用いて実施することもでき、その代表的な一態様
を図8に示す。この態様においては、2つの直流コロナ
型イオン発生素子26,27を、所定の空間をあけて対
向するように配置する。各直流コロナ型イオン発生素子
26,27はそれぞれ対電極86a,87a、及び放電
極86b,87bからなり、対電極86a,87aはそ
れぞれ直流電源76a,77a(ただし、76aと77
aは逆極性)と連絡し、放電極86b,87bはそれぞ
れ直流電源76b,77b(ただし、76bと77bは
逆極性)と連絡している。図8に示す直流コロナ型イオ
ン発生素子26,27はそれぞれ5個の対電極86a,
87a、及び4個の放電極86b,87bを有するが、
使用する環境又は目的に応じて電極の数を変更すること
ができる。なお、対電極86a,87a及び放電極86
b,87bは、コロナ放電を起こすことができる形状で
あれば、特に限定されず、例えば、図7に示すように、
対電極として棒状電極を用い、放電極として線状電極、
又は針状電極等を用いることができる。
【0051】直流コロナ型イオン発生素子26におい
て、直流電源76a及び76bからそれぞれ対電極86
a及び放電極86bに、同極性であって、しかも異なる
電位の直流電圧V11及びV12を印加する。電圧V1
1とV12との電位差がコロナ放電が起こる電界強度よ
りも大きく、電圧V12の絶対値が電圧V11の絶対値
よりも大きい場合には、直流電源76a及び76bによ
り印加された電圧極性と同極性のイオンが、対電極86
aと放電極86bとの間に生成する。この際に同時に、
直流コロナ型イオン発生素子27においても、直流電源
77a及び77bからそれぞれ対電極87a及び放電極
87bに、直流電源76a及び76bにより印加された
電圧極性と反対極性であって、しかも異なる電位の直流
電圧V13及びV14を印加し、電圧V13とV14と
の電位差がコロナ放電が起こる電界強度よりも大きく、
電圧V14の絶対値が電圧V13の絶対値よりも大きい
場合には、直流コロナ型イオン発生素子26の対電極8
6aと放電極86bとの間に生成するイオンと反対極性
のイオンが、対電極87aと放電極87bとの間に生成
する。
【0052】例えば、対電極86aと連絡している直流
電源76aに負電圧V11を、放電極86bと連絡して
いる直流電源76bに負電圧V12を印加し、負電圧V
12の絶対値を負電圧V11の絶対値よりも大きくし、
電圧V11と電圧V12との電位差はコロナ放電が起こ
る電界強度より大きくなるようにする。一方、同時に、
対電極87aと連絡している直流電源77aに正電圧V
13を、放電極87bと連絡している直流電源77bに
正電圧V14を印加し、正電圧V14を正電圧V13よ
りも大きくし、しかも、電圧V13と電圧V14との電
位差はコロナ放電が起こる電界強度より大きくなるよう
に設定する。こうすると、直流コロナ型イオン発生素子
26の対電極86aと放電極86bとの間に負極性イオ
ンが発生し、直流コロナ型イオン発生素子27の対電極
87aと放電極87bとの間に正極性イオンが発生す
る。
【0053】この際に同時に、直流コロナ型イオン発生
素子26と直流コロナ型イオン発生素子27との間に直
流電界(除電電界)が形成されるので、対電極87a及
び放電極87b並びに対電極86a及び放電極86b
は、それぞれイオン吸引性電極及びイオン反発性電極と
して作用する。例えば、先に例示した電圧V11〜V1
4を印加する場合、直流コロナ型イオン発生素子26に
生じた負極性イオンが、イオン反発性電極として作用す
る対電極86a及び放電極86bから、イオン吸引性電
極として作用する対電極87a及び放電極87bの方向
に移動し、その途中に配置されている被除電体11に接
触し、被除電体を除電する。一方、直流コロナ型イオン
発生素子27に生じた正極性イオンが、イオン反発性電
極として作用する対電極87a及び放電極87bから、
イオン吸引性電極として作用する対電極86a及び放電
極86bの方向に移動し、その途中に配置されている被
除電体11に接触し、被除電体を除電する。こうして被
除電体11は、一方から負極性イオンにより、他方から
正極性イオンにより同時に処理され、被除電体11は除
電される。
【0054】なお、この方法においても、正極性イオン
及び/又は負極性イオン発生手段として、対向する一対
の沿面放電素子を使用する態様において先に説明したよ
うに、被除電体として、例えば、粉粒体又は繊維状体を
用いる場合は問題はないが、例えば、フィルム又はシー
ト状の被除電体を用いる場合には、除電時間を長くしす
ぎると反対極性に帯電するおそれがあるため、予め被除
電体の除電対象表面の除電が完了する条件を把握してお
