JPH09185068A - 液晶配向膜材料及び液晶表示パネルの製造方法 - Google Patents

液晶配向膜材料及び液晶表示パネルの製造方法

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JPH09185068A
JPH09185068A JP35339295A JP35339295A JPH09185068A JP H09185068 A JPH09185068 A JP H09185068A JP 35339295 A JP35339295 A JP 35339295A JP 35339295 A JP35339295 A JP 35339295A JP H09185068 A JPH09185068 A JP H09185068A
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照晃 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液晶表示パネルの広視野角化を実現し、且つ微
小な領域毎に液晶の配向状態の異なる構造を従来よりも
少ない工数で実現する製造方法の提供。 【解決手段】ポリイミド膜材料と、光架橋剤と、長鎖ア
ルキル基を有する低分子化合物とを、溶媒に溶かした溶
剤を、少なくとも一方の基板に塗布して液晶配向膜を形
成し、該液晶配向膜に所定のパターンを有するフォトマ
スクを介して紫外線を照射し、該液晶配向膜を焼成し、
該配向膜表面を一定の方向にラビング処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示パネルの配
向膜に好適な液晶配向膜材料及び液晶表示パネルの製造
方法に関し、特に液晶の配向状態が微小な領域毎に異な
る面を有する液晶配向膜材料及び液晶表示パネルの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネルは薄型軽量、低消費電力
といった特徴を持ち、現在では広く普及している。この
液晶表示パネルは電極を有する上下2枚の透明基板の間
に液晶が注入された構造を有しており、電極に印加する
電圧を制御し、電場の作用により液晶の配向を変化さ
せ、その光学的性質の変化を利用して表示を行うもので
ある。
【0003】液晶表示パネルは、その動作原理が電場の
作用による液晶配向の変化を利用したものであるため、
液晶配向の均一性と安定性が特に重要とされている。
【0004】従来、液晶配向の均一性を得るための手段
としては、酸化ケイ素の斜方蒸着、あるいは有機高分子
膜のラビングによる方法が用いられており、作業性やコ
ストの面から有機高分子膜が主流になっている。
【0005】この有機高分子膜の中でも、耐熱性や絶縁
性という観点から考慮した場合、特にポリイミド膜が優
れている。
【0006】そして、ポリイミド膜材料としては、主
に、ポリイミド系高分子化合物あるいはポリアミック酸
系高分子化合物が用いられている。いずれも適当な溶媒
に溶かした溶剤として用いられるが、前者(ポリイミド
系高分子化合物)は、極性基の導入により溶媒に可溶と
したポリイミド系の高分子化合物であり、その溶剤を塗
布した後、焼成により溶媒を蒸発させてポリイミド膜を
生成するもの(可溶性ポリイミドタイプ)であり、後者
(ポリアミック酸系高分子化合物)は、ポリイミドの前
駆体であるポリアミック酸系の高分子化合物であり、そ
の溶剤を塗布した後、焼成により脱水反応をおこさせポ
リアミック酸をイミド化してポリイミド膜を生成するも
の(ポリアミック酸タイプ)である。
【0007】最も一般的に使用されているねじれネマチ
ック型(「ツイステッドネマチック型」ともいう)の液
晶表示パネルでは、液晶が一方の基板から他方の基板に
向かうに従い、螺旋状にツイストして配向しており、両
基板の配向膜表面付近での液晶分子の配向は相互にほぼ
直角になっている。
【0008】また、配向膜表面付近の液晶分子は、それ
ぞれの基板に対しプレチルトしている。
【0009】そして、それぞれの基板表面付近での液晶
分子の配向方向及びプレチルト方向は、前述したよう
に、両基板の配向膜に対するラビングの方向に従って決
定される。
【0010】このようなツイステッドネマチック型の液
晶表示パネルでは、液晶に印加する電圧を制御すること
により、入射光の透過率を制御し、明状態から暗状態を
階調表示することができる。
【0011】しかしながら、画面を見る方向により各階
調の輝度が変化するために、表示を正確に認知できる視
角範囲が狭いという問題がある。すなわち、ある方向か
ら見た場合には、表示が全体に白っぽくなったり、その
逆方向から見た場合には、全体に表示が黒くつぶれた
り、階調の反転が生じたりする。
【0012】そして、上記した液晶表示パネルの視角依
存性は、液晶の配向状態の非対称性に起因するものであ
る。
【0013】液晶に電圧を印加した時の液晶分子の立ち
上がる方向は、プレチルトの方向によって決定される。
また、液晶分子が立ち上がる角度は電極に印加された電
圧の大きさに従い、この電圧の大きさを制御することに
より上述の階調表示をすることができる。
【0014】印加電圧による液晶分子の動きは、両基板
の表面付近では小さく、両基板の中間領域では大きい。
従って、主に両基板の中間領域に存在する液晶分子の、
基板に対する立上がりの角度が表示の明暗に寄与する。
【0015】この領域の液晶分子が基板からある程度の
角度をもって立ち上がっている状態、すなわち中間調表
示状態では、液晶分子の立ち上がっている方向から液晶
表示パネルを観察した場合に画面が黒っぽく見え、一
方、逆の方向から観察した場合には白く見えるのであ
る。
【0016】このような視角特性の問題を解決するため
