JPH09186045A - 積層型コンデンサ - Google Patents

積層型コンデンサ

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JPH09186045A
JPH09186045A JP34225195A JP34225195A JPH09186045A JP H09186045 A JPH09186045 A JP H09186045A JP 34225195 A JP34225195 A JP 34225195A JP 34225195 A JP34225195 A JP 34225195A JP H09186045 A JPH09186045 A JP H09186045A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高容量化のために誘電体層を薄層化する傾向に
あるが、誘電体層が薄くなる程、高温、高電圧環境下に
おいては電気伝導性が高くなり易く、誘電体としての機
能が低下し易いという問題があった。 【解決手段】チタンジルコン酸バリウムからなる主結晶
相と、このチタンジルコン酸バリウム100重量部に対
してLi,Si,Bのうちの少なくとも一種をそれぞれ
Li2 O、SiO2 、B2 3 換算で総量0.4〜1.
2重量部の割合で含有する偏析相とを有する誘電体層
と、卑金属からなる内部電極層とを交互に積層してなる
積層型コンデンサであって、誘電体層が3〜10μmの
厚みを有するとともに、誘電体層の破断面において存在
する偏析相数のうち60%以上が結晶質であることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チタンジルコン酸
バリウムを主成分とし、Li、Si、Bのうち少なくと
も1種を含有する誘電体層と、ニッケル等の卑金属から
なる内部電極層とを交互に積層してなる積層型コンデン
サに関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、積層型コンデンサは、内部電極を構
成する電極層と誘電体層とを交互に積層した後、一体焼
成して製造されている。
【0003】ところで積層コンデンサを作製する場合、
従来のBaTiO3 を主成分とする誘電体材料では、1
300〜1500℃で焼成するため、内部電極材料とし
ては、このような温度で溶融しないPt,Pd等の貴金
属が使用されてきた。
【0004】しかしながら、これらの貴金属は高価であ
り、高容量化を図るために内部電極数を増加させた場合
にはコストが著しく高くなるという問題があった。そこ
で、近年、安価なニッケル等の卑金属が内部電極材料と
して用いられている。
【0005】しかしながら、ニッケル等の卑金属からな
る内部電極を用いた場合には、内部電極の酸化を防止す
るため還元雰囲気中で焼成しなければならず、そのよう
な雰囲気下で焼成すると、誘電体セラミックスが還元さ
れ絶縁性を失ってしまうという問題があった。
【0006】そこで、近年では、還元雰囲気中で焼成し
た場合でも、誘電体セラミックスが還元されないよう
な、例えば、塩基性酸化物である(Ba,Ca,Sr)
Oを酸性酸化物であるTiO2 に対して化学量論比より
過剰にしたチタン酸バリウム固溶体(Ba,Ca,S
r)(Ti,Zr)O3 から成る基本成分と、Li2
とSi2 Oを含む添加成分とを含む誘電体磁器組成物が
提案されている(例えば、特公昭60−20851号公
報等参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の組成を用いた積層型コンデンサでは、高
温、高電圧の環境下で用いられる場合には製品寿命が短
いという問題があった。即ち、上記従来の組成では、高
温、高電圧の環境下では、誘電体磁器自体の電気伝導性
が高くなり、誘電体としての機能が低下し、誘電体とし
ての寿命が短くなるという問題があった。特に、近年で
は、高容量化のために誘電体層を薄層化する傾向にある
が、誘電体層が薄くなる程、高温、高電圧環境下におい
ては電気伝導性が高くなり易く、誘電体としての機能が
低下し易いという問題があった。
【0008】
【発明の目的】本発明は、誘電体磁器厚みが3〜10μ
mという薄い場合でも、高温、高電圧の環境下における