き、その条件に従って除電処理を行うことが好ましい。
直流コロナ放電を起こすことのできる対電極と放電極と
の距離は、約1mm〜20mmが好ましく、その間の電
位差は、電極形状又は距離に依存するが、約0.1KV
〜20KVが好ましい。また、一方の直流コロナ型イオ
ン発生素子26と他方の直流コロナ型イオン発生素子2
7との電位差は、特に限定されるものではないが、好ま
しくは1KV以上である。電位差が1KV未満になる
と、実質的なイオン供給量が小さくなるため十分な除電
効果が得られなくなる。この電位差の上限は、絶縁破壊
を起こさない範囲である限り特には限定されない。
【0055】本発明は、第1イオン発生手段及び第2イ
オン発生手段としてそれぞれ交流コロナ型イオン発生素
子を用いて実施することもでき、その代表的な一態様を
図9に示す。この態様においては、2つの交流コロナ型
イオン発生素子28,29を、所定の空間をあけて対向
するように配置する。各交流コロナ型イオン発生素子2
8,29はそれぞれ誘起電極88a,89a、及び放電
極88b,89bからなり、誘起電極88a,89aと
放電極88b,89bとはそれぞれ交流電源68,69
と連絡している。本態様においては、各誘起電極88
a,89aを、それぞれ直流電源78,79に接続する
と共に、直流電源78,79は交流電源68,69にも
接続される。一般に交流電源68,69は交流発生部と
トランスとからなり、直流電源78,79には、トラン
スの2次側アース端子から接続させることができる。図
9に示す交流コロナ型イオン発生素子28,29はそれ
ぞれ5個の誘起電極88a,89a、及び4個の放電極
88b,89bを有するが、使用する環境又は目的に応
じて電極の数を変更することができる。なお、誘起電極
88a,89aは、図9に示すように、例えば、ガラ
ス、セラミック、又はプラスチック等からなる誘電体3
8,39で被覆することが好ましい。火花放電を防止
し、安定なコロナ放電を行うことできるからである。
【0056】2つの交流コロナ型イオン発生素子28,
29の間に、それらの素子と非接触状態で、被除電体1
1を配置し、交流電源68,69から交流高電圧を印加
すると、放電極88b,89bと誘起電極88a,89
aとの間に正極性イオンと負極性イオンの両イオンが生
成する。この際に同時に、直流電源78、79から異な
る電位の直流電圧V21,V22を印加すると、先に説
明した交流沿面放電素子の場合と同様に、交流コロナ型
イオン発生素子28,29の間に直流電界(除電電界)
が形成される。交流コロナ型イオン発生素子28,29
の間に除電電界が形成されると、誘起電極88a及び放
電極88b並びに誘起電極89a及び放電極89bは、
それぞれイオン吸引性電極及びイオン反発性電極として
作用する。例えば、直流電源79に正電圧V22を印加
すると、交流コロナ型イオン発生素子28に生じた正極
性イオン及び負極性イオンの内、負極性イオンのみが、
イオン反発性電極として作用する誘起電極88a及び放
電極88bから、イオン吸引性電極として作用する誘起
電極89a及び放電極89bの方向に移動し、その途中
に配置されている被除電体11に接触し、被除電体を除
電する。一方、交流コロナ型イオン発生素子29に生じ
た正極性イオン及び負極性イオンの内、正極性イオンの
みが、イオン反発性電極として作用する誘起電極89a
及び放電極89bから、イオン吸引性電極として作用す
る誘起電極88a及び放電極88bの方向に移動し、そ
の途中に配置されている被除電体11に接触し、被除電
体を除電する。こうして被除電体11は、一方から正極
性イオンにより、他方から負極性イオンにより同時に処
理され、被除電体11は除電される。
【0057】交流電源により交流コロナ放電を発生させ
るために印加する高周波の交流電圧は特に限定されるも
のではないが、好ましくは約0.1KVp−p〜50K
Vp−pであり(KVp−pは、交流電圧の最大値ピー
クから最小値ピークまでの電圧差を示す)、周波数も特
に限定されるものではないが好ましくは0.1〜100
KHzである。電圧が0.1KVp−p未満になると実
質的に放電が起こらなくなり周波数が0.1KHz未満
になると放電には極めて大きな電圧が必要となり、10
0KHzを越えると誘電加熱により誘電体が過熱状態に
なって破壊するおそれが生じるなどの問題がある。交流
コロナ放電を起こすことのできる誘起電極と放電極との
距離は、約0.1mm〜10mmが好ましい。
【0058】交流コロナ型イオン発生素子28と交流コ
ロナ型イオン発生素子29との電位差、すなわち、直流
電源78,79に印加する電圧差(V2 −V1 )は絶縁