に、例えば特公昭58−43723号公報には、配向膜
の配向処理方向が相互に異なる領域を微細なピッチで形
成した構造が提案されている。すなわち、同公報には、
内面に配向性能を付与され、この配向性能が互いにほぼ
直交するように対向された一対の透明電極板間にネマチ
ック液晶を挟持せしめてなる液晶素子において、前記液
晶板面上の配向性能を肉眼で判別できない程度の微細な
ピッチで交互に逆向きに付与した液晶素子が提案されて
いる。
【0017】図5に、上記特公昭58−43723号公
報の提案に基づく従来の液晶表示パネルの断面の構造を
示す。図5において、11、12は基板、20は液晶、
31、32は配向膜、71は画素電極、72は共通電
極、100は液晶表示パネルをそれぞれ示している。
【0018】図5を参照して、この従来の液晶表示パネ
ルは、微小な領域A、B毎に異なる配向膜の配向処理方
向をもつ構造とされている。よって、微小な領域A、B
で電圧印加時の液晶分子の立ち上がり方向が異なり、観
察者にはそれぞれの微小な領域の視角特性が平均化され
て認識される。結果として、視角特性の向上が得られる
ものである。
【0019】このような、配向処理方向の異なる領域を
同一基板上に形成するためには、例えば1方向にラビン
グ処理を施した配向膜上にレジストを塗布し、フォトリ
ソグラフィー技術により所定の形状にパターニングし、
上記1回目のラビング方向と逆の方向に再度ラビングを
行い、そしてレジストを除去するという工程を行うこと
が必要である。この工程では、配向処理方向を分割して
いるため、1つの基板に付き2回のラビング処理が必要
である。
【0020】さらに、液晶の配向状態が微小な領域毎に
異なるように配向処理することが多くの工程を必要とす
るという問題点を解消すべく、両基板とも1回のラビン
グ処理工程で液晶の配向状態が異なる2つの微小領域を
もった液晶表示装置を実現するものとして、例えば特開
平5−210099号公報には、配向膜を所定のパター
ンに従い部分的に2層構造とすることにより、同一基板
上にプレチルト角の大きさの相互に異なる微小な領域
A、Bを形成してなる液晶表示装置が提案されている。
すなわち、同公報に提案される液晶表示装置によれば、
配向処理方向の分割の必要がなく、1つの基板につき1
回のラビングで同様の視角特性改善の効果を得ることが
できる。
【0021】図6に、上記特開平5−210099号公
報に基づく液晶表示パネルの断面の構造を示す。
【0022】図6を参照して、両基板11、12の配向
膜31、32は第1層の配向膜層51及び第2層の配向
膜層52の2層構造になっている。
【0023】下側の基板11の配向膜31は、微小な領
域Bにおいて、第2層の配向膜層52が開口しており、
第1層の配向膜層51が露出しており、また微小な領域
Aにおいては、第2層の配向膜層52が露出している。
【0024】微小な領域A、Bでは同じ配向方向とプレ
チルト方向を持つが、第1層の配向膜層51と第2層の
配向膜層52は、それぞれ異なる大きさのプレチルト角
α°及びβ°(<α°)を与えるので、下側の基板11
の配向膜31の表面付近では、微小な領域Aでのプレチ
ルト角がα°であり、微小な領域Bでのプレチルト角が
β°とされている。
【0025】一方、上側の基板12の配向膜32は、微
小な領域Aにおいて、第2層の配向膜層52が開口して
おり、第1層の配向膜層51が露出しており、また微小
な領域Bにおいては、第2層の配向膜層が露出してい
る。このため、上側の基板12の配向膜表面付近では、
微小な領域Aでのプレチルト角はβ°であり、微小な領
域Bでのプレチルト角はα°とされている。
【0026】図6に示す構造においては、微小な領域
A、Bともに、下側の基板11の配向膜31表面付近か
ら上側の基板12の配向膜32表面付近に行くに従っ
て、液晶の配向方向がねじれている。また、両基板1
1、12の表面付近でのプレチルト方向が互いに逆向き
になっており、その間で基板表面に平行な平面に対する
角度が徐々に変化するようにスプレイ変形している。す
なわち、全体として、スプレイ型のねじれネマチック型
の配向状態にある。
【0027】そして、微小な領域A、Bそれぞれに注目
すると、上下基板12、11の配向膜32、31表面付
近での液晶分子のプレチルト角の大きさが異なってい
る。上下基板12、11でのプレチルト角の大きさが異
なるスプレイ配向の液晶表示パネルでは、電圧印加時
に、プレチルト角の大きい方のプレチルト方向に従っ
て、液晶が立ち上がる。
【0028】すなわち、微小な領域Aでは、下側の基板
11の配向膜31表面付近でのプレチルト方向に従っ
て、微小な領域Bでは、上側の基板12の配向膜32表
面付近でのプレチルト方向に従って、それぞれ立ち上が
る。
【0029】このように、微小な領域A、Bで電圧印加
時の液晶分子の立ち上がり方向が異なり、観察者にはそ
れぞれの微小な領域の視角特性が平均化されて認識され
る。すなわち、上記特開平5−210099号公報によ
る構造でも、上記特公昭58−43723号公報による
構造と同様の作用効果を得ることができることになる。
【0030】このような微小な領域毎にプレチルト角の
大きさが異なる構造は、図7に工程断面図として示す一
連の配向処理方法によって形成することができる。
【0031】図7(A)は、画素電極71上に第1層の
配向膜層51を形成した状態を示す図であり、図7
(B)は第2層の配向膜層52を形成した図であり、図
7(C)はフォトリソグラフィー技術によりレジスト材
料40で形成したパターンに従い第2層の配向膜層52
を部分的に除去した状態を示す図であり、図7(D)は
レジストパターンを剥離した状態を示す図であり、図7
(E)はラビングローラ80でラビング処理を行う状態
を模式的に示す図である。
