JPH09183912A - 耐熱性非晶質樹脂と官能化エラストマーとの安定化組成物 - Google Patents

耐熱性非晶質樹脂と官能化エラストマーとの安定化組成物

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JPH09183912A
JPH09183912A JP8252129A JP25212996A JPH09183912A JP H09183912 A JPH09183912 A JP H09183912A JP 8252129 A JP8252129 A JP 8252129A JP 25212996 A JP25212996 A JP 25212996A JP H09183912 A JPH09183912 A JP H09183912A
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ダリル・ナザリス
Stephen Michael Cooper
スティーブン・マイケル・クーパー
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/49Phosphorus-containing compounds
    • C08K5/51Phosphorus bound to oxygen
    • C08K5/52Phosphorus bound to oxygen only
    • C08K5/524Esters of phosphorous acids, e.g. of H3PO3
    • C08K5/526Esters of phosphorous acids, e.g. of H3PO3 with hydroxyaryl compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】安定で耐衝撃性と保色性と延伸性の改良された
耐熱性非晶質樹脂。 【解決手段】下記(a)、(b)、及び(c)を含んで
なる組成物。(a)耐熱性非晶質樹脂、(b)官能化エ
ラストマー化合物、及び(c)立体障害性オルト置換ア
リールホスファイト化合物。立体障害性オルト置換アリ
ールホスファイト化合物が次の一般式を有する。 式中、各RはC3−10アルキル基及びC6−10
香族基からなる群から独立に選択される嵩高い又は立体
障害性の基であり、各Rは水素、C1−10アルキル
基及びC6−10芳香族基からなる群から独立に選択さ
れるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、官能化エラストマ
ー化合物、立体障害(sterically hindered) オルト置換
アリールホスファイト化合物、及び、任意成分として、
上記官能化化合物を架橋することができると共に/又は
当該組成物の延性を向上させることができる触媒を含ん
でなる、耐熱性非晶質樹脂の安定な衝撃性改良組成物に
関する。本発明の組成物は、物品に成形したとき、例え
ば熱的性質のような他の重要な性質を犠牲にすることな
く、幾つかの特性が劇的に向上する。
【0002】
【従来の技術】約160℃を超えるガラス転移温度をも
つ非晶質樹脂は、例えば高温耐性、寸法安定性、加水分
解安定性及び電気的性質を始めとするユニークな組合せ
の特性を有するため工業的に魅力のある材料である。こ
のような非晶質樹脂の例としては、例えば、ポリエーテ
ルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホ
ン樹脂がある。しかし、一般に、これらの樹脂の典型的
な欠点の一つは、その光黄変抵抗性、並びにその耐衝撃
性が若干劣ること、換言すれば、耐熱性非晶質樹脂から
製造した成形品が幾分脆性であることである。したがっ
て、これら非晶質樹脂のその他の優れた特性を犠牲にす
ることなく、その光黄変抵抗性及び耐衝撃性を増大させ
ることができれば望ましいであろう。こうした耐熱性非
晶質樹脂の光黄変抵抗性及び耐衝撃性を耐薬品性や加水
分解安定性のような他の物理的性質と併せて改良すれ
ば、これらの樹脂の用途がさらに広がるであろう。
【0003】上述の通り、ポリエーテルイミド樹脂は耐
熱性非晶質樹脂の代表的な例である。ポリエーテルイミ
ド樹脂は、米国インディアナ州マウント・バーノン(Mou
nt Vernon)のゼネラル・エレクトリック社(General Ele
ctric Company)からウルテム(ULTEM) 樹脂という商標で
販売されている。また、1983年3月31日に出願さ
れ1984年10月17日に特開昭59−182847
号として出願公開された住友化学工業株式会社の日本特
許出願に教示されている通り、オレフィン性グリシジル
−メタクリレートコポリマーを用いてポリエーテルイミ
ド樹脂の耐衝撃性を改良することも知られている。
【0004】しかしながら、この先行技術文献には、立
体障害オルト置換アリールホスファイトを用いると光黄
変抵抗性が予期し得ないほど劇的に増大することについ
ては開示されていないし、また認識されていないことも
明らかである。本発明の組成物は、射出成形により成形
品としたとき、熱的性質を損なわずに黄変抵抗性及び衝
撃特性を劇的に増大させることができる。
【0005】エポキシ官能化エラストマーを含んだ衝撃
性改良ポリエーテルイミドは、本出願人に譲渡された1
994年7月5日出願の米国特許出願第08/2706
07号(Nazareth他)に開示されている。上記出願にお
いて、その発明者らは、立体障害オルト置換アリールホ
スファイト化合物を添加すると、衝撃強さ及び色安定性
が予期し得ないほど劇的な向上することについては開示
していないし、また認識してもいない。
【0006】
【解決すべき課題】本発明の目的は、加熱撓み温度のよ
うな他の重要な物理的性質を実質的に保持したまま、色
安定性及び延性などの向上した耐熱性非晶質樹脂の耐衝
撃性改良組成物を製造するための組成及び方法を提供す
ることである。
【0007】
【発明の概要】本発明によれば、耐熱性非晶質樹脂と、
官能化エラストマー化合物と、組成物の色安定度と延性
を改良し得る立体障害オルト置換アリールホスファイト
化合物とを含んでなる新規ポリマーブレンド組成物が製
造される。好ましい実施形態では、官能化エラストマー