寿命を向上することができる積層型コンデンサを提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
に対して鋭意検討した結果、チタンジルコン酸バリウム
からなる結晶相と、このチタンジルコン酸バリウム10
0重量部に対してLi、Si、Bのうち少なくとも一種
をそれぞれLi2 O、SiO2 、B2 3 換算で総量
0.4〜1.2重量部の割合で含有する偏析相とを有す
る誘電体層の厚みを3〜10μmとするとともに、誘電
体層の破断面における偏析相中のうち結晶質の偏析相数
の割合を60%以上とすることにより、誘電体層が薄層
であっても高温、高電圧の環境下における寿命を向上す
ることができることを見い出し、本発明に至った。
【0010】即ち、本発明の積層型コンデンサは、チタ
ンジルコン酸バリウムからなる主結晶相と、このチタン
ジルコン酸バリウム100重量部に対してLi,Si,
Bのうちの少なくとも一種をそれぞれLi2 O、SiO
2 、B2 3 換算で総量0.4〜1.2重量部の割合で
含有する偏析相とを有する誘電体層と、卑金属からなる
内部電極層とを交互に積層してなる積層型コンデンサで
あって、前記誘電体層が3〜10μmの厚みを有すると
ともに、前記誘電体層の破断面において存在する偏析相
数のうち60%以上が結晶質であることを特徴とする。
ここで、偏析相中の結晶質が、Li,SiおよびBのう
ち少なくとも2種を含有する複合酸化物からなることが
望ましい。
【0011】
【作用】本発明の積層型コンデンサでは、誘電体の厚み
を3〜10μmと薄層化した場合でも、誘電体としての
機能を十分に有し、かつ、高温、高電圧の環境下におい
ても寿命を長くすることができる。
【0012】即ち、高温、高電圧の環境下における寿命
は誘電体磁器中の粒界相を移動する電子の移動度に影響
されると考えられるが、結晶質の偏析相の方が非晶質の
場合よりも電子の移動度が小さいため、誘電体層中の全
偏析相数のうち60%以上を結晶質とすることにより、
粒界相の電子の移動度を小さくすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の積層型コンデンサは、チ
タンジルコン酸バリウムからなる主結晶相と、このチタ
ンジルコン酸バリウム100重量部に対してLi、S
i、Bのうちの少なくとも一種をそれぞれLi2 O、S
iO2 、B2 3 換算で総量0.4〜1.2重量部の割
合で含有する偏析相とを有する誘電体層を備えたもので
あるが、本発明に用いられる誘電体層は、例えば、Ba
(Ti、Zr)O3 100モル部に対してCaTiO3
を1.0〜8.0モル部含有する成分と、該成分100
重量部に対して、Nd2 3 を0.3〜0.8重量部、
MnO2 を0.1〜0.2重量部含有させて、主成分が
構成される。
【0014】一方、例えば、Li2 O、SiO2 、B2
3 のモル比で表される三角図において、(Li2 O、
SiO2 、B2 3 )で示す、A(20、80、0)、
B(70、30、0)、C(80、0、20)、D(4
0、20、40)の4点で囲まれる組成範囲の粒界成分
を900℃以上の温度で仮焼し、Li、Si、Bのうち
少なくとも2種を含有する複合酸化物を作製する。そし
て、このLi、Si、Bを含有する複合酸化物を上記主
成分100重量部に対して、総量0.4〜1.2重量部
添加含有してなるものである。誘電体層中に、不純物と
してAl2 3、Fe2 3 、ZrO2 等が混入する場
合がある。
【0015】チタンジルコン酸バリウム100重量部に
対してLi、Si、Bのうちの少なくとも一種をそれぞ
れLi2 O、SiO2 、B2 3 換算で総量0.4〜
1.2重量部の割合で含有せしめたのは、Li、Si、
Bが0.4重量部よりも少ない場合には、高温、高電圧
の環境下における寿命が低下するからであり、また、
1.2重量部よりも多い場合には容量が低下するからで
ある。
【0016】本発明においては、添加される粒界相成分
は、Li,Si,BをそれぞれLi2 O,SiO2 ,B
2 3 換算で総量0.4〜1.2重量部含有すれば良
く、3種類の成分を必須成分とするものでもなく、2種
でも良い。これらのうちLiとSiの組み合わせは誘電
率向上という観点から特に望ましい。
【0017】また、卑金属からなる内部電極層は、例え