【0032】さらに、特開平6−148641号公報に
は、一方の基板の配向膜のみを所定のパターンに従い部
分的に2層構造として微小な領域A、B毎にプレチルト
角の大きさが相互に異なるように配向処理し、もう一方
の基板の配向膜を単一の層からなる構造として一様にプ
レチルトするように配向処理してなる液晶表示パネルが
提案されている。図8に、上記特開平6−148641
号公報に基づく液晶表示パネルの断面の構造を示す。
【0033】図8を参照して、下側の基板11の配向膜
31は、図6に示す液晶表示パネルの場合と同様に構成
され、配向処理されている。よって、下側の基板11の
配向膜31表面付近では、微小な領域Aでのプレチルト
角がα°であり、微小な領域Bでのプレチルト角がβ°
となっている。
【0034】一方、上側の基板12の配向膜32は、単
一の層からなり、一様に配向処理されている。上側の基
板12の配向膜32表面付近では、プレチルト角はγ°
(α°>γ°>β°)となっている。
【0035】図8に示す構造においては、図6に示す液
晶表示パネルの場合と同様に、液晶20が、全体として
スプレイ型のねじれネマチック型の配向状態にある。そ
して、微小な領域A、Bそれぞれに注目すると、上下基
板12、11の配向膜32、31表面付近での液晶分子
のプレチルト角の大きさが異なっているため、微小な領
域Aでは、下側の基板11の配向膜31表面付近でのプ
レチルト方向に従って、微小な領域Bでは、上側の基板
12の配向膜32表面付近でのプレチルト方向に従っ
て、それぞれ立ち上がる。
【0036】このように、微小な領域A、Bで電圧印加
時の液晶分子の立ち上がり方向が異なり、観察者にはそ
れぞれの微小な領域の視角特性が平均化されて認識され
る。すなわち、特開平6−148641号公報による構
造でも、特開平5−210099号公報による構造ある
いは特公昭58−43723号公報による構造と同様の
効果を得ることができる。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、液晶表
示パネルの視角特性を改善することを目的とし、配向膜
が微小な領域毎に液晶の配向状態が異なるように配向処
理されている液晶表示パネルを製造するために、従来、
前述したように、2層構造で微細にパターニングされた
配向膜を形成する必要があった。
【0038】このために、第1層の配向膜材料の塗布、
第2層の配向膜材料の塗布、フォトリソグラフィー技術
による所定のレジストパターンの形成、第2層の配向膜
層をレジストパターンに従い部分的に除去、レジスト剥
離、というように多くの工程を必要とするという問題が
あった。
【0039】従って、本発明は、上記従来技術の問題点
に鑑みて為されたものであって、微小な領域毎に液晶の
配向状態の異なる構造を従来技術よりも少ない工数で実
現し、広視野角化を達成する液晶表示パネルを提供する
ことを目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る液晶配向膜材料は、少なくとも、ポリ
イミドまたはポリイミド前駆体と、光架橋剤と、長鎖ア
ルキル基を有する低分子化合物との混合物であることを
特徴とするものである。
【0041】この混合物をN−メチル−2−ピロリジノ
ンなどの有機溶媒に溶解し、基板に塗布した後、加熱乾
燥して使用する。
【0042】本発明に係る液晶配向膜材料においては、
光架橋剤として、アジド基を少なくとも2個有する化合
物を用いることができ、また長鎖アルキル基を有する低
分子化合物として、長鎖アルキルアクリレートのような
不飽和結合を有する化合物を用いることができる。
【0043】また、本発明は、配向膜(31、32;図
1参照)が設けられた第1及び第2の対向する基板(1
1、12)と、基板間に挿入されたスプレイ型のねじれ
ネマチック型の配向状態にあるネマチック液晶(20)
からなり、少なくとも一方の基板の配向膜が微小な領域
毎に配向膜表面近傍での液晶のプレチルト角の大きさが
異なるように配向処理されている液晶表示パネルの製造
方法であって、(a)前記第1及び第2の対向する基板の
うち少なくとも一方の基板に、上記した本発明に係る液
晶配向膜材料を塗布して液晶配向膜を形成する工程と、
(b)該液晶配向膜に所定のパターンを有するフォトマス
クを介して紫外線を照射する工程と、(c)該液晶配向膜
を焼成する工程と、(d)該液晶配向膜表面を一定の方向
にラビング処理する工程と、からなる微小配向領域の形
成工程を備えたことを特徴とする液晶表示パネルの製造
方法を提供する。
【0044】また、本発明に係る液晶表示パネルの製造
方法は、前記の工程によって第1及び第2の両基板の配
向膜(31、32)について微小な領域毎に配向膜表面
近傍での液晶のプレチルト角の大きさが異なるように配
向処理した後、第1の基板の配向膜(31)の表面近傍
で大きいプレチルト角を持つ領域が第2の基板の配向膜
(32)の表面近傍で小さいプレチルト角を持つ領域と
向かい合うと共に、第1の基板の配向膜(31)の表面
近傍で小さいプレチルト角を持つ領域が第2の基板の配
向膜(32)の表面近傍で大きいプレチルト角を持つ領
域と向かい合うように、第1の基板(11)と第2の基
板(12)とを重ね合わせる工程を備えたことを特徴と
している。
【0045】本発明の液晶表示パネルの製造方法におい
ては、もちろん、一方の基板の配向膜のみ(例えば第1
の基板11の配向膜31)を微小な領域毎に配向膜表面
近傍での液晶(20)のプレチルト角の大きさが異なる
ように配向処理し、他方の基板の配向膜(例えば第2の
基板12の配向膜32)は配向膜表面近傍での液晶(2
0)のプレチルト角が一様になるように配向処理しても
よい。この場合、第1の基板(11)の配向膜(31)