化合物の添加前に触媒を耐熱性非晶質樹脂と溶融混合す
る。当該組成物は、成形された状態で、他の高温耐性非
晶質樹脂組成物と比較して、劇的に向上した耐衝撃性、
向上した色安定性及び/又は改良された加水分解安定性
を示す。本発明のポリマーブレンドは、向上した衝撃特
性を示すほか、基材樹脂のもつ他の優れた熱的性質は良
好に保持している。
【0008】
【好ましい実施形態の説明】高いガラス転移温度(以後
Tgと略す)を有する非晶質樹脂は当業者に周知の樹脂
である。有用な樹脂の代表的な例としては、ポリエーテ
ルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリ(アリ
ールエーテル)コポリマー樹脂及びポリスルホン樹脂が
ある。耐熱性非晶質樹脂のTgは一般に約160℃を超
え、好ましくは約170℃を超え、最も好ましくは約1
80℃を超える。こうした範囲を下回るTgを有する非
晶質樹脂は、最高度の耐熱用途、したがって最も需要の
多い工業用途に従事できるほどの耐熱性をもたない。本
発明の範囲に属しない部類の非晶質ポリマーは、ポリ
(フェニレンエーテル)樹脂、ポリカーボネート樹脂、
及びポリカーボネートコポリマー樹脂(例えばポリエス
テルカーボネートなど)である。
【0009】既に述べた通り、ポリエーテルイミド樹脂
は、本発明において高いTgを有する非晶質樹脂として
有用である。ポリエーテルイミド樹脂(以後PEIと略
す)も公知の化合物であり、その製造方法及び特性は米
国特許第3803085号、同第3847867号及び
同第3905942号に記載されている(これらの米国
特許の開示内容は援用によって本明細書の内容の一部を
なす)。
【0010】本発明のブレンドの製造に使用されるPE
Iは、次式(I)の繰返し単位を複数、通例10〜10
00又はそれ以上含んでいる。
【0011】
【化2】
【0012】上記式中、Tは−O−又は式−O−Z−O
−の基であって、当該−O−又は−O−Z−O−基の二
価結合は3,3′位、3,4′位、4,3′位又は4,
4′位にあり、Zはビス−アリール基を始めとする二価
のアリール基であって、メチル基やハロゲンで置換され
ていてもよい。ビス−アリール基の2つのアリール基は
共有結合で結合していてもよいし、又は次式(II)で表
わされる二価の基によって連結されていてもよい。
【0013】
【化3】
【0014】ただし、yは1〜約5の整数である。ま
た、上記式(I)中のRは、(a)炭素原子数6〜約2
0の芳香族炭化水素基及びそのハロゲン化誘導体、
(b)炭素原子数2〜約20のアルキレン基、(c)炭
素原子数3〜約20のシクロアルキレン基、及び(d)
下記一般式(III)の二価の基、からなる群から選択さ
れる二価の有機基である。
【0015】
【化4】
【0016】ただし、Qは次式(IV)からなる群から選
択されるものである。
【0017】
【化5】
【0018】ただし、yは約1〜約5の整数である。一
般に、有用なPEIは、m−クレゾール中25℃で測定
して、約0.2dl/g(デシリットル/グラム)より
大の極限粘度[η]、好ましくは約0.35〜約0.7
dl/gの極限粘度を有する。一つの実施形態では、P
EIは上述のエーテルイミド単位に加えて次式(V)の
ポリイミド繰返し単位をも含んだコポリマーであっても
よい。
【0019】
【化6】
【0020】上記式中、Rは式(I)について上記で定
義した通りであり、Mは以下に示す式(VI)、式(VII)
及び式(VIII)からなる群から選択される。
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】PEIは当業者に周知の方法で製造するこ
とができ、その一例を挙げると、下記の式(IX)の芳香
族ビス(エーテル無水物)を下記の式(X)の有機ジア
ミンと反応させる。
【0025】
【化10】
【0026】(X) H2 N−R−NH2 上記式中、T及びRは式(I)に関し上記で定義した通
りである。好ましいジアミンにはm−フェニレンジアミ
ン及びp−フェニレンジアミンがある。その他の有用な
ジアミンは当技術分野で公知である。一般に、反応は周
知の溶媒(例えばo−ジクロロベンゼン、m−クレゾー
ル/トルエンなど)を使用して行うこともでき、式(I
X)の無水物と式(X)のジアミンを約100〜約25
0℃の温度で相互作用させる。別法として、PEIは、
芳香族ビス(エーテル無水物)とジアミンの混合物を撹
拌しながら高温に加熱して溶融重合することによっても
製造することができる。上記無水物反応体とアミン反応
体の量は化学量論的に均衡させて、基本的に電荷の釣り
合った(すなわち中性の)ポリマーが得られるようにす
るのが好ましい。このように反応体を均衡させると得ら
れるポリマーの安定性が向上する。PEIの溶融重合は
一般に約200〜400℃の温度で行なう。連鎖停止剤
や分枝化剤を反応に使用することもできる。PEI及び
その製造方法は米国特許第3983093号(Williams
他)に記載されており、その開示内容は援用によって本
明細書の内容の一部をなす。
【0027】特定の芳香族ビス(エーテル無水物)と有
機ジアミンの例が、例えば米国特許第3972902号
及び同第4455410号(その開示内容は援用によっ
て本明細書の内容の一部をなす)に開示されている。上
記の式(IX)に包含される芳香族ビス(エーテル無水
物)の好ましいものとしては、Tが次式(XI)のもの
で、そのエーテル結合が3,3′位、3,4′位、4,
3′位、4,4′位にあるか或いはそれらの混在型であ
る化合物がある。
【0028】
【化11】
【0029】ただし、Yは以下の式(XII) からなる群か
ら選択される。
【0030】
【化12】
【0031】PEI/ポリイミドコポリマーを用いると
きは、ビス(エーテル無水物)と組合せてピロメリト酸
無水物のような二無水物を使用する。PEIの幾多の製
造方法の中には、米国特許第3847867号、同第3
814869号、同第3850885号、同第3852
242号及び同第3855178号に開示されているも
のがある。それらの開示内容は、本発明のブレンドに使
用するPEIの一般的な製造法及び特殊な製造法を例示
として教示するための目的から、援用によって本明細書
の内容の一部をなす。