破壊を起こさない範囲である限り特に限定されるもので
はないが、好ましくは0.5KV以上、より好ましくは
1KV以上である。電位差が0.5KV未満になると、
実質的なイオン供給量が小さくなるため十分な除電効果
が得られなくなる。上記の方法において、除電電界を形
成する手段として、直流電圧を印加する代わりに交流電
圧を印加してもよい。例えば、直流電源78,79に代
えて、一方を交流電源にし、他方をアースするか、ある
いは、両方を交流電源にすることができる。両方を交流
電源に代える場合には、各電源の位相をずらす必要があ
り、これらの位相を180°又はこれに近い程度にずら
すことが好ましい。この場合、交流の周期に応じて、正
極性イオン及び負極性イオンの両方が交互に放出されて
除電されるので、予め除電が完了する条件を知らなくて
も再帯電されることがない。
【0059】なお、本発明は、図4、図7、図8及び図
9に示した前記の組合せの他にも、交流沿面放電素子、
イオナイザー素子、直流コロナ型イオン発生素子及び交
流コロナ型イオン発生素子を相互に任意に組合せて用い
ることができる。従って、交流沿面放電素子とイオナイ
ザー素子との組合せ、交流沿面放電素子と直流コロナ型
イオン発生素子との組合せ、交流沿面放電素子と交流コ
ロナ型イオン発生素子との組合せ、イオナイザー素子と
直流コロナ型イオン発生素子との組合せ、イオナイザー
素子と交流コロナ型イオン発生素子との組合せ、又は直
流コロナ型イオン発生素子と交流コロナ型イオン発生素
子との組合せによっても実施することができる。本発明
方法では、被除電体をイオン吸引性電極に接触させるこ
ともできるが、イオン発生手段やイオン反発性電極とは
接触させない。従って、単一のイオン発生手段を用いる
場合には、被除電体をイオン吸引性電極に接触させるこ
ともできるが、一対のイオン発生手段を用いる場合に
は、被除電体がイオン吸引性電極に接触することはな
い。
【0060】本発明方法において、対向して配置する一
対のイオン発生手段(特に沿面放電素子、直流コロナ型
イオン発生素子又は交流コロナ型イオン発生素子)を使
用して、被除電体の両表面を同時に除電する場合には、
被除電体の配置する位置は、対向して配置する一対のイ
オン発生手段(特に沿面放電素子、直流コロナ型イオン
発生素子又は交流コロナ型イオン発生素子)の間であっ
て、イオン発生手段間に形成される除電電界中に被除電
体の除電対象表面の大部分が含まれ、それぞれのイオン
発生手段と接触しない限り、特に制限されない。例え
ば、図10に示すように、放電極41,42を担持した
表面が、被除電体11の除電対象表面14,15のそれ
ぞれと対向するように、沿面放電素子21,22を配置
することができる。この態様は、被除電体11の除電対
象表面14,15が異なる極性の電荷で帯電されている
場合に適している。また、沿面放電素子の間の距離を近
づけることができるので、除電電界を形成するための印
加電圧を小さくすることができる。ただし、この態様で
は、除電電界が交流により形成される場合は問題はない
が、直流により形成される場合には、予め除電対象表面
の帯電極性を知っておく必要がある。
【0061】また、例えば、図11に示すように、放電
極41,42を担持した表面が、被除電体11の除電対
象表面14,15と直交するように、沿面放電素子2
1,22を配置することができる。この態様は、除電電
界を形成させるために印加する電圧として、直流電圧を
使用し、過剰に除電処理を実施した場合にも、図10に
示す態様に比べて、除電処理前の電荷と逆極性の電荷で
再び帯電されにくく、予め除電対象面の帯電特性を知ら
なくても問題なく除電することができる。なお、図10
及び図11は、沿面放電素子と被除電体との位置関係を
模式的に示す説明図であるので、例えば、電源、被除電
体の配置手段等は示していない。
【0062】以下、実施例によって本発明を具体的に説
明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1 アースされた銅板(長さ=30cm,幅=25cm,厚
さ=1mm)上に設置したポリエステルフィルム(長さ
=25cm,幅=15cm,厚さ=50μm)に、コロ
ナ放電により、+2000Vの表面電位を与えた。この
銅板を対電極とし、ポリエステルフィルムの上方に98
mmの間隔を設けて、放電極を担持した表面がポリエス
テルフィルムと向かい合うように、沿面放電素子を配置
した。沿面放電素子としては、耐熱ガラス(長さ=2
9.5cm,幅=21cm,厚さ=1.2mm)の一方
の表面に、放電極として格子状のステンレススチール板
(長さ=25.7cm,幅=18.2cm,厚さ=0.