の表面近傍でのプレチルト角のうち、大きい方をα°と
し、小さい方をβ°とし、第2の基板(12)の配向膜
(32)の表面近傍でのプレチルト角をγ°としたとき
に、α>γ>βの関係が成り立つように構成することも
可能である。すなわち、微小な領域毎に液晶の配向状態
が異なるような構造を得ることができ、かつ配向膜を微
小な領域に対応するように部分的に2層構造とする必要
がないため、工程が容易になり、コスト低減も達成でき
る。
【0046】
【作用】本発明の原理・作用を以下に詳細に説明する。
【0047】本発明に係る液晶配向膜材料は、ポリイミ
ドまたはポリイミド前駆体と、光架橋剤と、長鎖アルキ
ル基を有する低分子化合物とを、混合するだけで非常に
簡便に用意することができる。
【0048】本発明に係る液晶配向膜材料を、N−メチ
ル−2−ピロリジノンなどの有機溶媒に溶解し、基板に
塗布した後、加熱乾燥して配向膜を形成した後、所定の
パターンを有するフォトマスクを介して配向膜表面に紫
外線を照射し、その後に該液晶配向膜を焼成した場合、
フォトマスクのパターンに応じて配向膜表面に紫外線が
照射されなかった領域では、紫外線が照射された領域と
比較して、その表面に液晶を接触させた時に低いプレチ
ルト角を示す。
【0049】このようなプレチルト角が異なる現象が生
じる機構はまだはっきりとわかっているわけではない
が、以下のように推測することができる。すなわち、本
発明に係る液晶配向膜材料を基板に塗布して配向膜を形
成した後、所定のパターンを有するフォトマスクを介し
て配向膜表面に紫外線を照射し、その後に該液晶配向膜
を焼成した場合、紫外線が照射されなかった領域では、
長鎖アルキル基を有する低分子化合物がその沸点よりか
なり高温で加熱されるために蒸散するが、紫外線が照射
された領域においては、長鎖アルキル基を有する低分子
化合物が、光架橋剤の架橋反応により、ポリイミド膜材
料の高分子鎖に化学結合されるため蒸散しない。
【0050】長鎖アルキル基が基板面に数多く存在する
と、垂直配向することが、文献(Frederic.J.Kahn、“O
rientation of liquid crystals by surface coupling
agents”、Applied Physics Letters、Vol.22、No.8、
第386頁、1973年)に記載されている。したがって、液
晶配向膜表面に長鎖アルキル基成分が存在する場合、長
鎖アルキル基成分が存在しない場合と比較して、その表
面に液晶を接触させたときの液晶分子のプレチルト角が
大きくなるものと予想でき、上記の方法により、液晶配
向膜表面における長鎖アルキル基成分の分布密度が微小
な領域毎に異なるように処理することにより、前記微小
な領域毎に配向膜表面での液晶分子のプレチルト角が異
なるようにすることができたと考えられる。
【0051】本発明において、ラビング処理は、液晶配
向膜に紫外線を照射し、該液晶配向膜を焼成した後に1
度だけ行えばよい。すなわち、本発明によれば、従来の
製造工程に、単に紫外線照射工程を追加するだけで、1
枚の基板について1回のラビング処理のみで、広視野角
化の効果が得られるため、液晶配向膜を部分的に2層と
する必要はない。よって製造工程が容易となり、コスト
の低減も達成できる。
【0052】本発明において、光架橋剤として、アジド
基を少なくとも2個有する化合物を用いた場合には、感
光性を有する末端のアジド基が光照射により分解して反
応性に富むナイトレンを生じ、長鎖アルキル基を有する
低分子化合物を効率よくポリイミド膜材料の高分子鎖に
固定することが可能となり、上記のような作用が得られ
る。
【0053】このような光架橋剤として、化学式1に示
す2,6−ビス(4’−アジドベンザル)4−メチルシ
クロヘキサノンのほか、例えば、化学式2に示す4,4
−ジアジドカルコン、化学式3に示す1,3−ビス
(4’−アジドベンザル)−2−プロパノン、化学式4
に示す1,3−ビス(4’−アジドシンナミリデン)−
2−プロパノン、化学式5に示す4,4−ジアジドスチ
ルベン−2,2’−ジスルホン酸、化学式6に示す1,
3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパノン−
2;2−ジスルホン酸、化学式7に示す2,6−ビス
(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノン−2;2−
ジスルホン酸、化学式8に示す2,6−ビス(4’−ア
ジドベンザル)メチルシクロヘキサノン−2;2−ジス
ルホン酸、化学式9に示す2,6−ビス(4’−アジド
ベンザル)シクロヘキサノン、等の、アジド基を2個有
する化合物を用いることができる。もちろん、アジド基
を3個以上有する化合物でも同様に用いることができ
る。
【0054】
【化1】
【0055】
【化2】
【0056】
【化3】
【0057】
【化4】
【0058】
【化5】
【0059】
【化6】
【0060】
【化7】
【0061】
【化8】
【0062】
【化9】
【0063】また、本発明においては、長鎖アルキル基
を有する低分子化合物として、例えば長鎖アルキルアク
リレートや長鎖アルキルメタクリレートのような、不飽
和結合を有する化合物を用いた場合には、光架橋剤によ
るアルキル基成分の固定を極めて効率よく行うことがで
きる。
【0064】長鎖アルキルの炭素数は短すぎると、プレ
チルト角を大きくする効果もなく、沸点が低く溶媒と一
緒に蒸散しやすくなるので、アルキル基の炭素数は、好
ましくは12以上とされる。一方、長鎖アルキルの炭素
数は、あまり長くなりすぎるとポリイミド前駆体との相
溶性が悪くなるので、好ましくは19以下とされる。こ
のような長鎖アルキル基を有する低分子化合物として、