【0032】特に有用なポリエーテルイミド樹脂は以下
の式(XIII)〜(XIV) の少なくとも1種類の繰返し単位
を含むものである。
【0033】
【化13】
【0034】ただし、Rはm−フェニレン基又はp−フ
ェニレン基である。
【0035】
【化14】
【0036】ただし、Rはm−フェニレン基である。
【0037】
【化15】
【0038】ただし、Rは、モル比約60:40のm−
フェニル基とビス(γ−プロピルジメチルシロキサン)
基からなり、シロキサン繰返し単位の平均数が約10の
ブロックコポリマー又は交互コポリマーである。本発明
の実施形態の一つには、非晶質樹脂としてポリ(アリー
ルエーテル)コポリマー樹脂を含んだ熱可塑性成形用組
成物がある。使用し得るポリ(アリールエーテル)コポ
リマー樹脂は、アリーレン単位のところどころにエーテ
ル結合とスルホン結合が存在する熱可塑性ポリアリーレ
ン−ポリエーテル−ポリスルホンである。こうした樹脂
を得るには、二価フェノールのアルカリ金属複塩とジハ
ロベンゼノイド化合物(そのいずれか一方或いは双方と
もにアリーレン基間にスルホン結合又はケトン結合、す
なわち−SO2 −又は−CO−を有する)を反応させ
て、アリーレン単位及びエーテル単位に加えてスルホン
単位又はケトン単位をポリマー連鎖に導入すればよい。
ポリスルホンポリマーは次式(XVI)の繰返し単位を含
む基本構造を有する。 (XVI) −O−E−O−E′− 上記式中、Eは二価フェノールの残基であり、E′は原
子価結合に対するオルト位又はパラ位の少なくとも一方
に不活性な電子吸引基を有するベンゼノイド化合物の残
基であって、これらの残基はいずれも芳香族炭素原子を
介してエーテル酸素にしっかり結合している。このよう
なポリスルホンは、例えば米国特許第3264536号
及び同第4108837号に記載されているポリアリー
レンポリエーテル樹脂の群に包括される。これらの開示
内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【0039】二価フェノールの残基Eは次式(XVII)の
二核フェノールから誘導される。
【0040】
【化16】
【0041】式中、Arは芳香族基であって、好ましく
はフェニレン基であり、各Aは独立に同一又は異なる不
活性置換基、例えば炭素原子数1〜4のアルキル基、ハ
ロゲン原子(すなわち、フッ素、塩素、臭素又はヨウ
素)又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であり、各々
のrは独立に0〜4の値を有する整数であり、Rはジヒ
ドロキシジフェニルの場合にみられるような芳香族炭素
原子間の結合を表わすか、或いは、例えばC(O)、
O、S、S−SもしくはSO2 のような二価の基、又は
アルキレン、アルキリデン、シクロアルキレンもしくは
シクロアルキリデン、又は、ハロゲン、アルキルもしく
はアリールで置換されたアルキレン、アルキリデン、シ
クロアルキレン及びシクロアルキリデン基のような二価
の有機炭化水素基、並びにアルカリーレン基、芳香族
基、及び両方のAr基に縮合した環である。
【0042】典型的な好ましいポリ(アリールエーテ
ル)樹脂は次式(XVIII) の繰返し単位を含む。
【0043】
【化17】
【0044】式中、A及びrは上記で定義した通りであ
り、R1 及びR2 は芳香族炭素原子間の結合を表わす。
さらに好ましいものは、上記の式で各rがいずれも0で
あり、R1 が次式(XIX) の二価の連結基であって、R2
がスルホン基である繰返し単位を含むポリスルホンであ
る。
【0045】
【化18】
【0046】ただし、各R3 は独立に低級アルキル、ア
リール及びそれらをハロゲン置換した基から選択される
ものであって、好ましくはメチルである。ポリ(アリー
ルエーテル)コポリマーは通常約5000を超える重量
平均分子量(Mw)を有する。特に有用なポリ(アリー
ルエーテル)は次式(XX)の繰返し単位を含むポリ(フ
ェニル)スルホン樹脂である。
【0047】
【化19】
【0048】これは、アモコ社(Amoco) からラーデル(R
ADEL) という商標のグレードR5000Aとして市販さ
れている。別の特に有用なポリ(アリールエーテル)は
次式(XXI) の繰り返し単位を有するポリ(エーテル)ス
ルホン樹脂である。
【0049】
【化20】
【0050】これは、アモコ社からラーデル(RADEL) と
いう商標のグレードA300として市販されている。ま
た、別の特に有用なポリ(アリールエーテル)スルホン
は次式(XXII)の繰り返し単位を有するポリスルホン樹
脂である。
【0051】
【化21】
【0052】これは、アモコ社からユーデル(UDEL)とい
う商標のグレードP−1700として市販されている。
さらにまた別の特に有用なポリ(アリールエーテル)ス
ルホンコポリマー樹脂は次式(XXIII) の繰り返し単位を
有する。
【0053】
【化22】
【0054】これは、ICIアドバンスト・マテリアル
ズ社(ICI Advanced Materials)からビクトレックス(VIC
TREX) という商標のグレード4100Gとして市販され
ている。官能化エラストマー化合物は本発明のもう一つ
の要素である。好適な官能化エラストマー化合物には、
触媒存在下で架橋できる官能基を含んだ化合物が包含さ
れる。有用な官能基の例としては、例えば、エポキシ
基、オルトエステル基、ニトリル基、カルボン酸基、カ
ルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基及びアミン基
がある。好ましい官能基はエポキシ基とオルトエステル
基である。官能化エラストマー化合物には、エラストマ
ー1分子当たり平均2以上の官能基、好ましくはエラス
トマー分子1当たり平均して2を超える官能基を含んだ
ポリオレフィン性化合物が包含される。官能化エラスト
マー化合物に2種類以上の官能性化学種が含まれていて
もよい。官能化エラストマー化合物が上記耐熱性非晶質
樹脂と相溶性であることも重要である。
【0055】本発明の一つの実施形態では、官能化エラ
ストマー化合物は、官能化エラストマー化合物を含まな
い点又は官能化エラストマー化合物と触媒を同時に溶融
混合した点を除けば同一の組成物と比較して、延性及び