ば、Ni,Co,Cu等からなるものである。
【0018】さらに、誘電体層の厚みを3〜10μmと
したのは、誘電体層の厚みが3μmより薄いと誘電体層
の作製が困難であるからであり、厚みが10μmよりも
厚くなると、高容量化を図ることができなくなるからで
ある。本発明の誘電体層の厚みは、高容量化および誘電
体層の作製の容易性という観点から5〜8μmであるこ
とが望ましい。
【0019】また、誘電体層における偏析相のうち、L
i,Si,Bを含有する複合酸化物からなる偏析相は、
例えば、(3Li2 O・B2 3 +Li4 SiO4 )、
(Li4 SiO4 )、(Li4 SiO4 +Li2 O)の
ように表現されるようなものがあり、このような偏析相
が結晶質であり、誘電体層中に存在する偏析相の個数の
内、結晶質である割合を一定に制御することにより、上
記に示したように粒界相の電子の移動度を制御し、高
温、高電圧の環境下における製品寿命を長くすることが
できるのである。
【0020】偏析相は、誘電体層の一断面(破断面)に
おいて、存在する偏析相の個数の内、60%以上が結晶
質であることが必要である。結晶質である偏析相の存在
の割合が60%よりも低い場合には、高温、高電圧下で
の寿命が顕著に短くなる。
【0021】このように、結晶質である偏析相の存在の
割合を60%以上とするためには、焼成時において最高
温度から800℃までの降温速度を50℃/hr以下、
特には20〜40℃/hrとすることが必要である。こ
れは、降温速度を50℃/hr以下とすることにより、
偏析相の結晶化を促進し、結晶質の偏析相の存在の割合
を60%以上とすることができるのである。
【0022】本発明の積層型コンデンサは、先ず、例え
ば、上記した誘電体磁器組成物に所定のバインダー、可
塑剤を添加し誘電体層用のスリップを作製するととも
に、例えば、Niに所定のバインダー、可塑剤を添加し
内部電極用のスリップを作製する。そして、台板上に、
誘電体層用のスリップをドクターブレード法により複数
回塗布し、所定厚みの誘電体成形膜を形成し、この誘電
体成形膜の表面に内部電極用スリップをスクリーン印刷
して所定形状の内部電極膜を形成する。
【0023】この工程を所望の容量が得られるまで繰り
返した後、該積層体を酸素分圧が3×10-5〜3×10
-3Paの非還元性雰囲気において1200〜1300℃
で1〜5時間一体焼成し、この最高温度から800℃ま
での降温速度を20〜50℃/hrとする。この後、窒
素雰囲気において900〜1100℃で2〜7時間熱処
理することにより、本発明の積層型コンデンサを得る。
【0024】
【実施例】出発原料として水熱合成法により得られた平
均粒径0.5μmのBa(Ti、Zr)O3 粉末を用
い、このBa(Ti、Zr)O3 100モル部に対して
平均粒径1.0μmのCaTiO3 を0.05モル部添
加した成分を作製し、この成分100重量部に対してN
2 3 を0.5重量部、MnO2 を0.2重量部添加
し、混合して主成分を作製する。この主成分100重量
部に対して、Li2 O、SiO2 、B2 3 のモル比が
表1に示す比となる仮焼した粒界相成分を、表1に示す
量だけ添加し、ZrO2 ボールにより混合し、バインダ
ー、可塑剤を加え、誘電体層用スリップを得た。
【0025】また、Niとテルピネオールを添加し、A
2 3 ボールにより混合し、バインダー、可塑剤を加
え、内部電極層用スリップを得た。
【0026】そして、誘電体層用スリップを台板にドク
ターブレード法により複数回塗布して、焼成後の厚みが
表1の厚みとなるように誘電体成形膜を作製し、この誘
電体成形膜の上面に、内部電極層用スリップをクシ型構
造となるようにスクリーン印刷し、誘電体成形膜の形成
から電極膜の形成までの工程を20回繰り返し、誘電体
成形膜を20層有する積層成形体を作製した。この積層
成形体を熱圧着後、酸素分圧が3×10-4Paの非還元
性雰囲気において1250℃で2時間焼成し、800℃
までの降温速度を表1に示す速度として冷却した後、窒
素雰囲気中において1000℃で5時間熱処理した。こ
の後、該焼結体の両端面に、Cuからなる外部電極を形
成し、本発明の積層型コンデンサを得た。
【0027】このようにして得られた積層型コンデンサ
に対して、誘電体層厚みを走査型電子顕微鏡(SEM)
にて観察、測定するとともに、誘電体層中の偏析相の存