化学式10に示すステアリルアクリレートのほか、例え
ば、化学式11に示すラウリルアクリレート、化学式1
2に示すトリデシルアクリレート、化学式13に示すミ
リスチルアクリレート、化学式14に示すペンタデシル
アクリレート、化学式15に示すセチルアクリレート、
化学式16に示すヘプタデシルアクリレート、化学式1
7に示すノナデシルアクリレート、化学式18に示すヘ
プタデシルメタクリレート、化学式19に示すステアリ
ルメタクリレート、化学式20に示すノナデシルメタク
リレート、等を用いることができる。
【0065】
【化10】
【0066】
【化11】
【0067】
【化12】
【0068】
【化13】
【0069】
【化14】
【0070】
【化15】
【0071】
【化16】
【0072】
【化17】
【0073】
【化18】
【0074】
【化19】
【0075】
【化20】
【0076】また、本発明においては、感光部と未感光
部とで、十分なプレチルト角の差を確保するためには、
光架橋剤をポリイミド膜材料と同量程度、長鎖アルキル
基を有する低分子化合物を配向膜材料の10分の1程度
の割合で混合することが好ましい。
【0077】本発明は、紫外線の照射によりプレチルト
角を大きくすることを特徴としたものであり、このため
ベースとなるポリイミド膜材料は、それ自体では、比較
的低いプレチルト角を特徴とするものが好ましいことは
いうまでもない。
【0078】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に説明
する。
【0079】
【実施形態1】100gの日産化学工業(株)製ポリイ
ミドワニスSE−1180(0322)に対し、化学式
1に示す光架橋剤、すなわち2,6−ビス(4’−アジ
ドベンザル)4−メチルシクロヘキサノンを3g(3重
量%)、化学式10に示す長鎖アルキル基を有する低分
子化合物、すなわちステアリルアクリレートを0.3g
(0.3重量%)、それぞれ添加して液晶配向膜材料を
調整した。
【0080】なお、SE−1180(0322)は、ポ
リイミド系高分子化合物を主成分(3重量%)とする可
溶性ポリイミドタイプのポリイミドワニスであり、通常
の使用法により形成した液晶配向膜のプレチルト角は、
約1度である。
【0081】図1は、本発明の一実施形態に係る液晶表
示パネル100を示す。なお、図1に示すこの液晶表示
パネル100の両側には、不図示の偏光板が配置され
る。
【0082】図1を参照して、本実施形態に係る液晶表
示パネル100は、一対の透明な基板11、12の間に
液晶20を封入したものである。
【0083】下側の基板11の内面には画素電極71及
び配向膜31が設けられる。画素電極71は、不図示の
アクティブマトリクス回路に接続される。
【0084】上側の基板12の内側にはITO(Indium
-Tin-Oxide)の共通電極72が設けられ、共通電極72
の上に配向膜32が設けられる。
【0085】図2に、本実施形態における、基板の配向
処理方法を順に模式的に示す。図2を参照して、本実施
形態における配向処理方法を以下に説明する。なお、図
2には、図1の下側の基板11についての配向処理のみ
が示されているが、上側の基板12についても同様に配
向処理される。
【0086】まず、図2(A)に示すように、基板11
の上に、上記した液晶配向膜材料を塗布して配向膜31
を形成する。
【0087】次に、図2(B)に示すように、配向膜3
1に、所定のパターンを有するフォトマスク60を介し
て、窒素雰囲気中で、紫外線を照射する。
【0088】その後、基板11をオーブンに入れ200
℃で1時間加熱することにより配向膜31を焼成し、続
いて、図2の(C)に示すように、一定の方向にラビン
グ処理した。その際、ラビング処理は、レーヨンのバフ
布を巻き付けたラビングローラ80を配向膜31上で回
転させながら進めることにより行った。
【0089】このようにして、配向処理した基板を、図
3に示すように、各々の基板11、12に対するラビン
グ処理方向が相互にほぼ直角となるように(基板11の
ラビング方向を破線矢印、基板12のラビング方向を実
線矢印で示す)重ね合わせ、基板間に左回りのカイラル
剤を添加したネマチック型の液晶20を挿入した。
【0090】この時、図2(B)に示した、露光処理の
際の、配向膜31表面の感光部と、配向膜32表面の未
感光部とが向かい合い、また配向膜31表面の未感光部
と、配向膜32表面の感光部とが向かい合うように両基
板を重ね合わせてある。
【0091】液晶20は、上記した配向処理に従って、
基板11、12の間でほぼ90度ねじれて配向してい
る。
【0092】また、一方の基板から他方の基板に向かう
につれて、基板表面に平行な平面に対するプレチルト方
向が徐々に変化し、両基板表面付近でのプレチルト方向
が互いに逆向きになるように、スプレイ変形している。
すなわち、全体として、スプレイ型のねじれネマチック
型の配向状態にある。
【0093】この液晶表示パネルにおいて、両基板表面
でのプレチルト角を測定した。
【0094】プレチルト角の測定結果は、図2(B)に
示される露光処理の際の、配向膜表面の感光部で10
度、未感光部で1度であり、プレチルト角の大きさが異
なることがわかった。
【0095】このように、本実施形態においては、図1
に示す微小な領域A、B毎に液晶20の配向状態が異な
っている。すなわち、微小な領域Aでは下側の基板11
の表面付近でのプレチルト角αの方が上側の基板12の
表面付近でのプレチルト角γよりも大きく、微小な領域
Bでは上側の基板12の表面付近でのプレチルト角γの
方が下側の基板11の表面付近でのプレチルト角βより
も大きくなっている。
【0096】そして、電圧印加時には、微小な領域A、
B毎に、両基板11、12表面におけるプレチルト角