相溶性が改善された熱可塑性樹脂組成物を得るのに有効
な量で添加される。延性の改善はノッチ付アイゾット衝
撃強さの増大及び/又は落槍衝撃試験(ダイナタップ衝
撃試験など)における延性破壊モードによって示され
る。相溶性の改善は、ブレンド成分間の全体的相分離(g
ross phase separtion) が最低限に抑えられることを包
含して意味する。相溶性改善の指標としては、例えば離
層傾向の低減、延性の増大及び/又は相形態安定化の向
上などが包含される。
【0056】官能化エラストマー化合物の量は、非晶質
樹脂と官能化エラストマー化合物と触媒の合計重量を基
準にして、通例約1〜約20重量%である。さらに好ま
しくは、官能化エラストマー化合物の量は、非晶質樹脂
と官能化エラストマー化合物と触媒の合計重量を基準に
して、通例約3〜約10重量%であり、最も好ましくは
通例約4〜約7重量%である。
【0057】有用な官能化エラストマーの代表例の一つ
はエポキシ官能化α−オレフィンエラストマーである。
エポキシ官能化α−オレフィンエラストマーは、好まし
くは約60〜約99.5重量%のα−オレフィン及び約
0.5〜約40重量%のα,β−不飽和カルボン酸グリ
シジルエステルを含んだオレフィン性コポリマーであ
る。非晶質樹脂及び触媒と組合せるエポキシ官能化α−
オレフィンエラストマーの量は一般に、耐熱性非晶質樹
脂の全体的な靱性及び延性を改良するのに充分な量であ
る。
【0058】本発明で使用するオレフィン性コポリマー
は、α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸グリシ
ジルエステルとのコポリマーである。ここで、α−オレ
フィンという用語はエチレン、プロピレン、ブテン−1
などを意味する。これらの中ではエチレンが好ましい。
α,β−不飽和酸のグリシジルエステルは次の一般式
(XXIV)の化合物である。
【0059】
【化23】
【0060】式中、R35は水素原子又は低級アルキル基
を表わす。α,β−不飽和酸グリシジルエステルの代表
例としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリ
シジル及びエタクリル酸グリシジルがある。エポキシ官
能化オレフィン性エラストマーは、当該エラストマー組
成物の重量を基準にして、約60〜約99.5重量%の
α−オレフィン、及び約0.5〜約40重量%、好まし
くは約3〜約30重量%のα,β−不飽和カルボン酸グ
リシジルエステルを含有するオレフィン性コポリマーが
好ましい。この量が約0.5重量%未満であると目的と
する効果が得られず、約40重量%を超えると溶融ブレ
ンディング中にゲル化が起こって生成物の押出し安定
性、成形性及び機械的特性を損なう傾向がある。エポキ
シ官能化ポリオレフィンを、例えば線状低密度ポリエチ
レン(一般に「LLDPE」と略記される)、ポリプロ
ピレン、エチレン−プロピレンコポリマーのような各種
の未官能化ポリオレフィンとブレンドすることも、全体
のエポキシ含量が上記範囲内に収まることを条件とし
て、可能である。好適なエポキシ官能化α−オレフィン
エラストマーとしては、エチレン−アクリル酸グリシジ
ルコポリマー、エチレン−メタクリル酸グリシジルコポ
リマー、エチレン−メタクリル酸グリシジル−酢酸ビニ
ルターポリマー、エチレン−メタクリル酸グリシジル−
アクリル酸メチルターポリマー、エチレン−アクリル酸
エチル−メタクリル酸グリシジルターポリマーがある。
好ましいエポキシ官能化エラストマーは、住友化学工業
株式会社からイゲタボンド(IGETABOND) 及びボンドファ
スト(BONDFAST)という商標で、またエルフ・アトケム社
(Elf Atochem) からロタデール(LOTADER) という商標で
入手できる。
【0061】ただし、官能化エラストマー化合物につい
ては熱安定性が良好であることが重要であることに留意
すべきである。換言すれば、官能化エラストマー化合物
は、それを配合すべき耐熱性非晶質樹脂の加工温度にお
いて熱的に安定でなければならない。そのため、ポリエ
ーテルイミドのような樹脂の場合には、エチレンとメタ
クリル酸グリシジルのコポリマーのようなエポキシ官能
化エラストマーが好ましい。酢酸ビニル、アクリル酸エ
チル又はアクリル酸メチルのような物質を含むターポリ
マーは極めて高い加工温度で熱分解し易いからである。
【0062】本発明の組成物は、上述の通り、1種類以
上の未官能化耐衝撃性改良剤をさらに含んでいてもよ
い。耐熱性非晶質樹脂に適した耐衝撃性改良剤は当業者
に周知である。本発明のポリマー混合物は第三の成分と
して立体障害オルト置換アリールホスファイト化合物を
含んでおり、該化合物は、本発明の方式で利用すると、
立体障害オルト置換アリールホスファイト化合物を含ま
ない点又は本発明の範囲に属さない方式で製造した点を
除けば同一の組成物に比べて、耐熱性非晶質樹脂と官能
化エラストマーを含んだ組成物の色安定性の改善及び延
性の向上をもたらす。立体障害オルト置換アリールホス
ファイト化合物は、オルト位が立体障害性の原子団で置
換されてないアリール及び/又はアルキルホスファイト
化合物よりも加水分解安定性に優れている。ホスファイ
ト化合物の加水分解種は亜リン酸誘導体であり、こうし
た亜リン酸誘導体は組成物の他の構成成分に悪影響を及
ぼすものと考えられる。さらに、第三ブチルやフェニル
のような疎水性基での置換は、耐熱性非晶質樹脂及び官
能化エラストマー化合物に対するホスファイトの溶解性
の増大をもたらすと考えられる。溶解性が増大すると、
ホスファイトが組成物全体に分散し易くなり、ホスファ
イトの効果が最大限に発揮される。
【0063】立体障害性オルト置換アリールホスファイ
ト化合物は当業者に周知の化合物であり、次の一般式(X
XV) を有する。
【0064】
【化24】
【0065】式中、各R1 はC3-10アルキル基及びC
6-10芳香族基からなる群から独立に選択される嵩高い(b
ulky) 基又は立体障害性(sterically hindered) の基で
あり、各R2 は水素、C1-10アルキル基及びC6-10芳香
族基からなる群から独立に選択されるものである。嵩高
い又は立体障害性のR1 の各々が、例えば第三ブチル
基、1,1−ジメチルプロピル基、シクロヘキシル基、