在状態を透過電子顕微鏡(TEM)にて観察した。結晶
質であるかどうかの確認は、個々の偏析相に対して電子
解析像が得られるかを確認することにより行い、任意に
選択した誘電体層中の50個の偏析相に対する結晶質の
偏析相数の割合(%)を求めた。
【0028】また、容量をLCRメータで測定周波数1
kHz、入力信号レベル1Vrmsという条件で測定
し、誘電体層一層当たりの容量に換算して求めた。
【0029】さらに、150℃の測定炉中で誘電体厚み
に対して8V/μmの電圧を印加し、ショート故障に至
るまでの時間(寿命)を測定し、この結果を表1に示
す。
【0030】
【表1】
【0031】この表1の結果より、本発明の試料では2
50nF以上の高容量であり、また、150℃、8V/
μmの電圧を印加した場合でも、ショート故障に至るま
での時間が185時間以上と長く、高温、高電圧の環境
下であっても、信頼性が高く長寿命であることが判る。
【0032】図1に、本発明のNo.7の積層型コンデ
ンサの断面をTEMにて5000倍に拡大した結果を示
す。図において、符号1は誘電体層、符号2は内部電極
層、符号3は(Ba,Ca)(Ti,Zr)O3 からな
るセラミック粒子、符号4は偏析相を示す。さらに、こ
の試料の誘電体磁器の断面をTEMにて10万倍に拡大
した結果を図2に示す。図において、符号3は(Ba,
Ca)(Ti,Zr)O3 からなるセラミック粒子、符
号4は偏析相を示す。
【0033】
【発明の効果】本発明の積層型コンデンサでは、チタン
ジルコン酸バリウムからなる結晶相と、このチタンジル
コン酸バリウム100重量部に対してLi、Si、Bの
うち少なくとも一種をそれぞれLi2 O、SiO2 、B
2 3 換算で総量0.4〜1.2重量部の割合で含有す
る偏析相とを有する誘電体層の厚みを3〜10μmとす
るとともに、誘電体層の破断面における偏析相中のうち
結晶質の偏析相の割合を60%以上とすることにより、
誘電体層が薄層であっても高温、高電圧の環境下におけ
る寿命を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試料No.7の積層型コンデンサの断面をTE
Mにて5000倍に拡大した図である。
【図2】試料No.7の積層型コンデンサの誘電体層磁
器の断面をTEMにて10万倍に拡大した図である。
【符号の説明】
1・・・誘電体層 2・・・内部電極層 3・・・セラミック粒子 4・・・偏析相

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタンジルコン酸バリウムからなる主結晶
    相と、このチタンジルコン酸バリウム100重量部に対
    してLi,Si,Bのうちの少なくとも一種をそれぞれ
    Li2 O、SiO2 、B2 3 換算で総量0.4〜1.
    2重量部の割合で含有する偏析相とを有する誘電体層
    と、卑金属からなる内部電極層とを交互に積層してなる
    積層型コンデンサであって、前記誘電体層が3〜10μ
    mの厚みを有するとともに、前記誘電体層の破断面にお
    いて存在する偏析相数のうち60%以上が結晶質である
    ことを特徴とする積層型コンデンサ。
  2. 【請求項2】偏析相中の結晶質が、Li,SiおよびB
    のうち少なくとも2種を含有する複合酸化物からなる請
    求項1記載の積層型コンデンサ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6906906B2 (en) 2003-03-12 2005-06-14 Murata Manufacturing Co., Ltd. Monolithic ceramic capacitor
KR100645710B1 (ko) * 1999-03-19 2006-11-13 다이요 유덴 가부시키가이샤 적층 세라믹 캐패시터

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100645710B1 (ko) * 1999-03-19 2006-11-13 다이요 유덴 가부시키가이샤 적층 세라믹 캐패시터
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