04mm,格子幅=2mm,格子間隔=8mm)を設
け、ガラスのもう一方の表面に、誘起電極としてステン
レススチール板(長さ=25.7cm,幅=18.2c
m,厚さ=0.04mm)を設けたものを使用した。放
電極と誘起電極との間に交流高電圧(23.9KHz,
5KVp−p)を印加し、沿面放電を発生させた。これ
と同時に、放電極を直流電圧(−2KV若しくは−5K
V)又は矩形波交流電圧(5Hz/5KVp−p若しく
は5Hz/9KVp−p)でバイアスし、ポリエステル
フィルムの除電処理を実施した。ポリエステルフィルム
の表面電位は、表面電位計(トレック株式会社:モデル
344)により測定した。
【0063】除電処理時間とポリエステルフィルムの表
面電位との関係を図12に示す。比較例として、放電極
をバイアスせずに、交流高電圧を印加して沿面放電発生
のみを行った場合の結果も、図12に示す。図12に示
す記号は、●は比較例、○は交流電圧5Hz/5KVp
−p、□は交流電圧5Hz/9KVp−p、△は直流電
圧−2KV、そして◇は直流電圧−5KVの場合の結果
をそれぞれ表す。放電極をバイアスした場合は、直流電
圧の場合であっても、交流電圧の場合であっても、電界
強度が高くなるほど、除電時間が短かった。また、直流
の場合には、最適除電時間が存在し、それを越えて除電
処理を継続すると、除電処理前の電荷とは逆極性に帯電
されてしまうことがわかった。比較例では、本発明に比
較して、ほとんど除電されていなかった。
【0064】実施例2 ポリエステルフィルム(長さ=25cm,幅=15c
m,厚さ=50μm)に対し、一方の表面(以下、負極
性帯電表面と称する)に−2000V、そしてもう一方
の表面(以下、正極性帯電表面と称する)に+2000
Vの表面電位を与えた。実施例1で使用した沿面放電素
子2個を、放電極を担持した表面が互いに向き合うよう
に配置し、それらの沿面放電素子と平行であって、且つ
それぞれの沿面放電素子からの距離が等距離(98m
m)になるように、前記のポリエステルフィルムをスタ
ンドの付いた一対のアクリル製の保持具で両端部をはさ
んで固定することにより設置した。それぞれの沿面放電
素子の放電極と誘起電極との間に交流高電圧(23.9
KHz,5KVp−p)を印加し、沿面放電をそれぞれ
発生させた。これと同時に、ポリエステルフィルムの正
極性帯電表面と向かい合う沿面放電素子の放電極を、直
流電圧(−10KV)又は矩形波交流電圧(5Hz/1
0KVp−p)でバイアスし、そしてもう一方の沿面放
電素子の放電極をアースし、ポリエステルフィルムの除
電処理を実施した。比較例として、前者の放電極をバイ
アスせずに、両放電極を共にアースして交流高電圧を印
加して沿面放電を発生させる処理も実施した。ポリエス
テルフィルムの表面電位は、実施例1と同じ方法により
測定した。正極性帯電表面と向かい合う沿面放電素子の
放電極を直流電圧−10KVでバイアスした場合は、実
施例1の直流電圧−5KVの場合と同様の結果を示し
た。また、正極性帯電表面と向かい合う沿面放電素子の
放電極を交流電圧5Hz/10KVp−pでバイアスし
た場合は、実施例1の交流電圧5Hz/5KVp−pの
場合と同様の結果を示した。なお、比較例は、実施例1
の比較例と同様、ほとんど除電されていなかった。
【0065】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明では放電
を起こさせる手段と除電電界を形成する手段とが実質的
に独立して作用するため、本発明を用いることによっ
て、迅速かつ高効率で被除電体を除電することができ、
除電速度又は除電効率を任意に制御することができる。
また、イオン発生手段、イオン反発性電極、又はイオン
吸引性電極を、被除電体に接近させる必要がないので、
本発明は被除電体の形状による制限を受けない。また、
外部から電圧を印加することにより形成させた電界を用
いて、被除電体にイオンを供給するため、被除電体の帯
電状態による制限も受けない。更には、除電処理によっ
て、被除電体の表面を傷つけたり、改質したりするおそ
れがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明で用いることのできる交流沿面放電素子
の斜視図である。
【図3】本発明の別の一態様を模式的に示す断面図であ
る。
【図4】一対の平板状交流沿面放電素子を用いる本発明