フェニル基又は置換フェニル基のような基であるのが好
ましい。また、R2 の少なくとも1つが嵩高い又は立体
障害性の基であるのも好ましい。R2 基はどのアリール
炭素上に位置していてもよく、アリール環上に2以上の
2 基が存在していてもよい。好ましいホスファイトと
しては、トリス(2−tert−ブチルフェニル)ホス
ファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−
ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−フェニル
フェニル)ホスファイト、トリス(2−(1,1−ジメ
チルプロピル)−フェニル)ホスファイト、トリス
(2,4−ジ−(1,1−ジメチルプロピル)−フェニ
ル)ホスファイト、トリス(2−シクロヘキシルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ア
ミルフェニル)ホスファイト、又はトリス(2−ter
t−ブチル−4−フェニルフェニル)ホスファイトがあ
る。
【0066】立体障害オルト置換アリールホスファイト
化合物は、米国特許第3939229号、同第4187
212号及び同第4810579号(すべて援用によっ
て本明細書の内容の一部をなす)に記載されているよう
な、当業者に周知の方法で製造される。概して、立体障
害オルト置換アリールホスファイト化合物は、延性のよ
うな他の物理的性質を実質的に維持又は改良しつつ組成
物の色安定性を改良するのに有効な量で添加される。組
成物の色安定性を改良するのに有効な量は、一般に組成
物全体の0.01〜5重量%の範囲内にあり、好ましく
は約0.05〜3重量%、さらに好ましくは約0.08
〜2重量%である。立体障害オルト置換アリールホスフ
ァイト化合物は、例えばヒンダードアミン、エポキシ化
合物、チオ化合物及び/又はヒンダードフェノールのよ
うな他の安定剤と組み合わせて使用してもよい。
【0067】本発明のポリマー混合物は任意成分として
触媒を含んでおり、該触媒は、本発明の方式で利用する
と、耐熱性非晶質樹脂と立体障害オルト置換アリールホ
スファイト化合物と官能化エラストマーを含んだ組成物
の延性を、触媒を含まない点又は本発明の範囲に属さな
い方式で製造した点を除けば同一の組成物に比べて、増
大させる。有用な触媒の代表例としては、非エラストマ
ー性の金属塩、無機添加剤(例えば、TiO2 、シリ
カ、ZnO、ZnSなど)、その他所定の官能化エラス
トマー化合物を架橋できることの知られている触媒があ
る。また、触媒が官能化エラストマー化合物に対する親
和性を有していて、それが耐熱性非晶質化合物内に孤立
した状態で留まらずに耐熱性非晶質樹脂中を移動して触
媒と接触するようにさせるタイプのものであることも好
ましい。
【0068】好適な金属塩は無機又は有機の塩であり、
有機酸の金属塩がさらに好ましい。好適な有機酸は飽和
又は不飽和の脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、脂
肪族又は芳香族のスルホン酸又はホスホン酸、及びアル
キル硫酸の塩である。具体的な有機酸としては安息香
酸、パルミチン酸、ラウリン酸、酢酸、ステアリン酸、
グルコン酸及びドデシルベンゼンスルホン酸があるが、
これらに限定されるものではない。
【0069】好適な金属塩は広範な金属から誘導するこ
とができる。なかでも、カルシウム、アルミニウム及び
亜鉛が好ましいが、ナトリウム、リチウム、カリウム、
バリウム、ベリリウム、マグネシウム、銅、コバルト及
び鉄のような金属を除外するものではない。特に、ステ
アリン酸の金属塩は望ましい融点と高純度をもっていて
広く市販されているので特に好ましい。
【0070】また、本発明の耐熱性非晶質樹脂と官能化
エラストマー化合物を含んだ組成物の触媒としては、酸
性又は塩基性の無機化合物も有用であり、好ましくは、
例えばシリカ、金属酸化物(二酸化チタンなど)、金属
硫化物、微細粘土、微細タルク、微細雲母などのような
小粒子鉱物質充填材である。小粒子とは、平均粒度が約
45ミクロン未満、好ましくは約25ミクロン未満、最
も好ましくは約15ミクロン未満である鉱物を包含して
意味するものとする。さらに、これらを表面処理したも
のも触媒として包含される。特に好ましい触媒は二酸化
チタン並びに二酸化チタンと金属塩の混合物である。
【0071】耐熱性非晶質樹脂と立体障害オルト置換ア
リールホスファイト化合物と官能化エラストマーを含ん
だ組成物に触媒を添加すると、得られる組成物は熱処理
に際しての良好な保色性、高い耐熱性、優れた流動性並
びに向上した耐薬品性と加水分解安定性を始めとする有
益な諸特性を他に類のない組合せで有するという知見が
得られた。驚くべき知見の一つは、上記の成分を適当な
量比及び順序で組合せることによって、触媒を含まない
点以外は同一の組成物に比べて延性の改善された樹脂組
成物を創製できたことである。したがって、本発明の一
つの実施形態によれば、触媒、立体障害オルト置換アリ
ールホスファイト化合物及び官能化エラストマーは、す
べての成分を同時に添加した点以外は同一の組成物に比
して改善された特性(増大した衝撃特性など)を示す熱
可塑性樹脂組成物が得られるよう充分な量及び順序で耐
熱性非晶質樹脂に添加される。かくして、上記諸成分
は、触媒を含まない対照と比較して、ノッチ付アイゾッ
ト衝撃値が少なくとも約25%、好ましくは少なくとも
約45%向上し、リブ付ダイナタップ衝撃強さが延性衝
撃破壊モードで少なくとも約50%、好ましくは約75
%以上向上した熱可塑性樹脂組成物が得られるような順
序及び充分な量で添加される。
【0072】驚くべきことに、二酸化チタンを利用する
と、シロキサンコーティングした酸化チタンを用いたと
きの同一の組成物と比較して、熱処理後の保色性の優れ
たものが得られることも判明した。二酸化チタンのシロ
キサン処理は二酸化チタンの潜在的反応性部位を減少さ
せると考えられ、予測では高温曝露時の組成物の色安定
性を向上させるはずであった。
【0073】本発明の組成物は、組成物全体の重量に対
する百分率で表わして、(A)の耐熱性非晶質樹脂を、
組成物全体の重量を基準として、好適には約50〜約9
9重量%、さらに好ましくは約85〜約97重量%、最