α、βのうち大きい方のプレチルト方向に従って、液晶
が立ち上がることが確認された。
【0097】すなわち、微小な領域Aでは、下側の基板
11表面付近でのプレチルト方向に従って、微小な領域
Bでは、上側の基板12の表面付近でのプレチルト方向
に従って、それぞれ立ち上がる。
【0098】このように、微小な領域A、Bで電圧印加
時の液晶分子の立ち上がり方向が異なり、観察者にはそ
れぞれの微小な領域の非対称な視角特性が平均化されて
認識され、全体として対称で、上記した従来技術と比較
して、より広い視角範囲から表示を認知することが可能
となり、良好な視角特性が得られた。
【0099】
【実施形態2】図4は、本発明に係る第2の実施形態の
液晶表示パネル100を示し、この液晶表示パネル10
0の両側には偏光板(図示せず)が配置される。
【0100】液晶表示パネル100は、一対の透明な基
板11、12の間に液晶20を封入したものである。図
4の下側の基板11の内面には画素電極71及び配向膜
31が設けられる。画素電極71は不図示のアクティブ
マトリクス回路に接続される。上側の基板12の内側に
はITOの共通電極72が設けられる。共通電極72の
上に配向膜32が設けられる。
【0101】本実施形態における、第1の基板11の配
向処理方法は、図2に示した、前記第1の実施形態の液
晶表示パネルにおける配向処理方法と全く同様である。
【0102】一方、第2の基板(上側の基板)12の配
向処理方法は、これよりも簡単なものである。
【0103】すなわち、基板12の上に、日産化学工業
(株)製のSE−7210(0321)を塗布し、オー
ブン中で200℃で1時間焼成した後に、一定の方向に
ラビング処理した。SE−7210(0321)はポリ
アミック酸を主成分とする液晶配向膜材料であり、通常
の使用法において、すなわち本実施形態に係る第2の基
板12に対して行ったのと同様の使用法において、配向
膜表面に液晶分子を接触させた場合の液晶分子のプレチ
ルト角は約6度である。
【0104】このようにして、配向処理した基板を、前
記第1の実施形態の場合と同様にして重ね合わせ、基板
間に左回りのカイラル剤を添加したネマチック型の液晶
20を挿入した。液晶20は、全体として、スプレイ型
のねじれネマチック型の配向状態にある。
【0105】この液晶表示パネルにおいて、両基板表面
でのプレチルト角を測定した。プレチルト角の測定結果
は、図2(B)に示される、露光処理の際の、配向膜表
面の感光部で10度、未感光部で1度であった。これに
対し、第2の基板については、一様に6度であった。
【0106】このように、本実施形態では、図4に示す
微小な領域A、B毎に液晶20の配向状態が異なってい
る。
【0107】すなわち、微小な領域Aでは下側の基板1
1の表面付近でのプレチルト角αの方が上側の基板12
の表面付近でのプレチルト角γよりも大きく、微小な領
域Bでは上側の基板12の表面付近でのプレチルト角γ
の方が下側の基板11の表面付近でのプレチルト角βよ
りも大きくなっている。
【0108】そして、電圧印加時には、微小な領域A、
B毎に、両基板11、12表面でのプレチルト角の大き
い方のプレチルト方向に従って、液晶が立ち上がること
が確認された。すなわち、微小な領域Aでは、下側の基
板11表面付近でのプレチルト方向に従って、微小な領
域Bでは、上側の基板12の表面付近でのプレチルト方
向に従って、それぞれ立ち上がる。
【0109】このように、微小な領域A、Bで電圧印加
時の液晶分子の立ち上がり方向が異なり、観察者にはそ
れぞれの微小な領域の非対称な視角特性が平均化されて
認識され、全体として対称で、従来と比較してより広い
視角範囲から表示を認知できる視角特性が得られた。
【0110】
【実施形態3】本発明の第3の実施形態は、前記第1の
実施形態と同様であるが、SE−1180(0322)
に対する、光架橋剤及び長鎖アルキル基を有する低分子
化合物の混合比を変化させて、液晶配向膜材料を調整し
た。すなわち、100gのSE−1180(0322)
に対して、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)4−
メチルシクロヘキサノンを、3g乃至1g、ステアリル
アクリレートを0.3g乃至0.1g添加して液晶配向
膜材料を調整した。
【0111】各混合比の液晶配向膜材料を用い、前記第
1の実施形態に示した工程と同様の工程により液晶表示
パネルを作成し、両基板表面でのプレチルト角を測定し
た。プレチルト角の測定結果を表1に示す。
【0112】
【表1】
【0113】
【実施形態4】無水ピロメリット酸と4,4’−ジアミ
ノジフェニルエ−テルを原料として合成したポリアミッ
ク酸(化学式21)3gをN−メチル−2−ピロリジノ
ン100gに溶解し、第1の実施形態と同様に、2,6
−ビス(4’−アジドベンザル)4−メチルシクロヘキ
サノンを3g(3重量%)、ステアリルアクリレートを
0.3g(0.3重量%)、それぞれ添加して液晶配向
膜材料を調整した。
【0114】
【化21】
【0115】この液晶配向膜材料を用い、前記第1の実
施形態に示した工程と同様の工程により、液晶表示パネ
ルを作成し、両基板11、12表面でのプレチルト角を
測定した。プレチルト角の測定結果は、配向膜表面の感
光部で12度、未感光部で2度であり、プレチルト角の
大きさが異なることがわかった。
【0116】
【実施形態5】無水ピロメリット酸と4,4’−ジアミ
ノジフェニルエ−テルを原料として合成したポリアミッ
ク酸(化学式21)3gをN−メチル−2−ピロリジノ
ン100gに溶解し、化学式4に示す1,3−ビス
(4’−アジドシンナミリデン)−2−プロパノンを3
g(3重量%)、ステアリルアクリレートを0.3g