の一態様を模式的に示す断面図である。
【図5】図4の装置を用いて交流及び直流電圧を印加し
た場合に得られる交流波形を示すグラフである。
【図6】一対の円筒状交流沿面放電素子を用いる本発明
の一態様を模式的に示す断面図である。
【図7】一対のイオナイザーを用いる本発明の一態様を
模式的に示す断面図である。
【図8】一対の直流コロナ型イオン発生素子を用いる本
発明の一態様を模式的に示す断面図である。
【図9】一対の交流コロナ型イオン発生素子を用いる本
発明の一態様を模式的に示す断面図である。
【図10】一対の平板状交流沿面放電素子を用いる本発
明の別の一態様を模式的に示す断面図である。
【図11】一対の平板状交流沿面放電素子を用いる本発
明の更に別の一態様を模式的に示す断面図である。
【図12】実施例1で実施した、ポリエステルフィルム
の除電処理の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
11・・被除電体;21,22・・交流沿面放電素子;
24,25・・イオナイザー;26,27・・直流コロ
ナ型イオン発生素子;28,29・・交流コロナ型イオ
ン発生素子;31,32,38,39・・誘電体;4
1,42,86b,87b,88b,89b・・放電
極;44,45・・イオン移動用電極;51,52,8
8a,89a・・誘起電極;61,62,68,69・
・交流電源;71,72,74a,75a,76a,7
6b,77a,77b,78,79・・直流電源;81
・・平板状対電極;82・・円柱状対電極;84a,8
5a・・コロナ放電極;84b,85b・・アース極;
84c,85c・・ガイド板;86a,87a・・対電
極。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して配置し、電位差を設けたイオン
    反発性電極とイオン吸引性電極との間に、少なくともそ
    のイオン反発性電極とは非接触状態で配置した被除電体
    と、前記イオン反発性電極との間に、正極性イオン及び
    /又は負極性イオン発生手段から供給された正極性イオ
    ン及び/又は負極性イオンを、前記の電位差によって前
    記イオン反発性電極から前記イオン吸引性電極の方向へ
    移動させ、前記被除電体の表面に接触させることによ
    り、被除電体の電荷を中和することを特徴とする、除電
    方法。
  2. 【請求項2】 対向する第1及び第2の交流沿面放電素
    子の各々の誘起電極に交流電圧を印加して各々の放電極
    側で交流沿面放電を起こさせて、各々の放電極側に正極
    性イオン及び負極性イオンを発生させ;少なくとも一方
    の交流沿面放電素子の放電極に電圧を印加することによ
    って、前記の正極性イオン又は負極性イオンのいずれか
    一方のイオンに関しては、第1の交流沿面放電素子の放
    電極を反発性電極とすると共に第2の交流沿面放電素子
    の放電極を吸引性電極として、当該極性のイオンのみを
    第1の交流沿面放電素子表面から選択的に引き抜くこと
    のできる電位差を前記の各放電極間に設け、そして、前
    記のイオンとは逆極性のイオンに関しては、第2の交流
    沿面放電素子の放電極を反発性電極とすると共に第1の
    交流沿面放電素子の放電極を吸引性電極として、当該極
    性のイオンのみを第2の交流沿面放電素子表面から選択
    的に引き抜くことのできる電位差を前記の各放電極間に
    設け;前記の対向する一対の交流沿面放電素子の間に、
    それらの交流沿面放電素子と接触させずに被除電体を配
    置する、請求項1に記載の除電方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001335139A (ja) * 2000-05-23 2001-12-04 Takayanagi Kenkyusho:Kk 物体搬送供給装置
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CN111077212A (zh) * 2019-12-17 2020-04-28 北京声迅电子股份有限公司 一种基于faims原理的离子传感器

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