も好ましくは約90〜約95重量%、(B)の官能化エ
ラストマーを、組成物全体の重量を基準として、好適に
は約1〜約20重量%、さらに好ましくは約3〜約10
重量%、最も好ましくは約4〜約7重量%、(C)の立
体障害オルト置換アリールホスファイト化合物を、組成
物全体の重量を基準として、好適には約0.01〜約5
重量%、さらに好ましくは約0.05〜約3重量%、最
も好ましくは約0.08〜約2重量%のレベルで含んで
なる。任意成分の触媒を使用する場合、触媒は、組成物
全体の重量に対する百分率で表わして、約0.05〜約
6重量%のレベルで使用するが、約0.1〜約4重量%
のレベルで存在するのがより好ましく、約0.5〜約3
重量%のレベルで存在するのが最も好ましい。
【0074】耐熱性非晶質樹脂と官能化エラストマー
は、組成物中に、好ましくは約6:1〜約50:1の重
量比、さらに好ましくは約8:1〜約35:1の重量
比、最も好ましくは約6:1〜約25:1の重量比で存
在する。本発明の組成物は、また、酸化防止剤、難燃
剤、滴下防止剤(drip retardant)、染料、顔料、着色
剤、強化材、帯電防止剤、可塑剤及び滑剤からなる群か
ら選択される少なくとも1種類の添加剤を有効量で含有
し得る。これらの添加物は当技術分野で公知であり、そ
の有効量と配合方法についても同様に公知である。添加
物の有効量は広範囲にわたるが、通常は組成物全体の重
量を基準にして約5重量%もしくは約10重量%未満の
量で存在する。ただし、ある種の難燃剤及び強化材は例
外であり、それらについては約30重量%まで或いはそ
れ以上で使用することができる。
【0075】本発明の耐熱性非晶質組成物は、また、諸
特性のバランスを改善させるような他のプラスチック樹
脂とブレンドしてもよい。例えば、耐熱性非晶質樹脂
は、ポリカーボネート樹脂、ポリ(エステルカーボネー
ト)樹脂、ポリ(フェニレンエーテル)樹脂、ポリ(フ
ェニルカーボネート)樹脂などのような他の非晶質材料
とブレンドしてもよいと思料される。本発明の耐熱性非
晶質組成物は好ましくはある種の熱可塑性材料を含んで
おらず、特にポリアミド、ポリエステル、液晶ポリマー
及びポリ(アリーレンスルフィド)を含んでいないのが
好ましい。本組成物は上記の成分で実質的に構成される
のが好ましく、上記の成分のみで構成されるのがさらに
好ましい。
【0076】本発明の組成物の調製は、通常、均質ブレ
ンド形成条件下で上記成分を均質に添加混合することに
よって達成される。かかる条件としては、単軸式又は二
軸式押出機その他上記成分に剪断力を与え得る同様の混
合装置での混合が含まれることが多い。立体障害オルト
置換ホスファイトは耐熱性非晶質樹脂及び官能化エラス
トマーと一緒に直接添加してもよいし、或いは主成分た
る耐熱性非晶質樹脂又は官能化エラストマーの一方とホ
スファイトを予め混合しておいてもよい。触媒を使用す
る場合には、本組成物では、官能化エラストマーの添加
に先だって、耐熱性非晶質樹脂と立体障害オルト置換ホ
スファイトと触媒を一緒に添加しておくのが望ましい。
換言すれば、本発明の組成物の所望の形態及び特性が得
られるように、耐熱性非晶質樹脂と触媒を予め混合して
おいてから官能化エラストマーと混合するのが好まし
い。
【0077】加工処理には別々の押出機を使用してもよ
いが、これらの組成物は様々な成分の添加に適合した多
数の供給口をその長手方法に沿ってもつ単一の押出機を
使用することによっても製造し得る。例えば、耐熱性非
晶質樹脂と立体障害オルト置換ホスファイトと任意成分
の触媒を押出機のスロート(throat)部に添加して、官能
化エラストマーを混合区域の下流で添加することができ
る。その他の任意成分の追加は下流又は上流のいずれで
も行うことができよう。例えば、ガラス繊維は、押出機
内でのオーバーコンパウンディングによる繊維の破断を
最小限に抑えるため、押出機の終端近くの供給口に添加
するのが有利であることが多い。また、供給口と供給口
の間の各区域に少なくとも1つの排気口(ベント)を用
いて溶融物のガス抜き(大気圧又は真空のいずれでも)
を行うことが有利な場合もある。ブレンディングの時間
及び温度並びに成分添加については、過度の実験を要す
ることなく当業者が適宜設定し得るはずである。
【0078】本発明の組成物から製造される改良成形品
が本発明の実施形態の一つとなることは明らかであろ
う。本発明の熱可塑性組成物は、望ましいレベルの靱
性、耐薬品性及び加水分解安定性を示す物品へと成形す
ることができる。特に、本発明の熱可塑性組成物は、耐
溶剤性及び高い加熱撓み温度が共に必要とされる自動車
のボンネット内部用部品、並びに高い加熱撓み温度及び
加水分解安定性が共に必要とされる食品用品の製造に有
用である。
【0079】本明細書中で引用した特許及び文献の開示
内容はすべて援用によって本明細書の内容の一部をな
す。
【0080】
【実施例】本発明の幾つかの実施形態を例示するために
以下に実施例を挙げる。以下の実施例はなんら本発明を
限定するものではない。特記しない限り、百分率はすべ
て組成物全体の合計重量を基準にした重量%である。実施例 ブレンドのコンパウンディングは350rpmの二軸ス
クリュー押出機で行った。押出機のバレルセット温度は
約330℃に設定した。次いで、乾燥してペレットとし
たブレンド材料を350℃で射出成形して、ASTM
D256によるアイゾット衝撃強さ及びASTM D3
763(直径4インチ×0.125インチのディスクを
使用)によるダイナタップ(落槍試験における破断まで
のエネルギー)強度を測定するための1/8インチ標準
試験片とした。延性は衝撃を加えた試験片の目視によっ
て判定した。粘度は、標記の条件下で、インストロン(I
nstron) 毛細管レオメーターを用いて337℃、荷重5
kgで測定した。
【0081】PEIは、ゼネラル・エレクトリック社か
らウルテム(Ultem) という商標のグレード1000及び
/又は1040として市販されているポリエーテルイミ
ド樹脂である。BF−Eは、住友化学工業株式会社から
ボンドファストE(BONDFAST E)という商標で市販されて
いるポリエチレン−コ−12%グリシジルメタクリレー
トである。
【0082】DPPは、ゼネラル・エレクトリック社か
らウェストン(WESTON)という商標のグレードDPPとし