(0.3重量%)、それぞれ添加して液晶配向膜材料を
調整した。
【0117】この液晶配向膜材料を用い、第1の実施形
態に示した工程と同様の工程により液晶表示パネルを作
成し、両基板表面でのプレチルト角を測定した。プレチ
ルト角の測定結果は、配向膜表面の感光部で12度、未
感光部で2度であり、プレチルト角の大きさが異なるこ
とがわかった。
【0118】
【実施形態6】無水ピロメリット酸と4,4’−ジアミ
ノジフェニルエ−テルを原料として合成したポリアミッ
ク酸(化学式21)3gをN−メチル−2−ピロリジノ
ン100gに溶解し、化学式3に示す1,3−ビス
(4’−アジドベンザル)−2−プロパノンを3g(3
重量%)、化学式11に示すラウリルアクリレートを
0.3g(0.3重量%)、それぞれ添加して液晶配向
膜材料を調整した。
【0119】この液晶配向膜材料を用い、前記第1の実
施形態に示した工程と同様の工程により、液晶表示パネ
ルを作成し、両基板表面でのプレチルト角を測定した。
プレチルト角の測定結果は、配向膜表面の感光部で5
度、未感光部で2度であり、プレチルト角の大きさが異
なることがわかった。
【0120】
【実施形態7】無水ピロメリット酸と4,4’−ジアミ
ノジフェニルエ−テルを原料として合成したポリアミッ
ク酸(化学式21)3gをN−メチル−2−ピロリジノ
ン100gに溶解し、化学式1に示す2,6−ビス
(4’−アジドベンザル)4−メチルシクロヘキサノン
を3g(3重量%)、化学式18に示すステアリルメタ
クリレートを0.3g(0.3重量%)、それぞれ添加
して液晶配向膜材料を調整した。
【0121】この液晶配向膜材料を用い、前記第1の実
施形態に示した工程と同様の工程により、液晶表示パネ
ルを作成し、両基板表面でのプレチルト角を測定した。
【0122】プレチルト角の測定結果は、配向膜表面の
感光部で10度、未感光部で1度であり、プレチルト角
の大きさが異なることがわかった。
【0123】
【実施形態8】20gの日立化成工業(株)製ポリイミ
ドワニスLQ−2200をN−メチル−2−ピロリジノ
ンで希釈して総量を100gとし、化学式1に示す2,
6−ビス(4’−アジドベンザル)4−メチルシクロヘ
キサノンを3g(3重量%)、化学式10に示すステア
リルアクリレートを0.3g(0.3重量%)、それぞ
れ添加して液晶配向膜材料を調整した。なお、LQ−2
200は、ポリアミック酸系高分子化合物を主成分(1
5重量%)とする液晶配向膜材料であり、通常の使用法
により形成した液晶配向膜のプレチルト角は、約2度で
ある。
【0124】この液晶配向膜材料を用い、第1の実施形
態に示した工程と同様の工程により液晶表示パネルを作
成し、両基板表面でのプレチルト角を測定した。プレチ
ルト角の測定結果は、配向膜表面の感光部で10度、未
感光部で2度であり、プレチルト角の大きさが異なるこ
とがわかった。
【0125】
【比較例1】無水ピロメリット酸と4,4’−ジアミノ
ジフェニルエ−テルを原料として合成したポリアミック
酸(化学式21)3gをN−メチル−2−ピロリジノン
100gに溶解し、化学式1に示す2,6−ビス(4’
−アジドベンザル)4−メチルシクロヘキサノンを3g
(3重量%)、化学式22に示すウンデシルアクリレー
トを0.3g(0.3重量%)、それぞれ添加して液晶
配向膜材料を調整した。
【0126】
【化22】
【0127】この液晶配向膜材料を用い、前記第1の実
施形態に示した工程と同様の工程により液晶表示パネル
を作成し、両基板表面でのプレチルト角を測定した。プ
レチルト角の測定結果は、配向膜表面の感光部で3度、
未感光部で2度であり、プレチルト角の大きさが異なっ
ていたが、プレチルト角の大きさの違いが小さいため
に、微少な領域毎に分割された液晶配向が第1の実施形
態のようには得られず、よって、広視野角化の効果が得
られなかった。
【0128】
【比較例2】無水ピロメリット酸と4,4’−ジアミノ
ジフェニルエ−テルを原料として合成したポリアミック
酸(化学式21)3gをN−メチル−2−ピロリジノン
100gに溶解し、化学式1に示す2,6−ビス(4’
−アジドベンザル)4−メチルシクロヘキサノンを3g
(3重量%)、化学式23に示すエイコシルアクリレー
トを0.3g(0.3重量%)、それぞれ添加して液晶
配向膜材料を調整した。
【0129】
【化23】
【0130】この液晶配向膜材料を基板11に塗布して
液晶配向膜31を形成したところ、ポリアミック酸とエ
イコシルアクリレートとの相溶性が悪いために、均一な
膜が得られなかった。
【0131】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
広視野角化を目的として、微小な領域毎に液晶の配向状
態が異なるように配向処理された液晶表示パネルを、通
常の工程に紫外線照射工程を追加するのみで、配向膜を
微小な領域に対応するように部分的に2層構造とするこ
となく、1枚の基板について1回のラビング処理で実現
することが可能とされ、このため製造工程を容易化する
と共に、コストの低減を達成している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示す図である。
【図2】(A)〜(C)は図1の液晶表示パネルの配向
処理を模式的に示す断面図である。
【図3】図1の基板のラビング方向を示す図である。
【図4】本発明の別の実施形態の構成を示す図である。
【図5】従来の、微小な領域毎に配向状態が異なる液晶
表示パネルの構造を示す断面図である。
【図6】従来の、微小な領域毎に配向状態が異なる液晶
表示パネルの別の構造を示す断面図である。
【図7】(A)〜(E)は図6の液晶表示パネルの配向
処理工程を順に模式的に示す断面図である。