て市販されているジフェニルホスファイトである。TN
PPは、ゼネラル・エレクトリック社からウェストン(W
ESTON)という商標のグレードTNPPとして市販されて
いるトリスノニルフェニルホスファイトである。
【0083】U−626は、ゼネラル・エレクトリック
社からウルトラノックス(ULTRANOX)という商標のグレー
ド626として市販されているビス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト
である。I−168は、チバ−ガイギー社(Ciba-Geigy
Corporation)からイルガホス(IRGAFOS) という商標のグ
レード168として市販されているトリス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)ホスファイトである。
【0084】I−1010は、チバ−ガイギー社からイ
ルガノックス(IRGANOX) という商標のグレード1010
として市販されているテトラキス(3,5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)メタ
ンである。TiO2 −被覆は、シロキサンコーティング
された二酸化チタンである。TiO2 はSCM社からR
CL69というグレードで市販されている二酸化チタン
である。
【0085】表1〜表3は本発明の代表的な試料を含ん
でいる。表1は各種ホスファイト化合物を含み耐衝撃性
改良剤を含まない耐熱性非晶質組成物の例である。表2
には、耐熱性非晶質樹脂と官能化エラストマー化合物と
各種ホスファイト化合物を含んだ代表的な試料を挙げ
た。表3には、耐熱性非晶質樹脂と官能化エラストマー
化合物と各種ホスファイト化合物に加えてさらに二酸化
チタン顔料とヒンダードフェノールを含んだ代表的な試
料を挙げた。 表 1 試 料 PEI 100 99.8 99.8 99.8 99.8 DPP 0 0.1 0 0 0 TNPP 0 0 0.1 0 0 U−626 0 0 0 0.1 0 I−168 0 0 0 0 0.1 性 質 メルトフローインデックス 1.57 1.21 1.35 1.32 1.61 (g/10分,337℃) 配合1はPEIを含んだ対照試料であって、MFI(メ
ルトフローインデックス)について各種のホスファイト
含有試料と比較するために同一の熱履歴をもつ試料が得
られるようにコンパウンディングしたものである。試料
2はDPP(ジフェニルホスファイト)を含んでおり、
MFIデータにおいて対照試料1よりも試料2のMFI
が低いことから分かる通り、この試料では粘度が増大し
た。こうしたMFIの低下はDPPによって架橋反応が
起こり得ることを示している。試料3はTNPP(トリ
スノニルフェニルホスファイト)を含んでおり、この試
料も、PEIの反応が起こり得ることを示している。試
料4はホスファイトとしてビス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイトを含
んでおり、この試料も、PEIの反応が起こり得ること
を示している。この結果は、先行技術においてビス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリトリト
ールジホスファイトがポリカーボネートに有用なホスフ
ァイトであると記載されていることに鑑みれば、まさに
驚くべき結果である。ポリカーボネートは酸性度の高い
化学種に対する感受性が特に高いので、ホスファイトが
亜リン酸種へと加水分解すればポリカーボネートの分解
が起こるはずである。PEIはポリカーボネートよりも
ずっと安定であり、ポリカーボネートに対して有用なホ
スファイトはPEIに対しても有用であろうと期待され
る。試料5は立体障害オルト置換アリールホスファイト
化合物であるトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフ
ェニル)ホスファイトを含有している。この試料は、対
照試料とMFIを比較すると対照試料1では1.57で
試料5では1.61であってほぼ似通った値を示すこと
から、安定であることが分かる。従来技術の見地からす
れば、PEIとの望ましくない相互作用を回避するとい
う点で、立体障害オルト置換アリールホスファイト化合
物がビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエ
リトリトールジホスファイトよりも優れた結果を与える
というのは驚くべきことである。 表 2 試 料 10 PEI 95 95 95 95 95 BF−E 5 5 5 5 5 DPP 0 0.1 0 0 0 TNPP 0 0 0.1 0 0 U−626 0 0 0 0.1 0 I−168 0 0 0 0 0.1 性 質 ノッチ付アイゾット衝撃 2.5 0.4 1.7 1.7 3.2 (ft-lb/in) メルトフローインデックス 0.94 1.65 1.36 1.38 0.95 (g/10分) ダイナタップ衝撃(ft-lb) 42 2 8.7 18 42 破壊モード* 延性 脆性 脆性 脆性 延性 形態 良好 不良 渦巻状 渦巻状 良好 ΔE(150℃、3日) 4.6 - 3.0 4.5 2.3 ΔE(180℃、3日) 28 - 26 27 23.5 試料6は官能化エラストマーと共にPEIを含有する対
照試料である。試料7、試料8及び試料9はPEIと官
能化エラストマーと本発明の範囲に属さないホスファイ
トからなる組成物である。上記のデータにみられる通り
試料の延性と形態は対照よりも悪化していた。試料10
は官能化エラストマー及び立体障害オルト置換アリール
ホスファイト化合物と共にPEIを含有する本発明の実
施例である。試料10と試料7〜試料9との比較から、
立体障害性オルト置換アリールホスファイト化合物では
他のホスファイト化合物に比して劇的な改善がみられる
ことが分かる。色の改善も対照試料6と試料10の間で