【図8】従来の、微小な領域毎に配向状態が異なる液晶
表示パネルの別の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
11、12 基板 20 液晶 31、32 配向膜 40 レジスト材料 51 第1層の配向膜層 52 第2層の配向膜層 60 フォトマスク 71 画素電極 72 共通電極 80 ラビングローラ 100 液晶表示パネル

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリイミドまたはポリイミド前駆体と、光
    架橋剤と、長鎖アルキル基を有する低分子化合物と、の
    混合物を含むことを特徴とする液晶配向膜材料。
  2. 【請求項2】前記ポリイミド前駆体が、ポリアミック酸
    であることを特徴とする請求項1記載の液晶配向膜材
    料。
  3. 【請求項3】前記光架橋剤が、少なくともアジド基を2
    個以上有する化合物からなることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の液晶配向膜材料。
  4. 【請求項4】前記長鎖アルキル基を有する低分子化合物
    が、不飽和結合を有する化合物からなることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の液晶配向
    膜材料。
  5. 【請求項5】前記長鎖アルキル基を有する低分子化合物
    が、長鎖アルキルアクリレートであることを特徴とする
    請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の液晶配向膜
    材料。
  6. 【請求項6】前記長鎖アルキル基の炭素数が、12以上
    で且つ19以下とされたことを特徴とする請求項5記載
    の液晶配向膜材料。
  7. 【請求項7】配向膜が設けられ互いに対向する第1及び
    第2の基板と、 前記第1及び第2の基板間に挿入されてなるスプレイ型
    のねじれネマチック型の配向状態にあるネマチック液晶
    と、 を含み、 前記第1及び第2の基板のうちの少なくとも一方の基板
    の前記配向膜が、微小な領域毎に前記配向膜表面近傍で
    の液晶のプレチルト角の大きさが異なるように配向処理
    されてなる液晶表示パネルの製造方法であって、 (a)前記第1及び第2の基板のうち少なくとも一方の基
    板に、ポリイミドまたはポリイミド前駆体と、光架橋剤
    と、長鎖アルキル基を有する低分子化合物と、の混合物
    を含んでなる液晶配向膜材料を塗布して液晶配向膜を形
    成する工程と、 (b)該液晶配向膜に所定のパターンを有するフォトマス
    クを介して紫外線を照射する工程と、 (c)該液晶配向膜を焼成する工程と、 (d)該配向膜表面を所定の方向にラビング処理する工程
    と、 を含んでなる、微小配向領域の形成工程を、 備えたことを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
  8. 【請求項8】前記液晶配向膜材料の、前記ポリイミド前
    駆体が、ポリアミック酸であることを特徴とする請求項
    7記載の液晶表示パネルの製造方法。
  9. 【請求項9】前記液晶配向膜材料の、前記光架橋剤が、
    少なくともアジド基を2個以上有する化合物からなるこ
    とを特徴とする請求項7または請求項8記載の液晶表示
    パネルの製造方法。
  10. 【請求項10】前記液晶配向膜材料の、前記長鎖アルキ
    ル基を有する低分子化合物が、不飽和結合を有する化合
    物からなることを特徴とする請求項7乃至請求項9のい
    ずれか一に記載の液晶表示パネルの製造方法。
  11. 【請求項11】前記液晶配向膜材料の、前記長鎖アルキ
    ル基を有する低分子化合物が、長鎖アルキルアクリレー
    トであることを特徴とする請求項7乃至請求項10記載
    のいずれか一に記載の液晶表示パネルの製造方法。
  12. 【請求項12】前記液晶配向膜材料の、前記長鎖アルキ
    ル基の炭素数が12以上で且つ19以下とされたことを
    特徴とする請求項11記載の液晶表示パネルの製造方
    法。
  13. 【請求項13】前記第1及び第2の両基板の前記配向膜
    について微小な領域毎に配向膜表面近傍での液晶のプレ
    チルト角の大きさが異なるように配向処理した後、 前記第1の基板の前記配向膜の表面近傍で大きいプレチ
    ルト角を持つ領域が前記第2の基板の前記配向膜の表面
    近傍で小さいプレチルト角を持つ領域と対向し、 前記第1の基板の前記配向膜の表面近傍で小さいプレチ
    ルト角を持つ領域が前記第2の基板の前記配向膜の表面
    近傍で大きいプレチルト角を持つ領域と対向するように
    前記第1の基板と前記第2の基板とを重ね合わせる工程
    を、更に含むことを特徴とする請求項7記載の液晶表示
    パネルの製造方法。
  14. 【請求項14】配向膜が設けられ互いに対向する第1及
    び第2の基板と、 前記第1及び第2の基板間に挿入されてなるスプレイ型
    のねじれネマチック型の配向状態にあるネマチック液晶
    と、を含み、 前記第1及び第2の基板のうちの少なくとも一方の基板
    の前記配向膜が、請求項1ないし6のいずれか一に記載
    の前記液晶配向膜材料からなり、 微小な領域毎に前記配向膜表面近傍での液晶のプレチル
    ト角の大きさが異なるように配向処理されてなることを
    特徴とする液晶表示パネル。
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