著しい。 表 3 試 料 11 12 13 14 15 PEI 95 93 93 92.8 92.8 BF−E 5 5 5 5 5 I−168 0 0 0 0.2 0.2 I−1010 0 0 0 0 0 TNPP 0 0 0 0 0 TiO2 被覆 0 2 0 2 0 TiO2 0 0 2 0 2 性 質 ΔE(150℃、3日) 4.6 10.6 2.9 8.3 1 ΔE(180℃、3日) 28 27.4 22.3 26.2 19.2 表3(続き) 試 料 16 17 18 19 PEI 92.8 92.8 92.8 92.8 BF−E 5 5 5 5 I−168 0 0 0.1 0 I−1010 0.2 0 0.1 0.1 TNPP 0 0.2 0 0.1 TiO2 被覆 0 0 0 0 TiO2 2 2 2 2 性 質 ΔE(150℃、3日) 1.4 2 0.9 1 ΔE(180℃、3日) 22 23 11.1 18 表3のデータは、150℃又は180℃の温度に3日間
暴露した試料と熱処理してない同一の試料との間でのΔ
Eの比較を示している。試料11は、ポリエーテルイミ
ド樹脂を具体例とする耐熱性非晶質樹脂と官能化エラス
トマー化合物とを含有する対照である。試料12及び試
料13は試料11の色ずれに対する二酸化チタン顔料の
効果を例示している。驚くべきことに、シロキサン被覆
した二酸化チタン試料(試料12)では試料11と比較
して色ずれが増大していた。二酸化チタンに対するシロ
キサンコーティングは二酸化チタンに存在する反応部位
を沈静化することを目的としたものであり、それによっ
て色ずれが低減する(例えば、ΔEが減少する)と期待
していたものである。さらに驚くべきことに、シロキサ
ン処理をしてない通常の二酸化チタンを含有する試料1
3では対照試料11及び試料12のいずれと比べても色
安定性が改良されていた。試料14及び試料15は立体
障害オルト置換アリールホスファイト化合物の添加によ
る色安定性の改良を示しており、それぞれ試料12及び
試料13に対応している。これらのデータも、また、シ
ロキサン被覆した二酸化チタンよりも通常の二酸化チタ
ンのほうで改良された色安定性が得られることを示して
いる。試料16は、耐熱性非晶質樹脂と官能化エラスト
マー化合物とシロキサン処理していない二酸化チタンを
含有する組成物(試料13)にヒンダードフェノールを
添加したときに得られる特性を例示している。試料17
は本発明の範囲に属さないホスファイトを試料13の組
成物に添加したときに得られた結果を示している。試料
16及び試料17のいずれにおいても、熱処理試験で試
料13に比べ若干の改良が認められる。試料18は、立
体障害オルト置換アリールホスファイト化合物と通常の
二酸化チタンを含有する組成物(試料15)にヒンダー
ドフェノールを添加したときに得られた色安定性の改良
を示している。試料18と本発明の範囲に属さないホス
ファイトを含有する試料19とを比較すると、立体障害
オルト置換アリールホスファイト化合物をヒンダードフ
ェノール及び二酸化チタンと組み合わせて用いた場合熱
老化後に優れた保色性が得られることが分かる。
【0086】以上の実施例は本発明を例示するためのも
のであって本発明を限定するものでないことは明らかで
あろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08G 59/20 NHW C08G 59/20 NHW C08L 33/14 LJA C08L 33/14 LJA

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)、(b)及び(c)を含んで
    なる組成物。 (a)耐熱性非晶質樹脂、 (b)官能化エラストマー化合物、及び (c)立体障害オルト置換アリールホスファイト化合
    物。
  2. 【請求項2】 立体障害オルト置換アリールホスファ
    イト化合物が次の一般式を有する、請求項1記載の組成
    物。 【化1】 式中、各R1 はC3-10アルキル基及びC6-10芳香族基か
    らなる群から独立に選択される嵩高い又は立体障害性の
    基であり、各R2 は水素、C1-10アルキル基及びC6-10
    芳香族基からなる群から独立に選択されるものである。
  3. 【請求項3】 成分(a)が当該組成物の全重量を基準
    にして約50〜99重量%の量で存在しており、成分
    (b)が当該組成物の全重量を基準にして約1〜20重
    量%の量で存在しており、成分(c)が当該組成物の全
    重量を基準にして約0.01〜5重量%の量で存在して
    いる、請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 当該組成物が、触媒を含まないことを除
    いては同一の組成物と比較して、当該組成物の衝撃強さ
    を向上させることができる触媒をさらに含んでなる、請
    求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記触媒が二酸化チタンである、請求項
    2記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記二酸化チタンがシロキサンで処理さ
    れてないものである、請求項3記載の組成物。
  7. 【請求項7】 当該組成物がヒンダードフェノールをさ
    らに含んでなる、請求項1記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記官能化エラストマー化合物がエポキ
    シ官能化α−オレフィンエラストマーである、請求項1
    記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記エポキシ官能化α−オレフィンエラ
    ストマーが、約60〜約99.5重量%のα−オレフィ
    ンと約0.5〜約40重量%のα,β−不飽和カルボン
    酸のグリシジルエステルとからなる、請求項8記載の組
    成物。
  10. 【請求項10】 当該組成物が、未官能化ポリオレフィ
    ン樹脂又は未官能化エラスマー性樹脂をさらに含んでな
    る、請求項9記載の組成物。
JP25212996A 1995-09-29 1996-09-25 耐熱性非晶質樹脂と官能化エラストマーとの安定化組成物 Expired - Lifetime JP3977464B2 (ja)

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